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けもケット16 新刊 みるくれもんくん総受け本 試し読み版
「お買い上げ、ありがとうございました!」
…やっぱり、いいな!この空気!イベントに来てるって
感じがしてさ!サークルも受かってスペースも取れたし
新刊も落とさなかった!それに今回のイベントには…。
「新刊一冊ですね?ありがとうございます~。五百円
ちょうど、お預かりいたします。あっ、名刺ですね
ご自由にお持ち下さい。ありがとうございました。」
売り子の子も来てくれてるからね!一人で参加するのは
スペースを離れる時とかが大変だからなるべくなら避け
たいし、毎回万全のコンディションで参加が出来るわけ
じゃないから今回は本当に良かったよ…!
「新刊お買い上げありがとうございます!名刺も今回
新しくなったんで是非、持って行ってください!」
「色紙ですね?こちらのイラストでよろしいですか?
お買い求めいただいて、ありがとうございます!」
開場して間もないのに既にたくさんの方に来てもらえて
応援や声掛けも…こういうのって嬉しいし楽しいよな!
「みるくさん、お客さん多いですね!このままいけば
新刊、途中で売切れちゃうんじゃないですか?」
「そうなったら御の字だよ!まあ、イベント終わりの
十六時までにバランス良く捌けてくれれば言うこと
なんだけど、こればかりはいつもわからないなぁ。」
…っと、オレは今『みるくれもん』ってHNで活動して
いるんだ。みんなから『みるくくん』か『れもんくん』
って呼ばれてて、どっちかというと『みるく』呼びのが
多いかな?個人的にはどっちでも特に問題はない!
色紙も用意しといて良かったけど、ちょっと捌けるのが
思ってたより早かったな。残り一枚か、次回からは販売
するペースを考えないと、十三時過ぎくらいから販売に
しとくべきだった?スペースが寂しくなっちゃうよ…。
「新刊のお買い上げありがとうございます!…色紙も!
はい、最後の一枚です!ありがとうございました!」
「ありがとうございました!…色紙、早かったですね。
まだ、開場して十五分も経ってないのに…。」
「そうだね…こればかりはタイミングを誤ったなぁ。」
色紙売切れちゃった。売れないよりはもちろん嬉しい!
だけど、この時間は早すぎだ…仕方ないから告知だけは
出しておこう。色紙目当てでスペースに来てくれる方が
いたら悪いからね。えっと、スマホは…っと。
「…えっ?色紙売切れですか?早かったですね~。」
「すみません…って、りおるさん!けっこう早かった
ですね?一般入場お疲れ様でした!並びましたか?」
「そこまでは並ばなかったですよ。でも、待機の列が
完全に野外だったので暑くはありましたかね…。」
イベント開場から程なくしてスペースに顔を出したのは
りおるさん。今日はオレのスペースで委託の本を出して
いるんだ。だけど、サークルのチケットは無かったから
一般の枠で入場することになったんだよね。
「それにしても…急な申し出で、すみませんでした…。
荷物も重たかったでしょう?本当に申し訳ない…。」
「いやいや、こちらこそスペースが賑やかになるので
有難い申し出でしたよ。気にしないでください!」
…確かにオレじゃ持てないくらい重たい荷物だったけど
まあ、それはなんとかなったし!委託販売の申請も間に
合ったし!なにより、イベントは楽しまないとだよね!
