【企画】 ワンフレーズ物語 空虎&折虎&牛虎 短編
[chapter:ご注意]
一応、ワンクッション。
現在は空虎、折虎、牛虎。
残す予定は兎虎…書けるか?
※牛虎は、兎が酷いというか、アポロンメディアの虎の扱いが…という話。
なので、要注意。兎ファンモブも過激になってる…よね。
大切なのでもう一度、なぜか過激になりました…御免、虎。
増やすたびに変更していきます。
仕様しているフレーズとアーティストは下記。
無いとは思いますが、曲名等のタグはお控え下さい。
2P 空虎 君が好きだと叫びたい BAAD [jump:2]
3P 折虎 英雄 doa [jump:3]
4P 牛虎 CALL ME 吉井和哉 [jump:4]
5P 後書き [jump:5]
6P
[newpage]
※空→虎なのか、空+虎なのか不明。
言いたい。
言いたい。
伝えたくてたまらないのに、状況が許されない。
彼が独りになる、その時間が見つからなくて。
何時も何かと文句をつけながら、バディである新人が付いて回ってる。
世間一般には、彼が新人の後ろをついてると思うだろうが。
生憎、自分にはそう思えない。
その証拠に。
ふとした瞬間に、新人君は捜しているのだ。
無意識かもしれないが、彼の存在を。
まるで迷子の子供だ。
彼を見つけてホッとする、その瞬間に瞳に宿る感情は安堵なのか。
一瞬の事だけど気付いている者は多い、その中に当然ながら彼も含まれてて。
元々、人の目がある場所では大きく動かない。
人目を忍んでコツコツやる人だから、新人君にはだらけきった面しか見せてないだろう。
見えるものが全てじゃないと、気付くのだろうか。
気付かせるのかもしれない。
彼は、壊し屋だから。
色んなものを壊す。
良くも悪くも変えていってしまう。
自分も随分、彼に影響された。
ここに集まるメンバーで影響されなかった者は居るのだろうか?
「ワイルド君」
こっそり、注意して。
近寄ったら、彼は器用に片目を開けた。
まどろみかけていたなら、起こしてしまったかもしれない。
ベンチで横になっているワイルド君は、普段と変わらないように見えるけど。
「どうした、キース」
なんかあったのか?
「伝えたいというか、話したいというか、叫びたいというか…」
まとまらないのだ、が。
何か、言いたくて。
珍しくももごもごしているキースに、なんだかなぁと思いつつ。
むくりと、体を起こす。
視線が若干輝いたぞ、お前。
「それ、俺に?」
「勿論、ワイルド君に」
「此処で?」
「此処じゃないとワイルド君が捕まらないんだ、パトロール中は目立ってしまう」
「・・・何を言いたいんだ、キース」
周囲の視線というか、空気が痛い。
耳がダンボだよな、お前ら。
目立つだろうけどよぉっ!!
