入れ替わり物-竜虎相搏つ

  柔らかな日差しの公園で、ヤクザ一家の組長である虎徹は、孫の景虎とのキャッチボールを楽しんでいた。

  小柄な体格ながら、長年のケンカで鍛えられた虎族の肉体は、打ち鍛えられた日本刀のように切れ味の鋭いボールを投げている。

  10歳の景虎は必死にそれを受け止めようとしているが、怖くてキャッチできない。虎徹が投げるたびにボールは、景虎の後ろに流れていく。

  しかし、それを毎回受け止める巨大な男がいた。

  「もうっ、おじいちゃんのボール速いよっ! 牛虎が居なかったらキャッチボールにならないよ!」

  「はははっ、スマンスマン。牛虎もスマンな」

  「……」

  牛虎と呼ばれたその男は無言で首を横に振ると、ボールを景虎に手渡した。

  2メートルを超える山のような巨体にスーツを着込み。牛のような二本の角が生えた虎獣人。彼は虎徹の右腕として長年使える男である。

  ワータイガーの血を濃く残すこの男は、生まれた時から角が生えていた。それ故に苦しい幼少期を過ごしたのだが、虎徹によって救われた。

  以来、彼は虎徹に絶対の忠誠を誓い、彼の為に剛腕を振るい、夜伽の相手もするほど虎徹に心酔している。

  「楽しそうだな、虎徹よ」

  木枯らしの如く、錆びれた声が三人を通り抜けた。

  三人を監視するように公園の入り口に、年老いた龍人が立っている。

  古木のような立派な角に真っ白なタテガミ。薄紫の鱗に緋色の目。警察官の衣服を身に着け、その旨には無数の勲章がつけられている。

  「なんでぇ。また俺をパクリに来やがったのか。龍次」

  「ふんっ、貴様には違法薬物使用の嫌疑がある。話は署で聴こう」

  「何度も言うがそんなもんは使ってねえって言ってるだろ。……まぁ言っても無駄か。そいじゃ、かつ丼でも食いに行ってやろうか」

  虎徹が龍次の元に歩いていくと、影から潜んでいた刑事が現れ、虎徹を取り囲んだ。牛虎が獣のように牙を剥き、虎徹はそれを視線でいさめる。

  「なに、すぐに戻る。孫を頼んだぞ」

  黒塗りの車は、虎徹を後部座席に乗せて警察署へと向かって走り出した。

  昭和55年、夏。

  「もう会わねえのか?」

  「すまない」

  夏日が安アパートの窓から差し込んでいた。

  扇風機が煎餅布団に転がる二人の男達の汗を冷やそうと無駄な努力を続けている。

  「家を捨てられないんだ……」

  「そうかよ……」

  虎の男があきらめたように煙草に火をつける。タールのキツイ臭いが部屋に広がっていく。龍の男はその嗅ぎなれた臭いに顔をそむけた。

  「すまない……」

  虎の男は煙を大きく噴き出すと、そのまま龍の男を顔を無理矢理向かせて、その唇を奪った。

  長く。深く。彼らは口付けを交わす。

  虎の男。虎徹は、そのまま龍次を組み敷いた。先ほどの情事からまだそれほど時間が経ってはいない。しかし、若い二人がその熱い情欲を燃え上がらせるには十分な時間ではあった。

  虎徹の指先が、龍次の股間に触れる。

  龍族はそこに割れ目を持ち、その柔らかい肉壁内に槍のような男根を収納している。

  虎徹はその中に手を入れて中心を撫でた。

  「んぁ」

  先ほどまで虎徹のトゲチンポが入っていた割れ目は、十分に解され柔らかくなっている。そこを再び刺激され、いったばかりの敏感な身体が過剰に反応してしまう。

  「俺のチンポが欲しくねえのかよ」

  指が抜かれ、ぐしょぐしょに濡れたその割れ目の入り口に、硬く勃起したトゲチンポが触れた。

  「……ぁぁぁ。欲しい……けど……」

  龍次の目から一筋の涙が落ちた。

  夏の暑さで染み出た汗と溶け合いながら、煎餅布団に染みを作る。

  「クソッ!」

  「ああっ!」

  虎徹のトゲチンポが龍次を貫いた。やみくもに腰を打ち付けて汗を散らす。

  腰を打ち付ける度、中で龍次と虎徹のチンポがゴリゴリと擦れあい、二人は昇り詰めていく。

  互いの手が重なり、指を絡めて、繋がり合いながらもう一度深くキスをする。

  煙草の臭いと龍涎香の甘い香りが混ざり合い、彼らが過ごした思い出が過ぎ去っていく。

  「龍次ッ! 龍次ッ!」

  「あぁ! 虎徹!」

  二人は愛しい者の名を呼びながらその肉壺に真っ白なザーメンを吐きだした。ドロドロとこぼれ落ちる二人の愛は安アパートの一室で終わったのだった。

  (……あれから40年か)

