異世界召喚された俺達に求められた役割は、獣人の孕み袋になることだった

  ☆

  「おい、タツヨシ!」

  柔道着を着た大柄の男が、俺の名前を呼んだ。

  「あ、二ノ宮先輩!」

  俺はグラウンドを走っていたそのスピードのまま、ベンチで休憩していた先輩の元まで駆けていく。

  「部活終わりだってのに、自主練かよ。真面目だな」

  

  いがぐり頭でいかつい顔をした二ノ宮先輩は、その糸のような目をさらに細めてそう言った。

  「はい、俺、下半身が弱いって言われたから。早く野球部のレギュラーになりたいんです。」

  俺がそう答えると、『1年のくせに生意気だな』と笑いながら、首にその太い腕を回してくる。

  「な、何をするんですか! ……ひぇっ!」

  首に押し付けられた冷たい感触に、俺は思わず悲鳴をあげる。

  「頑張ってる後輩にご褒美だよ。まだまだ暑い時期だからな。水分補給は大事だぞ」

  そう言って渡されたのはスポーツドリンクだった。

  「え、あ、ありがとうございます!」

  礼を言いながら受け取ると、先輩はよっこらしょと立ち上がった。

  「俺は先に寮に戻ってるから、お前も早めに切り上げてこいよ。じゃねえと夕飯なくなっちまうからな」

  その大きな体を揺らしながらのしのしと歩き去る先輩の後ろ姿に俺は頭を下げた。

  ☆

  俺が獣ヶ浦大学に入学して5ヶ月。

  最近やっと、学校の授業にも野球部のしごきにも、そして寮生活にも慣れてきたところだった。

  スポーツに力を入れているこの大学は、元々俺の住んでいた地域より遠かったため、俺は寮生活を選ばざるをえなかった。

  上下関係が厳しい体育会系の、しかも寮での暮らしに、俺も初めは戦々恐々だったのだ。

  ……俺、わりと言いたいことずけずけ言っちゃうタイプだからなぁ。

  高校の頃も先輩たちに生意気だとよく言われていたし、けっこう嫌われている自覚もあったし。

  ……でも、同室が3年の二ノ宮先輩だったのが良かったな。

  先輩によっては、同室の後輩をパシリのように使ったり、いじめたり、と話を聞く中、二ノ宮先輩は全然そんなことはなかった。

  その男らしくいかつい見た目に反して、性格は穏やかで気配りのできる人だったのだ。

  普段だったら生意気だって言われる俺の言動もフォローしてくれるし。

  今日のスポーツドリンクだって、そうだ。

  ……俺が女だったら惚れてるだろうな。

  ほんと、いい先輩なのだ。

  厳つい見た目で損をしてるのがもったいない。

  ……今度合コンにでも誘ってみるか。

  ☆

  「おう、遅かったな」

  プレートに山盛りの定食を乗せて、俺は先に飯を喰っていた二ノ宮先輩の正面に座った。

  「はい、先に風呂に入ってきたんで」

  やはりこの時間は混みあうようだ。

  テーブルもほとんど埋まっていて、席を探してる奴も多い。

  そんな中、二ノ宮先輩は俺のためにわざわざ席を確保してくれていたのだ。

  「ありがとうございます!」

  それに気づいた俺が礼を言うと、先輩はなんでもない事のように首を振る。

  「二ノ宮。お前本当に山際の事かわいがってるよな」

  隣から聞こえる声。

  時田先輩だ。

  俺達と同じテーブルには、柔道部で二ノ宮先輩と同級の時田さんと倉橋さんが座って飯を喰っていた。

  2人は寮が同室だから、一緒に行動する事が多いのだろう。

  「ああ。こいつは生意気だけど、かわいいからな。ちっこくて」

  二ノ宮先輩はそう言うと、手を伸ばして俺の頭をぐりぐり撫でた。

  「ちょ、ちょっと先輩。やめてくださいよ」

  嫌そうな顔をする俺を見て、先輩たちは笑う。

  ……確かに俺は、先輩たちに比べたら小柄だけどよ。

  小柄というか、中肉中背で普通体型なだけだ。

  野球部に入ってるぐらいだから、どちらかと言うとガタイはいい方なんだけど、喰っても喰っても余計な肉があまりつかないタイプなのだ。

  それに比べて、寮に住んでいるような他のメンツは、タッパがあって肉厚で、むくつけき男ばかり。

  子供が見たら泣き出しそうに強面な顔をしている時田先輩も柔道部なだけあって鍛えられた体をしているし、スキンヘッドの倉橋さんも柔道部よりは相撲部かと思うぐらいに太っている。

  それでも二ノ宮先輩と比べると、だいぶ体格差があるのだが。

  ていうか、2メートルはある二ノ宮先輩がデカすぎるのだ。

  それにしても、気にしてるんだから、わざわざ言わないで欲しい。

  

  「俺も先輩たちみたいにデカくてごつくなりたいんですけど……」

  ぶつぶつ愚痴を言う俺を見て、倉橋先輩は笑う。

  「いいじゃねぇか。お前は俺らみたいにごつくない分、爽やか系でモテるだろうが。大体、野球部がごつくなりすぎたら走れないからな」

  「そりゃ、そうですけど……」

  ……やっぱりガタイがいい方が、野球してても球が飛ぶからなぁ。

  そんなやり取りを先輩たちとしていると。

  「お前ら。混んでんだから、飯食ったらさっさと自室へ戻れよ」

  頭上から聞こえるのは黒瀬先生の声だ。

  寮監をやっている、大学の体育担当の准教授。

  この人もまた、先輩達同様、男臭い風貌に厳つい体をしている。

  体毛も濃く、まるでゴリラみたいだ。

  いつも竹刀を持っているこの人は、うちの大学出身で、元剣道部出身とか聞いたことがある。

  けっこう真面目で堅物で、苦手に思ってる生徒も多いらしい。

  俺は生徒想いでいい先生だと思うんだけど。

  「……黒瀬ちゃんが言うなら、しゃあねえか」

  すでに食い終わっていた時田先輩と倉橋先輩は、その言葉に食器をもって立ち上がる。

  その瞬間だった。

  地面が激しく揺れ出したのだ。

  ごごごごごごごご……。

  ……地震か!

  その揺れは、俺の経験したことのないような激しさを感じさせた。

  その場から歩き出せないような強い衝撃。

  だが、その振動は地震で地面が揺り動かされるというよりは、嵐の中で小舟がもみくちゃにされるような感覚。

  浮遊感すら感じられるような不思議な揺れ方だったのだ。

  「み、みんな! 何かに摑まれ!」

  寮監である黒瀬先生も、そのことに気づいたのか、慌てて食堂にいるみんなに向かって声を出す。

  「あっ」

  踏ん張ることも出来ず、吹き飛ばされそうになる俺の身体を二ノ宮先輩が掴む。

  「大丈夫か?」

  「あ、ありがとうございます!」

  揺れながらどこかに落ちていくような感覚は、まるでエレベーターのようで。

  俺は掴まえてくれたくれた二ノ宮先輩の体に抱きついて、その揺れをやり過ごそうとする。

  「……」

  その間、10分ぐらいだろうか。

  不意に浮遊感が消え、少しずつ揺れの幅がおさまってくる。

  「みんな、大丈夫か!」

  黒瀬先生が周りを見渡しながら声をかける。

  「はい、なんとか……」

  見ればガラス窓は割れ、テーブルの上に置かれていたものは床に散らばっていたが、怪我をしているような生徒はいないようだった。

  「……よかった」

  黒瀬先生はそのブルドックのような顔に安堵の表情を浮かべる。

  だが、いつまでもこんなところにいていいわけがない。

  「また地震が起こるかもしれん。建物の中は危険だ。とりあえず皆で外へ出るぞ」

  「……出ていってもらっては困るなぁ」

  じゃりっ!