「言って良いのかぃ?」
「おじさんで良きゃ聞くぞ、悩みか?」
「違う、違うよ、ワイルド君。悩みかもしれないが」
「?」
[chapter:「君が好きだと叫びたい」]
んだよ。
キースの発した言葉は、はっきりと響き渡った。
ただし、叫ぶまでの音域ではなかったが。
この室内を響き渡るには十分で。
「…お前、真顔で言うことがそれってどうよ…」
おじさん、今なら恥ずかしくって溶ける自信あるよ。
「ああならば、夜空のデートでもう一度しても良いかな?」
今のは無しということで、もう一度。
にこにこと提案するキースに、あらまぁと関心するのはネイサンで。
後は石化したように、誰も動けない。
ぷるぷる震えた兎がダッシュするまで、カウント開始。
[newpage]
折→虎
注意 虎徹は帰郷してます
息って、どうやるのか。
わからなくなる、おかしいな。
このままじゃ、足手まといだ。
最強タッグが居なくなって、居なくなったから弱体化したとか言われたくない。
タイガーさんとバーナビーさんを罵られるのも、馬鹿にされるのも嫌で。
格好つけたいとか。
ポイントとか。
ランキングとか。
気にならないといったら嘘だ、嘘になる。
スポンサーに申し訳ないと思いつつも、出来ることを年数と一緒に増やしていって。
いつか。
いつかきっと。
あの人は、此処に帰ってくる。
帰ってくるに決まってる、根っからのヒーローなんだから。
遠い遠い場所に行ってしまった人。
帰郷なのだろう。
実家に帰られて、何をなさっているのか。
手持ち無沙汰になっていなければいい。
器用そうに見えて不器用で、熱くて、お茶目で。
尊敬してますと、以前伝えたら。
困ったような視線が帰ってきて、自分が驚いた。
「イワン、俺はただ走り続けてただけさ」
「・・・」
「結果的に『正義の壊し屋』とか呼ばれる、そういう存在に位置づけられてる」
「・・・で、ですが」
「?」
「拙者には虎徹殿が全身全霊を注いで、現場で動かれているのを承知しております。壊さなければ、被害が広まる
のでござらんか。たまたま虎徹殿が率先してその役目を請け負ったように思われまする」
歯を食いしばって、精一杯の事をやりきって。
それでも、吼えて。
雄たけびをあげつつも、立ち向かっていく。
燃え盛る炎の中に、崩れそうなビルの中、爆弾が何時爆発するのかもわからない場所にすら。
先陣を切って、捨て身のように突進するから。
「拙者の目標はタイガー殿なのでござる、それだけは許していただきたい」
「・・・許すも何も無いが、あんまお勧めしないぞ」
「ご当人ではわからぬことでござる、お構いなく。それよりも先日の怪我は治りましたか?」
「なんでお前にはバレるんだろうね、おじさんは不思議だよ」
「見切れますから」
「本当にお前は凄いヤツなんだから、自分を見下す必要ないからな」
ぽんぽん、と。
頭を撫でてくれる。
それが、たまらなく好きで。
嬉しくて。
自分だけではなかった、虎徹殿に頭を撫でられるのはされる方からしたら嬉しいこと。
唯一、バーナビーさんが少し不服そうで。
彼の場合、頭ではなくて別の場所がいいらしいが。
中々言えずに進展しないまま、どうなったのか。
格好良く、見た目もよく。
洗練されて、見る側の求めるままに演じる。
それは、ヒーローのすべきことなのか。
スポンサーあっての、ヒーローシステムだが。
難しいことを悟られること無く、考えていられた人で。
空気のような人だった。
呼吸が、息が、あわない。
人数が減ったというより、呼吸が合わない。
現場の司令塔が不在なのだ。
だからといって、失敗は命取り。
神経を研ぎ済まして、感覚を溶かして。
瞑想も座禅も、心を強くするには必然。
代わりなんて誰にも出来ない、代理も重たい。
重たいけど、それでも。
拙者は、拙者の志を貫きたい。
目指すヒーローは、ヒーローの中のヒーロー。
ワイルドタイガーのような経験も実力もまだまだ無いけれど、それでも。
貴方が褒めてくれた、能力だから。
自信を持てと、言ってくれたから。
[chapter:『男なら、誰かの為に強くなれ』]
いつか。
いつか。
タイガーさんが復帰したときに。
僕は、頼れる男になっていたい。
いっぱい助けてもらった、いっぱい教えてもらってた。
その背中を、追いかけることしか出来なかった。
だから。
せめて、隣を歩いてみたい。
貴方の前は、絶対に追い抜かれてしまうと思うから。
不順な動機も願いも、貫けば真になる。
自分の、自分なりの、覚悟を。
[newpage]
・牛虎
要注意 兎ファンが過激行動してます、虎がそれで傷ついて…怪我から…うん。
兎の扱いも相変わらず酷いんで、どうしてかなぁ…多分好きなんだけど…。
アポメディアは虎に厳しめ、例外は妖精と事務所の女史(?)。
捏造満載。
高校時代からの付き合いで、当時は喧嘩仲間だった。
それ以前の事はあまり知らない、大体の予想は付くが。
ネクスト差別が激しかった…初期の頃ではないと言えども現在より過激で酷い者だったから。
持っていた能力によっても、待遇というかは違っただろう。
扱われ方とでも言うのか。
だからなのか。
アイツは誰にも助けを求めない、求めるという事さえ知らない。
何処かに置き忘れたみたいに。
バケモノ呼ばわりも、畏怖や恐怖の対象にも晒されてきたが。
比べてどうするわけでもないが、本当に苦労しまくってる、お前は。
一時の安らぎみたいに、それまでの不幸を清算出来るかに見えた家庭…トモエさんとの生活も、愛娘が四つの
時に消え去った。
不公平だな、神様ってヤツは。
コイツを見ると、そう思わざるを得ない。
最近は立ち直ってきた風に周囲には見えるらしいが、どこが。
肝心の部分を厳重に、必要以上に隠して見せまいとして。
笑ってる。
その顔が、一番の防御というか、壁なのだと。
態度すら、積み重ねで覚えた処世術なのだと。
自分のほかには、ああ、ネイサンが気付いていたか。
頼むから俺の尻を揉むのはやめろ。
自然でさり気ないって、なんだォイ。
俺の尻は俺のだっ!!
