「あ、あれは……!」
都市から離れ、地図にも書かれていないほどの僻地に、一人の探検家が訪れる。草原の上に石で組み上げられた建物、風化して歴史から忘れ去られた遺跡の風景に、垂れ耳の犬獣人『ファンド』は驚きを隠せなかった。
「わあ……こんなところに……!」
何日もかけてたどり着いた先に広がっていた光景に、興奮しながら駆けよっていく。険しい道のりでたまっていた疲労など吹き飛んでしまったかのように瞳を輝かせ、未知の建造物との距離を縮めていく。
遺跡、と言っても大きなものではなくほとんどが崩落しており、外壁のような石段とアーチ状の門、石段に囲われ石畳の敷かれた庭のような空間、その奥にある祠のような建物が一つといった趣であった。祠の中は暗く、その大きさから、奥に続いているかのようにも思えるが、外からでは詳しいことはわからなかった。
「なにか見つかるといいな、せっかくこんなところまで来たんだし!」
遺跡としての規模はそこまで大きくないが、こういった遺跡は地下に広大な空間が広がっていたり、遺物が眠っていたりすることが多い。外側を一周見た限りでは、ここ数年誰かが訪れたであろう形跡も見当たらず、ファンドの期待はどんどんと高まっていた。
「よし、入ってみよう……!」
一呼吸おき、アーチ状の門をくぐった先、石畳の上を意気揚々と歩いていく。しかし……
「──────」
次の一歩を踏み出す途中で、ファンドはピタリと動きを止めてしまう。思わず開いていた口や気持ちの高ぶりにあわせて振っていた尻尾すらも、重力に逆らうかのように制止していた。
異変が起こったのはファンドだけではなかった。風になびいていた草原の草花や、宙を舞っていた砂埃すらも、何ひとつ動いてはいない。それどころか、遺跡からはるか遠くの人々や物、何もかもの時の流れが歪められ、世界の時間が停止していた。
「……ほう?」
しかし、この停止した時の中で唯一、自由に動く存在が祠の中から姿を現す。
「ほっほっほ、こんなところに人が来るとは珍しい、いつ以来かのう?」
全てが止まった異常事態を意に介さず、悠々とした足取りで顔を出したのは、むっちりとした体つきに立派な髭を蓄えた龍人であった。
明るい色の地肌と妖艶な紫色の毛並み。筋肉質ながらも脂肪の乗った厚みのある肉体。存分に曝け出された柔らかくて大きな胸。薄い布切れを数枚だけ垂らした露出度の高い格好。突如として現れた龍人の風貌は、浮世離れした倒錯的な雰囲気を醸し出していた。
「う〜む、カワイイ顔をしておる。歓迎のちゅーをしてやろう」
龍人は厭らしい手つきでファンドの顔を撫でまわし、時を止められた探検家の口を奪う。舌を突き出す熱い口づけを施し、生暖かい吐息を送り込み、動くことのない存在の口内に淫らなキスの味を染み込ませていく。
「んんちゅ……くちゅ……ふふ、愛おしいのぉ……んむ……」
目を細めながら押し付ける一方的な接吻の勢いに乗せ、太くたくましい両腕でファンドの身体を抱きしめる。龍人の身体はファンドよりも一回り大きく、両腕と両手で上半身のほとんどが覆われてしまうほどであった。
「ふふふ……んむう~、ちゅう〜〜」
その後も、時は止まったまま施される歓迎の口づけは、長く、長く続いた。抵抗はおろか、気づくことすらファンドはできないまま……
「……ん…………ん〜、満足じゃ」
龍人の口がファンドの元からようやく離れる。熱い息を吐きかけ、淡い笑みを浮かべながら抱擁を解いていく。龍人の身体は興奮の汗と漏れ出た唾液によって水浸しになっており、どれだけ長く接吻が行われていたのかを物語っていた。
「さて、熱〜いキッスの次は……」
濡れて艶めいた己の肢体を見下ろし、顎に手を添え何かを考え込んだ後、ファンドの身体に手を伸ばしていく。
「ほっほっほ、イイカラダしておる」
最初はファンドの顔にのみ注目していたが、探検家として冒険を続けてきた者が持つ肉体に目をつける。とんとんとファンドの上半身を叩き、妖しくまさぐって隙間を見つけ、装備の内にある立派な筋肉を探り当てようとしていく。
「うむ、全部見せてほしいのう」
数回、身体の凹凸に触れた後、入り込ませた腕に魔力を込めると、ファンドの装備は跡形もなく消えていく。インナーや下着すらも消し飛ばし、露になった雄の肉体に龍人は興奮を隠せなかった。
「おお! 期待通り、すけべなカラダじゃ……!」
雄の色気が漂う、美しく筋肉のついたしなやかなファンドの身体。旅路でついた傷跡が数か所残っていながらも綺麗な肉体に、色欲に満ちた龍の手が這いまわる。全身をまんべんなく厭らしく触り、腋や胸には顔を突っ込み、その逞しさを堪能する。
「ふふふ、かわいい雄っぱいしてるのう」
執拗に胸の突起を弄りまわし、穢れを知らない部位に邪な刺激を集めていく。摘まむように潰し、下品な音を立てながらしゃぶりつく。
「さ~て、本番じゃな」
ファンドの肉体を堪能した龍人は不吉な笑顔を浮かべ、勃起した龍の竿を背中の筋肉へと擦り付ける。興奮で燃えたぎる、底なしの欲望を解き放つために。
「キレイな尻じゃ、いいのう」
未だ時間停止に囚われたままのファンドの尻を両手でつかみ、竿の先端を穴に導いていく。露にされた雄の穴は、挿れられた形跡など一度もない純粋なもの。そこに、不釣り合いな大きさの竿が押し付けられていく。
「さあ、わしのチンポが挿入るぞ~」
強く腰を突き出し、狭き門が龍の剛直によってこじ開けられる。着実に竿は飲み込まれていくが、その無茶な要求は時が動いていれば間違いなく、常軌を逸した苦痛に苛まれていたであろう。
「安心せい。初めてのセックスでも、わしがちゃ~んと気持ちよくしてやるからのう」
耳元で妖しく囁きながら生暖かな息を吐きかけ、肉体を覆うように両手で抱きしめる。ゆっくりと尻と腰の距離は縮まっていき、奥底を掘り当てた龍人は激しい前後運動を始めた。
「久しぶりの感触、格別じゃなあ……!」
うっとりとしながら、容赦なく腰を打ち付けていく。物言わぬ雄獣人の身体は好き勝手に荒らされ、時は止められたまま龍人好みの肉体へと改変されていく。狭く閉じていた出口であったはずの部位は、雄々しい竿を出し入れできるほどにまで拡張させられ、知ることのなかった快楽点を幾度となく突かれてしまう。
「ふふ、気持ちいいじゃろう?」
自らの興奮を高めるためだけの、無意味な問いかけ。込みあがってくる熱い感覚に呼応し、行為は一段と激しさを増していった。
「……んふ……イク、イクぞお! わしの愛をうけとれい……!」
限界に達した龍人は腰を密着させ、ファンドの身体に精を放つ。ドロドロとした濃い雄液が、腹の中を精白に満たしていく。両腕の力も強め、恍惚としながら、一滴も零さぬように快感を解き放つ。その勢いは凄まじいものがあり、ファンドの腹部を精液で膨らますほどであった。
「ん~、やっぱりセックスは最高じゃなあ」
無垢な身体を犯し、満足するまで精を吐いた龍の竿が引き抜かれる。湿った肉壁を何度も行き来した竿は硬く艶めき、絶頂による種は残さずファンドの肉体に注がれていた。
「さて……」
龍人は一度達しながらも滾ったままの竿を撫で、妖艶な笑みを浮かべる。
「おぬしの喜ぶ姿をわしに見せてくれい」
再び、ファンドの唇が奪われる。その瞬間、彼の装備は元通りに再生され、龍人の姿は煙のように消え去っていた。まるで最初から何もなかったかのように。
「──────っ!?」
そして、龍人が姿を消した瞬間、あらゆる事象が続きから動き出し、世界の時間は再び流れ始める。
あの時間停止はすべて、龍人の仕業であった。意のままに時を操って停止させ、思うままに淫行に及んだ後に姿を消し、時間の流れを元に戻していた。龍人以外の誰もがその時間停止を認識しておらず、何もかもが元通りに動き出し、変わってはいなかった。しかし、ファンドの様子だけは、その前と後である『一瞬』の間に急変していた。
「ぁあ……うぁぁああ!? なぁぁ……なに……がぁ……!?」