  割れたガラスを踏みしめる音が、食道に鳴り響く。

  「何を言って……っ!」

  聞き慣れない声にいぶかしげな顔をして、黒瀬先生はその言葉の主を探す。

  そしてその目が、相手の姿を見つけてしまった途端、絶句してしまうのだ。

  そう、俺達の前に現れたのは、人間ではなかったから。

  『2足歩行をしている巨大な虎』。

  そうとしか表現できなかったのだ。

  顔は虎そのものであるその男は、骨格は人間のように見える。

  腰に布を巻き付けただけのその姿は、見ようによっては獣のマスクをかぶったプロレスラーのようだった。

  ただ、3メートルを超える、常人では考えられないほどの体格の良さと、全身を覆う黄色と黒の体毛を見れば、人間ではないとすぐにわかるのだ。

  「お、お前は誰だ!」

  黒瀬先生は皆を守るように一歩、足を踏みだすと、手に持った竹刀を構える。

  180cmはある先生でも、その巨大な虎男と並ぶと、大人と子供のようにさえ見えた。

  「見ての通りの獣人だよ」

  獣というわりには流暢に日本語を話して見せる虎の男。

  「……獣人」

  俺は思わず呟いた。

  そんなファンタジーじゃあるまいし。

  「……なんだ、俺の姿がそんなに珍しいか。今回の召喚先の世界には、獣人はいないようだな」

  じゃりっ、と一歩足を踏み出す虎獣人。

  それを牽制するように、俺の体を後ろにかばう二ノ宮先輩。

  「おい、召喚だとっ!」

  倉橋先輩が、男の言葉を聞いて叫んだ。

  「そうだ。お前らの世界で言うところの、異世界召喚とかいう奴だな。俺達の仲間が魔法でお前たちを喚び出したのだ。この建物ごとな」

  「……」

  虎獣人の言葉に、俺は割れた窓の外を見る。

  ……あ。

  学校の校舎が見えるはずのそこからは、緑色の木々しか見えないのだ。

  まるで深い森の中に入ってしまったかのように。

  「……」

  本当にこれは召喚なのだろうか。

  俺だって、異世界召喚物の漫画ぐらいは読んだことがる。

  あれは確か、召喚された者が勇者として魔王を倒したりする話で……。

  「俺達をなんのために……」

  早くも現実を受け止めたのか、倉橋先輩が虎獣人に問いかける。

  ……そういや倉橋さん、あの手の漫画好きだったもんな。

  そんな倉橋先輩を見て、虎獣人は当たり前のように言った。

  「決まっているだろう? 娯楽と繁殖のためだ」

  「……繁殖」

  その表情には、明らかに邪悪さが見え隠れしていた。

  「そうだ。この世界において、今、我ら獣人の雌はほとんど存在しない」

  「……」

  「流行り病で、弱い雌は死に絶えてしまったのだ、このままでは、我らの血統は完全に失われてしまう。だから魔法の力を使い、異世界から孕ませるためだけの雌を召喚した」

  その言葉に、俺は周りを見渡す。

  ……おかしい。男しかいないじゃないか。

  さっきまで食堂のおばちゃん達もここで給仕していたのに。

  それに気づいたのか、黒瀬先生が怒鳴りつける。

  「孕ませるだと! 馬鹿な事言ってんじゃねぇ! 大体、俺たちは男だ。子供なんて出来るわけじねぇじゃないか!」

  その言葉をせせら笑う虎獣人。

  「我らの子種は濃いのでな、他種族相手なら孕ませるには雌雄は関係ない。だから、激しい交尾に堪えられる体のものを召喚した。お前たちのように屈強な男たちをな」

  「ふざけたことを言うな!」

  堪忍袋の緒が切れたのだろう。

  黒瀬先生は、40代と思えないほどの踏み込みで、一瞬のうちに虎獣人の懐へ飛び込む。

  未だに稽古を絶やしてないのだろう。

  そのまま手に持った竹刀を虎獣人の頭に振り下ろした。

  ばきっ!

  いくら竹刀とは言え、もしも人の頭にまともに当たれば、昏倒してしまうほどの衝撃が加わったはずだ。

  手にした竹刀が、勢いで折れたぐらいなのだから。

  「あっ……」

  だが、虎獣人は眉1つ動かすことはなかった。

  折れた竹を顔から振り払いながら、反対の手を伸ばして黒瀬先生の身体を捕まえる。

  「くそっ! は、離しやがれ!」

  先生は逃れようと暴れるが、その腕はびくともしなかった。

  「心配するな、怖がる必要はない」

  虎獣人は子供を諭す親のように言う。

  「我らの体液には他種族にとって媚薬のような効果があると言われているからな。我ら獣人に雌穴をえぐられると、今まで感じたことのないほどの快楽をえることが出来る。堪えがたい悦楽を感じながら、子を孕ませてやろう」

  大きな舌で口の周りをべろり、と舐めるその姿は、まるで捕食者そのものだった。

  「うらああああっ!」

  それを隙と見たのか。

  後ろから学生の1人が、虎男に向かってパイプ椅子を振りかぶる。

  ばきっ!

  後頭部に直撃したはずのパイプ椅子。

  よほどの力を込めたのか、椅子はぐにゃりとへこんでしまう。

  それでも、虎獣人は顔色一つ変えなかった。

  「ひっ」

  無傷のまま立っている虎獣人に怯えたように後ずさる学生。

  「人がせっかく雌として気持ちよくしてやろうと言っているのに」

  虎男の腕が伸びた、と思った瞬間、男の身体が吹っ飛んだ。

  がしゃんっ!

  その身体は壁に激突して、意識を失った学生はずるずるとその場に倒れてしまう。

  それを見て、黒瀬先生は大声を出した。

  「……お前ら、逃げろ! 寮の中に逃げ込め! きっと、きっと助けが来るから!」

  ……はっ。

  「に、逃げるぞっ!」

  その言葉に俺たちは寮のある入口へと逃げ出していく。

  暴れる黒瀬先生を掴んだままの虎獣人は、ただただそれを見つめている。

  やがて、先生の体を引きずったまま、俺達と逆の方向へと歩いて行った。

  ☆

  「はぁ、はぁ」

  「タツヨシ、大丈夫か?」

  「は、はい……」

  俺は先輩たちと共に、二階にある寮の自室に逃げ込んだ。

  ひとまず、自分の部屋に逃げ込むことしか考えられなかったのだ。

  「先輩、どうしたら……」

  「ううん……携帯も圏外だしな。……異世界ってのは本当なのか?」

  「ぽいけどなぁ」

  倉橋先輩が太った身体を震わせながら、困ったように言う。

  「なんか、元に戻る方法ねえのかよ!」

  時田先輩は焦っているせいか声を荒げるが、誰も解決方法を知らないのだ。

  困惑状態から立ち直れないまま、しばしの時間が過ぎる。

  「ニンゲンどもよ!」

  そんな中、マイクも使っていないのに寮の外から届く虎獣人の声に、俺達は窓の外を見た。

  他の学生たちも、同じように窓から声のする方を見ていた。

  「あ……」

  そこには、黒瀬先生を捕らえたままの虎獣人の姿があった。

  「ひっ!」

  時田先輩が怯えたような声を出す。

  虎男の周りには、同じような獣人が十数人いるのだ。

  3メートルは越える異形の男達。

  熊、犀、猪、狼……狂暴そうな顔をした多種多様の獣人が、皆で黒瀬先生をにやにやと見つめている。

  中にはパイプ椅子で殴りかっかって返り討ちにあった先輩や、捕まっている他の学生も何人かいた。

  きっと彼らは寮ではなく、窓から森へと逃げようとしたのだろう。

  

  「お前らに、捕まった者どもがどういう目に遭うのか、教えてやろう」

  「は、離せ! 離せよ!」

  バタバタと暴れる黒瀬先生だが、虎男にしてみれば、幼い子供が暴れているも同然だった。

  時折その拳や足が体に当たっても、何の痛痒も感じないらしい。

  「さて、せっかく生きのいい雌を捕まえたのだ。さっさと子作りをしようではないか。誰かこいつを犯したい奴はいるか?」

  「へへっ。族長、いいんすか?」

  好色そうな笑みを浮かべてニタニタと笑う熊獣人が手を挙げる。

  巨躯の虎獣人よりもさらに一回りデカい。

  少し白い毛が混じったその姿から、熊男がそれほど若くないことだけは想像できた。

  「ああ。俺は一番最後でよい」

  「そいつはありがてぇ。こいつは熊みたいに毛深いから、種付けてやりてぇと思ってたんだ」

  のしのしと歩きながら、熊獣人は、腰に巻きついた布を取り払う。

  ……っ!

  それを見た人間は、みな息を呑んだ。

  使い込まれて飴色になったそれは、形状自体はそれほど人間のものとは変わらなかった。

  ただ、大きさを除いては。

  熊男の股間にあるのは、子供の腕と見紛うばかりのいきり勃つ逸物だったのだ。

  先細りの亀頭は赤銅色に染まり、てっぺんからだらだらと我慢汁を垂らしている。

  蔦のような血管が、竿の上を這い回り、どくどくと怪しく脈を打っていた。

  片手では掴みきれないほどの逸物は、まるで凶器のようにさえ見える。

  そしてその根元では、グレープフルーツほどもある睾丸が、ゆさゆさと揺れているのだ。

  その中には恐ろしいほどに濃い精液が蓄えられているのは、容易に想像できた。

  「早く種付けしたくて、うずうずするぜ」

  どすん、どすん。

  3メートルはある熊獣人の迫力に、腰が抜けてしまったのか、黒瀬先生は立ち上がることも出来ない。

  「や、やめろ……来るな! 俺は男なんだ!」

  地面を這いずりながらそれでも逃げようとする黒瀬先生の足を掴むと、熊獣人は逆立ちのままその身体を吊り上げた。

  「ああっ!」

  バタバタと体をよじるが、熊親父は気にも留めない。

  「男じゃねえよ。これからお前は単なる孕み袋として生きるんだ。……もう服なんざ、いらねえだろ」

  熊獣人の鋭い爪が、先生の前を何往復かする。

  と、バラバラと服が端切れになって、地面に散るのだ。

  何の抵抗も出来ずに、真っ裸にされてしまう黒瀬。

  「なっ!」

  「……」

  そんな先生を見た熊獣人はにやりと笑った。

  「おうおう、男だという割には、えらくちっこいもんしか持ってねえじゃないか。そんなもんじゃ雌は犯せねえだろ」

  逆さ吊りにされた黒瀬先生の股間には、小指にも満たないサイズの小さな逸物が皮をかぶったまま縮こまって震えていた。

  「……あ、う……」

  自分がどういう状況にあるかをわかっていながら、恥じらうことしか出来ない黒瀬先生。

  「こいつは当たりだな。……かわいがってやるよ」

  どさっ。

  「うぐっ」

  地面の落とされて呻く先生の後頭部を掴むと、熊獣人はマズルを開き、先生の唇に重ねる。

  「んんっ……」

  まるでキスの感触を楽しむように、抵抗しようとする黒瀬先生の口の中を熊獣人の舌が動き回るのが見て取れた。

  ごくり……ごくり……

  無理やり唾液でも流し込まれているのか、先生は苦しそうに喉を動かしている。

  それでも、何とか逃げ出そうと手足をばたつかせる黒瀬先生。

  その力が少しずつ弱っていくのが、2階から見ている俺達にもわかった。

  動きが弱まるにつれ、顔が赤らみ、汗を搔き、その小粒な逸物が勃起しているのだ。

  ……なんで。

  驚きの表情を隠せない俺達に向かって、虎獣人は笑って言う。

  「言っただろう? 獣人の体液には媚薬の効果があるのだ。唾液も汗もな。これを摂取した他種族は、まるで麻薬のように体が火照り、ツガイの雄の前で雌のように股を開きたくなってしまう。異世界のニンゲン相手にも十分有効なようだ」

  「……違う……そんなわけは……」

  なんとか熊獣人のキスから逃れた黒瀬先生。

  しかし、自らの体の変化に戸惑いの声をあげるだけ。

  その汗ばんで赤くなった体は、完全の抵抗する気力すらも失っていた。

  「さて、久しぶりの雌穴を堪能させてもらおうか」

  「……」

  逃げることの出来ない黒瀬先生の体を仰向けに倒すと、ずりずりと己の方へ引きずりよせ、熊獣人はそのケツに我慢汁でぬらぬらと光る逸物の切っ先を押し付けた。

  「や、やめろ……やめてくれぇ……ああああっ!!」

  ずごんっ!

