神獣である金狼は、虎獣人の手管に呑み込まれる

  ☆

  目の前で繰り広げられるのは、俺の主である金狼のゴール様と、魔王との戦いだった。

  神獣であるゴール様は、下界に干渉することはもともと好む質の方ではなかった。

  我ら獣人とは違い、四つ足の獣の姿を持つゴール様は、この世界の創成期から生き続けた偉大なるお方。

  その神々しい金色の体毛に包まれた体は、決して小柄とはいえない虎獣人の私よりも遥かに大きかった。

  四肢は筋肉で盛り上がり、一振りするだけで、大木をも軽々となぎ倒すことが出来るだろう。

  強さと美しさを兼ね備え、見上げるだけで畏怖を感じさせてしまうほどの存在。

  だが、鋭い爪と牙を持つ猛々しいその姿とは相反するように、その目は優しかった。

  ゴール様の役目は、人々を優しく見守ることなのだから。

  だが、ひとたび牙を剥くと、それは他の神々ですら恐れる、強靭な戦士へと変わってしまう。

  神獣であるゴール様は、この世界を守る戦士なのだ。

  今回、その牙は、下界で世界を滅ぼそうとする魔王へと向けられた。

  人々の安寧を願うゴール様にとって、その魔王の横暴なふるまいは我慢できるものではなかったのだろう。

  下界に降りたゴール様は、龍人である魔王に戦いを挑んだのだ。

  

  ☆

  それは、三日三晩に及ぶ激しい戦いだった。

  人が立ち入ることのできない強大な力を持つ2人の争いに、従者である俺はただ見守ることしか出来なかった。

  ひたすらゴール様が勝つことだけを祈りながら。

  そして、その祈りは天に届いたのか。

  いつまでも互角だった戦いの天秤が、少しずつゴール様に傾いて。

  「これで……終わりだ!」

  鋭い声で一声叫ぶと、ゴール様の牙が、ついに魔王の喉笛を捕らえる。

  ざしゅっ!

  「ぐおぉぉぉぉぉぉっ!」

  噛みちぎられた喉から大量の血を流し、魔王は仰向けのままその場に倒れ込む。

  それは私から見ても致命傷でしかなかった。

  きっと魔王は、もう立ち上がることすらできまい。

  だが、それを見下ろす金狼の体もあちこちが血まみれで満身創痍の状態だった。

  きっとぎりぎりの戦いだったのだ。

  「己の分をわきまえていれば、こんなことにはならなかっただろうに……」

  魔王を見つめながら小さく呟くゴール様。

  その目は、死闘を繰り広げた相手に向けられているというのに、憎悪を感じさせるものではなかった。

  「ふふ……魔王とはそういうものなのだ」

  己の死期を悟ったのか、すでに魔王から戦闘の意志は見られなかった。

  「すべてを滅ぼし、世界を混沌に導くのが我の役目。今回それは成せなかったが、いつの日か我の生まれ変わりが、その責務を果たすであろう」

  「……」

  その言葉に、悲しそうな目を向けるゴール様。

  「たとえそのようなことが再び起きようとも、我がいる限りはその願いは叶うことはないだろう」

  「それはどうかな」

  荒い息のまま、魔王は言葉を絞り出す。

  「我もこのままただでは死なんよ。たとえ世界を守る金狼相手であったとしても、その身体に爪痕を残すことぐらいはできる」

  「なに!」

  眉をひそめる金狼に、魔王は笑いかける。

  「お前の体にわが命を代償にした呪いをかけた。これはいかに神獣であるお前であっても、逃れることは出来ない」

  「……どのような呪いをかけたのだ!」

  「なに、簡単な呪いだ。今までの記憶を失わせ、精神の退行を促す呪い。お前の恐ろしさはその鋭い牙と爪ではない。この世界の創世記から培われた、知恵と戦いの記憶だからな。それを奪いさえすれば、次に我が生まれ変わりし時には、必ずや……」

  それ以上は言葉にはならなかった。

  目をつぶった魔王の身体が、ゆっくりと灰になり消えていく。

  今世の魔王は滅びてしまったのだ。

  だが、ゴール様の顔は険しいまま。

  「ゴール様! お身体は大丈夫なのですか!」

  俺は思わず、ゴール様にお声をかけてしまう。

  「ああ、アレクか。今のところは大丈夫なようだが。……確かに我が体に魔王の呪いを感じる」

  「そんな……」

  動揺する俺に、ゴール様は優しく笑いかける。

  