時が動き出した瞬間並外れた快楽に襲われ、あえなく絶頂を迎えてしまう。石畳を歩いただけで覚えた不可解な興奮。身体は前に倒れ、訳も分からず精を吐いてしまう。服を内側から汚してしまうが、それを気に掛けることもできないほどの快感に苛まれていた。
「いあぁぁ……がぁああ!?」
龍人が時を止めて行った雄交尾の感触や味は全て、時間停止が解除された瞬間の一点に集約され、ファンドに襲い掛かった。深い接吻や愛撫、強引な性交の積み重ねによって、彼の身体は常軌を逸した官能に囚われてしまう。
「あああっあああぁぁ!?!?」
身体の中を駆け巡る、名状しがたい気持ち悪さ。狭い尻穴の中に異物をぶち込まれる圧迫感とそこからの解放。幾度となく繰り返された、決して同時には体験することはできないはずの感触がファンドの身を苦しめ、悦ばせていた。
「うあぁぁあああ……あああぁぁあ!?」
追い打ちのように重なる、未知の快楽。甘い口づけを交わす幸せ、淫らな刺激で悦楽を得てしまった胸、禁断の味を押し付けられ目覚めてしまった身体……
時間停止の中で重ねられた、甘美な疼き。浮き上がるような快感、抗いようのない熱情にファンドの欲望は暴走し、幾度となく頂点に達するが、肉欲から逃れることはできなかった。
「いやああぁあああああ……んああぁぁああ……!?」
一線を越えた狂乱、回り続ける快楽の中で、ファンドはただ叫びながら精を吐き続けてしまう。
「……うぅ、ああぁ……なにがおきて……」
その後、数えきれないほどの射精を経てファンドの口からこぼれた、悲鳴ではない言葉。幾度となく吐き出し続けた欲望が、ようやくの落ち着きを見せていた。
未だ全身を駆け巡る甘い疼き、絶頂の快感と余韻が混ざりあい、力がうまく入らない。壁に手をかけどうにか立ち上がるが、ふらふらとした足取りで石につまづき、よろけてしまう。
「はぁ……はぁ……うっ!?」
乱れた呼吸を整えようとしている最中、不意に感じてしまい、また果ててしまう。
「なんなんだよ……もう……!」
服の中にぶちまけてしまう不快な感覚。自らの種汁で濡れ切った下着の嫌な感触。鼻を刺激する精の臭い。どれもが、原因不明の快楽に苦しむファンドの精神を蝕んでいく。
「とにかく、一回離れよう……」
意識が削がれ、消耗した状態。遺跡から少し離れた場所で身体を休めるために、足を踏み出そうとした、その時であった。
「ほう? こんなところに客人とは珍しい」
遺跡の奥から、優しく穏やかな声が聞こえてくる。
「……えっ!?」
顔を上げた先には、身体を大きく露出する龍人の姿があった。現実離れした神秘的な雰囲気の漂う龍人の姿に、ファンドは思わず息をのむ。その龍人が世界の時を止め、ファンドに過剰な享楽をもたらした存在だということは、気づけるはずもなく。
「えっと、あなたは……」
自身の臭いや服の濡れを悟られないよう隠すようなそぶりを見せながら、ファンドは龍人と言葉を交わす。当然、全てお見通しであり、龍人はその様子に心を躍らせる。
「わしは『ヨウリュウ』って呼ばれておる、この辺に住んでる変わり者じゃよ、ほっほっほ」
朗らかに笑いながら、ヨウリュウと名乗った龍人は、ベンチのようになっていた石段に腰を下ろし、ファンドも座るようにと手を振る。突然現れた龍人にファンドは警戒心を強めるが、龍人の優しい雰囲気の前に絆されてしまい、このまま無視して立ち去るのは忍びなくなったファンドは、促されるまま石段に腰を下ろす。
「ぼ、僕はファンドって言います……?」
ヨウリュウの隣に座り、自己紹介をする。が、目を合わせた瞬間、心と身体が熱を帯びたような感覚がファンドを襲う。奇妙な胸騒ぎに顔を顰め、嫌な感覚を覚える。
「む? どうしたんじゃ?」
「あ、ごめんなさい、なんでもないです……」
しかし、まじまじと顔を覗き込まれると、ファンドは恥ずかしくなって顔を逸らした。
「そ、それより、ヨウリュウさんはここで何をしていたんですか?」
「わしか? わしの話なんて大して面白くはないぞ、今日はたまたまここに来てただけじゃしなあ……わしはおぬしのことが聞きたいのう」
なんとか話を逸らし、謎の龍人ヨウリュウのことを聞こうとするが、はぐらかされてしまう。何度か粘ってみるも、変なダジャレを連発した挙句話を戻されてしまったため、ファンドは仕方なく自分の話をすることにした。
ファンドがヨウリュウに語ったのは、自身が探検家として経験した出来事や、近年世界で起きた出来事であった。ファンドの話にヨウリュウは強く喰いつき、質問を繰り返し、強い関心を抱いている様子を見せていた。
その話の中で、ファンドは少しの疑問を抱く。ヨウリュウは異様なまでに世界の情勢について疎く、その割には興味津々な表情を浮かべながら話を聞いており、持っている知識も古いものばかりでありながら知識欲は深く、どこか矛盾した様子を見せていたからであった。
「ふむ、今はそんな風になってるんじゃなあ……」
多くの会話を交わし、ヨウリュウは感心した様子で顎髭を撫でる。遠くを見つめながら、どこかうっとりとした笑みを浮かべていた。
「感謝するぞ、とても楽しい時間だった」
「いえ、僕もヨウリュウさんとお話しできて楽しかったです」
お互いに軽く礼を交わすと、ヨウリュウは優しく微笑みながら、置かれていたファンドの手に自らの手の平を重ねる。
「……────!?」
その瞬間、ファンドの身体に戦慄が走る。
突然手を重ねられた驚き、ではなかった。
感じたのは、許容量をはるかに超過した、気持ちよさ。急速に勃起した雄の象徴に、快楽と苦痛の入り混じった刺激が与えられていた。
「……うぅ…………うぐぅ……!?」
大きく柔らかなものに竿を挟まれ、愛撫し続けられたような感触。淫らな刺激を蓄えられたファンドの雄棒は、噴水のように精液を噴き上げ咽び泣く。
「…………ふっふっふ」
収まる様子のない絶頂の嵐、震える身体を抑えようとするファンドの姿に、ヨウリュウは口角を上げる。
手を重ねた瞬間ヨウリュウは再び時を止め、股間の一点だけを狙いすまし、波打つように揺れる豊満な雄胸でファンドの雄を呑み込み弄んでいた。勃起の治っていた雄棒を妖しい胸の抱擁で包み、巨大な胸の谷間で愛撫し続けた。
気の遠くなるような時間、ヨウリュウだけの長い時間をかけて繰り返される淫行。何も知ることはできずに絶頂へと誘われる、哀れな雄の結実に心を躍らせながら。
「ううぅ……んうううぅ……!?」
堪えきれない嬌声、声も精も漏れ続けてしまう。すぐ隣の龍人に悟られたくないと顔を伏せるが、痴態を押し隠す様子を見せれば見せるほど、ヨウリュウの胸を高鳴らせてしまう。
「おぬし、どうしたんじゃ?」
「い、いや……ぁ……なんでも……ない、です……」
本気で心配しているような嘘の声色、騙すための仕草をヨウリュウが見せる。ファンドは必死に抑え込みながらヨウリュウへと視線を向ける。だが……
「……づぅ!?」
視界の先にあったのは、雄の罠。妖艶な笑みを浮かべ『気持ちよかっただろう?』と言わんばかりに胸を揺らすヨウリュウの姿。雄の色気を振り撒かれ、動悸がさらに激しくなっていく。先端に聳え、ぷっくりと膨らんだ大きな乳首に目を奪われてしまう。
襲い掛かる欲求を理性で抑え込もうとするが、止められた時の中でヨウリュウの味を教え込まれた身体は、妖しき龍の肉体を欲してしまっていた。
「うぅ……くう!」
渦巻いた性欲を振り切るようにして、ファンドはふらふらと立ち上がり、一心不乱に駆け出す。
「おい、どこに行くんじゃ?」
直感的に感じた、身の危険。確証は無かったが、ヨウリュウから逃げなければいけないと足を動かし、遺跡からの脱出を試みる。
「ご、ごめんなさいヨウリュウさん! ちょっと離れ─────」
しかし、遺跡を出るよりも前に、時間ごと動きを封じられてしまう。
「ほっほっほ、気づいたようじゃが……ちょ~っと『遅かった』のう」
逃げ出そうとした獲物を前に、ヨウリュウは下品な舌なめずりをする。ゆったりとした足取りでファンドに近づき、正面に立つ。
「おぬしの悶える姿がかわいすぎて、ココがこんなになってしまったんじゃよ」
