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この作品はイーブイ及びその進化系への虐待描写がメインとなっています。苦手な方はブラウザバックすることを強くおすすめします。
作中に存在しない設定、呼称、企業が出てきます。
八割は妄想です。
許容できないタイプの方もブラウザバック推奨。
──────
さて、フードコートに来た。
ダイナー風のネオン看板が少々眩しいハンバーガーショップに、
シックな雰囲気のカロス料理屋、粋な雰囲気の板前さんが佇む店、いろいろある。
店員として働かされているブイズ達。
もちろん食品を扱うのは人間のスタッフさんで、指定の番号のテーブルまで運んでくるのはお利口な鋼ポケモンたち。
ブイズは床を拭いたりテーブルを片したりする。
しかし所詮は四つ足の愛玩動物、手際が悪い。
「ぶいぃ…ぶいっ!」
イーブイが机の上を拭いているが、それはそれは遅い。
お客さんがスタンバってしまっている。
「グオォ……」
「ぶぎゃっ!」
見兼ねたゴロンダがイーブイを突き飛ばしせっせと拭き始める。
こういう所がこいつの頼れるところだ。
スタッフが駆け寄り、
『すいませんお客様!よ〜く言って聞かせますので!』
と言って顔面蒼白のイーブイをバックヤードに引きずって行った。
『いえいえ、こいつが好きでやったことですから…』
と言い切る前にイーブイの悲鳴がコートに響いたのだった…
『手持ちが腹ペコでぶっちゃけイライラしてたんで、お兄さんありがとうございました!』
待っていたトレーナーは名刺をくれた。
こういう交流の場にもなるのか、ブイブイランド……
こんなに手際の悪いイーブイを働かせるのにも意味がある。
まあマヌケで馬鹿なイーブイを見て楽しむため、
そしてスタッフのストレスの捌け口にするためだ。
選び抜かれた精鋭ブイ虐リストが揃っている。
みんな楽しそうだ。
さて、色々あったが空いている席をみつけ、席に着いた。
ゴロンダはハンバーガーが気になるらしい。
店の看板にはナイフとフォークを持って楽しげなイーブイのイラストが。無論、食われるのはイーブイだ。なので、イーブイが喜んでいるのはおかしい…まあ今に始まった話ではないか
食券は各店舗の定番商品をひとつずつか…
この、肉厚ダブルイーブイバーガーを頼もう。
食券を手に列に並ぶ、オープンキッチンになっていて、職人のこだわりが見える。
イーブイ食はあまりメジャーではないが、一部にカルト的な人気がある。
イーブイ食を究めたが受け入れられなかった料理人がこうして活躍していると、前に並んでいたジェントルマンが教えてくれた。
さて、生きたイーブイがその場で解体されていく。
まず目打ちをして固定、
耳と四肢と胴体を分ける。
毛皮を剥ぐ。
もうこの時点でイーブイは息絶えている。
そのままプロセッサーにかけてミンチに加工する。
それを整形したらブイミンチ100パーセントのパティが完成。
見るからに美味しそうだ。私は生唾を飲んだ。
こんがり焼いたバンズとブイミルクで作ったチーズ、レタス、トマト、そして先程のパティを挟めばバーガーの完成だ。
私も番号札を受け取って別の店へ、お次のカロス料理屋ではイーブイのヒレ肉の赤ワイン煮込みと、ニンフィアミルクのジェラートを頼んだ。オリエンタルな装いの部屋ではブイ刺しなるものと、グレイシア肉の冷しゃぶを注文。頼みすぎただろうか?でもまたとない機会だ、ここは頼みたいものを食べよう。
ふと気が付くと辺りが騒がしい。
ある席を囲むようにして人だかりができている。
野次馬根性が働いて、ゴロンダと共に見に行ってしまった。
__ぶちまけられた料理と、頭に麺を被っているなんとも無様な姿で客に押さえつけられるリーフィア。
あれは確か私も頼んだ濃厚ブイ骨スープつけ麺グレイシアしゃぶしゃぶセットだ。
客の片手でイーブイが持ち上げられ、宙ぶらりんになっている。
そして近くにもう1匹……グレイシアだ。
かなり弱っているが。
『___やっぱりおつむが残念なのよ』
『__イーブイの分際で』
『_なんて厚かましいの!?』
ざわめく野次馬仲間の会話を聞き集めると、なるほど。
状況が分かった。
リーフィアとグレイシアはここのポケ奴隷で、床の掃除をしていた。リーフィアはお腹がすいていて、グレイシアと共に盗み食いできる卓を探していた。こいつらは常習犯だったらしい。
そこでこの卓に置かれていたバッグの中からイーブイの助けを求める声を聞き、窃盗ついでに救出しようとした…と。
クレーンゲームの個体だろうか?