  「なに、大丈夫だ。再び天界に戻り養生しさえすれば、この程度の呪いなどすぐに力を失ってしまうだろう。……さあ、共に天界に戻ろうではないか」

  「は、はい!」

  その頼もしい言葉に、俺は安心したように頷いた。

  ☆

  俺達虎獣人の一族が、神獣であるゴール様にお仕えするようになって、一体どれだけの年月が経っているのだろう。

  そのぐらい一族にとって、神獣の従者というのは、とてつもなく昔から継承されている役目だった。

  いや、ゴール様に仕える者を選出するためだけに俺達一族は存在すると言っても過言ではない。

  それほどまでに、金狼の存在は尊いものだった。

  それはそうだろう。

  ゴール様は、世界を守る守護神なのだから。

  30年に一度、我が一族の中からゴール様の従者が1人だけ選ばれ、その生涯をゴール様とともに天界で生きることができる。

  これはとても名誉なことなのだ。

  特に、俺のようにその雄々しい金狼に憧れを抱く者には。

  子供の頃から昔話のように聞かされてきた、世界を守り続けてきた強く美しい神獣の武勇伝。

  それを聞かされるたびに『このお方にお仕えできれば……』といつも願っていたのだ。

  それは一族の若者たちもみな同じ気持ちで。

  だからこそ、従者を選ぶ選定の儀式で、自分が選ばれた時には、俺は涙を流して喜んだ。

  命懸けで、この方にお仕えしようと誓ったのだ。

  ……その気持ちの中に存在したのが、憧れだけではなかったことに気づく事もなく。

  ☆

  「お目覚めですか?」

  俺はゴール様が目を覚ました気配を感じ、寝室へと足を運ぶ。

  魔王を倒し、疲れ切っておられたゴール様は、天界へ戻られてすぐ、自室にこもられたのだ。

  ……きっと今日は空腹で目が覚められたはず。

  せめて食事のご希望を聞かないと。

  そんな思いで寝室を訪れたのだが……。

  「えっ」

  俺の目に映ったのは、魔王との戦いのさなかでさえ見せたことがないような、憔悴した神獣の顔だった。

  「僕はどうしてこんなところに……」

  その呟きに、俺は違和感を感じてしまう。

  ……僕?

  いつも『我』とおっしゃっているゴール様が、子供のように『僕』などと言うなんて。

  「ゴール様? どうなさいました?」

  俺の呼びかけにはっと気づいたようにこちらを見る、四つ足の金狼。

  「あなたは……」

  そのすがりつくような視線に、俺は嫌な予感を覚える。

  「お忘れになったのですか? 従者のアレクでございます!」

  「アレク……駄目だ。何も思いだせない。あなたの事も、僕自身の事も……」

  ……呪い。

  昨日、死の間際に言った魔王の言葉が俺の頭に蘇る。

  『なに、簡単な呪いだ。今までの記憶を失わせ、精神の退行を促す呪い。お前の恐ろしさはその鋭い牙と爪ではない。この世界の創世記から培われた、知恵と戦いの記憶だからな。それを奪いさえすれば、次に我が生まれ変わりし時には、必ずや……』

  これは魔王の呪いなのか。

  「怖い……怖いよ……」

  あれだけ猛々しかった神獣が、迷子の子供のように震えていた。

  「大丈夫です! 俺が……従者のアレクがお傍についております!」

  俺は怯えたような自分より大きな体に駆け寄ると、少しでも安心できるようにそっと抱きしめた。

  ☆

  魔王の呪いと言うものは、想像以上に恐るべき力を持っていた。

  さいわい、魔王の呪いは精神的なものに限定されていたせいか、世界を守ることのできる戦士としての力が変質してしまう事はなかった。

  魔王を倒した、力強く雄々しいその姿はそのままだ。

  ただ、世界の創成期からの記憶を持っていたはずのゴール様は、そのほとんどを失い、精神年齢もまるで少年のように幼くなってしまっていた。

  あの威厳に満ちた表情は鳴りを潜め、いつも不安げな顔で俺の周りにまとわりつく。

  

