旅のホコリを払った方がいいと主張するダミアンに脱がせられて、私は湯浴みに放り込まれた。確かにさっぱりするけれど、こんなところを侍女達に見られたら言い訳のしようがないわ。
腕まくりして私を洗うダミアンは、時々私に甘い声をあげさせながら、ニヤリと笑った。
「君の甘い声を聞くと旅の疲れも一気に取れるよ。さぁ、先にベッドへ行きなさい。私も直ぐに行くから。…早く休んで疲れを取らないとね。」
ダミアンの意味深な言葉に顔が赤くなるのを感じながら、私はガウンを羽織ってダミアンの楽しげな笑い声に追い立てられてベッドへと飛び込んだ。
そうは言っても、確かに随分さっぱりしたわ。後で侍女達に身支度を手伝って貰わなければならないけれど。そう考えて仕舞えば、私はガウンを脱いで床に放り出すとクスクス笑いながら全裸でベッドに潜り込んだ。
直ぐに足音を感じて、私はドキドキと胸の鼓動を速くした。
「…こんなところに女神の抜け殻が落ちてる。」
私は声を殺して笑わないように我慢した。するとベッドの足元が捲られて、そっと足の先を撫でられた。くすぐったさに息を呑むと、ぬるりと足の指が舐められたのを感じた。
ああ、変な気持ちになってしまう。呻いたのが聞かれたのか、ダミアンの愛撫はじわじわと脚の上へと登ってきた。お尻を両手で掴まれると、すっかり疼く脚の間が妙に切ない。
不意に待ちかねた場所にぬるりと舌を這わされて、私はうつ伏せた腰を上げて悶えた。
「…っ、あぁっ、…ん、あんっ…!」
くちゅくちゅと顔が赤くなるような水音が聞こえて、私はすっかり熱くなって息苦しい程だった。急にかけ布が取り払われて、口元を手の甲で拭ったダミアンが私を見下ろした。
「私の愛しい人は、すっかりいやらしい身体になったみたいだな?喜んでもらえて嬉しいよ。」
そう言うと指で後ろから何度も甘くなぞられて、焦らされた。脚の前の方を引っ掻く様に弾かれると、その度にビクビクと身体が悶えるのを止められない。
腿にぬるみが伝うのを感じると、ダミアンが私をひっくり返して甘く口付けて来た。私は焦らされた疼く気持ちをぶつけるようにダミアンの首を掻き抱いて、慣れれば慣れるほど甘く感じるダミアンの舌を楽しんだ。
「…クレアは勉強家だ。すっかり私を煽る様な口づけが上手くなった。」
トロンとした半開きの瞼から青黒い瞳で私を見つめたダミアンが呟くので、私は舌先でダミアンの唇を撫でて囁いた。
「さっきからお喋りばかり。貴方が欲しくて堪らないのに。」
実際身体に触れるダミアンの逞しいシンボルに、私の欲望は燃やし尽くされそうだった。もうダミアンも余計なことを言う余裕を無くして、私の太腿を両手で押さえつけると、ゆっくりと圧迫感のあるそれを挿れてきた。
いつもの様に何度か出し挿れしないで一気に入ってきたダミアンに、私は息を弾ませて呻いた。ああ、凄い。いつもより征服されるその圧倒的な逞しさに、私は思わず仰け反った。
曝け出した胸に吸い付くダミアンの口を感じて、私は文字通りヒクヒクと身体を跳ねさせた。同時に掻き回される様に動かれて、部屋に響く喘ぎ声を気にする余裕も無くなった。
「ああ、クレア凄い。私を欲しがってる…!」
軋む声でダミアンに呻く様に言われて、私もまた熱くなった。ダミアンの与えてくれる、私を知り尽くす様な悦びが私を支配していた。これ以上追い詰められたら叫んでしまう。
「…ダミアンっ!逝っちゃうわ、もう、我慢出来ないっ!」
するとダミアンはグッと奥へ突き挿れると、息を吐き出して動かなくなった。
「何度も逝くと疲れてしまうからね。私の準備が整うまで待っててくれるかい?」
そう言うと、今度はゆっくりとじわじわ動き出した。奥をゆっくりと突かれて、私は悶える様な快感を味わった。弾ける様な強い快感では無いけど、その燻される様な疼きは私にため息をつかせた。
「ああ、凄くうねってる。これも好きかい?」
そう言って時々激しく突かれて、私は馬鹿みたいに叫んだ。ああ、もう無理…!何度目かの絶頂手前の快感に、私はぐったりとダミアンを見上げた。
汗を滲ませながらそんな私を見下ろしたダミアンは、ギラついた眼差しで太腿を押さえつけると切羽詰まった様に私を揺さぶり続けた。その圧倒的な逞しさに、私は呆気なく高みに放り出されて、終わりのない絶頂に声にならない叫び声を上げることしか出来なかった。
耳元で大きく呻きながらダミアンが何度か腰を突き出すと、私はその甘い余韻にまた身体をヒクつかせた。ダミアンが中に居るだけで、私の快感は終わらない。
ぐったりと汗ばんだ私の顔に、優しく啄む様に唇を落とされて私は無意識に微笑んでいた。結局馬鹿みたいに私も楽しんでしまった。
ドサリと隣に横になったダミアンに抱き寄せられて、心地よい疲れに私達は少しうとうとしたみたいだった。
「クレア、起きて。」
そうダミアンに口づけで起こされて、私は渋々目を開けた。甘く微笑んだダミアンは、身体を起こした私を貪る様に見つめて言った。
「まったく、君は目に毒だ。時間がないのにそんなしどけない姿を私に見せて。さあ、すっかり眠ってしまった様だ。そろそろ侍女達に身支度を手伝って貰わないと。湯を使うかい?私は君の余韻を楽しむ事にするよ。」
そうニヤリと言われて、私は慌ててガウンを羽織ると湯浴みに急いだ。湯浴みから出ると、すっかり身支度を終えたダミアンが侍女達に何か言って出て行った。
後ろめたい気分で鏡の前に立つと、侍女達がテキパキと私にドレスを着せ掛けてくれた。
「すっかりお疲れが取れた様で良かったですわ。顔色も良くて。クレア様は本当に美しい銀色の髪でらっしゃいますのね。飾りなどまるで必要としませんわ。お食事中に顔にかからない様に少し編み込んでおきましょう。」
そう、侍女達が楽しげに私を飾り立てるのを見つめながら、私は侯爵家に歓迎されているのを感じた。私はふと侍女達に聞いてみた。
「あの、侯爵夫人はどの様な方でいらっしゃいますの?」
すると侍女達は顔を見合わせて口篭った。
「…奥様は日頃からあまりお部屋を出ませんの。体調が良くない訳ではないのでしょうけど。クレア様がいらっしゃったら、何か変わられるきっかけになれば良いのですが。」
そう気遣いながら侍女達が話すのを聞きながら、私はあの繊細そうな貴婦人を思い出していた。ああ、何か私に出来ることがあれば良いのに!