遊園地の着ぐるみアルバイトでハイエナ獣人になっちゃう話

  今年で大学生2年生になる拓也は時給の良さに誘惑されて、遊園地の着ぐるみのアルバイトをすることにした。

  控室に並べられた着ぐるみの中で彼が担当するのはハイエナ獣人の「ウィル」というキャラクターだった。

  陽気な笑顔を浮かべたウィルの顔が描かれた着ぐるみを前に少し拓也は緊張する。

  実際にウィルは陽気な性格で得意芸のマジックで観客たちの笑顔を見るのが好き……という設定みたいだ。

  拓也は陽気ではなくどちらかと言うと大人しめな性格でウィルとの設定との違いに不安なことを伝えたが、スタッフには”とりあえず着てみてください”とその言葉の一点張りだった。

  「言われた通り、とりあえず着てみるか…」

  先ほど着方をスタッフに教わったことを思い出しながら、彼はウィルの着ぐるみを慎重に身にまとった。

  体にしっかりとフィットする感覚が少し窮屈に感じたが、最後に背中のチャックを自分で締めた瞬間に拓也に異変が起こった。

  「うっ…!」

  突然、拓也の頭の中に自分の知らない情報が流れ込んできた。

  鮮明な記憶のようにウィルというキャラクターの性格や癖、言葉遣いが植え付けられ、まるで自分自身のもののように馴染んでいく。

  「あれ…?俺っち…じゃなくて、僕、どうしたんだ…?」

  訳が分からず混乱する拓也。

  ウィルとして観客を盛り上げるイメージが頭に浮かぶたびに、自分の意志と関係なく身体が軽く動き出しそうになる。

  「なんだこれ!? 早く脱がないと!」

  拓也は慌てて背中のファスナーを探る。

  しかし、そこにあるはずのファスナーが見当たらない。

  指先で探っても、どれだけ触ってもファスナーが見つからないのだ。

  「え…? どういうことなんだ…!?確かにさっき自分で締めたはずなのに…!」

  冷や汗が背中を伝う。

  動揺する拓也の鼓動は早まり、頭の中ではウィルの情報が強制的に流れ込んでくる。

  「嘘だろ……なんで脱げないんだよ!」

  焦りながら拓也はもう一度背中を触った。

  やはりファスナーがどこにもない。

  指先が滑る感触だけが繰り返され、脱ぐための手がかりはまったく見つからない。

  それどころか着ぐるみは拓也の身体と同化していき、陽気な笑顔を浮かべたウィルの表情や尻尾は拓也の意思で動かすことができるようになっていた。

  拓也は着ぐるみではなく本物のハイエナ獣人となってしまった。

  「…俺っちはウィルっス!いや、違う、僕は拓也だ!僕は…!」

  頭の中が混乱する。

  自分の一人称がいつの間にか「俺っち」になっていることに気づき、拓也は思わず口を押さえた。

  しかし、それだけでは止まらなかった。

  何かがおかしい……。

  いや、自分の中で何かが変わり始めているのだ。

  「な、なんだこれ…!俺っち…じゃなくて、僕は人間の拓也だ!ハイエナ獣人なんかじゃないっス!」

  拓也は必死に自分を否定するように叫んだが、そのたびに「っス」という語尾が自然とついてしまう。

  そして、自分が叫べば叫ぶほど頭の中に湧き上がる陽気でひょうきんなウィルの思考が強くなるのを感じた。

  「俺っち、みんなを笑顔にするのが大好きっス!…………ち…ちがう…!?そんなの僕の考えじゃない…!」

  まるで誰かが心の中で囁きかけてくるようだ。

  楽しそうに笑いながら観客の前で手を振るイメージが次々と浮かび上がる。

  そのイメージは次第に強くなり、目の前にいるかのように鮮明になっていった。

  「いやだ、やめろ!俺っちはそんなキャラクターじゃない!」