  「ねえ、アレク。今晩一緒に寝ていい?」

  「ええ、大丈夫ですよ。まだお一人で寝るのは怖いですか?」

  「うん、少しだけ」

  世界の守護者の変貌ぶりに、俺は正直不安を覚えた。

  もし、今この瞬間に魔王のような邪悪な存在が下界にあらわれても、今のゴール様では対処できまい。

  だが、それと同時に俺の心の中には醜い思いがふつふつと沸き上がっていた。

  憧れだった神獣様の、別人のように愛らしさと、まるで飼い犬のように懐いてくれるその様子。

  それは、俺だけしか知らない金狼の姿なのだ。

  ……今、俺はゴール様の心をひとり占めにしてる。

  その薄汚れた気持ちは、俺の心を満足感で満たしてしまっていた。

  ……このまま、ゴール様を俺だけのものに出来たら。

  そう、俺はゴール様の事が好きだった。

  そこにあるのは、畏敬だけではなく、恋慕でもあったのだ。

  ……この雄々しい人の雌になりたい。

  そんなよこしまな気持ちを押し殺して、ひたすらお仕えしていたのだ。

  もちろん、そんな思いが叶うことがない事などわかり切っていた。

  だから、そばにいられるだけで満足だった。

  これまでは。

  しかし、状況は変わってしまった。

  体は以前のままでも、心が幼く生まれ変わってしまったゴール様。

  そして、何も知らない無垢な金狼は、俺だけを慕い、懐いてくれているのだ。

  ……もう、手を出さない理由はどこにもないじゃないか。

  魔王の呪いはゴール様だけではなく、そばで見守っていた俺にもかけられていたのかもしれない。

  ☆

  「さあ、今日の食事ですよ」

  その体格にふさわしい大量の料理を調理すると、俺は神獣に差し出す。

  「ありがとう……。今日は何か変わった味がするね」

  「はい、下界から珍しいスパイスを仕入れることが出来ましたので、料理に加えてみました。……お気に召しませんか?」

  「そんなことないよ。アレクの作る料理は、いつも美味しい」

  無邪気な笑顔を見せ、皿の上の料理にかぶりつく金狼。

  以前の優雅な食事風景とは違い、食べている最中に口の周りをソースでべたべたに汚してしまっている。

  「ゴール様、お口の周りが汚れてますよ」

  俺は微笑みながら、それを布で拭う。

  「ありがとう!」

  「元のような神獣に戻るためには、食事マナーも覚え直さなければなりませんね」

  「え~!」

  俺の言葉に嫌そうな顔をするゴール様。

  「面倒くさいよ」

  「大丈夫ですよ。俺がついていますから」

  「……わかった。アレクが言うなら頑張るよ」

  その言葉に、俺の心が打ち震えるのがわかった。

  ……もっと、もっとゴール様の心を俺に依存させてしまいたい。

  そして、俺の事しか目に入らない、雄に変えてしまいたい。

  そんな浅ましい考えを、俺は振り払うことが出来なかった。

  ★

  僕の体はどうしてしまったんだろう。

  いつものように添い寝をするために寝室を訪れてくれたアレクに、僕は困惑した顔を向ける。

  「ゴール様、どうされました?」

  「アレク……。僕、身体が変なんだ」

  なぜだろう。

  アレクの作ってくれた食事を食べてから、急に体が火照ったように感じていたのだ。

  それだけではない。

  心の底から、身体が何かを求めるように駆り立てられているようだった。

  それは心だけではなく、体にも表れている。

  おしっこをする器官、ちんちんが腫れあがってしまったのだ。

  何かを出したいと、奥で蠢いているのがわかる。

  でもそれをどうすればいいのか、僕にはわからなかった。

  「身体が、というと?」

  アレクは僕に尋ねてくる。

  「あの……ち、ちんちんが……」

  よく覚えていないが、これは恥ずかしい事だという思いが、僕の中にあった。

  「ちんちんがどうしたのです?」

  「大きく腫れて……元に戻らないんだ」

  神獣だというのに、僕は泣きそうになってしまう。

