多くの冒険者たちが行き交う広大な街の一角に、宿屋と併設された、評判が評判を呼ぶ大きな酒場があった。外観は古風な木製の創りで、周囲は建物も少なく静かなのだが、中は真逆とも言えるほどの活気に満ち溢れている。
多種多様な種族の冒険者で賑わい、絶えず客は訪れ空席は続々と埋まっていく。この酒場兼宿屋は街の名物とまで言われており、実際に店の中はその称号に恥じない状態となっていた。
特に目を引くのは、この酒場のマスターである牛獣人の存在であった。注文を受け料理を運ぶのは全て彼が担当しており、2メートルを優に超える巨大な身体が店内を慌ただしく走り回っていた。豪快なふるまいは気さくさと逞しさを持ち合わせ、店の評判をさらに押し上げている。
少し暗い肌色の体毛に山賊のような軽装、肉体を強調するように前を大きく開けた服からはガッチリとした筋肉と巨大な胸を覗かせていた。動くたびに妖艶に揺れ動く雄胸は、強調するような服装も相まって、時に冒険者たちからの視線を奪うほどの妖しい魅力を放っていた。マスターも理解しているのか、客とのやり取りを終えた際は決まって胸筋を大きく上下させ、己の肉体を存分にアピールして見せた。
マスター以外にも、個性的な店員がこの酒場を切り盛りしている。
店の角にあたるスペースでは、黒い体毛を持つ豹の獣人がピアノを弾いている。落ち着いた様相から奏でられる静かな旋律は、冒険者たちの喧噪にかき消されることもあれど、聴くものの心を癒す美しい音色をしていた。
店の奥では、体つきのいい竜人たちが料理を作っていた。マスターの持ってきた雑な注文メモに時折悪態をつきながら、次々と見事な料理を作り上げ、場合によってはマスターが一味加えた後、完成した料理が運ばれていく。また、カウンター席の応対も一際体格のいい竜人が主に行っていた。
ある日の夕暮れ時、街を訪れ酒場の評判を聞いた4人の獣人冒険者が酒場の扉を開け、感嘆の声を上げていた。
標準的な体系でさわやかな雰囲気を持つ犬のダグ、ローブに身を包む小柄で穏やかな性格の狐のソロ、飄々とした雰囲気の大柄な狼のウォル、寡黙で重い空気を漂わせる獅子のリエフ。
4人が訪れた際、タイミングよく入り口付近にいたマスターに案内され席に着く。軽い説明を受けたのち思い思いに料理を注文すると、マスターは力強い返事とともに胸をアピールするが、彼らの反応は少し困惑したものであった。しかし、マスターは気にも留めず店の奥へと戻り、少し経った後注文された料理を運び、徐に胸を揺らして見せた。
その後、長く続いていた客足はようやく落ち着き、ほとんどの冒険者は二階にある宿の部屋へと戻っていった。
[newpage]
日付を跨ぎ、完全に静まり返った酒場。外を出歩く者もいないような時間に一人、マスターが姿を現す。
「……へへ」
テーブルに置いてある小さな明かりをつけ不敵に微笑む。
大きな影を作る巨体、その風貌は数刻前と違っていた。上着は変わらず直に軽い上着を羽織っているが、下半身には極めて布地の少ない真っ黒な下着しか身に着けていなかった。前に大きく突き出た黒い膨らみは、マスターが身体を動かすたびに胸と同調するように揺れ動いていた。
「さあて、お楽しみを始めるか……!」
マスターは妖しく微笑み、自慢の巨胸を激しく上下させた。
[newpage]
「……うぅ……!?」
妙な暑苦しさにと腹の内にある強烈な圧迫感に、犬獣人のダグはベッドの上で目を覚ます。
夕べは仲間と食事を楽しんだ後、二人用の部屋を二つとり、狼獣人のウォルとのペアになるも、疲れからかすぐに眠りについていた。
「あぁ……なに……が……!?」
何かを押し付けられ、大きな異物感に身体が軋む。曖昧な意識の中で数度身体を揺らされて、不快感が積みあがっていく。
「お~、やっと起きたか~?」
「……!?」
聞きなれた声が耳を通過し、自分の身に何が起きているのかをはっきりと認識する。
あおむけの体制で脚を持ち上げられ、仲間であるウォルに全裸で襲われていた。冒険の中で鍛えられた締りのいい肉体が二つ、ベッドの上で交じりあう。
「反応してくんねえと楽しくねえだろ、ほーら俺のチンポしっかり味わえよ!!」
目の前にあったのは、ウォルの下卑た笑い。舌舐めずりを乗せながら、卑猥な発言を吐き出していた。