  取調室でかつ丼を食べながら、思い出すのは龍次との最後の逢瀬だった。警察や軍隊に何人もの著名な人物を輩出している龍造寺一族に生まれ、その本流として警察勤務が決まっていた龍次と、孤児でヤクザ者の虎徹が別れてしまうのは当然の成り行きだった。

  しかし、彼ら二人の過ごした奇跡のような2年間は、虎徹の中に色鮮やかに輝いている。

  「ご苦労さん。もう帰っていいぞ」

  「虎徹さんいつもお疲れさまっス!」

  柴種の犬獣人『柴田』と鷹種の鳥獣人『若宮』の刑事コンビが入ってくると、虎徹の取り調べは終わりである。

  1年ほど前、警察庁長官になった龍次が虎徹の前に現れると、身に覚えのない容疑で逮捕された。初めは驚き、そして戸惑ったが、何度かこんなことが続くと慣れてきた。

  いまだその目的は判らないが、かつての恋人と会える数分は孫と遊ぶ時間と同じくらい楽しみになっていた。

  「しかし、なんで長官はあんたにこだわるのかね。確かにあんたの虎徹一家はこの辺で一番でかい武闘派ヤクザだが……、もっとやばい奴らもいるんだがな?」

  「あれじゃないっすか?ほら、長官って堅物だから性風俗で稼いでる虎徹さん所が嫌なんじゃないっすか?」

  「バカ野郎。たとえヤクザでも、目の前で言うんじゃねえよ」

  「はっはっはっ、いいんだ。若宮に悪気がねぇのは判るしな。んじゃ、俺は帰るぜ」

  手慣れた様子で廊下を歩き、警察署から出ていくと、牛虎と景虎の二人が虎徹を待っていた。

  「おじーちゃーん!」

  小さな毛玉が虎徹に抱きついてきた。フワフワの柔らかい毛皮とかすかな甘い匂いが虎徹の鼻をくすぐる。

  「おいおい、どうした。そんなに俺に会いたかったか?」

  「うんっ!」

  満面の笑みを浮かべて、景虎は虎徹の胸に顔をうずめて染みついた煙草の匂いを嗅いだ。いつもより激しい孫のスキンシップに戸惑いながら、虎徹達は家へと帰っていった。

  [newpage]

  「うーむ」

  真夜中。牛虎から売春宿の報告を聞きながら虎徹は自室で頭を捻っていた。

  革張りの大きな椅子に座り込み、ナイトガウン姿でウィスキーの香りを嗅ぎながら、目の前の巨漢を観察する。

  「……何かがおかしい」

  いつもよりはしゃぐ孫の景虎。今日はやけにスキンシップが多く、一緒に入った風呂場でもなんだか様子がおかしかった。

  そして何よりも報告を続けるこの男である。

  「……何か?」

  牛虎も報告を止め、虎徹に尋ねた。スーツに包んだ巨躯を姿勢良く伸ばし、紳士的に振る舞う姿はとても野獣の血を濃く引いているとは思えない。

  その報告する姿も『いつもと同じ』なのだ。

  「牛虎よ。何か忘れてねえか?」

  「……」

  虎徹は無言でガウンの帯を解き、その筋肉を晒した。

  御年62歳の老体だが、肉体から老いを感じられない。割れた腹筋と盛り上がった胸筋には、毛ツヤの良い獣毛がなびいていた。

  そしてその股間には、数々の女も男も抱いてきた黒々としたトゲチンポが鎮座していた。萎えているそれを前に突きだし、虎徹は牛虎を誘った。

  「……」

  牛虎はしばし躊躇すると、その巨体を折りたたみ、膝を床につけて虎徹のチンポに顔を近づける。頭の角で虎徹を傷つけないように気を付けながら、その巨大な口でチンポをしゃぶった。

