虎獣人が雄牛や雄獅子とオッスオッスするSS

  「ん゛っ!!あ゛、ああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

  

  筋肉質な身体を、筋肉がピクピクと動くほどに身体に力を入れて、黄色と黒の縞模様の獣毛を持つ太く武骨な指でシーツを掴み、必死に腰が砕けそうなほどの強烈な快感に耐える。

  メリメリとケツマンコを無理やり拡張され、太くて熱いちんぽがピストンを繰り返すたびに、俺の肉壁を抉り、更に莫大な快感を脳に伝え、脳みそごと犯されているような...その熱に、脳みそまで蕩けさせられそうな錯覚に陥る。

  

  「ふぅ、ふぅ、[[rb:銀 > しろがね]]...銀!!」

  

  「んふう゛ぅぅぅぅ!!ケツマンにちんぽハメられるのいい゛ぃぃぃぃぃ!!!

  [[rb:琉翔 > りゅうと]]のちんぽ、ちんぽすげえ゛ぇぇぇぇぇぇ!!!」

  

  後ろで俺のケツマンコにちんぽをハメて、腰を振る相手の俺の名を呼ぶ声に反応するかのように、ちんぽで馬鹿になった頭のまま、頭の中で思いついた言葉を嬌声と共に放つ。

  

  ちんぽが気持ちいい。ケツマンコに成り果てた俺の穴に、ぐぽぐぽとちんぽをハメて腰を動かされるたびに、腸液と我慢汁の混じった粘液が泡立っているのが分かる。俺の童貞ちんぽも、開発しきった乳首もビンビンに立ち、俺の全てが雌としての快感に悶え、喘ぐ。

  筋肉に覆われた硬く盛りあがった雄臭い身体も、雌としての快感には購えず、顔を破面させ、涙や唾液でぐちゃぐちゃの顔で大きな口を開けて淫らな言葉を放つ虎獣人。それが今の俺の姿。

  

  

  「お゛、お゛、お゛、お゛ぉぉぉぉ!!!!

  すげっ、すっげぇぇ!!!」

  

  普段は、子供が見れば泣きながら逃げ出し、チンピラ相手にも一睨みすれば相手は腰が砕けて倒れ込むほどの威圧感を持つ雄の俺...それが、こんな風に雄にちんぽをケツマンコにハメられて、悦びと快感に喘ぎ狂うなんて、誰が予想できるだろう。

  

  

  こんな俺の姿...普段は隠しているこの俺の性癖を知っているのは、今後ろで俺を雌として犯している、俺の彼氏の琉翔と、あいつくらいのものだ。

  

  

  「しっ、銀!!俺、もう出ちまう!!もう、イ、くうぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

  

  「ぎだあ゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!!

  も゛う゛、俺ごわ゛れ゛ぢま゛う゛ぅぅぅぅぅ!!

  ちんぽだま゛ん゛ね゛え゛ぇぇぇぇ!!!おりぇ゛も゛ぉ、雌イキずる゛う゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

  

  琉翔のちんぽが俺の中で弾け、熱々のザーメンを注ぎ込まれ、孕まされていく。

  それに伴って琉翔のちんぽも肥大化し、前立腺をメリメリと押しつぶされたことと中だしされた快感に、俺のちんぽも膨らみ、一気に白濁したザーメンを打ち上げる。尿道をザーメンが駆け上り、大量の白濁液をぶちまける。まるで、俺の金玉の中の精子を全て絞り出しているのかと勘違いしそうなほどの大量のザーメンに、俺の身体が中と外から白く染まりあがる。

  

  雌として満たされていく快感に、そんな行為に身を蕩けさせていく。ケツマンコも一気にすぼまり、最後の一滴までザーメンを搾り取り、こぼすまいとする。

  

  気持ちいい。ちんぽが、ケツマン交尾が...こんな快感、あいつに出会わなければ、きっと俺は知ることがなかっただろう。

  それは、俺の中にある...淡く、脆く、甘くて苦い、あいつとの記憶。

  

  

  

  

  