「ありがとうございます。…えっと、さっそくですが
どうしましょう?挨拶とか買い物に出掛けられるの
なら私が留守番をさせてもらってもいいですが…。」
「オレはまだ大丈夫です。後からでも行かせてもらう
ことにしますよ!…どうする?今から行ってくる?」
「ボクも後からで大丈夫ですよ~。」
「了解です。それでは…ちょっと心苦しいですが今から
回らせてもらいますね。ちょくちょく戻ってくるので
交代の時は言ってもらえたら。…いってきますね。」
「は~い。」「いってらっしゃい!」
スペース内に三人以上が長時間留まるのは難しいくらい
狭いから、誰か一人が出掛ける方が合理的だもんね。
「よし、これで無事に合流も出来た!人員も多いから
今日のイベントはかなり余裕があるね…!」
「ですね。でも…みるくさん?りおるさんって…猫の
獣人ですよね?その…苦手だったりしないですか?」
「いや、そんなの時代錯誤だよ!まあ…親も親戚からも
猫の獣人には注意しろって、言われ続けてはいるけど
実際にそんな酷いことしてくるやついないって…!」
それこそ、猫の獣人なんて大勢いるんだからさ!学校に
通ってる今だっていっぱいいるしオレがいくらネズミの
獣人だからっていっても、そいつらにずっと怯えながら
暮らさないといけないとかそんなわけがあるはずないん
だよなぁ…。世間の認識は変わらないみたいだけど…。
「みるくさんが苦手でないなら良かったですよ。」
「苦手だったら委託の話も受けてなかったかな?まあ
オレは全然気にならないし、大丈夫だよ!…強いて
言うなら本当は何歳なのかって方が気になるかな?」
「あ~、確かに!りおるさんって年齢不詳ですよね!」
SNSのプロフィールに書いてあるのが本当なのかとか
そんなことを話しながらお客さんの相手をして、あっと
言う間に時間は過ぎる。楽しい時間って過ぎるのが早い
よなぁ…っと、楽しいけど…さ?ちょっと会場内が…。
「ちょっと空調効き過ぎじゃない?寒いんだけど…。」
天気も快晴、気温も高かったから羽織ったりするものを
持ってきてない。うぅ…暖を取るものもないしなぁ…。
「確かに冷房効いてますよね。…もしかしたら外から
入ってくる方にはちょうどいいのかもですね。」
「外は暑いからなぁ。それなら、仕方ないか…。」
「…遅くなりました。お二人とも寒くはないですか?
こっちの区画は妙に空調が効いているので…。」
りおるさんがスペースに帰ってきた。手には紙コップに
入った飲料を持ってて…あれ?もしかしてそれって…。
「さっき通りかかった時に、れもんさんが腕を服の中に
格納してらっしゃったので…寒いのかなと思いまして
温かい飲み物を買ってきたのですが…飲みます?」
「りおるさん!おかえりです!飲みます!…良かった
寒かったんですよ!ありがとうございますっ!」
「おかえりなさい!りおるさん!えっ?この区画だけ
寒いんですか?どんな空調の効き方なんだろ…。」
「あっち側は生温いくらいだったんですけど…こっちは
ホールの構造なのか、キンキンに冷えてますね?」
りおるさんから差し入れの飲み物を受け取って…あっ!
温かい…!コーヒーだ。ブラックじゃないな…少し甘い
やつだけど甘すぎなくて飲みやすい。助かったぁ…。
[pixivimage:135292930-4]
「ありがとうございました。お二人のおかげで買い物も
ご挨拶もほとんど済ませることが出来ましたよ。」
「良かったですね!あっ、ボクもそろそろ挨拶に行こう
かなって思ってたんですけど…りおるさん、しばらく
ここにいます?交代してもらってもいいですか?」
「大丈夫ですよ。私もずっと歩き回っていましたので
こちらに滞在させてもらえると有難いです。」
「助かります!それじゃあ、いってきますね~。」
「いってらっしゃい~!」「お気を付けて!」
…そこからオレは入れ替わりで帰ってきたりおるさんと
一緒にスペースの店番をすることになり…と、言っても
ピークは既に過ぎていて、スペースの前で立ち止まって
くれるお客さんも少なくなっていたから…雑談がメイン
そんな感じで午後のイベントの時間は流れていって…。
「何回参加してもイベントは難しいですね。毎回絶対
売切れてて買えない本が一冊二冊あるんですよ。」
「あ~…でも、確かに。どの本から売切れちゃうとか
事前にはわからないですもんね。難しいのかも…。」
「永遠の課題ですね…でも、良いですね。この規模の
イベントは回りやすいです。一日で終わるのも良い
…三日もあるやつは楽しいけど地獄でしたから…。」
…なんでも以前は夏冬開催のあの最強規模のイベントに
毎年のように参加していたんだとか?中々やるなぁ…。
「でも、こうやってイベントにサークル側として参加
する日がまた来るなんて…思いませんでしたよ。」
「そういえば、この界隈では前回のイベントが初参加
なんでしたっけ?あの時も楽しかったですね!」
「ええ、本当に…良い体験でした。そして今回も…。」
ふと、りおるさんは…オレの方に向き直ると…。
「れもんさんのおかげでイベントに出れたこと…感謝
しています。本当にありがとうございました。」
「いや…オレは、そんな…何もしてないですよ?」
委託を預かったくらいで…こんな丁寧にお礼を言われる
とは思わなかった。な、なんだか照れるな…っ!?