「うあぁああ!!なにを……して……!!やめろおお!!」
わけのわからない状況、理解できてもわかりたくない状況だった。双方とも裸になり、身体を交えているなど。そしてウォルの陰茎が、自分の身体に挿入っているなどと。
「そーそー、そういう声が聞きたかったんだよなあ?」
ダグの苦悶に機嫌を良くしたのか、身体をより密着させ攻めの勢いが増していく。互いの筋肉を揺らし合い、ウォルの雄がダグの奥底に突きつけられる。
「あ……あぁ……なん、でぇ……!?」
ダグの身体は、痛みや苦しみではなく、雄の快楽を感じていた。乱暴に打ち付けられる痛みや精神的苦痛はあれど、肉体は確実に交尾の悦びを得ようとしていた。
当然、誰かと身体を交えたことなど一度もない。仲間たちにそういった思いを抱いたこともなかった。そのはずなのに、今ウォルと身体を交わし、受け入れてはいけないものを歓迎してしまっている。
「へへ、唆られるなあ……そんな顔されると……チンポが……もう……!」
ウォルが満面の笑みを浮かべ、激しい前後運動を止める。がっちりと結合部を塞ぎ、ガチガチに硬くなった雄を奥部にあてがう。
「……え……!?」
恐怖で身体が凍りつき、嫌な予感が膨れ上がっていく。抵抗したくてもなぜか力は入らず、逃げることはできなかった。
「ああ……イクぜえ……おらあああ!!!」
「うわぁああ!いや……だあぁ……あああぁああ……!?!?」
ぶるぶると身を振られ、腹の奥に感じた熱い刺激。大きく膨らんだウォルの雄棒から放たれた、白濁液がダグの腹内にぶちまけられる。
信頼していた仲間に襲われ、強制された望まぬ交尾。欲望の矛先を向けられた一方的な押し付けの末、身体の奥にその証を打ち込まれる屈辱。
そのはずなのに、ダグの肉体は身体を交える悦びを感じ、ウォルに応えるように絶頂を迎えていた。
「うあぁぁ……なんでぇ……」
「……はぁ……はぁ、気持ちいいぜえ、なあ?」
動揺するダグのことなど気にも留めない様子で、ウォルは雄を犯す快楽の余韻に浸っていた。口をだらしなく開き、熱い吐息と涎を零しながら。
「あ……誰か……!」
突然部屋の外から重い足音が聞こえ、勢いよく扉が開かれる。扉の開いた先には、露出の多い巨大な牛獣人が立っていた。
「おーう、楽しんでるか?」
覚えのある低い声が、ドアの軋む音に紛れ聞こえてくる。違和感を抱きながらも、藁にも縋る想いで手を伸ばそうとするが、ウォルに遮られてしまう。
「おうよ!今一発決めてやったぜえ!!」
「そうかそうか、そいつは何よりだなあ!!」
豪快な声を上げながら部屋へと入ってきたのは、倒錯的な格好をした酒場のマスターだった。一歩一歩、重量感のある足音を響かせながら二人に近づき、ウォルの口を強引に奪ってみせた。
「……ん……んん……ううん……!」
顔を横に向け、うっとりとした表情でウォルはキスを受け入れる。
「な……なにして……!?」
突如目の前で繰り広げられる、雄同士の接吻。深く繋げられた口元から甘い声と混ざりあった唾液が漏れ出ていく。
「……ぼ、僕たちに何を……うぁ……!?」
自分たちに起きた異変の正体、その元凶がマスターだと直感的に感じとる。疑問を向けようとするが、マスターとの甘い口付けに絶頂したウォルに再び熱い液を注がれ、身体が不本意に反応してしまう。
「……うふ……んふ……ふぅ、マスター……気持ちいいぜえ……」
「おーおーそうか、かわいい顔しやがって、こんなにエロいカラダしてるのによ?」
恍惚としながらマスターに甘えるウォル。その肉体に雄々しい豪腕が厭らしく這いまわる。発達した胸筋、割れた腹筋、屈強な背中の筋肉へと。
「冒険者ってのはイイカラダしてるよなあ、なあ?」
ダグに向けられる、悪意に満ちた満面の笑み。次いでウォルも、加虐的な笑みを向けてくる。
「……な、何をしたんだ……僕たちに……!」
圧されてしまいそうな雰囲気の中で、言葉をひねり出す。
ウォルは普段軽い一面はあれど一線を越えるような言動は絶対に取らず、ましてや仲間に手を出すようなことなど一度もなかった。雄同士での性関係に興味など微塵もなく、マスターの言動にも少し引き気味であった。
そんな彼が、マスターに何をされてしまったのだろうか……
