種族と性別ごと強制職業変更で俺たちは、最強のダンジョン攻略を目指す
ダンジョンがあってその周囲には街がある。
冒険者たちが迷宮に挑むべく集まり、ギルドが作られ発展していく……。
ここはよくあるダンジョンを中心とした地方の街である。
今日も若きパーティーが栄誉や富を求めて迷宮の深淵へと誘われていく。
「こっちは俺一人で十分だ。他のやつらを任せたぜ!」
リーダーである勇者が命令し、それぞれが役割を全うしていく。
「大地の女神の祝福を……プロテクション!」
賢者のエリカが呪文を唱え仲間たちにバフをかける。
上位職の彼女はもちろん補助だけでなく、攻撃と回復もこなす魔法のエキスパートである。
ランクの高いローブを身にまとい、想いを寄せている幼馴染の少年と同じ金髪をふんわりと縦に巻いた正真正銘のお嬢様である彼女は、体つきもまあ悪くはない。
後方から冷静に判断し、一人で的確に魔法を駆使してパーティーを支えるまとめ役でもある。
「あ、ありがとうござますエリカさん。では行きます!」
前線で壁となっていた戦士のナミが丁寧でやや弱腰の口調とは裏腹に、補助魔法を受けたことで好機と判断し強引に切り込んでいく。
紫色のふんわりとしたミディアムヘアに眼鏡をかけていて、真面目で大人しい性格で、おっとりとしている彼女は、戦闘になれば兜と重鎧を身につけ大盾と斧で敵に突撃する勇敢さを見せた。
タンクとアタッカーを兼任する優秀な戦士だ。
「……」
寡黙な盗賊のソロンがダガーを投げつけファムを援護し、戦士の斧がモンスターを切り裂いた。
青髪で端正な容姿の彼は多くを語らず冷徹な印象を受ける。そして戦闘能力こそ高くは無いが、斥候から罠の探知と解除などダンジョンの攻略には必須である。
「これでとどめだ!」
勇者のリヒトが群れのボスらしきモンスターを引きつけ一人で戦っていたのだが、リーダーの少年には誰の助けもいらなかったようで戦闘に決着がついた。
金髪で中肉中背の元気だけが取り柄のような、どこにでもいそうなこの少年こそが勇者であり、賢者並みに魔法を使え、戦士と遜色のない戦闘能力とスキルを備え、全属性と状態異常に高い耐性を持つ選ばれし者だけが許された職業なので、これくらいは当然であった。
「よくがんばったなみんな! 俺たちの勝利だ!」
「まだ浅い層なのですから、そこまでではありませんことよ」
モンスターとの戦闘が終わり、リヒトがパーティーにいかにも主人公のように声をかけたのだが、エリカはそんないつものやりとりにたいして少し呆れているようだ。
「……」
「まっまあ油断は禁物ですし、こういう一言もだ、大事ですから……」
それを見てソロンはなにも言わず表情すら変えず、ファムがおどおどとフォローした。
彼らは十六歳の少年少女でありながら同じ村出身の幼馴染であり、そして中々のパーティーであった。
勇者のリヒトを筆頭に、上位職の賢者と一般職でありながら練度の高い戦士と盗賊とバランスが取れており、仲が良いので雰囲気も悪くなく連携がしっかりしていて、ランク自体も年齢と経験からしたら高すぎるほどであった。
「よーしガンガン行くぜ!」
「だからまだ序盤でしてよ。全力をお出して消耗してどうするおつもりかしら」
「フッ……」
「で、でもっその先野営ポイントも明確ですし、まだ大丈夫ですよ!」
迷宮に似つかわしくない和やかなやりとりに、感情をめったに出すことのないソロンも失笑気味であったが、なにかを感じ取ったのか暗闇の先を急に指差した。
「なんだ?」
「じゅもんつかうな!」
ソロンは敵の気配を気取っていて、そのおかげでパーティーは身構えることが出来ていたのだが、そこに現れたのはデーモンキッズという雑魚モンスター一匹だったのでやや拍子抜けであった。
「おれにまかせろ!」
魔物はリヒトそっくりの声で命令を叫んだのだが、すでに戦闘態勢に入っている冒険者たちを見ると
「どうしましょう……追撃しますか?」
「おう! まかせろどこまでも追いかけてやるぜ」
「……」
「ええと……状況次第だと少々面倒なお相手なのですが、あの程度ならわたくしたちの敵ではございませんし、初心者でなければ他のパーティーでも難なく対処出来るでしょう。いちいち倒してたらそれこそ消耗してしまいますわ」
デーモンキッズは雑魚ではあるが冒険者そっくりの声で命令を叫び、初級の混乱魔法も稀に使用してくるので、慣れてない新米パーティーであれば、そこそこ危険なモンスターである。
だかしかし、きちんと対策できていれば、一人前の冒険者の脅威にはならない程度の敵なので、彼らは見逃して先に進むのであった……。[newpage]
ダンジョンも下層ともなれば戦闘に熾烈さが増していく。それでも彼らならばもっと奥へと行けるだろう実力があった。
「まぶしい! これじゃ見えねえ」
巨大な目玉に触手がからみついたようなモンスターであるシャドウアイが閃光を放ち目くらましをしかけてくる。こういったいやらしい搦手を得意としていて、リヒトたちなら苦戦こそしないが、やっかいな敵には違いなかった。
「やっぱ俺、こいつの事好きになれそうにねえや……」
「モンスターなんて誰も好きにはならないでしょ」
「この辺りはモンスターも強くなってきていますから早めに倒してしまいましょう」
シャドウアイに手間取っている間に、他のモンスターがやって来ると面倒なことになるので、彼らはグループ現れた魔物を着実に撃破していく。
「きゃっ!? まずい」
「……」
シャドウアイが得意としている混乱魔法を唱え、最前線にいたナミが狙われたのだが、とっさにソロンが身を挺してかばったのである。
「ソロン!」
「大丈夫か?」
混乱状態にも耐性と程度があり、魔法の耐性が低く攻撃力の高いナミが大暴れするとなるとかなりの危機的状況に陥ってしまうので、戦闘能力が高くなく耐性もややあるソロンかばったのは的確な行動であった。
しかし、パーティーの仲間たちはただ素直に彼の心配をしていた。そしてその感情を表に出さず常に寡黙なソロン自身も、正確な状況判断からだけでなはなく、仲間との絆ゆえからの行動であった。
「はい大丈夫です。私は毎朝ごはんを五杯食べます」
「うああああちくしょー! ソロンが変なこと言い出しておかしくなっちまった!?」
「戦闘は継続出来そうね。このまま押し切るわよ」
もちろん彼は朝食をドカ食いなんてしない。
本気で困惑しているリヒトをよそに、エリカが冷静に指示を出しモンスターを全滅させたのであった。
「ねえソロン行けそう?」
「はい元気です」
戦いの後に束の間の休息を取り態勢を整えたのだが、ソロンはまだ混乱したままのようで視点が定まっていない。
「ええと、どういたしましょうかしら。魔法自体は軽いし、時間も経ってるからそろそろ元に戻ってもよさそうなのですが」
「そんぐらいなら大丈夫だろ。歩いてりゃ治るんだし、早く行こうぜ」
「こ、この辺りはまだモンスターもそこまで強くないですしね……」
時間経過で混乱状態から回復するのもっともであり、次の戦闘にもそこまで支障はなさそうなので、リヒトの言ってることも間違ってはいない。
しばらく休めたらいいのだが、そうしているうちにモンスターに囲まれる可能性があるので、早く移動すべきというのも正しい判断ではある。
「MPも節約したいし、ステータス回復魔法はかけなくていいか……」
こうしてリヒトたちは仲間が混乱したまま先へ進むことにしたのだ。酷く錯乱しているわけでもなく、そのうち治る場合は放置してしまうのも冒険ではよくあることだ……。
まだ下層に来たばかりで、今の彼らなら戦闘はそこまで苦にならない。そうした余裕がパーティーに慢心と気の緩みを生じさせていた。
「戦闘になりそうならすぐ治療いたしますわよ」
「おう、そうだな!」
盗賊の少年は混乱したままだが、なるべくMPを温存したいのでそのまま進んでいる。
ひりつくような危険なエリアはまだ先であり、たいした支障も無く、危機的状況でもないためにどこか緊張感に欠けてしまっていた。
「今日は良いお天気ですね」
「うう……しかたないとはいえ、あのソロンさんがこんなに変になってるのに放っておくのは気が引けちゃいますねえ」
普段であればそうした緩みを引き締め、危険を察知するのもソロンの役割になっていた。
なので、彼ががこれまで未然に防いでいた罠への対策が不十分になり、不用心にも踏みつけた床からカチリと音がして、やや沈んだ時には、若き冒険者たちは瞬時に警戒態勢に入ったのだが、すでに手遅れだった。
「しまった! トラップだ」
リヒトがそう叫ぶまでもなくパーティーには緊張が走っていたが、なんの対応も出来ないまま床や壁から煙が噴き出てくる。
「ダメージじゃなくて状態異常系かしら……?」
エリカは思考を巡らせすぐさま対応しようとした。
うかつだった……戦闘の事ばかり気にかけ罠の事を失念していたなんて、正常な時のソロンであれば呆れられてしまうだろう。
しかし今はそんなことを考えている場合ではない。
幸い即死系の罠ではないようだ。槍や矢が飛んでくるタイプでも無く、魔法系のダメージタイプでも無く、煙だということは状態異常系だろうと彼女は判断した。
ダメージにしろ異常にしろ治してしまえばいい。そうなればエリカの仕事である。
最悪なのは、落とし穴やワープでパーティーが分断されてしまうことだった。そうなれば全滅や行方不明の可能性もあったので、ひとまずは心を落ち着かせることが出来た。
「くそっ、煙か……エリカとりあえず全員きっちり治療してくれ」
「言われなくともそのつもりですわ」
だが今のパーティーにはもう慢心も油断も無い。トラップへ的確に対処しようとしていた。
まず罠が作動した直後にそれぞれが回避行動を取り離散した。物理的な仕掛けならそれだけで無効になる場合があるからだ。
「煙ですか……避けられれば良かったんですけど無理なやつですね」
罠にも回避や解除が容易な単純なものから、難しいものまで様々なタイプと種類があり、単純な罠を避けようとした動きの先を読んで設置されているいやらしいものまである。
今回は後者の様で、通路の中央に仕掛けてあるくせに一か所からではなく、パーティーが散り散りになった所でそれを囲うように床や壁や天井から煙が吹き出すという念の入りようだ。
トラップとは本来そういうものではあるが、絶対に回避させまいという意思が伝わってくるいやらしさのあるタイプであった。
とはいえ、戦闘中でもない状態異常は、そこまで脅威でもないので楽観的であった。本来であればかかった後でその場で治療してしまえばいいからである……。[newpage]
「即死じゃなければなんてことないですわね。治療魔法を準備しておきますわ」
まだどんな罠かも判明していないというのに、エリカにはずいぶんと余裕があった。
けれども、実際に罠の効果が表れててみれば予想外の状況に、まるで対応しきれないのであった。
「にゃっ! なにこれ! えっ?」
ポンッと音がして、ソロンのいた場所に妙なクリーチャーが出現した。
パーティーの誰でも無い、寡黙な盗賊の代わりに、それはそこにいた……。
なので、状態異常系だろうというエリカの判断は正しかったのだが、彼女がまったく想定していないものであったので、対応が遅れてしまう。
「にゃっ!? 私の体が!! 私はどうにゃって……」
パーティーの誰でもない甲高く甘ったるい声でしゃべるそれは、おおよそ生物らしくない姿形をしている。
冷静沈着なソロンとはほど遠いくらいに、慌てふためいているその生物は、二足歩行をする四頭身の猫のようだが、頭が大きく、体に丸みと厚みがあり、足がやけに短い……。
体の内側と、耳と手足とマズルの先が白色で、それ以外が撫子色をしている派手で明るい色彩の毛皮ということもあって、どうにも着ぐるみのような作り物のように見える。
「にゃ、にゃんでーっ!?」
そのマスコットの着ぐるみのような生物は、キャンディみたいな甘くかわいらしい声を出しながら驚き、困惑しているようだ。
まるで玩具のような見た目のその生物は、プリティーアニマルという種族である。冒険者なら見たことはなくとも、名前なら必ず知っているほどの種族だ。
パーティーのメンバーも街の近くで遭遇したことはあるが、あまりいい噂を聞かないので近づこうとはしなかった。
なぜなら、本来は妖精に近い存在なのだが……人とモンスター、敵味方の区別が無いというおめでたい種族なので、その慈愛の精神から誰構わず回復してしまうという困った習性があり、ほぼモンスター扱いされているという冒険者にとってはた迷惑な種族であるからだ。
それでもヒーラーとしてはとても優秀なので……人と魔物の区別がついているのか、それとも旺盛な好奇心と博愛精神に折り合いがついたのか、『それ以外の理由』なのか、時折冒険者のパーティーに加わっている個体も確認されている。
「ソロンはどこ? まさか入れ替えで転送された?」
単独で分断されたかもしれないという状況に、全滅や行方不明という深刻な想像がエリカの頭によぎり緊張が張り詰めていく。
立派な胸があるから雌だろう。かわいらしい仕草で困惑している彼女には悪いが、いきなり現れたプリティーアニマルに構っている暇はエリカには無かった。
「もしかして場所で効果が違う……? ソロンのいらした所にわざと行けば合流できるでしょうか?」
もちろんそんな保証は無く、より危機的状況に追い込まれてしまう可能性さえあった。
自分の所の罠がどんなものなのかすらまだ分かっておらず、ソロンも自分もバットステータスを抱えたまま、どこかへ転送されてもおかしくはない。
なので、彼女は飛び込んでいくべきか躊躇していたのだが、冒険者パーティーに状態異常の罠は、容赦無く牙を剥くのであった。
「きゃっ! いやあ、取れないっ!」
エリカが思考を巡らせていたのは、ほんのひと時であった。ナミのいる方から悲鳴が上がる。
どうやら場所によって別の種類の罠が設置されているので、ナミはいつの間にか煙ではなく、泥のようなものを浴びせられていた。
「次々にかけられてるのに、どんどんくっついてる。このままじゃ……」
「っ!? 石化……ではなさそうだし、攻撃でもなさそう」
ナミは取り乱しまいとけなげに平穏を保とうとしており、エリカが冷静に助かる手段を分析しているが、なんの手立ても無いようだ。
エリカが治療なのか回復なのか迷っているうちに、ナミは泥に全身を覆われ、ただの泥の塊になってしまった。
「どうしてですの……こんなの見たことがありませんわ。どうして効かないのですか?」
試しに石化の治療を試みたのだが何の反応も無かった。
ナミの全身が泥の塊に埋もれ姿は見えず、声すら聞こえて来ない。窒息を狙った攻撃なのだろうか?
早く助け出さなければとエリカが動くよりも早く泥は固まっていく……。
「な、なんなんですの。学校でも聞いたことありませんでしたよこんな罠……」
泥の塊は人型に固まっていき、まるでゴーレムのようになっていく。
泥から人型の固い土になったが、あくまで人型であり中に人間が埋まっているとは到底思えない見た目だ。
「息は出来なさそですわね。蘇生でしょうか……とにかく今助けてさしあげますわ!」
ともかくなんにせよ土の中から救出すべきだと、エリカは駆け出した。
だがしかし、土はボロリと崩れ落ち、ナミは自力で脱出したのである。けれども人の形をした土の塊から出てきたものは、人間の姿をしていなかった。
「どうして……どうしてナミじゃありませんの? どこへ行ったの、また入れ違いで転送……」
「ぷはーっ! ああ、やっと出れた……ブフーッ! エリカさんご心配かけました! 私ならとりあえず大丈夫そうです。それどころかなんだか元気になっちゃったような」
土が崩れて中から出てきたのは、ソルジャーライノというモンスターだった。
どういうわけか荒々しく息を吐きながら、低くドスの利いた声でエリカに親し気に話しかけている。
どちらかといえば獣人に近い種族なのだが、あまりにも血の気が多く、縄張り意識も高いために冒険者を見れば襲い掛かってくるので、モンスターとされている種だ。
その勇猛果敢で獰猛なモンスターは、穏やかな笑顔で力こぶを作っている。
「ふんっ!! この通り元気モリモリです! ブフーッ!! でもさっきから視界に角みたいのがずっと見えてるんですよね? それになんだか視点が高くなったような……」
ソルジャーライノはきょとんとしているが、エリカは戸惑いを隠せない。
この状況下でこんな危険なモンスターに出くわすのは厳しすぎるのだが、どうにも様子がおかしい。先制のチャンスなのだが、彼女は攻撃すべきか分からないでいる。
「すごく元気なのに、なにかがおかしいような……アソコも元気になって……んんっ? アソコ??? きゃああっ!! なんでこんなものがついてるのっ!?」
サイの獣人は、ずっしりと重たそうな睾丸に相応しいサイズのペニスをビンと跳ね上げさせ、うぶな生娘である賢者はそれを直視して硬直してしまう。
「ヒッ!」
モンスターは不意に大きな男性器を勃起させたので、そういったことにまったく耐性の無いエリカは、なんだか恥ずかしくなりつつも、雄のモンスターに性欲を直に向けられたおぞましさに、声にならない悲鳴を上げた。
「あっ……ああっ、このお! 変態おモンスター! なんてものをこのわたくしに見せつけてくれましたの! 幼馴染のだって、まだちゃんと見たことがありませんのに!」
だが、そのモンスター自身も男性的な低い声で、まるで女性のような口調で困惑しているのであった。
「すごくおっきいですわ……人間の男の人もあんなになるかしら???」
これ以上ないくらいに危険な状況下にあるというのに、エリカは魔法で攻撃しようとしながら、モンスターの間の抜けた言動に気が抜けてしまって、彼女が苦手にしている性の生々しい部分を見せつけられたこともあり、別のことを考えてしまう。
(リヒトのってどれくらいなのでしょうか……?)