  じゅぷ。じゅぷり。

  舌で唇で唾液を絡ませながら、牛虎は虎徹のチンポをしゃぶる。気持ちいいのだろう、虎徹の手が牛虎を撫でその奉仕を褒めてやる。

  しかし、そのトゲチンポは一向に固く大きくはならなかった。

  「牛虎、準備しろ」

  牛虎の顔を引き離すと、虎徹はそう言い放った。

  彼はおずおずとスーツを脱ぎ、その巨体を解き放った。その肉体はロープで縛られており、身に着けているケツワレには染みが浮いている。

  牛虎が力むと、その尻穴から太長いディルドがごとりと落ちた。

  四つん這いになり、ぱっくりと空いたその肉穴を虎徹に向けてケツを広げる。

  「……ふぅ」

  大きく溜息をついて、虎徹は引き出しから手錠を取り出し、それを牛虎の両手に取り付けた。さらに両足を鎖でつなぎ、身動きができない状態にする。

  「オメェ誰だ?」

  尻穴に拳がねじ込まれた。牛虎の巨体が跳ねあがり、声にならない声を上げて身もだえる。

  「ふんっ、ケツアナまで牛虎とそっくりたぁ恐れ入る。だがな、こいつが俺のチンポをしゃぶるなんてこたぁ無いんだよ。何せ俺は勃たねえんだからな」

  いまだ萎え続けるトゲチンポでペチペチと牛虎のケツを叩き、その穴の奥へと拳を進める。

  「んぐぉぉ」

  牛虎の股間で揺れる巨砲がメリメリと大きくなっていく。血管が浮き出たその肉竿は虎徹とは異なりトゲが無く、毛皮につつまれた根元から子供の腕ほどもある陰茎の先端にオレンジほどの亀頭がついていた。

  「おうおう、まじで牛虎みてぇだな。こいつは普段は寡黙で真面目なんだがよ。ドMでな。こうやって弄ってやるのが日課なんだが」

  腕がズボリと引き抜くと、牛虎の巨体を蹴り飛ばして仰向けにさせた。

  巨大な肉竿が天を向き、ダラダラと先走りを流すさまが晒される。

  「俺もこうやって楽しむわけだ」

  虎徹はその巨大な肉竿に跨ると、メリメリと尻穴で飲み込んでいった。

  「んうう……おおおっ……」

  夜ごと弄り遊んだその肉穴は、牛虎の肉竿を難なく飲み込んでいく。肉竿を柔らかく締め付けるその快感に、牛虎である者は蕩けていく。

  「どうでぇ。俺の雄マンコは気持ちいいだろ? このまま気持ち良くさせてもいいんだが、おめぇには色々聞きてえことがあるからよ」

  そう言って、何処からかリングを取り出すと、牛虎のチンポの根元に取り付けた。それは根元を締め付けて、溢れる先走りの流れも止まってしまう。

  「正直に話したら、このコックリングを外してやるぜ」

  ケツアナを締め付けると、牛虎が悶えた。そのまま虎徹は身体を上下に動かしてズポズポと肉竿を刺激する。

  「あー! いいぜ! お前もチンポ動かせ!」

  「んんー! ぃ゛ぃ゛ぃぃー!」

  「ようやくしゃべったな! オラオラもっと激しくいくぞ!」

  虎徹の手が牛虎の乳首を捻った。本来ならば鋭い痛みが襲うはずが、牛虎になった者には脳天を貫くような快感が襲う。調教された牛虎の肉体は、痛みを快感に変えてしまうのだ。

  「んっ! いぃ゛! ぞんなぁぁ!」

  「乳首いじられて気持ちいいかぁ?」

  「あ゛ぁぁぁ! ぅぅぅんん!」

  チンポと乳首からの刺激は閃光のように彼の頭を焼いた。金玉はせり上がり、何度もザーメンを吹き上げようと肉竿は脈動するが、きつく締まったコックリングがそれを封じている。

  リングを外したいが、手錠によってそれもかなわない。

  「い゛い゛い゛がせぇぇてぇぇぇぇ」

  「なんだあ? もうおねだりかよ。牛虎ならもっと耐えられるぞ」

  「むりぃ゛ぃ゛ぃ゛い゛がせぇぇてぇ!」

  「なら、話すんだな。テメェは何もんで、どうやって牛虎になりやがった?」

  「はなず! はなずから!」

  角の生えた厳つい顔を、涙と鼻水で濡らしながら牛虎になっている者は懇願した。それを見た虎徹は乳首を弄る手を止めて、ジッと男を見下ろした。

  「話してみろ」

  「はぁはぁ……わ、私は龍次様に仕える科学者『ドクターD』だ」

  「龍次だと?」

  「そうだ。龍次様のたっての願いで私は『入れ替わり薬』を作ったのだ」

  「入れ替わり?」

  「1回飲めば1度だけ、手に触れて相手と自分の身体の構造を入れ替えることができる素晴らしい発明だ」

  「なにぃ? そんな薬があるのかよ。そりゃあすげえな」

  「ふふふ、そうだろう。龍造寺一族に伝わる龍薬の技術の応用だ。これを使えばあらゆる病気を――」

  男の話もほどほどに虎徹は尻穴からチンポを抜くと、ガウンを羽織って部屋の外に出ていく。目指すは牛虎の私室である。ドクターという科学者の話が本当ならば、きっとあるはずである。