大きく膨らみ、卑猥な染みのできた布切が捲られ、龍の竿が露になる。ファンドの痴態を愉しむ龍人の竿は、これ以上ないほどまでに硬度を増していた。
「責任、とってほしいのう?」
口角を上げたヨウリュウの目が妖しく光る。その瞬間、ファンドの衣服は魔力によって消え去り、逞しい肉体が剥き出しにされてしまう。
「ほれ、わしのチンポを咥えるんじゃ。安心せい、とーっても美味しいからのう、ほっほっほ」
切羽詰まった表情のまま停止したファンドの頭を股間に運び、容赦なく竿を咥えさせる。先んじて漏れていた汁で口内を汚し、巨大な竿を滑らせていく。
「上の口で味わうチンポも格別じゃろう?」
根元を口周りにぶつけては腰を引き、また勢いよく喉奥を突く。時が止まっていなければ窒息してしまいそうなほどの乱暴な口淫。熱く息を吐き、涎を巻き散らし、昂っていく性の興奮。
「ん〜! イイ感じじゃあ、おぬしの口のナカ、気持ちいいぞお!」
人の口内を荒らしまわる熱い塊が、さらに硬くなっていく。犯す悦びと快楽を貪り、その先端部が大きく開かれようとしていた。種を解き放ち、頂点へと達する瞬間を心待ちにしながら。
「ああぁ! 射精すぞ! ちゃんと味わんじゃぞ!! あぁ……イクうぅぅ!!」
快楽の頂を感じ取ったヨウリュウは根元まで口に押し込み、限界まで膨張した竿から種を吐く。欲望のままに喉奥へと注ぎ続け、泥のような精液が内側に塗られていく。
「んん~~きもちいい……きもちいいぞおお……!」
口淫の気持ちよさ、無抵抗な相手の口を汚す愉悦にうっとりとしながら、溜め込んだ快楽を解放していく。
「はぁ、はぁ、全部飲んでくれよ?」
じんわりと広がった甘い熱に身を任せ、精はとめどなく漏れ出ていく。飲みきるのは不可能なほどの精が喉に貼り付き、ファンドの身体に白濁が溜められていく。
「ん~む、満足じゃ!」
卑猥な音を立て、口内を蹂躙した怒張が引き抜かれる。余韻を堪能した後でも硬度を保っており、依然としてヤる気に満ち溢れていた。
「さあ、次は下の口じゃな……」
風のようにファンドの身体を通り抜け、ぬめついた竿を尻に擦り付ける。
「ふふふ、イイカラダしておる。欲しくなっちゃうのう」
厭らしく笑いながら竿を扱き、ファンドの肉体を撫でまわす。筋肉をもみほぐし、乳首や耳も執拗に刺激していく。
「次はこっちに挿入れるぞ? ほ~れ!」
軽々しく言い放ち、閉じかけていたファンドの雄膣が強引に開かれる。すでに一度犯されていた体内は容易に貫かれ、一突きで奥まで到達されてしまった。
「ふん、ふぅん! ふふふ、コッチもイイのう……!」
強く腰を揺らし、快感を積み上げる。何度も、何度も。
「おぬしは、どこを突かれるのが好きなんじゃ?」
腰を掴みながら力強く差し込み、無遠慮に語りかけながら責めあげていく。
「まあ『全部』ヤっておけばよいか、時間はいくらでもあるのじゃからな、ほっほっほ……」
軽々しく呟かれる、物恐ろしい言葉。停止した時間の中で、誰に知られることもなく、限りない欲望を持つ龍人にファンドは犯され続けた。
「んむ、いい感じじゃのう」
果てることなく竿を前後させ続けたヨウリュウは大きく息を吐く。結合部からは先走った白液が漏れ出し、ヨウリュウの身体に滴っている。すでに、理性よりも本能が上回りつつあり、無意識に腰の押し引きが止められなくなっていた。
「懐かしいのう、この感覚……!」
ふと、ヨウリュウは在りし日の記憶に想いを馳せる。時を止め、己を敬愛する雄たちとまぐわった、遥か遠い日々の記憶を。
「ふふ……」
記憶の雄たちと重ねるように慈愛の目を向け、激しく、さらに激しく、身体を交えていく。
「さあ、わしと家族になろうではないか」
竿を突き刺したまま、ヨウリュウが顔を綻ばせた瞬間、世界は再び動き始めた。
「───────ん!? うう!? ぐがあ!? がは、うがああ!?」
止められた時の中で培われた全ての責め苦が、ファンドの身に降りかかる。
口に広がる、嫌な苦味、屈辱的な精の味。腹に溜められ、口内に満ちる、粘ついた白濁。呼吸の通り道は窄まり、声を発するだけで、濃厚な精の香りが通り抜けていく。
「うああああ!? うえああ!!? んんあああぁぁぁ!? ぐああああぁぁ!?」
全身に打ち付けられる雄の快楽。撫でられ、ねぶられ、揉みしだかれた肉体は悶々と、果てしない甘さに包まれてしまう。
「いやああぁぁ!! ああああぁぁ!? がああああ!?」
容赦なく襲いかかる、内側からの刺激。幾度となく貫かれ、奥の点を押された、えもいわれぬ快楽。造作もなく理性を吹き飛ばし、嬌声の嵐へと誘われてしまう。
これら全てを、一瞬で受けたファンドの快楽と苦痛は、計り知れないものであった。
「美味しいじゃろう? わしの『味』は」
「えあ、がああ!?」
淫楽が吹き荒れる中、身体を奥深くまで繋げられ、与えられた『味』を受け取ってしまう。鮮明に感じた奥底の衝撃に、さらなる狂乱への火蓋が切って落とされる。
「っ! うあ!? うわあああ!? んんううぅあああああぁぁぁあああ!?」
生臭い苦味、顔面に塗りたくられた白液、腹部の圧迫感、植えつけられた快楽。そして、背後から聞こえてきたヨウリュウの艶美な声。頭の中で、何かが繋がる。
「あああぁ……!? ああぁ……!?」
快楽に埋め尽くされたファンドの胸中に、絶望が広がる。一点の余裕もないファンドの精神、そのどこかに暗い感情が湧きあがっていく。
「うわああぁぁああ!? うああああぁあ!? やめろおおおおぉぉおおお!? やめろおおおおおおおおおお!?」
喚いて、喚いて、喚いて。押さえつけられた身体をそらし、悲痛な声を張り上げる。不愉快な気持ちよさから、認めたくない現実から、逃げ出したくて。
「ううぅぅ……うあぁ!? やだ、いやだあああぁぁ……!?」
だが、逃げたくても、ヨウリュウの快楽がそれを許してはくれない。腰の押し引き一つで絶頂させられ、四肢に入れようとした力は抜かれてしまう。
「いやだ!? いやだあああ!?」
錯乱するファンドの背中を、ヨウリュウは涎に塗れた舌を舐めずりながら見下ろす。この上ない快感を胸に、腰の力を強め、激しく前後に揺らし、頂を目指す。
「ふっふっふ、もう遅いんじゃよ」
ヨウリュウの言葉通り、何もかもが遅かった。停止した時の中で身体は繋げられ、種もすでに撒かれている。残っているのは最後の仕上げだけであった。
「それにさっきから何を嫌がってるんじゃ? わしらは一度セックスをした仲ではないか」
「う、嘘だ!? 嘘だぁ……そんな、の……」
認めたくなかった現実を突きつけられて、不安定な心が崩れていく。記憶はなくとも、止められた時の中で犯される『味』を、身体が覚えてしまっていたのだから。
「うぅ……あぁぁ……」
快楽も、ヨウリュウが語った真実も、身体はとっくに認めてしまっていた。抗っているのは、わずかに残った理性だけ。雄に犯される屈辱、ヨウリュウへの嫌悪だけを支えに、どうにか踏ん張っていた。
「さあ、そろそろイこうではないか」
「えっ……!? い、いやだ……嫌だ……!」
一人は笑い、一人は目を見開く。二人の身体は寸分なく繋げられ、龍の竿が雄の肉壁を刺し貫いた。
「これが、わしの愛じゃよ……!」
「あぁ!? んんあぁぁぁ!? うわああぁぁああああああああああああ!?!?」
快楽に満たされた雄たちの、絶頂の雄叫びが響き渡る。熱く白い液体を注ぎ、注がれ、この上ない充足感に全身が震えだす。嫌悪する心も、相手を掌握する悦びも、一時の快楽を前に、真っ白に染まっていく。
「んんあああああぁぁあ!? うぐ、ぁぁあああああ!?」
二度目の雄交尾、上の口を含めれば三度目になるヨウリュウとの交わり。恥辱に塗れながら、喜悦の声を、精を、吐いてしまう。腹に打ち込まれた龍の体液が生み出す圧倒的な充足感に、身も心も呑みこまれていく。
「あぁあああ……うぁああ……うう……」