「若いのに面倒見が良くて誠実で、そう…ですね?あと
十年もするころには可愛い奥さん貰ってて子供がニ人
三人くらいいて…良いお父さんをやってそうです。」
「りおるさん…っ!?急にどうしたんです…っ!?」
そ、そうなってたらいいなとは思うけど…っ!?そんな
そこまで持ち上げなくたって、いいんじゃないかな…?
それを言ったら、りおるさんだって…。……?あれ…?
どう、なんだろ…?結婚…してるのか?オレよりは年上
だし…それも、結構…上らしいって話なんだけど…?
「…ふふっ、本当に思ったことを言っただけですよ?
でも、少し脱線したことを言ってしまいましたね。
ただ今日の感謝を伝えたいだけだったのですが…。」
「い、いえ!ありがとうございます…。」
少し気になったけど、流石に聞きにくいし作風を見ても
雰囲気も既婚者のそれじゃない…褒められて(?)悪い
気はしなかったけど、なんて返せばいいんだよ…っ!?
「…れもんさんは、次のイベントもご参加を?」
「えっ、あ…はい。そのつもりですが…とりあえずは
次とその次…くらいまでは出れるかなって…。」
本格的に仕事をしはじめたらイベントに参加どころじゃ
なくなってしまうかもしれない。そうなったら…創作を
する時間だって満足に取れるかどうか…。
「…また、ご一緒出来ると良いですね?私もいつまで
参加出来るかわかりませんし…イベントにも来れる
時にはなるべく来ようって思ってるんですよ。」
「そうですね!参加できる時にしておかないと…!」
オレだけじゃない、きっと誰もがそれぞれ色んなものを
抱えているんだろう『いつまでも』なんて存在しない…
だけど縁があって会うことが出来たんだ。この瞬間だけ
…もしかしたら、二度と会うことがないかもしれない。
そうだったとしても大切に過ごしていきたいよな…!
…普段はメッセージでしかやりとりをしていないからか
妙に話が弾んでさ、この際だから!って感じで大きな声
では言えないようなふぇちぃ話とかもいっぱいしたんだ
…この界隈って、全体数がそんなに多くないから誰かと
こういう話を出来る機会自体が貴重なんだよなぁ…。
「戻りました!やっぱり、いいですね…イベントは!」
「おかえりなさいです。その感じだと良い収穫があった
みたいですね?戦利品も…これは、なかなか…。」
表情も見るからに良い交流が出来たんだろうってことが
伺える。おっ、色紙だ!誰の…っと、今が良いか…。
「おかえり!…戻ってきてもらってさっそくなんだけど
オレもちょっと出かけていい?もう少しだけ見て回り
たいのと、トイレ行きたくてさ!やっぱここ寒い!」
「大丈夫ですよ!りおるさんの言った通り向こうの区画
生温い感じでしたね。ここは冷房効いてますよ…。」
「そうでしょう?流石に私も少し寒くなってきました。
…では、私たちで留守番を、いってらしゃいです。」
二人にスペースを任せて席を立たせてもらった。やっぱ
人数がいるのは良い!一人だとこうはいかないからな!
