聖職者は悩める者を己の肉体で救う

  町の南側に位置する神聖なムード漂う礼拝堂には日々多くの人が訪れる。信心深く神を信奉し崇め奉る者や自らが犯してしまった過ちを懺悔する者、何かにすがりたいほど心の支えを失ってしまった者など事情は人それぞれだ。

  そんな人々の話を神に代わって聞くのが礼拝堂に務める聖職者の彼、司祭として職務を遂行する優しい目つきが特徴的な羊人だ。

  「なるほど、お話は分かりました。あなたは取り返しのつかない失敗をしてしまい、それを懺悔したいという事ですね」

  「はい⋯⋯。きっと許してもらえないとは思うんですが、このままだと罪の意識に押し潰されてしまいそうで⋯⋯」

  「よく告白なさってくださりましたね。大丈夫ですよ、神は正直者であるあなたを許します。どうかご自分をあまり責めないであげてください」

  「ほ、本当ですか! それを聞いて安心しました。僕、迷惑を掛けてしまった人に今から謝ってきます!」

  「えぇ、きっとその方も誠意を込めて謝れば許してくださるはずです。あなたに神のご加護があらん事を」

  懺悔室で自身の罪を打ち明けた相談者に対して羊人は慈愛に満ちた答えを告げ、宣告を賜った相談者の獣人は元気を取り戻し礼拝堂から出ていった。迷える子羊を導けた羊人はふぅと安堵のため息を漏らす。

  羊人はこの仕事にとてもやり甲斐を感じている。悩みを持つ人に寄り添い、そっと手を差し伸べて正しき道へと導く。また自身も少年の頃から熱心な教徒であった羊人は、現在この司祭として礼拝堂の管理や手入れを任せられている事に喜びと尊敬の念を抱いている。

  先ほどの獣人が出ていってから数分後、新たな礼拝者が扉をノックした。羊人がどうぞ、と促すと懺悔室に入ってきたのは年齢40代くらいのやさぐれた雰囲気を醸し出す馬人だ。

  「そちらにお座りください。本日は礼拝堂まで足を運んでくださり誠にありがとうございます」

  「いえいえ、俺なんかが神聖な場に来ちまってすいません。ふさわしくない奴が現れたって神様に怒られちまうかもしれませんね」

  「そんな事はありませんよ。神は全ての人間に対して平等です。それで、どういったお悩みをお持ちですか?」

  「いやね、笑っちまうほど些細な悩みなんです。俺って見ての通りブサイクで陰気なムード全開でしょう? こんなだから誰とも関係を築けなくて、生まれてこの方セックスの一つもした経験なくて。おっと、この場にそぐわない下品な言葉を使ってしまって申し訳ありません。つい口をついて出ましたもので」

  「構いませんよ。ふむ、今のお話を伺った限りですと恋人作りに難儀されている、という解釈でよろしいでしょうか?」

  「全くもってその通りです。人からしたらどうでも良い事でしょうけど、俺は孤独な生活が続いて寂しさに暮れる毎日でして。もう生きてる意味を見出だせないほど苦しい思いをしています」

  「深刻なお悩みですね、さぞお辛い心境であったとお察し致します。この私にできる事があれば全身全霊で尽力します。なのであなたにとって最善の解決策があれば、どうぞ遠慮なくお申し付けください」

  羊人の言葉に馬人は細長い耳をピクッと動かす。まるでその一言を今か今かと待ち侘びていたかの様に。

  「本当に⋯⋯良いんですか? 俺個人のわがままを押し付けてしまうかもしれませんよ?」

  「私は人々の苦悩や葛藤を一つでも多く解決したいと心より望んでおります。なのであなたが私を頼ってくれるなら、これほど嬉しい事はありません。わがままでも何でもお気軽に仰ってください」