「そんなのコレに決まってんじゃねえか、散々魅せてやっただろ?」
マスターは自信満々に、胸を揺らし、片腕でやわやわと揉みしだく。
「……!?」
巨大な胸に指が食い込む光景にあるはずのない欲望が刺激され、勃起が止まらなくなってしまう。
「……っ!ふ、ふざけるな……ちゃんと答えろ!」
呑まれそうになるのを振り払い、真意の見えない答えに怒りをぶつける。
「だからよ、コイツが食ってた飯には俺の雄っぱいミルクが入ってたんだ。俺のミルクを飯と一緒に口にしたせいでコイツはこうなっちまったってわけだ」
信じがたい、荒唐無稽な話。しかし、今の状況はマスターの話を嫌な方向へと肯定していた。街にたどり着くまでは平和な道のりで、食事を終えた後はどこにも行かず部屋で眠りについたのだから。
「う、嘘だ……そんなの……」
「入れたっつっても、隠し味としてたった一滴、加えただけなんだけどな。まあ、その一滴だけでコイツはこんなセックスモンスターになっちまってんだけどよ?」
説明を終えたマスターは再びウォルとキスを交わす。楽しげに語られたウォルの豹変の真相に怯えるダグの瞳を見下しながら。
もし、料理に異物が混ざっていることにウォルが気づいていれば、その違和感を仲間に伝えていただろう。だが、ほんの一滴注がれたものに気づくなど不可能な話であった。たとえそれが、人を洗脳する妖しき雄乳であったとしても……
「な……なら、なんで僕は……」
ウォルとは違い、意識を保っている。身体は異変を発していたが、思考は普段通りで異常は生じていない。
「……んふ、そんなの決まってんじゃねえか、少しくらい違う反応するやつがいねえと盛り上がらねえだろ?」
「……!?」
自分が助かった理由は、マスターの洗脳に抗っていたなどという前向きな理由ではなかった。ただ単純に、反応を愉しむために、意図的に放置されただけであった。
「ふ、ふざけるな!僕たちはお前の……うぁああ!?!?」
マスターの期待に応えてしまうとは分かりながらも、怒りを抑えられなかった。しかしその言葉は、マスターに指示されたウォルの腰つきに制止されてしまう。
「そう怒るなって、お前のナカ気持ちいいし、お前も俺のチンポ気持ちいいだろ?」
「そうそう、感謝してほしいくらいだぜ」
有無を言わさぬ会話とともに、マスターの胸の谷間が落ちてくる。
「んむう!?うううううーーー!?!?ううーー!?!?」
視界は一色に染まり、谷間に香る濃厚な雄フェロモンが鼻を突き抜ける。怒りに満ちていた心が蕩け、欲望に染まってしまう。萎んでいた雄棒も勢いを取り戻し、硬くなっていく。
「いっぱい嗅いだだろ、俺のフェロモン。そのおかげでここまで愉しめてんだからよ?」
「ううぅ!?んん---!?!?」
ウォルによる突き上げとマスターの雄フェロモンを浴び、あえなく絶頂してしまう。恥辱的な行為を前に嫌悪感を抱けなくなっていた。
「俺もイッちまうぞおお!!おらあああああ!!!まだまだああああ!!!」
激しい前後運動とともに、達するウォル。そのうえ、マスターに焚きつけられてしまったせいか腰の振りを止めることなく、ダグの身体を責め続ける。
マスターの言っていた通り、何の準備もなく身体を交わせていたのはマスターのフェロモンによるものであった。フェロモンを嗅いでしまった者の身体は知らず識らずのうちに雄との交わりを受容し、雄の刺激に歓喜し、雄を感じられる事象に心を惹かれるようになってしまう。
雄を自分好みに堕とし、愉しむために、マスターは自ら接客をこなしていた。
「おいおい、あんなにわめいてた割には俺の雄っぱいで大喜びだったじゃねえか」
「う……うう……くぅ……」
長い時間を経て持ち上がる、柔らかな双丘。幾度となく果てた末にようやく、汗ばんだ胸の圧迫から解放される。
「けど、まだイけそうだなあお前」
ニヤリと嫌な笑みをマスターは浮かべる。
「よし、もうちょいしたら下に連れてこい」
「ああ、了解だマスター」
手短に言い残し、マスターは部屋を出ていく。
「ま……まて……!」
力を振り絞り去っていくマスターを追いかけるため起き上がろうとするが、異常な力でウォルに押さえつけられてしまう。