  2階だというのに、その肉穴が勢いよく穿たれる音が聞こえたような気がした。

  それほどまでに凄まじくも生々しい光景だったのだ。

  「うぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

  黒瀬先生の体内に、子供の腕ほどもある太い肉杭がゆっくりと押し込まれていく。

  ずる、ずる、ずる、ずる……。

  限界以上にまで押し広げられた肉穴から血が出ないのが不思議な程だった。

  「ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

  「……」

  その凄惨な光景に堪えられなくなって、俺は目を閉じてしまう。

  黒瀬先生が苦しむ姿なんか、見たくなかったから。

  でも。

  「あひぃぃぃぃっ♡!!」

  悲鳴とは思えない濡れた叫び声に、俺は思わず目を開けた。

  そこには……熊に犯されてよがり狂う黒瀬先生の姿があったのだ。

  「なんでぇぇぇぇぇぇぇっ♡♡!!」

  その萎えた逸物からは間欠泉のように何度も何度も潮が噴き出ていた。

  「気持ちいいか?」

  嘲るような声で聴く熊獣人に。

  「しゅごいぃぃぃぃぃっ♡♡!!」

  理性の欠片もない表情で、黒瀬先生は応えるのだ。

  「……」

  いつもは熊みたいに厳つい黒瀬先生が、まるで雌になってしまったようにしか見えず、俺達は声を発することも出来なかった。

  

  「どうだ、気持ちよさそうだろう?」

  虎獣人が、寮の中にいる俺達に話しかけるように言った。

  「同じ体液でも、我慢汁やザーメンは媚薬の効果が高いからな。そんなものを粘膜に擦り付けられれば、すべてを忘れて雄に媚びるようになる」

  「……」

  ……そんな。

  俺達が恐怖におののいている間にも、熊獣人の腰振りは止まらなかった。

  いや、それどころか、子を孕ませるためのその交尾は、激しさを増していく。

  壊れてもかまわないと言わんばかりの衝撃を受けても、体液で狂わされた先生はただ、嬉しそうに叫ぶだけだった。

  ぬちゅっ、ぬちゃっ、ぬちゃっ、ぬちゃっ……。

  「あああああああああっ♡♡!!」

  叩きつけられ、こねくり回され、2人の結合部は白い泡が立っていた。

  恐ろしく長い逸物が肉穴をえぐる感触に瀕死の虫のように痙攣する黒瀬先生。

  もはやその全身で与えられる快感を享受しているのだろう。

  白目を剥いて半分失神したような状態でも、その足は快楽を逃すまいとするように熊男の腰を挟み込んでいた。

  

  「きたきたきたきたぁっ! まずは一発上澄みを出してやるからなぁぁぁっ!」

  びゅるるるるるるるるるるっ!!

  ものすごい勢いで、先生の腹が膨らんでいく。

  ニンゲンでは考えられない量のザーメンが、その腹を満たしてしまったのだ。

  「あ……ああ……」

  虚ろな目で熊獣人を見上げる黒瀬先生。

  その顔には40年かけて培ってきた威厳はすべて失われてしまっていた。

  「どうだ、気持ちよかったか?」

  「……もっと」

  「なんだと?」

  「もっと……もっと子種をください! 俺の中に粘っこい子種をください!」

  それは、黒瀬先生の雄としての終わりだった。

  媚薬であるザーメンをしたたかに撃ち込まれて、完全に堕ちてしまったのだ。

  「よしよし、もっとかわいがってやろう。確実に孕むまで、何度でも種を擦り込んでやるよ」

  ぐちゅっ、ぐちゃっ!

  「いぃぃっ♡! いいっ♡!」

  黒瀬先生はもう体を揺らされるまま、雄の逸物を受け入れてよがることしかできないのだ。

  「おまえら、建物の中にいる連中に、しっかり見せつけてやれよ。俺達に摑まれば、こんな風になっちまうんだってな」

  虎獣人は周りにいる獣人たちに声をかける。

  ……あ。

  犯されているのは黒瀬先生だけではなかった。

  「や、やめてくれぇぇっ!」

  「ごめんなさい、ごめんなさい!」

  「お願いだからぁぁ!」

  世間では屈強と言われるような男たちが、目の前の猛々しい獣人には泣いて許しを乞うことしか出来ないのだ。

  服を引きちぎられ、押さえつけられ、無理矢理逸物を肉穴に突っ込まれる。

  中には黒瀬先生のようにキスもせず、無理矢理肉杭を押し込まれて血だらけになっている大学生もいた。

  だが、直に媚薬が体に回るのか、すぐに嬉しそうに喘ぎ声をあげながらみなよがり狂っていく。

  それは俺達にしてみれば地獄絵図も同然だった。

  俺達男が、望みもしないのに女のように犯されてしまう。

  あんな得体も知れない獣人に。

  ……どうしたらいいんだ。こんな獣人に捕まるなんて。そして、犯されて孕まされるなんて絶対に嫌だ!

  寮の中からそんな光景を見つめる俺達に向かって、首領と名乗る虎獣人は言った。

  「一ついいことを教えてやろう。お前たちを召喚したこの魔法の効果は、朝までで切れる。つまり朝まで我々から逃げきれば、お前たちは自然と元の世界に変えることが出来る」

  「え……」

  「召喚されたお前たちの存在は、この世界では異物だからな。世界の修正力がお前たちを排除しようとするのだ」

  ……じゃあ、捕まった黒瀬先生も、朝になれば元の世界へ帰れるのか。

  小さな希望が俺の心を温めた。

  「だが、一度でも我らに捕まり、子種をつけられてしまえば、この世界はお前たちを雌だと認識してしまう。そうすれば二度と元の世界へ帰ることは出来ない。ひたすらこの世界で子を孕むだけの雌として生きることになるのだ」

  「……」

  その希望は、すぐに大きな絶望へと取って代わられる。

  そんな俺たちの気持ちなど丸わかりなのだろう。

  虎獣人はにやりと嗜虐的な笑みを浮かべると、こう宣言した。

  「それじゃあ、楽しいゲームを始めようか。……お前たち、建物の中に入って、存分に雌どもを犯してこい!」

  「「「「おう!」」」」

  交尾にあぶれた獣人たちが、首領に威勢の良い返事を返すと、ぞろぞろと寮の入り口を目指して歩き始める。

  「ど、どうしよう……」

  俺は恐ろしさでガタガタと体が震えるのがわかった。

  黒瀬先生が敵わないような屈強な獣人に、俺みたいな人間が太刀打ちできないじゃないか。

  「タツヨシ、心配するな」

  そんな俺の肩を力強く抱いてくれる二ノ宮先輩。

  「俺達は1人じゃない。みんなで協力して倒せばいいし、それが無理でも朝まで逃げ切ればいいんだ。この寮内だってそこそこ広いし、隠れる場所だってあるんだ」

  その力強い声に、俺の体の震えが止まるのがわかった。

  「……はい。ありがとうございます」

  「で、どうするよ」

  時田先輩が二ノ宮先輩に尋ねる。

  「このままこの部屋に立てこもるか、移動しながら逃げ切るか」

  「移動しながらがいいだろうな。こんなドア、バレたら一撃で破られちまうだろ」

  「そうだな。……山際、これ借りてくぞ」

  頷く時田先輩は、部屋の中を物色して、武器になりそうなものを手に持った。

  それを見習って俺もバットを持つ。

  「じゃあ、行こうか」

  カチャリとドアを開けて、誰もいないかを確認すると、俺達は外へ出る。

  2階へはまだ獣人たちもたどり着いていないようだった。

  「あっ♡! あっ♡!」

  だが、階下からはすでに喘ぎ声が聞こえてくる、

  見ると、鮫のような獣人の犯されいてる学生がいた。

  ……あれは同級生の相沢。

  空手でインターハイに出場したのが自慢だったというその分厚い肉体は、軽々と抱え上げられて、肉穴にはすでに逸物がめりこんでいた。

  「あひぃっ♡! あひぃぃぃぃっ♡!!」

  鮫獣人が腰を振るたびに、萎えた逸物からジュクジュクと漏れる精液。

  「ああ? 俺のちんぽは気持ちいいだろうが」

  鮫の特性なのだろう。

  相沢の肉穴を貫いた逸物の隣には、もう1本の肉棒がいきり勃ったまま、びくびくと震えていた。

  二股のヘミペニスなのだ。

  「気持ち……よくなんかぁぁっ♡!!」

  必死に快感を堪えようとする相沢の痴態に、舌なめずりをする鮫獣人。

  古傷だらけのその身体は、やはり人間とは比べ物にならないほど、いかつくてデカい。

  その鮫肌はざらついていて、抱えられた相沢の皮膚は、傷だらけになっていた。

  「そろそろほぐれてきたみたいだし、2本ともいれてやるかぁ」

  そう笑う鮫獣人は、余った逸物を掴むと、すでに肉杭に穿たれ、隙間もないほどに埋め込まれてしまった菊門に、容赦なく切っ先を押し付けた。

  「さ、裂けちまうぅぅぅぅぅぅっっ♡♡!!!」

  俺よりもはるかに大柄で、あの冷静沈着だった相沢が、聞いたこともないような声で叫び声をあげる。

  ぎちぎち……。

  「なんだ、まだ硬ぇな」

  そう言うと、頭を掴んで相沢と唇を重ねる鮫獣人。

  媚薬となる唾液を流し込んでいるのだ。

  「あ♡、ああ♡……」

  喉を鳴らすたびに、相沢の身体から力が抜けていくのがわかる。

  ぎちぎちぎちぎち……ぐぐぐぐぐ……じゅるんっ!