  「俺っち…じゃなくて、僕は…ああ、でもみんなが楽しそうにしてるのを見ると、なんか嬉しくなるっス!」

  自分の中でウィルの思考が広がっていくのを感じる。

  陽気なハイエナ獣人としての性格が、徐々に彼の思考を侵食していくようだった。

  必死に自分を保とうとするものの、気づけば表情は笑顔になってしまう。

  明るく快活な声……まるで自分の声ではないようだった。

  「やっぱりみんなを楽しませるのは最高っスね!………違うっス!俺っちは人間の拓也っス!ハイエナ獣人なんかじゃないっス…!」

  しかし、拓也はすでにその違和感に慣れ始めている自分に気づいていた。

  考えの中にウィルが浸透していくたびに、元の自分をどんどん見失っていく。

  そして、さらに異変が起きる。

  「はぁ…♡はぁ…♡…っつ!なんでこんな興奮しちゃうんスか!?」

  急に身体が興奮してしまい、自身の股間部分を見てみると雄らしくイきり勃ったハイエナちんぽが存在していた。

  「ち……違うっス!?俺っちは人間だからこんなちんぽじゃないっス!!」

  拓也は必死に否定したが、彼の言葉とは裏腹に股間のちんぽはビクビクと脈打っていた。

  拓也は獣人の本能と性欲に抗うことはできずに、ちんぽを扱き始めた。

  「あッ♡あッ♡お゛ッ♡ぎもぢイイっっっス♡」

  すると、その快楽は今までに感じたことのないほど強いものだった。

  これで射精をしてしまうと”人間の拓哉”としては完全に消えてなくなってしまうのをなんとなく理解していた。

  そんな恐怖を感じつつも、獣人の性欲とちんぽの快楽に抗えず拓也は一心不乱に扱き続けた。

  部屋に充満した雄臭い香りは鼻腔から拓也の脳を犯していくようだった。

  「あ゛っ♡お゛ッ♡い、イクっス……俺っち、イっちまうっス!」

  「イクぅぅぅうううううう♡♡♡」

  拓也は獣のような声を上げながら射精した。

  大量の白濁液が床に飛び、雄の臭いをさらに濃くする。

  拓也は快楽の余韻に震え、長くなった舌を出しながらハァハァと息を乱した。

  「あれ……俺っち…さっきまで何に悩んで……?」

  射精と同時に人間としての拓哉は消えていき、ハイエナ獣人のウィルとしての自分が完全に上書きされてしまった。

  「…って!…やばいっスやばいっス!ちょっとムラムラしたから控室でオナニーをやっちゃったっス…!」

  ウィルは控室を汚してしまった焦りで急いで床に飛び散った白濁液を拭き取った。

  雄臭いザーメンの匂いは少し残っているが、ウィルは細かいことは気にしないことにした。

  「ん…?さっきまで何に悩んでいたのか全く思い出せないっスね…?」

  ウィルはもう人間だったことなんて覚えておらず、元からこの遊園地のキャストだったという記憶に書き換えられていた。

  「細かいことをウジウジ考えるのは俺っちらしくないっスよね!」

  自分はずっとハイエナ獣人のウィルだったはずだ……観客たちを笑顔にするのが大好きな陽気な存在。

  それ以外の自分なんているはずがない。

  「さーて、今日もみんなを楽しませる準備をするっスか!」

  ウィルは控室の衣装ラックに目をやった。

  そこには彼専用の派手な赤いタキシードがかけられている。

  きらびやかな金の刺繍と大きな蝶ネクタイがついた衣装を手に取ると、胸が高鳴った。

  「これこれ!これを着てないと俺っちじゃないっスよね!」

  ウィルは赤いタキシードを手際よく身につけた。

  袖を通し、ボタンを留め、胸元を整える。

  その動きは自然で、まるで何百回と繰り返してきたかのように馴染んでいた。