  そっとカーテンの隙間から零れた朝日によって、目覚ましよりも早く目を覚ます。そして、目を覚ました俺の最初に目に入り込む、短い茶色い毛の牛獣人。俺の彼氏の琉翔の顔だった。

  俺の歳から10以上歳の離れた、年下の恋人。幼い頃から知っている親戚の子で、小さい頃から俺を「お嫁さんに貰う!」と言い続けていた。最初の頃こそ、子供の可愛い戯れ程度に思っていたが、‘あいつ’とあんなことになってダメになっていた俺を、ガキのくせに...俺を精一杯に支え続けてくれた。そんないじらしい姿に、俺を一心に思い続ける姿に、俺もいつの間にか惹かれていった。

  

  そんな琉翔は、俺ほどでは無いがそこそこ筋肉質な腕を俺の身体に回し、抱き付いている。本当は、身体を鍛えること自体は、こいつ自身は興味ないようだったが、俺に付き合って、いつも無理して筋トレしていた。普段は、どこか生意気な口ばかりきく琉翔だが、こうやって俺に抱き付いたり、一生懸命キスする姿は、いじらしくて可愛い俺の彼氏。

  そっと、額にキスする。あいつのことは忘れることにしたはずだったが、やはり男同士の行為になると、雌になるときは、どうしても...あいつのことを思い出す。

  

  

  

  俺以上にデカい図体の獅子獣人。俺の元カレであり、初めての相手である[[rb:零 > れい]]。20年前に俺から別れを言い出して以来、会ってはいない。あの頃はまだ、俺も同性愛を完全に受け入れきれていなかったことや、あいつの家のことを考えると、俺はひくべきだと判断してだったが、俺自身も自分のしたことに罪悪感と嫌悪感を抱き、今日まで引きずってしまっている。

  

  

  

  「う~ん...好き、だぜ...銀~。」

  

  俺が考えに耽っていると、ふと琉翔が言葉を発する。大きな声がしたために起きてしまったかと思ったが、どうやら寝言だったようで、未だに琉翔の方は幸せそうに寝息を立てて寝ている。

  

  零のことは、まだ色々と引きずってしまうところはある。だが、今の俺には、かつてのあいつと同じように大切な琉翔がいる。そんなこいつの、琉翔の仕草や言葉や想いに、俺の心が...救われていくのが分かる。

  

  「おう...ありがとな、琉翔。」

  

  だから、俺は未だに寝たままの琉翔に、そっと寝言の返事を返す。俺からの、せめての恩返しに。

  

  

  

  

  「...なあ、銀。今日はいつ帰ってくるんだ?」

  

  「なんだ...藪から棒に?」

  

  俺が準備を終え、通勤かばんを持って玄関を出ようとしたとき、琉翔が珍しく真面目な顔して俺に話しかけてきた。

  

  「いっ、いや...その、よ。

  俺らが付き合って、今日でちょうど10年だしよ...なんか、してえっつーか...」

  

  俺が聞き返すと、顔を真っ赤にして、前で指をせわしなく動かしながら、ぼそぼそと話しだした。

  

  「はっ?

  よく、聞こえねえんだよ。いつもの元気はどうしたんだよ、琉翔。」

  

  そんな琉翔の姿に、ちょっとした俺の中の悪戯心が働き、ちょっと意地悪な言い方で返す...内容は聞こえてたが。

  

  「うっ、うっせーよ!

  こっちは、色々と必死に///」

  

  「わりい、わりい。そう怒るなって。

  それだったら、帰りに俺がケーキでも買ってきてやろうか?」

  

  俺がそんな意地悪をすると、耳まで赤くして、反論する。そんな、見た目からは想像できないような琉翔の可愛い仕草に、心の中で軽く悶えながら、俺はそれに表に出さないようにしながら、そう返す。

  

  「ったく、聞こえてんじゃねえかよ...///」

  

  「悪かったって...で、ケーキどうするよ。」

  

  「いつまでもガキ扱いすんな。俺ももう、28なんだからよ。」

  

