見せしめの快楽は意思持たぬ機械で加えられる

  同じ種族である人間の国だけでなく、非力な妖精の国までをも、そして自分達よりも強靭な肉体を持つ獣人達の国すらも攻め滅ぼし征服をする巨大な帝国があった。

  必要以上の略奪や殺戮は行わないものの支配下に置いた国の者達を厳重に監視し、反乱を企てようとした者や攻め滅ぼす際に抵抗を見せた者には見せしめとして無慈悲な制裁を加える帝国は、心の底から恐れられている。その恐れは、今日も支配された住民達の中で濃さと大きさを増していく。自分達が尊敬を抱いていた者達が意思持たぬ機械に容赦無く嬲られ、同じ人物とは思えない程に乱れ狂っている様を見せられている住人達の中で、帝国に対する恐怖心は際限無くふくらんでいく。

  

  もう、子供達にせがまれて困りながらも訓練に付き合っていた心優しき虎獣人の兵士長はいない。訓練に付き合う兵士長を会議に遅れていると叱責しながらも、子供達の相手を引き継ぐ狼獣人の副兵士長もいない。

  住民に愛されていた二人は、帝国が持ち込んだ箱型の機械に頭以外の部分を全て飲み込まれて行動の自由を奪われ、身動きの取れない裸体を機械によって全身まんべん無く、休み無く、決定的な刺激も無いまま嬲られ続け、理性や誇りを跡形も無く溶かされてしまった。

  もはや、彼らは優しさと誇りを兼ね備えた兵士の鑑ではない。絶頂を求めて鳴き喘ぎ、自分を苦悶させている帝国の一味である見張りに向かって必死におねだりを繰り返す無様な雄だ。虎も狼もすぐ隣で嬲られている仲間の解放ではなく、自分の絶頂のみを欲しがる淫乱な雄へと成り下がっている。

  

  「おねがっ…おにぇ、がぁぁ! イきたいっ、イかひぇで、イぎだいイきたひぃぃっ!」

  「もっろ、もっろけひゅあなこしゅっへぇぇーっ! ひんこも、ごしゅごしゅ…んあぁ!? やめちゃぁぁっ…!」

  

  機械に百回以上絶頂直前で寸どめをされた二人は、箱型の機械から突き出した顔を振り乱し、大粒の涙をぼろぼろと零しながら強い快楽を求めて絶叫する。

  気が遠くなるくらいに絶頂をおあずけされたらあそこまで乱れるのは当然だ。そう理解していても、痛々しい悲鳴と淫ら過ぎる要求を耳にした住民達の心は深く斬り付けられてしまう。

  …激しい快楽の恐ろしさを知らない子供達を除いては。

  

  「二人共しっかりしてよ!」

  「俺達に剣を教えてくれた時みたいに、そんな機械なんて壊しちゃってよ!」

  

  憧れの二人が情けなくよがり狂ってる状況に耐え切れなくった虎と狼の少年が、泣きそうな顔で兵士達を励ます。だがその声に当の二人は喘ぐばかりで全く反応を返さず、返ってきた反応は驚愕の表情を見せる住民達の物と、厳しい表情で少年達に迫る帝国の兵士達の物だった。

  

  「お前達、来い!」

  「っ、やめろっ! 離せよぉっ!」

  「い、たいぃっ! ぐ、うぅぅっ!」

  「お願いしますっ!私を連れて行ってください! この子達だけは…この子達だけはっ!」

  

  非道な帝国に支配された国の広場には次の日、いつものように生殺しの責め苦に悶え狂う二人の兵士と、その二人の兵士の甘い苦しみを身をもって知る二人の少年と、二人の少年の身代わりになろうとした二人の父親が機械に取り込まれた裸体を痙攣させながら絶頂を求める悲鳴が、哀しく響き渡っていた。