膨れ上がった龍の竿に体内を焼かれ、狂的な幸福がファンドを蝕む。熱い、熱い、熱い、熱い、熱い。気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい、きもちいい、きもちいい、キモチイイ……
「ほっほっほ、まだ……射精るぞぉ……!」
意識が混濁するファンドを尻目に恍惚とするヨウリュウは、腰を揺り動かし、余すことなく欲望の至りを堪能する。湧き立つ精子の波を放出し続け、最後の一滴になるまで前後運動を止めなかった。
「んんう……ふぅ……、はあ〜気持ちよかったのう、おぬしも楽しかったじゃろ?」
「うあぁ!? うぅ……」
淫らな水音を立て、引き抜かれる龍の竿。三度目の絶頂を迎えようと、未だその雄は弛緩せずビクビクと脈動していた。最後に重々しく放たれた一雫は気付け薬のようにファンドの意識を目覚めさせ、また絶頂へと誘っていた。
「うう……うぅ…………やだ……くそぉ……!」
甘い気怠さと屈辱の中で、ファンドは呻くことしかできなかった。超常的な存在になすすべもなく犯されてしまい、逃げようとする意志も、立ち上がる気力も残ってはいない。蓋をされていた尻穴に空気が流れ込み、冷んやりとした空虚な感触に嫌な心地よさを覚えてしまう。
「ファンド、おぬしは本当にかわいいのう」
「ううぅ…………うあ────」
崩れ落ちるファンドの姿に、ヨウリュウは優しく声をかけながら、時間を停止させた。
「ふっふっふ……」
したり顔を浮かべたヨウリュウはやんわりと抱きつき、ファンドの耳元に顔を近づける。そして……
「おぬしはわしのことがだ〜い好きなんじゃ、永遠にな♡」
「────っ!?」
時が動き出し、不可解な衝撃を受けたファンドは、息を呑み、イっていた。
何が起きたのか。
何が起きているのか。
何もわからなくなっていく。
「え……!? な……にが……!?」
何かの上に跨り、高くなった視界。
手を伸ばせば届く、ヨウリュウの肉体。
胸をときめかせる、甘く艶やかな微笑み。
「あ……え……?」
気がつけば、濡れそぼった矛先を尻口に突き立てられ、石段に腰を下ろしたヨウリュウと対面座位の格好で、視線を交差させていた。
「!? あ!? あぁ!?」
瞬時にして起きた変化。混乱の中、目の前に広がっていた光景、ヨウリュウの肉体美に、ファンドの心は大きく色めき立ってしまう。
「はああ……あああぁぁあ!?」
姿を見ているだけで、ありもしなかった感情が沸き起こる。全身の毛が逆立ち、思考が好意に支配されていく。鼓動が高まり、目を逸らせない。身体の距離が近くて、嬉しくなってしまう。優しい微笑みに心が揺さぶられ、今すぐにでもキスをしたい衝動に駆られる。
「ち、違う……ちがう……!」
込みあがる情欲に、想いが抑えられなくなっていく。嫌だ、好き、違う、好き、違う、好き、好き、嫌だ、好き、好き、好き、違う、好き、好き、好き好き、違うチガウチガウ好き、好き、好き好き好き好き好き好き好き好き好き……
「雄っぱいやわらかいじゃろう、揉んでみるか?」
「うあぁあああああ…………!」
逞しい筋肉を魅せつけられ、不安定な心は刺戟されてしまう。ピクピクと揺れ、指を呑み込む雄胸に、ファンドの心に着けられた愛の炎は勢いを増していく。
「ぁあ……なん、で……ええ……!?」
「ほ〜れほれ、コッチもイイじゃろう」
突如として湧き上がったヨウリュウへの好意。ある筈のない感情は、どれだけ否定しても、止まることはなかった。尋常ではないほどの屈辱を与えてきた相手に、溢れんばかりの『好き』の気持ちを抱いてしまう。
「ふふふ……」
ファンドが抱いた熱い想い。その正体は時間停止の中でヨウリュウが囁いた、魅惑の暗示によるものであった。思考を掌握し心を奪う甘い囁きに、ファンドの心は魅了されていた。
「ぁああ……ヨ、ヨウリュウ……さ…………うぅ……!」
染まりつつある理性が悪あがきをする。認めてしまえと本能が疼く。呑まれてはいけない、越えてはいけない。愛し合いたい、幸せになりたい。勃起が止まらない、気持ちよくなりたい。
「ほれ、こっちにこい」
ヨウリュウが腰を浮かせると、突き刺さった龍の竿が、ばっくりと開いた入り口にキスをする。
「続きは、おぬしがするんじゃよ」
「ああぁ……!? あ......!」
自ら身体を繋げ、自分の心にとどめを刺せと迫られる。誘惑に呑まれつつあるこの状況で、ヨウリュウと肉体を交えれば、どんな結果が待っているかは容易に想像がついてしまう。逃げられる最後の機会、究極の選択を前にファンドは……
「う……ああああぁぁああ!!!?」
ファンドはヨウリュウとの愛を求め、自ら堕ちてしまう。
一番欲しいモノ、一番欲しい行為、一番欲しい存在を突き立てられ、ファンドの精神は決壊した。腰を落として、全てが終わる、解放される、気持ちよくなれる、愛し合える。思考を全部投げ捨て、幸せの破滅を願い、ヨウリュウの剛直を受け入れた。
「あは、ああああ! んああぁぁ!! 気持ちいい! 気持ちいいいぃ!! ヨウリュウさんのチンポ気持ちいいいよおおおおぉぉ!!?」
深く繋がった瞬間、龍人に唆された探検家の心は終わりを迎えた。残ったのは、偽りの愛に操られ腰を振る、無様な雄の姿であった。清い色をしていた純粋な心は淫猥な龍人の色へと染まり、愛欲の虜へと堕ちていく。
「あああははは!! ああ、あああ!? んんあああああああぁぁぁあああ!!!」
痴態を晒すことに、もう一片の迷いもなかった。腰を振るたびにヨウリュウに抗おうとしていた意志が遠のき、戻れなくなった感触に歪んだ至福を感じ、精を撒き散らす。
「気持ちいいか、わしのチンポは」
「はあ、あぁあ! き、きもちいい!!きもちいいいぃ!! ヨ、ヨウリュウさん……だいすき!! 大好きいい!!」
引き合うように二人は互いに身体を預け、背中に手を回す。汗ばんだ肉体の摩擦が心地よく、荒んでいた心が蕩けていく。
「ふふふ、嬉しいのう。わしも大好きじゃよ」
「……あぁ……んむぅ……っ!?」
身体の奥底から感じた、熱い、熱い、愛情。白く濃密な雄の汁を吹きかけられ、快楽の渦、幸福の嵐の最高点へと誘われていく。甘い叫びの出口は優しい口元に塞がれ、抗うことをやめたファンドの心は完全に魅了されてしまう。
「んん……んうぅ!? んんーー!!」
目眩を起こすほどの快感の波。心を惹きつける魅惑の龍人の精とキスを注がれ、ファンドは両の手で数えられないほどの絶頂へと導かれていく。
舌を絡め強く抱き合う、熱情的な情交は日を跨ぐほどに長く続いた。ようやくの終わりを迎えた時、ファンドは消耗し尽くし、立つことすらままならない状態であった。
「う……うぅ……へへ……」
仰向けに地面へと倒れたファンドは、夜空を見上げていた。しばらくぼーっとしていると、同じように地面へと寝転んだヨウリュウに身を寄せられ、視線が交差する。
「これでわしらは家族じゃ、嬉しいか?」
「……っ!」
ヨウリュウの口から出た家族という突飛な言葉に、ファンドは感嘆する。心を奪い、性交した相手を家族と呼ぶ一方的な家族の契りに、尻尾の揺れが止まらなかった。心から愛した存在に家族と呼ばれ、この上ない幸せを噛み締める。
「は、はい……!」
力強く答え、喜びを伝える満面の笑み。その瞳には、龍に魅入られた証であるハートマークが刻まれていた。
「んん……くちゅ……んちゅ…………」
数日後、帰路につくための身支度を済ませたファンドは、遺跡を発つ前の口づけをヨウリュウと交わしていた。情熱的な夜を何度も明かした後であったが、キスの快楽と興奮は果てぬ雄欲を刺激し、綺麗に整えたばかりの装備を内側から濡らしてしまう。
「ん……んぅ! はあぁ、はぁ……では行ってきます、ヨウリュウさん」
「んむ、いつでも帰ってきて良いからのう、ほっほっほ」
最後にハグを交わし、ファンドは遺跡を背に歩き出す。愛する存在と離れる寂しさを強く感じながらも、その胸には黒い情熱を抱いていた。身体を重ねながら練り上げた、ヨウリュウの計画を実行に移すために。
「へへへ、ヨウリュウさんのためにも頑張らないとなあ……!」
気分を高揚させ振り上げられたファンドの腕には、綺麗な紫色の腕輪がつけられていた。