「逃げんなって、ほら、今度はセックスしながらチューしようぜ、気持ちいいぞお?」
「や……やめ……ん……んんぅ……!?」
抵抗はできず、口を奪われてしまう。怒号は舌に舐めとられ、甘さの中に蕩けていく。絡み合う口舌の感触、気づけば行為と接吻に夢中になり、本能のまま精を放っていた。
「んふ…………うぁ…………え……!?」
夢見心地な快楽の中、周囲が騒がしくなっていく。ぼんやりとした視界には無数の雄獣人が立ち並び、伸びてきた手に体中を弄ばれてしまう。
「あふぅ……うあぁ……あああ!?」
敏感になった部位を好き放題まさぐられた後、ダグはどこかへと連れていかれてしまった。
[newpage]
「……あぁ……いや……」
ダグがウォルに襲われていたとき、似た事態が隣の部屋でも行われていた。獅子獣人のリエフが、相部屋になった狐獣人ソロの寝込みを襲い、強引に身体を交えていた。
ウォルと同じく、リエフの食事にもマスターの雄ミルクが注がれていたのだ。
思考を狂わされたリエフは容赦なくソロと身体を繋げ、短い時間に何度も欲望を彼の中に解放していた。射精した直後にも腰の振りを止めず、常軌を逸した回数達して尚彼の興奮は収まらなかった。
彼が動きを止めたのは、ソロの恐怖と嫌悪に満ちた叫びが聞こえなくなって数回絶頂を迎えた後のことであった。
「ソロ……さっきから聞いているが、俺とのセックスは気持ちよくないのか?」
「……ぁあ…………いやだ……」
ソロはダグと同様、精神は正常なままであったが、身体はフェロモンのせいで順応してしまう。しかし、小柄なソロの身体では大柄な獅子の剛直を受け止めきれず、数発注がれた後には身も心も果ててしまい、譫言のように否定を繰り返すだけとなっていた。
「どうだ、盛り上がってるか?」
扉が開き、ダグたちの部屋を後にしたマスターが入ってくる。リエフの強靭な背中に興奮したマスターは心を躍らせるが、二人に熱い雰囲気はなく、困惑の表情を浮かべる。
「どうしたんだ?」
「ああマスター、ソロに俺のチンポの良さを知ってもらいたかったんだが、答えてくれなくてな」
普段の誠実な印象のリエフからは想像できないような言葉を吐き、収まる様子のない強大な雄棒が引き抜かれる。おぞましい水音、己の行動に何の疑問も持っていないリエフの振る舞いに、マスターはほくそ笑む。
「お前ヤりすぎたんじゃねえか、かわいそうに。セックスってのは愛情をもってヤんねえとな。おい、ちょっとどけ」
二人の間に割って入り、マスターは自慢の胸の先端をソロの口元に押し付ける。
「……!?」
己の狂わせた元凶、その魅力に獅子の心は大いにざわつく。雄の逞しさと色気の詰まった部位に釘づけにされ、落ち着こうとしていた興奮が昂っていく。
「俺の雄っぱい、しっかり味わえよ」
雄同士で行われる、授乳行為。豊満な胸から注がれる雄乳がソロの身体に流れていく。
「……う……んん!?」
一つの雫が舌に触れ、その官能的な味に意識が覚醒する。妖しい色に染まった目を見開き、欲望と興奮に火が灯る。硬度の増した雄棒は絶頂を繰り替えし、その勢いは留まるところを知らなかった。
「イイ反応すんなあ、美味いか?」
「んふう!!!んんぅううう!!!」
乳を飲み続けるソロの首はガクガクと縦に振られる。授乳の光景を目に焼き付けるリエフも、我慢ならない様子で己のモノを乱暴に扱き、淫らな声をまき散らしていた。
「ん……んふぅ!?」
「お、そろそろ元気になったか」
しばらくして、マスターの乳を飲み続け、幾度となく頂点に達した狐に生気が戻る。マスターが姿勢を正すと、ソロの蕩けた視線がマスターに向けられていた。
「あは……マスターのおっぱい……美味しかったぁ……へへ……」
「そうか、そいつはなによりだ」
牛の大きな手のひらに小柄な狐の頭が撫でまわされる。身体に走る多幸感と欲望のままに、リエフはまた達してしまう。部屋の中は、ソロの絶頂による白液と、リエフがとめどなく振り撒いた白液の臭いが充満していた。
「マ、マスター、俺にも……!」
再三自慰を繰り返したリエフは自分も欲しい、とマスターの乳を求め身を乗り出すが、言葉の出口をマスターの唇に塞がれてしまう。
「んう…………ん……んん……」
