狼に育てられた少女

  数年前、山で少女を保護した。

  驚いた事にこの子はこの山で、狼に育てられていたようだ。

  故に最初は肉しか食べようとせず、その食事には気を使ったものだ…

  そんな少女も今ではすっかり人間の暮らしに慣れてくれた。

  今日はそんな少女の誕生日。少女はロウソクの立つケーキに目を輝かせる。

  皆で歌を歌い、少女の誕生日を祝う。

  少女は息を吸うと、ふ~っとロウソクの火を吹き消す。

  パチパチパチと拍手の音。ケーキを切り分け、それを皆に配る。

  幸せそうにケーキを食べる少女を見て、本当にほっとする。

  何せ山で少女を育てたのは、三匹の子豚に出てくる狼。

  育ての親の影響か、少女も大きく息を吸って吐けば、木造住宅を吹き飛ばすくらいのことはできる。

  ケーキも、この建物も、私達さえも吹き飛ばさないよう、力加減ができるようになった少女。

  その成長がとても嬉しい。