「…一人で百面相してんなら、あっちいけよ」
「したくてしてんじゃねーよ…」
「何を思ってたんだ?」
「思い出したくもねぇっ」
「…ネイサン絡みか、今日は来れないんだろ」
「会社の接待だ、助かった」
「お前は必ず揉まれてるもんなぁ、その気あんの?」
「あるわけないだろ」
良い奴で、頼れる相手なのはわかっているが。
問題のネイサンは、仕事仲間は、何故かいつも俺の尻を絶賛する。
長いよなぁ、これも。
って、当初は。
お前狙いだったぞ、ネイサンは。
知ってるのか微妙だが。
「なんかあったのか」
飲み方というか、違和感。
何時もと違う、今日は現場で居合わせたときから引っかかっていた。
何故誰も気付かない?
気付かせないのはわかるが…。
「んー。昨日かなぁ、バニーちゃんが怪我しちゃって…俺の所為だってしこたま怒られて、今朝届いた手紙が全部
嫌がらせというかアンチ的なもんで…」
疲れるわ、流石に。
何やってんだろ、俺…ってぐらいに。
「…指の怪我とかは?」
通常、ヒーローとしての活動時には指先を怪我することは無い。
無いとは言えないが、部分的な切り傷は無いはず。
ヒーロースーツが全身を覆っている現在のタイプなら、尚更。
そして、仕事も書類作成やその他といってもアポロンメディアはPCのはずで。
嫌な予感しかしない。
危険なものがはいってないか、チェックされるはずだ。
そういうところはしっかりされている…バーナビーに関しては、でも。
「あー、お前ならわかるっけ?不幸の手紙とか、手紙開けたらカミソリとか」
「・・・それで、か」
「同じ部屋で働いてる女史が驚いて、慌てて処置してくれたんだけど。バニーちゃんに呆れられてさ」
「・・・」
「念のため医療室行ったけど、白い目が怖くて、情けなくって技術者のとこに行ってやってもらった。なんてのか
な、世間もそうだけどあそこも…大事なのはバニーちゃんなんだよな。俺は邪魔みたいで」
弱音なんか、滅多にはかない。
むしろ、絶対に見せない奴が。
すっかり弱っていた、酒の所為ではない。
酒の勢いで零すとしても、重症だ。
「不自由だろうが」
「んー…慣れるもんだよな」
「慣れるな、そんなこと」
「んな事いったって、しかたねぇじゃん。所詮其の場の引き立て役なんだしさ」
「お前とりあえず、もう呑むの止めとけ」
「ちぇっ、ケチ」
「ケチで良い、痛みが増すだろ」
素直に取り上げられた所を見ると、当たっているらしい。
眠たいのだろうか、珍しいな。
まぁ、飲まなければやっていられないのだろう。
多分過去からのワースト上位に入る勢いだ、ただし、自分が知る範囲内で。
「アントン」
「あ?」
「俺、眠たい」
「をい」
「眠すぎておかしい、変だ。だから・・・・も・・・・・・」
言いたい事を言って潰れたようにそのまま眠った虎徹。
長くやってると色んなことが当然のように起こって、それに対処していくしかない。
時間は待ってくれない、人の命が消えるのも。
唐突に突きつけられる終わり、を。
事態を幾つ、生きている中で越えていけばいいのか。
飲みかけのグラスを揺らして考え込んでいたら、馴染みのバーテンダーがしきりに虎徹を気にしていた。
何事かと見直し、ギョッとする。
息が浅く速い、寝るにはおかしい呼吸だ。
「此処でじゃねぇ。悪いが…」
無理を言って氷を多めにもらい、患部だろう箇所に当てる。
ずれないように、借りたタオルで縛って。
その後、俺は虎徹を背負って慌てたように駆けつけたタクシーに飛び乗って。
緊急を有すると判断した運転手は。出来うる限りの最短距離を制限速度ギリギリですっ飛ばしてくれた。