[newpage]
「あ、あれが幸せの門!」
ファンドが遺跡を訪れてから数ヶ月後、ヨウリュウのいた遺跡は『幸せの門』と呼ばれ、多くの冒険者が憧れる場所となっていた。遺跡の入り口である幸せの門をくぐると幸福を得られる、という噂が何処からか広がり、今では多くの旅人がその名を口にする有名な場所となっている。
しかし、幸せの門は人里から離れた僻地にあり、生半可な準備では辿り着くことは困難な場所であったため、その希少性やロマンは薄れることなく、月日のたった今でも注目を集め続けていた。
「長かったですがようやく、ですね」
そして今日も、幸せの門を求めた二人組が、遺跡に辿り着く。
「スリガさん、足元がぬかるんでいるようなのでご注意を」
「だ、大丈夫だって! ホワイトさん、ほら早く!」
『スリガ』と呼ばれたのは、やんちゃな雰囲気ではしゃぐ大柄な緑毛の狼獣人であり、そのスリガを喚起したのは『ホワイト』と呼ばれる、凛とした雰囲気をまとう白色の獅子獣人であった。
スリガは、かつて幸せの門を訪れたことのある者たちと話をした際に、その内容や、彼らが大切そうに身に着けていた綺麗な腕輪に興味を持ち、自分も幸せの門を訪れると決意を固めた。その後、多くの仕事を共にこなしたことのある傭兵のホワイトと一緒に準備を進め、数日間の奔走の末に、ようやくこの地に足を踏み入れていた。
「うわぁ~、これが幸せの門……!」
「寂れてはいますが、この地に宿る魔力はいまだ健在……ということなのでしょうか」
幸せの門を間近にして、スリガは感嘆し、ホワイトは冷静な分析を述べる。二人は正反対な雰囲気を纏ってはいたが、憧れの地を前にして、内に秘めた興奮は優劣をつけ難いほどにまで高まっていた。
「よし、じゃあ行きましょう!」
「ええ、お先にどうぞ」
多くの者が足跡をつけたであろう石畳を踏みしめ、目を輝かせながらスリガは幸せの門をくぐり、遅れてホワイトも遺跡へと足を踏み入れる。
「へえ、中は────」
しかし、その瞬間、二人は凍り付いたように動かなくなる。不自然な姿勢、表情のまま、ピクリとも動かなくなってしまう。
かつてファンドが遺跡に踏み入れた時と同じく、世界の時間ごと、彼らは止められてしまっていた。
「ほっほっほ、今日もお客さんが来たようじゃな~」
言うまでもなく、時を止めたのは遺跡に潜む龍人ヨウリュウであった。何者かが遺跡を訪れたことを察知し、時間を止め、煙と共に二人の前へと姿を現す。以前よりも身体は一回り大きくなり、がっしりとした肉体となっていた。
「うむ、二人ともイイ顔をしておるな〜。ほれ、カラダも見せてみい」
動くことはない二人の頬に触れると、うっとりとしながら魔力を放ち、衣服を消し去ってしまう。
「おお~、これはこれは……みんなほんとにえっちじゃのう」
熱く、好色な手つきで二匹の雄の肉体を撫でさする。スリガの分厚い筋肉とホワイトの引き締まった肢体に興奮し、妖しく揉みしだいていく。
「この無垢な顔がたまらんのう、んむ~」
先に見初められたホワイトに、生暖かな口づけが注がれる。俗悪な舌遣いで唾液を塗り広げ、卑しい龍の味を喉奥にまで染み込ませる。口奥で停止する舌も絡ませ、纏わりつき、身悶えするほどの甘い快楽が、植えつけられていく。
「んん~~、んちゅ……んふんふ、ちゅ~~~~」
純粋な存在が、卑欲な龍に汚されていく。肉厚な身体に抱きしめられ、柔らかくて重い筋肉の感触に包み込まれる。興奮と停止、別々の理由で硬くなった竿が抱き合う兜合わせに、容認しがたい雄の幸福が積みあげられてしまう。絶え間なく舐られた唇の次に、可愛らしく膨らむ胸の突起にもキスが注がれ、妖しい刺激が集まっていく。
「さ、挿れちゃうぞ〜。わしのビッグなチンポ挿れちゃうぞ~~~」
数多の雄を快感の坩堝へと落とした龍の竿が、ホワイトの下の口に押し込まれる。
「う〜ん、これまた随分な堅物じゃのう、ほっほっほ」
波打つようなリズムの腰打ちに、ホワイトの体内は荒らされる。侵入者を防ぐ肉壁はなすすべもなく掌握され、滾った龍の竿を熱く愉しませてしまう。前後するたびに少しずつ奥へと掘り進められ、結合部からは先走った卑しい液が太ももに滴り落ちていく。
「純粋なカラダ……わしの大好物じゃあ……!」
ギュッと抱きしめ、身体の繋がりがさらに深くなる。雄フェロモン漂う汗ばんだ身体を押し付け、興奮と共に行為は激しさを増していく。
「ココじゃなぁ、おぬしの弱いところ」
雄を籠絡する悪魔の腰使い。暴かれた雄膣の深淵に、龍の竿が喰らいつく。欲望を解放する一突きが、何度も、何度も、ホワイトの肉体を貫いた。たとえそこが雄の快楽点でなくても、ヨウリュウの魔槍による乱打によって至福の一点へと変貌させられてしまう。
「さあ、射精すぞ。しっかり味わうんじゃぞ……?」
耳を一舐めし、ヨウリュウは物凄まじい勢いの絶頂を迎える。吐精に合わせて腰を跳ねあがらせ、粘度も色も濃い白液で清純な獅子の内側も汚していく。
「はああぁ……はあああぁぁ~~~……!」
絶頂、絶頂、絶頂。快楽の爆発、恍惚の境地。精の液体を飛び散らせ陶然とする。世界の時を止め雄を犯すこの感覚に、ヨウリュウは心身ともに絶頂し続ける。何度目の雄交尾であろうと、その欲望が尽きることはなかった。
「うむ……最高だったぞ、おぬしのナカは」
多量の白液が流れ落ち、性欲に満ち溢れた龍の竿が引き抜かれる。濡れそぼった竿をホワイトの背中に擦り付け、深く息を吐きながら首筋を舐める。
「さて、どうしようかのう……?」
何かを思案しながら、胸を揉みまわす。荒い息遣いでホワイトの肉体を責めながら考え込み、しばらくした後、如何わしい着想を得たヨウリュウは自らの顎髭を一撫でする。
「せっかく二人いるんじゃ。おぬし、わしを愉しませい」
ホワイトの身体を離し、少し距離をとったヨウリュウは妖しい笑みを浮かべる。ニヤニヤとしながら両手でハートマークを作り、先ほど犯した獅子の身体に狙いを定める。
「ほ~れ、せんのうび~む♡」
ハートの形をした桃色の光がヨウリュウの手から放たれる。その妖しき光線は、ホワイトの全身を包み込み、抱きしめるように揺れ動きながら身体へと入り込んでいった。光が全て吸い込まれると、ヨウリュウは軽快に身を近づけ顔を寄せる。
「ふっふっふ。さあ、わしを満足させてくれよ……?」
耳元で暗く囁きながら、二人の衣服と体勢を元通りに戻したヨウリュウは、その身を煙に変え姿を消す。
「────────う、うん……?」
「────────…………っ!?」
正常に時が動き出し、何事もなかったかのように世界は回りだす。その瞬間、異常事態の中で重ねられた刺激が二人の雄に襲い掛かった。
「な、なんだ……これ……?」
全身をやわやわと揉まれる卑しい感触。見えない腕に全身マッサージをされたような、奇妙な脱力感にスリガは苛まれる。姿勢が崩れ、つまづきそうになるが、何とか体勢を立て直し歩みを進めようとする。
「……っ……っ!?」
その後ろでは、咄嗟に口を抑え、漏れ出す嬌声を抑え込む獅子の姿があった。勝手気ままに犯され、桃色の光を授けられてしまったホワイトは、果てしない絶頂へと誘われ、下半身を精液で濡らしてしまっていた。
「な、なんだろう今の……うぁ!?」
不快な感触に悶えていると、突如スリガの後頭部にホワイトの強烈な拳が襲い掛かり、殴り飛ばされてしまう。吹っとばされたスリガの身体は遺跡の柱に激突し、激しい痛みが全身を走り抜ける。
「うぅ……! ホワイト……さん……な、なにを……!?」
振り向いた先には、腕を振り切り、冷たい瞳でスリガを睨むホワイトの姿があった。刺すように鋭いその眼光は、間違いなく敵意を持っていた。
「幸せの門を汚すな、下衆が」
「え……!?」
見下ろされ、冷淡な声色で吐き捨てられる。少しずつ近づいてくるその身は、ここまで同じ道を歩んできた者と同一人物とは思えないほど、暗く冷たい雰囲気を纏っていた。
「ふ〜む、意外に乱暴者なんじゃなあ」