突然の口付け。だが、嫌悪感など微塵もなく、幸福と快楽に蕩けていく。顔を横に向け、舌を奥まで伸ばして絡めあう。互いの気持ちよさを共有する、濃厚で愛に満ちた口付けを余すことなく堪能した。
「……ん……へへ、焦んなって、後で好きなだけ飲ませてやるから」
胸筋をぴくぴくと上下させ、その色気に二人は目を輝かせた。
「わかった。なら……ソロ、さっきはすまなかったな、俺は続きをしたいんだが……」
「えへへ、いいよそんなのお互い様だし。ほらはやく僕にチンポちょうだい!」
ほほえましく、歪んだやり取り。互いに謝罪を済ませ、すぐさま肉体を一つに繋げる。小悪魔のように妖しく笑うソロの身体にリエフはベッドを壊すほどの勢いで伸しかかった。
「ぁあ……あは……んああぁあ!」
再開した雄の交わり。そこにはもう恐怖はなく、二人の獣が快楽を求めて嬌声をあげる幸せな光景が広がっていた。
「おーし、それが終わったら一階に降りてきな、もっと刺激的なことが待ってるぜ」
リエフとソロを完全に手中に収めたマスターは、大きな背中をトンと叩き部屋を出ていった。
[newpage]
「お、今日も大盛況だな!」
冒険者たちが食事を楽しんでいた酒場は、夜深くに真の姿を表した。筋骨隆々な雄獣人の冒険者たちが、己の欲望のままに交わる、淫猥な世界へと。ほとんどの者が全裸か上着だけを羽織り、攻めも受けも関係なく肉欲のままに情交を愉しんでいた。所狭しと並ぶ雄たちの体温は室内の熱気を押し上げ、発汗を促していく。ガタイの良い雄たちの体臭や汗の臭い、放出された精の臭い、それらが混ざりあった雄臭さが充満し、彼らの雄欲はさらに高みへと向かっていく。
当然ここにいる者たちの大半が、様々な形でマスターのミルクを飲んでしまった冒険者たちであった。料理や飲み物に混ぜられ、無自覚なまま飲んでしまった者。先んじて洗脳されていた仲間の罠にはめられ、敢え無く口に含んでしまった者。マスターに誘惑され、自ら飲んでしまった者。等々……
「おお、最近キレが上がったか?」
マスターの手で作り上げられた淫らな雄の楽園。その一角に大きな注目を集める存在がいた。多数の雄からの卑猥な視線を受けていたのは、夜間を過ぎる前はピアノを弾いていた黒豹である。布面積の少ない真っ赤な下着だけを身に着け、壇上でポールダンスを披露していた。艶やかな表情と妖艶な舞で雄欲を昂らせ、冒険者たちをさらなる堕落へと導いていく。
彼は元々世界を旅する旅芸人の一座に属しており、実力も高く、快活な性格をした人気者であった。しかし、街で華麗な舞を披露した際にマスターに気に入られ、その日の夜に部屋へと連れ込まれてしまう。抵抗もかなわず授乳され、マスターと濃密な一夜を明かしてしまった。以後はマスターの手元に置かれ、日夜客たちを持て成している。
所属していた一座も、マスターの虜になった彼の手引きにより、皆洗脳されてしまう。その後は街に留まり、マスターの援助を受けながら活動を続けていた。着々と規模を大きくし、今では募集がすぐに埋まるほどの人気を博していた。また、新人が入ったときはマスターの酒場で食事をとるのが恒例行事になっている。その理由は、一座がマスターの援助を受けていることと併せて考えれば、語る必要はないだろう。
一方、酒場のカウンターではまた別の催しが行われていた。
「んぐ……んう……!?」
「ほ~ら、全部飲み干してくださいね?」
先ほどまでは料理をしていた竜人たちがカウンターへと立ち、勃起した長大な雄棒をカウンターの上に突き出している。それを、興奮した顔つきで身を乗り出す、欲情した雄たちの顔へと突っ込み、濃厚な精液を提供していた。
かつては彼らも、世界中を駆け回り、様々な地を旅する名うての冒険者であった。そんな彼らがマスターに取り込まれてしまったのは、マスターが一人で酒場を経営していたころの話である。店を訪れた竜人たちの筋骨逞しい身体に好感を抱いたマスターは、サービス品としてミルクを人数分提供し、こちら側へと引き込んだ。その後、器用に物事をこなす彼らの素質を見出し、料理人として働かせていた。
「おう、何発目だそれ?」
「ああ、マスター、いちいち覚えてないですよそんなこと。それに──」
熱っぽい息を吐きながら吐精する竜と軽い言葉を交わしていたとき、酒場の入り口が大きな音を立て蹴り開けられた。