  「ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  唇を重ねていた相沢が、口を離して絶叫する。

  ついにその肉穴に、2本の逸物が侵入を果たしたのだ。

  「やだぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  ガキのように泣き喚く相沢。

  そのあまりの衝撃に、だらだらと小便を漏らしてしまっていた。

  そんな雌の粗相に、興奮している鮫獣人は頓着しない。

  「きちきちで気持ちいいぜ。……このまま締め付けとけよ」

  がちゅんっ、がちゅんっ、がちゅんっ、がちゅんっ!

  「あっ♡、あっ♡、あっ♡、あっ♡!」

  もちろんその声には、淫猥な響きが聞き取れた。

  雄に媚びるような雌の声。

  相沢の顔からはすでに正気が失われているのがわかった。

  ……。

  俺は自分の顔が恐怖で蒼ざめていくのを感じた。

  ……嫌だ。

  こんな目になんか遭いたくない。

  ……でも、どうすればいい。どうやってここから逃げればいいんだ。

  「たっぷり出してやるからな、孕みやがれぇぇっ!!」

  「ひぎぃぃぃぃぃぃっ♡♡!!」

  ……逃げなきゃ。

  俺は鮫獣人の咆哮にはっと我に返る。

  「せ、先輩……」

  俺は二ノ宮先輩の腕を引っ張る。

  「あ、ああ。俺達も逃げないと……」

  しかし、どこに逃げたらいいというのだ。

  寮の出入り口は食堂にある1か所だけ。

  そこは虎獣人が待ちかまえている場所だ。

  1階にはすでに獣人が侵入してきている。

  現状、上に逃げることしか出来ない。

  「とりあえず、上に……」

  僕が先輩たちに声をかけるのと同時だった。

  「おうおう、こんなところに雌が4匹いるじゃねえか」

  1階と2階を繋ぐ階段から、のっそりと顔を見せたのは、猪獣人だった。

  太い牙を携えた口をにやりと好色そうに歪める、大柄な猪親父。

  「さて、孕ませてやらねえとな……」

  すでに股間の布は取り払われていて、ふてぶてしいほどに太い逸物がぶるんぶるんと震えている。

  長さは他の獣人に比べて短いものの、スプレー缶ほどもある野太い竿は、がちがちに硬くなって天を仰いでいた。

  がたんっ、がたんっ。

  階段を昇ってくる猪を前に、俺達は身動きが出来なかった。

  逃げればいいのか、それとも4人がかりで攻撃すれば倒せるのか。

  そんなことを考えている間に、階段を昇り切る猪獣人。

  近づくにつれて、むっとするような汗臭い匂いが俺の鼻へと届く。

  猪親父の体臭だ。

  獣臭さと雄臭さと、汗の匂いが入り混じったような匂い。

  「さあて、どいつにしようか」

  その言葉に、俺はバットを握る手に力を込めた。

  と……。

  ふらりっ、と足を踏み出す倉橋先輩。

  「く、倉橋さん?」

  その手に持っていたモップをカランと床に落とすと、倉橋先輩は自分から猪獣人に近づいていくのだ。

  まるで夢遊病者のように、ふらふらとした足取りで。

  ……なんで。

  そんな先輩を見た猪獣人はにやりと笑う。

  「ふうん。自分から雌になりに来やがったか」

  「倉橋先輩! なんで!」

  「……」

  何も言わない先輩の代わりに、猪獣人が俺の疑問に答えた。

  「たまにいるんだよな。わし達の体液にまったく耐性がない奴が。そういう奴は少しでも体液に触れただけで、おかしくなっちまうんだ」

  でも、倉橋先輩は黒瀬先生や相沢のように体液を流し込まれていないはず。

  「大方、わしの汗の匂いを嗅いで、ぶっとんじまったんだろうさ」

  その言葉に、俺達の顔を引き攣った。

  ……こんな汗の匂いですらも、媚薬代わりになるなんて。

  「……ちょうどいい。お前はここで犯してやる。肉付きが良くて、たくさんガキを孕みそうだしな」

  その匂いにおびき寄せられた倉橋先輩。

  その顎を掴んだ猪獣人は、いやらしい笑みを浮かべたまま、先輩に尋ねる。

  「どうして欲しいんだ?」

  「……気持ちよくして……欲しいです……」

  先輩のその目は、すでに濡れていた。

  完全に雌の顔になっていたのだ。

  あのいかつい倉橋先輩が……。

  「いいだろう。頭が狂っちまうぐらいに、気持ちいい種付けをしてやるよ。……まずはわしの逸物をその舌で濡らしてくれよ」

  倉橋先輩の頭を押さえてしゃがませると、猪親父は顔の前に逸物を差し出す。

  皮をかぶり、先端だけ露出した亀頭には、まるで杯を満たした酒のように先走りが溜まっているのがわかった。

  「ほれ、雄に奉仕するのが、雌の役割だろ」

  「はい……」

  その太った体を屈めて、先輩は嬉しそうに舌を伸ばす。

  亀頭に溜まった我慢汁を舌先ですくい取ると、ごくりと呑み込んだ。

  「うまいか?」

  「うまい……です……」

  自分で発した言葉に興奮したのか、先輩はその逸物にしゃぶりついた。

  俺達はその姿を呆然と見つめることしか出来なかった。

  寮内でも有名になるほど女好きで、出会い系で雌を食い荒らしたと豪語していた倉橋先輩が、夢中で男のちんこを咥えているのだ。

  その媚薬の恐ろしさに、俺は怯える。

  ……倉橋先輩のような男を、雌に変えてしまうなんて。

  先輩は両手で竿を握って顔を近づけると、ゆっくりと包皮を剥き、汚れた先っぽに舌を這わす。

  まるで掃除をするように丹念に舌を動かしながら、その手で竿やスイカほどもある睾丸を愛撫するのだ。

  その姿は、まるで熟練の娼婦のようだった。

  「……そろそろ入れてやるよ。服を脱げ」

  その言葉に荒々しく服を脱ぐ倉橋先輩。

  その逸物は、すでにビンビンだった。

  「自分で入れてみろ」

  その場にどっかりと腰を下ろし、あぐらを掻いた猪親父。

  倉橋先輩はそのごつい身体にすがりつくように、震える手で肩を掴んだ。

  そして猪獣人に抱きつくと、ゆっくりと腰を下ろしていくのだ。

  それを見せつけられている俺は、もう我慢できなかった。

  「先輩、しっかりしてください! 種付けされたら元の世界に戻れないんですよ!」

  その言葉に、倉橋先輩の目が一瞬正気に返る。

  「あ、あ……」

  自分がどういう状況にあるのか理解したのだ。

  慌ててその場から逃れようと体を起こそうとする。

  だが。

  「もう遅ぇよ」

  逃がさないようにその肩を掴んだ猪獣人は己の方へと力を入れ、腰を突き出した。

  ずじゅんっ!

  その突き出される勢いに負けて、野太い逸物を包み込むように先輩の肉穴が開いていくのだ。

  ぐい、ぐい、ぐい、ぐい……。

  「ああああああああああああああっ♡♡!!」

  ぐじゅ、ぐじゅ……。

  先輩の逸物からは、精液がみじめに漏れた。

  「ひぎぃぃぃぃぃぃぃっ♡!!!」

  汗の匂いを嗅いだだけで堕とされた先輩が、直接粘膜から体液を摂取させられているのだ。

  その変化は劇的だった。

  媚薬で赤くなった顔が青ざめ、また赤く染まる。

  そのでっぷりと太った身体も、まるでサウナに入ったかのように火照り、だらだらと汗がこぼれ落ちた。

  そこには、今までの女好きで気のいい先輩の姿は存在しなかった。

  雄の肉棒を望む雌しかいなかったのだ。

  「……」

  完全にとろけ切った顔の先輩を見て、猪親父は雄臭い笑みを浮かべた。

  「気に入ったぜ。絶対に俺が孕ませてやるからな」

  がちゅんっ、がちゅんっ、ぐちゅんぐちゅんぐちゅんぐちゅんっ、ごりごりごりごりっがつっ、どちゅどちゅどちゅどちゅんっ、ばちゅんばちゅんばちゅんばちゅんっ、がつがつがつがつっ!

  「しゅごいぃぃぃぃっ♡! しゅごすぎるぅっぅぅぅぅぅぅっ♡♡!!」

  「に、逃げるぞ!」

  腕を引っ張る二ノ宮先輩に引きずられるように、俺は3階へと逃げた。

  時田先輩も歯を食いしばって逃げている。

  「はぁ、はぁ」

  このままじゃ駄目だ。

  追いつかれたらかないっこない。

  どこかに隠れないと……。

  「こっちだ!」

  時田先輩が3階にある給湯室を見つけて指差す。

  俺達は急いで中に飛び込んだ。

  ばたんっ!