姿を消したヨウリュウは、豹変したホワイトとそれに動揺するスリガの成り行きを、何処からかニヤニヤと見守っていた。
「背後への警戒も無く受け身すらとらないとは、使えないやつだ」
切り捨てるように言葉を吐いたホワイト、一瞬にして変貌を遂げた彼の精神は、ヨウリュウが児戯のように放った桃色の光によって犯され、魅了されていた。心を奪われ思考を支配されてしまった彼は、知らぬ間に吹き込まれた『愉しませよ』という命令を実行するために、自らの欲望を抑えスリガに拳を振り下ろした。
「ホ、ホワイトさん……どうしたんだ……!?」
「…………」
スリガの声は、届かない。ホワイトの心は、ヨウリュウへの愛欲に呑まれてしまっていた。
「うわあ……なにして……!?」
持っていたナイフで、ホワイトは器用に装備の固定具を切り離し、下肢を露出する。下着にも手をかけ、勃起した巨大な逸物を惜しげもなく披露した。
「おお! 大胆じゃなあ……!」
冷厳な表情のまま変態行為に及ぶホワイトの姿に、ヨウリュウは熱い興奮を覚えていく。
「咥えろ」
硬く熱い塊をスリガの顔面に押し付け、口元にねじ込もうとする。当然スリガは拒もうと口を閉ざすが、精液に塗れた陰茎の臭いが鼻を刺し、集中を削がれてしまう。
「はやく口をあけろ」
「き……きたな……痛っ!? い、むぐぁ!?」
頭を強引に引っ張られ、開けられた口元。抵抗虚しく、濡れそぼった陰茎が押し込まれる。はち切れんばかりに硬く張った雄棒は、スリガの口内を容赦なく犯していく。
「んん……うぅ……がぁぁああ!?」
「くだらん、口淫すらできないのか貴様は」
片手で頭を抑え込み、淡々と腰を揺らす。操られるがままスリガに恥辱を与えるその行為には、興奮も、愛情も、快楽も、存在していなかった。
「喉をあけろ」
そのまま雄を突き続け、冷たい口内性交は終わりを迎えようとしていた。
「ん!? んーー!? んんーーーーー!?!?」
表情一つ変えず、極めて事務的にホワイトは果てた。恐怖の表情を浮かべ逃げ出そうとするスリガの顔面にびっちりと腰を押し付け、種汁を余すことなく喉奥へと解放する。
「んむぁーー!! んんむーー!!!?」
「黙って飲め」
振り払おうとするスリガの頭をさらに強く掴み、逃がさない。どれだけ喚こうと、悲痛に叫ぼうと、桃色に染まったホワイトの心に響くことはなかった。
「ん~む、スケベじゃのう」
雄欲の奴隷と化したホワイトの狂行に、ヨウリュウは大層満足気な笑みを浮かべる。
「どれ、ちょっといたずらしてやろうかの」
信頼関係を築いていた者たちを魅了し、仲間割れを誘う享楽。欲望に駆られ、堕ちていく雄を眺める愉悦。悪魔のような情意に心を躍らせながら、ヨウリュウは時を歪め、また動かした。
「貴様は自分の立場が────わがあぁっ!?」
ホワイトの身に、雄の快楽が降りかかる。暖かく抱かれ、雄交尾を繰り返した無上の喜びに、絶頂の温度は急上昇していく。凛とした冷たさを吐いていた口からは、甘い悲鳴が生み出されていた。
「んはぁ……!? はあ……あぁ!? ふぅ……うぅぅ……!?」
急激に汗ばむ身体。目を見開き、手で口を押えるが、興奮の吐息と嬌声は漏れ出てしまっていた。快楽を逃すためにスリガの頭も強く掴み、喉の奥に劇烈な勢いで白の濁流を注いでいく。振起された肉欲に肉体は痙攣し、吐かれた精は尽きることなく流れ続けた。
「ぐあぁあ……ああぁ!?」
その吐精にホワイトの意志はなく、与えられた快楽を発散するべく、本能のままにスリガに腰を押し付け続ける。息苦しくなったスリガは今まで以上に必死に暴れるが、離れられる気配は一切なく、苦く濃い液体を飲まされ続けてしまう。
「うぅぅ……くうぅぅ……!?」
「むううぅ!? むうううぅぅ!?」
度を越した快楽の時間、屈辱的な苦痛の時間は、長く、長く、続いた。ホワイトが肉棒をようやく引き抜いた時には、二人とも息は絶え絶えとなり、呼吸すらまともにできない状態であった。
「う、うん……?」
かろうじて空気の出入りを繰り返す中、辺りは急に霧に包まれ、不穏な空気が漂い始める。
「ほっほっほ、幸せの門にようこそじゃよ〜」
遺跡の奥から漂う薄白い濃霧から姿を表したのは、剥き出しの肉体を魅せつけ、時を意のままに操る淫らな龍人、ヨウリュウであった。うすら笑いを浮かべながらぷるぷるとした雄胸を揺らし、錯乱する雄たちに筋肉質な肉体を披露する。
「えっ……!?」
「あ、あなたは!?」
倒錯的な威圧感を放ち、風格がありながらも変態的な龍人。その姿を捉えた二人は、それぞれ驚愕の声をあげる。スリガは恐怖を乗せて息を呑み、ホワイトは至上の喜びに心を躍らせた。
「ご、ご主人様……!!」
ホワイトの思考は、存在していない愛の記憶に埋め尽くされてしまう。心は卑しく潤い、甘くとろけていく。淫らな疼きに身体が支配され、最愛の存在へと駆け寄り、足元に跪く。
「ご主人様……ご主人様ぁ……!」
「……ふっふっふ」
息を荒げながら股間を勃たせたホワイトは、差し出された手の平に口づけを落とす。
「おぬしのことちゃ〜んと見ておったぞ。よくやったのう」
「あ、愛しています……ご主人様……んぅ……あはぁ……!?」
崩れかかった鬣を撫でられ、白い獅子は喜びの精を吐き出す。賞賛と愛撫を浴びたホワイトの意志は、さらに深い愛情に隷属させられていく。一撫で、二撫で、撫でられる回数が増える度に心は愛に狂い、幸福の快楽に溺れていった。
「ああ……ご主人様! ご主人様ぁ……!」
「おお、そんなにわしのことが好きか、よしよし」
有頂天なホワイトの瞳に、服属のハートマークが浮かび上がってしまう。理性を焼き払う情動のままにヨウリュウの太い脚へと抱きつき、頓着なく甘え始める。
「ご主人様、愛しています……んあぁ……!」
「ほっほっほ。そこが欲しいのか、可愛い子じゃのう」
歪んだ愛の中で暴走させられたホワイトは、龍の陰嚢を舐め回していた。重々しく張った袋の味にさらなる幸福へと誘われ、股間から漂う鼻をつんざくほどの雄臭に、ホワイトの心は奥底まで魅了されてしまう。
「お……おまえ……!? ホワイトさんに何を、したんだ!?」
ホワイトの痴態に唖然としていたスリガが声を荒らげる。体を震わせヨウリュウを強く睨みつけるが、その瞳には恐怖が張り付いていた。
「わしらは家族なんじゃよ、なあ?」
「ふ、ふざけんな!」
ヨウリュウの微笑みに甘い鳴き声をあげるホワイトの姿に、スリガの不快感は増していく。長い間苦楽を共にした仲間の豹変させられた姿に、怒りを抑えることができなかった。
「ふむ、ならおぬしのカラダにも教えてやろう」
穏やかな雰囲気をした龍人の欲望が、次の獲物へ向けられる。
「え……!?」
黒い邪な雰囲気の視線で射抜かれ、スリガは戦慄する。急激に身体が冷え込み、あまりの恐ろしさから本能的に逃げ出そうとするが、それはかなわなかった。
「安心せい。気持ち良くしてやるから……のう?」
「や、やめ────」
妖艶な龍人のウインク。その先に待っていたのは、長く、一瞬の懐柔。凝然とする心も身体も蕩けさせる、暖かくて優しい、悪魔のような安らぎであった。
「────あぁ……うあ……?」
強張っていた思考は、一瞬にして朦朧とさせられていく。柔らかくて温もりのある何かに抱き包まれたような、生暖かい感触にうっとりとしてしまう。
「ああ……はあぁ……はぁ……」
心を奪う、淫らな肌触り。感じたことのない胸酔。心地良さに脱力し、ぼーっと空を見上げる。
「あは……へへぇ……ふはぁ……」
口の中に広がる、甘い味。全身を包む、甘い気だるさ。身体の中は、ヨウリュウの甘い雄フェロモンに満たされていた。
「んぅ……はぁ……うあぁ……あぁぁ……!」
顔に残る、官能的な刺激に鋭気を押され、スリガは自らの衣服を引き裂いてしまう。股間から、とろとろと白液を漏らす雄棒を取り出し、自らを慰め始める。
「あはは……はは……んぁぁあ……」
卑猥な水音を奏で辿り着く、恍惚の境地。甘い快楽に包まれながら、スリガは雄の幸福を貪り続けた。
「ご、ご主人様……あああぁぁぁ!?」