  そうか、こいつと付き合いだして10年で、付き合いだしたときに琉翔は大学生になったばかりだったから、歳はその位なんだな。

  

  「そう怒んなって...悪かったよ。

  んじゃ、今日は出来る限り早く帰るからよ。」

  

  「...おう///」

  

  俺の返事に、耳まで真っ赤にして照れながら、顔を伏せて一言だけそう言う。

  

  

  まったく、おまえは...ありがとな、琉翔。

  

  

  

  幼い頃に家によく来ていた琉翔。ただ、流石に琉翔が中学に上がった頃くらいからは、学校生活が忙しくなってきたのか、めっきりと来ることはなくなり、俺自身もまだ高校や大学と進んでいたために、会いに行くこともなかった。

  

  そんな琉翔との再会は、こいつが大学生になって一人暮らしを始める時に、偶然俺の家の近くの大学に通うために引っ越してきた時。しかし、久々の再開に、琉翔はただただ愕然としていた。それは、俺のその時の現状を見てからだった。

  

  部屋からは強烈な雄の気負いを立ち込めさせ、30にもなって働く気力もない抜け殻のような生活を送っていた俺。生活費だけをぎりぎり、男に抱かれて手に入れ、あとはただ生きているだけ...生きているというには、あまりにも痛々しい姿。

  零との別れから10年。いつも、心の中には彼奴の姿があって、何かしようとすればするほど、あいつとのことを思い出すばかりで、それが辛くて、苦しくて...なにより、俺の心の中にあったのは、別れを切り出した時の、零の姿...

  

  

  「なんでだよ...銀。

  俺には、おまえしか...おまえしかいないんだ。なんで...別れようだ、なんて...」

  

  

  初めて見たあいつの、あんな姿。目からは光が消え、ただ目の前の現実を受け入れたくないという表情。

  

  

  

  零は、ある大きな企業の社長の一人息子だった。そんな立場のやつが、どこの馬の骨とも分からないような奴と...ましてや、男と付き合っているというのは、流石に世間体的にもまずかったのだろう。

  短大時代、あいつと初めて会った時には、零はそのことを隠していたから、零の父親と会うまでは俺はそのことを知らなかった。

  

  零とよく似た、中年くらいの歳の獅子獣人。だが、中年なんて言葉が似合わない、重圧感のある覇気、俺でさえ、それに当てられ気圧されてしまうほどの人だった。

  

  そんな人から発せられた言葉、「息子と別れろ。」という内容。最初は、もちろん拒絶した。俺にとっても、零は大事な相手だ。

  それを、いくらそいつの親だからって、簡単に別れられるなんてことはない。元々、同性同士の恋。お互いにまだ二十歳のガキとはいえ、色々と悩んで、それでも付き合うと決断したこと。それを、簡単に別れるなんて出来ないし、したくなかった。手切れ金をチラつかせられれば、尚のこと。金で、あいつと別れるなんてことは、絶対になかった。

  

  

  だが、そこで俺は零の父親の会社のことを聞いた。元々、そんな凄い奴がこんな平凡な短大にいるはずないと思っていたが、それは零がこの国にいられる間、この国の学校にいきたいという零からの、ささやかな願いからで、本当ならこんなレベルの短大に通う必要がないほどの存在だった。

  

  それを聞いて、唖然とした。どう頑張っても、孤児院育ちの俺とは全くと言っていいほど、釣り合わない相手。その真実に俺がその場で崩れ落ちると、再度、零の父親は俺たちの関係を終わらせろと告げる。手切れ金だと言って、俺の頭上から金をばらまき、警告のようにもう一度別れるように告げると、零の父親は去っていった。

  

  そのひらひらと落ちてくる札をぼんやりと見ながら、俺の心の中で、零と別れなければいけない...という思いが湧き上がってきた。

  金のためなんかでは、絶対にない...それは、あまりにも俺とは違う零の世界を知ってしまったからだった。それを、俺なんかのせいで壊したくなかった。

  ここで、俺が引かなければ「あいつとの親子の縁を切る。」とまで言われた...孤児院で育ち、両親のいない俺にとって、親子にあこがれてきた俺だからこそ、それだけは容認できないことだった。そして、俺がここで引けば、零には輝かしい未来が待っていると思えた。