「いやいやいや、そんなこと考えてる場合じゃありませんわよ。そんなのどうだっていいことですわ」
普段なら絶対考えないようなことが頭に浮かんでしまい、エリカはしどろもろどになってしまう。
(そいうえばあの方はどうしているのかしら。普段はあんなにうるさいのにやけに静かね……無事でしょうか?)
そう思いながらエリカがリヒトの方を見ると、幼馴染の少年は熱を出したかのようにぐったりとしていて、表情もうつろだ。
「うかつでしたわ。他のお二人に気を取られて後回しになってました。ねえ大丈夫ですの?」
「ああ大丈夫だ。お前の治療魔法頼りにしてるぜ……」
「全然大丈夫じゃないありませんことよ! 異常はちゃんと申告しなさいとあれだけ注意したではありませんか!」
しんどそうな返事が返って来て、明らかに問題ありだったので呆れてしまうが、ひとまずそこに幼馴染の少年の姿があったので、エリカは少しだけほっとするのだった。
具合いが悪そうで、なんだか全体が白い……というか、毛深くなったような気がするが、ひとまず深刻な異常ではなさそうである。
「今そっちに行くわよ」
モンスターは股間を隠すように押さえ挙動不審になっているので、ひとまずは襲われないだろうと、リヒトの治療を優先することにした。
けれどもエリカはなんだか体が重たいような気がしていた。
どんどん重たくなっていく自分のものであるはずの体。上手く動かせないのに煙ばかりを吸い込んでしまう。
(いけない。どんな危険があるのか分かったものじゃないのに……)
けれども追い詰められて心拍数が上がり、呼吸が乱れてより多く煙がエリカの口や鼻に入っていく。
まず最初に鼻の粘膜が薬品で灼けてしまったようにヒリつき始めた。
エリカの鼻筋の通った端整な顔だちが、鼻がのっぺりと潰れて、鼻腔が広がり緩やかに延長されていって不細工になっていく。
喉にも影響は及び、同様に焼けながら延長され始めている。
「げほっげほっ、やばいですわ……こんなの吸ってはいけませんのに……」
息を止めるわけにもいかないが、影響をなるべく留めるべく罠から出てきている怪しい煙など、可能な限り吸い込まないようにするのが当然だろう。
だというのに、エリカは喉と鼻が軽いやけどをしたかのようにヒリヒリとしてしまっていて、そのますます広がる鼻の穴は『新鮮』な空気を取り込もうと、鼻息荒く呼吸してしまっていた。
痛いわけでも苦しいわけでも無い。ただそのヒリつきのせいか、無意識に煙をたっぷり吸うのが癖になっている。
喉は内側だけでなく外側も太くなりつつあり、やはり伸びていく。
「口の中が辛い……? ちょっとやばいかも」
ぺちゃんこに潰れながら、全体が発酵し始めたパンのようにふっくらしてきた鼻を中心に、鼻と口が前にせり出していく。
エリカのあごの形状が骨太になりつつあり、顔の形が変わりつつあった。口の端からほほの中央が割れようとしている
「しゃべりにくくなってきちゃった……なんの状態異常なの? こんなこといままでなかったのに」
煙により鼻と喉が灼けていく……丸まっていく彼女の口の周り。首や顔に黄色と白色の鱗のようなものができ始めていて、人間らしからぬ顔になりかけている口の端はまだちぎれてはいないものの、ほほの中央が割れてしまって穴が開いてしまっていた。
「嫌ですわ、なんですのこれ、鼻が伸びてる……? じゃあ毒ではありませんでしょうね。あいたたた……頭痛までしてきましたわ」
視界に入るので口の周りの変化には気がついたようだが、首が二倍ほどに長くなっていることにはまだ気がつけていないようだ。
ほほが割れて口の端が裂けかかっているエリカの頭部からは、小さな突起物が二つほど生えてきていた。
牙らしきものも口から覗くようになり、黄色と白の爬虫類の鱗らしきものも確実に増えてきている。耳まで形がおかしくなり先端が垂れて来つつあった。
「あっつー。もう脱がないとやってらんねえ……」
この非常時に間の抜けたリヒトの声がしたのでそっちを見ると、彼は鎧や服を脱いでしまった所だった。
「なにをしているのですか、こんな時だというのに。敵が来たらどうするつもりですの……あら、そんな着替えお持ちになられてましたか?」
裸になったのかとエリカは思っていたのだが、幼馴染の少年は白い肌着を着ているかのように見えた。
交代で洗濯などもするので(デリケートな女子の持ち物は各自洗っている)お互いの衣類は、エリカは多少なら誰の物か認識していた。
新品のような真っ白な肌着を着ているようだが、それは明らかにおかしい。
なぜならそういったことに無頓着なリヒトが、まだ着れるのに肌着を新調するはずが無いからである。
「……っ!? リヒト! あなたいったいどうされましたの?」
だが、それは上下の肌着などではなく、ずいぶんと濃くなった彼の白い体毛だったので、エリカは絶句してしまう。
「リヒト! 体が!」
「えー大丈夫だよお~」
予断を許さない状況下であるというのに、ずいぶん間の抜けた返事をしてきたリヒトの顔つきも、いつものものではなく、白い毛が生えかけて口元が変形しつつある、獣じみたものであった……。
「あついなあ……なんだか不思議な気分がするぅ」
勇者はおどけたような口調で、まどろみの中にいるかのようだった。
真っ白な毛皮が全身を覆っていき、手足がモコモコとやや大きく変形していく。その体は鍛え上げられた肉体から、柔らかで曲線的な肉体に変っていき、胸や尻が膨らんでいく。
「んっ……あっ」
髪の毛が抜け、耳が長く伸び始め、少年は苦悶ともいえなくないような艶の混じる吐息を漏らすようになる。
この時リヒトの股間の大事な物は、スルスルと内側に引っ込んでいくかのように小さくなっていたのだが……小さくなっていくからこそ、エリカにはその変化が気がつけないでいた。
「女神よ汝の愛しき子である我らに降りかかる困難を打ち破りたまえ! ヒーリング!」
白い体毛が濃くなり、顔がより小動物のようになり、胸が乳房と呼べるまで成長し、尻もぷるんと大きくなって、いよいよ女性に近い肉体になった勇者だった誰か。
それを見て、エリカは状態異常回復魔法を反射的に唱えたのだが、効果は全く無いようだ。
彼女の目の前で、幼馴染の少年が白い獣の雌に変えられていく。万能であるはずの賢者は、それを止める術が無いのである。
「うぁ……あっ、あはぁ……なんだか気持ち良くなってきた……」
「効かない!? ならこれでどうかしら、悪しき者よ即刻立ち去れ! アンチカー……んがっ!?」
エリカはめげずに解呪を試みようとしたのだが、膨らんだ鼻先と共に口の先がニョロリと伸びてしまい詠唱が美味くいかなかったばかりか、杖を突き出した表紙に転んでししまうのだった。
「あいたたた……なによ急に」
伸びてしまった口先はマズルと呼ばれる獣の口吻となり、腫れぼったい見た目をしているばかりか、唇や鱗の端々に老人の様なしわさえ刻まれている。
黄色と白色の二色の爬虫類らしき鱗が、三倍ほどに長くなった首や顔じゅうに発生していて、皮膚の部分がほとんど消えている。
エルフのように長くなった耳はだらんと力なく垂れていて、頭部から子ヤギの様な小さな角が生えてきている。
きれいでサラリとしていた金髪はだいぶ白髪混じりになり、眉毛さえ白髪になり老人のように急に伸び始めている。
顎が変形して顎が厚くなり、口元が腫れぼったい鼻とマズルになったことで、口の端から穴の開いていたほほの奥まで避けてしまい、口から覗いていた牙がしっかり確認出来るようになっていた。
エリカの頭部はほとんどドラゴンに変ってしまっていた。それもかなりの高齢のだ。
女性のはずなのに、口の先端の下から白い髭すら生えつつある。
「ごめんあそばせ……なんだか頭が重くてフラフラしちゃいますわ」
身体が一回り大きくなる。エリカは立ち上がろうとしたのだが、彼女の体に対して頭部の比重が不釣り合いでぐらぐらとアンバランスなようで、上手く行かないでいたがなんとか立ち上がった。
詠唱が失敗したのは口の変形があったからだが、転んでしまったのはどうやらこのせいのようである。
おかしな煙を吸い込んだ首の上が変化したので、今度は首から下、煙が肺に充満して胸の辺りが変化を起こしていく。
乳房がしぼみ平たくなりながら皮膚が白っぽい鱗へ変色していく。爪が鋭くなり、手の指がごつくなり始める。
「なんですの? 変な感じがしますわ」
胸から下へ変化は伝わっていき、エリカの華奢な腹部がぽっこりし始める。
腹から続いて下半身がどっしりと大きく太くなり始めるが、まだ下の方には鱗は発生していないようだ。
「いったいわたくしどうしたのかしら? あら足が……」
また体が大きくなりながら、エリカは中腰になったり、無意識に元から四倍ほどの長さになった首を器用に曲げたりして、どっしりとした体型に変化していく下半身を不思議そうに眺めているが……今一番変化してしまっているのは、煙を吸い込んで直接粘膜を焼かれた鼻を中心とした頭部であった。
「あら……なんじゃ? わたくしの首こんなに曲がりましたかしら?」
エリカの頭は更に竜化と老化が進んでいく。
口先は嘴のように尖りつつも鼻はずんぐり膨らんでいて野暮ったいのに、唇はしわしわだ。
マズルがさらにしっかりと伸びて、もう皮膚の部分が残っていない顔にしわと加齢が刻まれていく。
力なく垂れている老いた獣の耳。雄山羊のような立派な角が生える頭部には、お嬢様らしいふんわりとした髪形の金髪ではなく、パサパサで潤いのない白髪が生えていている。
「なんだか鼻のヒリヒリが治まってきましたわ。心なしか以前よりも息が沢山吸える気さえしますの。それにしてもなにかこう……なにかがお口から出てきそうな……」
更に彼女の肉体は、大きく巨大な卵ののようになっていく。吐き気とは違う何かを吐き出せそうな新たな感覚に、彼女は気を取られているが、本当に気にすべきことは他にあった。
白髪はボサボサで伸びっぱなしになっていく。老人らしい白髪の眉毛は太く長くなり立派になり、あごの一番先から長い髭まで生えてきていて更に高齢になった。
顔のしわが増え、みずみずしさが失われ、まるで悠久の時を過ごしてきたかのような、老いを感じさせる貫禄が出てきてしまっている。
乳房は完全に無くなり、外側は黄色の、内側は白色の鱗に覆われた平たい雄の胸板となり、腕がごつくなってきている。
腕の先の方は肩に比べて華奢に見えるが、手は金属の鎧さえも容易く切り裂く鋭い爪の生えた、ドラゴンの手そのものになっている。
一方腹部はぽっこりと丸く大きく膨らみ、それを支えるべく下半身はどっしりと太く頑健になっていき、上から下へ艶のと若さの無いくすんだ二色の鱗が侵攻していっている。
彼女はもうすでに人間らしい体型をしておらず、手足が短く首が長くて腹部がぽっこりとしている、一般的なドラゴンの肉体になってしまっている。
「なんじゃこりゃ……わたくし……? いやワシ? わたくし、ワシ……? ワシの体が妙なことになっておるぞ」
頭部が完全に年老いたドラゴンのものになったせいで、エリカは口調や声まで老人のものが混じりつつある。
元の十倍ほどに長くなった首は太さも数倍になっていて、その首を器用に曲げて老竜は自分の体を不思議そうに眺めて戸惑うばかりだった……。
「どうしたもんかのう……それヒーリング! アンチカーズ! ふむ、効かぬみたいじゃのう」
とりあえず回復魔法をかけてみるものの、効果は無いようだ。それどころかとてつもない魔力の高まりを感じていた。
しかしトラップの毒ガスのせいか判断力が鈍っているようで、自分が無詠唱で魔法を使用したことにさえ気がついていない。
呪文を口にした際、彼女の口元に小さな電流が発生しわずかに発光したことにも気がついていない。
生命を脅かすような危険な罠ではなく、たかが状態異常と高をくくっているのか……自分の姿が確認できないこともあってか、エリカはあまり焦ってもなく危機的状況だとは思ってはいなかった。
まるでドラゴンという圧倒的強者である種族から来る、生まれた時から備えているような落ち着きであった。
「はて、まいったのう……どうしたものか。ひとまず立て直したい所じゃが」
上から下へ。エリカの全身、つま先まで黄色と白色の老竜らしくくすんでいる鱗が覆ってしまった。
顔は超高齢のドラゴンそのもの。長く太い首に、逞しい肩とやや華奢な腕と獲物を簡単に切り裂く手。卵のようにぽっこり丸い胴体と、それを支え足はがに股に開いていて、やけに短い。
エリカは小型の老いたドラゴンにすっかり変えられてしまった。
「ううむ……」
罠の煙も出尽くしたのか収まっており、どうすべきかと彼女はフロアを見渡した。
「にゃああ……にゃこれえ」
「おっ俺の体……なんであそこが固くなって……くそっ」
プリティーアニマルは未だに甘ったるい声を出しながらうろたえている。
ソルジャーライノはこっ恥ずかしそうに股間を両手で押さえていつつ、興奮している様子だ。
「あやつらは結局なんなんじゃ? まあええか、それよりもじゃ……」
魔物の姿になったエリカは、他の魔物たちを怪訝に思いながらリヒトがいた方へ視線をやった。
「はあっはあっ……ううっ……」
幼馴染の少年がいたはずの場所には、白い毛皮に包まれた若くてかわいい雌の獣人がいた。とてもだるそうに床へ仰向けで寝転がっている。
バーニアンという兎獣人に近いモンスターである。長い耳に、襟巻のようにフワフワした毛が首もとを一周していて、前歯が発達していて、綿のような短い尻尾に、小柄だが安産型のどっしりとした下半身をしている。
最弱といわれるくらい非力なので、他のモンスターから身を守るために遊び人として街やパーティーにいるのをよく見かける種族だ。
兎獣人に近いとはいうが、生態は魔物寄りで特に倫理かけた行動が目立ち、最弱ゆえに役に立たないことが多いので、あちこちから毛嫌いされている。
「あ……う……なんだこれ……」
頭髪はほとんど抜け落ち、額の辺りにちょこんと白い毛が残っている程度だ。
リヒト同じような中肉中背ではあるのだが……まったく鍛えられておらず。ムチムチとした体つきをしていて、胸と尻は大きく、種族特有のパッシブスキルによりこれでもかと色気を辺りに振りまいている。
今フロアにいる三体のモンスターがかなりの大柄なので、相対的に小柄に見えた。そしてバーニアンが視界に入った老いたドラゴンは、ドクンと胸を高鳴らせるのであった……。
「なんじゃこの気持ち……? なんじゃかそわそわして落ち着かなないわい。それにムズムズして、それでいて元気が出てくるような……なんじゃ???」
「あうう……お股が熱い……ぴ……ょん……」
雌兎は熱に耐えるようにどこか苦し気で、寝転がったまま恥じらうようにもじもじと内ももをこすりあわせている。
それを観察している竜の目が血走り、吐息が荒くなる。これまでに感じたことのない感情に突き動かされそうになる。
「なんじゃ? これはなんじゃ? いったいどうしたのかしらわたくし、学校でも習いませんでしたわ」
エリカはもじもじしている雌兎の太ももから目が離せなくなっている。
不思議な感覚ではあるがこれをポジティブに捉えていた。雌兎を凝視する竜は、新しくて知らない類の感覚に興奮しギラギラした表情にになっていくのであった。
「あっ……無いですわ」
老竜は雌兎の股の辺りを熱心に見つめていたので、その雌の獣が悩ましく足を組み替えた際に股間がちらりと丸見えになったのだが、そこにあるはずのものがついてなかったのだ。
代わりに穴らしきものがついているのがわずかに確認出来たので、そう漏らしたのである。
「なっ!? 何もついておらぬではないか……どこへ行ったのですか、大事な物であろうに」
エリカは幼馴染のそれをしっかり確認したことは無いが、リヒトがバーニアンに変わっていったのをちゃんと見ていたので、そのモンスターが彼であることを知っっている。
なのに、股の間に何もついていなかったので動揺し、困惑した。
「どうしたんじゃ、なにかの見間違いではなかろうか。おかしいですわ」
「ううん……熱いぃ……ぴ……ょん……」
エリカがよく確認しなくてはと思うと同時に、偶然だが奇跡的なタイミングで熱さに耐えかねたといった様子で、リヒトがガバリと大股を開き腰を上に突き出したのであった。
それは寝返りと同じようなもので、特に意識した行動では無かったのだが、とても意味のある結果を生むのであった……。
「んん゛っ!?」
雌兎の股間を凝視しながら興奮しているドラゴンへ差し出すように、兎は御開帳をして、股の間をこれでもかと見せつけてしまったのだ。
「こ、これは! なんと、なんということじゃ! 一大事じゃ!」
幼馴染の少年の股間にあったはずの物が確実に無くなり、割目らしき物がそこへあったのだ。リヒトは見た目だけでなく完全に性別まで変更され、本物の雌の獣にされてしまったことを、エリカは分からされてしまった。