「マスター、怪しいやつを見つけました!」
声の聞こえてきた方向へ視線を向けると、鎧を着た熊獣人の警備兵が三人、入り口に立っている。そのうち一人は両腕を後ろ手に拘束され、険しい表情を露にしていた。
「う……なんだこの臭い……それに……何をしてるんだ!?」
酒場内に漂う雄臭さに顔を顰め、店内に広がっていた常軌を逸した光景に声を張り上げる。
「新しいお仲間か、ご苦労だったな」
「……マ、マスター!?お前の仕業か!!」
口角を上げ、マスターは警備兵たちのもとへゆっくりと近づいていく。
「クソ、てめえら離しやがれ!!何考えてやがる!?」
拘束を振り払おうと暴れるが、後ろに立つ二人の警備兵は並外れた腕力でそれを押さえつけていた。
「へへ、そいつらはエロいことしか考えてねえよ、なあ?」
マスターの言葉通り、二人の警備兵も心を染められてしまった者たちである。洗脳された後は警備兵たちの中に紛れ、不利益をもたらそうとする者をマスターの元へと連れてくる役割を担っていた。正規の警備兵と外見に違いはないが、その中身は裸に直で鎧を纏う倒錯的な格好をしている。彼らが夜の酒場に疑問を持った警備兵を次々と連れてきた結果、今では警備兵のほとんどがマスターの手中に落ちてしまっていた。
「カラダでかいなお前、俺好みだ」
「ふざけ……んんぅ!?」
悪態をつこうとした熊の口にマスターの口が重なる。
「んー!?んんー!?」
口内に張り巡らされる、不愉快な感触。巧みな舌遣いに丸め込まれ、ぬめついた舌ベロに蹂躙されてしまう。唯一動かせる首を必死に振ろうとも逃れることはできず、マスターや酒場の雄たちの興奮を煽るだけであった。
「……うぶ……気持ちわりい!何しやがんだ!!」
仲間だと思っていた者たちに裏切られ、厳つい雄に口を奪われる屈辱。際限なく湧きあがる怒りに身を任せ抜け出そうとするが、拘束から逃れることはできなかった。
「これぞリップサービス、なーんてな」
口元に指をあて、マスターは悪い笑みを浮かべる。
「さて、そのでかい声、盛り上がりに水差されちゃたまんねーからな、ほら口開けろ」
「な……んぐぅ!?」
乱暴に頭をつかみ、膨らんだ胸の先端を押し付ける。呼吸の出口を胸で塞ぎ、一滴で全てを奪う禁断のミルクが注がれようとしていた。
「んぁ……!?」
マスターの乳液が舌に触れた途端、心臓が飛び跳ねる。張り裂けそうなほどの幸福と欲望に身も心も支配され、下半身の一点が急激に活性化していく。
「んふ……んふう……」
「よしよし、しっかり飲むんだぞ」
気づけば、腕の拘束は解かれていたが、彼にとってもはや関係のないことだった。
「あ……んぅ……」
瞳の色が、邪な色へと変貌していく。怒りに燃えていた思考は掌握され、振るおうとしていた両腕は、マスターの胸へと吸い込まれていった。
鎧の上からは見えない部分にくっきりとした山を作り上げ、付近をびしょびしょに濡らしていた。多量に汗をかき、鎧の隙間からはほんのり精の臭いが漏れ出ている。
彼がマスターに敵意を抱くことはもう二度とないだろう。
「はい終わりだ、美味かっただろ?」
「……ああ……最高だった」
うっとりとした顔を見せ、再びマスターと口を交える。自然に舌を絡め合う優しい接吻の味は並外れた充足感を齎していった。
「……おい、ぼーっとしてんな、ご指名だぜ」
崇拝する存在の口元が離れていくが、その余韻に浸る間もなく視線を誘導される。その先では、壇上で妖美に微笑む黒豹が手招きをしていた。もう片方の手は前に伸び切った下着にかけられ、先端部からは雄液が漏れ出ていた。
「……ああ、ヤってやろうじゃねえか」
高い金属音が響き、鎧が脱ぎ捨てられていく。黒豹の招待に不敵な笑みを返し、壇上へと向かう。熱烈な歓声をもって迎えられた彼は、立派な肉体を存分に魅せつけ、熱い夜を踊り明かしていった。
「へへ、エロい踊りするなあ」
また一人、雄を堕としたマスター。その胸中には、多大な愉悦が広がっていた。
[newpage]
「おーし、今日のメインイベントを始めんぞ!」
「ウオオオオオーーーー!!!!」
突き上げられたマスターの拳と宣言に、欲に狂った雄達は咆哮で応じてみせた。