ボールを取り出す途中で見つかり、焦ったリーフィアは
テーブルの下にいた、イーブイに頬擦りをするグレイシアに
熱々のつけ汁をぶちまけてしまったと言ったところか?
『お前ら!!!俺の飯になんてことしてくれんだよ!!!あ゛ぁ???』
「ぐ…ぐれぃ……!!!」
「りぃーーーっ!!!りっ!!りふぃっ!!!!」
「ぶゅぅ……」
『ゴロンダ…アイツらなんて言ってんの?』
「グオー……」
「この仔はワタシの弟よ…お願い…返してぇっ……!」
「あたし達は自由になるのっ!!!離しなさいよっ!!」
「おねぇちゃぁん……」
私は大きくため息を着いた。
客はリーフィアを放り投げると
『家で飼ってやるつもりでいたのになァ…』
『ふかふかの布団と美味しいご飯が食べられたんだぞ〜?なァおい、』
と言いイーブイに詰め寄った。
イーブイは自ら手放した幸せな生活を悔やみ震え始めた。
キッ!とグレイシアを睨んでいる。
「ぶやっ!?…きゅう〜ん♡きゅっ!きゅわあっ!♡」
客に媚び始めた。
頭が痛い。イーブイってのはいつもこうだな。
『お姉ちゃんはいいのかよ?』
「ぶいっ!!」
ゴロンダ曰く、知らない!僕は騙されただけなの!とのこと
「ぐ、ぐれっ!!ぐしゃあああァ……ッ!!!」
グレイシアはその場にへたりこんだ。
客はそのままイーブイを持ち上げる
どうやら許して貰えたと思ったらしい。
イーブイの目に光が戻る。
そのまま客は
『あっ、こいつ要らないんで、処分して貰えますか?』
駆けつけたスタッフさんにイーブイを突き返した。
「ぶいいいいいいいいぃっ!!」
イーブイはどこかへ連れていかれた……。
スタッフさんはペコペコしたあと客を別の卓に案内した。
お客さんはにこやかに対応する。
『え?ハナから飼う気なんてねえからさWWW』
……。
人間は怖い生き物です!
さて
ここからはスタッフさんの独断場だ。
雑巾代わりに床を拭かされて
べちょべちょのグレイシアをつかみあげる。
『お前、降格な。』
「ぐ、ぐれぃぃ!!!!」
どうやらこんな仕事でも、ミニゲームの弾になったり、アトラクションに使われるよりはマシだったらしい、グレイシアはこれより上があったのかと言うほど怯えきっている。
『お前も』
「もごもご……り、りぃっ!?」
リーフィアはあんなことがあったにも関わらず目を離した隙にしゃぶしゃぶの肉を盗み食いしていた。
ほんと厚かましいな。
『てかそれ、グレイシア殺して作った肉だけど』
「ぐ、ぐれ、、!?」
「りい〜っ…りげええええぇっ!!!!!!」
リーフィアは肉を吐き戻した。
あー……汚いなあ……
あ、ご飯来たよ。
事の顛末を見守りたかったが冷めてしまうと困るので私達は席に戻った。
『あ、お前うちのゴロンダに何してくれてんだ!!』
「ふぃ゛ぃ゛ぃ゛!?!?!?」
途中で適当なニンフィアにいちゃもんをつけて蹴り飛ばしておいた。
さて、私のゴロンダは肉質の良い高タンパクな昼飯に目を輝かせている。
『食べていいぞ』
「ガルルッ♪」
ハグハグとハンバーグにがっつくゴロンダ。
ヤンチャムの頃の面影があって懐かしさを覚える。
「グゥ!」
『分けてくれるのか!ありがとな!』
ゴロンダの言葉に甘えてひとくち貰う。
美味い!
シェフの処理がうまいのか獣特有の臭みは全く感じない。
代わりにジューシーな旨みが噛むほどに溢れ出てくる!
これは相当痛めつけたに違いない。
淡々とした処理に見えたが、裏でいじめ抜いていたのだろうか。
それとも我々には見えない工夫があるのか。
とにかく美味い!
だがこれはゴロンダのものだ、私にも私の食事がある。
先程ぶちまけられていたのと同じもの、濃厚ブイ骨スープつけ麺グレイシアしゃぶしゃぶセット。
まずしゃぶしゃぶは頂かずに麺だけ、
シンオウ地方で育った逞しい小麦の香りが食欲を唆る……
スープに付けて一気にズルル、と啜る。
う、美味い!!
