【タイバニ】ホワイトデー【虎龍?龍虎?】
何が喜ぶか、考えてみた。
何時も彼女が食べているものは、中華まんが多い。
他にも色々食べているのは知っている、バランス良くとは言えないけれども。
「素人でも美味しく出来るかねぇ…」
腹持ちが良くて野菜たっぷりのものを作って驚かすかと、手を止めたページを見て虎徹は笑った。
とりあえず材料をこねて発酵させて、具を包んで蒸す。
簡単に言えばその展開。
難点もあるのだが、出来てから考えるか。
まずはやってみるのみ。
腕まくりをし、気合を入れた。
何度か作って味見して、生地に慣れたら具の研究。
研究といっても組み合わせで多種あるだろう中から料理の本を参考にしつつアレンジして、味を確かめつつ仕上げる。
「ん、これでいっか」
具は野菜中心にたっぷりと、肉無しで美味いといわせてやる。
バターを使えばジューシーになるし?
一応、数があればいいのか??
んー…マシュマロって簡単に出来たっけ??
マシュマロは卵白に砂糖にゼラチンに水か、ん~材料有るし、冷やすのに数時間かかるだけだな、最初の作業も10分強ぐらいでなんとかなるか?アレンジ色々あるなぁ…。ジャムの使いきり残ってたはず…。
メレンゲ命だな、マシュマロは。
「口に合うといいんだが」
舌が肥えてるからな、パオリンも他の連中も。
おじさんの頑張りは報われるのかねぇ?
ああそれよりも、当日会えるのか??
期待して待っているイメージあるなぁ、特にパオリンが。
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トレーニングセンターの簡易キッチンにて、蒸かしたものを皿に載せて差し出した。
きょとんとして、蒸かしたての匂いに目が輝いてキラッキラ、見えない尻尾がブンブン振られる…それはキースだけだと思ってたんだがな。
「熱いから気をつけろよ」
「ねぇ、これって…」
「ん?おじさんからのお返しに特製中華まんだ、特別バージョン」
「ホワイトデーっ???」
「おう」
「食べていい??」
「火傷するなよ」
うん、と頷いて。
勿体無いけどと巨大中華まんを両手で持って(大きさにして約30㎝)勢い良くかぶりついた、じゅわぁっと口の中に広がる味に感激のあまり体が震えてしまう。
「美味しいっ!!こんな美味しいの初めて食べたっ!!」
美味しい美味しいと連呼しながら笑顔でむしゃむしゃ食べるパオリンに、ハムスターみたいだなぁと失礼な事を考えつつ。
「他のヤツには小さいのを蒸してるから待ってなさい」
羨ましそうな視線を向ける奴らに待機を言い渡し、キッチンに戻っていった。
大食漢であっても味に煩いパオリンが絶賛するのだから、本当に美味しいのだろうと期待しつつ。
「タイガー、おかわりっ!!」
「キッドの分の中華まんはあれでお終い、これでも食べとけ」
「むぐ」
「…アンタ、良く作ったわね」
「野菜たっぷり入ってるぞ、何種類入れた?」
「え?手作りなの??」
「って、パオリン殿が食べてるのマシュマロですか」
「味が色々あって美味しい!!!」
「お前らの分はこっちだっての、喧嘩するなよ。パオリンの分はそれだからな」
色とりどりのマシュマロは、口に入れたとたんに溶けてしまって。
勿体無いと思いつつ、何時の間にか争奪戦が勃発。
「折紙さん、前回のお礼におすそ分け」
「あ、ありがとうでござる」
「美味しいよねっ」
「本当に」
「中華まんの具はほうれん草、キャベツ、筍、椎茸、人参、とうもろこし、グリーンピースであってるかぃ?」
「捜したのかよ、キース」
「美味しい美味しいとも」
「なんで僕専用も作ってくれなかったんですか、おじさん」
「キッド以外はオマケ感覚なんだよ、特に男はな」
恥ずかしくてもタイガーに一ヶ月前渡しとくんだったぁっ!!と氷の女王が悔しがってる姿をバーナビーが目撃していた。
「ねぇタイガー、ボクとタイガーってお友達なの?」
「…贈られる意味まで調べたのか」
「うん、気になったんだもん。ああでも中華まんは載ってなかった」
「気持ちなんだけどなぁ、要するに。後は都市伝説じみてて御菓子メーカーの戦略混じってたりするし」
「そなの?」
「バレンタインは異国発祥だけどホワイトデーは日本発祥だからなぁ…確か」
「なら。飴も欲しいの」
「・・・・・・・・・・・おじさんはオデッセウスのお偉いさんに怒られたくないんだけど」
「何時もの、何時もので良いから今日頂戴!!」
粘り勝ちで飴を貰ったパオリン、疲れきった虎徹の様子をネイサンが見ていて。
あの子はやるわねぇと、感心していた。