  扉を閉めると、その場を沈黙が襲った。

  「先輩、どうしましょう?」

  「……しばらくここで隠れるか。とにかく、対策を考えないと……」

  『種付けして欲しい雌は、どこだぁ?』

  地を這うような低いその声は、こんな場所には似つかわしくないほど、優しい猫なで声だった。

  「「「……っ」」」

  ……獣人だ。

  俺たちは一斉に息を殺した。

  どたどたと重たい足音が徐々に近づいてくるのがわかる。

  『ここかなぁ? こっちかなぁ?』

  ばたんっ! ……ばたんっ!

  部屋の扉を開いては、いちいち中を確認している様子が給湯室からも確認できた。

  ……近づいて……くる。

  俺達は音を立てないように部屋の中で隠れる場所を探した。

  俺は部屋の隅にあるカーテンの陰に隠れると、見つからないように小さくうずくまった。

  「……」

  心臓が、はち切れそうなほどにバクバク打っているのがわかる。

  今すぐ飛び出してしまいたくなる気持ちを、俺はぐっと押さえ込んだ。

  がちゃり。

  「おやおや、この部屋から雌の匂いがするじゃねえか」

  ……ばれてる!

  ドアノブが回り、俺の角れている部屋の隅から、獣人のマズルが見える。

  ……狼だ。

  そのまま入るには扉が小さすぎるのか、体を屈めたまま首を突っ込むのは、グレーの体毛で包まれた狼獣人だった。

  長いマズルに、裂けたように大きく開いた口。

  そこから、鋭い牙がちらちらと見えている。

  その目には、ネズミをいたぶる猫のような嗜虐心が感じられた。

  ……ひっ!

  「……」

  声が漏れそうになるのを俺はカーテンの陰で必死でこらえる。

  だが、その鋭い狼の聴覚は、小さな物音さえも捉えてしまう。

  「そこだなぁ」

  ぴちゃりっ、ぴちゃり。

  足音が近づいてくる。

  俺の体は震えて逃げ出すことも出来ない。

  ……もう、駄目だ……。

  狼の手がカーテンに伸びた。

  「あ……」

  「こっちだ、化け物!」

  不意に物陰から飛び出した時田先輩が、持っていたスプレーを狼の顔めがけて吹きかける。

  シューッ!

  「うぉぉぉぉっ!」

  さすがに獣人とは言えども、まともに目にスプレーを浴びたのは堪えたのか。

  両手を覆い、うずくまる狼獣人。

  「あ、ありがとうございます!」

  「今だ。逃げるぞ!」

  時田先輩のその言葉に、俺と二ノ宮先輩は給湯室の外へ出る。

  「時田先輩も早く!」

  「わかってる!」

  手にしていたスプレー缶を放り投げ、部屋から逃げ出そうとする矢先だった。

  「……よう。そんなオイタしておいて、逃げられると思ってんのかよ」

  その声は先ほどまでとは違う、冷え冷えとしたものだった。

  慌てて振り向く俺の目に、怒りで顔を真っ赤にした狼獣人の姿が映る。

  毛を逆立てたその身体は、二回り以上大きくなっているように見えた。

  「先輩、逃げて!」

  「逃がすわけねえだろ」

  次の瞬間、狼の姿が俺の目から消える。

  と、時田先輩の身体が真横に吹っ飛んだ。

  どごっ!

  「うがぁぁっ!」

  壁にひびが入るほどに叩きつけられたその身体は、ずるずると床に落ちた。

  いくら柔道で鍛えられた屈強な身体でも、受け身を取ることすらできなかったのだ。

  「くだらねえことしやがって。……雌の分際で雄に逆らうなんざ、お仕置きが必要だな。二度とそんな気持ちにならないように、痛めつけてやるよ」

  狼獣人は時田先輩の服を引き裂くと、そのままぐったりしている先輩の上半身をテーブルの上にうつ伏せに置いた。

  そして突き出させたケツに、いきり勃った逸物を押し付けたのだ。

  「や、やめ……」

  恐怖で顔を歪める先輩。

  媚薬代わりの体液を使うこともなく、そのまま太い逸物で先輩の体を貫こうというのだ。

  「た、助けてぇぇっ!」

  女のような悲鳴をあげる先輩。

  そんなものに素面で貫かれれば、肛門などズタズタに引き裂かれて使い物にならなくなるかもしれない。

  だが、俺達は助けることも出来ないまま、その姿を見守ることしか出来なかった。

  怒り狂った狼獣人の鋭い目が、俺達を牽制しているのだ。

  下手な動きを見せれば、縊り殺されてしまいそうだった。

  

  「……先輩」

  「痛いぃぃぃぃっ!」

  皮膚に感じる硬く巨大な逸物。

  その圧迫感に子供のように取り乱すことしか出来ないのだ。

  「ごめんなさいぃぃっ! ……もう、もうしないからぁぁっ!」

  「うるせぇよ! ニンゲンの分際で獣人に歯向かうからいけねえんだ!」

  ぐ、ぐ、ぐ、ぐ……。

  「ぎあぁぁぁぁぁっ!」

  肉が引き裂けるような衝撃に咆哮する時田先輩。

  押さえつけられた体は抵抗することも出来ず、ただただゆっくりと肉杭を吞み込むことしか出来ない。

  「あああああああああっ!!」

  それでも、亀頭の先から溢れる先走りのおかげで、多少は緩んでいるのだろう。

  苦痛のうめき声をあげてはいるが、肉穴から血が出ることはなかった。

  「きつきつだな。もう少し緩んでくれねえと、ちんぽ食い千切られちまいそうだ」

  「……ゆるして……ゆるして」

  あのごつい体をした柔道部の猛者である時田先輩が、泣いて懇願することしか出来ないのだ。

  「しょうがねぇなぁ」

  狼獣人は時田先輩の頭を掴むと、無理矢理後ろに向けて、キスをする。

  「っ!」

  痛みから逃れるためだろう。

  積極的に舌を絡め、唾液を求める時田先輩。

  その身体から少しずつ力が抜けていくのがわかる。

  「自分の立場が分かってきたみてぇだな。……気持ちいいだろ?」

  「……気持ち……いいです」

  「よしよし、それじゃかわいがってやるよ。雌の快楽を叩きこんで、二度と逆らう気が起こらねえようにしてやるよ」

  肉穴の感触を楽しむように、狼獣人はねっとりとした腰つきで時田先輩の身体をえぐる。

  「ひぎゃぁぁっ♡♡!!」

  「なかなか敏感な身体してるじゃねえか。気に入った。ここが気持ちいいんだろ?」

  「だめっ、なんか……なんか出ちゃうからぁぁぁっ♡♡!!」

  「いいじゃねえか。いっぱい出しちまえよ。ここをゴリゴリされてえんだろうが」

  「あ、だめ……イッじゃうぅぅぅぅぅぅっ♡!!」

  「おうおう、ザーメン出しやがったか。でもこんなもんじゃねえだろ。雌のお前にはザーメンなんか必要ねえんだ。キンタマすっからかんになるまで、絞り出してやるよ。……ほれ、俺の太マラで気持ちいいとこ押し潰してやるよ。どうだ? んん、どうだ? 黙ってちゃわからねえぞ」

  「だめぇっ♡! だめだめだめぇぇぇぇっ♡♡!!」

  快感で暴れる狂う時田先輩の体を押さえ付けて、愉悦に笑う狼獣人。

  「タツヨシ、これ以上ここにいてはダメだ。逃げないと……」

  「でも、時田先輩が……」

  「もう無理だ。あいつの顔を見てみろ」

  「あっ♡! あっ♡! あっ♡! あっ♡!」

  そこには狼獣人の腰振りに応えるように、嬌声をあげる先輩の姿があった。

  「行くぞ」

  「……はい」

  廊下を見回して獣人がいないことを確認すると、俺達は走った。

  ……下はもう駄目だ。

  ……上に逃げないと。

  すでに追い詰められつつあるのはわかっていたけど、そちらに逃げるしかもう道がなかったのだ。

  「このまま屋上に行くぞ」

  二ノ宮先輩は走りながら言う。

  「でも、そんなとこだと逃げ場が……」

  俺の言葉に、先輩は答える。

  「確かあそこに避難用のロープがあったはずだ。そこから地上に逃げれば……」

  先輩の説明を俺は最後まで聞き取ることは出来なかった。

  がしっ!

  走っていた俺の体を、急に横手から伸びた灰色の腕が捕まえたのだ。

  

  「なっ!」

  その電信柱のように太い腕は、有無を言わさず俺の体を部屋の中へと引きずり込んだ。

  「ほう。こいつはめんこいガキが捕まったもんじゃなぁ」

  「あ……あ……」

  それはざらついた肌を持つ、巨躯の犀獣人だった。

  俺の体を抱え込んだ男は、にちゃりと笑みを浮かべる。

  「そんなに怯えねえでも、おっちゃんが気持ちよくしてやるからよ」

  「や、やめ……」

  そのグローブのような手で掴まれると、それだけでシャツが引き裂けてしまう。

  このままじゃ……。

  倉橋先輩や、時田先輩の事が脳裏をよぎった。

  ……あんな風になるのは嫌だ。

  快楽を求めて、あんなケダモノ達の言いなりになって孕まされるなんて。

  ……俺は、男なんだ。

  恐怖で顔が歪むのがわかる。

  上半身を裸にされた俺は、この屈強な犀獣人から逃げ出そうと暴れるが、その太い腕は微動だにしなかった。

  「助けて! 誰か……誰かぁっ!」

  「仕方ねえガキだなぁ。体液仕込んじまえば、大人しくなるか……」

  逃げられないように俺の頭を押さえ込むと、犀獣人は唇を重ねてこようとする。

  「やだ……」

  「やめろ!」

  がつんっ!

