ウェアウルフ

  「部長!貴方にはもうついていけません!」

  勇気を出して言い放った私を部長は睨みつける。

  『部下は上司の俺の言う事を聞いてりゃいいんだ!吠えるな!』

  恫喝する上司に足がすくみそうになる…でも私は一歩も引かない!

  「いいえ!吠えさせて頂きます!貴方のやり方は間違っている!」

  なおも噛みつく私に鼻白む上司。ついには尻尾をまいて逃げ出した。

  事を見守っていた仲間達が私に駆け寄って来る。膝から崩れそうになる私を支えてくれた。

  私は着ていた上着を脱ぐ。これはウェア・ウルフ。群れを成す事で狼のように巨大な敵に立ち向かえるウェアだ。

  狼らしく、吠えて、食ってかかり、思いっきり噛みついてやった。私は群れのリーダーとして立派に戦った。

  私が新たなリーダーになった事で仕事は順調に進み始める。

  部長はそれが面白くなかった。だからウェア・ウルフを着て私に食ってかかる。

  だが群れを成せぬ一匹狼は空しく鳴くに終わった。