求め合うもの※

  部屋に響く切羽詰まった息遣いは、時々ガタンとぶつかる物音まで響かせた。

  私とダミアンは蝋燭の灯りに照らされて、ひとつの影を長く床の上に伸ばしている。ナイトドレスは胸から引き摺り落とされて、腰のリボンで辛うじて止まっている。

  「ああ、美しい胸だ。私は君の甘い匂いのする胸が堪らなく好きなんだ。美しいのに、こんなに先端が尖って卑猥だ。私に舐めて欲しがっているだろう?」

  私はダミアンにそんな事を言われて、恥ずかしさと興奮で胸に唇を寄せるダミアンの頭を掻き抱いた。じゅっと甘く強く吸い上げられて、それから柔らかく舌先でなぞられて、あまりの気持ち良さに脚の間が疼いて腰が無意識に揺れてしまう。

  そんな私を細めた眼差しで見つめたダミアンは、サッと私を抱き上げるとベッドへ連れて行った。

  ナイトドレスがまとわり付くしどけない私の姿を見下ろしながら、ダミアンは自分のベストを手早く脱ぐと、ブラウスを剥ぎ取った。

  むっちりとした鍛えられた胸板は厚く、その雄々しさに私はゴクリと喉を鳴らした。臍からズボンへと伸びる黒い体毛がその先に待ちかねている秘密を指し示す様で、視線が惹きつけられた。

  私はベッドに膝をつくと、ダミアンに頼んだ。

  「私に脱がさせて?」

  ダミアンは嬉しげに喉を鳴らすと、ベッドの側まで近づいて私が手を伸ばすのを見下ろした。私はそんなダミアンの視線に焼かれながら、ズボンのボタンをひとつづつ外して行った。

  すっかり兆しているダミアンのシンボルを布地の下に感じて、身体が熱くなるのを止められない。ようやく全てのボタンを外すと、下履きを突き上げる重たげなそれを薄い布越しに触れることが出来た。

  ああ、これを口いっぱいに押し込みたい。私は下履き越しにゆっくりと手の中でそれを撫でた。手を動かす度にビクっと動くその可愛いものは、実際には可愛さのかけらもないはずだった。

  息の荒くなったダミアンの顔を見上げて、私は下履きをそっと下ろした。途端に凶悪な見かけの雄々しいソレが私の目の前に飛び出た。ああ、やっぱり可愛くはないわ。血管の筋張った、張り詰めたソレは先端を赤く充血させている。

  既に指に触れるヌルつきは、ダミアンもまた私を欲しがっているのを感じて思わず笑い出したくなってしまう。私は両手でゆっくりそれをマジマジと見つめながら撫でると、そっと口づけた。

  少しムッとする様な独特な匂いは一瞬で、私の唇を撫でるそのつるりとした感触に直ぐに夢中になった。

  大きくて全然奥まで入らないけれど、根本の方を手で撫でながら、先端を頬張るとダミアンの悦ぶため息が聞こえる。ダミアンの手で首を撫でられて、うっとりと閉じていた目を開いてダミアンを見上げると、こんな時にしか見せない表情で私を凝視していた。

  「クレア、君は私をどうしたいんだ。ああ、気持ち良いよ…。君の事も味わわせてくれ。」

  そう言って、ダミアンは私をベッドに押し倒すと、私に自分のシンボルを預けたまま、私の腿に唇を押し付けた。お互いの感じやすい場所を愛撫し合うのは初めてではないけれど、ダミアンのソレを可愛がっていただけなのに、すっかり興奮してしまったのを知られてしまうのは恥ずかしかった。

  「…クレアのここ、良い匂いだ。卑猥な匂いで私をたまらない気持ちにさせるよ。…ああ、クレア。」

  そう言ってダミアンは私の太腿を開脚させて、疼く脚の間を優しく唇で覆った。まるで口付けする様に吸ったり食んだりするので、私は気持ち良さに身体をビクビクさせてしまう。

  でももっと奥に欲しいと思い始める頃には、私はダミアンのシンボルを可愛がる余裕も無くなって、ただ甘い声を部屋に響かせることしかできなかった。

  「ダミアン、お願い…!挿れて欲しいの…。」

  私がそう懇願すると、ダミアンは口元を拭って身体を起こした。

  「何が欲しいんだ?この指か、それともクレアが可愛がった私のこれか?」

  そう言ってぐったりとベッドに横たわる私に見せつける様に、自分のモノを手で扱いて見せた。私は興奮して掠れた声で、グチュッといやらしい音を立てるダミアンのそれをから目を離さずに言った。

  「逞しいそれが欲しいわ…!」

  ニヤリと笑うダミアンがのしかかって来て、私の疼くぬるついたそこに押し付けられ、何度も撫でられた。その感触に私は気持ち良さで強請る様な甘い声でダミアンを誘った。

  ああ、人間の本能をぶつけ合うこの一瞬は、私を獣の様にしてしまう。ダミアンを欲しいと思うのは私の女の本能なのかしら。けれど、ダミアンが私を割り裂く様に挿れてくると、それに翻弄されて何も考えられなくなってしまう。

  ダミアンが私の中で動き始めると、私の中いっぱいのダミアンに擦られて、疼く様な気持ち良さはあっという間に切羽詰まった気持ち良さに変わっていく。

  力強く揺さぶられて絶頂を掠めそうになると、ゆっくりと大きく動かされて、私はギリギリのところをダミアンに翻弄されていた。

  「あぁっ!もう、だめっ!だめよっ!あああんっ…!」

  私の嬌声と同時にダミアンが私をベッドに貼り付けて激しく腰を振り立てた。私はチカチカする様な身体が引き絞られる様な絶頂に飛ばされて、声もなく仰け反った。

  突き出した胸に吸い付きながら、ダミアンはなおも腰を止めようとしない。それどころか、私の腰を持ち上げて、上から叩きつける様にそれを出し挿れするから堪らない。その終わらない強烈な快感と、卑猥な眺めに、私は身体を捩らせる事しかできなかった。

  強い絶頂はある意味苦しさと紙一重で、小さな死と例えられるのもあながち違うとも言えなかった。不意にダミアンが大きく吠えて、私の中で逝ったのが分かった。

  ダミアンが擦り付ける様に、私との肉体の交歓の余韻を楽しんでいると、私はその度に小さく飛ばされてしまう。終わりのない自分のはしたない身体が恨めしいほどだ。

  すっかり汗で濡れてしっとりした二人の身体を重ね合っていると、目を閉じた私の瞼をくすぐる様にダミアンが口づけた。私が重い瞼をようやく開けると、そこには愛に満ちた眼差しのダミアンが微笑んでいた。

  「クレア、素晴らしかったよ。私は君とベッドを共にする度に、前回より素晴らしいと感じるんだ。この感動は一体いつまで続くんだろうね。こんなご褒美があるなんて、私に愛を教えてくれたクレアに感謝しないといけないね。」

  私は口元に微笑みを乗せて呟いた。

  「…じゃあ、感謝の印に湯浴みに連れて行って…?汗で、…さっぱりしたいの…。」

  気怠さと眠気で、私はもう目が開かなかった。

  「…ああ、クレアは眠ってしまって良いからね。私に任せなさい。」

  私は幸せで自分が微笑んでいる気はしたけれど、そう耳元で優しく囁かれた事しかもう分からなかった。ああ、本当に幸せ…。