お前は虎だ、虎になれ

  ピンポ~ン♫

  「広川急便で〜す、サインお願いします〜!」

  俺は段ボールに付いた伝票に自分の名前をサインすると、にっこりとした笑顔で配達員は部屋から去っていった。

  「へへっ、ようやく手に入れたぞ…!」

  ウキウキとした気分で俺はさっそく段ボールを慎重に開封する。

  中には虎のモチーフとしたプロレスマスクがあった。

  「おぉ…すげー本物だ……!!」

  感嘆とした感想を洩らしながら両手でマスクを持ち、ジロジロと鑑賞する。

  黄色と黒の縞模様に耳まで生え揃っている本物の獣毛のような白いファーが施されている。

  流石は5万以上のプロタイプのプロレスマスク、中々の再現度だった。

  俺は小さい頃から親父の影響でプロレスが大好きだ。特にタイガーマスクは言わずもがな名を馳せるほどの超有名のレスラーで小学校では卒業文集で『将来の夢はタイガーマスクになることです』と書くぐらい憧れていた。

  ……今となったら少し恥ずかしいが、子どもの頃は純粋な気持ちでタイガーマスクに憧れていたんだ。

  その憧れのマスクをアルバイトでコツコツと貯めて、ようやく手に入れることができた訳だ。

  これは中々……興奮してきた。後でプロレスサークルの皆んなに自慢しようかと思ったが……。

  「折角だし、少しだけ……」

  俺はゴクリと唾を飲み込む。

  もしかしたら憧れつづけた本物のタイガーマスクになれるんじゃないか、そんな淡い期待に抱きながら、ゆっくりマスクを被った。

  マスクの紐を頭の後ろでギュッと結ぶと、俺は姿見で自分の姿を見た。

  中肉中背のTシャツとスボンにタイガーマスクを被った自分の格好がミスマッチに見えて少し恥ずかしくなってきた。

  「……流石に似合わないな、もうちょっと身体がゴツけりゃよかったんだけどなぁ……。」

  そう思いつつマスクを外そうとしたときかけだった。

  (―――なら、オレ様が相応しいカラダにしてやるよ。)

  ふと地響きのような低い謎の声に一瞬背筋が凍った。

  「!?誰だっ!!?」

  俺は周囲を見渡すが俺以外に誰もいない。気のせいかと再びマスクを外そうするがその前に身体が急速に火照り始めてきた。

  「くっ!?なん、だ、これっ……!?」

  あまりの火照りに俺は胸を押さえその場でしゃがみ込む。

  すると筋肉がムキムキと膨張してきた。大胸筋、上腕筋、腹直筋、大臀筋、僧帽筋、大腿四頭筋……あらとあらゆる筋肉がバケモノかと思うぐらいに発達していく。

  筋肉の成長と背丈が伸びた影響で、着ていた服がギチギチと音を鳴らし、窮屈になる。

  「うっ!あ、ああっ!」

  やがて服が破け、胸や腕の筋肉が露わになり、辛うじてパンツだけは無事だか、今にでも破れんばかりの状態。

  全身が沸騰するように熱を帯び、汗が吹き出し、股間のチンコも段々と熱を帯び始めた。

  「あ、ああっ!いぎぃっ!!」

  筋肉が大きくなるたびにチンコもむくむくと大きくなり、パンツ越しから先端から飛び出してきた。心なしか金玉もずっしりと重たくなっている気がする。

  (ほら、早く人間を捨てろ、捨てちまえ!)

  「だ、誰だよお前……やめ、ろぉ!」

  俺の心に問いかけてくる謎の声。

  それの声に従うかのように、俺の右手が勃起したチンコに触れる。

  「はうぅっ!?!?」

  思わず俺は喘いでしまう。

  ビクンビクンッ!と我慢汁がポタポタと垂らして今か今かと、次の刺激を待っていた。

  (へへっ、いい反応だな。さぁ、気持ちよくイッちまえよ。)

  「あ、あああっ!!!」

  俺は腰を動かし、チンコをパンツ越しに激しく扱く。

  「き、気持ちっ!出しちゃ、ダメなのにっ、気持ちいいぃ!!!」

  (ほら、イケッ!お前のチンコからザーメン飛ばして、イッちまえっ!)

  グチュッ!グチュッ!グチュッ!グチュッ!グチュッ!

  激しく扱きあげるたびに先走り汁がローションのように気持ち良さが増して、さらには皮がズル剥け状態に亀頭が剥き出しになる。

  そして俺は腰を弓なりに反らし、そして―――。

  「ひぃっ、イクぅ!イグゥウウッ!!うっゴォオオッ!」

  チンコから勢いよく大量のザーメンがパンツ越しに発射された。

  「あ、ああっ!きもちいぃいい〜!」

  ビュルビュルと壊れた噴水のように大量に吹き出すたびに俺のパンツがグショグショに濡れ、それでもなおザーメンは止まることなく俺のパンツから溢れ出し、床にビチャビチャと落ちる。

  口端からヨダレを垂らし、目は白目を剥き、全身から汗びっしょりになりながら、俺は絶頂した。

  「ハァハァ……ウグッ!?」

  しばらくして射精が落ち着いてきたと思ったら、再び身体から変化が起き始める。

  なんと被っているマスクが俺の顔に一体化してきていた!

