蛇神様の皮算用

  元旦の早朝、まだ日の出前のことだ。薄暗い朝靄の立ち込める山道を歩いていた。

  新年早々、正月に何もやることがなくあまりにも暇を持て余していた。

  そこで僕は巳年にゆかりのある山の神社へと向かっていたのだが……。

  どうやら道を間違えてしまったようだ。

  「慣れないことはしちゃダメだな…」

  地図アプリのGPSもいまいち反応が鈍くて僕は完全に道に迷っていた。

  歩き疲れしばし休憩を取ることにした。そんな時、耳に微かな水音が響いてくる…。

  澄んだ音色に導かれるように視線を向けると木々の間から清らかな沢が見える。

  そこで、僕は息を呑む……。

  「えっ……こんな時間に女の人?」

  沢のほとりに巫女装束を着ている輝くような長い白髪の長いの女性が佇んでいた。

  その姿は、まるで絵画から抜け出してきたかのような美しさだった。

  脱ぎかけなのか背中が大きく露出しており白磁のような白く輝く肌が垣間見え、僕は思わず見惚れてしまっていた。

  その美しい背中が、どこか不自然に膨らんでいることに気付いた瞬間だった。

  まるで何かが内側から押し出されようとしているかのように女性の背中が大きく隆起し始めた。

  そして次の瞬間、乾いた音とともにその背中の膨らみが裂ける。

  「……!!」

  僕は驚きで声も出せず、ただその光景を凝視することしかできなかった。

  裂け目から、もう一人の女性…いや先程の女性とまったく同じ顔を持つ存在が、蛹から羽化するように全裸で這い現れた。

  新たに現れた女性の下半身は人とは明らかに異なり異形そのものであった。

  腰から下は純白に輝く鱗に覆われた蛇の胴体へと繋がっていた。アニメや漫画に出てくるラミアそのものの姿に言葉を失う。

  パキッ…

  思わず後ずさりした先の小枝を踏んでしまい小さな物音が静寂を破ってしまう…。

  その瞬間、蛇のような瞳が僕を捉え全身が凍りつくような感覚に襲われた。

  意思とは無関係に足が勝手に動き出す。

  糸で操られる人形のように、現実ではありえない存在の前まで歩みを進めてしまった…。

  「なぜ、ここに人の仔がおる?」

  古めかしい言葉遣いで問いかけられる声は、美しい声色でありながら威圧的だった。

  「そ、その…山の神社に行こうと思って…道に迷ってしまって…」

  女性は眉を寄せ綺麗に整った白い指を額に当てる。その瞬間、僕の頭の中を電流が走ったような感覚が襲う。

  「あっ…ぅぅ…」

  ピリピリとした痺れが意識を揺さぶり、まるで頭の中を誰かが覗き込んでいるような不思議な感覚に包まれた。

  「ふむ…」

  やがて手を放すと、その奇妙な感覚も消えていった。

  「嘘はついておらぬようじゃな。正月ゆえ暇を持て余し、参拝に来ようとしたと…」

  その通りの事実を言い当てられ僕は驚きに目を見開くことしかできなかった…。どうやら、先ほどの痺れは本当に記憶を読み取られていたようだ。

  「それに……妾の姿に見惚れておったか、悪い気はせんのう」

  からかうような口調に顔が熱くなる。

  すると、それまでの威厳のある態度が一変しくすくすという柔らかな笑い声が響く。

  少し悩んだ表情をしてからしばらくすると、思いもよらない提案が投げかけられた。

  「妾はおぬしが向かっていた神社の蛇神でのう……… 神社で数日アルバイトしてみぬか?正月は何も予定がなくヒマなんじゃろ?」