[pixivimage:135292930-5]
「本当にオレの居たとこだけ冷房効いてたのかよ…。」
スペースを離れるとあんまり寒くないっていうか生温い
って二人が言ってたのがわかるな…。
「挨拶は設営の時にほとんど回ってたから…とりあえず
トイレに行っとこうか?なにせ、会場内のお手洗いは
『とてもとても混雑します。』って、言うしな…。」
イベントの案内にそう書いてあったのを、そこまで気に
留めてなかったけど…切迫してる時ほど冗談じゃない位
混んでるもんだ。まあ心配しちゃいないけどな!だって
自分で描いてる作品みたいに下の方は弱くないし、もし
そんなことになったら、この界隈で食い物にされちまう
おしっこを漏らすのは描くだけ。見るだけ。自分がそう
なるのを体験したくもない、それこそ誰かに見られたい
なんて趣向をオレは持ってないんだよ…!
「おっ、あんまり混んでないな。イベントも終盤だし
こんなもんだ…ろ?…?あ、あれ…?な、んだ…?」
と、トイレに…列が出来、てないのを…確認、して…?
なん、か…ふらふら、する?オレ…どう、したん…だ?
「気温…きゅう、に…変わっ…たから?…き、昨日も
夜更かし…したのも、まず…かった、かな…?」
疲れ、が…出た、の…かも、な…?はしゃ、ぎすぎ…た
かもし、んねぇ…。テン、ション上…がって、た…から
…気付か、なかった…んだ、な?…っと、…~~っ!?
「お、おしっこ…っ!?はやく、トイレに…っ!!」
…そ、そういや…りおるさんにもらったやつ…だけじゃ
なくて、差し入れで貰ってた、のも…飲んでたん、だ…
行きたい…はず、だろ…?お、落ち着け…トイレはすぐ
そこ、なんだ…お、オレが間…に合わねぇはず、が…。
「な、なんで…目が、まわ…って?…歩け…な、い?
どう、なって…んだ?…~っ!?や、ヤバい…?!」
立って…らんな、い…?嘘、だろ…っ、このままじゃ…
[pixivimage:135292930-6]
本当、に…お、おしっこ…漏ら、しちゃ…う…っ!?
「じょう、だ…ん…だろ?こんな、とこ…で…っ?!」
だ、ダメ…だ…力、はい…んなく、って…漏れ…っ!?
しょろっ… しょろろろ…
え…マジで?オレ…漏らし、た…のか?なん、で…っ?
…そんなことあるわけがない。そう気持ちと、漏らして
床にへたり込んだ自分がいる現実が…頭の中で理解する
ことを拒んで、オレはその場を動くことが出来なかった
…いや、しっかりしろ!こんなとこ見られたら…誰かに
声掛けられたらバレちまう!なんとか…どうしたら?!
「れもんさん!?大丈夫ですか?どうしたんです?!」
「りお、る…さん…?なんで、ここに…?…~っ!?
こ、これは…違っ!?お、オレは…こんな…っ?!」
い、いきなり知り合いに…っ!?漏らしたことがバレる
…っ?!でも…だ、ダメだ…あし、に…力、が…っ!?
「…なんだか、れもんさん席を立つ時にふらふらしてた
ように見えたから心配になって…なので店番を頼んで
様子を見に来たんですよ。とりあえず、こっちに!」
りおるさんは床に座り込んだオレを支えてくれて…でも
こんな…姿、なんで…オレ、この歳になって…漏らす…
とか、有り得…ねぇだ、ろ…?どうして…オレ、は…?
そんな自分が情けなくて視界が歪んで…最悪だ、下着も
濡れてて気持ち悪いし…考えもまとまんねぇ…。オレは
りおるさんに誘導されるままに動くことしか出来なくて
…?ここは…?個室?…トイレがある。えっと…?
試し読み版はここまでとなります。
このお話の他にも 『落第』 する れもんくんや
『ヒーロー』 な れもんくん!〇〇堕ちの………
そしてなにより豪華なゲストの皆さまのイラストが
収録されております!是非ぜひ会場内でお手に取って
いただけたらと思います…!
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