竜は大いに驚き衝撃を受けていたのだが、そこへ追い打ちをかけるように脳内に声がするのだった。
『ステータス勃起付与を獲得しました』
「なんじゃ今の声は?」
エリカは罠により上位の魔物であるサンダーマジックドラゴンに変えられてしまったのだが、上位種ゆえに自分のステータスを今まで以上に詳細に確認することが可能になったのである。
彼女はそれを即把握した。だがしかし、体の変化までは理解に及ばなかったようだ……。
「おっ! ワシの股もムズムズしてきましたわ……なんともないの。ふう、ひとまず安心じゃわい」
エリカは自分の股を見たが、縦のスリットがあるだけだったので、安堵のため息をつくのだった。
だが、上位種なので変化に時間がかかっていただけであり、彼女の魔物化は完了していなかっただけなのだ。
そして体内で最後の仕上げが今行われようとしていた。
「しかし妙ですわじゃのう。ワシくしのお股が変な感じが強くなってますのじゃ」
老龍も熱に耐えるような表情を見せ始める。
サンダードラゴンのタテワレの中でじわじわと彼女の膣と子宮が閉じていく。
「おっ! なんじゃ! んんっ!? お腹の下がキュンキュンして切ないですわじゃ」
彼女の大事な割れ目の中で産道がひっそりと塞がれていく。内部で卵巣がそのまま精巣に作り替えられる準備を始める。
「うう……なんですの……」
激しい喪失感はあるのだが、彼女にはそれがなぜなのかが分からない。
女性器の陰核であることをまだ許されていたクリトリスが、内部で密かに勃起している。
トカゲやワニのペニスが勃起したままスリットに内臓されているように、彼女のそれもそのように収納されるのである。
「ううう……なんか、なにかを失くしてしまったような気がしますわ」
膣が完全に閉じて子宮が収縮して消滅したので、エリカの女性器の割目はサンダードラゴンの股にあるただのスリットになってしまう。
大切なものが失われていく……なにかとてつもないことが起きているのは分かるが、竜はそれがなんであるのかすら気づけない。
勃起といわれてもなんのことか、自分の体と結びつかないのだ。
「おおっ! なんじゃ? なんですの?」
喪失感は強く、そして増す一方で、下腹部に強い違和感を抱えているドラゴンは、困惑するばかりだ。股間を長い首を下げても、股間には割れ目があるだけだ。
スリットの内部でクリトリスだった物は固く勃起して、長く太く肥大化していく。
女性器だった名残か、内部を守ろうとドラゴンのスリットから透明な液体が滴るようになる。
「あっ……わたくし感じちゃってるのかしらじゃ……」
エリカは性知識に乏しいが、女性がエッチな気分になるとそこが濡れてくるということは知っていたので、恥ずかしくなってしまう。
実際には愛液ではなく、女性だった成分が漏れ出てしまっているだけである。スリットの中で、彼女のクリトリスだった物が肥大化しながら奥へとねじ込まれていき、さすがのSランクモンスターであるマジックサンダードラゴンも、老人のようなしわくちゃの顔で恥じらいながらも苦しそうだ。
「いい匂いがしますわのう……」
そして彼女の野暮ったい形状の、老ドラゴンの鼻先を雌の匂いがくすぐる。
発情した雌の香りはドラゴンをより興奮させ、すでに平均的な成人男性のサイズを超えた肉棒をスリットの中でより太長くさせた。
元の女性器の許容量をも超えてきたので、窮屈になったスリットの内部は固い肉棒の圧迫により奥へと拡張を繰り返す。
「お股がぁ……ワシくしのお股が壊れてしまいますわ……うう」
スリット内でポーションの瓶のように大きくなった肉棒に、ようやく尿道が開通したので残尿がジョロリと出てしまいスリットからこぼれた。
「ヴッ!?」
尿道が接続されて肉のロッドは、ドラゴンのペニスといって差し支えない状態となり、肥大化を加速させる。
「ひぎい! きつい! きついですのじゃ! 辛いですじゃあ!!」
元は入口専用の割目だったのでスリットの出入り口はまだ狭く、老龍のペニスも完成していないので外に出て行かず彼女は苦しんでいた。
雌の発情臭により爆発的に肥大化していくドラチン。若き老いた竜は内側からスリットの内部を破壊されつつあった。
固くも弾力のある太くて長い棒、それが大きくなりながら奥へと高圧力で押しつけられてスリットは拡張を繰り返し、竜は苦しそうに呻く。
「ううう……なんですのじゃ? 何か起きてるのですじゃ? なにが引っかかってるのでしょうか?」
エリカはスリットがきつくて苦しいだけでなく、物理的にも精神的にも引っかかりを感じていた。それがなんなのかが分からずもやもやしている。
「何かが足りない……」
雌の匂いがより濃くなる。しかしエリカはそれが自分の股からしているものでは無いことにようやく気がついた。
その香しい芳香に誘われるように視線をやると、そこにはリヒトがいたのである。
「んんんっ……俺男なのに……こんなっ……ううっ……」
リヒトは起き上がっていて、女の子座りをしていた。
股の間にそっと手をやり、ぺたんと座っているだけでもエリカには危険なほど煽情的に見えるというのに……こともあろうにも、リヒトはやや抵抗のあるそぶりをしながらも、ぼんやりとした表情で股を床にこすりつけているのだ。
「うああああ……俺どうなって……んっ、ぴょん!」
どうしていいか分からないのか、それとも耐えているのか、アソコを直接触れこそしていないが……幼くして性が芽生えてしまった少女が、何も理解しないまま行ってしまうように、もじもじと腰を動かして股間を床へ遠慮がちに何度も押しつけている。
これこそが竜の鼻をくすぐる雌の発情臭の正体であり、自慰未遂ではあるがとても卑猥な行為であった……。
「んほっ!?」
幼馴染の少年が、まるで女の子のようにいやらしいことを自らしていたことを認識してしまったドラゴンを、生理現象の電撃が貫く。
パリパリと初めての小さなサンダーブレスを、しわだらけの口から吐き、エリカは丸っこい体を強張らせて、まるでクリトリスのようにスリットから覗いている巨大なペニスの先端からビュッ! と、透明な汁を飛ばした。
まだ精液ではなく、女の潮でもなく、ほとんど先走り汁である。
「な……なんか出ちゃいましたわのう……」
エリカは、とても大事なものをこぼしてしまったような罪悪感に蝕まれながら、ぐったりとその場にへたり込んでしまうのだった。
ドラゴンのスリットからは大きなペニスの先端が出てきていて、クリトリスのようにヒクヒクと痙攣している。[newpage]
煙が消えて罠のあったフロアは、最初から何事もなかったかのように静かになり、若き冒険者たちは、現在の身体を嫌でも互いに見せつけることになった。
「リ……リヒト……」
エリカは昔からよく知る少年の、思いもよらぬ姿と行動に驚きながら、今までに無かった興奮を覚えてしまっていた。
興味と動揺が合わさった感情を彼に向けつつ、つぶやくのが精いっぱいだ。
「えっ、そこの女性がリヒトさんなんですか……」
男らしく低い声とのんびりとした口調で、ソルジャーライノが股間を両手で隠しながらす質問してくる。
「じゃあやっぱりそなたがナミですのじゃ?」
「はいっそうです……あの、私今なんになってますか?」
エリカは自分の顔こそ確認出来ないが、長くなった首で鱗だらけの手や体を見てなんらかの異変が生じていることを理解していた。
ナミも同じなのだろう、知るのは怖いが確認しないわけにもいかないので、おそるおそるといった様子だ。
「ソルジャーライノになってるのう。ですわ」
「ええーっ魔物じゃないですか! でもそれってやっぱり……」
「そうですわね……」
ようやく平常心を取り戻したエリカは、聞くまでもなくステータス画面を開いた。すると、彼女の職業がSランクのモンスターと同じ名前で表示されていたのだった。
「ワシはサンダーマジックドラゴンになったみたいですわ……」
「そっか状態異常ならステータスを確認すればよかったんだ」
サイの魔物がはっとした。普段なら見ることは無い狂暴なモンスターの柔らかい表情には、違和感しか出て来ない。
取るに足らない状態異常の罠に、ただ確認すればいいということすら判断出来ないほどパニックになったことを、エリカは重く受け止めた。
もしも致命的な罠だったなら、対応を間違えることでパーティーをどれだけより危険にさらしたことだろう。
「ふにゃあぁ……」
「ですと、あちらがソロンじゃな……」
パーティーと同じ人数のモンスターがいて、そういう効果の罠であるならそうであると判断するしかないのだが……状況が理解出来た今見てもにわかには信じがたい。
寡黙で冷静沈着な盗賊の少年が、かわいらしい姿になって甘ったるい声を出してクネクネとしているのである。
「あうう……こんな見た目なんて……」
それぞれ今の自分の体に納得しておらず辛い思いをしているが、特にあのクールなソロンには、着ぐるみのような姿とあざとい仕草には耐え難いものがあるだろう。撫子色の派手な毛皮では、目立ってはいけない盗賊と正反対だ。
「ふえええ……」
いつも寡黙で冷静なソロンが、ふわふわしたかわいらしい様子で、いつもなら絶対に言わないことを言うので、パーティーの誰もが唖然としている。
「なあ、とりあえず撤退しないか……ぴ……ょん」
おずおずとそう提案したのはリヒトだった。
パーティーの全員が無事だったので、その判断自体は妥当なのだが……ほんの少し前まで初めて己の性を意識した少女のように、マスターベーション未遂といえてしまう行動をてしまい、それをエリカに見られてしまったというのに、まるで状態異常以外は何事も無かったかのような顔をしている。
「よりにもよってリヒトさんがバーニアンですか……」
勇者という職業ゆえに一番戦闘力を有しているのがリヒトだったのだが……今は最弱と名高いモンスターであるために、恥知らずにも生存のために人間の街に潜り込むような情けない種になってしまったのが、パーティーには痛い所である。
そういうナミこそ姿が変わろうとも、戦士としての役割がそのまま出来そうであるのが皮肉だった。
「ううう……ごめん。ぴ……ぴょん」
「あっいや責めてるわけではないです。ごめんなさいっ!」
「魔物化の罠だったのでしょうか……」
良くない空気になりそうだったので、エリカは会話に割り込むことにした。
「ドラゴンなだけはありますわね。ワシなら魔法ならほとんどそのまま使えそうですわ。ソロンも回復なら使えるじゃろうし……」
「にゃああ……」
ソロンは未だに現状を受け入れられていないようで、まごまごとしている。だが彼の種族であれば回復に特化しているので、盗賊の仕事は無理でも問題無いだろう。
「それでは帰還いたしますわ。じゃ」[newpage]
「えいっ! エリカさん行きましたよ!」
「よろしくってですじゃ」
もくろみ通り戦闘はエリカとナミが行っていた。エリカは魔法がおおよそ使えてるが、ドラゴンなので肉弾戦も可能になっている。
この先どうなるかもまだ分からないので、魔力を節約するためになるべくその鋭い爪で敵を切り裂くという、今までにやったことのない戦い方を強いられていた。
ナミはほぼいつも通りの戦い方をしている。ただ二人ともモンスターに変えられているので、たどたどしく動くことが多かった。
リヒトを除く三人が元よりも体が大きくなっているので、装備も服も着ることが出来ず……リヒトは力があまりにもないので鎧どころかローブすら装備することが叶わなかった。
なので、リヒトとナミが回収もされず遺されていた白骨死体から拝借したボロ布で、なんとか体の一部を隠している状態で、ソロンとエリカに至っては裸のまま行動している。
ドラゴンなので胸が無いのか邪魔になるものが無く、鱗に包まれているので裸でもまだマシだとエリカは思った。
「んにゃあ……」
ソロンは胸があり、着ぐるみのような四頭身でポヨポヨした体では、普段のように俊敏に動くことも不可能なようだ。
エリカも同じようなことが出来るが、ソロンにはそれしか今は出来ないので困ったような顔で後方から回復と支援をおこなっている。
「がんばれーだぴょ……ん」
リヒトはとにかく何一つやれることがないので、戦闘になれば遠くから応援するのが精一杯だった。
「あともう少しですわじゃ……」
それから三日経った。長期の探索を想定していたので備えはあるのだが、その分帰還にも時間がかかってしまうので、焦らず休息を十分に取りながら潜ってきたダンジョンを彼らは引き返している。
「でもなんとかなりそうで良かったぴ……ょん。モンスターとの戦いに話にならなかったら積んでた、ぴ……ょん」
戦闘もつたないが問題無く撃破しているので、着実に引き返せば帰還も難しくはないと思われた。
「意外とペースも悪くないですし、これならあと数日で帰れそうですね」
罠による状態異常であるなら、おそらく元に戻る手段があるはずだ。とにかく地上に戻ればなんとかなるだろうと、パーティーは帰還を最優先にしている。
持ち物は手元に残っていて、最悪の場合は使えなくなった装備品を売ってしばらくは安い装備に買い換え、お金が貯まるまでしのぐという手段もある。
(でも冗談みたいなパーティーですわねえ……)
口には出せないが、エリカは現状のことで頭がいっぱいだった。
そういう類の罠だったとはいえ、モンスターのみで構成されたパーティーはどうしてもバラエティに富んだ見た目でまったく慣れない。
しかもリヒトのアソコには穴がついていて、本来あるはずの物がついていなかった……。
その時のことを思い出すと、エリカはドクンと不思議な気分になって、ドラゴンらしく鼻息を吐いてしまう。
下腹部がじわりと熱く妙な感覚がしていて困惑もしているが、それを申告するべきなのか迷っている。
隠し事があるのはよいことではなく、少しの異変であっても全滅につながる場合もあるので伝えるべきなのだが、なんとなくいい言い出しにくいと感じてしまっている。
(なぜでしょう……こやつらにはあまり聞かせたくないのう……)
せめて同性ならとナミの方を見たのだが、彼女の股間には布切れでは隠しきれない膨らみがついている。
ダンジョン攻略にはいまいち関係が無さそうで、デリカシーの問題もあって、ナミもリヒトの様な変化があるようなのだが聞けないでいた。
「ふにゃあ……せめて服だけでも欲しいにゃあ……」
着ぐるみの性別など分からないが、胸の膨らみや仕草からソロンも同じようなので、自分だけ性別が元のまま問題を抱えているかもしれないことを、誰にも相談できずにいる。
「あっまた妙な感じになりましてよ……」
そのことが頭をよぎるとエリカは息が荒くなるのだった。
そして斥候が機能しなくなったことで、パーティーが危機に陥ったのにも関わらず、彼らはそのまま引き返すということが、どういうことなのかを理解していなかった……。
「あっ……しまったぴょん」
リヒトがぽつりとつぶやくと同時に、カチリと床から作動音がして煙が吹き出した。
「またですの!?」
そうは言うものの、自分と仲間の下腹部の事ばかり考えているエリカ。
役割は戦士のままだが、なにもかもがやりにくそうなナミ。
種族的な特徴なのか、それとも混乱が抜けきっていないのか、未だに錯乱しているようなソロン。
全てが最低レベルに弱体化しているリヒト。
パーティーの全員が普段よりも集中力を欠いているために、いずれ再び罠を踏んでしまうのは必然であった。
「ふにゃああん……」
手の形状から口を塞ぐことが出来なかったのか、煙を吸ってしまったソロンが力の抜ける声を出して、とろんとした表情を見せた。
別に盗賊の仕事を見くびっているわけではなく、パーティーの誰もがソロンのことを大事な仲間として尊重し頼りにしている。
盗賊がいない状態でダンジョンを進むということが、かなりの自殺行為であるということを、ソロン以外がきちんと理解していないだけなのだ。
なので勇者だった少年がうかつに作動させてしまった罠により、盗賊だった少年にダンジョンの脅威が再び襲い掛かる。
「いい気分だにゃあ……」
更にまったくの別人のような雰囲気になったソロンに、幻覚系の罠ではないかとエリカは思考を巡らせた。
魔物化などという聞いたことのない症状だったとはいえ、的確な行動が取れたわけではなかった。今度こそ失敗しまいと彼女は状況を冷静に見極めようとした。
(毒ではなさそうね……)
こういう類の罠の場合、いきなり逃げようと走り出すのは悪手である。走っても逃れられるはずもなく、それを想定して連動するように設置された別の罠を作動させてしまうのが、せいぜい関の山である。
「うっ……」