  ――数分後

  1人、射精寸前で放置されたドクターは悶々としていた。手錠と足枷で動かず、チンポはいまだコックリングで封されて、イク事さえできない。

  快感の波も落ち着いて射精したいという気持ちはおさまったが、中途半端にいじられた身体は、熱をもって疼き、ムラムラが収まらない。

  「待たせたな」

  虎徹が戻ってくるとその手には緑色に光る液体の入った瓶が握られていた。

  「なっ! なぜそれを?」

  「その顔からすると当たりみたいだな。あると思ったぜ、元に戻るための『入れ替わり薬』」

  妖しく揺れるその薬液を虎徹はぐいっと一息に飲み干した。

  「さーて、それでお前に触ればいいんだっけか?」

  虎徹の身体は湯気を立て、汗を流しながら、ドクターに近づいていく。嫌がり身をよじるその巨躯に手を触れると、二人の身体に電気が走る。

  「んぐっ」

  「あぁぁ!」

  全身の毛が逆立っていく。触れている場所にエネルギーが巡り、渦を巻いて身体の情報を交換している。新しく吹き込まれた情報が全身に伝播し、細胞がその情報によって書き変わった。

  細胞たちは律儀にその新たな情報に基づいて、その形を変えていく。形を変え増殖し、必要がなければ減少する。

  「んぐううううぅぅぅ」

  そうやって虎徹のスリムな肉体は、膨張と肥大化を繰り返して2メートルを超える巨躯に育つと頭から二本の角が生えた。その姿は彼の右腕である牛虎の姿にそっくりであった。

  「ぁぁぁぁぁ……」

  逆に龍次の身体は縮み。年の割には筋肉の割れた虎徹と同じ身体になっていた。

  身体の大きさが小さくなったことで、身体を縛っていたロープや手錠やコックリングすら外れていたが、逃げ出すことも忘れて、ただ老いた虎徹の身体になった事に戸惑っている。

  「ど、どうして薬を飲んだんだ」

  「こうしねえと本当かどうかわかんねえだろ? しかし、びっくりだな。ケツアナも乳首の感度も俺の身体の比じゃねえ。あいつこんなに感じてたんだなぁ……うっ」

  ケツアナと乳首を弄りながら、虎徹は牛虎の身体を堪能した。その快感に牛虎のチンポはムクムクと立ち上がり、その巨大な肉棒の先から汁を垂らし始める。

  「おおっ! 久しぶりに勃ったぞ! これだよこれ!」

  ゴシゴシと片手で巨砲を擦り、もう片方で乳首を弄る。久方ぶりの感覚に虎徹はあっけなく昇り詰める。

  「んぐっ! イグッ!」

  巨砲からマグマのようにザーメンが吐きだされた。ドプドプと濃い液体は鈴口から何度も吐きだされ、目の前の虎徹になったドクターの身体を白く汚した。

  「んはぁぁ気持ちいいぜぇぇ! ふぅ、一発出しただけじゃおさまらん。 ケツ借りるぞ」

  虎徹は入れ替わった己の似姿を太い二の腕で抱き寄せ持ち上げる。ドロドロのザーメンで濡れる亀頭が虎徹になったドクターのケツアナに触れた。

  「ま、まってくれ! そんなデカいの! 無理だ!」

  「なんだぁ? さっきまで牛虎の身体ででっけえでオモチャを尻に入れてたじゃねえか」

  「あ、あれは。入れ替わり対象が身につけていたので仕方なく……」

  「なるほどな。バレねぇように身につけてたってわけか。涙ぐましい努力だなぁ」

  ズンっと腰を入れた。亀頭は呆気ないほど簡単にドクターの肉壺に入り込んだ。

  「ぐっ、ぐぁぁぁ!」

  「おー、気持ちいい。やっぱ硬くならねえと挿入できねえからなっと」

  「おほっ! 気持ちいぃぃ??」

  「そりゃ、俺の雄マンコだからな。久しぶりのタチだが心配すんな、極楽を見せてやるよ」

  ドクターの身体をオナホのように掴み、グチュグチュと上下に動かし、それに合わせて腰も振る。

  ズパンズパンと肉同士が激しくぶつかり合い、その度にドクターは声を上げた。

  「ふんっ! ふんっ! 俺を犯してるってのも変な感じだがっ! チンポが締め付けられんのはやっぱたまんねぇな! お前も気持ちいいだろっ!」

  その問いかけはドクターの耳には届いていない。巨大なチンポに何度も前立腺を押しつぶされ、その度に雌のようにイッてしまうのだ。

  初めてのメスイキが何度も繰り返される。その刺激にドクターの頭は耐えられない。

  白痴のように虚になり、勃たないトゲチンポから尿とも精液ともわからない薄い汁を流し続ける。

  「おっし! そろそろイクゾッ! イクッ!」

  「ああっあっ」

  ドクターの中にザーメンが吐き出された。それは最奥で強く震えて腹を満たす。それを強く感じながらドクターは意識を手放した。

  「クゥゥ、まだ出し足りねえが本物の景虎と牛虎を助けねえとな。それに偽物の野郎にも仕置きをしてやらねぇとなぁ」

  虎徹は携帯を取り出し虎徹一家子飼いの警察官に指示を出す。これで2人の行方はわかるだろう。

  「龍次よ。あの時の続きをしようじゃねえか」

  空になった薬瓶を片手に虎徹は再びチンポを擦りはじめたのだった。

  [newpage]