料理を置くための酒場のテーブルに、夜のメインディッシュと呼ばれ叩きつけられたのは、犬獣人の冒険者ダグであった。
「やめろお!!離せ!!離せええ!!」
ダグの身体がテーブルの上へと乱雑に押し倒される。四肢は屈強な獣人の腕に押さえつけられ、どれだけ暴れようとも抜け出すことはかなわない。
「おうおう、元気いっぱいだな」
「マスター……やめろ!!いやだあああ!!!!」
マスターの姿を視認し、唯一動かせる口で必死に叫ぶが、その威勢に動じる者は一人もいない。それどころか吠えれば吠えるほど、さらに昂揚していく。
「くそお!!みんなを返せえ!!」
「お仲間ならあっちでいちゃついてるぜ?」
ダグが寝かされているテーブルのすぐ近くで、獅子と狼の巨体が密着していた。
「おっさん、エロいカラダしてんなあ……!」
「貴様もその筋肉、誘っているだろう?」
互いの胸を押しつぶし合う距離で、共に旅を続けた仲間の肉体をまさぐり合っていた。脇腹から背中へと手を這わせ、引き締まった筋肉を前に奮激していく。
「へへへ……んう……ん……!」
「リエフ!!ウォル!!目を覚ましてくれえ!!」
深く口を繋げて目を瞑り、愛と快楽を分かち合う二人にダグの声は届かなかった。
「ダグ、ねえ聞こえてる?」
「……その声は……ソロ!?」
絶望の中、耳馴染みのある高い声がどこからか聞こえてくる。仲間の狐獣人であるソロの声が耳に入り、ダグの心に希望が戻ろうかとしていた。しかし……
「ソロ、無事で……んむぅ!?」
「んんふぅ……んちゅ……んん……」
横から顔をのぞかせたソロに口付けを落とされ、仲間という希望が完全に打ち砕かれる。不慮の事故かもしれないという都合のいい考えに逃げようとするが、歪んだ色に爛々と輝くソロの瞳と、官能的な口付けを前に逃げ場はなく、ダグは再び絶望の底へと落とされてしまう。
「んふぅ……はぁ、ダグとのキス、気持ちいいなあ……!」
「……くそ……みんな、目を覚ましてくれ……」
雄同士の接吻に恍惚とする仲間たちは、ダグの声を聞き入れないどころか、彼の痴態に心を躍らせていた。
「あとでダグのチンポもちょうだいね!」
「……ま、待ってくれ……まって──」
一方的に言い残し、狐の姿は獣人たちの喧噪の中へと消えてしまう。仲間たちに背を向けられ唖然とするダグの姿をマスターたちは嘲笑し、汁をこぼしていた。
「へへ……」
「う……!?」
マスターの膨らんだ下着が、ダグの雄棒に乗せられる。
「さぁて、メインディッシュをいただくとするかね」
徐に下着を脱ぎ捨て、マスターの赤黒い逸物が露になる。下着の中に溜め込まれていた猛烈な濃い雄臭フェロモンがむわりと広がり、獣人たちの欲望を瞬く間に滾らせ絶頂へと誘った。
「んうわあ……い、いやだ……やめろ……やめろお……!」
この場にいる誰のモノよりも立派で硬大な存在を突きつけられ、ダグの精神は怯え竦んでしまう。反対に、肉体はフェロモンのせいで興奮を覚えてしまい、その相違に苦痛が増大していく。
「挿入れるぜ、受け止めろよ!」
「あぁ……うああぁあ!?」
マスターの巨体がダグの身体を覆い尽くし、二つの肉体が一つに繋がってしまう。力強く打ち出された腰はダグの身体を激しく振動させ、奥の一点を鋭く貫いた。
「あぁああ!!!!うあああああぁああ!?」
「いい顔するなあ、俺も滾ってくるぜ」
間断なく、極太な逸物はナカを荒らし回る。肉体の許容量を優に超える異物を押し込まれ、強烈な圧迫感に苛まれていく。
「ああぁ……ああ!?」
激しく身体を揺さぶられ、嫌な感触と苦痛だけが続く不快な交尾。しかし、粘液に包まれた奥底の一点を責められた途端、感じたくない快楽が、じんわりと全身を包み込んでいく。
「ここがいいんだな、たっぷり味わえよ」
「うああぁ!?いああぁああ!?!?んんああああああ!!!!」
悪感情に満ちていた悲鳴に甘い声が混ざり始め、幸福に満たされた嬌声へと変化していく。気を良くしたマスターは速度を上げ、執拗に一点だけを責め続ける。
「うあぁ、あああああああ!?」
「はっは、そろそろ限界か?」
湿った肉壁を抉る逸物は、ダグの腹を膨れ上がらせ主張していた。押し込まれるたびに先端部が浮き上がり、腹部の上からもその圧倒的な存在を深く感じることとなる。雄交尾を強く実感させられる光景に、彼らの興奮は最高潮に達しようとしていた。
