キャッツナイト 動物がいっぱい

  [chapter:注意書]

  *本作は2次創作です。閲読の際は其の事を御理解下さい。

  *本作の世界の法律は日本の其れとは異なります。真似しないで下さい。

  *原作を御存知の方は、本作での出来事は異次元/パラレルワールドでの事と

  看做して下さい。

  *話の都合上、オリキャラも出ます。予め御了承下さい。

  次の頁に進んだ=注意書を全て熟読の上、内容を完全に理解+合意したと看做します。

  筆者はこの通り確かに警告しました。“そんなの聞いてない”は一切受付ません。

  [newpage][chapter:動物に愛される体質]

  猫ヶ浜市の一角に有る住宅地に位置する大きな家に

  近所の人々が集まっていた。

  「何時も御免ねぇ、預かって貰って。これ経費と手間賃」

  「居なくなったと思ったらやっぱり此方に来ていた様で。

  面倒掛けたね」

  この家の住民であるあかりは動物が大好きで、然も、動物の方でも

  一瞬でも視界に入った瞬間生涯に亘る服従を誓うのであった。

  「気にしないで。皆が私を選んだ結果だから。

  其れに、うちの子達も動物が来ると嬉しいんだって」

  親しいママ友と言葉を交わしながら、あかりは義妹のさあやと共に

  ラブラドールレトリバーとアメリカンショートヘアの頭を撫でていた。

  「御義姉さん子供の頃からどんな動物も一瞬で

  友達にするから凄いよね。動物園から[[rb:狩猟豹>チーター]]が逃げ出した時も

  3時間で解決したんだっけ」

  あかりが小学生の頃から積み重ねてきた偉業を話している横では

  双子の娘、マリアとアンナが2頭のシベリアンハスキーに

  挨拶していた。

  「レナ、また明日ねー」

  「暑いから気をつけるんだよ、アムール」

  100%とは言わないものの、動物と友達になる技術を母から受け継いだ

  2人はレナとアムールの下顎を撫でていた。

  主だった動物達が帰った後、あかりの夫、つとむが

  帰宅した。

  「只今。今日はもう動物達は帰したのか?」

  「飼主が分かっているのは、後はこのロップイヤーだけ。

  其れと別に、何処からか遊びに来た猫が2匹」

  大きなケージの中には、垂れ耳の兎が居た。其れが余程

  珍しいのか、黒猫が2匹、ケージの中を見ていた。

  「パパ、知ってる¿ この辺りでペットが消えたら先ず

  うちに聞くのが確実なんだって」

  「私達も動物は好きなんだけど、ママみたいに上手く

  出来ないんだよね」

  娘達に話し掛けられ、つとむは反射的に屈むと目線を合わせた。

  「そうだよな。パパも昔から色々やったけど未だに

  如何しても敵わないんだよな」

  そんな様子を見ていたさあやは笑いながら応えた。

  「あのね、マリアとアンナのママが特別凄過ぎるんだよ。

  普通の人間はこんな技、如何やっても出来ないからね←

  叔母ちゃんから見たら、2人も十分凄いよ」

  然し、幼い2人には自分達のスキルが常人の其れを逸していると

  未だに分からなかった。

  尚、兎と黒猫はこの後飼主が引取りに現れ、経費と手間賃を置いていった。

  [newpage][chapter:迷惑な一家]