  「僕、おかしくなったのかな?」

  不安そうな顔をする僕に従者である虎獣人は笑ってみせる。

  「大丈夫ですよ。おかしなことなんかじゃありません。これは、大人の雄であれば、当たり前に起こることなのです」

  「当たり前……」

  その言葉にホッとする僕。

  いつだってアレクの言葉は正しいから。

  僕を優しく導いてくれるんだ。

  「でも、どうして急に……」

  「一般的に雄として目覚めて、己の雌を求める体になると、逸物はそそり勃つようになるのです」

  アレクは当然のように言う。

  「雌を求める……でもここには雌はいないよ。僕はどうしたら……」

  「俺に任せてください。神獣の不安を解消するのも、従者である俺の役目ですから」

  そう言うと、かがみこんだアレクは僕のちんちんにそっと手を触れさせた。

  「ああっ!」

  手で触られただけなのに、とろけるような快感が、僕の全身を貫いた。

  「すぐに……すぐにすっきりさせてあげますからね」

  「な、何を……ひゃうっ!」

  僕は思わず悲鳴を上げてしまう。

  だってアレクは、僕のちんちんをその口で咥えこんでしまったのだから。

  ぬちゅり。

  虎獣人は大きく口を開けると、柔らかい粘膜を肉棒にまとわりつかせるように動かし、ゆっくりと呑み込んでいく。

  それは思わず腰が抜けてしまいそうな気持よさだった。

  「ああ、アレク……すごい……」

  今まで感じたことがないであろう快感に、僕は身動きすることすらできず、ただ体を強張らせるだけ。

  そんな中、ちんちんの奥から、何かがせり上がってくるのがわかった。

  「あ、なんか……おしっこでちゃう……。アレク、離して……あああっ!」

  びゅるるるるるるるっ!

  おしっことは違う、もっと重たい何かが、恐ろしいほどの快感とともにちんちんから吐き出されるのがわかった。

  それを、アレクは嬉しそうに飲み干していく。

  「アレク……これ……」

  脱力感に襲われて立っているのもやっとの僕にアレクは微笑みかける。

  「これは子種ですよ」

  「子種……」

  「雄であるゴール様は、いずれ雌を娶り、子を孕ませなければならないのです」

  「……孕ませる」

  「そうです。子種は好きない相手を孕ませるために必要なものです。雄ならば当然でなければならないもの。だから何も恥ずかしがることはないのですよ」

  「……うん」

  ……恥ずかしい事じゃないんだ。

  僕は、頷く。

  「あの……アレク」

  「なんです?」

  「僕、もっと出したい……」

  僕のちんちんはまだ腫れあがったままだった。

  もっともっとと快感をねだっているのが、本能でわかった。

  そんな僕を見て、アレクは笑う。

  「わかりました。ゴール様の気が済むまで、何度でも抜いてあげましょう」

  ☆

  ……ああ。

  媚薬を入れてよかった。

  そう、俺はゴール様の食事にスパイスと称して発情を促す媚薬を、こっそり仕込んでいた。

  屈強な獣人であっても狂うほどの量は、いくら大柄な神獣であっても、効果を及ぼすはずだった。

  俺の思った通り、添い寝をするために訪れた寝室で、神獣は戸惑った顔をしていた。

  もじもじとした様子の神獣をしつこく追及する必要はなかった。

  その四つ足の隙間から、十分に見てとれたから。

  その体格にふさわしい、いきり勃つ逸物の様子が。

  獣人の腕ほどもあるその逸物は、神獣とは思えないほどに禍々しく凶悪な代物だった。

  円錐形のそれは、節くれ立って捻じ曲がり、まさに雌を貫き犯すための形をしていた。

  それでも、経験の少なそうな薄ピンク色をしているところを見れば、以前のゴール様は理性で性欲を押さえ込み、ほとんど使ったことがなかったのだろう。

  いや、ひょっとすると童貞なのかもしれない。

  そう考えるだけで、俺は自分のケツがぐじゅぐじゅと疼くようだった。

  

  ……いつか、この肉棒を俺の体で受け止めることが出来れば。

  