瞬間的な回避行動すら今回は取れていなかったが、避ける必要がある罠でなければ判断できるまで動かないという基本は守れていた。
だがいつまでも息を止めることなど不可能であり、徐々に煙を吸い込んでしまう。
(まいりましたわですじゃ……)
エリカはドラゴンになっても回復や攻撃魔法は使えるのだが、ステータスの異常の治療などの小回りの効く魔法や補助魔法は使えなくなっていた。
つまり物理的な罠なら回避するか瞬時に回復すればいいのだが、今回も状態異常系の罠なのでナニモ打つ手が無いのである。
「はぁはぁ……体が熱いピョン……息が苦しい……」
リヒトは苦しそうにしながら、ほぼ意味の無い布切れさえも脱ぎ捨てて、その場にへたり込んでししまう。
その際、透明な液体がポタリと股の間から滴り落ちたのを、集中状態だったエリカは見逃さなかった。
「おお……おお! ええ匂いがするのう」
あの時と同じ鼻をくすぐるかぐわしい香りがして、胸が高鳴り下腹部の違和感が強くなった。
こんな状況下だというのにリヒトから目が離せなくなる。そしてうっかり煙をもろに吸い込んでしまうのだった。
「なんですのじゃこれは……?」
身体は重く熱を帯び気だるい……毒のようだが、ダメージは発生していないようだ。
けれども明らかに異常が生じているのが分かる。丸くむっちりとしたドラゴンの肉体が熱く火照る。
動悸と目眩がして呼吸が乱れてくる。体調は決して良くないはずなのに、何か活力のようなものが体の底からこみ上げてくる……。
「おっ……? んお……?」
言葉にならない感情が激しく何かをドラゴンの体に訴えてきている。特に下腹部がやけどしそうに熱くて、活発になっている。
違和感は強くなるのに、謎の何かが欲しくてたまらないのだ。
「なんのですじゃ……???」
「にゃあん……アソコが熱いにゃあ」
とろんとした表情のソロンが、一番近くにいたリヒトに寄りそうように腰を下ろし、ペロペロと首筋を舐め始めた。
それをエリカの心臓がドクンと激しく鼓動し余計に目が離せなくなる。下腹部がより盛り上がるようだった。
すでにもう物自体は出来ているのだ。それを機能させる準備の、最後の一押しが必要なだけだ。
「ダメだぴょん。こんな所でそんなことしちゃ。やめるぴょん」
「ごめんにゃ。リヒトいい匂いするにゃ……この体変にゃ。今は女の子同士だからちょうどいいにゃ」
「ぜんぜんよくないぴょん! 本当にやめるぴょん! 離れるぴょん!」
なんとか抵抗しようとするリヒトだが、力が入らないのかされるがままに、股の間へ着ぐるみみたいな大きな頭を潜り込まれてしまった。
それどころかピュッと股の割れ目から水鉄砲のように、液体を飛ばしている有様だ。
「すごいにゃあ。大洪水にゃ……そんなこと言ってもリヒトもにゃあと一緒にゃ」
「ふあああ……んうっ!? すげっ! んっ……あっ」
休息に適した場所でも無いダンジョンのフロアの一角で、二匹の雌の魔物が絡み合い始めた。
マジカルキャットになったソロンにアソコを舐められて、すでに体を雌の獣に変化させられているリヒトは喘ぎ、股に開いた穴から透明な液体をまき散らすように過剰に溢れさせ、発情臭を充満させる。
「あああっ! やばっ……こんなのやばすぎるぴょん!」
抵抗出来ぬままリヒトはクンニリングスにより骨砕けになり、感じっぱなしのようだ。
雌兎の陰部を舐めるマジカルキャットは、尻を突き出すような姿勢だ。着ぐるみのようなもっこりとした股には、わざとらしい穴がぽっかりと開いていて、ゼリーのようなドロリとした液体が垂れてる……。
「おっ……なんということですのじゃ」
突然のことに呆気に取られながら、しばらく見とれてしまっていたエリカもようやく止めようとしたのだが、肩をつかまれ呼び止められてしまうのだった。
「あの……エリカさん……」
振り返ると、恥じらいながらも股間のそれを隠す気の無くなったナミがいたので、そのサイの角のような野太い男性器が、嫌でも視界に入ってしまう。
「わ、私たちも……女の子同士ですし……ね?」
口調こそ丁寧なままだが、獰猛な種族の特徴が出てきたのか、ナミはやや乱暴にエリカをその場に座らせた。
老ドラゴンのぼってりとしたシワだらけの鼻と口の先に、雄の獣の勃起したペニスが突きつけられている。
出来立てではあるが、数日間まともに風呂に入れていないこともあって、むせるような獣臭さとアンモニア臭を放ち、今にも弾けてしまいそうにビクビクと跳ねている。
「おぬしなにを言ってますの? おやめくださいのじゃ」
決して女の子同士なんかではなく、初めて男の生殖器を間近で直視してしまったというのに、エリカはそれから目が離せなくなる。
恥じらいや嫌悪よりも興味の方が勝ってしまい、好印象さえ抱いている。不快な悪臭であるのに、幅広いドラゴンの鼻の穴で積極的にペニスの匂いを嗅ぐのがやめられないでいる。
「フーッ……エリカさん私もう抑えられそうにありません。フッ! 暴れちゃうそうな気分になっちゃいそうで……」
ナミは興奮した草食動物のように荒らしく鼻息を吐いたが、まだどうしたらいいか分かっていないので、老いたドラゴンのシワと鱗まみれの顔に肉の竿を押し付けるのが精いっぱいだ。
「どうしてですのじゃ……こんな本物のモンスターみたいなこと……」
罠は催淫ガスだったのだ。低レベルなら少しエッチな気分になるだけだが、高レベルのものならその場で発狂してしまい、人だろうがモンスターだろうが性行為に著しく及んでしまうという危険なものである。
リヒトが作動させてしまったのはその中間といった所で、単体なら我慢すればいい代物なのだが、混乱等の他のステータス異常と組み合わせると、一気に最高レベルの全滅も覚悟しなければならない危険な罠になるのである。
「あっああっ! ああぅ……らめぇ……」
着ぐるみみたいな身体になったソロンは、強引にリヒトの上に覆いかぶさりシックスナインをしている。リヒトはまだ抵抗しようとしているのか、マジカルキャットのホールをいちおうといった感じであまり舐めようとしておらず、顔面を甘い香りのするゼリーのようなドロドロで汚されている。
魔物化した際、リヒトとエリカは性欲を少しばかり発散していたので、少しばかり耐えられるようだが、ソロンとナミは何も抜いていないので自制が効かないようだ。
特にソロンが混乱したまま魔物化してしまったので、精神面での変貌が大きく出てしまい、それにナミが引っぱられてしまっているのだ。
ソロンの近くにナミがいて、そのまま二匹で交尾していたならば、リヒトとエリカはどうにか見物するだけで耐えれただろう。
「嫌じゃこんなのワシ……」
全滅するわけでもないが、こんな形で性行為してしまうなど、彼女には耐え難い屈辱であり、苦痛なことである。
「ブフフ……なあいいだろ……頼むぜ女同士なんだからよお……」
普段なら絶対にこんなことをしないナミが、魔物化と強制発情の影響で、雄々しく強引に毒キノコように膨らんだ亀頭の先を、エリカのしわくちゃなドラゴンの口先に押し付けてくる。
「しょうがありませんわねえ……ちょいとだけじゃぞ」
絶対にそんなことしたくないはずなのに、嗅ぎたくもない悪臭であるのに……エリカもまた罠の影響からおかしな方向へ気が緩んで行き、幅広い鼻の穴いっぱいに雄臭を吸い込みながら、自らの意思で獣の野太いペニスにむしゃぶりついてしまうのだった。
(嫌じゃけど、お口だけならまだなんとかですわじゃ)
「むおおおおお!」
初めてのペニスからの快感に、重量級のレスラーのような体型の魔物が唸る。
老いたドラゴンは、早く終わらせようと嫌々ながらも積極的に長い舌を肉棒に絡ませていたが、まるで興が乗ってきたかのように夢中でしゃぶりはじめるのであった。
「んんっ……なかなかどうして……むちゅ! ちゅぱ! 悪くないのう……」
元の少女であったなら、亀頭すらくわえられるか怪しいサイズのペニスを、竜は根元まですっぽりとくわえこんでしまい熱心にしゃぶりつく。
本当ならしたくのない行為のはずなのに、心臓は早く鼓動し、じっとりとした気分になっていき下腹部から新たな力が湧いてくる。
「ムフーッ!! ムフーッ!! もう出ちまう!!」
「!?!?!?」
出来立てで初の行為ということもあって、ソルジャーライノはあまりにも早漏であった。
いきなりドラゴンの角をつかんで腰を突き出すと、その上位種のモンスターの喉奥に精通ザーメンをぶちまけてしまうのであった。
「げほっげほっ……なにをしますのじゃ。まったく……これでよろしくて? 気はおすみになられましてじゃ」
洗面器があふれそうな量を、サイは老ドラゴンの食道に直接出してペニスを引き抜いた。
エリカのぼってりとした口から、だらりとサイの萎えたペニスが離れて、濃厚な獣の精液がこぼれて当たりを汚した。
サイのモンスターは女の身でありながら、雄のモンスターとして精通したことをどう考えているのか分からないが、射精後の満足したただの雄の顔になっているだけだ。
「うえええ……」
ドラゴンの口と腹の中は、生臭くて獣臭い臭気と粘つく液体で満たされて実に不快だった。
なのに彼女はどこかもの足りなさを感じていて、何が足りないのかが分からないことの方がフラストレーションになっている。
「……っ。むう……」
そうしている間にリヒトはついにソロンを受け入れたのか、お互いがお互いの性器を無心で舐め合っている。
メス同士の絡みは煽情的であり、それを見てしまった雄たちの性欲をくすぐり、その気にさせるのである。
「そ……そろそろ止めなくてはいけませんわ……」
その光景を見たエリカは目眩がしてどうにかなりそうだったが、パーティーの参謀としての役割を全うしようとした。
だが、雌の発情中に興奮した獰猛な雄のモンスターは、暴走してしまうのだった。
「なんじゃ? 離してくださりませんか?」
発情しきったソルジャーライノは、モンスターとしても雄としても出来たばかりでまだ知らないことばかりだ。
なので穴ならなんでもよかったので、近くにいる生き物を乱暴に後ろからしがみついたのだ。
「なんですの? なにをするつもりじゃ?」
ソルジャーライノはきわめて獰猛なモンスターであり、発情期ともなればまさに手が付けられなくなる。
ナミは初めての発情期ということもあり意識が飛んでしまっていた。今は性欲を発散することしか頭に無い怪物しかなくなっている。
「なっなんのつもりです! おやめなさい! あっ……んぎっ!?」
サイは知識も経験もまだ一切ないので、老いたドラゴンの尻にペニスを押しつけているだけだったが、太い尻尾の根元辺りに肛門があることに気がついて、無言のまま強引に入れてしまう。
「ん゛おっ! や、やめるのじゃ! こんなことしてはなりません!」
排泄するためだけの穴だった所へ、異物が入ってきたので最初だけは驚いてしまったが、その感覚をドラゴンは心地の良いものだと捉えてしまった。
いくら未使用だとはいえ、上位種のモンスターの肛門であれば、ただのモンスターのペニスなど余裕で受け止めることが出来るのである・
「お゛っ! おやめなさい! やめるのじゃ! お゛!!」
年寄りらしい汚い喘ぎ声をドラゴンは出しているが、はしたない行為をしているという自覚はまだあるので、嫌がるそぶりを見せている。
だが、ただのサンダードラゴンはもちろん、最上位種のマジックサンダードラゴンが本気で抵抗したならば、ソルジャーライノなど容易く追い払えるので、どこか望んでいる部分もあるのだろう……。
「ああっ……そんな……わたしくがこんなことをしてしまうなんて……」
言葉とは裏腹に、もの足りなさの正体に近づいている気がしていて、老ドラゴンは胸をときめかせているのだった。
鼓動が激しくなり、息が酷く乱れている。下腹部の物体が暴れ出す……。
「わ、ワシの腹の中で何かがいますの!」
魔物化した時の痛みに似ているが、違う痛みだった。
尻の穴に入れられているのとも違う何かが、下腹部で大きくなっている。外に出て行こうとしているのに、出口が狭くて出られない。
あるはずの無いものが今はあるべき場所に収まっていて、それなのに窮屈で仕方がなくて苦痛だった。
早く出してしまいたい。違う何かも出てしまうそうだ……早く早く出したい。そんな焦燥感とねっとりするムラつきが強くなっていくのに、大切なものを失ってしまう恐れと不安も同時に増していく。
「わたくしのお豆さんが飛んで行ってしまいますじゃ!」
彼女のムッチリとした丸い股間のタテワレから、巨大化したクリトリスのようなものの先端がちょこんと姿を現した。
ドラゴンはそれが飛び出してしまいそうな不安を抱えつつも、早く外に出て行ってしまって欲しいという二つの心があった。
サイは容赦なく乱暴にドラゴンを犯していて、その刺激がクリトリスが外に出て行こうとしているのを助けていた。
「嫌ですわ……あっ……また出てきそうに……んっ」
不安と喪失感に苛まれているのに、下腹部がきつくて窮屈で苦痛で不快でしかたがない。
何かの欲求不満も激しくなっていき、フラストレーションがたまっていく一方で……ムラムラしてしかたのない老ドラゴンは、下腹部から何かを出したいという気持ちが優勢になっていく。
「いけません……そんなことはいけませんですじゃ……」
拒否したいのだが、今のモンスターの肉体は欲望を優先しようとしてくる。
こみ上げてくるものをあってはならぬものだと耐えているのだが、体は理性を裏切り生理現象を優先してしまい、溜まっているものを出そうとしてしまう。
「ああっ……ならぬ! いけませんわ! おほっ! 出そうじゃ……! なんかお出でになしそうですの! おほっ! 嫌ですの! 出てはなりませんわっ! んほっ!」
引っぱるとは違う……さすりたいような。出かかっているクリトリスを直接触りたい気持ちはあるのだが、同時にそんなことはしてはならないという感覚もも強くある。
なのでドラゴンは犯されるのに合わせて股間を前に突き出し、それをくり返し始めたのだった。
「出そうじゃ! ああ、なんかお尻も気持ええのう……もうなんでもええかの……」
嫌な気持ちは未知の快楽の前に徐々に崩れていき、犯されながら腰を前に振って老ドラゴンはただ交尾を楽しみ、快感を受け入れることで、出すものを出してしまう気持ちに完全に傾いてしまう。
犯され腰を突き出すと、股間の割目の中の物体が暴れる。きつくて苦しかったそれも今となっては快感の一部であり、交尾の悦びでしかなかった。
「おおっ! 出ますわ! もっと突いておくれ! ん゛っ!」
彼女はやがてただ犯され、それに感じて喘ぐだけになっていた。腰も振っているが、交尾のためだけにしているのだった。
エリカは尻の穴をペニスで突かれると、クリトリスではなく別の物が飛び出していく感覚が増していく……すると、そのクリトリスが出て行こうとする力も増していくのだった。
「もっと……もっとじゃ……もっとですわ! もっとめちゃくちゃになさって!」
「ぐおおおおおおおっ!?」
彼女は肛門に異物が侵入してくる感覚がどんどん好ましくなっているに、サイの魔物は突然叫ぶと、突進するように腰をおもいきり突き上げてきたのである
「んほおおおお! ワシも出るうううううう! 出ちゃう!!!!! ダメええええぇぇぇぇぇっ!!!!!」
ドクンドクンと直腸内に雄の精がぶちまけられたのを感じ取り、老ドラゴンは最後の仕上げが完了してしまう。
最大に大きく勃起した彼女のクリトリスだったものが、内側からスリットを突き破って出入り口を拡張し飛び出した。
「出るううううぅぅぅぅぅぅぅぅ!?!?!?!?」
ドラゴンのスリットから飛び出した巨大なピンク色の肉の柱は、すでにクリトリスではなく、立派すぎるドラゴンペニスだった……。
とっくに精巣と開通していた尿道を通って、彼の出来たてできれいな色をした粘膜に包まれたケモチンの先から特濃のドラゴンザーメンが間欠泉のように噴出し、同時に彼は雷撃のブレスを口から吐くのだった。
「あ……出てしもうた……ワシの大切なもんまで全部……」
しわくちゃのサンダードラゴンは、精通を果たしたことでまだわずかに残っていた人間の女性としてのエッセンスと、若さを射精と一緒に体外へ吐き出してしまい、よりよぼよぼに老けてしまったように見える。
人間なら余裕で百歳を超えてるであろう程の加齢が、エリカに起こっていた。
彼は精通と一緒に失ってしまった多くのものについて、とても悲しそうな顔をしているが……上位の竜として完成した充実感、雄としてようやく機能した喜び、初めての射精の開放的な快感を味わい、老いさばらえたドラゴンの体にはとても高い満足感と達成感がしっかり存在していた。[newpage]
それから彼らは三日かけてどうにか最上層の一階までたどり着いたのだった。