  「え…アルバイト、ですか?」

  突然の提案に呆気にとられる僕に、蛇神様は微笑みながら続けた。

  「そうじゃ。本来なら、この場で記憶を消して返すところじゃが…」

  白い尾の先で頭をつつかれる。

  「今年の参拝客も多く、人手が足りておらぬ。それに……先ほど記憶の一部を見たときに接客の心得があるみたいだったのでな」

  どこか楽しげな口調で語る蛇神様に僕は不思議と抵抗を感じなかった。

  「え、ええ…確かに接客は多少はできると思いますけど……」

  返事をした瞬間、蛇神様の表情が一瞬だけ悪戯っぽく微笑む。

  「よし!決まりじゃな!…それじゃあ、早速準備に取り掛かるとするかの!」

  「え?準備って…うわっ!」

  言葉が終わる前に、蛇の尾が素早く腰部分に巻きつかれ、逃げる余地を完全に奪われる。

  僕は先ほど脱ぎ捨てた人型の抜け殻に押し込まれると、手足がまるでボディスーツを着るように勝手に動き始め体に纏わり吞み込まれていく。

  「ちょ、ちょっと待って!……んぐぅ!!」

  女性の形を保っている抜け殻は僕がその大きさにピッタリとなるように手足の先までしっかりと着こまれる。何かの腹の中のような生暖かさと、強烈な粘液質でドロドロした感触が僕の全身を包み込む。

  「ん…んんっ!!」

  抜け殻の内側からまるで生き物のように蠢く何かが、僕の体の隅々まで入り込んでくる。

  耳の中、口の中からお尻の穴に至るまで栓をするようにねじ込まれ、微かに甘く暖かい液体を大量に放出される。

  (な、なんだ!…体が…熱いぃ)

  液体は瞬時に体に吸収され体の芯から熱が込みあげる。体の中心から何かが目覚めていくような不思議な高揚感が体全体を侵していく。

  「おっ…始まったかの」

  抜け殻が密着し大きく波打ち始める。僕の体は人体の限界を超えた角度で曲がり伸び縮みを繰り返す。

  全身の筋肉が溶け、再構築されていく全身は強烈な快感だけに支配され、頭がグルグルと回る感覚と共に意識が飛びそうになってしまう。

  しだいに形が整えられていき、肩幅が狭くなり背筋が優美な曲線を描き始め、胸が膨らみウエストが括れていく。

  腰も大きく丸みを帯び始め滑らかな曲線を描き、優美な女性的な形に強制的に変貌させられる。

  「順調じゃな……あとは魔羅だけじゃな」

  僕の体に密着した抜け殻の中では唯一男性の象徴としての一物だけがもっこりと浮き出ている…。

  急速に熱がたまっていき張り詰めたモノは爆発寸前になる。

  そして……。

  「ぁ…あ゙…アアアア゙ア゙ア゙ァァァ!!!!」

  大量の白濁液が抜け殻の中で解き放たれる。凄まじい快感と共に男の象徴は解け落ちてその部分には筋が入っている…。

  背中に大きな亀裂が入ると抜け殻の背中側から、精液と粘液が混じった液体と共に僕は新しい姿で外の世界に放り出された。

  放出した後に女性の抜け殻は役目を終えたように塵になって消えていった。

  「はぁ…はぁ…」

  か細い吐息が漏れる。足がふらつき、倒れそうになる体を蛇神様が優しく支えてくれていた。

  「よき体になれたではないか……少し休んだら妾のために働いてもらおう♪」

  激しい変容の余韻で意識が遠のいていく。世界が霞んでいく中で最後に聞こえたのは蛇神様の満足げな声だった。

  [newpage]