  朝日が子供部屋に差し込む。幼い虎獣人の黄色の毛皮が陽光を浴びて輝きをます。

  「んっ、ふぁーあ」

  普段ならすぐに目が覚める彼だが、子供の身体のためかひどく眠そうだ。猫のように伸びをすると、子供用の寝巻きを整える。

  昨夜は虎徹にじゃれつきすぎて疲れたのかいつ間にか布団に寝かされていた。誰が着替えをしてくれたのか考えて、彼の顔は赤くなる。

  「虎徹。変わっておらんかったのお」

  幼年期の高い声で呟く独り言は随分と老いていた。それもそのはずである。10歳の景虎と入れ替わったのは齢63歳の龍次なのである。

  「この子には悪いが、もうしばらく虎徹のそばにいさせておくれ」

  手が寝巻きズボンの内側に入り込んでいく。ふわふわの毛に包まれた幼い陰茎は、昨夜の虎徹の感触を思い出し、小さく張り詰めている。

  精通もまだしていない。未成熟なそれに触れると痺れるような快感が走り抜けた。

  「いかんいかんっ!」

  その刺激に引き戻される。

  地位を得て晩年を振り返った時、狂おしいほど虎徹に会いたくなった。龍次自身も馬鹿なことをしているとわかっている。しかし、こんな入れ替わり薬を使って、子供と入れ替わってしまうほど、龍次は虎徹に焦がれていた。

  それでも人様の身体、しかも幼児の身体で自慰行為までしてしまうことは憚られた。

  「やはり今日で戻るとしよう」

  入れ替わった二人は薬で眠らせている。1日くらいなら入れ替わっていた事を誤魔化せるかもしれない。そう思い始めた時であった。

  「ただいまー!」

  元気よく枯れた声が玄関から響くと、ドタドタと足音を立てて子供部屋へと誰かが近づいてくる。

  「あっ! ほんとうに僕がいる!」

  勢いよく開かれたドアの向こう側にいたのは、龍次の身体になった景虎だった。

  「なっなぜじゃ?」

  眠らせて、警察署に軟禁していたはずの景虎が突然現れ龍次は狼狽した。

  そんな彼のことなど意に介さず、景虎はペタペタと己の身体だったものを触っている。

  「こらこら、景虎。そんなに急いではすぐバテちまうぞ。なんせお前はいま63歳のじーさんだからな」

  ドアの向こうから巨躯を折り曲げて、角の生えた虎が現れ、龍次をみつめて微笑んだ。

  「な、虎徹……そうか……」

  見慣れた優しい笑みは、牛虎の身体と入れ替わっていても誰であるのか龍次にはわかった。それと同時にこの企みが失敗した事も理解する。

  「入れ替わるんだったら、匂いも気にするべきだったな。お前に抱き疲れた時に龍涎香の甘い香りがしたぜ。アレがなけりゃ、もしかしたら上手くいってたかもな」

  「……覚えていたのか」

  「忘れるわけねぇだろ」

  うつむく虎の少年の目に涙が溢れる。彼らの過ごした日々のようにそれは朝日に輝いていた。

  「――やはり入れ替わるなんて無理な話じゃったな。さぁ、さっさと元に戻ろう」

  「なに言ってんだ。楽しいのはこれからじゃねえか」

  虎徹はドクターの実験室から盗みだした大量の薬を取り出すとニンマリと笑みを浮かべたのだった。

  「んふぅ」

  「あっあっあぁ」

  カーテンが締め切られ薄暗い洋室。部屋の隅には香が焚かれ、薄い煙が立ち込めている。

  キングサイズのベットには2人の虎獣人が虚空を見つめて悶えていた。1人は牛虎。もう1人は景虎である。

  ここは虎徹一家の別邸。

  やんごとなき人物を招待し、ひとときの快楽を楽しんでもらう場所、つまり売春宿である。

  「身体が入れ替わるとマタタビも効いちゃうんだね」

  「……」

  ドアから2人の龍が入ってきた。1人は龍次。もう1人は背が小さく太った龍族の男。おそらくドクターであろう。

  「マタタビってこんな匂いだったんだね。はじめて嗅いだよ」

  マタタビ(木天蓼「もくてんりょう」ともいう)は、マタタビ科マタタビ属の落葉蔓性木本で、別名夏梅ともいう。これから発する臭いは、ネコ科の獣人を泥酔したように前後不覚にさせ、さらに発情効果もともなって誰も彼もが肉欲に溺れていく、魔性の植物である。