  数日後の或る日、あかりが仕事をしていると呼び鈴が鳴った。

  「はーい・・・あら、隣のブロックの田中さん・福井さん・南さん」

  其処に居たのは、数回言葉を交わした程度の仲の知人だった。

  「あかりさん、聞いたわよ〜。御世話上手だって」

  「其の腕を見込んで是非頼みが有るのよ」

  動物の世話と云う部分が欠落している事に呆れながらも

  一先ずあかりは事情を聞いた。

  「明日、私達は遠出するんだけど諸般の事情で息子達

  連れて行けないのよね。朝9時から夜迄預かって欲しいのよ〜」

  この3人は自分達の遊びの都合で子供を何処にでも無理矢理

  押し付けるDQNとして悪名高かった。

  「あ、あの・・・申し訳無いんですが、家には今

  大きい動物が居て・・・」

  あかりがそれとなく断ろうとしても、3人は諦めなかった。

  「アレルギーの事なら大丈夫よ。全員動物好きだから」

  「明日1日だけの事だから御願い」

  「困った時は助け合うもんでしょ」

  「でも、万一怪我でもしたら・・・」

  何を言ってもこの3人は聞く耳を持たず、しつこく迫った。

  「大丈夫。乱暴するなと釘刺すから」

  「何もタダでやれなんて言わないわよ」

  「自分の事は自分で出来るから心配しないで」

  嵐の如く去った後、脱力感を覚えたあかりを

  支えたのはつとむだった。

  「如何するんだ¿ あかり」

  頭を抱えていると、奥から出て来たさあやが不意に

  悪い顔を見せた。

  「御姉ちゃん、構わないから預かろう。あの人達

  大きい動物の意味を完全に勘違いしている様だから

  骨の髄まで徹底的に分からせてやらないと」

  一瞬賛成したものの、あかりは未だ躊躇っていた。

  「ゆうのちゃんが知り合いの大富豪から預かった動物

  野生を全く知らないとは言っても、大丈夫かな」

  何時迄も考えが纏まらないあかりを見て、つとむは

  小学生の頃からしていた様にあすなろ抱きをした。

  「心配するな。御前に刃向かう動物なんて今迄

  見たことも聞いたこともない」

  其処迄された後、漸くあかりは小さく首を縦に振った。

  [newpage][chapter:動物がいっぱい]

  翌日、朝食が終わった頃合いを見計らった様に

  3人のDQNが押し掛けてきた。

  「おはよう〜!」

  「連れて来たわよ」

  「其れじゃ、後は宜しく」

  3人のDQNの息子達は皆挨拶もせず上がり込むと

  散らかった靴も其の儘にして家中走り出した。

  「うわ〜でっかい家!」

  「すっげーなこれ」

  少しの間運動会が行われたと思うと、一人が不意に足を止めた。

  「あの部屋入ってみようぜ」

  勢いよく扉を開けた瞬間、3人は凍りついた。何せ其の部屋には

  ドーベルマン・グレートデーン ・アラスカンマラミュート

  マスティフ・ジャーマンシェパード・土佐犬等

  巨体乃至厳つい犬が複数居たのだから。

  「「「!!!」」」

  震える手で扉を閉め、3人は2Fに向かった。

  「別の部屋に行くか」

  「2Fは如何なっているんだろうな」

  「流石に誰も居ないよな¿・・・」

  マリアとアンナが遊んでいる部屋の扉を開けた途端

  3人は声にならない叫びを上げた。

  「「「◯※々$〒\+_>〆・・・・・・!!!」」」

  何と、マリアとアンナはライオン・虎・羆・狼等の猛獣と遊んでいた。

  「君達あの部屋に入ったね。心配しなくても、皆

  大人しいから怖がらなくて良いよ」

  一連の様子を見ていたさあやは笑いを堪えるのに酷く苦労した。

  其の後、動物達は3人にくっついていたので

  全員すっかり大人しくなり、目線を合わせない様必死だった。

  [newpage][chapter:動物怖い]