  急に襲ってきた横合いからのタックルに、たたらを踏む犀獣人。

  抱えられていた俺は、その衝撃に部屋の隅まで吹っ飛ばされる。

  ……二ノ宮先輩だ。

  「おらぁっ、この犀野郎めっ! タツヨシはやらせねえぞ!」

  そのまま犀に掴みかかる二ノ宮先輩。

  迎え撃つように掌を伸ばす犀獣人。

  「……先輩、なんで」

  「うるせぇ! お前だけは……俺が守ってみせる!」

  お互いに両の掌を掴んで、睨みあう2人。

  先輩は渾身の力を込めているのか、その膂力は犀獣人と拮抗しているように見えた。

  「お、俺も!」

  俺は慌てて犀獣人に背後に回ると、バットを何度も叩きつける。

  だが、鎧のように分厚い皮膚は、その衝撃をものともしなかった。

  犀獣人は、蚊に刺されたほどの刺激さえ感じないように見えた。

  「ぐ、ぐぐぐ……」

  「なんだ、こんなもんかよ」

  その間にも、犀獣人の力は強くなっているようだった。

  徐々に押されていく二ノ宮先輩。

  ……どうすれば。

  戸惑う俺に、先輩は言う。

  「タツヨシ、お前は先に行け! 俺もこいつをなんとかやり過ごして、すぐに追いつくから!」

  「でも……」

  表情に余裕が現れ始めた犀獣人を見て、俺は躊躇してしまう。

  「お前がいたって、この場は好転しねえんだよ。いいから行け!」

  「は、はい!」

  弾かれるように俺は部屋から飛び出す。

  ……絶対……絶対先輩は大丈夫だから。

  ……きっと追いついてきてくれるはずだから。

  あまりの心細さに泣きそうになりながら、屋上へとつながる階段へと走る。

  他の生徒たちはすでに捕まってしまったのか。

  物音ひとつしない静かすぎる廊下に、俺は安堵感よりも恐怖を覚えた。

  ……あった。

  見つけた屋上への階段を駆け上がり、俺はドアノブにかじりつく。

  錆び付いて軋む扉を無理やりこじ開けると、目の前には現状に不釣り合いなほど美しい星が、夜空に輝いていた。

  それでも、大きな空の片隅は少しずつ白みがかっている。

  もう少しで夜明けなのだ。

  胸の中に湧く、ほんの少しの希望。

  虎獣人が言っていたではないか。

  『朝まで我々から逃げきれば、お前たちは自然と元の世界に変えることが出来る』。

  ……朝まで耐えれば帰れるんだ。

  風の音に乗って、男達の嬌声が流れてくる。

  きっと寮の外で犯されているニンゲンがまだいるのだ。

  俺は扉を開けて屋上に降り立つと、キョロキョロと辺りを見回す。

  ……先輩が戻ってくるまでに、早く脱出用のロープを探さないと。

  そんなことを考えている俺の耳に、感心したような声が届いた。

  「ほう、最後まで逃げ切ったのはお前か」

  びくりっ、と声の方を向くと、いつの間にたどり着いていたのか、そこには腕組みをした虎獣人が当たり前のように待ちかまえていた。

  食堂で黒瀬先生を一蹴した、族長と呼ばれた虎獣人。

  「……ど、どうやってここに」

  ……こいつは建物の外にいたはずなのに。

  「我ら獣人であれば、このぐらいの高さなど駆け上ることも造作ない」

  虎獣人は笑う。

  がしっ。

  がしっ。

  がしっ。

  がしっ。

  その言葉通り、寮の壁を登り切り、屋上へ姿を現す獣人たち。

  熊に鮫。猪に時田先輩を捕らえた狼まで。

  獣人たちはニヤついた顔で俺を見ている。

  その目は、雌を貪ろうとたくらむ雄の顔で。

  

  「ひぃっ!」

  俺は思わず後ずさりをした。

  どんっ!

  階下へと降りる屋上の扉に当たって、俺は尻餅をついてしまう。

  「あ……あ……」

  そのまま震えながら、一歩ずつ近づいてくるケダモノを見つめることしか出来なかった。

  どんなことをしたって、この屈強な獣人には敵うことはないのだ。

  ……怖い。

  「二ノ宮……先輩……」

  俺は震える声で助けを求めることしか出来ない。

  「タツ……ヨシ……」

  そんな時、俺の耳に届く聞き慣れた声。

  いつだって、俺の事を励まして、助けてくれる声。

  「二ノ宮先輩!」

  慌てて振り返った階段の下から、ゆっくりと上ってくる先輩の顔が見て取れた。

  ……やっぱり、二ノ宮先輩だ。犀獣人から逃げられたんだ。

  迫りくる獣人たちの姿を見ても、勇気が湧いてくる。

  ……先輩と一緒なら。

  「無事でよかっ……先輩?」

  俺の顔が強張る。

  俺の名を呼ぶ先輩の声は、今まで見たことがないほど、虚ろなものだったから。

  名前は呼ぶものの、その目は俺の姿を捉えてはいなかったのだ。

  かつん、かつん。

  直立不動の姿勢で身体を上下に揺らしながら。少しずつその姿をあらわにする二ノ宮先輩。

  その身体は全裸で……。

  「タツヨシ……。タツヨシにこんなとこ見られちまったら、俺……」

  下半身をさらけ出したまま、逸物を勃起させて先輩は呻く。

  その目は雌のように濡れ、呆けたような顔は快楽に犯されてしまっていた。

  密着したままその身体を後ろから支えているのは、より巨大な犀獣人。

  その快楽ににやけ切った顔を見れば、すでに粘膜同士で繋がっているのは見なくとも想像できた。

  「俺……イッちまうぅぅぅぅぅっっ♡♡♡♡!!!!!!」

  びゅるるるっ!!

  ほとばしるザーメンが、俺の目の前で床を濡らした。

  「そんな……」

  二ノ宮先輩は負けてしまったのだ。

  「あああああああああっ!」

  俺は恐怖のあまり喚き散らすことしか出来ない。

  誰も……誰もいないのだ。

  助けてくれる人は誰もいない。

  このまま蹂躙されることしか出来ない。

  「……捕まえたぞ」

  怯え切った俺の腕を熊獣人が掴むと、虎獣人の待つ屋上の中央へとずるずると引きずっていく。

  もう、恐怖で暴れることも出来なかった。

  たとえ暴れたところで、これだけの獣人たちからどうやって逃げればいいのか。

  「やだっ……やだぁぁっ……」

  あんな風に、雌になんかなりたくない。

  快楽に溺れて、狂ったように墜ちて、孕まされてしまうなんて。

  俺は泣きじゃくることしかできなかった。

  そんな俺の様子に、獣人たちは興奮したのか。

  湯気が出るほどに、股間の逸物を昂らせるのだ。

  「よしよし。最後まで逃げ延びた褒美だ。お前には、族長である俺が、直々に種をつけて孕ませてやる」

  そう言うと、虎獣人は片手で俺の頭を掴み上げ、舌を捻じ込んだ。

  「んぐっ!」

  無理やり歯を割ってくる舌を懸命に押し出そうとするが、その潜り込んでくる勢いには勝てないのだ。

  ぬりゅんっ!

  分厚くざらついた舌で無理やりこじ開けられると、そこにとくとくと唾液が流れ込んでくる。

  「んん……」

  ……呑み込んじゃ駄目だ。

  わかっているのに、吐き出すことも出来ないまま、喉に流れ落ちていく虎獣人の体液。

  とたんに身体が火照ってくるのがわかった。

  鼓動が早くなり、頭の中がもうろうとしてくる。

  目の前の雄が、この上なく尊いものに感じてしまう。

  ……この人が俺に快楽を与えてくれるんだ。

  本能がすべてをさらけ出して従うようにと囁くのだ。

  ……駄目だ。

  俺の理性は必死に抗う。

  ……もう少しなんだ。朝まで中出しされなければ、俺は自動的に元の世界に帰れるんだ。

  だが、現実は容赦なく進んでいく。

  「さてと、ではお前の雌穴をじっくりと味わわせてもらおうか」

  すでに力の入らなくなった俺の体を、コンクリの上に下ろすと、虎獣人は俺のズボンを剥ぎ取った。

  虎獣人はこれから俺を犯すのだ。

  「よく見ておけ。これがお前を孕ませる雄肉だ」

  「……」

  それは、今まで見た獣人の中でもダントツにデカい代物だった。

  太さも長さも、大人の腕ほどもある逸物は、全体に猫科特有の棘がちりばめられていた。

  他の雄が出した精子を掻き出すことに特化したような、キノコのように大きく張り出した雁。

  使い込まれてた逸物は、元の色が何色かすらわからないほど黒くくすんでしまっている。

  大きな睾丸と言い、びくびくとしゃくりあげながら我慢汁を垂れ流すその姿は、恐ろしいまでに強い性欲を感じさせた。

  ……そんなの、入るわけない。

  いくら媚薬に染められたとしても、こんなものに貫かれたら、死んでしまう。

  「あああああああああっ!」

  理解できない化け物に対する恐怖が、死への恐怖へとすり替わり、俺は狂ったように叫んだ。

  それを見て、眉をひそめる虎獣人。

  「俺のマラだとこいつを壊しちまうかもしれんな。……おい、お前ら、先に使っていいぞ。こいつの雌穴を緩めておいてくれ」

  「よっしゃ!」

  虎獣人のその言葉に、嬉しそうに笑う獣人たちは、俺の体に殺到する。

  「やめ……んんんんっ!」

  熊獣人が俺の唇にキスをすると、鮫獣人と猪獣人が、唾液をまぶしつけるように俺の乳首を舐め回す。

  「んひぃぃっ♡!」

  媚薬の効いてきたこの体にとって、それは地獄のような快感でしかないのだ。

  ぬちゅっ、じゅるっ、じゅるっ……。

  ぬるっ、さわっ、じゅるっ、こりっ、ざりざりざり……。

  「んんんんんっ♡♡!!」

  俺の口を我が物顔で掻き回す熊獣人の舌は、とろけるような快感を俺に与えた。

  そのまま粘膜同士が溶けて混ざり合い、一体になってしまえば、どれだけ幸せだろうと感じさせるほどだった。

  それほどまでに巧みな舌先での愛撫。

  そして、それに負けていないのが2人の乳首責めだった。

  年かさの猪獣人は、舌と指先を使い、柔らかくねちっこい攻めをするのに対して、鮫獣人はそのざらついた舌でざりざりと乳首をこそげとるように動かしたかと思うと、鋭い牙でやわやわと甘噛みをするのだ。

  「なにこれぇぇぇぇぇっ♡♡!!」

  思わず俺は熊獣人のキスから逃れて叫んでしまう。

  二つのまったく違う刺激が、媚薬に犯された脳を直撃するのだ。

  「イグぅっ♡! イグぅぅぅっ♡♡!」

  ……乳首なんて、感じたことないのにぃぃぃっ♡♡!!