  柔らかな布団の感触を感じる。目を開けると見慣れない和室の天井が目に入った。

  「ここは…?」

  耳慣れない声が漏れる。高い声、明らかに自分のものではない声に一気に意識が覚醒した。

  慌てて上半身を起こす。着物の襟元が僅かに緩み見慣れない膨らみが目に入る。部屋の隅に置かれた鏡がその異変を映し出していた。

  「え…」

  鏡に映る姿に言葉を失う。

  長い白髪が肩を流れ落ち、沢で見た人のしての姿の蛇神様を一回り小さくしたような女性がそこにあった。

  自分自身であるはずなのに、鏡に映る姿に思わず見惚れてしまう。心臓が高鳴り、頬が熱くなるのを感じた。

  「これが…ボク?」

  不思議な高揚感と共に新しい体への興味が湧き上がってくる。

  思わず、胸に手を伸ばしかけた瞬間____

  「おやおや~、早速その体を確かめてみたいのじゃな?」

  襖の隙間からニヤニヤ覗く蛇神様の顔に、ボクは慌てて手を引っ込めた。

  沢で出会った時と同じ巫女装束に身を包み下半身も人の姿となっており、茶目っ気たっぷりの表情で襖を開けながら、蛇神様は部屋に入ってきた。

  「姿は後で戻るから安心するのじゃ…時が限られておるから仕事の説明をさせてもらうぞ」

  業務内容としてはお守りやお札の販売、甘酒の配布などの接客を中心とする業務であった。

  「おぬしの記憶の除いたからこれくらいの業務はできよう」

  「まあ…慣れているので…」

  蛇神様は満足げに微笑む。しかし、まだ疑問が残っていた。

  「あの…どうしてボクを…女性の姿に?」

  おずおずと声を上げる。

  質問を投げかけると、蛇神様は何を言っているのかという顔を浮かべた。

  「可愛らしい者の方が商売繁盛するに決まっておろう!参拝客の記憶にも残るじゃろ?……これで大繁盛間違いないのじゃ!!」

  蛇神様はドヤ顔で断言した。

  まさか、そんな理由だとは思っていなかったため唖然とするしかなかった……。

  目にお金のマークを浮かべそうなほど嬉しそうに目を輝かせて笑う蛇神様を見て、守銭奴という言葉が頭に浮かんでしまう…。

  「……いま不敬なことを考えたじゃろう?」

  「い、いえ!」

  ジトっとした目で睨み心を見透かすような言葉に慌てて首を振る。

  すると、蛇神様は悪戯っぽく笑って見せると…。

  突如、後ろから抱きつかれ、大きくなった胸を柔らかく包まれる。

  「ひゃん!」

  「ふふっ、この体で興奮しちゃダメじゃぞ…」

  耳元でからかうような口調で言われても、これほど敏感な体への刺激を受けては興奮しない方が難しい。心臓が鼓動が早くなり、息が上がってくるのを感じてしまうのであった。

  初日の仕事は想像以上に忙しかった。

  お守りの販売所では、商品の説明から金銭の受け渡しまで神経を集中させる必要があった。

  着物の裾さばきにも苦心しながら、甘酒を配る際は熱い蒸気の立ち上る器を両手で慎重に運び、参拝客一人一人に誠意をもって笑顔で差し出す。

  後で聞いた話では、ボクの立場は擬態した蛇神様の親戚で三が日だけの手伝いという設定で関係者の記憶も巧みに操作されているらしい。

  夜になり、汗を流すようにと蛇神様から勧められお風呂に入ることになった。

  気の立ち込める鏡に映る自分の姿に、まだ慣れない感覚が胸の奥をくすぐる。

  女体の体でシャワーを浴びる度に水滴が伝っていく感覚に思わずドキリとする。

  「これが…今のボク…」

  湯船に浸かると、温かな湯が新しい体の隅々まで包み込んでいく。水面に浮かぶ自分の体を見つめながら、お湯につかっているのか興奮して熱くなっているのかわからなくなりつつも体を清めていくのであった…。