「わしのチンポは気持ちいいじゃろう? ほ~れ」
無我夢中で勃起した雄を扱くスリガを尻目に、ヨウリュウとホワイトは卑しく身体を交えていた。細身な白獅子の背面から頑強で分厚い龍の肉体が伸しかかり、互いの体温と鼓動を分かち合い、欲するままに快楽を共にしていた。
「き、気持ちいいです……そこ……んあぁ!?」
「わしも気持ちいいぞ。んむ、また射精してやろう」
背中に押し付けられる豊満な胸。心を狂わす、ヨウリュウの甘き声。体内を貫き幸福へと導く、剛健な龍の竿。心身を満たす、濃密な種。背徳的な愛を注がれ、犯され、情欲のままにホワイトは堕ちていく。
「うぅぅああ!! んうああああぁあ!!!」
与えられるすべてが、気持ちよかった。肉壁を擦られる水音が、壊されたと錯覚するほどの腰つきが、奥底の快楽点を犯される悦びが。繰り返されるたびに歓喜の嬌声を上げ、ヨウリュウへの愛が、尽きることなく溢れていく。
「あぁぁ……んぁああ……ご主人様ぁ……!」
果てて、果てて、また果てる。繰り返される、欲望の解放と絶頂。心も肉体も、二度と戻ることはできないところまで堕落していく。
「ご主人様……もっと……もっと、ください……」
「欲しがりさんじゃなあ、ほっほっほ……」
龍の胸に心を奪われたスリガと、龍の魅力に心を奪われたホワイトは、夢のようなひと時の中で、長く、永く、精を漏らし続けた。
「あう……!? う……うぅ……?」
やんわりと握りしめた雄棒からドビュっと白液が飛び出し、スリガは正気を取り戻す。延々と身体中に蔓延していた心地よさが消え去り、欲望の熱が冷えていく。
「え……あぁ……!?」
しかし、意識の回復とともに、感じていた快さは並々ならぬ嫌悪感へと逆転する。
「お、おれ何して……うわぁぁああ……!?」
脳裏によぎる、自分ではない自分が、自慰で恍惚とする記憶。破れた衣服、汗ばんだ身体、鼻につく精臭、濡れそぼった雄の象徴、そして何より己の身体が、それが偽りではないことを証明していた。欲望のままに愉しんでいた至福の時間は悪夢の記憶へと変貌し、愕然としてしまう。
「雄っぱいも乳首も感じるのか? かわいいのう」
「んうぅ……そこ……ぁあ……」
耳に入り込む、不快な甘い声。吸い寄せられるように視線を上げると、そこには正常位で身体を繋げるホワイトとヨウリュウの姿があった。厚く広い手でホワイトの胸元が揉みしだかれ、枯れ果てた精巣はビクビクと空イキを繰り返していた。
「うぅ……あいつ……くそぉ……!」
あられもない姿を晒しているホワイト、未知の力で自分たちを狂わせるヨウリュウ、その龍人の手に踊らされてしまった自分、全てに怒りと恐怖が沸いていく。このままではいけない、あんな風になりたくないと、スリガの心は焦りに苛まれてしまう。
「くぅ……!」
焦燥。憂懼。怖気。恥辱。屈辱。嫌悪。負の感情が広がっていき、スリガの精神は瞬く間に限界を迎えてしまった。
「うぅ……うわあああああああああああ!?」
この状況を打開する良案も勝算も何一つないまま、腰元にあった短刀を手に取り、感情に身を任せ駆けだしてしまう。目を見開き、喉を嗄らすほどの絶叫をあげながらヨウリュウへと斬りかかろうとする。だが……
「ふふ……」
穏やかな表情を浮かべたヨウリュウが瞳を閉じると、迫真の表情で武器を振り上げたスリガはそのまま凍りつき動かなくなってしまう。喘ぎ悶えていたホワイトも同様に、動きを止めていた。
「そんな危ない物を振り回すとは、イケナイ子じゃのう」
再度、世界の時を奪ったヨウリュウは未だ萎まない竿を勃たせたまま、淫靡な魔の手をスリガに伸ばす。
「そんな子にはちゅーをしてやらんとな」
飛び出すような姿勢で固まったスリガを抱きしめ、口を口で塞ぐ。絶叫を吐き出していた口に甘い舌ベロが差し込まれ、愛おしく、厭らしく、接吻の味を教え込む。
「かわいいのう。おぬしのその根性、気に入ったぞ」
腕の力を強め、スリガの頭を優しく撫でる。瞳に宿った恐れの色を憐れみ、なだめのキスを注ぎ込んだ。その元凶が自分であることを理解しながら、事もなげな様子で。
「ん……安心せい、わしが全部抱いてやるから、のう」
重ねた口を解放し、背中に回した腕を下ろす。硬直した肉体に舌を這わせて唾液を塗りたくり、乳首を吸い尽くした。
「うむ、イイモノを持っておる」
少し身体を離し、逞しい肉体に聳え立つスリガの雄を、うっとりとしながら撫でさする。心に秘めたさらなる欲望にヨウリュウは色めき立ち、艶麗な微笑みを浮かべた。
「ふっふっふ……」
妖艶な笑い声を乗せながら片足立ちの姿勢をとり、その場でくるくると回り始める。すると、その妖しい回転に呼応するかのように現れた桃色の光がヨウリュウの身体に集まっていく。
「さあ、わしと家族になろうではないか♡」
数十回の回転の後、回っていた身体の向きをピタリと止め、魅惑的な投げキッスをスリガへと送る。ヨウリュウに集った妖光は大きなハートマークの形となって飛んでいき、スリガの身体を包み込む。
「これでおぬしもわしにメロメロじゃ、ほっほっほ」
妨害も抵抗も許さない、時間停止の中の誘惑。精神を惑わし操作する危険な力、ヨウリュウだけが真実を知りえる魅惑の邪法に、スリガの心は造作もなく取り込まれてしまう。
「まだまだ、わしはヤり足りないぞ……?」
気を良くしながら、ホワイトの顔面に巨大な胸を落とし、時を元に戻す。
「────ああぁ!? あぁあ……!?」
再び動き出した世界。止められていたことなど露知らず、変わらず流れ続ける時の中で、ヨウリュウを好いてしまった存在がまた一人増えていた。
「あぁぁ……ぁ……!?」
スリガの胸中に、ゾクリとした嫌な感情が突き刺さる。熱くて不快な、考えてはいけない想いが、心を滾らせていく。
「うぁぁ……なん……で……!?」
身体の力が抜け、腕を下ろしてしまう。怒りが愛欲へと変貌し、迫りくる猛烈な思恋を懸命に拒むが、込み上げる興奮に抗えず勃起が止まらなくなっていた。
「ちがう……いやだぁ……」
今すぐにでも股間に手を伸ばしそうになる程精神を犯され、強烈な恋慕の念に埋め尽くされていた。ぞわりと広がった熱い感情に思考が焼かれ、身体を震わす情動に苛まれていく。
「ああぁあ、ぁああ!? ちが……ちがう!! いやだ、いやだああぁ!?」
どれだけ否定しようと、どれだけ口にしようと、拒絶の心はヨウリュウへの情欲に反転してしまう。あってはならない感情、追い求めてはいけない幸せ、急速な成長を続ける恋心に、スリガは追い詰められていく。
「いやだあぁ!? ちがう、ちがうぅぅぅ! なんでえぇ!? あぁ……やあぁぁ!?」
違う、好き、嫌だ、好き、違う、好き、好き、好き、好き。反復する気持ちが、好きに寄っていき、嫌と思えなくなってしまう。
「うあああぁ……いや……やだ……いやだあああ!?」
とめどない情愛、膨れ上がる興奮、身体が熱くて仕方がない。目を逸らすことはできず、距離をあけることもかなわない。それほどまでにヨウリュウのことが、好きで好きで堪らなくなっていた。
「ふふ、どうしたんじゃ? おぬしもこっちに来い」
「……っ!?」
ヨウリュウの誘いに心が揺さぶられ、腕の力が緩んでしまう。気がついた時にはすでに、持っていたはずの武器を手放し、何処かへと蹴り飛ばしていた。
「あぁ……はぁ……」
生まれてしまった心の隙間に甘い想いが混ざり込み、意識が蕩けていく。ヨウリュウの強靭な背中に見惚れ、揺れ動く尻尾に劣情を抱いてしまう。
「ほ~れ、ほ~れ」
能天気な声に合わせて揺られる尻尾。催眠振り子のように振動する龍の尻尾に、術にかかった獲物は惹きつけられてしまう。
「わしと一つになろうではないか」
「うあ……あぁ……!?」
尻尾が持ち上げられ顕になる、蠱惑的な色を持つ禁断の入り口。情欲に突き動かされたスリガの肉体は交尾の構えをとってしまう。雄穴と雄棒がキスする感触に戦慄し、勃起した身体はさらにヨウリュウの魅力に憑りつかれていく。
「だめだ……うあぁ……!」
「いや~ん、そこはヨワイんじゃよお~」