  夕方になり、つとむが職場である幼児向体育教室から帰ってきた。

  「只今ー・・・おっ、今日は随分大勢での

  御出迎えだな。最高記録いったかもな」

  玄関では今日預かっていた動物達と娘が整列していた。

  「御帰りなさい、パパ」

  「今日はおうちが動物園だよー」

  あかりから事前に指示を受けていたのか、動物達は全員つとむに

  恭順の意を示した。

  「ほ、本当だな;」

  応えないのも失礼だからと、つとむは全員の頭を撫でて回った。

  其の少し後、DQNママがまた押し寄せてきた。

  「迎えに来たわよー・・・ってひゃあっ!?」

  「何これ。剥製じゃないわよね」

  「本当に本物なの・・・!?」

  扉を開けた瞬間、DQNママは飛び上がった。家の中に居るとは

  思ってなかった動物が複数居るのだから。

  「私の友達から預かってたんです」

  あかりの言葉を待って、さあやが追い討ちをかけた。

  「“大きい動物が居る”と確かに警告しましたよね」

  不自然な足取りで玄関に出てきた子供達は母親の顔を見るなり

  大声で泣き出した。

  「もう帰る〜!」

  「怖い〜!」

  「もうこれ以上外へ出たくない〜!」

  この光景に、虎は首を傾げた。一方、DQNママ達は

  猫でも撫でるかの様にホワイトライオンの下顎を撫でるあかりを

  見て、足の震えが止まらなかった。

  「あ、あかりさん・・・貴女猛獣が怖くないの¿」

  「本当はこれ着ぐるみなのよね¿」

  「娘さん達も、熊、怖がらないの¿」

  見ると、マリアとアンナは余程羆が気に入ったらしく

  両側からくっ付いていた。

  「動物って可愛いもんですよ。何なら明日も

  御子さん預かりましょうか」

  「あ、いえ大丈夫よ」

  「其れじゃ、約束の分ね」

  「其れじゃあねー」

  涼しい顔して怖い事を言うあかりを尻目に、DQNママ達は

  光の速さで逃げ帰った。

  玄関の扉が閉まると、つとむは恐る恐るホワイトタイガーの背中を撫でた。

  逃げも暴れもしないので、漸く安堵すると、徐に口を開いた。

  「本当、あかりの其の能力が羨ましいな」

  「習って如何にかなるものじゃないからね」

  狼を撫でていたさあやが目線を上げた時、また呼び鈴が鳴り

  3人の共通の友人、ゆうのが入ってきた。

  「あかりちゃん、預けてた動物達引取りに来たよ。

  後は責任持って送り届けるから任せて」

  「待ってたよ、ゆうのちゃん」

  路上で待っている大型トレーラーに動物達が乗るのを

  マリアとアンナはじっと見ていた。

  「熊さん達も帰るの?」

  「此処から遠い¿」

  「其れなりにはね。マリアちゃんとアンナちゃん

  動物達と遊んでくれて有難う。これ、御礼」

  2人の質問に答えた後、ゆうのは大きな箱を2つ置いた。

  開けてみると、リアルな作りの羆の縫いぐるみが出てきた。

  「こんな良い物貰って良いのか!?」

  素人目にも高級品と分かり、つとむは少々慌てたが

  何時も通り、ゆうのは冷静だった。

  「気にしなければ良いんだよ。この子達も

  一緒に遊べて楽しかったんだって」

  動物達がトレーラーに乗るのを手伝い終えたさあやが

  戻ってくると、我慢出来なくなり吹き出した。

  「其れにしても、あのDQN達、底抜け馬鹿だよねwwwww

  “大きい動物が居る”と事前に再三再四警告したのにwwww」

  あかりからのLINEで事情を聞いていたゆうのは大きく頷いた。

  「大変だったね。そうだ忘れるとこだった。

  あかりちゃん・つとむ君・さあやちゃんにはこれどうぞ」

  開けてみると、The Mountainブランドの羆Tシャツが出てきた。

  「また良い物呉れたね。有難う」

  「結婚が決まってから本当世話になりっぱなしだな」

  「近い内一家で遊びに行くね」

  「何時でも遠慮無くどうぞ。待ってるから」

  翌週、一家は本当に東家へ遊びに行き、様々な厚遇を

  受けたのだが、其れはまた別の話。

  余談だが、DQNママの息子達は全員、今日の事がトラウマになり

  口を揃えて“もう一生外に出ない”だの“動物怖い”だの連呼した。

  勿論、動物園や水族館はおろか、ペットショップにも入れなくなり

  剰え、犬の散歩・公園の雀や鳩さえも病的に怖がる様になった。