釣りはいらないと札を押し付け、もはや呼吸のおかしい虎徹に意識は無く。
直感のままに、ジャスティスタワーの医療室に居るドクターの下へ急いだ。
公になることは望まないだろう、なったらもみ消すのに会社が躍起になってコイツがまた叱られる。
叱られるというか、嫌味を言われるのだろう。
でなければ、もっとちゃんとした処置をしているはず。
してもらうはずなのだ。
多分。
この勘は外れない。
虎徹に関しては、はずしたことが無い。
唯一の自慢だ。
時間も時間なら、飛び込んだ俺の様子に慌てただろうが。
背負われてグッタリしてる虎徹を見て、ドクターは一瞬にして表情を険しくした。
入り口近くの壁に背を預け、ただ黙って処置を眺めていたら。
CALL音が鳴り響いた。
タイミングが良いのか、悪いのか。
「そいつ、頼みます」
「わかっとる、怪我なんてするんじゃないよ。とてもお前達に回す時間は数時間経たなきゃ無いからな」
「ああ」
廊下に出て鳴り続ける回線を開いた、鬼のように怒ったアニエスの姿。
何か言ってる、言っているが。
よく聞き取れない、ああ、虎徹の事を言わないと。
彼女に言えば多分、バーナビーにもアポロンメディアにも伝わる。
『バイソン、聞いてるの??』
「・・・すまん、今から動く。後、タイガーは無理だ」
『は?通じないけど、アイツが来ないはず無いじゃない』
言うことが、告げることが恐ろしい。
実際に此処にアイツを運んだのは、自分なのに。
苦笑が漏れるが、ちまちましてる余裕はない。
「意識不明でジャスティスタワー内の医務室でドクターが対応してる」
『・・・待って、それ』
「時間が時間だ、ドラゴンキッドやブルーローズは無理なんだろう。俺も急ぐ」
『ねぇ、本当に』
「会社側は知らないだろう、バディもな。聞かれたら俺の名を出して後回しにしてくれ」
必要な事は最低限伝えた、有能な彼女は判断を間違うことはない。
廊下を走って玄関を目指す、一刻の猶予もない。
それでなくとも、集まれるメンバーが少ないのは痛手だろう。
規模が拡大したら、手に負えなくなる。
けたたましく鳴るCALLに今度は予想通り、虎徹のバディからだ。
個人的な恨みは無いが、長年のダチが関われば別だ。
回線を開くと同時に怒鳴りつける。
「時間が無いんだ、知りたかったらとっとと事件解決してジャスティスタワーに来れば良い」
『・・・』
「容態を聞く前に呼び出しだ、くれぐれも怪我をするなとよ。ドクターが暇じゃないと言ってた」
『・・・そうですね、お忙しいところすみません。バイソン先輩』
ちらっと見ただけだったが、信じて無さそうだ。
余計にイラつく、こんな私怨というかは邪魔にしかならない。
お前も負けるんじゃねーぞ、虎徹。
アントニオは感情を無理に切り替えた。
■■■■
長引きそうだった事件は、窃盗の集団。
それも、全員がネクストだったこともあって。
かなり長引いたが、分散した後にとある切欠が共通のように事態を終焉させた。
そう、ライトグリーンの光を中継スタッフも見ていたから。
俺達には聞きなれた声とか体の一部までも、見えてた。
どんなに其の場で怒鳴ろうとしたか、抑えるのに疲れた。
が。
問題はその後。
この出動時に不在が急遽告げられたタイガー、虎徹の事に関して。
ヒーローインタビューは無しということで。
それぞれ、個別にジャスティスタワーに向かった。
再度集合したのは、今回は時間帯により出動してないドラゴンキッドとブルーローズ以外。
「…タイガーは無事なの?」