冷たい麺と熱々のスープで温度が相殺されてちょうど良くなっているので食べやすい。
なんと言ってもこのスープ。
先程のパティでは感じられなかった獣くささがこれでもかと食欲を掻き立てる。
ガラルのワイルドエリアの草原を駆けるウインディと大空を羽ばたくウォーグルの野性味溢れる光景が目に浮かぶようだ。
次に浮かんだのは死屍累々のイーブイ。
一体何匹のイーブイが犠牲になったのか分からないほど濃厚なスープ。イーブイがもたらした絶品の味。
「ぶいぃ!!!、」
「ぶ、ぶぃ…ぶいいいいいいいい!!!!!」
肉食ポケモンがイーブイを食い散らすシーンと、
ずぞぞぞぞ……
私のつけ汁をたっぷりつけた麺をすする様子がリンクする。
あぁ、、、ご馳走様でした。
私は気が付けば麺を間食していた。
次はセットのグレイシアしゃぶしゃぶをいただこう。
とは言ってもグレイシアの肉は長時間の加熱に向いていない。
程よく火の通った肉は冷やされ、透明の器に盛られている。
いわゆる冷しゃぶと言うやつだ。
ぺらぺらな1枚を付属のゴマだれに付けて頂いてみる。
これも中々行けるぞ!
ここは屋内施設だが、やはり夏ということもあって外は太陽の照りつける猛暑日が続いているし、何より順番待ちの時に調理現場の近くにいたので少し暑かったのだが、
グレイシアの肉は味こそイーブイのそれだが、舌に乗せた瞬間ひんやりとした冷たさが感じられ、2、3噛みしただけでとろけて飲み込めるようになってしまう。
ゴロンダにも1口分けてやろう。
私はもう半分食べたので残りは全部彼にあげることにした。
付属の冊子があるのでゴロンダが味わっているうちに読んでおこう。あの、こだわりのお店とかでメニューを頼むと着いてくるミニ本みたいなやつ。美味しい食べ方とか載っているアレだ。
ミアレのお店とか行くと直々にシェフが「本日の食材は××で採れた新鮮な〜……」って伝えに来るヤツみたいな…
___当店のグレイシアは牧場でいっぴきいっぴき丁寧に育て、幸せ順風満帆少し生意気でワガママに育った個体に絶望を味あわせて生産しています。
グレイシア牧場…聞いたことがないが、案内によると高山地帯の寒冷地に位置する牧場らしく、見物目的や食事目的でたくさんのお客も入っているらしい。
ここでなら沢山グレイシア肉が食えるみたいだ。
確かに薄切りにされた肉は市販の他のものと変わらないのにすぐにほぐれてしまい物足りない。
少し値は張るが、さすがセレブ向けの施設で宣伝するだけあって写真に写るグレイシアは肉付きがよく美人だ……。
自分で選んだグレイシアを目の前で調理して丸ごと食べられるらしい。
ここでは出てこないが、グレイシアのもみあげも珍味として食えるのだとか。あの色だからあまり食べる気はしない。
グレイシアのミルクで作るソフトクリームなんかも美味しいらしい。確かにヒンヤリしてそうだ。
牧場と聞くと、産まれたての仔イーブイが母グレイシアの元を離され、グレイシアがひたすら搾乳されるような様が思い浮かぶが、まさにそんな感じなのだろうか。
牧場らしくエサやりとかもできるのかな?
そう思っているとハンサムなハッサムの店員さんがラストの注文品を置いた後、ぺこりと頭を下げてどこかへ去って行った。
イーブイのヒレ肉の赤ワイン煮込みに、
粋なお店で頼んだ、イーブイ刺しと
可愛らしい感じのお店で頼んだニンフィアのミルクジェラートだ。
ヒレ肉の煮込みはカロス料理らしく、ソースで模様が書かれたり、よく分からないハーブが乗っていたりする。
『ぐるるぅ……』
ゴロンダは赤ワイン特有の苦味が苦手だったのか俺に全て食べていいと皿を俺側にずらした。
コイツはヤンチャムの頃からラムのみやチーゴのみのような木の実も苦手だった。こんなにイカつく、大きく育ったのに味覚は昔のままで、少し泣きそうになった。
ゴロンダが1口食べただけのヒレ肉にナイフを差し込み、1口大に切り分け口の中に放り込んだ。
確かに赤ブドウ由来のほのかな苦味を感じる。
だがイーブイの肉汁のジューシーさそれをまろやかにし、
カロス料理の名に相応しい美味さを放っているのがわかる。
ヒレ肉は繊維にそってほろほろと崩れるほど柔らかく、絶妙な加減で煮込まれているのがわかる。
食指が動いて止まない。気が付いたら皿が空になっていた。
非常に満足な1品だった……。
溶けないうちにニンフィアのミルクジェラートを手に取る。
そうそう、やっぱりミルクと言ったらニンフィアだよな。
こっちのイーブイ刺しはゴロンダが物足りないだろうという気遣い半分私の好奇心半分だ。
これは自腹。なかなかいい値段がした。
ゴロンダはどうやら私にイーブイ刺しの1口目を譲ってくれるらしい。昔から優しい子だったが、本当に出来た子だ。
しょうがを溶いた醤油に赤く程よくサシの入ったイーブイ刺しをちょちょいと付けて口に放り込む。
なんだこれは!