  布団に入っても興奮が収まらず、むしろ強くなっていった。仰向けに寝転がるとと確かな胸の重みを感じる。

  思わず手が伸びそっと触れてみてしまう…。

  「んっ…あぅ…」

  思わず漏れる声に驚く。

  これまで経験したことのない感覚が体中に広がって呼吸が浅くなっていく…。

  最初は単純な興味本位だった触れ方が、徐々に大胆になっていく。新しい体がもたらす感覚は予想以上に鮮烈で、気が付けば様々な場所を弄っていた。

  肌の柔らかさ、胸の感度、すべてが新鮮で心地よい。指先で触れるたびに男性とは全く異なる感覚が全身を駆け巡る。

  最終的にシルクの下着の上から割れ目の突起を擦るように刺激を始める。

  「はぁ!…あぁ…ん!」

  今まで経験したことのない感覚が全身を包み込む。理性では制御できない波が、体の芯から広がっていく。

  指先が短い間隔で擦られ続けること繰り返すたびに、血液が熱く煮えたぎっていくような刺激が広がっていく…。

  喘ぐ口をふさぐため布団を噛みしめながら、沸点に達するためただ無心にこすり続け絶頂へ向かい駆け上がっていく。

  「ん…んっ!!……ん゙!!おお゙っ!!!!」

  上り詰めるような絶頂ではなく熱が広がり溢れるような未知なる絶頂に上り詰める。

  頭は真っ白になってしまい、無意識に力が入っていた太ももはガクガクと痙攣してしまいかき消せなかった喘ぎ声があふれてしまった。

  (なんだこれ……男のと違ってイったのに全然熱が収まらない……)

  濡れてしまった下着を脱ぎ捨てて直接手で刺激を続行するが、余韻と初めての快感が駆け上がってくる。女性の絶頂を知らないボクは訳が分からず絶頂の波に再び飲まれてしまい…。

  「んあ゙っ!!……こんなすぐにっ…いぃぃ!!……ぐ゙ぅ゙ぅ゙!!!!!!」

  経験したことのない深い深いオーガズムが広がり全身を包み込む。

  全身に熱波が広がりビリビリと電流が走るような感覚。背中が大きく反り、つま先までビクビクと震えと熱が走る。

  極大の快感の波は処理をしきれなかった…。

  意識が白く霞みそのまま深い眠りへと誘われていく…。

  翌朝、うっすらと目を開けると既に蛇神様が部屋に起こしに来ていた。

  「若いの~……昨夜は...楽しめたみたいじゃな?」

  意味ありげな笑みを浮かべながら、私の乱れた寝間着を見つめる蛇神様。

  襟元は大きく崩れ、裾もめくれ上がっている。極めつけは下着を脱いで快楽に耽っていてそのまま眠ってしまったため丸出しの下半身だった。

  「夜は程々にするのじゃよ~」

  からかうような口調で告げられ、手のヒラヒラさせながら去っていく蛇神様を見届けながら更に顔が熱くなるのを感じる。

  黙り込んだまま小さく俯くことしかできなかった…。

  [newpage]

  時の流れは速く、三日間の神社でのアルバイトが終わりを告げようとしていた。朝もやの立ち込める中、蛇神様と共に最初に出会った沢へと向かう。

  「もうすぐお主が女性の姿を保っている力もそろそろ限界のようじゃからな」

  蛇神様の言葉に自分の体を見つめる。この三日間で随分と翻弄された女性の姿。その体ももうじき元に戻るのだという。

  人目のない所で元の姿に戻す必要があるので初めて会ったこの沢まで来たのはそのためであった。

  山道を進みながら蛇神様は話し始める。

  「この三日間のお主の働きぶり、まことに素晴らしかったのじゃ!こうも手際よく仕事をこなしてくれるとは」

  「ありがとうございます!…慣れてはいましたので…」

  このような反応をされたので僕は少し照れくさくなってしまい視線を反らせてしまう。

  「おかげで今年の売り上げは例年の倍以上。神社の懐も潤うわい!………お主を当てにすればおいしい酒もたらふく飲めそうじゃの」

  話してる途中に体の内側から大きな変化が始まった。

  突然、視界が真っ暗になり体が内側から膨張するような強い圧迫感に襲われる。

  (突然視界が真っ暗に!…体の感覚も鈍く…)

