私は狼。孤独を愛する一匹狼。

  愛や恋なんて私にとってはただの重荷…自由で孤高な私の生き方に合わなかったわ。

  そんな私でもふと寂しさを覚える時がある。

  さっき元彼と10年ぶりに再会した。彼、結婚しているみたいで子供と一緒だったわ。

  ベビーカーの中の赤ちゃんはとても可愛らしく、結婚っていいなぁ…と、少し思ってしまう。

  その子供に向けられた彼の笑顔を見て、ああ…昔はあの笑顔、私ものだったのに…と思い出がよぎる。

  ダメね。こんな女々しい考え、私らしくもないわ。

  私は一匹狼。これからも胸を張って孤独に生きよう。

  彼とすれ違ったその刹那、私は背中に鋭い痛みを感じた。

  振り向けば血に濡れた刀を持つ彼…どうやら私は彼に斬りつけられたようだ。

  そっか…私が仇の一人だって気付いたんだ…彼、子連れ狼だし仕方がないか。

  私は狼。孤独を愛する一匹狼。

  去って行く彼の後ろ姿を見て、一人孤独に死ぬ寂しさに涙がこぼれた。