  こいつらは、人間を雌にする事に長けているのだ。

  媚薬だけではない。

  その熟練の技術で、幾人もの雌を孕ませてきたのだろう。

  そんなすさまじい快感の嵐に、耐えることなどできるはずがない。

  「もう駄目っ♡! イッてるからぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  あまりの快感に、じわじわと漏れ出していく俺の精液。

  竿も触らずに、キスと乳首でイクなんて、もちろん初めての事だった。

  「おうおう、雌汁垂れ流しやがって。……仕方ねえ。このちっこいちんこもしゃぶってやるよ。粘膜にたっぷり体液を擦り込まねえとな」

  狼獣人が大きなマズルを開け、俺の逸物と金玉をパクリと咥え込む。

  「……っ♡♡!!!」

  目から火花が飛び散った。

  口の中で踊らされる俺の性器。

  狼獣人は、すでに完全に勃起した逸物を弄ぶように舌先を動かして、口の中の唾液をまぶしていくのだ。

  その薄い亀頭の粘膜から、しわだらけの睾丸の表面から、徐々に唾液が浸透していくのがわかる。

  体の火照りが、加速度的に増していくのだ。

  吸盤のように吸い付く口の粘膜も俺の快感を煽っていく。

  「あっ♡……あっ♡……」

  射精するたびに、竿を駆け上がる精液の感触すらも気持ちいいのだ。

  吐精する感覚に感じてまたイッてしまう、地獄のようなループがそこにはあった。

  「ごわれじゃうぅぅぅぅぅっ♡♡!!」

  「じゃあ、俺はその雌穴を拡張してやろう」

  二ノ宮先輩の身体を床に捨てた犀獣人が、こちらへと近づいてくる。

  そのいきり勃ったままの逸物は、白濁液と先輩の愛液とで濡れていた。

  「おい、最初に種をつけるのは俺だ。子種を中に出すんじゃねえぞ」

  「ちっ、わかったぜ」

  不服そうに答えながらも竿をしごき、滲み出たザーメンを腕で拭うと、犀獣人は俺の肉穴へと逸物を突きつける。

  この中では一番小さい逸物だが、それでもニンゲンとは比較にならない凶悪なサイズだ。

  「さてと、たっぷり掻き回して、ほぐしてやるからな」

  

  にやりと笑う犀獣人が、腰をグイと押し付けた。

  ぐにゅりっ!

  「ひぎゃぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  媚薬ですっかり緩んでしまったのか、肉棒を初めて受け入れたというのに、そこには痛みなどなかった。

  「おう、いい締まり具合だ。やっぱり初釜はいいなぁ」

  満足げに言いながら、ぐちゅぐちゅと俺のケツを犯す犀獣人。

  その腰が叩きつけられるたびに、快感で体が震えてしまうのだ。

  「ひやぁっ♡! ひやぁっ♡! ひやぁぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  ぐちょんっ、ぬちゅんっ、ぐちょんっ、ぬちゅんっ!

  「すっかり雌の声を出しやがって。……こいつに種付けできねえのはつらいなぁ」

  ずるんっ!

  「ふぎぃぃぃぃっ♡!」

  肉棒が前立腺を擦ると、それだけで射精感に襲われて、俺は身悶えする。

  すっかり枯れてしまったのか、もうザーメンは出ない。

  ただ、睾丸と逸物が引き攣ったように震えて、快楽を俺にもたらすのだ。

  真っ赤に腫れあがった亀頭は、汁を吐き出しすぎたせいか、痛みすら感じてしまう。

  だが、狂わされた俺の感覚は、それすらも気持ちよいと誤解させられてしまうのだ。

  

  「くそ、もうイッちまう!」

  慌てて逸物を引き抜くと同時に、その亀頭から放たれる白濁液。

  びゅるびゅると出るそれが、興奮で赤く染まった俺の身体を白く彩る。

  「おい、次は俺に変われよ」

  息を荒げる犀獣人を押し退けて、逸物を突っ込んできたのは鮫獣人。

  俺を無理矢理立たせて背後に回ると、すでに緩んでしまった肉穴に添えられるのは二股のヘミペニス。

  「む、無理だか……あああああああああっ♡♡!!」

  ぐじゅりっ、じゅぐんっ!

  こじ開けられた肉穴が、二本分の逸物の大きさ分押し広げられていく。

  「あがぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  それは神経が焼き切れるほどの快感だった。

  「漏れじゃうぅぅぅぅっ♡♡!!」

  今まで感じたことない何かが、俺の股間で蠢き始める。

  重くドロドロした、快感の塊。

  熱く膨らんだそれは、俺の竿を駆け上って……。

  びしゃっ、びしゃっ!

  潮となって、噴き上げた。

  「なんだこいつ、潮なんて噴きやがったぞ」

  腰を振りながらガハガハと笑う鮫獣人。

  「気持ちいいのか? ああ? 気持ちいいんだろ??」

  「ぎもじいいでずぅぅぅぅぅっ♡♡!!」

  もう、そこには俺の意志など存在しなかった。

  快楽を求めるあまり、目の前の獣人の言葉にひたすら従うことしか出来ないのだ。

  「お前ばっかり楽しむんじゃねえよ」

  そんな鮫の様子に不満げな熊獣人は、俺の正面に回ると、その頭を掴んで、股間に押し付ける。

  「むぐぅぅぅぅぅっ♡♡!!」

  その太い手で顎を無理やり開かせると、子供の腕ほどもある逸物を押し込んでくるのだ。

  ……息ができない。

  必死に喉を開いているが、そこを完全に埋めてしまうほどの容量を持つ熊の逸物。

  だが、媚薬に犯された身体は、呼吸すらままならないその状態をも気持ちいいと判断してしまうのだ。

  「おお、いいぞぉ、お前の口の中。やわっこくてたまんねえなぁ」

  熊獣人は鼻息を荒げながら、味わうように腰を前後に動かした。

  がちゅんっ、がちゅんっ、がちゅんっ、がちゅんっ!

  「ほれ、もっと舌を使えよ。……そうだ。やりゃあ、できるじゃねえか」

  「んんっ♡! んんっ♡! んんっ♡! んんっ♡!」

  その苦しさに涙を流し、朦朧としながらも、俺の口は決して逸物を離そうとはしなかった。

  本能が、そこからほとばしる子種を求めているのだ。

  快楽に染められて、自分が自分でなくなっていく恐怖に俺は襲われる。

  でも、どうすることも出来ないのだ。

  「よしっ、しっかり飲み込めよぉぉっ! イッくぞぉぉぉぉっ!!」

  びゅるるるるるるるるるるっ!

  「!!!」

  大量に流れ込む粘っこい熊のザーメン。

  それは熱くて、液体とは思えないほど重かった。

  まるで溶けた鉛のように感じるそれを、俺は何とか飲み下す。

  そうしないと、完全に窒息してしまうから。

  そこに含まれる媚薬成分は、唾液や先走りなんかとは比べ物にならないのだろう。

  胃の粘膜から吸収された体液が、ぐるぐると体をめぐるのがわかる。

  「が、があああああああああっ♡♡!!」

  

  俺は胸を掻き毟り、獣のような雄叫びをあげた。

  「おお、締まる締まる……。くそ、俺ももうイッちまう!」

  引き抜かれた逸物は、俺の背中めがけて精液をまき散らす。

  息も絶え絶えの俺は、その場にしゃがみ込みそうになる。

  いくら媚薬でおかしくなっているとは言えども、何度も獣人の激しい腰遣いで犯されれば、身体がもつわけがないのだ。

  それでも、輪姦は終わることはない。

  「次はわしが入れさせてもらうとするか」

  猪獣人はそう言うと、半死半生の俺の体を抱え、その場に横になる。

  騎乗位で俺の肉穴をえぐろうというのだ。

  「おいおい。俺だってやりてぇんだぞ」

  さっき俺にザーメンを飲ませたばかりの熊獣人が不満そうに猪に言った。

  「お前さっきイッたばかりじゃねえか」

  「しょうがねえだろ。興奮しちまってしょうがねえんだ」

  「そうか……」

  熊の顔を見て、にやりと笑う猪獣人。

  「じゃあ、二本刺ししようぜ。お前のザーメン飲んじまってるんだから、雌穴だってほぐれてるだろうさ」

  その言葉に、俺の顔は真っ青になる。

  ……子供の腕ほどもある逸物を2本も受け入れられるわけがない。

  「お、お願いだから……」

  俺に出来るのは、哀れっぽい懇願だけ。

  「なに言ってやがる。鮫の2本はいけたじゃねえか。それよりちびっと太いだけだ」

  猪獣人は、当たり前のように言う。

  「そんな……」

  「大体、これが出来なきゃ、首領の逸物なんて、咥え込めねえぜ。腹を裂かれて死にたくねえだろ。それなら俺達に使ってもらって拡張しとかないとなぁ」

  そう言うと、猪獣人は、上に跨った俺の体に、その逸物を埋め込んでいく。

  ぐじゅりっ、ずるっずるっ、ずるっ……。

  「ひぃぃぃぃぃっ♡♡!!」

  すでに締める力をなくしたのか、ぽっかりと開いてしまった雌穴を埋め尽くそうとする猪獣人の逸物に、俺は泣いた。

  寝たままの態勢の猪獣人は、そんな俺の上半身を抱き寄せるようにして抱え込んだ。

  熊獣人の目の前に晒されるのは、すでに一本の逸物が刺さった俺に雌穴。

  「よしよし、じゃあ、俺のぶち込んでやるよ」

  そう言うと、熊獣人は俺の体に覆いかぶさってくる。

  「ひぃっ♡!」

  思わず俺の口から悲鳴が漏れる。

  そんなの入るわけ……。

  「んぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  熊獣人は、その切っ先を無理矢理に俺の肉穴に押し込んでいくのだ。