  そんな猛々しい逸物とは相反して、怯えたような顔をする神獣。

  泣きそうな顔の金狼は、俺の心を快感で溶かしてしまいそうだった。

  俺は我慢できずに、その逸物を口で咥えこむ。

  その刺激に、神獣にあるまじき悲鳴を上げるゴール様。

  それはそうだろう。

  雌を知らないその先端が、初めて他者の粘膜に触れたのだから。

  そう、俺はその猛々しい逸物を己の口で咥えこんだのだ。

  その精通は、激しいものだった。

  俺の喉奥に叩きつけられるような熱く濃厚な雄汁。

  まるで固体のような形状の黄ばんだ白濁液を、俺は味わいながら喉に流し込んでいく。

  ……神獣の初めては俺の物になったのだ。

  でも、こんなものじゃ物足りない。

  ……もっと、もっと欲しい。

  ゴール様のすべてを俺の物にしてしまいたい。

  ゴール様を俺の雄にしてしまいたい。

  もう、その欲望を止めることなどできなかった。

  ☆

  その日から、ゴール様は俺の口技を求めるようになった。

  元々屈強な体をしているのだ。

  精力も有り余っているのだろう。

  でも、それだけではなかった。

  俺は毎日、ゴール様の食事の中に媚薬と、ついでに精力剤を入れていたのだ。

  大量の薬の力で、いつもゴール様の体は火照っていたはずだ。

  我慢なんぞ出来るはずもない。

  それと同時に、俺はゴール様に歪んだ性教育を行っていく。

  「もっと神獣としてふさわしくなっていくために、覚えてもらうことがたくさんあるのですよ」

  「うん、僕、アレクのいう事だったら何でも聞くよ」

  「『僕』なんて言い方は駄目です。ゴール様にはもっと男らしく、荒々しくなってもらわなければ。『俺』と言いなさい」

  『わかった! じゃあ、アレク、俺のちんちん舐めてくれよ!」

  「ちんちんなんて言い方、雄にはふさわしくないです。ちんぽ、と言わなければ、咥えてあげませんよ」

  「そんなぁ……。じゃあ、……俺のちんぽ、咥えてくれよ」

  「わかりました」

  そんな風に言葉遣いを俺好みに変えていきながら、性に関する知識を少しずつ教えていく。

  「雄は受け身では駄目なのです。気に入った雌がいれば、無理やり抑えつけてでも言うことを聞かせなければならないのです」

  「かといって、痛い目に遭わせるだけの不格好な交尾では駄目です。雌を快楽で泣かせて満足させてこそ、本当の雄なのですから」

  「その逸物を雌穴に突っ込んで掻き回し、子種を放つことが雄の本懐なのですよ」

  俺の言葉に素直に頷き、謝った知識を吸収していく金狼。

  すべてにおいて己のツガイを見つけ、性欲を満たすことが優先されると学んでしまったゴール様。

  その意識にはもはや、世界を守らなければならないという守護者の誇りなど、微塵も存在しなかった。

  ☆

  「アレク、今日も口で抜いてくれよ」

  当たり前のように俺を呼びつけて、フェラをねだる金狼。

  俺の教育の賜物か、その性質は少しずつ変化していく。

  以前の猛々しくも優しい守護神でもなく、記憶をなくしておどおどしたゴール様でもない。

  俺好みの荒々しく淫らな神獣へ。

  「ちんぽが疼いて仕方ないんだ」

  そこに媚びるような表情が見え隠れするするのが、俺の心をたまらなくそそった。

  だが、俺は首を振る。

  「駄目です」

  「えっ!」

  初めての拒絶に、顔を歪める神獣。

  「な、なんで……。アレク、俺の事嫌いになったのか?」

  「そうじゃありません」

  「じゃあ……」

  「教えたでしょう? 雄は受け身では駄目だと」

  「うん」

  「ただ雌に咥えてもらうだけではない、自分から抑えつけて腰を触れるような立派な雄にならなければならないのです」

  「……」

  「そのためのやり方を教えてさしあげます。それだったら、いちいち俺に頼まなくても、何度でも自分で気持ちよく子種を吐き出すことが出来るんですよ」

  俺の言葉に、嬉しそうに顔を歪める金狼。

  その淫らな表情は、以前の姿を知る者にとっては別人のように見えるだろう。

  「なあ、アレク。どうすればいいんだよ」

  俺は柔らかい絨毯が敷かれた床の上を指で指す。

  「その場に伏せてください」

  「こ、こうか?」

  俺の言葉に素直に従うゴール様。

  「そうです。絨毯にちんぽが当たっているでしょう? そうしたらゆっくりと腰を上下に擦り付けるのです」

  ぐちゅ、ぐちゅ。

  すでに濡れた逸物は、先走りが潤滑液になって、スムーズにその動きを助けているようだった。

  無様な格好を俺に晒しながら、かくかくと腰を振る金狼。

  「なにこれ……すげぇ!」

  お気に召したのだろう。

  興奮した面持ちで、ゴール様は猛烈に腰を振り始める。

  「あ、ああ……イッちまうぅぅっ!!」

  じゅぷ、じゅぷ、じゅぷ……。