「さぁ…ドクターに見せて処置が始まった途端に呼び出しだった」
「何故此処を選んだんだい、バイソン君」
「近かったというよりも、勘さ。普通の病院じゃ説明がな」
「それは、そういう理由なんですか?」
「…」
「アポロンメディアにも連絡は行っただろうが、アイツが何時ものバーで飲んでて良かった…自宅でこの状態に
なったら誰も気付かないぞ」
「原因は…」
「思い当たることは無いの?ハンサム」
「…すみません、僕には何も」
小声で話しながら辿り着いた、ドクターの部屋。
すっかり静まった其処が、戦場となっていたなんて誰も想像できない。
「遅行性の毒物が検出されたよ…よくぞ此処に運んだ、バイソン」
「特定、出来たのか」
「まだだ、だが現物が残っていれば別だ。アポロンメディアには連絡したが、あちらも困惑してる。聞いてない
か?」
「………」
知っていてる、原因がどれかは。
ただ、保管されているかは知らんが。
「バイソン先輩、僕に構わずどうぞ。タイガー先輩は僕にいえなくても貴方になら言えるんでしょう」
「ハンサム!」
「バーナビー君っ!!」
「言葉が過ぎますぞっ!!」
ハンサムこと、バーナビーの不貞腐れたような物言いに。
仲間内のたしなめる声が響く、当然ながらドクターも不快感を表していた。
「デスレターというか、不幸の手紙というか…」
「???」
「っ」
「それ…」
「!!!」
「そういう類の手紙だと知らずに開封し、カミソリが入ってたとかで。指をやっちまったらしいとしか」
言葉を濁す必要は無い気もするが、濁してるつもりもないが。
当人から聞いていても、時間がたってる。
「…カミソリの刃に塗られていたということか」
過激すぎるなぁ、最近の若者達は。
真っ青になったのは、ネイサンとイワン。
キースは言葉の意味を理解できず、バーナビーは何もわかってないまま。
「要約したら?雄牛ちゃん」
「…仕方ねぇなぁ」
「これは恐らく、バイソン殿の役目でござる故」
状況でなんとなく掴めたらしいキースも、顔を険しくした。
一応、流れは話したからな。
ドクターも半ば呆れ顔で、さっさと理解させろという視線だ。
気付いても良いだろうに…。
「手紙に何が仕込まれていたとしても、それは…」
「お前のファンからの手紙が原因でもか?」
「・・・」
「バディ解消、批判や中傷…手紙だけなら誕生当時からもらってただろうよ、ただ危険物がついていたか無いかの
差だ。今回はものの見事に当たった、俺は届けられる全ての手紙がチェックを受けていると思っていたよ」
徐々に顔色が変わっていくバーナビーに、ドクターが深い溜息の後に告げた。
「目覚めるまでには時間がかかる、数十分前に危険状態だった。今も安定しているとは言えん、面会は謝絶だ」
「着替えとかの持込は?」
「バイソンがしろ…持ち込んだ限りは責任を持て、会社経由で感謝の書類が届けられるそうだぞ」
「…いらねぇよ、アイツが死にかけた証なんざ」
見るたびに、嫌になるじゃねぇか。
俺はただ、ダチを助けただけなんだからよ。
「経緯はそのうちアニエスにも届くだろうけど、説明はしておくわ」
「頼む」
「拙者、ドラゴンキッド殿とブルーローズ殿にこの事を簡単に説明いたしまする」
「かなり怒られる役だ、わりぃな」
「いいえ」
「では暫く、タイガー君の分も頑張らなければならないね。頑張らなければ」
「程ほどにな、代わりができねぇから」
言葉を交わし、それぞれが帰途につく。
動こうともしないバーナビーに、どうするかと思案したら。
ドクター宛てにかかってきた電話にて、そのままにして帰宅しろとの言葉。