  「時が来たようじゃな……焦ることはない、変化自体を受け入れよ」

  息苦しさと共に、体の芯から何かが崩れていくような感覚が押し寄せそれを脱力し受け入れようとする。

  「妾も窮屈だったゆえ本来の姿に戻るとするかの…」

  やがて視界が徐々に戻ってきて以前の体の感覚も戻り始める。

  そして、目の前には想像を遥かに超える数メートルはある巨大な白蛇が鎮座しこちらを見下ろしている。鱗は真珠のように輝き、その姿は神々しさそのものだった。

  この存在こそが蛇神様の本来の姿なのだと、直感的に理解できた。

  『ふふ、驚いたかの?』

  低い声が直接脳に響いてくる。

  『これが本来の妾での…たまにこの姿に戻らなくては窮屈でたまらん』

  巨大な体をゆったりと動かしながら、こちらを見据えて話を始める。

  『お主には、本当によく働いてもらった。誠実な心と見事な働きぶり、妾は深く感謝しておる』

  蛇神様の声が厳かになる。

  『何か望むものはあるか?』

  その言葉に、僕は深く考え込んだ。

  確かにこの三日間は短かったが想定外の体験の連続だった。鏡に映った姿に心を奪われ、未知の感覚に震えた記憶。

  それは決して消え去ることのない、鮮烈な思い出として刻み込まれてしまっていた…。

  「また…女性の姿になりたい……です…」

  思わず小声で言葉にした瞬間顔が熱くなる。それほどこの経験は、あまりにも鮮烈で忘れがたいもので思わず正直に言葉にしてしまう。

  巨大な白蛇の姿をした蛇神様が、一瞬驚いたような反応をした後に蛇神様の笑い声が楽しそうに響く。

  『ずいぶんと素直になったものよ。記憶を除いた時は流されやすく、自分の意見を持つことを恐れ言葉にできない人の仔じゃったと思うのじゃが…』

  その言葉に僕は顔を俯いてしまう。確かに、最初は自分の欲望を認めることすら躊躇していた。

  『じゃが、このご時世に素直に己の欲を申せるようになったというのは立派な成長よのう…』

  突然、蛇神様は巨大な口を大きく開き始める。

  思わず一瞬、巨大な牙を見てしまい思わず目をつぶってしまっていた。

  しかし、何もなく目を開けた先からはその口の中から同じ大きさの白蛇がゆっくりとにゅるりと這い出して姿を現し始めていた。

  そして、元の体から完全に抜け出た新しい白蛇が地面に降り立つのを驚きながら見届ける。

  抜け出して生気のなくなった元の蛇神様の体が不思議な変化を始めた。まるで空気が抜けていくように小さくなり、最終的にその姿はなんとか人が持ち運べるサイズの白蛇をモチーフの寝袋のような形となった。

  『ほれ、これを持っていくのじゃ』

  蛇神様は尾先で持ち上げるとそれを目の前に差し出した。

  「これは…」

  『試してみれば分かる。お主の望みは[[rb:大まか > ●●●]]には必ず叶う……はずじゃ』

  受け取ると歯切れの悪い言葉の理由も聞く間もなく蛇神様は尾先で優しく僕の目を覆った。

  『それの効力は約一年…気に入ったら来年も手伝いにくるのじゃぞ』

  体の感覚が徐々に遠のいていく。

  方向感覚が失われ意識が霞んでいく中で、最後に聞こえたのは蛇神様のこれからのことを見透かしているような笑い声だった。

  [newpage]