  

  

  その時の俺には...それ以上のことは考えられなかった。色々とショックだったのは確かだったが、このままでもいつかは零は俺から離れていく...そう、思い込んでいた。

  

  

  そこから、俺は彼のもとへと行き、零に別れを告げた。

  

  初めて見た、零の顔。流した涙で、整った顔立ちの獅子獣人の顔は崩れ、まるで子供のように泣きじゃくっていた。何度も俺の脚にしがみついては、「別れたくない。」「俺を捨てないでくれ。」と言う。

  そんな零の姿に、何度も心が折れそうになったが、それでも‘零のため’だと自分の心を偽り、言い聞かせて、その場を後にした。後ろから、何度も叫ぶように零が何か言っているが、もう俺にそれを聞くだけの余裕はなかった。

  

  部屋の扉を閉じ、俺は力なく自分の唯一の居場所となった部屋をめざし、重い足取りで歩き出す。気が付けば、俺はいつの間にか...泣いていた。

  

  

  それ以来、短大でも何度か零に声をかけられたが、その全てを無視し続けた。そんな中、卒業を迎える前に、零はいつの間にか学校をやめていて、その後の零の消息は分からない。

  

  俺自身も、卒業した後は酷いものだった。まるで...いや、本当にすべての生きる気力を失ったように抜け殻のような生活を、そんなただ生きているだけの生活を送った。

  もうどうなってもいいという、自暴自棄な考えから滅茶苦茶に、色んな男たちに抱かれ、それで金を手に入れ、生活費にあてた。筋肉の塊みたいな身体つきの、雄臭い俺を汚したいという奴は多く、行為の相手は引く手数多だった。中には、俺の身体を好きに開発するような危険な奴までいて、零に開発されていた時よりも更に身体の性感帯化は進んでいった。

  

  

  

  そして、そんな生活を10年続けていた俺の前に、短い茶色い毛の牛獣人の琉翔が現れた。堕落...というよりも、もはや人として壊れていた俺を見て、最初は唖然としていたが、それからは毎日のように俺のところに来て、必死に俺の世話をしてくれた。俺のことを、まるで自分のように泣き、怒ってくれた。そして、今でも俺を想ってくれていると言ってくれた。

  

  

  そんな、俺と歳の離れた優しい子に、俺は次第に心を取り戻し、ようやく人並みに生活できるまでに回復していった。彼の必死な姿に、もう一度、ちゃんと生きようと思った。

  

  

  

  

  

  蝉の声もなくなり、涼しさを帯び始めた夜の中を歩く。流石にケーキなんてものは買ってはいないが、祝いに酒でも一緒に飲もうと、その手には様々な種類の酒を買い揃えた。

  実は、琉翔は酒乱の気があるから飲みたがらないんだが、酒乱の状態の琉翔は普段に比べて荒々しくなるから、その時の行為は被虐心の強い俺には最高に気持ちがいい。ほんとはもっとやってほしいんだが、普段は生意気な口をきいていても根は優しい琉翔は、酒乱の状態の行為で俺を傷つけてしまうことを拒み続けている。

  だが、今日は俺たちの記念日...ちょっと無理を言っても大丈夫かと、内心、期待に胸を膨らませながら、そんな想像にケツが疼く。

  

  

  それにしても、今日は少し仕事で遅れてしまったから早く帰らねえと。

  

  

  そう思い、少し足早に歩き出した時だった。

  帰り道の駅前の道、多くの人々が帰るために駅から出てきた者や、駅に向かう者たちの行きかう道。そんな、誰がどこにいるかもよく分からないような中で、俺は不意に立ち止まった。

  

  筋肉の塊のようなこの体は、その盛り上がった肉体のために幅も取り、ただでさえ人がせわしく行きかう中では一人でスペースを奪う邪魔な存在なのに、立ち止まれば周りの人々に迷惑をかけるのは明白で、普段は気を使っている。

  だが、それさえ気にならないくらいに、今の俺は別のことに気がいってしまっていた。

  

  

  この匂い...間違いない!