  青臭い匂いが部屋中に広がっていく。

  「どうです、気持ちよかったでしょう」

  「ああ……。すごかった」

  とろけたような表情で呟く神獣。

  「これなら一人で何度でも出すことが出来ますよ。それに、雌を犯すための練習にもなるでしょう」

  「ありがとう、アレク。やっぱりお前は俺にとっていなくちゃならない存在だな」

  ゴール様の俺を見つめる目には、雌を狙う猛々しい雄の意志が紛れ込んでいた。

  そのことに、俺は痺れるような快感を覚える。

  ……きっと、もうすぐだ。

  「そう言ってもらえると、非常に光栄です」

  その気持ちを押し殺し、俺は微笑んで見せた。

  ★

  俺はアレクに教えられた通り、何度も何度も床にちんぽをこすりつけて、射精を繰り返した。

  ……気持ちいい。

  アレクの手を煩わせることなく、いくらでも好き勝手にイクことが出来る。

  俺は食事と睡眠の時間以外は、ザーメンを出し続けた。

  この体には無尽蔵な体力と精力が込められているのか、何度出しても俺のちんぽは萎えることがなかったのだ。

  絨毯が真っ白に染まり、乾いたザーメンでガサガサになっても、俺は吐精をやめることが出来なかった。

  1週間、1か月と続けても、俺の欲望は高まるばかり。

  初めのうち、俺は教えられたこの遊戯がこの上なく気に入ったからやめることが出来ないのだと思っていた。

  自分で好き勝手にイクことが出来るのだから。

  だが、そうではなかかった。

  俺は物足りなさを埋めるためにそれを繰り返していたと気がついたのだ。

  ……アレクの口、気持ちよかったよな。

  あの柔らかく温かい粘膜の感触が忘れられない。

  それは絨毯の感触なんかとは比べ物ににならなかった。

  俺はあの気持ちよさを求めて、ひたすら腰を振っていたのだ。

  でも……。

  1人ではあの快感は得られない。

  ……もう一度、アレクに頼んでみるか。

  しかし、雄は受け身では駄目だと言われたじゃないか。

  きっとあの虎従者は、うんとは言ってくれないだろう。

  「くそっ」

  俺はどうしたら……。

  その時、俺の脳裏にアレクの言葉が蘇る。

  『気に入った雌がいれば、無理やり抑えつけてでも言うことを聞かせなければならないのです』。

  そうだ。アレクを雌にしちまえばいいんだ。

  あいつにだって穴はあるんだからよ。

  そういえば、アレクは雄の犯し方だって教えてくれたじゃねえか。

  雄の肉穴にも感じるところがあって、そこを刺激すれば雌にすることも出来るって。

  そこに思い至れば、俺にはもう、アレクの姿は雌にしか見えなかった。

  ★

  「アレク。そろそろ教えて欲しいことがあるんだ」

  ある日、いつものように添い寝をしに来たアレクに、俺は言う。

  「といいますと?」

  いつものように笑顔を見せる虎獣人。

  「……交尾の仕方だよ」

  「それは前にも教えたじゃありませんか。雌を押さえつけて、股間の雌穴に……」

  「そうじゃねよ。実際にやってみたいと言ってるんだ」

  「そんなことを言われても……ここには雌がおりませんし」

  困惑したような顔で、俺の虎従者は言った。

  「いるじゃねえか、そこに」

  「え?」

  驚いたような顔をするアレクを、俺はじっと見据える。

  「アレク、お前は俺にとっては雌みたいなもんだ。いや、雌そのものだよ」

  言った。

  言っちまった。

  もう後戻りは出来ねぇ。

  きっと俺の目は、すでに獣欲で汚れ切っているのだろう。

  「ゴール様、私は雄で……」

  「いいや、アレクは雄なんかじゃない。俺のちんぽを咥えこむ雌じゃないか。現に何度も、うまそうに俺のちんぽをしゃぶってただろ」

  「……それは」

  「いいから俺の言うことを聞けよ! 神獣に仕えるのが、従者の役目だろうが!」

  俺は前足で、虎従者の体を押し倒す。

  獣人にしては屈強な体をしているのだろうが、それよりも強靭で大きな体をしてる神獣の力に、抗うことなどできなかった。

  「ゴール様……」

  そこには抵抗できずに弱弱しい声をあげるアレクの姿が。

  だが、それは俺の情欲をそそるだけだった。

  ……こいつは俺の雌だ。

  びりりっ!

  俺は爪で、アレクが身に着けている服を破り捨てる。

  現れたのは、それなりに鍛えられた、黄色と黒の美しい体。

  俺はその体に舌を這わす。

  

  びちゃり、びちゃり。

  「ああっ♡!」

  その声に嫌悪感は見られない。

  快感がちゃんと含まれているのを感じて、俺は嬉しくなってしまう。

  俺は舌先を動かしながら全身を舐め回すと、ついに俺を求める肉穴へと舌を這わせる。

  そこは、まさに雌穴だった。

  雄を求めて、ひくひくと蠢いているのがわかる。

  じゅるりっ!