呆然と真っ白になっているバーナビーを、アポロンメディアの社員が連れて帰った、らしい。
その後の、バーナビーの事は知らん。
興味が無い、といえば、まさにそう。
流石に虎徹の状態を黙っているわけにもいかず、安寿さんには連絡した。
テレビで公にされる前に告げておかなければ、ある意味、虎徹の実兄である村正さんが恐ろしい。
其処に加えて、自分の両親とかの方面も…怖いんだよ、反応が。
ペドロフ裁判官が俺を訪ねて来たのには驚いた、まぁ場所はトレーニングルームだったけど。
個人的で申し訳ないとか言いながら、かなり気にしていた。
裁判にはなせないし、しないという方針らしいというのはネイサンからの情報だ。
まぁ企業イメージを壊しかねないスキャンダルになりかねないからな、納得出来なくても仕方ない。
とか思いながら、ペドロフ裁判官が何をしたかったのかがわからない。
日参して面会謝絶の虎徹の顔を見に行く。
経過も、些細な事を一日一回連絡して。
ああ。
ブルーローズとドラゴンキッドの二人は、物凄く怒って怖かった。
すまん、折紙。
助けられそうに無い…。
女を怒らすなという見本よと、言われた。
下手な発言は慎むようにと言われていたが、何処からでも情報は漏れるもの。
コアなファンを多く持つ、世間に知られていないファン層は年代がかなり高めで孫や息子感覚らしい。
表だって動くのは恥ずかしいが、こういうことなら話は別と。
ネット上にて、何時の間にか知れ渡っていた。
知られざるマニアが多いなぁ、お前って。
アポロンメディアから会社経由に感謝状みたいなのが届いたが、社長に詫びを入れて付き返してもらった。
こればかりは申し訳ないと、本気で頭を下げまくった。
事情を知るがゆえに、笑って納得してもらえたが。
虎徹の意識が戻ったのは、発生から一週間後。
その知らせに、学校に行くと飛び出したはずの彼女は。
一人、父親に会うためにシュテンビルドにやってきた。
安寿さんと村正さんが居るといっても、彼女には虎徹とか居ない。
家族でも特殊なケースで会わせられるかわからないが…連絡をもらってトレーニングを放り出して行けば、泣く
のを堪えるような顔をした、トモエさんに似た面差しの彼女が立っていたり。
彼女が帰ったら入れ替わるように、自分の携帯が鳴り響いた。
覚悟をしたとおり、自分の両親からの叱咤だった…。
慌しいというか、忙しかった。
それでも、虎徹が生きているからこその実感で。
何より、と。
充実してた。
「迷惑かけちまったな、アントン」
「別に気にするな、お互い様だ」
「俺の家族から怒られなかったか?」
「お前のトコより、実家からがすざまじい…」
「…お前んちのかあちゃん、パワフルだもんなぁ」
「とりあえず、なんかあったら連絡を寄越せ」
「えぇえ~…」
[chapter:電話一本でいつでも呼んでくれ]
後悔なんてしないさ。
お前の声に、サインに気づけないほうが悔やむに決まってる。
立場?
そんなの、時と場合による。
とりあえずは、退院を目指せ。
アポロンメディアは一寸大騒ぎになっているから、落ち着く頃にはお前も復帰出来るだろ。
自分の心配だけしろ。
他のヒーロー達の反応、覚悟しとけ。
強烈だからな、久しぶりだと特に。
バーナビー?
最近は見てないな、元気になったら会えばいいんじゃないか?
[newpage]
[chapter:後書き]
魅力的なフレーズ探しは、一人で思いついてにやけまくります…。
怪しい人だ。
牛虎、何でそうなった…明るいの無理だった、しかも長い…他のに比べて。
兎虎、かけるか・・