  「分かりました。では──」

  次の瞬間、馬人によって発せられた懇願の内容を耳にした羊人は驚きの様相で目を見開く。想定外の展開に困惑しつつも、司祭としての役目を果たすべく彼はそれを受け入れる。

  「⋯⋯かしこまりました。まだ明るい時間帯なので、夜になってから私の宿舎までお越しください。そこでお相手致します」

  「司祭様の寛大な計らいに感謝します。では、後ほど」

  ニヤリと不敵にほくそ笑んだ馬人が恭しく頭を下げ、懺悔室から退室していった。1人取り残された羊人は神の姿を模した彫像の前で跪き、手を合わせて祈りの体勢を取る。

  「神よ、私が今宵働く不埒な行為をどうかお許しくださいませ。これも迷える子羊を救う為に必要な行いなのです」

  罪の意識がありながらも必死に正当性を訴える羊人。許しを請う対象の神は何も告げず、彫像の目がただじっと眼下の羊人に物言わぬ視線を注いでいた。

  ──日が沈み空に黒いカーテンが敷かれた夜半頃、約束通り羊人が寝泊まりしている宿舎を訪問した馬人は既に下着一枚となっている。

  「いやぁ、まさか司祭様と性行為ができるとは夢にも思いませんでしたよ。これも神様の思し召し、ってやつですかね。へっへっへ」

  「あなたが生きる希望を私の身で賄うのが可能であるならば、いくらでも差し出す所存です。ご助力は惜しみません」

  「俺みたいなダメ獣人も見捨てないでくださるとはこれぞ慈愛の精神ですね。んじゃあ司祭様、手始めにチンポを舐めてもらって良いですか? さっきから興奮が収まらなくって」

  パンツをずり下ろした馬人の股間からまろび出たモノは、羊人が今までの人生で見た記憶が無い様な巨根ペニスだった。太さは幼児の腕くらいあり、長さも平均サイズを遥かに超えている。

  そのグロテスクな見た目に面食らった羊人だったがすぐさま気を取り直し、膝下にしゃがみ込んで竿の先端へと舌を伸ばしペロリと這わせる。

  「おおう、ぬめっとした感触が気持ち良いですよ。もっとたくさん舐めてください、司祭様」

  「むっ、ふぐっ、んむううっ⋯⋯」

  舌先だけの前戯より口内に咥え込んでのフェラチオを所望する馬人が羊人の後頭部を掴み、半ば強引に己の男根をしゃぶらせる。呼吸がしづらいのと強烈な雄のニオイに羊人は苦悶し、それでもどうにかジュポジュポと卑猥な水音を奏でて馬人にご奉仕の口淫を施す。

  「あー、めっちゃ良い。司祭様の口マンコ最高ですわぁ。もしかして男のチンポ舐めるの手慣れてます? だとしたらとんだ淫乱司祭ですね」

  淫乱と言われた羊人は慌てて首を横に振る。が、今の彼の姿で否定しても説得力は到底ない。聖職者でありながらこういった卑猥な行為に興じる変態となじられても言い逃れ不可能な現状だ。

  「物欲しそうにしゃぶっちゃって、司祭様はエロエロですね。っと、これ以上フェラされたら出ちゃうかもな。もう口から離して良いですよ」

  「けほっ、かはっ⋯⋯」

  「ありゃ、大丈夫ですか? 俺のチンポ無駄にデカいから咥えるの大変だったでしょ。ちょっと休憩しますか?」

  「い、いえ。私なら問題ありません。構わずに続けてください」

  「とりあえずベッドに座りましょう。ほら、手を貸しますよ」

  「あ、ありがとうございます⋯⋯」

  馬人に手を引かれて羊人がベッドの縁に腰掛ける。そして馬人もその隣に腰を下ろし、羊人の肩に腕を回す。

  「一つお訊ねしますが、司祭様はセックスの経験がおありですか?」

  「⋯⋯いえ、ありません。私は本来、欲に塗れた生活をしてはいけないという使命のもと聖職者を務めています。普段は禁欲を自分自身に課していますので」

  「へぇー、流石ですね。でも俺の誘いを受けてくれたって事は、あながち嫌でもないって解釈で合ってます? 案外むっつりスケベだったりして」

  「す、スケベだなんて誤解です! 勘違いは止してください!」

  「そうやって過剰に反応する辺りが怪しいなぁ。スケベじゃないって言うんなら、俺がどれだけ司祭様の身体に触れても気持ち良くなったりしませんね? 試させてもらいます」

  馬人は羊人が着ている白いローブに手を掛け、するすると脱がせていき被毛に覆われた肉体を露わにさせる。そして背後から抱きつくと馬人の指が羊人の胸を弄る。

  「んっ! あっ、ふっ、うんんっ⋯⋯」

  「おやおやぁ? 司祭様、どうされました?」

  「な、何か、触り方が、んやっ、へ、変、ですぅっ⋯⋯!」

  「そりゃあ感じさせる為にやってますから。にしても司祭様は胸が敏感ですね、回数を重ねれば乳首の開発もできそうだ」

  馬人からの責めを浴びて羊人の身体は快楽による悦びを享受する。こんな事をしてはいけないという背徳感に相反して羊人の股座はこんもりと膨らみを作り、下着の布地をぐいぐいと押し上げる。その中心にはうっすらと染みが滲んでいた。