催淫ガスの効果が切れてからも、ナミの性格はやや乱暴者になったままで、ソロンは余計にフワフワした性格になってしまっていた。
「ごめんにゃ。こうしないともう我慢出来にゃいにゃ……」
道中、ソロンは頻繁にリヒトと貝合わせを行うようになり、それを見て興奮してしまったナミに謝られつつも、これはクリトリスだし女同士だからと、強引に幾度かしゃぶらされながらエリカは街につく。
「なんじゃと! ワシらこれでもけっこうなパーティーなんじゃぞ!」
冒険者パーティーに友好的なモンスターが混ざるのは、それほど珍しいことではない。
しかし、全員がモンスターであるのは別なようだ……。
ダンジョンの最上層である一階は、モンスターが一切出ないわけではないが、探索しつくされちょっとした街のようになっている。
エリカたちは最初こそ警戒されたが、冒険者に襲われることもなくガードに追い回されることもなく、ダンジョンの入り口までやってこれたのだった。
しかし、魔物化の存在はなんとか知られていても、全員がそうなってしまえば元は人間であることを証明することが難しく、モンスターしかいないパーティーをダンジョンの外に出すわけにはいかないと、ガードの兵士に一階から街へ出してもらえなかったのだった。
「どうしたらいんだぴょん……これじゃ元に戻してもらえないぴょん」
子供の頃からいつも元気で猪突猛進のリヒトが、誰も見たことのない弱気な性格になっていることにエリカは驚いた。
「ははっ、あのバーニアン裸じゃねえか! 痴女なのかよ?」
「へえ、頼めばタダでやらせてくれっかなあ……ぎゃははは!」
「おい、お前声かけてみろよ」
「ええーやりまくってそうで、変な病気持ってそうじゃねえか。お前が試しにやってみよろ
ダンジョンの一階は街のようになっているとはいえど、ほとんどが冒険者かそれを相手にした商売人なのだが……わけありで表に出られないお尋ね者や、ごろつきの巣窟にもなっているので、お世辞にも治安が良いとは言えない。
このままだと、リヒトが本気で遊女として声をかけられそうなので、エリカとナミが間に入ろうとしたのだが、目を合わせただけで話す間も彼らはなくそそくさと逃げてしまった。
「はあ、なんだってこんな目にばかり合うんじゃ……まあ利用したことは無いが、一階にも教会くらいあるじゃろ」
帰還も無事に完了したので、とにかく元に戻れば問題無いのである。パーティーは教会を探すことにしたのだった。
しかし、状態異常を回復して元に戻りたいだけであるのに、ここからも難航するのでる。
教会はさすがに無かったので落胆することになるのだが、派遣されている神官がいたので対応してくれることになった。
けれどもステータス異常ではなく、強制的にモンスター職へ転職させられた状態であるので、教会の治療では意味がないときたのである。
しかし転職となるとギルドの管轄になるのだが、各ギルドがダンジョンの一階にあるはずもなく、治せもしないのにモグリの治療師がふっかけてきたりなど、散々であった。
「転職するのにお金がいるってどういうことなんじゃ! しかもこんな大金!」
「嫌なら他所を当たってくれよ。こちとら裏ルートなもんでね。しかも四人もとなるとなあ、相応の金額が必要になるんだよ。分かったら帰んな」
どうにか転職を行える人物を探し当てたのだが、こちらもモグリだったのでふっかけられてしまうのだった。
「ぐぬぬぬ……分かったわい。金を用意したらよいのじゃな!」
通常は、街に出てギルトで行う転職をダンジョン内でやろうというのだから、多少は覚悟していたのだが、あまりにも高額でとても手持ちでは払えそうになかった。
交渉相手は裏とのつながりのある人間。エリカたちはここでいくら粘っていても仕方がないので、その場を後にするのだった。
「装備全部売っても足んねえのか?」
「まったくじゃのう……しかたない、しばらくはこのままで金策じゃな」
こうして金策のためにモンスターの姿のまま、ダンジョンを攻略するはめになったので、いつまでも裸というわけにはいかず、まずは装備を整えることになったのだ。
「俺は武器なら売ってし、このレザーアーマーなら装備できるな。こっちの鎧は?」
「予算が足りんのう。レザーアーマーでなんとかしとくれ」
ナミは体格がかなり良くなったので今まで装備していた兜も重鎧も装備できず、得物は大きめの片手斧だったのに小さすぎる手斧みたいになっていたので、仕方なく可能な両手用のバトルアックスに買い換えた。
「結局全て買い替えじゃのう……はあ」
こん棒も片手武器として装備可能だが、ライノソルジャーの怪力と闘争心にはあまりにも貧弱なので、渋々見送られた。武器に金額がかかってしまったので、肌着と今の彼の肉体に合うサイズの間に合わせの防具にするしかなかった。
「魔法もかけられてないただの布じゃというのに、ローブでこの金額とはな……とほほ」
サンダーマジックドラゴンは、いくら小型といえどもれっきとした上位種のドラゴンである。
エリカは武器としても魔法の触媒としても今は必要ないが、杖がそのまま使用出来た。
ただ、今の卵型の体は優に二メートルを超えているので、一階の貧相で割高な露店には、彼の装備可能な物がまったく無いのである。
いくら硬い鱗で防御面で必要ないとしても、しばらく全裸でいるわけにもいかないので、ドラゴンの巨体でも着られるサイズの布製のローブを、特注することになったのだ……。
「なんで俺のはこんなのしかないぴょん……」
リヒトはバーニアンというスライムにも劣る最弱種族のおかげで、手に持てる武器が一つも売ってはいなかった。
防具も買うにしろ装備するにろ、遊び人用のおどりこの服という、肉体の一部を強調するかのようにやけに露出が多い、ほぼ裸のような服しか選択肢が無かった。
「にゃん。にゃんでにゃーは装備が何もにゃいにゃん?」
ソロンに至っては種族の特性からか、少しでも何かを身につけるのが強いストレスになるらしく、売り物どころか特注という手段すら不可能なので、帰還したにもかかわらず全裸かつ手ぶらという状況である。
「その分お金が浮いてラッキーにゃん! でも、なんだかちょっと恥ずかしいにゃあ……」
支援やヒールが仕事になるとはいえ、街やパーティーに紛れたプリティーアニマルたちがいつも裸なのは、これが理由なのだろう。
マスコットや着ぐるみのような姿なので、裸でも誰も気にしていないのだ。
「これも金が溜まるまでの辛抱じゃ。それまでどうにか乗り切ろうぞ……」[newpage]
準備をすませ装備を整えた? ので、今日は帰還を果たしたばかりなのもあって一旦休息し、翌日からクエストをこなしていくことになった。
元人間の魔物だけのおかしなパーティーは一時解散となり、それぞれが個人行動をしていた。
といっても、モンスターの姿では気ままに自由な時間を過ごせるはずもなく、居心地が悪いのに手持ちぶさたになって、暇を持て余していた。
「うう……せっかく帰ってこれたというのに、なんじゃってこんな思いをせにゃならぬのか……」
せめて街であれば馴染の宿屋や行きつけの酒場等の、拠点になりそうな場所はあるのだが、いちおうはダンジョンの中なのでそうもいかなかった。
しかしダンジョンの中とはいえ、最低限の街としての機能は出来上がってはいるので、一階には簡易宿泊所もある。
だがモンスターだけではどこも断られてしまうか、相場の数倍をふっかけられるだけだったので、野営することになった。
最上層の一階は、もはやフロア全体が休息所ともいえない状態になっており、冒険者という職業柄、ここでの野営はよく見られることであった。
「ここらでよいかのう……?」
鼻息荒く、何故か興奮気味のナミ。
普段ならまず考えられない様子で小動物のように怯え、不安そうなリヒト。
ずっと混乱したままなのか、まるで本物のマジカルキャットのようにフワフワした言動のソロン。
「ふう、よっこらせと……野営地に向きそうな空いたスペースの心当たりがあってよかったわい」
エリカはというと、ダンジョンの生態系の頂点にいる種としての余裕が何故か心にあり、落ち着いた様子だった。
しかし、ある生理現象からパーティーから少し離れ、人気の無い場所へ行くと、まだ動かすのに慣れない巨体で汚してしまわぬようにローブを脱いで裸になると、おもむろにしゃがみこんだ。
「これでええかのう……分からぬのう?」
スリットをたどたどしくまさぐり、亀頭の無いケモチンの先端をエリカは露出させた。
こうして見るとドラゴンのペニスではなく、巨大なクリトリスにも見えなくはない。
彼は小をもよおしてしまったのだが、簡易便所があるとはいえ、ヨボヨボの老ドラゴンのくせにどんな顔をして入ればいいのかと、男子用の便所へは行く気にはなれなかった。
ダンジョン内であり、ワイルドな人物が多く集まる決して治安が良いとは言えない場所であるので、立小便をする者も少なくはない。
「まったくなんなんじゃこの体は……」
だからといって立ってするのにも抵抗があり、老竜は小便をしようと人気の無い所を選びしゃがんだ。
蹲踞になると、サイのモンスターに犯されてしまった尻の穴の広がりが気になってしまう。
玉のように丸いドラゴンの股間にある、女性器でなくなってしまった割れ目の違和感もまだ慣れない。
「それでさあ、あいつあんまりしつこく誘って来るからさあ……」
「うんうん、そんなやつ追い払っちゃえばいいんだよ」
人気の無い場所をエリカは選んだつもりだったのに、どうやら通行量が少なく見えるだけであったらしく、二人組の女性の声が近づいてくる。
老齢のドラゴンは油断していて他の事に気を取られていることもあり、気がつかないでいる。
「だから言ってやったのよ。あたしに……きゃあっ!!」
「なんじゃ!?」
お互いが不意に出くわしてしまったので、おどろきとまどっている。
「どうしてこんな所にドラゴンがいるのっ!?」
裸でいたこともあり、一階に上位種のドラゴンが出現したと認識されてしまったので、女性冒険者たちはとっさに武器をかまえ警戒するのだった。
「ち、違うんじゃ! ワシも冒険者なんじゃ! ちょいとトラブルでこんな姿に! ほれ、ドラゴンがここらを襲う気ならば、問答無用で大暴れしとるはずじゃろっ?」
エリカは恥ずかしい行為と、今の忌まわしい姿をいきなり見られてしまい、驚き慌てふためきながら、まるで悪いことでもしてしまったかのように、必死に言いわけをしてしまう。
殺気も無く、大慌てで人の言葉をしゃべっているので、冒険者二人も警戒を解き始めていたのだが、ある現象がそれを急変させてしまった。
「ほれお嬢さんがた、ワシはもう行くから驚かせてすまんかったの……お、おっふ!」
「きゃああああっ!?」
いつの間にか完全に老人のしゃべり方になっているのにも気がつかず、エリカは男児のように、外で小便をしようとしてたのをごまかそうとした。
だが、繁殖に適した年齢の雌の人間を見た老ドラゴンの肉体は、無意識に生理現象を起こし、スリットから建築材のような逸物が飛び出したのだ。
爬虫類やドラゴンは生殖器が勃起したまま収納されているのだが、完全に露出したそれは老いているのにまだ発育中なのか、角度が二割程度で勃起しているのにヘロンと下を向いてしまっている。
「嫌ぁ! 襲わないで!!」
「お嫁に行けなくなっちゃう!!」
不可抗力とはいえ、いざとなればドラゴンとも戦う気概のある冒険者二人組の女性たちは、ドラゴンの規格外の生殖器を見て一目散に逃げだすのだった。
「ち、違う……わ……ワシ、そんなつもりじゃ……」
まだ未使用で、使う予定なんてあるはずも無い、自身の老体らしく角度の足りない勃起したペニスを見て、老いたドラゴンはようやく先への不安を抱くのだった……。[newpage]
それから攻略ではなく転職するために、一階でも受けられるあまり美味しくない内容のクエストを引き受け、彼らはダンジョンに再び潜るのだった。
「おりゃあ! 行くぜ!」
「ワシの魔法……いや、殴った方が早いか。まだ後衛職としても行けるんじゃがのう……」
サイの戦士が勇猛に敵に襲い掛かり、老ドラゴンは納得のいかなそうにブツブツ不満を言いながら戦っている。
ナミは肉弾戦を、エリカは魔法で攻撃と回復……よりも白兵戦に加わることが多い。
「傷ついたらにゃーに任せるにゃ」
「みんながんばれー!」
まだどうにか敵と味方の区別がついているソロンが回復とバフをかけ、何も出来ないリヒトか邪魔にならないよう、少し離れた所から隠れて応援している。
深層を目指さなくていいこともあり、稼ぎはいまいちだが戦闘面ではさほど苦労もなく、たいして困らなかった。
それでも戦闘と今の体に慣れていくと、余裕を持って中層を周回することが可能になって潜る階数も増えていき、稼ぎも悪くないものになっていった。
元に戻る計画が軌道に乗り始めた頃……徐々に名も知られていき、彼らはモンスターパーティーと呼ばれるようになった。
「順調なのはいいんじゃが、本当に戻れるんじゃろうか……?」
下の階層に潜れるようになり、冒険者として認知されることで渋かった報酬も悪くはないものになったとはいえ、法外な転職費用にはまだまだ届かない。
それに慣れていくということは、モンスターである今の肉体にそれだけ馴染んでしまったということである。
エリカは自分が上品な言葉遣いをしていたことが、ずいぶんと昔のことのように思えてきてしまい、意識して口に出そうとしても、不慣れで自分には似つかわしくないものとして感じてしまうのだった。
「はあ……まいったのう。じゃなくて、まいりましたわ」
やはり自分が人間の女のふりをしているような気分にしかならない。
「はあ……おや、ずいぶんべっぴんさんじゃな」
エリカはため息をついたのだが、そこへダンジョンには似つかわしくないレベルの美貌を持つ、エルフの女性冒険者が通りかかったのだ。
どこかの騎士だろうか? 洗練した鎧の着こなしに、生まれ持った種族特有の気品を漂わせる、凛とした佇まいの顔つきをしている。そして高級な織物のような金色の長い髪……。
美しいエルフの女冒険者に、老ドラゴンは良いものを見たとそこらの男どもような感想を思い浮かべながら、少し気分が良くなるのだった。
「おっふ! なっ!? いや、ワシそんなつもりじゃないんじゃ!」
上等な雌の個体を見たドラゴンのスリットから、ズルンと重たそうに逸物が飛び出す。
好みの繁殖相手が近くに来た雄の反応としては、ごくごく自然なことであり、女エルフにも周囲の誰にも気づかれてはいないが、五割の角度で勃起したペニスは水平を保ち、ローブの一部に不自然な盛り上がりを発生させた。
そこは先走り汁で滲んでいて、紺色のローブに目立たない染みを作り、老ドラゴンは慌てふためき困惑するのだった。
「はうっ!? 誰にも見られてないな……いったいワシの体どうなっておるのじゃ。なんなんじゃこれは?」
それから中層のクエストをこなしていき、稼ぎはしっかり安定しているのだが、目標額にはまだまだ足りない……。
そこでモンスターパーティーは、下層の浅い階まで潜るようになっていた。
モンスターの肉体にこなれてきた今であれば、さらに奥までいかなければ大丈夫だろうという、安易で短絡的な魔物らしい浅はかな判断であった。
「うおおおおお!!」
連携も何も無く、敵に突っ込むアタッカーしか出来ないソルジャーライノだが、それが丁度ヘイトとなって疑似的な壁として機能していた。
「そらお前さんに耐えられるかの? 甘いのう、そっちは爪と尻尾の一撃じゃ!」
そこを魔法まで使いこなすマジックサンダードラゴンが、物理と属性魔法を使い分けて止めを刺す。
「ハイヒールにゃ!」
「がんばれー!」
回復と支援特化だが、その分野では実に優秀なマジカルキャット。
役立たずのバーニアン。
以外にもパーティーとしてきちんと機能していた。
だが、ここは下層……熾烈なダンジョンの脅威が彼らに牙を剥くのだった。
この辺りであれば今の戦力であれば比較的安全に戦えるのだが、その代わりにここは搦手を使うモンスターが多くいる階層である。
「おっ! あいつはやっかいだから速攻で潰すぜ!」
巨大な目玉に触手がからみついたモンスターを発見したナミが、後先考えずに突っ込んでいく。
「あっ待つんじゃ! そいつのせいでどうなったか覚えておらんのか? やめるのじゃ戻って来い!」
モンスターとエンカウントしたらならば、まずナミが切り込んでいくのがここ最近の必勝パターンになっていた。
だが相手は今の現状のきっかけになったシャドウアイである。
普段の彼らなら前回の反省点を踏まえて警戒するのだが、モンスターパーティー内で冷静に判断出来ているのはエリカだけであった。
「くっ眩しくて何も見えねえ! どこに居やがる! 出てきやがれ!」
「いかん、ここは一旦引くんじゃ! またあれが来るぞ!」
