【タイバニ】 無題 【未完】

  [chapter:あてんしょん]

  

  唐突に始まって、未完のまま放置が勿体無くてUPです。

  凄く中途半端。

  一応、虎さん愛され傾向。

  

  章タイトルは「不在証明 (http://fluid.hiho.jp/ap/)」様よりお借りしました。

  

  

  171 「難しい、ね。生きることは、難しい。でも、きれいだ」(きれいごと、だ)

  172 躊躇うな、破壊しろ、完膚なきまでに

  173 深く埋めてね、誰にも見つからないように

  174 最近は自分を追い詰めてばかりいるよ、もうそれしかやることがないみたいなんだ

  175 「ご注文をどうぞ」「君を一人、テイクアウトで」

  

  

  

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  [chapter:「難しい、ね。生きることは、難しい。でも、きれいだ」(きれいごと、だ)]

  

  

  

  口癖ではないと思う、何回聞いたかと思い返して数回程度と思う。

  自分の記憶力を褒めるべきなのか、それとも唐突に聞いてしまった言葉が衝撃的過ぎて刻み込まれたとでもいうのか。

  問いただそうにも現在失踪中扱いとなっている僕のバディ、相棒であるワイルドタイガーは何処に居るのかも消息がつかめないのだ。

  時を同じようにしてヘリオスエナジーの看板ヒーローも姿を消した、会社を次期社長に譲渡した直後だったらしい、というのはヘリオスエナジーの基盤が揺らいでいないからに他ならない。

  クロノスフーズ所属のロックバイソンは古参仲間の失踪に困惑することなく、社長に直接詫びを入れた後から足取りがまったく掴めないという。

  PDAの電源が入ってないのか、所在地はわからずじまい。

  

  「綺麗事ばかり求められたら息が詰ってしまうさ」

  「スカイハイ?」

  「体裁ばかり整えられて、世間の人の目にうつる自分のかっこうが…自分の中のナニカとズレが生じてしまったんだろうね」

  「何か知ってるの?スカイハイ」

  「君達が望むことは何一つ知らないよ、知らないが、ヒーローとしての有り方を考えたら私のデビュー時と今も雲泥の差だからね。ワイルド君は人一倍感じていたんじゃないかな」

  「新しいことは、変わっていくことは、悪いことではない。ただ。とてもとても難しい。生きていくこともすべて」

  

  意味深な言葉を残したのを最後に、スカイハイはそれ以降沈黙を続けている。

  ただ、何時気まぐれを起こして飛んでいったまま消えてしまうかという危険な予感が拭えない。

  人数の減った状態でも事件は待ってくれない。

  二部所属ヒーローのサポートが功を奏する状態で、なんとかなりつつあった。

  

  

  「此処ってこんなに寂しい場所だったんだね」

  「そうね、居なくなった人の気配って言うか…捜しちゃうもの」

  「ご無事で居られると良いのでござるが」

  「おじさんが簡単にくたばるはずがありませんよ、それにしても静か過ぎますね。慣れれば良いだけなんでしょうが」

  

  慰めにもならない言葉は、それこそ綺麗事であった。

  

  

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  [chapter:躊躇うな、破壊しろ、完膚なきまでに]

  

  

  

  

  「何処行くの」

  「一寸其処まで?」

  「疑問系で答えないで、アンタはまだペッドに居なきゃならないってのに」

  「そんな事を言ったって、俺じゃねぇと対処できねーし」

  「確かに俺の能力では守備一環だがな、使い方によっては潰せるぞ」

  「突っ込んでくだけしか出来ないって時点で一人じゃ無理があるって事に気付けよ、壊すのは俺の専売特許だ」

  「単独は認めないわよ」

  「俺一人で十分と思ってたのに、なんでお前らまでくるかなぁ…」

  「一人で美味しいところを全部やろうってのが気に入らないのよ」

  「水臭いことを言わずに相談ぐらいしろ」

  

  薄暗く狭いアパートの一室、各自が黒で統一された服装にコートという装い。

  顔を半分隠すマスクも、黒一色。

  

  「もう一人増えるかもしれないわね」

  「三人でもギリだと思うが」

  「増えないことを願うさ、アイツは躊躇うだろ」

  「そうかしら?」

  「ま、なった時に考えれば良いだろ」

  

  躊躇したら、それが最後の瞬間だ。

  だから、生きるために破壊し続けるしかない。

  粉々にしてしまわなければ、再生の可能性があった。

  