  「へへ、司祭様と言えどもしっかり雄なんだな。お漏らしまでしちまって。窮屈そうだから解放してあげますよ」

  「あ、い、いけませんっ⋯⋯!」

  羊人の制止をよそに馬人が下着を手早く剥ぎ取る。曝け出された局部からぶるんっと大きく揺れて飛び出たモノは、皮を被っているものの大きさとしては申し分ない上向きペニスだ。

  「おー、これが司祭様の未使用チンポかぁ。腹に付きそうなくらい反り返ってガチガチに勃起してますね。俺に愛撫された刺激でこんなになっちゃったんですか? 正直に答えてください」

  「⋯⋯は、はい。ご指摘通り、です」

  「禁欲生活でオナニーもまともにしてないんじゃ溜まって仕方ないですよねぇ。今日は自分を甘やかして思いっきり発散しましょうよ、ねっ」

  「い、良いのでしょうか。神に背く行為とならないかが一番の懸念点でして⋯⋯」

  「神様もたまの息抜き程度はお許しになりますよ。司祭様が頑張っているのを天から見守られているでしょうからね、却って根を詰めすぎてないか心配されているかもしれません」

  いつもの理知的な羊人と違い、眠っていた劣情を呼び起こされて判断能力が低下する彼に馬人の悪魔じみた甘い囁きは効果覿面だった。

  「⋯⋯確かに、あなたの仰る通りかもしれません。聖職者にあるまじき嘆願ですが、私の性欲を発散するお手伝いをして頂けますか? その代わり、た、他言無用でお願い致します」

  「ははっ、了解です。今夜の出来事は俺たちの間だけで共有する秘密にしますね」

  赤面して照れる羊人に馬人が顔を綻ばせ、親しげな空気感で肩を優しく擦る。やり取り自体は和やかだが共に全裸であるのがミスマッチで異様な光景だ。

  そのまま羊人の肩を抱き寄せ、馬人は相手の唇を奪い重ね合わせる。口内で舌と舌を濃密に絡ませて唾液を交換し合い、羊人は脳がジンジンと痺れる様な感覚に陥る。

  「ん、ふ、ぅ、はぁっ⋯⋯」

  「ディープキスはどうでしたか? 司祭様には少しばかり刺激が強かったかもしれませんね。さて、本番の前に下準備をしておきましょうか。四つん這いになって尻を俺の方へ向けてください、司祭様」

  指示に従い羊人は四つん這いの姿勢で反転し、穢れのない窄まった尻穴が馬人へと差し出される。薄ピンク色のアナルが僅かに顔を出し、その煽情的な光景に馬人はごくりと喉を鳴らす。

  「おぉ、これはこれは。実に綺麗なケツマンコですね。処女を散らす際に司祭様が痛みを感じない様、俺が丹念に慣らしておきます。ではいきますよ」

  尻たぶを左右に割り開き、ヒクヒクと蠢く秘部の入り口に馬人は長い舌をつぷぷっと突き入れる。温かく滑った感触の舌先で腸内を拡げられ、羊人は背中をビクッと震わせながら艶やかな喘ぎを漏らす。

  「ひあっ、くひっ、はううんっ、ひゃうっ! んはああっ!」

  その声を間近で聞く馬人の肉竿はこれ以上ないほど雄々しく猛り狂っており、一刻も早く羊人の雄膣を犯したいと訴えるが如く先走り液を鈴口から垂らす。

  「はぁ、はぁ⋯⋯っ。堪んねぇ、昂りが抑えられそうにねぇよ。司祭様、これより俺の馬チンポでアナルをブチ犯します。初っ端から飛ばしていくんでどうぞそのつもりで」

  目を血走らせて宣言した馬人は羊人の腰をがっしりと掴み、怒張する自身のデカマラをあてがって腸内へズブズブズブッと突き込んでいく。その圧倒的な質量は瞬く間にナカを隙間なく埋め尽くし、初めて男根を挿入された羊人は痛みより強かな悦楽に表情を妖しく歪める。

  「んふうううう〜〜〜んんんんんんっっっ♡♡」

  「これで司祭様も雌になったなぁ、よくお似合いだぜ。俺との雄交尾でチンポの味を忘れなくさせてやるよッ! オラアッ!」

  腰を前後に振って腸壁をみっちりと拡げるガチガチな勃起ペニスを素早く抜き挿しし、初物の処女アナルを苛烈に蹂躙する。バチュンッと肉同士のぶつかる蠱惑めいた音が寝室に響き渡り、ベッドのスプリングは動きに合わせてギシギシと軋む。

  「あっ♡ あっ♡ んっ♡ あひぃっ♡ んおっ♡」

  「立ちバックも良いが、せっかくなら司祭様の感じてる顔を見ながらヤりてぇな──そらよっ!」

  腰を激しく叩きつけながら馬人は羊人と位置を入れ替え、今度は羊人が馬人の上に乗る格好となる。それによって長く太い肉槍がより奥深くまで届き、性感帯でクルミ大ほどある器官の前立腺がゴリゴリと押し潰す様に抉られ、羊人は言葉にならない甲高く色めいた嬌声を叫び上げる。

