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星を駆ける猫との出会い

  主「はあ……最近暑くなってきたな……」

  春も過ぎ、少し夏の香りが漂い始めた空

  僕は家へ帰ろうと、いつもの帰路を歩いていた

  コツ

  コツ

  靴がアスファルトを小突く音

  いつもの変わり映えのない景色

  テテテテ……

  主「……ん?」

  聞いた事のない足跡が耳に届く

  主「……」

  コツ

  コツ

  テテテテ……

  お、追いかけられてる…………?

  主「……まさか……」

  僕は少しの恐怖を胸に、後ろを振り返った

  主「っ…!…………あれ……?」

  誰も……いない……?

  後ろを振り返っても特に誰もいなか…………

  「下だよ〜!下下!」

  すとんと視界を下に向ける

  するとそこには

  「やぁ〜っと見つけてくれたあ〜!」

  猫のような……見た事のない生物が立っていた

  主「え……え……?」

  頭の中がフリーズした

  そりゃ当然だ

  見たこともない生き物が目の前にいるのだから

  主「き、きみは……一体……?」

  「ん〜?僕?僕はほしかけくんだよ〜」

  その生き物はほんわかした雰囲気で喋っていく

  主「ほ、ほしかけ……くん……?」

  ほしかけ「そだよ〜」

  処理が追いつかない脳を必死に整理し、もうひとつ質問を投げかけた

  主「ほしかけくん……きみは……なにも……

  「ママ〜!立ってる猫さんがいるよぉ〜!」

  突然どこからか子供の声が聞こえた

  主「なっ……ま、まずい……」

  このままじゃ見つかる……

  ほしかけくんが見つかれば、何が起こるか分からない

  主「と、とりあえず……!」

  ほしかけ「ん〜?わあっ!?」

  僕は咄嗟にほしかけくんを抱き抱え、家に全力疾走で帰った

  ほしかけ「わわっ!すごいすごい〜!はやーい!」

  腕の中でほしかけくんは楽しそうにはしゃいでいた

  まさかこんなことになるとは……

  主「はあ……はあ……着いた……はあ……」

  とりあえず家の扉の前までほしかけくんを抱え全力で走ってきた

  そのせいで息は途切れ途切れ

  主「普段から運動しとくべきだったか…………ほしかけくんは大丈夫……?」

  ほしかけくんの方へと視線を送ると

  ほしかけ「うん、大丈夫だよ〜!それにしても、やっぱりキミは大きいから足速いね〜」

  ほしかけくんはずっとほんわかした雰囲気を醸し出している

  主「はあ……とりあえず……はいって……」

  少なくなった酸素を整えながら、家の扉を開ける

  ほしかけ「はいっていいの〜!?じゃあおじゃましま〜す!」

  テテテテ……と、さっきも聞いた足音を立て、入っていく

  僕も後に続いて家の中に入る

  ほしかけ「おお〜!これがキミのお家なんだね〜」

  主「少し散らかってるけど……」

  ほしかけくんはキラキラした目で周りを見渡す

  ほしかけ「それで〜、キミはさっき何を聞こうとしてたの?」

  主「ああ、確かに聞いたねそれは

  キミは……何者なの?」

  少し変な顔されるかな……?

  そう思っていたけど

  ほしかけ「僕は〜ほしかけくんだよ〜」

  主「いや、それはわかってるんだけど……」

  ほしかけ「何者もないよ〜」

  あ……ああ……

  僕は心の中で何者かに着いて考えるのはやめた

  主「きみはどこから来たの……?」

  ほしかけ「僕の故郷ってこと〜?」

  相変わらずほんわかした雰囲気を崩さないほしかけくん

  主「うん……」

  ほしかけ「覚えてないんだ〜…自分の故郷」

  少し、空気が重たくなった

  主「お、覚えてない……?」

  少し、聞いちゃいけないこと聞いたかな

  ほしかけ「うん、でも、もう気にしてないよ〜、沢山の星空を見るうちに、どうでも良くなってね」

  主「空を見るのが好きなの……?」

  ほしかけ「いや、星を旅してる中で見てるんだ」

  主「もしかして……ほしかけくんって……宇宙から……?」

  ほしかけ「そうだよ〜」

  主「え……!?!?!?」

  ち、地球外生命体…………!?

  ほしかけ「この星に来た時ね〜、すっごいお腹すいちゃってて…誰かいないかなあって探してた時に見つけたのかキミなの〜」

  主「そ、そうだったんだ……よく誰にも見つからなかった……ね?」

  ほしかけ「そうだねぇ、あまり誰かがいるような感じはしなかったね〜、どうしてだろう〜?」

  まあ……平日の真昼間の市街地に人があまり出歩いてないのは間違いない

  普通なら、みんな学校や仕事なんかがあるからね

  グウウウウウウ……

  突然どこからともなく、空腹を知らせる音がした

  ほしかけ「あ……えへへ…やっぱりお腹空いちゃってるな……」

  主「なんか食べる……?と言っても……昨日の夜ご飯の残り物しか…」

  僕は立ち上がり、冷蔵庫の前に立つ

  ほしかけ「えぇっ!いいの!?食べる食べる〜!」

  主「なんかあったっけなぁ……

  …あ」

  僕は、昨日のそうめんをさらに盛り、

  小さな器に麺つゆを注ぎ

  ほしかけくんの目の前の机に並べた

  ほしかけ「おお〜…!

  食べていいの!?」

  主「うん、食べていいよ、

  飲み物入れてくるから先に食べててね」

  ほしかけ「わーいっ!いただきまーす!」

  勢いよくズルズルと

  そうめんをすすっていくほしかけくん

  その様子を僕は、麦茶をコップに注ぎながら横目で見ていた

  ほしかけ「う〜ん…っ!美味しい〜っ!

  冷たくって涼しくなっちゃう!」

  ニコニコと、美味しそうにほしかけくんは

  そうめんを美味しそうに食べる

  主「…」

  僕はただ、それをじっと見つめていた

  家に誰かを招くという体験を、今までして来なかったからなのか…

  少し…新鮮な気持ちだった

  ズルズル…

  ほしかけ「〜っ♩」

  ご機嫌にそうめんをすすっていくほしかけくん

  僕はそれを見ていると、

  …撫でてみたい

  そういい、僕はほしかけくんの頭を、優しく撫でた

  ほしかけ「わっ!…んふふ…」

  撫でられてるのが心地よいのか、

  少し解けた表情になるほしかけくん

  か、かわいい……

  ほしかけ「おいしかった〜っ!

  ありがとね!」

  ふう、と息をつき、お腹をさすりながら感謝を伝えてきた

  主「それなら良かったよ」

  ニコッと笑い、僕はそう返した

  主「…ねぇ、これからどうするの?」

  僕がそう尋ねると、ほしかけくんは天井を見上げ、考え込んだ

  ほしかけ’「うーん……どうしようかな…

  …あ!それならキミがこの星を案内してよ!」

  主「ええっ!?ぼ、僕が!?」

  突然の提案に、僕は戸惑ってしまう

  ……まてよ?星…!?

  主「うーん…星…とまでは行けないけれど…近場なら…」

  僕がそう答えると、

  ほしかけくんは、嬉しそうに飛び跳ねた

  ほしかけ「やったーっ!!」

  そんなこんなで、

  まさかの宇宙から来たほしかけくんと、

  しばらく過ごすことになった

  なんの変哲もない日々が

  退屈だった日々が…

  …突然の流れ星のような存在に、

  色付けられていくように感じた

  …少し…ワクワクするな…

  続く

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