  虎徹一家はこのネコ科にしか効かない植物を使って娼館を運営しているのだ。

  「おじいちゃんも怖いこと考えるよね。入れ替わった僕たちに――、僕たちの身体を犯させるなんて」

  「ケジメですから……」

  ドクターの身体になった牛虎はそう呟くと、元々の己の巨躯に近づき、顔を掴み上げた。

  再び牛虎の身体になったドクターは、マタタビの香りに泥酔し、身体は火照り脳はふやけている。

  「んんっ」

  その唇に口付けをする。己の似姿とヤルというのに牛虎には抵抗が無いようだった。

  舌を絡ませ唾液を交換し、より深く繋がるためにその巨躯に手を這わせる。

  「わわっ、もう始めちゃった。僕もがんばらないと」

  たどたどしく、牛虎の口付けを真似るように、景虎も己の似姿にキスをした。まだ舌を入れるのが恥ずかしいのか、小鳥がついばむように唇と唇を何度も触れ合わせる。

  「んぁ」

  その焦らすような愛撫に龍次が反応する。手を伸ばし身体を抱きしめ、幼い身体を使って景虎をリードし始める。

  「あっぁぁっ」

  「んっぃぃ」

  「あっそこっ!」

  「……」

  4人の雄が乱れ始める。

  景虎は龍族のスリットからヤリチンポを勃起させ、龍次は幼い口でそれに奉仕している。

  牛虎は太った腹でドクターを押さえ込み、強制的にスリットを舐めさせ、ドクターのデカマラをしゃぶる。

  「はぁはぁ、凄い気持ちいい。大人ってこんなことしてたんだ」

  ペロペロとチンポを舐める龍次の頭を撫で、ふと、祖父から聞いた話を思い出す。

  「ねぇねぇ、龍次おじいちゃんはおじいちゃんと付き合ってた時もこんな風に遊んでたの?」

  景虎の無邪気な問いかけに、龍次はマタタビでぼやけた思考で考えた。

  (ワシと虎徹……)

  ぼんやりとかつての事を思い出すと、チンポを舐めるのをやめて、景虎の身体にのしかかる。

  「えっ、なに?」

  戸惑う景虎のスリット目掛けて、その小さく勃起したチンポをねじ込んだ。スリットから飛び出しているヤリチンポは、景虎と龍次に挟まれて擦り合わされ、スリット内も親指ほどの大きさだが硬く熱いチンポに刺激される。