「あぁ……いああぁあああああああああああ!?」
「俺も射精すぞ、ちゃんと味わえよ!!」
粘着質な水音をあげ、ダグの体内に粘っこい雄ミルクが注がれた。強靭な肉体から放出された精量は、一人の雄獣人の身体では到底受け止めきれず、肉体のあらゆる隙間に白液が浸食していく。
「あぐ……うぅ……があ……!?」
精液の中へ溺れるような感覚に、視界が白んでいく。行為の疲労と絶頂の脱力感も重なり、ダグの意識は途切れてしまう。
「へへ、ごうちそうさまってな」
壮絶な水音を立て、引き抜かれる逸物。雄の粘液に塗れた逸物は、艶の光沢によりさらに雄気が増していた。驚異的な射精をした後だというのに勃起は収まっておらず、マスターも余裕綽々の様子であった。
「あとはコイツを……」
自らの乳を搾り、それを口に含む。そのままダグの身体へとのしかかり、気絶するダグの口を強引に奪い、ミルクを口移しする。少量の雄乳と大量の唾液が喉奥に流し込まれ、意識は戻らぬままビクンと絶頂をした。
「これで全員だな」
こうして、酒場を訪れた全員がマスターのミルクを飲み、洗脳されてしまった。
ニヤリと勝ち誇った笑みを浮かべたマスターはイスに片足を乗せ、胸を揺らしながら身体を開き高らかに宣言する。
「よーしお前らかかってきな!上からでも下からでも、好きなだけミルクをくれてやらあ!!」
「ウオオオオオオオオオオーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
マスターの言葉に筋肉質な獣人たちは最大級の盛り上がりを見せ、雄乳を求めて群がり、情欲のままにその身を捧げていった。
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「あ、マスターおはようございます」
朝の早い時間、起床したダグはカウンターで開店準備をしているマスターに挨拶する。
「おう、おはようさん。よく眠れたか?」
「はい、疲れはすっかりとれました」
いたって健全な、ありふれたやり取り。酒場の状態も完全に元に戻っていた。
「お仲間さんはあっちの席にいるぜ、朝飯はちょっと待ってな」
表情を緩め胸を揺らしたマスターにダグは赤面し、恥ずかしさからか足早に席へと向かった。
「ダグ~おはよ~」
「いっつも最後じゃねーか、寝坊助ヤローめ」
席にはすでにウォル、リエフ、ソロの三人が座っていた。いつもの軽口をたたきあい、彼らは清々しい朝を満喫する。
「はい、おまちどうさん」
ある程度の時間がたち、朝食が運ばれてくる。朝の時間はメニューが決まっていることもあり、竜人たちも料理運びを手伝っていた。多種多様な料理が小分けになって提供され、冒険者たちは様々な料理を口にし、食事を楽しんだ。
そして、最後に運ばれてきたのはグラス一杯に注がれた、真っ白なミルクであった。
「俺の直搾り、味わって飲めよ?」
胸を煽情的に揺らし、マスターは豪快に笑う。だが、その言葉が偽りではないことを、この場の誰もが理解していた。ミルクを口にした者たちは一様に股間を盛り上がらせ、体を熱くし、マスターの胸に視線が釘付けとなっていた。
冒険者たちは依然として、洗脳されたままであった。今の彼らは本来の自我が表に出てきているだけであり、マスターの意思次第で意のままに操ることが可能なのである。再び酒場を訪れ夜を迎えた時、意志を支配された肉欲の奴隷に変えられてしまうだろう。
マスターに特段気に入られた者以外は、普段通り過ごすため怪しまれることはない。万が一怪しんだ者がいたとしても、無数に存在するマスターの僕たちに捕まり、仲間入りをさせられてしまう。
マスターの雄乳ミルクによる洗脳は、止まることなく広がっていく……
「よーし、これで全員だな、ちょっと休憩したら昼の準備始めるぞ」
「はーい」
最後の一人が会計を済ませ退店すると、朝早くから動いていた店内はようやく落ち着きを見せる。竜人たちや黒豹は各人各様に店内でくつろいでいた。
「さて、今日はどんな客が来るかねえ」
こうして今日も、新たに酒場へと訪れた獣人たちが、マスターの手に堕ちていくのであった……