絶妙な歯ごたえと柔らかさだ!
噂には聞いていたがこれ程とは…
繊維のお陰でなかなかに噛みごたえがあり、さらに噛めば噛むほど血肉の味が溢れ出て美味くなる!
よく鍛えられたイーブイだったのがわかる。
噂にはよく聞くが、将来いいトレーナーさんとパートナーになる事を夢見て一生懸命トレーニングするよう育てられたイーブイの肉だけある。よく聞くだろ?
イーブイがランニングマシンに乗ってヘトヘトで毛が巻き込まれて窒息死したり、ダンベルで圧死したりする事故。
ああいう事故のリスクを乗り越えてたどり着いたのが
食肉加工ラインなんだから笑える。
「ぶィィ!!!」
「ぴぐゃあ、っ!!!」
歯に力を込めて噛むのと同時にイーブイの短い悲鳴が、生命を蹂躙する感覚が私を興奮させる。
だが私はゴロンダのためにこれを買ったんだ…
それにしても5枚は食べてしまったが、イーブイは比較的安価なためまだ皿の上にはイーブイ刺しが並んでいる。
ゴロンダはニコニコした顔で肉を貪り始めた。
私は最後にニンフィアジェラートを頂こう。
ゴロンダは食べられないヤツだからな。
ニンフィアのジェラートはその名の通りニンフィアの母乳からできている。
ニンフィアの母乳の製品はそれこそベイビィポケモンの栄養分や人間に食べられるのによく買われているが、なにせフェアリータイプのポケモンの分泌物なのでフェアリー4倍のゴロンダには食べられないのだ。
さて、一見するとミルタンクの牧場で買えるそれと大差ないように見えるが、ジェラートの上にはピンクのチョコ…ルビーチョコだっけか?がかかっており、カップとジェラートの間には乾燥させて砂糖漬けにしたニンフィアのリボンふたつとしっぽが差し込まれている。成人男性が持つには少し恥ずかしいが味は間違いないであろう。こういう時、となりにマリルリやプクリンがいると食べやすいんだが施設が施設なので連れてくるのははばかられる。
砂糖漬けとはいえ元は動物の部位だから肉っぽかったり、獣くさかったりするのではと食べたことがない人はよく指摘しがちだが、全然そんなことはなくて、これにもニンフィアを育てるプロが関わっている。
以前1度工場見学に行ったことがあるのだが、その工程の全てが恐ろしく歪で人間のエゴにまみれていて興奮したことを覚えている。
まず、タポルのみだけを用いてニンフィアへと進化させられる。その後は育てる工程に移される。
餌にも大量の砂糖とモモンのみが用いられているが食事は3日に1回、それ以外の時間はドロドロのシロップで満たされた深いプールの中で過ごすことを余儀なくされるのだとか。
栄養状態を悪くさせることで栄養を欲する状態にさせ、シロップをからだに浸透させる。
また、栄養状態が悪ければ目の前に出されるのが甘いだけの塊だろうがなんだろうが必死にがっついてくれる。それが脱水を加速されるとは知らずに。
また肉付きも悪くなるので肉特有のぶよぶよ感や味も最小限に抑えることができるのだ。
そんな育て方をしていたらニンフィアたちは死んでしまわないか?限界が来るのでは?と思う人もいるだろうがそこは大丈夫。
その歪な進化方法からニンフィア達は愛情というものに飢えており、一見優しい風貌の飼育員に褒めてもらおう、愛してもらおうと必死になるため、毎日を生き延び、耐え抜くことができるのだ。
その意識を持たせるために新入りは先にシロップ漬けにされていた、誰よりも長くシロップに潜っていたニンフィアをほめちぎり、ゴム手袋ごしにだが撫でられる様子をここぞとばかりに見せられるのだ。
また、1日に1匹だけ、1番頑張っていたニンフィアを褒めることにしており、その制度のお陰でみな嫌がるどころか率先して苦しみにいっている。
耐えきれなくなってきた個体から"卒業"させる。
言わばそれは出荷のために加工ラインに送られることを指すのだが、ニンフィアたちはそれを待ちわびている。
この訓練に耐えれば優しくて強いトレーナーさんの所で楽しく暮らせるよ、と教えこんでいるのだ。