以前と同じように、シャドウアイは閃光を放ち目くらましをしかけてきたのである。
ナミは頭に血がのぼっていて引こうとはせず、暗闇の状態異常のままでたらめに暴れまわっている。
反省点を生かすなら、MPをもったいぶらずに状態異常を未然に防ぐ魔法をかけるのだが……賢者から、サンダーマジックドラゴンに転職させられてしまった今のエリカには、攻撃と回復の魔法は使えても、そういったう小回りの利く魔法は唱えられないのである。
「……」
冒険者パーティーに必勝パターンがあるように、モンスターにも得意な攻撃というものがある。
シャドウアイの場合は目くらましからの混乱魔法だ。
「ぐわっはっはは! 俺様に叶うやつがいるものか!」
「なんでもにゃーにおまかせにゃ!」
状態異常に耐性のある元勇者のリヒトと、上位種であるエリカは混乱に耐えたのだが……ナミとソロンが混乱にかかってしまった。
ナミに状態異常の治療ではなく、高ランクの肉体強化をソロンがかけると、ナミが雄々しくいきり立ち、偶然なのか強化が功を奏したのか一撃でシャドウアイを叩き潰してしまった。
「お前さんら大丈夫か……?」
運よく戦闘を終えたとういうのに、混乱してるにしても二人の様子がおかしいのでエリカは声をかけたが、どうにも反応が無い。
以前は盗賊が混乱しただけでパーティーが崩壊しかけたのだが、今はそこまで危険な状態異常ではない。
だがしかし、今の彼らは魔物化という高レベルゆえに珍しく、対応がまだあまり知られていない状態異常にかかっているのだ。
モンスターの肉体で混乱してしまうと本能が優先され、その種族本来の言動が強く出てしまい、非常に危険なのだということが理解出来ていない……。
「フーーーッ……」
ナミは黙ったまま怒り狂った野生の動物のように興奮していて、まるで本来のソルジャーライノが敵としてそこにるかのようだ。
「にゃあはかっわいいプリティーアニマル。すごいぞ強いぞマジカルキャーットにゃーーー」
ソロンはこちらの声が聞こえないのか上機嫌に自作の歌を歌い、フワフワとおめでたい様子で自分の世界に入ってしまっている。
このままではモンスターに襲われるか、また罠を踏み浮いてしまう可能性があるので引き返すべきなのだが、混乱した二人がついて来られるかどうか。
エリカは以前のことがトラウマになっていて躊躇してしまうのだった。
「いかんのう……おいお前さんらひとまず戻るぞ」
「みんな平気かぴょん……? ここにいたら危ないぴょんよ。どこか移動するぴょん」
「げへへ、なんだあ? あそこに半裸の遊女がいるじゃねえか……」
隠れていたリヒトが他のモンスターに怯えて不安そうにやってきたのだが、ナミはうつろにつぶやきながら彼女に近づいていく。
やけにもっこりとしている股間に、棒状の膨らみを浮かび上がらせながら……。
「なんのつもりじゃ! 逃げるぞ!」
エリカはナミの表情と言葉に、リヒトへ下品なことをさせようとした冒険者の男を思い出していた。
まさかそんなと思いながらも考えるよりも早く体が動いて、エリカはリヒトのぽよぽよとしたかわいくて守ってやりたくなるような体を、ひょいと抱き上げると走り出した。
「へへへ、待てよ。俺も混ぜろよ……」
なんだかいい匂いがしてエリカはドキリとしたがそれどころではない。
股間を角みたいに膨らませたまま、サイのモンスターが後から突進してくるのだ。
「休息した部屋まで戻るぞ! ソロンもついて来い!」
「にゃーがにゃんとかしてやるにゃ」
ソロンがついて来なければ置いてゆくわけにもいかないので、その場合一度立ち止まってナミをどうにかするつもりだったのだが、ちゃんとついて来ていたのでエリカはほっと息を吐いた。
それどころか出遅れた最後尾からナミに追いつくと、彼のトンを超える重たい体を軽々と持ち上げ、そのまま走ってエリカすら追い越してしまった。
「まったく、多少の事ではもう驚きはせんと思うとったのに。なんなんじゃ……」
マジカルキャットの温厚な生態に隠された予想外の怪力に、エリカはリヒトを抱えたまま安全な場所まで引き返したのだった。[newpage]
「ここでいいにゃ?」
「そうじゃのう。ここならモンスターも出てこぬじゃろうし、混乱が治るまでやりすごしてから帰還じゃな」
ダンジョン内には、冒険者が休めそうなモンスターが近づかない部屋やフロアが存在している。
モンスターパーティーは戦闘を避けて、最後に野営した上の階の部屋までなんとか戻ってきたのだった。
エリカはリヒトをそっと降ろしてやり、混乱の耐性持ちの二人は胸をなで下ろす。
じきに残りの二人が正気に戻ればまだ稼ぐことも可能だが、無理をせず立て直すために退却という判断は妥当である。
「なら早くやることすませるにゃ。どうせしばらくは動けないにゃらやっちゃえばいいにゃ」
ソロンがそう言いながらナミを降ろした。
「動けないのはそうじゃが、何かやることがあったかのう……?」
首をかしげながらエリカは、混乱しているはずなのにナミがやけにおとなしいなと思って様子を見ると、ニヤニヤと下品にニタついている。
「ナミさんよ何がそんなにおかしいんじゃ? そういえばソロンも混乱しとたったんじゃないのか。もう治ったのか?」
混乱中の二人はどこか浮かれていて、まだ危機的状況だというのにおどけたような雰囲気になっている。
「うーむまだ混乱しとるな。まっ、ここから出なければ安全じゃろ。野営の道具も食料も無事じゃからな」
「きゃっ!? なんか踏んづけちゃったぴょん。なにこれ……ゼリーかぴょん?」
リヒトが怪訝そうに兎と同じ形の大きな足の裏を確認している。
そしてボトボトと、ソロンの下半身から半固形物が落ちたのである。わざとらしい人工的な甘い香りが辺りに広がり、雄たちの鼻をくすぐる。
「そ、ソロンさん。どうしたんじゃ? 具合いでも悪いのかの? ここなら安心休めるから大丈夫じゃぞ」
「そうにゃ。やることやるにゃあ」
混乱したソロンの返答は要領を得ない。
排泄物ではなさそうで、半透明なカラフルな色をしていてゼリーみたいで、必死で走ってきたので気がつかなかったが、ここに来るまでに点々と魅惑的な甘い香りのするゼリーが落ちている。
エリカは実物を見たことがないが、ソロンの股間には大人のおもちゃのような穴が、ぽっかりと二つついている。
「なにが漏れとるんじゃ? 平気かのう?」
「んふー……もうこれ以上は辛抱ならないにゃぁ……我慢の限界にゃ」
ソロンは仲間の声が聞こえていないのか、その前の方のホールからゼリーをボトボト落としながら、その場にしゃがみこんだ。そしてナミの股間を隠している、レザー製のコッドピースを外してしまう。
知能の低そうな顔でニヤニヤとしている、サイのモンスターの野太く勃起したペニスが、ボロンと露になる。
サイのモンスターは自分も裸にならねば失礼と、レザーアーマーを脱ぎ捨ててしまう。
「うほっ! たまんねえぜ……」
ムワリと雄の匂いを放つ魔物のぶっとい肉の棒を、ソロンは着ぐるみのような大きな頭についた口で、子供がアイスキャンディにむしゃぶりつくように舐めまわしている。
ナミは気持ちよさそうに目を細めて、その状況を楽しんでいる。
「お前さんら……なんでそんなことを」
もうソロンには自身に性欲を向けてくる異性しか見えてない。ペニスをしゃぶるのに夢中なようだ。
「うっ! 出るっ!!」
ずいぶん溜まっていたのか、少し前までおっとりとした人間の少女とは思えない雄々しい迫力で、早々にナミは絶頂してしまう。
ソロンは口の中に出されたであろう、生温かく粘つく雄臭い最近製造し始めたばかりの魔物の体液を、自分から積極的に飲み干し……口を放した後もヒクヒクと勃起したままの雄のモンスターのペニスを、まるで雌のモンスターのようなうっとりした表情で舐め続け、愛撫している。
「いかんぞそんなことは! やめるんじゃ二人とも!」
だが目の前の二匹の魔物は、仲間の声がまったく聞こえていないようだ。
強制発情の罠も踏んでいないのもかかわらず、性行為の余韻を楽しんでいる。
「今度は俺がしてやるよ……おいおい、ここも匂いと同じで甘ったるい匂いがするじゃねえか。おまけに雌の発情臭までプンプンするぜ!」
ソルジャーライノはマジカルキャットの股を開かせると、ぽっかりと開いている穴を舐め始めた。
お菓子のように甘い雌の香りのせいか、エリカもリヒトも直接止めようとはせず……唖然としたまま眺めてしまう。
やめさせなくてはと思いつつも、ドキドキとして目が離せず体も動かなくなっているのだ。
「そんな、まさか……やめるんじゃ。そんなことしたらどうなることか……」
「そのまさかだぜえ……オラよっ!!」
辛抱ならなくなった雄のモンスターが雌のモンスターにガバリとのしかかり、片手で野太いペニスの先を、ぽっかりと開いている人工物みたいなゼリーまみれのホールの入口にあてがった……。
「キャットのここに早くおちんちん入れて欲しいにゃ……」
ソロンだった時では考えられない言葉がキャットの口から出てきて、エリカはただ驚くばかりである。
そして仲間が唖然としている中、雄が腰を沈めるとプチュッと間の抜けた音がして、着ぐるみみたいなぼってりとした雌の体の下半身に開いているホールを、太い肉の棒が貫いた。
「刺さってるにゃ! にゃーの素敵なマジカルホールに太い棒が刺さってるにゃ!」
「んーーー……?」
元は寡黙な少年が、冗談みたいな雌のモンスターにされ挿入を許してしまったというのに、交尾をしているとは思えない言葉を吐いたのだった。
雄のモンスターは思っていた感触と反応が得られなかったのか、やや不満そうだ。
「にゃっ! ズンズンされてにゃーのホールが広がってるにゃ! アソコ伸びちゃうにゃ!」
「オラッ! 念願の魔物のチンポはどうだ! これがずっと欲しかったんだろ!」
弱気な人間の少女らしさは微塵も無く、ナミはただの雄のモンスターとして行動し、雌と交尾をしている。
猫の着ぐるみをサイの獣人が犯しているだけにしか見えず、状況を知らずに質の悪いいたずらだと説明されれば、納得してしまいそうな酷い光景が広がっているというのに……エリカは初めて見る交尾であり、れっきとした生殖行為と雌のフェロモンにあてられ発情してしまい、スリットからペニスが飛び出した。
「あっ! にゃっ! 広がっちゃうにゃ! キャットの奥まで届いてるにゃ!」
老ドラゴンは無意識にローブの中に手を入れ、仲間の痴態をオカズにペニスをしごき始めてしまう。
兎の遊び人もどきも、息が乱れて股がじんわりと濡れてきているのだが、前職業のおかげで状態異常への耐性だけは高く、耐えてしまえるので滲み出てきた欲情を抑えていた。
「お望み通り中に出してやるよ!」
「出てりゅにゃ! いっぱい出てりゅにゃあああっ!! あ、熱いにゃああああああ!!」
二匹の魔物はお互いが自分本位に性欲を貪り、さっさと果ててしまった。中出しにより早速孕んでしまった、マジカルキャットの作り物みたいなわざらしい胸からは、ジュースのような甘い液体が飛び出している……。
「にゃああああああ……」
エリカは異常な交尾が終わったことを喜ぶべきなのに、どういうわけか中断させられた気がして、とても名残惜しく思うのだった。
「おいお前、もしかしてマスかいていたのか?」
「いやそんなことあるはずなかろう。お前さんらもすっきりしたじゃろうて、もうおとなしくしておくんじゃぞ……」
エリカは図星だったのを当てられて必死で取り繕うとする。けれども部屋に充満する発情臭のせいでローブの中ではペニスが勃起したままだ。
「おいおい嘘はよくねえぞ。本当はやりてえんだろ?」
「そうにゃ。正直になるにゃ」
交尾も終わったというのに、正常位でつながったまま二匹はエリカを煽りたてた。
「なら俺のケツを使えよ。それなら雄同士だからセーフだろ」
セーフの基準が全く分からないが、その誘いがエリカには魅力的に思えてならない。
「いやしかし……そんなことをするのは」
「じゃあにゃーにおまかせにゃ!」
キャットは興奮状態の雄のモンスターから離れると、ドラゴンの元へ行き強引にローブを脱がせてしまう。
「やめるんじゃ! おぬしらは混乱しとるんじゃ。はよう目を覚ますのじゃ!」
とは言いつつも、老ドラゴンは甘ったるい雌の匂いをさせる着ぐるみのようなモンスターのすることに、抵抗する様子がない。
「だいぶひっこんじゃってるにゃ」
高齢ゆえにやり取りをしている間に萎えてしまったのか、ドラゴンのペニスはスリットへ大部分が収納されてしまっていた。
だけども、キャットがエリカのそのタテワレをさすって刺激してやると、ズルズルと再び出て来るのである。
「なっ……ワシはお前さんとはエッチなんてせんぞ! やめるのじゃ!」
「出てきた出てきた。じゃあにゃあは譲るから、キャットじゃなくてナミとするにゃ」
妖精のような存在によって、手をつなぐような仕草でエリカはキャットにペニスをつかまれて、四つんばいで待ち構えて誘って来るナミの前まで連れていかれてしまう。
「ほら早く入れろよ」
「ううっ、ワシはこんなこと……」
「早く正直になるにゃー」
獣の雄の硬そうな大きな尻を前に、エリカまで頭が混乱し始める。
頭ではしたくないと思っているのに、首が長くて丸っこいドラゴンの巨大な肉体は性交を望んでいて、キャットがまるで物をつかめなさそうなモコモコしたてで逸物を愛撫してくるものだから、ギンギンにやる気になってしまう。
「同性ならオナニーみてえなもんだろ?」
「そうかの……そうじゃなあ……」
充満する甘い雌の香りと刺激により頭がぼんやりしてきて、エリカは考えることが出来なくなり、なにかもがどうでもよくなっていく。
「そうにゃ。キャットとリヒトも毎日してるけど問題無いにゃ。早くしてしまえにゃ」
「なっ!? っっ……」
性欲が他のモンスターよりも一際高く、多産なバーニアンの火照る肉体の熱に耐えながら、じんわりと地面に股をこすり付けていたリヒトが、恥ずかしそうにうつむいて黙りこくってしまう。
「そうじゃったのか! ならワシもええかのう……そうじゃ、それならワシもしてしまえ……」
ついにエリカまで混乱してしまい、うつろだが確かに雄のモンスターらしい表情をようやく見せ、肉の柱のような逸物の亀頭の無い先端を、ナミの肛門にゆっくりと押し付けた。
「うおおおお、でけえな!」
「おっふ! ほほっ! こりゃたまらん……」
老ドラゴンはしわだらけの顔を更にしわくちゃにして、獣の肛門に立派すぎるペニスが挿入されていく。
本当にやってはいけないことをしていることを、本能と理性の本来反する二つが同時に訴えてくる。
その強烈な背徳感と喪失感に胸が苦しくなりつつも、高齢らしいぼんやりとした様子でエリカはそのデカいケモチンを入れれる所まで入れてしまう。
猫の着ぐるみのようなモンスターは、それを異様に明るい様子で楽しそうに見学している。
「く、苦しい……」
今までの雄々しい態度はどこへやら、ナミは辛そうに呻いている。
「なんじゃ全部入らんのか? まあええか……」
「んぎい! ちょっと待ってくれ! ぐあっ!」
エリカがいざ抽挿を始めると、あれだけ煽っていたナミは中断するように懇願するのだが、老いたドラゴンは始まったばかりの交尾をやめるはずがなかった。
「おっほ! ほっ! 狭くてよく締め付けてくるわい」
クリトリスも元より性感を発生させる場所ではあるが、ドラゴンのペニスはそれを遥かに超過する快楽を生み出している。
腰をたどたどしくも剛力で振り、よく締まる狭い雄の獣の穴にペニスをねじ込む度に……とても大切なものが失われていく恐怖と、深い悲しみと後悔の念が強く押し寄せてくるのだが、雄のモンスターしての悦びと本能が容易く凌駕し、エクスタシーで塗りつぶしていく。
「ぐえっ! いぎい!」
「ぬふうぅぅ……なんという心地よさ。腰が止まらんわい……」
ソルジャーライノは実に苦しそうだが、サンダーマジックドラゴンは穏やかに交尾を続けた。
老体から人間の女性としての意識さえも、雌のなにもかもが抜けていく……。
ペニスという雄の象徴を使用することで、超高齢の雄のモンスターとして完成されていくのだ。
魔物の尻を犯すと強い快楽を感じてしまうだけでなく、正体不明の何かが失われていく強烈な喪失感と後悔に蝕まれて、そのいけない行為の後ろめたさと奇妙な感覚にドラゴンはゾクゾクしてしまい、余計に腰を激しく振ってしまう。
「ぐえっ! 俺が悪かった! もう許してくれえ!」
「うむっ、まだ全部入らんがだいぶましになってきたのう」
自身の根本に対する危機感から子孫を残そうと、ドラゴンとサイのペニスがより元気に固くなる。
群れの力関係が決まり、ドラゴンは穏やかな様子で容赦無く雄を犯す。