  

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  [chapter:深く埋めてね、誰にも見つからないように]

  

  

  恒例となりつつある場所で黙祷し、時間を守るように其処を目指す。

  取り決めなどあってないような、だが何時の間にか決められたように変化していた。

  乾いた音が響く。

  開始の合図なのか、薬莢の音なのか。

  殺意の奔流が襲い掛かる。

  

  「無理は禁物よ?」

  「何を今更」

  「派手にやりすぎると現役ヒーローが呼ばれるぞ」

  「呼ばねーよ、この辺はシュテルンビルドエリアギリギリすぎて目が届いてない。忘れられた場所だからなっ」

  「困ったことよねぇ」

  

  攻撃に威嚇に防御と急がしいったらありゃしない、と。ネイサンは攻撃を避けながらも炎を操る、回数を重ねるごとに彼らは狡猾になっているようだ。もっとも彼らを統括している相手になど会ったことはない、会えるとも思わないが。ここまで自分達で考え行動している、人工的な軍隊、しかも統率が取れる、彼らが何故に人間に反旗を掲げたか。

  解らないことだらけの中で唯一つ無確かな事は、愛すべき馬鹿が何も言わずに矜持であったはずのヒーローをほったらかして…失踪という果てでこんなことをしているという事実。

  

  「ファイヤーっ!」

  「牛、左っ!!」

  「虎、てめぇは背後だろっ」

  

  グシャリと鉄が凹む、それを確認し虎徹はそのまま銃口を合わせてぶっ放す。

  外見骨格だけは人に似せられたらしい、だが機械が剥き出しの接続部を狙えば停止させられた。

  停止してしまえば壊すのは容易い、ただその基準は自分達の基準であって一般的な基準とはかけ離れている。

  アントニオが硬化させた体で特攻すれば、機械の廃材が出来上がる。

  ネイサンの炎はその気になれば全てを溶かす。

  

  「丁度いいフィールドよね。此処」

  「出来ることを最善で選んだだけだ、気にするな」

  「勿体無いほどの連中だよな、お前ら」

  

  

  

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  [chapter:最近は自分を追い詰めてばかりいるよ、もうそれしかやることがないみたいなんだ]

  

  

  

  何時から。

  何時から。

  こんなに、思うように出来ないのか。

  息苦しい気がする。

  空気が常に張り詰めているなんて、どこかで何かが起っているということ。

  パトロールの最中にくまなく捜すがそれらしい形跡も見当たらない。

  だが。

  ターニングポイントとしてあげるのならば、ワイルド君が失踪する直前が一番不穏だった。そして、ワイルド君が失踪して少しした頃に空気が変わった。吹き溜まりが取り払われたとでも表現すべきか、多分、ワイルド君が何か行動した結果なのだと気付いたころにはファイアー君もバイソン君も姿を消していた。年少組に振り分けられるキッド君にローズ君は意味がわからないと困惑しきっていたが流石に折紙君は顔をしかめた程度、もっと問題だったのがヒーロー暦の浅いバーナビー君だったという事で。

  

  「ワイルド君」

  

  何処にも、君が居ない。

  ワイルド君だけではない、バイソン君もファイアー君も居ない。

  引退とかそういった事ではなく、何処かへ姿を消してしまった人たち。

  

  何も言わずに何も告げずに消えたということは、それだけヤバイ事に巻き込まれたか…彼の場合は多分知っててもなお突っ込んでいってしまう、率先して魁る。先陣を切るのだと表現したのは折紙君だ、いつからあんなスタイルになったのかと考えても私のデビュー当時からあんな感じだった気がする。

  

  「君との約束は果たせそうに無いよ」

  

  こんなにも寂しいなんて、耐えられそうにない。

  弱い人間だと、自覚した。

  

  

  

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  [chapter:「ご注文をどうぞ」「君を一人、テイクアウトで」]

  

  

  

  待ち合わせをしたわけではない。

  むしろ、一方的にでも取り付けてしまいたいぐらいだが。

  生憎、連絡手段が無い。

  唐突に一方的に、此方の都合をお構い無しで多額の現金と共に届いたのは三行書かれただけの手紙。

  それに憤慨して連絡を取ろうとして解約されていたことにはじめて気付いた。

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  飽きた…。

  多分、空虎にしようとしてた産物だと思います。