勿論ビデオを流し続け、半ば強制的に思い込ませることも忘れない。スクリーンの向こう側では幸せに暮らすニンフィアの映像が絶えず流れている。
「にぃ〜♡」
『よしよぉーし!お前は本当にいい子だなぁ!』
「にふぃ〜〜っ!♡」
……
もちろんこれも会社が用意したもので、ニンフィアを愛でているこの男性も演技の経験がある社員に過ぎないのだが、
ニンフィアたちはこれを信じ、支えにして地獄の責め苦に耐えるのだ。
「に…にぃっ…ゴポポ……」
耐えきれずシロップの海に沈み、動かなくなる者。
「にふぃ…ふぃっ……ふぃぃ……」
そんな仲間を見て青ざめ、必死で犬かきをする者。
「にぃっ!!にぃ〜♫」
へばる同族を見て、優越感に浸り自信満々に泳ぎ続けるタフな者。
そのモーションは実にそれぞれで、工場見学の際に立ち止まってまじまじと観察する人も多かった記憶がある。
かくいう私もそうだった。
そうして責め苦から解放されたニンフィアは有用な触覚や耳や尻尾を乾燥させ販売するためにちぎり取られる。
その後の行き先は運にもよるが、一様にビデオに映るような幸せな結果は得ることができないだろう。
まず5割ほどは食肉として解体され、各ご家庭でカレーに入れられたりなどする。分厚い箇所である肉にもほのかな甘みがあり、
シロップにより柔らかくなっているので売れ行きは上々だ。
手足は鳥ポケモンの手羽先や手羽元のような使い方ができるらしい。
また、活きのいい個体は凶暴なポケモンのための生き餌として出荷される。手足や触覚がないので抵抗もできず、たねポケモンでも安心して食べられるが、これは一般には流通しておらず、
ポケモンセンターでドクターの診断書を得て初めて入手することが多い。モノズ系統やタツベイ系統、バンギラスなどが、人のポケモンになった結果、血肉に飢え荒れることがあるため、それに対して処方される。
少数ではあるが、高名な人物や業者からオーダーが入り、
耳やしっぽを残し手足だけを切り取った愛玩用ニンフィアとして売りに出されることもある。
少数なのはそもそもメス限定という指定があるなどするからだ。
まあ何に使われるかは嫌でも察せるが。
それでも余らされるメスのニンフィアもいる。
言わずもがなイーブイ出産用のメス兼、母乳採取用のメスとしてだ。このジェラートもそこから作られたものと、牧場でのびのびと育ったニンフィアのものをブレンドしているらしい。
耳もしっぽもリボンもないつるっぱげのニンフィアを見せて貰えたのだが、なかなかに面白かった。
その媚びた見た目がイーブイ顔負けのシンプルさに変わっていることもさることながら、みな絶望や苦悶の表情を浮かべるのだ。
そんなニンフィアの砂糖漬けはニッチな食品の専門店や珍しい機会にしか店頭に並ばず、その存在を知るものは少ない。
それについて企業は、品質を落とさないことで今のお客様を失わないことを優先した結果だとしているが、実を言うともっと食べられる機会が欲しいというのが本音なので、
ここでジェラートとして食べられるのはラッキーだ。
まあ甘すぎて1度食べたら暫くはいいやと思うのが定石だが…
さて、フードコートもお昼真っ只中になってかなり混みあってきた。
ゴロンダも質のいい生肉を食べられて満足しているようだし、
そろそろ離席するか。
あちらこちらでは働かされているブイズのへばる声や、暴力を受けて叫ぶ声が上がっている。
非常に愉快な場になりつつあるので離れるのは惜しいが、私達はまだ行っていないエリアへと移動することにした。
カタカタと震えるイーブイの入ったボールが手元にあることを確認して、先程のようなトラブルが起こらないようにバックの奥底へしまいこんだ。
「しゃわあああああっ!!!!!」
途中、要領悪く掃除用具を運ぶシャワーズがいたので
しっぽを踏みつけて転倒させておいた。
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