「なんじゃったかのう……なにか大事な物を失くしたような……うーむ忘れてしまうたわい。ああ、気持ええのう……」
サンダードラゴンらしく鼻息と共にパチパチと電流が発生している。
もはや今の御老体には、何が失われていっているのかさえ思い出すことが出来ず、その胸に穴が開いたようなむなしさと、焦燥感さえより性的興奮を覚えるスパイスでしかない。
「ああーなんじゃ? もうなんもわからん……なんか出るう……」
押し寄せてきたオーガズムの波でさえ、今やエリカにはよく分からないものでしかなく、なんの抵抗もせず耐えることもなく、ボケた老人がうっかり漏らしてしまうような感覚で、精通時よりも濃度が高くなったドラゴンザーメンを射精してしまう。
「うむうむ出ておるのう……ずいぶんといっぱい出とるが、雄はみんなこんな出るもんなんか?」
「んぎい! もう無理だ」
ソルジャーライノのレスラーのような太鼓腹が奇妙に膨らむ。
仲間の雄の獣の直腸内に精液をぶちまけた老ドラゴンは、目を細めてしわしわの顔で穏やかな様子で呆けて射精しているが、老体だが上位種らしく量も勢いもソルジャーライノの比ではなかった。
「ふう……出た出た。満足じゃ……なんか出したらいかんもんまで出てしもうたけど、まあええじゃろ……」
初めての交尾を終え、老ドラゴンはサイのモンスターの上に脱力してのしかかる。
何かとても大事なことまで忘れてしまった気がしているが、全てがどうでもよくなり眠たくなってきている。
そして休息可能な部屋であるので、ゴロンと後ろに倒れ込むと上位種のモンスターはそのまま寝てしまう。
スリットから飛び出している立派すぎるペニスは、まだ硬度を保っていて使用可能のようだ。
雄のサイはぐったりと突っ伏してしまっている。
「にゃあもまたしたくなったけど、今日はやらない約束にゃん。それにお爺ちゃんを起こすのはかわいそうにゃ」
竜の逸物を物欲しそうに見つめながら、マジカルキャットは股の穴から甘い香りのゼリーをこぼす。
そしてもう一人の雌も竜の逸物を物欲しそうに見ているのである。
(うわあ……なんてスケベなんだぴょん)
種族の特徴からパーティー内で一番性欲が強いにもかかわらず、耐性が残っていたために混乱してしまいことも叶わず、バーニアンの雌は惨めに耐え忍ぶしか出来ないでいた。
(もう指なんかじゃ足んないぴょん……)
今彼女に持てるものといえばおやつのミニ人参程度のもので、手元にはそれしかなかった。
なので、バーニアンの雌はいけないと思いつつも、さすがにただ一人混乱しなかったとはいえ抑えられずに、ドギマギしながら異物を女性器に入れてしまうのだった。
「あっ気持ちいい……」
今まで貝合わせに無理やりつきあわされても、心に蓋をして何も考えないようにしていたのだが。
初めてのマスターベーションにより自らの意思で性的興奮を高め、ついにいやらしいことをして感じてしまうのだった。
ショックで悲しくて否定したいのに完全に発情期に入ってしまった兎は、交尾も終わったというのに自慰をやめることが出来ない。
「なにしてるにゃリヒト。にゃーも混ぜるにゃ」
「うん……しよっかぴょん……」
今までは頑なに嫌がっていたバーニアンの雌は、恥じらいの表情を浮かべつつ己から貝合わせやシックスナインを受け入れ堪能するのであった……。[newpage]
ひと眠りしてからも混乱は続いたままだった。なので彼らは正気に戻らないまま、上層へ引き返すのだった。
錯乱したまま戻る途中で、エリカはナミのアナルを頻繁に使うようになった。
「どれ戦闘も落ちついたし、ここでやらぬか」
「ちょ!? さっきもしたのにここですんのかよ? せめて野営出来るとこに行ってからにしようぜ。あああーっ……」
「気持ええのう。しかし何するんじゃったかの?」
帰還するという目的さえ忘れたりと、エリカに痴呆の症状がみられるようになった。
交尾したこともすぐ忘れてしまうので、まだダンジョンの中だというのにナミのアナルはどんどんガバガバになっていく。
「キャットもドラゴンのデカいのが欲しにゃん……」
混乱した直後からナミよりも大きなペニスに興味深々で、ナミがキャットを犯しエリカがナミを犯す状況で更にさらに股と倫理観緩くなったのだろう。
ついに自分からおねだりしてきたので、エリカはキャットのアナルを使ってやった。
「にゃあん……そっちはお尻の穴にゃあ……」
「おお、前側にも穴が開いとったんか。すまんのう」
高齢のエリカは、ナミとの性交に慣れてきていたので、四つん這いになったキャットに対してもアナルへ入れてしまったのである。
「ふぅううううう! 大きすぎるにゃあ……」
マジカルキャットのアナルの中も、甘ったるいゼリーでたっぷり潤滑されている。
ソルジャーライノの肛門と比べて柔らかくて浅くて、作り物のおもちゃみたいな感触がしていて、悪くは無いのだが雌の肉体に期待していたほどではなかった。
体を重ねて腰を打ちつけても、ボスボスと綿を詰めた布袋のような反発が帰って来て、どうにも大きなクッションとしているみたいでいまいちなようだ。
「げへへ、俺もいいだろ……? さんざんケツ使わせてやってんだし。うおっ!? さすがドラゴンだ、入れても違うもんだなあ」
後背位でしている所へナミが来て、エリカを後ろから犯してしまった。
まるでラブドールを使ったオナニーをしている気分だったが、エリカは雌と雄にはさまれ前と後ろを同時に刺激され、快感が倍になることを発見しペニスをより固く勃起させて交尾するのであった。
「おおっ! おほっ! 両方効くぅうう」
ナミとキャットと同じように、混乱状態のエリカも元は人間の少女であったことを微塵も感にさせない言動になってしまっている。
「おっふ! ワシのチンポが締めつけられて、ケツの穴にチンポが入って来て……忙しいが、こりゃあええのう」
人より低俗で品性下劣なモンスター三匹が生殖器を連結させて、せわしなく交尾をしている。
「やだ……なんでみんなまだ治らないぴょん?」
混乱に耐性のあったリヒトだけが一人で、混乱中の三匹を導かなくてはいけない。
雌兎は困惑し、不安に苛まれながらも……仲間の信じられないような痴態を見ながらミニ人参で遠慮がちに女性器をいじり、魔物肉体が持つ本能的行動をどうか我慢しようとするのだった。
こうして老ドラゴンは痴呆と無尽蔵の生命力により、戦闘が終わる度に性欲を満たすだけの淡白な交尾をしてしまうのである。
求められるままに、キャットの股間の前側に開いているホールも試してみたのだが……ここも彼女の後ろのホールと大差なく、刺激を与えるギミックは設計されているものの、真っ直ぐな空間が開いているだけの作り物みたな感触だったので、どうにもピンと来ない。これならばナミのよく締まる肛門の方がいいと思ってしまうのだった。
しかし、キャットの股間の前と後ろに備え付けられている、おもちゃみたいなホールを同時にペニスで突き刺してやると、雌猫の着ぐるみ生物は体臭と同じく甘ったるい声で鳴くという搭載されたギミックを披露し、淫乱に乱れてねっとり舌を絡めて口づけをねだる機能まで発揮するのだった。
下劣なモンスターらしく肉欲におぼれながら、今回もどうにか彼らは帰還を果たした。 自然回復ではなくきちんと治療を受けたというのに、ナミとキャットの二匹は混乱状態が続いたままのようだった。
元から一匹のモンスターだったかのような性格になり、ダンジョンの一階で気ままに過ごしているようだ。
リヒトは今のパーティーの状況に困惑を隠せないようで、距離をおいているのだが、バーニアンらしく常に発情期になった体を持て余し始め、いつただの魔物の雌に落ちるかは時間の問題かに見えた。
「まいったのう……金は足りぬし、みんな好き勝手やるようになりおって」
エリカはというと混乱は治り、肉欲に溺れるということはなくなった。
ただ、その時のことを思い出すと平静を保てなかったことと、いやらしい行為を当然のようにしてしまったことを恥じてしわくちゃの顔を覆いたくなるのだが、それと共に甘美な感覚がまだ肉体は忘れておらず、じんわりと火照ってしまうのである。
「おっ! ええ娘じゃのう。尻がええ……あっちの娘もなかなか好みじゃ」
正気に持ったとはいえ、混乱時の行動の影響は残ってしまっていて、女性であれば見境なく興奮して息が荒くなり目で追ってしまい、あちこちで嫌がられている。
モンスター肉体はより馴染み、もやは自分が人間の女性であり戻らなければならないという意識はなくしてしまっている。パーティーの目標であり、スケジュールうちの一つとしてまだ忘れいていないだけになっているのだ。
戦闘から得られる経験値により職業としての熟練度上がってしまい、低威力のブレスならば安定して吐けるようになってしまったのには、まだいささか抵抗があるようだ。
「おほっ! あの娘っこええなあ。ワシのタイプじゃ、声かけてみようかのう」
マジックサンダードラゴンはくつろぐ際にローブを脱いでしまうようになっていた。
そのぽっこりとした卵みたいな丸い腹や長い首、黄色と白色の鱗の体を晒すことになんの躊躇もない。
ダンジョンの一階にある野営地の一角に腰を下ろし、好みの雌を物色するのが趣味だ。
「うへへ、ええ雌じゃ……」
興奮してきたのか、彼のスリットからペニスがズルンと飛び出した。
やや使用感の出始めた粘膜の色になったペニスは、七割の角度で勃起している。[newpage]
モンスターパーティはあんなことが起きたばかりだというのに、魔物らしく慎重さというものが欠落しているようで、傲慢にも更に深層を目指すべきだという意見にまとまってしまった。
「ちょ、待つぴょん!? 盗賊もいないのに危険だぴょん! 二の舞はごめんだぴょん! ソロンはどうなんだぴょん?」
リヒトだけは必死に安全性の確保を訴えていたのだが、役立たずの彼の意見が尊重されることはなかった。
「キャットはよくわかんにゃいにゃー。でもにゃーがいればなんとかなるから大丈夫にゃ」
「!?」
キャットのいうなんとかなるというのは、自分が罠を解除するという意味ではなく、フワフワとなにも考えてないだけなので、リヒトは絶句してしまう。
彼女は最後まで必死に説得を試みていた……。
しかし実際に探索が始めると、ナミがバーサク状態で突っ込んで行き、エリカが白兵戦と魔法を使い分けブレスまで放ち、キャットが回復と支援、リヒトは後ろから応援するだけと、戦闘力だけなら元のパーティーよりも上回りつつあったので、今までで一番順調な滑り出しであった。
なので、深層のあのフロアが罠の多くて中身もえぐい階層というだけで、上層の浅い階にも罠は存在していて、盗賊も慎重さもなければあっさり踏んでしまうのは明白であった。
「あっ……みんなごめんぴょん」
新米パーティーが手こずるような、まだそこまで進んでいない所で罠を作動させてしまったのは、よりにもよって役立たずで、すでに二度も罠で危機的状況を作り出したリヒトであった。
彼女は申し訳なさそうにしているが……状態異常の影響を最も受けておらず、罠に対しても警戒していたはずなのに、うかつに踏んでしまうのが今の無能さを物語っている。
擁護する点があるとすれば、種族的特徴で常に発情期を迎えていて体に力はまるで入らず、意識も散漫しているというのがパッシブスキルのように、永続的続いていることだろう。
「あちゃあ……これ、また混乱みたいぴょん」
悪いとは思っているようだが、彼女は自分が引き起こしたというのに。どこか諦めたような冷めた言いかたをしている。
「気をつけるんじゃぞ。まだ上層で良かったわい」
混乱たとしてもここらのモンスターなら問題無く、性行為に及んでしまっても今更である。
なのでパーティーはあまり警戒していないようだ。
「ナミとキャットはまずいかもしれぬな……大事を取って治療しておくかの」
割高ではあるが治療薬も用意してきており、以前の反省を踏まえて出し惜しみせず使うようだ。
そこへモンスターが現れたので、どうせ雑魚だろうと軽くひねってから治療しようとエリカは考えた。
「あやつは? まさかな」
彼は油断もせずブレスで一掃するつもりで身構える。しかし、そこに現れたのはデーモンキッズという雑魚モンスター一匹だったので、嫌な予感がしてじわりと冷や汗をかく。
「あっ……まずいぴょん」
リヒトがそうつぶやくと、デーモンキッズは初級の混乱魔法を唱えてきたのだった。
この程度であればほぼかかることもなく、混乱したとしても効きは弱く、相手も弱いから問題は無い。通常であれば……。
魔物化と混乱は相性が悪いので影響を受けやすく、まだきちんと抜けきっていない状態であった。
そこへ初級とはいえ混乱の罠にかかり魔法まで唱えられ、二重……もしかすれば三重に混乱魔法がかけられた状態になってしまった……。
「あっ……わ、ワシ……は?」
極度の深い混乱になると考えるどころか、まとも動くこともしゃべることも叶わないようだ。
戦闘にはならず、もしも何者かに命令されればそのまま洗脳されてしまうだろう。
「ワシに任せろ!」
魔物はエリカそっくりの声で命令を叫んだ。冒険者そっくりの声で命令を叫んで、魔法以外でも混乱させようとしてくるのだが、今のモンスターパーティーにはあまりにも効いてしまうだろう。
「えっと……ワシ、なんじゃったかなあ?」
本来であればエリカ中心に他の仲間はサポートに回る作戦なのだろうが、今彼らは深い混乱状態にあるので、誰もがきょとんとしていた。
小さな悪魔の魔物は、魔物の姿をした冒険者たちの様子がおかしなことに気づき調子に乗るであった。
「じじいの雄ドラゴンがハーレムのリーダー! 一匹だけ名前がキャットだとかわいそう。みんなもあだ名で! ドラゴンはエリ爺に変更! サイはナミビア! 兎はバーニィ!」
すでに乱交をくり返し、力関係から疑似ハーレムになっているので、あまり困るような命令ではなかった。
最後の一言さえなければ……。
「ドラゴンだから絶倫やりたいほうだい!」
デーモンキッズは別に彼らを乱交させたいわけでもなく、野生のドラゴンのそれを見たことがあるので、口走っただけだろう。
パーティーの情報が少しあるのも、以前見逃した個体だからだ。
このモンスターは、ただいたずらに冒険者を混乱させ引っかき回したいだけなので、そろそろ危険ではないかと判断すると、一目散に逃げだしてしまった。
「ま、まずい……ぞ」
エリカはまだ混乱状態に陥ってはいなかったが、運よく効かなかったというだけで、どうにか踏みとどまっている状態だ。
「おいリーダー……早くしようぜ」
「エリ爺のデカいの……キャットにちょうだいにゃ……」
いつもに増して淀んだ瞳で二匹が迫ってきたので、老ドラゴンはパーティーのまとめ役ではなく、ハーレムのリーダーとして振舞いたくなってきている。
前回の探索で散々交尾してしまったので、彼の現在の肉体は使用可能な穴に対していつものようにきちんと反応を示し、スリットから特大のペニスを飛び出させた。
ドラゴンのペニスは八割の角度で勃起している。
「はあ、でっけえなあ……」
「はースリットのせいでドラゴン臭くて生臭いのが癖になるにゃ。にゃーが昔持ってたのよりも何倍もおっきいにゃん……」
勃起して出来てきたドラチンを、ハーレムの主の命令であると仲間のモンスターたちは認識し、柱のような粘膜ペニスを二匹で挟むようにフェラチオを始めてしまう。
「いっ……いかん、ぬふう! そんなことをしてはっ! ううっ、前回と同じじゃ……むふっ。そ、それもこんな場所でっ、せ……せめ場所を移さぬかっ……んっ」
ドラゴンは混乱にも肉欲にも耐えようとしているが、ハーレムの僕による直接的な刺激に理性が飛びそうになっている。
「おっほ! みなのもの効くのじゃ! んっ、なんとかた……耐えるのじゃ!」
なんとか理性が残っているエリカは、パーティーの仲間たちを信じて呼びかけた。
そして御老体が最も信用を寄せる人物へ、長いドラゴンの首を曲げ視線をやる。
「リヒト……」
まだ一人、今は役に立たなくなってしまっていたとしても、勇者という万能のレア職をかつて持っていた幼馴染の元少年がいる。
その前職の高耐性により前回の状態異常にも抗い、ハーレムの僕としてはあまり従順ではないが、この中で彼女一人だけが今の状況にも耐えられる可能性があるのだから。
「はあっ……はあっはぁっ……う……ああ……」
しかしそのバーニアンの雌は、運悪く今回は混乱魔法が効いてしまっていた。
くなくなと力なく身をよじり、無限に湧いてくる性欲に身を焦がしている。
「あああぅ……」
種族としては最弱だが、性欲の強さに関しては最強クラスなのだ。
そのあまりにも熱を帯びてしまう欲望にすら弱い体を持ちながら、混乱してしまえば耐えられるはずもないのである……。
「そのおっきな人参あたしのだぴょん!!」