  「な、なんだよこれぇ!は、外さないと……!?」

  俺は後ろの紐を解こうとするが、紐が溶けて無くなっていた。

  (へっ!これから虎になろうってのに外す必要ねぇじゃねーか。大人しく受けいろよ、ニンゲン!)

  タイガーマスクが頭から額にかけてグニュリと俺の顔に食い込むようにフィットしていく。

  一体化するたびにジワジワとバーナーに直接顔に当てている感覚で熱くなってきた。

  「あ、あついっ!あ"つ"い"っっっ!!」

  俺はあまりの熱さに顔を覆う。

  やがてマスクの境い目が無くなると、縞模様のモチーフにした柄から本物の虎の獣毛が生え揃ってきた。

  左右の耳の感覚が無くなってと思ったら、頭上の作り物の耳がピコピコと動いている。

  さらに、目の周りと口元にも獣毛が侵食して、口と鼻が突き出してマズルの部分に形を帯びてきた。

  瞳はギラギラと黄色くなって、獲物を睨みつけるような鋭い目つきになる。

  鼻先は黒く湿っていて、口元からは鋭い犬歯と歯が生えていた。

  (なかなかオレ様に近づいてきたな。)

  「あ、ああっ………!」

  オレ様の頭が完全に虎になると、早送りのように首から下へと身体中に獣毛が侵食していく。

  「おほぅ!?」

  ムズムズと腰辺りに違和感があると、ビリィ!と勢いよくパンツが破けて、長くて太くそしてフサフサした虎の尻尾が生えて、とうとうパンツも破けて全裸になる。

  (へへっ、だいぶオレ様に近づいてきたな。)

  「く、くそぅ、こんなはずじゃねーのによぅ……」

  短い時間にありえない変化に頭がボーッとする、まるで頭ん中で霧がかかったみてぇだ。

  オレ様は熱に浮かされ、鏡に起きたオレ様の変化に目を奪われていた。

  オレ様の声帯から聞こえてくる謎の声に近い野太い喘ぎ声。

  虎の姿になったせいか、オレ様もカラダも興奮してきやがる。

  オレ様はニンゲン。ニンゲン……?

  いや、オレ様は弱いニンゲンじゃない、虎だ。今のオレ様は虎なんだ、そう強く思えば思うほど、次第に興奮が抑えきれない。

  (そうだ、お前は虎だ!さぁ、早くニンゲンを捨てろ、捨てちまえ!!)

  「あっ、ああっ!オレ様はぁ……!」

  オレ様は本能的に未だに勃起しているチンコを扱いてしまう。

  グチュッ!グチュッ!グチュッ!グチュッ!

  さっきよりも感度が増し、腰が自然と動き、オレ様はカクカクと腰を動かしてしまう。

  金玉も先ほどよりも大きくパンパンに膨れて、早く射精したくて堪らない。

  (そうだ、それでいいんだ!早くオレ様とひとつになろうぜっ!!)

  オレ様は更に激しくチンコを扱く。

  もはや考えない。早く虎になりてぇ、早く気持ちよくなりてぇ、ザーメンをぶっ放してぇ……!それだけしか考えきれねぇ……!!!

  「お、おぅ!おうぅ!!!オレ様は、強い、強くて、逞しい虎だ!」

  (そうだっ!お前は虎だっ!お前は強くてエロい雄虎だっ!!)

  「オレ様はっ、虎っ!強くて、エロい雄虎だっ!!」

  謎の声にオレ様は自然と反芻する。そのたびに絶頂が近づいてしまう。

  「イッ、イクッ!イっちまう!!!」

  (あぁ、思いっきりイっちまえ!!!)

  グオォッ!! オレ様は雄叫びと共に、金玉の奥底から貯まったザーメンをチンコから発射した。

  ゴプッ!ドポポッ!ドプゥッ!ドクッドクッ!ビュルルル〜〜〜〜ッッ!!

  気持ちよすぎて意識がぶっ飛ぶんじゃねぇかってくらいの快感が頭を満たし、その度に全身が仰け反る。

  やがて射精が終わる頃には、オレ様はアヘッた顔でヨダレを垂らしていた。

  「ンッ、最高にいい気分だぜぇ!!」

  オレ様は両腕に力を込めてポージングをする。

  「へへっ、いいカラダじゃねーか。今まで嫌嫌だったのがバカみてぇだ!」

  オレ様は改めてカラダを見る。

  筋肉が所狭しと大きくなっていて、ほれぼれとしてしまう。

  すると、チンコがまだ疼いていやがる。

  まるでまだ射精を求めているかのようにビクンビクンとエロく勃っている。

  「なんだ、まだ足りねぇのか?しょうがねぇな、もう一発ぐらいヌいて……。」

  オレ様はチンコを扱ことすると玄関のドアからドンドンッ!とうるせぇノックとともに大家が怒鳴っていた。

  「ちょっと、――さん!?お隣さんから騒がしいって苦情がきたけど!?」

  (チィッ!いい所に邪魔しやがって……!!)

  オレ様は急いでベランダから飛び出し、外へと走り出していた。