意識を逸らすため、無我夢中でヨウリュウの尻尾に抱きついていた。錯乱する中縋りついた先でさらに、淫猥な暖かさを得てしまう。目前に迫った大きな背中にまで手を伸ばしてしまい、スリガの心は一層愛の色に溺れていく。芝居がかったヨウリュウの嬌声にも、燃え続ける欲望の火は増大させられてしまう。
「んぅう……いや……ぁあ…………うぅ……へへ……!」
「ふふ、遠慮なんかせずチンポを突っ込むんじゃ」
わなわなと、身体が、股間が、震えだす。スリガは虚ろな瞳でヨウリュウを見つめ、奇妙な笑いを浮かべていた。
「あああぁぁああ……!? んあああああぁぁあああ!?」
とうとう、スリガは決壊してしまう。蠢く肉壁に自身の雄棒を押し入れ、ヨウリュウと一つに身体を繋げ、思いのままに性交の快楽を貪っていく。苦痛から解放された満面の笑み、幸せに壊れた狂笑には、龍に魅了された証のハートマークが浮かび上がっていた。
「おほおおお! いいぞ! いいぞおお!!」
猛烈な突き上げに穴の締め付けを強くし、魅了された雄の欲望を歓迎する。荒々しい腰の衝撃、肉の棒に身体を貫かれる快感。欲に駆られたスリガの乱暴な責めに、ヨウリュウは歓喜する。
「あはあぁ!? うああぁ……!!」
「いつでもいいぞお!! わしに種を注いでくれい!!!」
最高の一突きで腰を密着させ、スリガの理性は完全な終わりを迎えてしまう。降り注ぐ快楽の放流、心を犯す情欲にスリガの胸が満たされていく。
「あああぁぁぁぁ!? でる!! でるぅ!! んうああああ!? きもちいいいぃぃ……きもちいいよおおおぉぉおおおおお!?」
勢いよく放出した白液と共に自我をも吐き出し、ヨウリュウに捧げていく。愛を渇望し込み上げられた欲望、その解放は至上の幸福をスリガに与え、虜にしていった。
「はあああぁぁ!! ああ────」
「……ふっふっふ」
絶頂、さらにその最高点へとスリガが達した瞬間、ヨウリュウは不気味に微笑み時を止めた。
「わしがも〜っと気持ち良くしてやろう」
最も敏感な状態、果てた直後で停止した雄棒に肉壁を擦り付ける。なだらかに腰を前後させ、卑猥な刺激が、交尾の味が、叩き込まれていく。
「おっきいのう、カラダも、チンポも……」
身体の大きな雄と情を交える悦び、時を止めて弄ぶ愉悦に、ヨウリュウの淫欲はさらに膨れ上がっていく。
「おぬしも、寝てる場合ではないぞ?」
押しつぶされた胸の下からは、充足感に安らぎ気絶した白い獅子が顔を覗かせる。ホワイトは熱苦しくて雄臭い柔らかな胸の圧迫に舌を出したまま破顔し、幸福な眠りへと落ちていた。
「さあ、家族で一つになるんじゃ……!」
何度犯されたかわからない尻穴に龍の竿が突き刺さる。一頻り、邪な熱を放出したヨウリュウは二人と身体を一つに繋げたまま、時を戻し……
「────うああぁ!? ぐあああああぁぁぁあああああ!?!?」
「────……っ!? はあぅ!? うあぁ!? んんあああぁぁ!?」
幸せの門に集う雄たちの精が、弾け飛んだ。
「んふぅ……ご、ご主人様……」
「はぁ……あぁ……パパぁ……パパあ……」
淫らな表情を浮かべ、左右から龍の竿に舌を這わせるスリガとホワイト。双方が気絶するまで続いた果てしない愛を交わす情交のあと、目を覚ました二人は本能の赴くまま、大好きなモノに喰らい付いていた。
「ん〜、二人ともイイ子じゃのう」
くしゃくしゃと撫で回され、二人の心は暖かく卑猥に潤っていく。
「ホ、ホワイトさん……尻尾さわっちゃ、だめぇぇ……」
「スリガさんこそ、さっきから胸を……うぅ……!」
身を寄せ合い、互いの身体を弄り、竿越しの口づけを交わす二人。両者とも、籠絡される前は絶対に見せなかった姿を堂々と晒すようになってしまっていた。
「え……な、なに?」
抱き込まれた二人が淫猥に絡み合う中、双方の肉体に這わせていた腕が突如として輝きだす。一瞬の閃光が過ぎ去った後には、綺麗な腕輪が現れていた。
「ご、ご主人様……これは……?」
「わしからのプレゼントじゃ、嬉しいじゃろう?」
それは、幸せの門を訪れた証と言われていた紫色の腕輪であった。その正体は、ヨウリュウの虜にされた者へと贈られる、家族の印。スリガの当初の目的でもあったが、二人にそのような考えや想いは微塵も残っておらず、ヨウリュウからの贈り物ということだけに悦び、胸を弾ませていた。
「わぁ……! 嬉しい! パパ大好きぃ!!」
「あ、ありがとうございます……! ご主人様、私も……愛しています……!」
感極まって飛び出す、愛の告白。居ても立っても居られなくなった二人はヨウリュウに飛びつき、大きな胸に顔を乗せた。
「ほっほっほ、よかったのう。そんなに喜んでもらえるとこっちも嬉しいわい」
頭を撫で、身体を抱き寄せ、キスを交わす。唾液を混ぜ合いながら交わした視線は、ヨウリュウに心酔しきっていた。
「じゃあ、セックスの続きをしようではないか」
ヨウリュウが大量の白濁液を卑しく放つと、その身に浴びたスリガとホワイトの表情は幸福に染まり、瞳を妖しく輝かせていた。
「ふっふっふ……」
甘やかな笑いを浮かべたヨウリュウは子供たちの肉体を強く抱きしめ、時間を停止させた。
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「……ふむ、まだ無理かのう」
数日後、ヨウリュウは遺跡の外へと手を伸ばし、小さく呟く。突き出した腕は見えない壁にぶつかるかのように静止しており、それ以上前に進ませることはできずにいた。
「まったく、余計なことをしてくれたわい」
遥か昔、自身をこの人里離れた遺跡に封印した者たちのことを思い出す。欲望のままに力を振るうヨウリュウの行動を咎める、かつての人々の姿を。
「まあ、これはこれで楽しいからいいがの、ほっほっほ」
永い時を経て封印を破り、新たに会得した人心を惑わす術。己の魅力で雄たちの心を惑わし、魅了した相手と情を交わす。そして、交わりの中で奪った精を糧に魔力を強めることで、ヨウリュウはかつての自由を取り戻そうとしていた。
「この間のセックスも最高じゃったなあ」
ヨウリュウの狡猾な企みは、順調に事が運ばれていた。幸せの門の噂を流し、噂に釣られた者を誘惑して身も心も奪い、家族としてこちら側へと引き込み、そこからさらに幸せの門の話を広げさせる策略。遺跡から出られないヨウリュウの代わりに新たな獲物を誘き出す計略は、滞りなく進んでしまっていた。
「子供たちはどうしてるかのう」
想いを馳せながら、自身の魔力で作った腕輪をじっと見つめる。その腕輪は、ファンドやスリガやホワイト、幸せの門を訪れた数々の雄たちの腕輪と同一のものであった。
「エッチなことしてるかのう、はっはっは」
家族にされてしまった雄たちの心を大いに沸かせたこの腕輪も、ヨウリュウの策の一つであった。肌身離さず持ち歩かせることで、家族たちにヨウリュウの存在を常に感じさせながら、幸せの門を知らぬ者たちへの話の種として利用させていた。目論見通り腕輪は注目を集め、純粋な魔力で出来たその美しさと精巧さは、幸せの門への興味を唆らせる見事な逸品として、大きな話題となっていた。
雄の冒険者を誘き寄せるための罠として、ヨウリュウとの繋がりを感じさせる宝物として、愛欲に縛りつけるための呪いとして、ヨウリュウの腕輪は十全な効果をもたらしていた。
「ふむ、誰か来たようじゃな?」
遠くの足音に気付き、ヨウリュウは煙とともに姿を消す。新たに家族となる者たちの訪れに心を躍らせながら。
「おお! いっぱいいるのう、愉しみじゃあ……!」
数分後、幸せの門に辿り着いたのは、多種多様な種族の冒険者の集団であった。険しい道のりを協力して乗り越えてきた彼らは、嬉々とした様子で幸せの門へと駆け寄り、遺跡へと足を踏み入れた。しかし、全員が門をくぐった瞬間、時間は停止し、彼らは、世界は、歩みを止められてしまう。
そして彼らも、かつて淫龍と呼ばれた邪な存在の誘惑に、心を奪われていく……
「幸せの門にようこそじゃよ〜、ほっほっほ♡」