  「んはあああっ♡♡ ひうううううっ♡♡ ほおおっ、んおおおおおおおおおおっっっ♡♡♡」

  「イイぜその啼き声、唆るじゃねえか! こんなに淫らな司祭様の姿を見れるのは俺だけの特権だなッ! オラッ、イクぞッ、ザーメンたっぷり注いでやるから孕みやがれぇッ!」

  「あんんっ♡ あ、はっ──んああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜っっっ♡♡♡」

  ビクビクビクッと全身を打ち震わせて痙攣しながら羊人はメスイキに達し、キュウウウッと強く締まる雄膣の最奥で馬人がザー汁を打ち放ち種付けした。ナカに収まり切らない分の白濁液が結合部からゴポゴポと漏れ出てシーツに垂れ落ち、小さなシミを作る。

  「ふぅ⋯⋯っ。これで司祭様も立派な肉便器になったな。おかげで悩みが吹っ飛んだぜ、ありがとよ。今後も溜まったらその身体で性欲発散させてもらうからよろしく頼んだぜ。んじゃ後はごゆっくりと、おやすみなさい」

  尻穴から男根を引き抜いた馬人は昂りが鎮まって服を着直し、もうここに用は無いとばかりに放心状態の羊人を一瞥して宿舎から足取り軽く出ていった。

  未だ雄交尾の尋常ならざる至高の快楽にうっとりと酔いしれる羊人は、馬人がいなくなったのにも気が付かずはーっはーっと乱れた呼吸を繰り返しぼんやりと天井を見つめる。今宵の一件は穢れなき聖職者として生きてきた羊人に多大なる影響を与え、神の教えに背く免罪符を手に入れてしまった。

  翌日、礼拝堂の懺悔室に新たな相談者が足を運んだ。まだ若く幼さを感じさせる顔立ちの犬人だ。

  「本日はこちらまでご足労くださり誠にありがとうございます。どういったお悩みを抱えていらっしゃるのですか?」

  「え、えっと⋯⋯。僕、口下手でコミュニケーションを取るのが苦手で、学校で誰とも話せなくて友達がいないんです。それが嫌で、どうしたら変われるか知りたくて⋯⋯」

  「なるほど、そうでしたか。であれば、私があなたの孤独を癒して差し上げます。温もりを知れば友人の存在など不要になりますよ、私にお任せください」

  「し、司祭様⋯⋯?」

  「大丈夫、緊張なさらずに肩の力を抜いて。ひとまず私と一緒に宿舎へ行きましょう。そこでお話の続きをしますから」

  戸惑い困惑を隠せない犬人の手を引いて羊人は荘厳な空気が流れる礼拝堂を後にし、そこから歩いてほど近い自身がいつも寝泊まりしている宿舎の建物に2人揃って入る。

  「あの、司祭様。こっちに来て良いんですか? 僕の他にも相談をしに来る人がいるんじゃ──んぶっ!?」

  振り向きざまに犬人の言葉を遮ったのは羊人による口づけだった。一瞬、何が起こったか分からず犬人の思考はフリーズしたが、子供ながらにそれが大人の入り口を示す行為なのはうっすらと察しが付いた。

  抵抗するどころかどんどん身体の力は抜けていき、立っているのがやっとで羊人に寄り掛かる体勢と化す。接吻を一時中断した羊人はそんな彼の耳元でぼそりと囁く。

  「今から行う事は学校の勉強よりも遥かに大事な行為です。あなたの両親も、先生も、大人であれば皆平等にまぐわい情欲と情愛を分かち合います。あなたには私が無償の愛を注いで差し上げますね」

  まだ何も知らない幼気な少年に魔の手を伸ばす羊人の瞳は邪な光を放つ。

  かつて神の代わりに人々を正しい道へと導いてきた熱心な聖職者としての姿は露と消え、己の欲望を満たす為に手段を厭わない堕落した背信漢に染まりゆく羊人が今まさしく罪深き蛮行へと赴こうとする。

  「や、やだ⋯⋯。止めて⋯⋯」

  そのか細い声は空気に溶けて霧散し、外までは届かない。犬人の視界に映る羊人は神々しいという表現よりも禍々しい、邪悪に歪んだ笑みを湛えて怯える彼へ襲いかかった。

  淫れた現場を黙って目撃するのは物言わぬ神の彫像のみ。それ以外に詳細を知る者はただ1人としていない。