  「よし、準備オッケーっス!」

  最後に鏡の前に立って全身を確認する。

  そこに映るのは、見慣れた陽気なハイエナ獣人ウィルの姿だった。

  大きな耳がピンと立ち、茶色い毛並みが整えられている。

  派手な赤いタキシードがその陽気な性格にぴったりだった。

  「うん、完璧っス!」

  鏡越しに自分に向かってウィンクし、軽くポーズをとる。

  頭の中でさっきまで何かに悩んでいたことなど、もうどうでもよくなっていた。

  「さあ、今日もみんなに笑顔を届けに行くっスよ!」

  ウィルは軽快なステップで控室のドアを開け放った。

  明るい光が差し込み、外からは子どもたちの笑い声が聞こえる。

  ウィルは胸を張り、その声に応えるように一歩踏み出した。

  もう、彼の中に「人間の拓也」の影はどこにもなかった。

  [newpage]

  とある遊園地の通りにいるのは観客を楽しませるために生まれた陽気なハイエナ獣人ウィルだった。

  遊園地の通りに立つウィルの周りにはいつの間にか人だかりができていた。

  子どもたちは大きな瞳を輝かせ、大人たちはカメラを手に笑顔で見守っている。

  その中心でウィルは大きく手を広げ観客に語りかけた。

  「さあさあ、みんな集まるっスよ!俺っちが今から、とびっきりのマジックを見せるっス!」

  陽気な声とともにウィルは軽やかにステップを踏み、観客の前で大きな帽子を取り出した。

  「この普通の帽子には何も怪しい仕掛けはないっスよ~」

  そう言いながら帽子の中を観客に見せると、”子どもたちが”何も入ってない!”と声を上げた。

  「いいリアクションっスね!じゃあ、行くっスよ~!」

  帽子をひと振りする次の瞬間、中から白い鳩が飛び立った。

  子どもたちの歓声が上がり、大人たちも驚きの声を漏らす。

  満足げに笑みを浮かべながら、ウィルは帽子をくるりと回して観客の中に目を向けた。

  そして、ふと視線の先にいる美しい女性を見つけるとキラリと目を輝かせた。

  「おっとっと、こんな素敵なレディがいるなんて、俺っち知らなかったっス!」

  観客の笑い声が起こる中、ウィルは軽やかなステップで女性に近づいた。

  「お嬢さん、俺っちに一瞬だけ時間をいただけるっスか?」

  女性が驚きつつもうなずくと、ウィルは手を振りながらどこからともなく赤い薔薇を取り出し、片膝をついて差し出した。

  「これは美しいあなたに捧げる薔薇っス!どうぞ受け取ってほしいっス!」

  その少しお調子者でありながらも陽気で憎めない態度に女性は驚きつつも笑顔を見せ、薔薇を受け取った。

  周りの観客からは”すごい!””どうやったの?”と驚きと賞賛の声が上がる。

  「ありがとうっス!俺っちのマジック、楽しんでもらえたっスか?」

  女性が笑顔で頷くと、ウィルは軽やかに立ち上がり、周囲に向かって大きく手を振った。

  「さーて、まだまだマジックは終わらないっスよ!次はもっと驚く準備をしてほしいっス!」

  ウィルはさらに観客を沸かせるマジックを繰り出し、次々と人々を笑顔にしていく。

  その派手でチャラい雰囲気も、彼の明るく陽気な性格のおかげでどこか愛らしい。

  観客たちの笑顔と笑い声に包まれながら、ウィルは軽やかに遊園地の通りを歩き続ける。

  どこへ行っても、彼の周りには人だかりができ、誰もがその存在を楽しんでいた。

  「みんなの笑顔、最高っス!!!」

  そう話しながら、ウィルはさらに多くの人を楽しませるために遊園地の次の場所へと向かった。

  陽気なハイエナ獣人のウィルは、今日も人々に忘れられない笑顔と楽しいひとときを届けていた。