  気がついた時、僕は山の入り口に立っていた。どのように下山したのか、記憶は曖昧だ。長い夢でも見ていたようであった……。

  無事に家に帰り着き玄関で靴を脱ぎながら、ふと、背負っていたリュックの中が気になり部屋に入るなり中を確認する。

  そして、純白の鱗でできた寝袋のようなものが綺麗に畳まれて収まっていた…。

  あの日から数か月たった静かな夜更け。窓から差し込む月明かりの中僕は寝室のベッドに腰かけていた。

  手元には蛇神様から授かった寝袋あり、手のひらで撫でると気持ちいい鱗の感触が伝わってくる。

  「そろそろ始めようかな…」

  Tシャツだけ1枚だけ着てからその不思議な寝袋にそっと足を滑り込ませる。

  下半身を包み込む暖かい感触にこれから起こる変化で期待で胸が高鳴る。

  目をつぶり横になっていつものようにその時を待つち、やがて体の芯からゾクゾクした感覚がした後に熱が徐々に広がっていく…。

  突然、腰まで着ていた寝袋が収縮して足をそろえた形に固定され足の感覚が無くなると、背骨を通って言葉に表せない力が込み上げてくる。

  「っ!……キタ!!」

  内側から何かが押し寄せてくるような感覚がしたあと、僕は急いで大きく口を開くと鈍い音を立てながら鋭い牙が現れる。

  目を見開くと茶色の虹彩が波打つように揺れ瞳孔は一瞬収縮し、瞬時にと上下に引き伸ばされていき鋭い縦線となった。

  「んんっ!胸も…大きくなるっ!!」

  胸の上部に微かな膨らみが現れ、布地が引っ張られる感覚を感じていく。

  生地のしわが胸の膨らみに沿って放射状に広がり、徐々にTシャツが窮屈になる。

  最終的に胸元は生地が限界まで伸びきって胸の形状が布地を通してはっきりと確認できるようになっていた。

  同時に体の輪郭も変化を始め、がっしりとした肩回りがすっきりとし、ウエストが細くくびれていく。

  腕の筋肉質な輪郭は柔らかくしなやかで女性的な曲線へと変わっていった。

  「あっ……あぁぁ……」

  高く美しい声を出しながら短い黒髪が一気に伸び始め、毛先から艶のある純白の髪が背中を覆っていく。

  寝袋と一体化した下半身の蛇の尾が本能的に動き始める。

  尾を大きく動かしに力を込めると、ベッドのマットレスが軋むような音を立て徐々に上体を持ち上げていく。

  人間の上体起こしとは全く異なる感覚だったが、何回かの変身で慣れて体が動きを理解していた。

  「女の子の姿になりたいって言ったけど……ラミアみたいな半人半蛇になるとは思ってなかったんだよなぁ…」

  重心を取る動作も完璧に制御できるようになっていた。胴体は安定した姿勢を保っており、最初は戸惑っていたものの今では自分の一部として違和感なく受け入れられていた。

  「初めて使ったときは牙が生えると思わなくて口の中をケガしちゃったし…」

  色々な思いにふけっていたが、この姿でいられる時間は限られている。

  約三時間を過ぎると自然と脱皮するように元の姿に戻ってしまう。その時間の制限が少し物足りなく感じることもあるが、それもまた特別な時間として受け入れていた。

  「時間もないし…楽しんじゃおうかな」

  大きく膨らんだ胸に触れると、敏感な体が震える。指先で優しく撫でると初めて蛇神様に女性にされた日の夜を思い出し、快感が全身を駆け巡る。

  尾の先は自然にピクピクと動いてしまい感じていることを隠せないでいた…。

  「くっ…ふぅっ!……大きいのに凄い感度だ…」

  しだいに激しくなり左手で胸を揉みしだきながら、右手は腹板と肌の境目にある女性器上の陰核を軽く掴みながらしごいていく…。

  「んっ!…んあぁぁ!!……もっと!…もっと!!」

  我慢しきれなくなり尻尾をベッド下へと伸ばす。人間の手が届かないような奥まった位置に閉まってあるディルド取り出すと長い舌で嘗め回す。

  ぐっしょりと涎にまみれさせたディルドを尾先で起用に持ちすっかり濡れた秘部に挿入し、欲情に任せ激しく抜き挿しを始める…。

  「んあ゛っ!!……はあ゙っ゙!……気持ちい゙ぃ゙ぃぃ!!」

  尾でディルドを激しく出し入れするたび、愛液をかきだすよう音がぐちゅぐちゅっという卑猥な水音が響き渡っていく。

  「あ゙あ゙あぁぁぁ!!…イ゙グイ゙グイ゙グ!!……イグゥゥゥゥッ!!」

  言葉にならない咆哮のような嬌声が響き渡り、体がビクンッと大きく跳ね上がる。膣圧でディルドが掴んだ尾から離れると同時に潮を吹きながらベッドを濡らす。

  深い絶頂で力が入らずぐったりして蕩けきった表情を浮かべていた。

  (こんな体験したら…手放せるはずがないよ……)

  蛇神様への感謝の念をもありつつ……

  すっかり依存させきって来年のお手伝いに誘導されたものだなぁ……と思いながら、再び戻りつつある性欲で手と尾を動かし始めるのであった…。