バーニアンというモンスターが大好物にしている、生物の股間にしか生えない人参に、彼女飛び掛かってしまう。
「えへへーずっとこれ欲しかったぴょん」
それも巨大な人参なのだ。その一匹の魔物は股の割れ目からよだれを垂らし、よこしまに輝かせている瞳には、魅了がかけられたようにハートマークが浮かんでいる。
「バーニィよさぬか! お前さんまでどうしたんじゃ」
他の魔物を押しのけるようにピョンとジャンプした彼女を、ドラゴンは受け止めた。
発情期の雌の体臭はとてもいい匂いがして、これまでで最も爺の鼻をくすぐり性欲をかき立て、逸物はビンと垂直に勃起した。
「んんんっ!? んっ……んふう……くちゅ……」
雌モンスターは群れのボスに従順であり、口を塞ぐようにねっとりいやらしくキスをすると、彼女のごちそうがビクビクと元気になっているのを肯定と受け取る。
「んっ……ちゅぱっ……んふーーーっ!」
愛しい雌からの口づけとそそられるかぐわしい体臭。
忠誠を示すかのように左右から生殖器を舐められ吸いつかれ、三匹の僕による愛撫にハーレムのリーダーであり、モンスターの群れのボスは発情し鼻息を荒くしていく。
「ちゅっ……ムフーッ! ムフーッ!」
マジックサンダードラゴンは優しくバーニアンの雌を抱き寄せ、自ら舌を相手の小さな口にねじ込み積極的に口内を蹂躙した。
唾液交換をしながら、他のモンスターや冒険者に遭遇するかもしれないのに、ダンジョンの通路に腰を下ろしてしまう。
「今回はこいつに譲ってやるか」
「そうだにゃーまだしてなかったもんにゃ」
ナミビアとキャットは群れの仲間を気づかうと、エリ爺から離れて当たり前のように二匹で交尾をおっ始めてしまった。
「見てピョン……あともう少しで前にも突っ込む所だったぴょん。アタシのバージンがおやつに破られなくて良かったぴょん」
バーニアンは老ドラゴンに迫るようにあおむけに寝かせると、顔の上に跨り局部を見せつけた。
雌の魔物が力むと肛門がむりむりと広げられていき、奥から人参が丸ごと一本排出されたのだった。
「これ、引っぱってみるぴょん……」
挑戦的な態度でバーニアンはクスリと笑う。老ドラゴンは言われるままに股の割目の穴から出ている人参の葉を引いてみると、女性器からミニ人参が出てきたのだった。
「あっ……ああ……」
いくら耐性があるとはいえ繁殖力の極めて高い魔物の肉体に、彼女が負けてしまうのも遅かれ早かれ時間の問題だったようだ。
おやつによってすでに暖機されていた雌の生殖器は、いやらしい汁をこれでもかと垂らしてベトベトになっている。
「っ……!!」
こんなことはいかん! と、エリ爺は言おうとしたのだが言葉にならなかった……。
このままでは本能に忠実なただのモンスターになり果て、ダンジョンをさまようことになるかもしれないと、ここで自分が正気をうしなってはならぬと耐えようとした。
だが彼の今の良く馴染んで居る上位モンスターの肉体は、手ごろな発情した雌の肉体に強く反応していて、柱のような逸物がビクンビクンと跳ねながら格段に大きく硬くなっている。
(耐えなくては……ワシまで欲に溺れてしまったら……もう、取り返しがつかんくなる……)
それでもエリ爺は耐えようとしたのだが、体は正直にスケベな展開を期待していて、完全に鼻の下が伸びてしまっている。
なのでバーニィがごりっぱすぎるペニスをつかんだまま、その上に跨っても抵抗せず、彼女がそのまま腰を下ろして来ても、心のどこかで望んでいることのように受け入れてしまった。
「おっ、おっきい……全部入るかなあ?」
先端が侵入しただけでパチンと破瓜の感触が伝わってきたが、彼女をそれを物ともせずゆっくりと自分の胎に収めていく。
性欲旺盛で、他種族と交尾することが全てといっていい生態を持つモンスターの肉体なのだ、ドラゴンの肉棒でも難なくと飲み込んでいく。
「お゛っ……おおっ……」
ペニスが、『ちゃんとした』雌の器官の複雑にうねる肉壁のひだをペニスがかき分けていく感触に、エリ爺は強烈な快感を受け取りながら気が遠くなりそうになるも、まだ耐えていた。
彼は否定的な態度を取っているが、これを気に入ったようだ。作り物でない、本物の膣の感覚に肉体は歓喜していて、穴の中で逸物をより勃起させるのである。
「ウフーッ! 全部入ってもうた……」
「すごいぴょん……全部アタシの中にはいったぴょんねえ……すごくいいぴょん」
雌兎は発情した獣の良い匂いを放っている。腹をボコッと逸物の形に膨張させてバーニアンの雌は、ドラゴンの生殖器を根元まで股の穴で飲み込んでしまう。
二匹は感慨深そうにしていてしばらく動かないでいたが、やがて雌兎が立ち上がろうとするのだった。
「グギャアアア!?」
「アタシの一番奥まで貫ぬかれちゃった……すごくいいぴょん……」
バーニアンの雌は、まるでドラゴンの生殖器でポールダンスを踊るかのようにクネクネと魅惑的な身体を上下させ、交尾を始めてしまう。
ドラゴンの巨大なペニスであっても、きちんと生殖可能なのだから大したものである。
「お゛っ! おっほ! ぬっ! こりゃたまらん! これ以上は……ワシ……っ」
しわくちゃの顔を歪めながら悶絶し、それでも尚エリ爺は耐えている。
雌兎はドラゴンの上に乗り美しく踊っている。その強烈な快楽を伴うポールダンスにドラゴンの肉体は上機嫌になりペニスを固くさせ、精神をすり減らしていく。
「エリ爺ちゃんも踊るぴょん」
言われるまでもなくエリ爺は次第に腰を上下させるようになり、もう役立たずではない優秀なポールダンサーのお手伝いをする。
「ムフッ! ムフフフ!」
もうエリ爺の悠久の時を刻んだかのようなしわしわの顔には、辛そうな表情は無く、ただのスケベジジイの顔になっている。
「ああんもっと優しくして欲しいぴょん」
ついに耐えられなくなった御老体は、年甲斐もなくハッスルして腰を突き上げるようになった。
雌の内臓をめちゃくちゃに壊しかねないような交尾だが、バーニアンの得意分野であり、専門である交尾においては、種族としての一日の長がある。
バーニィが初めての交尾でドラゴンが相手だとしても、きっちりとペニスを受け止めている。
「あああああ! バチバチしてて痺れるぴょんんんんんん!?」
痴呆のせいか無意識に電撃属性がもれてしまっているようで、規格外のドラゴンペニスに雷属性を付与させてメスを犯してしまっているのだ。
「し、しびれるぴょんんんんんんんんんん!!!」
「あああ、いかんもう出てしまいそうじゃ……ん? なんがいかんかったじゃ??? うむ?????」
エリカは高齢らしく呆けた表情になりながらも、腰を何度も突き上げるのだけはやめなかった。
「あっ、すごいぴょん! おマンコひっくり返っちゃいそうだぴょん! あっイクイク! いっちゃうぴょん!」
ドラゴンの力強い突き上げに、バーニアンの雌は初めてのメスイキを起こした。
葛藤していたこともあり、一匹や雌のモンスター相手では最後の一押しが足りずに至ることの出来なかったオーガズムを、心から悦んで膣をきつく収縮させるのだった。
「ああ……ワシも出るぅ……イグイグ! イグゥ!! グギャアアアアアアああッ!!」
マジックサンダードラゴンが、高威力の完璧なサンダーブレスを吐き出して絶頂し、雌の胎に高濃度のドラゴンザーメンを吐き出した。
バーニアンの雌の腹が臨月のように膨らみ、入りきらない精液が結合部からあふれ出ている。
「わ、ワシ……ついに出してしもうた……全部出てしもうた……」
わずかに残っていた人間としての理性、女性としての精神までもが射精と共に体外に排出されれ、エリ爺は雄のモンスターとして完成してしまうのだった……。
「はて……? ワシは今まで何をしとったんじゃ……? なんも心配いらぬのに、何が心配じゃったんじゃ……?」
年老いたヨボヨボのドラゴンは不思議そうにしながら、つながったまま雌兎を地面に下ろしてやる。
「まあええかの……交尾の続きじゃ」
マジックサンダードラゴンは雷撃混じりの鼻息をプシューっと吐くと、正常位で交尾の続きをするのだった。
小型のドラゴンがその巨体で異種族の上に覆いかぶさり、強引に交尾するのは珍しいことではない。
「ああっ! エリ爺激しすぎるぴょん! さっきよりビリビリしてて、さすがに壊れそうぴょん!」
今度は雄でなく雌のモンスターが耐えることになったようだ。
老いたドラゴンはスリットから飛び出ている巨大なペニスを、バーニアンの伸び切った雌の割れ目へ容赦なく突っ込んでいる。
割れ目と割れ目がぶつかり、獣臭い汁が漏れる。
「ええのう……ほんまええ具合いじゃ……」
「げっ! なんでこんなとこにドラゴンがいんだよ!?」
モンスターの群れは探索中の冒険者とエンカウントしてしまうが、気にすることなく交尾を続けている。
「おい、こいつらモンスターパーティーのやつらじゃねえか?」
「なんだ裸だから分かんなかったぜ。いくらモンスターだからってこんなとこですんなよな」
「今なら頼めばタダでやらせてくれるんじゃね?」
「ははは馬鹿言え。バーニアンと遊ぶならともかく、あんなのに混ざるなんてごめんだね」
「ギャハハハハ!」
どうやら以前バーニィを遊女扱いした冒険者たちのようで、それは間違いではないことが証明されてしまった。
彼らは面白い見世物としてそれらを観察している。
「なんじゃ? おぬしらもしたいのか? 待っておれ交代で次に突っ込んでやろうぞ」
「いや、俺らは探索があるから……」
マジックサンダードラゴンは友好的な個体だったので、交尾したまま声のする方を見ただけなのだが、上位のモンスターがわけの分からないことを言いながら睨んで来たので、冒険者はそそくさといってしまった。
それを見送ると老ドラゴンは本日二回目の射精をし、そのことを忘れて再び本気の雄の交尾を始めるのであった……。
「なんじゃったかのう? なんも思い出せぬわ。気持ええのう……」[newpage]
「ついに目標額まで貯まったのう。やっとじゃ……長かったのう」
どうにか野生のモンスターにはならず、帰還したモンスターパーティであったが……クエストよりも、一階で仕事をしたほうが稼げることに気がついてしまったために、ダンジョンへはあまり潜らなくなっていた。
しかし、今やモンスターパーティーは元よりも有名になっている。
「ゲヘへ。てめーも好き者だな」
獰猛さで有名な魔物なので街に出れないが、需要があるので一階でも客がわざわざ訪れるソルジャーライノ。
「キャットいい匂いするにゃ? 君かわいいし、お菓子みたいに甘いにゃーのアソコ舐めさせてやるからこっち来るにゃ」
元から街にも出没する種族であり、有名になったことで身元も証明されたので、街とダンジョンの一階を往復している雌二匹。
働くという概念のないプリティーアニマルのキャットは、他の同胞のようにフワフワふらふらと毎日おめでたい雰囲気で、実に楽しそうにお出かけしている。
お菓子のような人工的なわざとらしい甘ったるい匂いと、着ぐるみのような見た目から、蜜に引き寄せられる蟻のように子供たちが自然と集まるそうだ。
その種族特有の博愛精神から、特殊性癖の人間の雄相手にタダでさせてしまうのだが、モンスターパーティー宣伝もしているので一応は仕事をしているようだ。
そして、やはり他のプリティーアニマルたちと同じように、気に入った子供を人気の無い路地裏に連れ込んで、楽しく跨っているらしい。
それにより性癖を曲げられてしまった少年が、プリティーアニマルでしか興奮できなくなるというのは有名な話らしく、まともな親であればプリティーアニマルがいたら子供を外に出さないそうだ。
マジカルドッグだろうがマジカルカウだろうが、プリティーアニマルが冒険者パーティーにいたら、ほぼ大人になったその時の少年が性欲をぶつけるために入れて、そういうお楽しみをさせていると見て間違いないそうだ。
「もーまたアタシ以外の雌孕ませようとしてるぴょん」
臨月なので複乳が膨らみおっぱいが八つになっているバーニィがマスタードラゴンの元へ不満そうにやってきた。仕事とはいえ、番相手のドラゴンが大勢と寝るのに納得していないらしい。
しかし遊女として人気の彼女は自分も大勢と寝ており、ハーレムの主の前でイースターのようにカラフルなタマゴをプリプリと産むと、街へ稼ぎにいってしまう。
「うへへ……ええのうあの尻がたまらん」
野営地に裸で座り、女性が通るたびにいやらしい顔で鼻の下を伸ばしてしまっている。
すっかりエロジジイになったエリ爺のスリットからは、完全体となった巨大なペニスがいつでも飛び出ていて、卵みたいに丸い腹に当たるくらい反り返って勃起している。
「うげ、マスタードラゴンだ。ほらとっ捕まる前に行くよ」
「うん……」
美しい二人組の女冒険者の一人と目が合うのだが、きりと表情を整えるも相手はいけないものを見てしまったように目を伏せ、逃げられてしまう。
「かわいかったのう……しかし、ありゃそのうち来るな。好みじゃし初回はサービスでだいてやるか……目を伏せた娘もついでに抱いた方に協力してもらい、仕込んでやるかの。グフフ……」
ハーレムで一番の稼ぎ頭の彼はエロい妄想にニヤついている。
上位種のドラゴンともなれば、希少性から大金を払ってでも奴隷や自らに種付けを頼まれることが多く、単純にマスタードラゴンとの性交はとてつもなく快感なので、予約は数年先まで埋まっているほどだ。
先程の女冒険者の目を伏せなかった方が、自分の元に来る確信が彼にはあった。 好みであるし、新規開拓も兼ねて予約なしの無料で孕ませてやるつもりだ。
「おっふ! 楽しみじゃのう……」
特に嫌そうにしていた方をもう一人に手伝わせて、無理やり犯すのが興奮するようで、人の往来も気にせず妄想に浸りながらペニスをしごき始めてしまう。
マスタードラゴンというのは種族名ではなく、所かまわずマスターベーションを行っているのが、ダンジョンの一階のあちこちで頻繁に目撃されることからついた通り名である。
「ああ出るぅぅぅ……なんかあったような気がするけど思い出せん……それが興奮する」
マスタードラゴンは今日も逸物を元気にし、希少な高濃度のドラゴンザーメンを市場に提供するのだった。[newpage]
ある日ダンジョンを起点とした街に、異世界から来た勇者という噂が流れた――。
真偽は不明だが、自分をそう名乗る少年が街に現れたのは事実である。
しかしまだ冒険者にしては若すぎる年齢であるために、パーティーが思うように集まらないようだ……。
「なんじゃお前さん……? ほう勇者とな。ふむ、その職業ならよく知っておるとも……」
そう意味ありげに話すローブ着た年老いたドラゴンと、異世界からの勇者の出会いは必然だったのか……。
事態は数日後、少年がドラゴンの痴態を見てしまうことから始まる。
「うほほ! もっと! んもっと奥に! ぬへへへ!」
巨体を持つ種族用のこん棒を、肛門とペニスが飛び出した後のスリットの隙間に挿入し、柄を壁に押し当てて劣情を貪っている姿を少年は偶然目撃してしまったのだ。
「これは恥ずかしい所を見られてしまったのう……どうじゃ? お主も興味が無いことはなさそうじゃし、ワシとまぐあわぬか?」
極太のこん棒を引き抜き、曲線の多いドラゴンの肉体の孔を煽情的に見せつける。
性をまだ知らぬ少年は、高齢老人のようなドラゴンなどまったく興味無いのだが、熟れた果実のような芳醇な甘いドラゴン臭さと、老獣の発情した獣臭いすえ匂いに幼い肉体が反応してしまった。
「お主ワシの知っておる勇者と似てるのう……ほれ、ここに入れてみるがよいぞ。飛ぶぞ」
少年に昔の幼馴染の面影を重ねてしまい、勃起したペニスが飛び出たスリットを老ドラゴンは開いてやる。
ネトネトに湿る粘膜の生々しさと、男の鼻をくすぐる御老体の竜臭さと発情臭に当てられ、幼い少年は何故か少し痛くて固くなっているペニスをスリットの隙間にいれてしまう。
「おおお……こんなの久々じゃ」
仕事でもっと大きなものを毎日のように入れることもあるのに、マスタードラゴンは感じ入っている。
とても大切な何かを思い出せそうな気がしていた。
「そうじゃ……ワシは男の子のお嫁さんになりたかったんじゃ……」
幼馴染にどこか似た少年にヌルヌルする大事な所へ入れられて、マスタードラゴンは雌になったような気分になっていく。
建築材のような巨大なペニスを腹に当たるくらい勃起させ、久しぶりに女の子のような気分になってモンスターの雌のように喘ぐのだった。
こうして異世界から来たという勇者と、モンスターだらけの奇妙なパーティーが結成されたのだった。
ダンジョンに潜る前に少年が当然の質問をしてきたので、しわくちゃの御老齢のドラゴンは確信めいてこう答えてやるのだ。
「盗賊……? 盗賊はあえて入れない方がいいんじゃ」