  「ああっ♡! そんな……」

  ピンク色のきれいな色をしたそこに俺は優しく舌先を突き入れた。

  小さくすぼまって見えたそこは、思いのほか柔らかく、俺の舌を受け入れる。

  「なんだ、えらく柔らかいところなんだな」

  「ひぃっ♡!」

  無味無臭のそこに突っ込んだ舌をぐりぐりと動かすと、気持ちいいのか体をばたつかせるアレク。

  ……これが雌の反応なんだ。

  「だめぇっ♡、ゴール様駄目ですぅ♡……」

  「うるせぇ! お前は黙って俺の下で泣いてりゃいいんだ!」

  「んぎぃぃぃぃぃっ♡♡♡!!」

  えぐるような舌の動きにバタバタと体を悶えさせる虎獣人。

  「ああっ♡、ああっ♡、あああああっ♡♡♡!!!」

  興奮しているのだろう。

  その股間はいきり勃ち、切っ先からはだらだらと先走りが零れていた。

  俺は舌を引っこ抜くと、そのちんぽを優しく口で包み込んだ。

  くちゅんっ!

  「ゴ、ゴール様ぁぁぁぁっ♡♡♡!!」

  塩辛いが、嫌な味ではない。

  これが俺の雌の味なのだ。

  俺は飴玉をしゃぶるように口の中で硬いちんぽを転がした。

  

  じゅぷ、じゅぷ。

  歯を立てないように注意しながら、かわいい泣き声をあげる雌を気持ちよくしてやりたい一心で俺は口を動かした。

  ……これが雌を己のものにしたいという雄の気持ちなのか。

  こいつのためならなんだってしてやりたい。

  そんな気持ちが俺の心の中に膨れ上がる。

  それと同時に、アレクのちんぽが膨れ上がるのがわかる。

  ……よし、来い!

  ぐちゅ、ぬちゅ、じゅちゅ、ぐちゅ、ぐちゅっ!

  「んああああああああああああああっ♡♡!!」

  寝室に響く絶叫とともに、ちんぽから濃厚な雄汁が放たれる。

  びゅるるるるるるるっ!!

  ごくっ、ごくっ。

  俺は喉に引っ掛かりそうな粘っこい白濁液を当たり前のように飲み下した。

  俺の雌が出したものだ。

  飲まないという選択肢はないのだ。

  「どうだ、気持ちよかったか?」

  「はい……」

  虚ろな顔のまま、脱力しているその体を、俺は転がしうつ伏せにする。

  「ゴール様、何を……」

  「決まっているだろう? お前が教えてくれたように、雄を雌にしちまうんだよ」

  「そんな……」

  身じろぎしようとするその体に俺はのしかかると、誘うようにひくつく雌穴に、俺はちんぽを押し付けた。

  「ひぃっ♡!」

  「心配すんな。ちゃんと舐めてほぐしてやったからな」

  「でも、大きすぎる♡……」

  「よく言うぜ。雌穴が嬉しそうに蠢いてるぜ」

  「そんな……」

  顔を赤らめているであろうことは、うつ伏せになっていても感じ取れた。

  「欲しいのか?」

  俺はちんぽを肉穴に強く押しつけると、耳元でそう囁く。

  「えっ?」

  「俺のちんぽが欲しいのかと聞いてるんだ」

  「……」

  無言になるアレク。

  そこには色々な葛藤があるのかもしれない。

  だが、逃すつもりなどさらさらない。

  こいつは俺の雌にするんだ。

  ぐちゅり、ぐちゅり。

  「あああああっ♡!」

  入り口を掻き回すように少しだけ押し込んでみせると、アレクは雌の声を響かせた。

  「やっぱり欲しいんだろうが。正直に言わないと、入れてやらないぞ!」

  その言葉と刺激に、もう堪えることなどできなかったのだろう。

  アレクは泣きながら、大声で叫ぶ。

  「欲しいです! ゴール様のちんぽ、俺の雌穴に下さい!」

  ずごんっ!

  もう我慢などできなかった。

  雄を求める雌の体に、俺は情け容赦なくちんぽを叩きこむ。

  

  「あぎぃぃぃぃぃぃぃっっ♡♡♡!!!!」

  体をのけ反らし、絶叫を響かせる虎獣人。

  どぴゅっ、どぴゅっ!