  「あぁぁっん!」

  初めて感じる二つの快感。

  ヤリチンポはフワフワの綿毛で刺激され、開発されきったスリットの内側をかき混ぜられる。

  未成熟な幼い心には耐えられるものではない。

  「あっ! あぁぁぁ! ぼくおかしくなっちゃうぅぅ!」

  老龍が幼い虎に組み敷かれ犯される。

  次第にぐぷぐぷと粘液質な音を立て、スリットからいやらしい液体が溢れ始めた。

  精通したのだ。

  マタタビの酔いに任せ、幼児の身体と入れ替わり、己のスリットで初めての射精を奪った。

  奪われた景虎はそれには気づかず、ただ老体から漏れそうになるものを尿だと勘違いし、必死に射精を我慢している。

  「ふにゃあ!」

  牛虎の身体になっているドクターが猫のように鳴いた。

  ケツアナに太い腕をねじ込まれ、その強い快楽に鳴いたのだ。

  「にぁぁ! やぁぁ!」

  ぐぽっ。ぐぽっ。ぐぽっ。

  大きく広がった穴に何度も何度も腕が出入りする。調教された牛虎の身体は、痛みすら快楽に感じてしまう。それはドクターの頭脳とズレを生じて次第に狂っていく。

  「んぁ! ぁぁぁぁ!」

  ドクターの手は無意識に、牛虎の敏感な乳首をいじりはじめる。

  「んほぉ?んんっぃぃ! いいっ!」

  胸から伝わる快感に次第に虜になってゆく。

  調教された肉体が、乗り手の趣味思考を変えていく。

  「……」

  牛虎が鼻息荒くグプリッと腕をぬくと、己の乳首を弄りながら、ドクターのチンポに跨ってきた。

  「……」

  牛虎のいまの身体はただのデブドラゴンである。調教されていない、それどころか男との情事も初めてのその肉体は、牛虎が期待するほどの刺激は生み出されない。

  しかし、それでも牛虎は興奮していた。

  夜半に降り積もった真っ白な新雪に、最初に足跡をつけるときの興奮に似ていた。

  未開発のこの身体を、どうやって虎徹のために調教しようか。

  それだけで牛虎は興奮し、スリットから小さく勃起したヤリチンポを覗かせる。

  「あっあぁぁっ」

  その興奮の証をドクターの鈴口へと挿れた。ドクターの口からは言葉にならない声が溢れ、手足をバタバタと振るわせる。

  その行為は一瞬で終わったが、確実にドクターの脳裏に刻まれた。

  ただ呆然と宙を見つめるドクターに満足すると、牛虎は今度は己の性欲を満たすために、まだ男の味を知らないケツアナで、ドクターのチンポを飲み込もうと動き始めた。

  「牛虎もなかなかやるのお」

  虎徹は別室で4人の様子を見ていた。

  マタタビによって、真面目でお堅い龍族が乱れに乱れている。

  猫科の獣人はマタタビによって酩酊し好色になることは有名だが、入れ替わり薬を使い相手を虎獣人に変えてしまえば、他の種族も堕とすことができそうだった。

  「待ってろよ龍次。俺とまた一緒に暮らそうぜ」

  虎徹は入れ替わり薬を握りしめる。

  既に薬のレシピはドクターの研究室から手に入れていた。大量の入れ替わり薬によって始まる淫靡な計画に心躍らせ、その萎えたトゲチンポがゆらりと揺れた。

  [newpage]