  ぎち……ぎち……。

  引き裂かれてしまいそうな肉穴の感触に俺は泣き叫ぶ。

  それは気持ちよかったから。

  自分の身体が壊されてしまうかもしれないというのに、そこにあるのは純粋な快感だけだったのだ。

  「いやだぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  「いくぞっ!」

  じゅぽんっ!

  

  「んあああああああああっ♡♡!!!」

  それは恐ろしいほどの快楽の奔流だった。

  全身を強烈な快感に包まれて、俺の意識は一瞬遠のいてしまう。

  力の入らない人形のような体を支えるように、2本の剛直が俺を貫く。

  「おお、いい締まり具合じゃねえか」

  がつんっ、がつがつがつがつっ!

  熊獣人が、高速のピストンを開始すると。

  「気持ちいいか? なあ、雄に犯されて、気持ちいいんだろう?」

  ぬちゅんっ、じゅるじゅるじゅるっ、ぬちょっ、ずる、ずるずるずる……。

  ゆったりとした、しかし肉穴すべてを堪能するようなロングストロークで俺攻める猪獣人。

  その相反する二つの刺激は、すぐに俺を絶頂へと押し上げるのだ。

  「うぎゃぁぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  もう、目を見開いても、何も見えない。

  目の前に広がるのは真っ黒な空間だけ。

  ブラックアウトしたその先にあるのは、許容量などとうに超えた快楽の塊しかなかった。

  「だめぇぇっ、死んじゃぅぅぅぅっ♡♡!!」

  

  絶頂から降りることが出来ない。

  上と下から同時に攻められ、快感の頂きに達したまま、俺は震え続けることしか出来ない。

  与えられる快感によって何度も気絶して、与えられる快感によって何度も意識を取り戻す。

  今の俺は、2本の逸物に操られるだけのロボットも同然だった。

  「くそっ、これ以上は……」

  「抜いちまうぞ!」

  俺の肉穴をこね回し続けた2人の獣人も、限界が近づいたのか。

  

  じゅぶりっ!

  2本同時に引き抜くと、おびただしい量のザーメンシャワーを俺に浴びせるのだ。

  どりゅりゅりゅりゅっ!

  びゅるっ、びゅるるるっ!

  熱いそれを浴びながら、俺は天を仰ぐのみ。

  その視線に、太陽が東の空を赤く染めていることに、俺は気づいた。

  ……あ、朝だ。

  この世界は、朝を迎えようとしている。

  ……まだ、間に合う。

  俺はまだ、種付けされていない。

  このまま虎獣人に気づかれないままやり過ごせば。

  ……帰れるんだ。

  俺の顔は、嬉しさで歪む。

  ……このとち狂った世界から、元の地球に帰れるんだ!

  「さて、そろそろ俺の番だな」

  そう言うと、歩み寄ってくる虎獣人。

  雄の匂いにまみれた俺の体を今度こそ孕ませようとするのだろう。

  「い、いやだ……」

  俺は力の入らない体を無理矢理起こして、少しでも遠ざかろうと足掻く。

  ……時間を、時間を稼がないと。

  中出しされなければ、俺は帰れるんだ。

  「なんだ。まだ抵抗するつもりか」

  嗜虐的な笑みを浮かべて笑う虎獣人。

  「諦めて快楽に身を任せればよかろうに。……今、引導を渡してやる」

  儚い抵抗などものともせず、虎獣人は俺の体を捕まえると、俺の体を抱え上げる。

  「やめろぉぉぉっ♡!」

  片手で俺の体を固定すると、反対の手でその恐ろしく巨大な逸物を掴み、爛れた俺に肉穴に触れさせた。

  「こいつで狂わせてやろう」

  ぴちゃり。

  「……」

  ぐじゅんっ、ばきばきばきばきっ……。

  「ん”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ♡♡!!」

  

  それは、この世のものとは思えない快楽だった。

  身体が真っ二つに引き裂かれていくような衝撃。

  それがすべて快感へと変換されてしまっているのだ。

  「ふぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ♡♡!!」

  俺は豚のように無様に泣くことしか出来ない。

  あまりの快感に、俺の脳細胞が死滅していくのがわかる。

  快感に神経がすりつぶされていくようにさえ感じた。

  おぞましいほどに巨大な快楽に呑み込まれた俺は、拒むことなどできず、ただそれを享受することしか出来なかった。

  すでに快感の虜になってしまったこの体は、息することにすら快楽をえてしまっていた。

  肺に酸素を取り込むだけで、痺れるような快感に襲われてしまうのだ。

  がちゅんっ、がちゅんっ、ぐちゅんぐちゅんぐちゅんぐちゅんっ、ごりごりごりごりっがつっ、どちゅどちゅどちゅどちゅんっ、ばちゅんばちゅんばちゅんばちゅんっ、がつがつがつがつっ!

  「んんんんんんんっ♡♡!!」

  抜き差しされるたびに俺の体は雌に変わっていくのがわかる。

  虎獣人のための、雌としての体に変わっていくのだ。

  でも……。

  それでも俺の心は一縷の望みを失わない。

  朝焼けに満ちた大空が目の前に広がっているから。

  がつんっ、がつんっ、がちゅんっ、どちゅんっ、ごりっ、ごりっ、ごりっ、ごりっ、がつんっ、ばちゅっ、ばちゅっ、ごつっごつっごつっ、どちゅっ、じゅちゅじゅちゅじゅちゅじゅちゅ、がつんっばちゅんっ、どちゅんっ、ばつんっ、どちゅんっ、がつんっ、がつんっ、がつんっ!

  「やだやだやだやだぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡♡!!!」

  「さっさと堕ちてしまえ。お前は俺のガキを孕む運命なのだ!」

  がちゅんっ、どちゅんっ、ごちゅんっ、ぬこっ、ぬこっ、ぬこっ、ぬこっ、がちゅんっ、がつがつがつがつっ、ぐりぐりぐるぐりっ、ばちゅんばちゅんばちゅんばちゅんっ!

  「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!」

  俺は快感に狂わされる。

  それでも……。

  あと少し。

  あと少しのはずなのだ。

  その期待から、俺はつい、言葉を漏らしてしまう。

  「もうすぐ♡……朝だから♡……」

  「何?」

  俺の言葉に、空を見上げた虎獣人。

  その目には真っ青な青空が広がっていた。

  朝だ。

  ついに朝を迎えたんだ。

  だが……。

  虎獣人は、うっすらと笑みを浮かべる。

  「そうだ、朝だな」

  「……」

  その口調に不穏なものを感じた俺は、押し黙ってしまう。

  「やはりニンゲンというのは愚かなものだな。己の敵の言葉を信じてしまうなどと」

  「なっ!」

  強張った顔をした俺を見て、肉食獣の笑みを見せる虎獣人。

  「朝になれば元の世界に戻れるだと? そんな都合のいい魔法があるわけないだろうが」

  「そ、そんな……」

  俺の心に絶望が降り積もる。

  「異世界召喚は一方通行だ。来ることは出来るが帰ることなどできるわけがないだろう」

  「……じゃあ、なんであんなことを」

  「初めに言っただろう? これはゲームだと。ニンゲンの必死の抵抗があった方が、余興は盛り上がるだろうが」

  その悪辣な笑顔に、俺の心が折れた音が聞こえた。

  「そんな……ひどい……」

  じゃあ、どうあがいても、俺達は孕み袋になる運命だったんだ。

  「心配するな。子種汁を中出しされちまえば、よけいなことなぞ考えられなくなる。ただ、犯されて孕むことだけを望む、家畜のような存在になれるのだからな」

  「いやっ、いやだぁぁぁっ!」

  俺はボロボロと涙を流す。

  そんなみっともない姿すら、虎獣人の興奮を誘ってしまうのだ。

  俺の肉穴は、その逸物が凶悪なほどに膨れ上がるのを感じ取っていた。

  「くそっ、泣き叫ぶ雌を孕ませるのはたまらんなぁ。……今、たっぷり種をつけてやる!」

  「やめてぇぇぇぇぇっ♡♡!!」

  「イクぞぉぉぉぉっ!!!」

  どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ。

  ……ああ。

  熱く濃厚な何かが、俺の中を満たしていく……。

  それは俺の体中を巡り、俺の心を壊していくのがわかった。

  ……もう。

  粘っこい精液に腹が膨らまされていくことに、俺は快感と満足感でいっぱいになっていった。

  ……これなしじゃ生きていけない。

  そんな俺の耳元で、虎獣人は囁いた。

  「ここからここは、俺達の繁殖場となるだろう。お前たちの身体が朽ちるまで、何度も何度でも、孕ませてやるからな」