  

  その股間から再び白濁液が漏れ出したのは、締め付ける雌穴の感触と青臭い匂いでわかった。

  だが、そんなことに気を取られている余裕は、今の俺にはなかった。

  ……気持ちいい。

  からみつくような粘膜の感触。

  温かく、柔らかいそこは底なし沼のように俺の猛々しいちんぽを受け入れるのだ。

  ぐちゅん、ぐちゅん。

  「くっ」

  軽く抜き差しするだけで、逃がさないとばかりに肉襞が俺のちんぽにすがりつくのだ。

  雌が俺のちんぽを求めていると、はっきりわかる。

  それは、俺の支配欲を刺激するのだ。

  

  「すっげぇ……ちんぽいいぜ」

  俺は思わず呻いてしまう。

  「どうだ、アレク。俺のちんぽ気持ちいいか?」

  「すごいですぅ♡。頭……おかしくなっちゃいそう♡……」

  「おかしくなっちまえよ。俺と一緒に狂っちまおうぜ」

  がちゅんっ、どちゅんっ、ぐちゅんっ、どちゅんっ。

  「んぎぃぃぃぃぃっ♡♡♡!!」

  あられもない声で、泣き叫ぶアレク。

  己のちんぽでわめきたてる雌の存在が、俺はかわいくて仕方なかった。

  ……こいつを狂わせて、俺の物にするんだ。

  すぐにでも射精しそうな気持をぐっとこらえて、俺はひたすら腰を振る。

  がつがつがつがつがつがつがつがつがつがつっ!

  「しゅ、しゅごいぃぃぃぃっ♡♡♡!!」

  「何言ってやがる、こんなもんじゃねえぞ!」

  俺は腰を動かしながら、ちんぽでアレクの泣き所を探る。

  ちんぽの裏側に存在するという、クルミ大の快楽の源泉。

  ……ここか。

  ぐりっ。

  「ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ♡♡♡!!」

  その小さく硬い塊を俺の亀頭で圧し潰した瞬間だった。

  アレクの体は痙攣しだし、そのちんぽからは透明な液体はほとばしる。

  

  びしゃっ、びしゃっ!

  「おいおい、お漏らししちまったのかよ。まるで子供だな」

  「も、申し訳……ありません。お許しを……」

  「許すわけないだろうが! お仕置きしてやらねえとな」

  俺は愛しい雌に素っ気なくそう言うと、腰の動きを一段と強めるのだ。

  ぐじゅんっ、がつんっ、ぐじゅんっ、ばちゅんっ、がつがつがつっ、ぐじゅんっ、ぐじゅんっ、どちゅんっ、ごりゅんっ!

  「いあああああああああああっ♡♡♡!!!」

  雌穴が痛いほどに収縮して、俺のちんぽを掴み取る。

  俺はそれを押し広げ、こじ開けるのだ。

  「すっげぇ、ちんぽ気持ちいいぜ」

  俺は淫猥な笑みを浮かべて、ただひたすら腰を振る。

  もうすぐそこまで、子種がせり上がってるのがわかる。

  こいつをこの雌穴に叩きつけて、アレクを正真正銘、俺の雌にしちまうんだ。

  がちゅん、ぐちゅり、ごちゅん、ぐちゅん、ぐじゅり、ぐじゅっ、ぐじゅっ、ばちゅん、ばちゅん、がつんっ、ぐじゅりっ、ぐじゅぐじゅぐちゅぐちゅ、がつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつっ、がつんっ、がつんっ、がつんっ、じゅちゅじゅちゅじゅちゅじゅちゅっ、じゅるり、ずるり、ずるり、がつんっ、がつんっ、がつんがつんがつんがつんっ、がつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつ!

  「ん”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ♡♡!!」

  「くそ、くそ……アレク、イクぞぉぉぉぉぉっ!!!」

  どりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅっ!!!

  ちんぽが爆発したような勢いで、俺はザーメンを吐き出した。

  今までに出したことのない大量の雄汁が、見る間にアレクの腹を膨らませていく。

  まるで孕ませたように。

  ……これでこいつは俺の雌だ。

  ……もう絶対に離さねえぞ。

  あまりの脱力感に目をつぶりながら、俺はそんなことを思った。

  

  ☆

  ……よかった。

  満足したように眠りにつく巨躯の神獣の体を撫でながら、俺は呟く。

  ずっと求めていたゴール様が、ついに俺を雌と認めてくれたのだ。

  これ以上の喜びはなかった。

  このまま、俺はこの雄に一生仕えることが出来るのだ。

  唯一無二の雌として。

  もう、この世界の平和などどうでもいい。

  この命が尽きるまでゴール様と共にいられれば、それでいいのだ。

  ひょっとしてそれは魔王が望んだシナリオなのかもしれない。

  それでも、俺には何の後悔もなかった。