  繁華街の裏道を歩く二つの黄色人影。虎徹と景虎は手を繋いで、馴染みの刑事に会いに出かけていた。

  「おうっ、久しぶりだな」

  「あっ虎徹さん、お孫さんと散歩っすか?」

  「こんにちはっ!」

  とある事件の調査のために、聞き込みて歩き回っていた柴田と若林は、思わず足を止めて2人に近づいた。

  「なんだ俺たちになんかようか?」

  柴田が怪訝な表情で虎徹を睨む。それもそのはずだ、いま彼らが調査している警察官の不正行為に虎徹一家の影がチラホラと見え隠れしているのだ。

  不正行為と言っても薬や恐喝ではない。両者合意の上での売春である。しかも、買う側ではなく警察官が買われる側だ。

  個人なのか組織なのか、警察官が売春するという前代未聞の事例が多発しており、表だって捜査ができない。ゆえに警察は、少数の刑事にのみ情報を伝えて捜査を続けている。

  その刑事に、柴田と若林も選ばれていた。

  「すまねぇな。お前たちは巻き込みたくなかったんだが……まあ、俺様が直々にサービスしてやるから、それで手打ちにしてくれや」

  「僕もお手伝いするよっ!」

  繁華街の裏通りに場違いな子供の声が響く。柴田と若林はその高く明るい声を耳に残して意識を失う。

  気がつけば、刑事2人の背後には牛虎とドクターが立っていた。眠り薬を嗅がされた刑事達は、牛虎の巨躯に背負われて何処かに運ばれていく。

  打ちっぱなしのコンクリートに囲まれたとあるマンションの一室。窓から見える夜景から随分な高層階にいることがわかる。

  その部屋には大きなベッドと香炉しかなく、その香炉ではマタタビが焚かれてあやしい煙て部屋を満たしていた。

  刑事2人は、全ての衣服を剥ぎ取られ全裸でベッドに寝かされていた。

  「起きないね」

  「そうだな。仕方ねえ、ちょいと強引だが始めちまおう」

  「うんっ! 僕はこっちのおにいちゃんね!」

  「じゃ俺は柴田をもらおう」

  ガスマスクをつけた虎徹と景虎は、マスクを脱いで入れ替わり薬を飲み干した。

  マタタビの効き目が回る前に、2人は刑事にまたがる。

  「ん?なんだ?」

  「ふぇぇ?」

  重みに気づき2人は目を覚ました。しかし、時すでに遅く、彼らの細胞の情報は入れ替わり書き変わっていく。

  柴田の柔道でならした剛体がシュルシュルと縮み。ずんぐりと黒ずんだ陰茎はトゲトゲのついたチンポにかわる。

  若林の一流モデルのような高い身長は低くなり、総排泄腔からは新芽のような子供チンチンが生え始めた。

  虎徹の身体からトラシマが消えて、その身にムチムチとした脂肪と太い筋肉が増えていく。

  景虎の背中から大きな翼が生え、チンチンは溶けて脈打つ割れ目が現れた。

  「いいぞ。チンポが張りつめてきやがった」

  「ふわわ、おチンチンなくなっちゃった」

  虎徹と景虎の姿はすっかり刑事2人と入れ替わった。変化した互いの身体を触りながら、次第に深く結びつきはじめる。

  「そろそろいれるぞ?」

  「うん……」

  虎徹は黒く太短いチンポを慎重に景虎の総排泄腔に挿入する。元々柴田は先走りが多いのか、それとも虎徹の興奮のためか、十分に濡れたチンポは抵抗もなく入っていく。

  「んぐっ」

  「あぁんっ、すごぃ」

  ケツアナとはまた異なる締め付けと挿入感。

  祖父と孫は新しい身体の魅力に堕ちていく。

  2人は激しく腰を打ち付け始め、その肉体に快楽を刻み込んでいく。

  「おれは……どうなて……」

  虎徹の身体に変わった柴田は、染み込んでくるマタタビの香りに酔い始めていた。

  歪み始める視界の向こうで、自分自身が相棒の若林を抱いていた。

  (俺がアイツを……)

  興奮していた。

  萎えて勃ってはいないがトゲチンポの先端にはうっすらと水滴が滲んでいる。

  柴田は夢の中にいるようなおぼろげな感覚で、2人に手を伸ばそうとした。

  「先輩……」

  だがそれは幼い虎獣人の細腕に止められて叶う事はなかった。

  ふわふわの柔らかな毛に覆われたその腕は、柴田の身体をベッドに押し倒す。

  「先輩ッスよね」

  景虎になった若林は、マタタビによって酩酊しながらも、強い力で柴田を押さえつける。

  「先輩が変わったの、俺見てたっス……訳わかんないけど、先輩なんッスよね」

  唇が触れ合う。舌が入ってくる。

  無理矢理奪われた唇は熱く火照り、柴田の脳を痺れさせた。

  「ほら、見てくださいッス。おチンチンあるんっスよ。これで先輩と……」

  「ンンッ!」

  ズプッズプリッ

  ケツアナを皮に包まれた亀頭が通り抜け、幼いチンチンがすっぽりと中に飲み込まれた。

  大人の指ほどしかない大きさだが、使い込まれた雄マンコとマタタビの催淫作用によって、柴田の意識は溶けるような快感に包まれる。

  「あぁっ! わかばやしぃ!」

  「先輩ッ! 先輩ッ!」

  若林は小さな身体をぶつけるようにチンチンを動かした。初めてのチンポ。初めての挿入。

  いままでなかった器官からの刺激に若林は虜になった。いままで抱いていた劣情と共に激しく柴田の身体を犯し続ける。

  室内の4人はしばらくの間、それぞれのパートナーを犯すとペアを変えてまた犯し始める。

  虎児は犬に犯され。虎老は鳥を犯す。とめどない快楽の渦に刑事2人の身体と心は歪んでいく。

  「あぁ! ケツ! ケツィィ!」

  「チンポすげぇっス! すげぇっス!」

  堕ちた彼ら2人も他の警察官と同じように、喜んでその精悍な身体を売るだろう。時には客と入れ替わり、鋼のような肉体で己を犯す性的倒錯に溺れさせる。

  警察官による売春は、財界の要人達の間に静かに深く広がっていった――。

  「あっ……ぁぁぁ。あっ……」

  「龍次よお、これでお前が体面を気にする必要はなくなったな」

  広い和室。敷かれた布団の上で、虎獣人と龍人が交わっていた。

  「警察官の仕事は市民を守ることと、市民に抱かれることになっちまったんだからな。お前も俺に存分に抱かれろよ」

  あぐらで座る龍次の勃起したヤリチンポの上で、虎徹はその両手を龍次の肩に乗せて、ゆっくりと上下に動いていた。

  「あっ……ぁぁぁ。あっ……」

  大きく腰を浮かし、雄マンコからヤリチンポを抜くと、腰をゆっくりと落として、雄マンコでヤリチンポを最奥まで飲み込んで、またゆっくりと抜いていく。

  壊れたおもちゃのようにヤリチンポが抜ける瞬間と、奥へと挿れていく時に喘ぎ声を出す。

  「俺の雄マンコは気持ちいいか?お前のヤリチンポは喜んでるぞっ」

  龍次が下から突き上げる。虎徹の中に深々と無遠慮に、何度も何度も何度も。

  萎えたトゲチンポから汁が飛散し、龍次の顔や畳を汚した。

  「これからは俺が警察も動かしてやる。だからお前は俺のそばにいろ」

  龍次と入れ替わった虎徹は、警察機構を支配した。全ては目の前で惚ける男のために。

  「あぁぁ」

  返事とも喘ぎともわからぬ声で龍次は鳴いた。

  再び繋がった彼らの身体は、終わりの時まで交わり続けるのだろう。

  「ぐぅっ!」

  「あっぁぁっ!」

  注ぎ込まれた情念が龍虎の隙間を埋めていく。

  煙草と龍涎香の匂いが再びまじりあい始めた……。