  

  

  俺は急いで、その匂いの元へと向かう。

  覚えている。この...懐かしい匂い。

  

  

  もう、二度と会えないと諦めていた...あいつの匂い。

  

  

  「零!!」

  

  

  俺もデカいほうだとは思っていたが、そんな俺よりもさらに巨大な、周りの人々から頭どころか肩から上まで出た獣人の姿。顔の周りに鬣を靡かせる獅子獣人。

  あれから20年経ったが...間違えるはずがない。あれは、間違いなく零だった。

  

  

  俺の声掛けに反応し、獅子獣人は振り返った。

  

  

  そこには、久々にみる...零の顔。

  

  

  「銀...なのか。」

  

  驚きに顔を崩した獅子獣人が、信じられないといったように目を見開いて俺を見つめてくる彼奴のオレンジ色の瞳。変わらない、その瞳...だが、

  

  「久しぶり...だな...ずっと、ずっと会いたかった。

  銀...」

  

  声を震わせながら、目を潤ませて俺を呼ぶ嘗ての愛しい人。変わらぬ瞳で、俺をはっきりと捉えている。

  

  変わらない...唯一、変わっていない瞳で。

  

  「ああ...久しぶりだな...零。」

  

  俺は自分で声をかけておきながら、言葉を失いかけていた。

  もちろん、久々に会えたかつての愛しい人ということや、今も俺は零のことを想っているためなど他にも理由があったが、一番俺を驚かせたのは、変わりすぎた彼の姿。

  目は鋭くとがり、顔には堅気には見えないような大きな傷を作って、ボサボサの獣毛と鬣を持つ今の零の姿は、まるでやーさんのソレだった。

  

  

  

  

  「まあ、とりあえず上がってくれ。」

  

  「あっ、ああ...」

  

  俺よりデカくなった零が、その大きな掌で俺の背中を押して、部屋へと上がるように言う。

  

  

  久しぶりに会った、かつての愛しい人に誘われ、ついここまで来てしまっていながら、俺は零の言葉を上の空になって聞きながら、ずっと考えていた。とある高級マンションの一室の玄関前。零の家のことを考えれば、このくらいのことは予想できていたが、そんなことさえ頭に入らないくらいに、俺は自身の行動に困惑していたために。

  

  確かに、零のことは俺の中で、まるでシコリのように残り続け、琉翔と正式に付き合いだしてからも、零のことを忘れたことはなかった。

  

  だが、今...俺は何をしている?

  

  過去の恋人の部屋にまで来てしまった今、俺の中で、そんな今更な考えが渦巻く。

  

  

  

  ただ...懐かしかった。

  あの頃に、あんな別れ方をしてしまったのだ...確かに、何か話したかった。しかし、それはこんな形を望んではいない。俺は、今の幸せな人生を送っているはずの零の姿を見て、「逃した魚はデカかったな。」なんて笑いながら、もう終わった恋として笑い話にでもして、本当に終わりにしたかった。

  

  そうやって...逃げたかった。この、想いからも。

  

  なのに、今の零の姿はどう見ても...

  

  

  「どうしたんだ。ほら、遠慮するなよ。」

  

  「...おう。」

  

  いつまでも入ろうとしない俺に、少し困ったように笑いながら、改めて俺に部屋に上がるように勧める。それに再度、空返事で返すが、どうしても自分の中にある突っかかりが気になったためか、俺の足はゆっくりと部屋の方へと歩み出した。その俺の姿に、安堵からか小さく一つため息をつき、零は俺の後ろに続いた。

  

  

  

  

  「とりあえず、ビールでいいか。」

  

  「ああ、構わねえが。」

  

  部屋へと案内され、椅子へと腰かける。部屋の中は黒を基調とした、大人の男の部屋といった感じにまとめられ、家具はどれも高そうなものがそろっている。

  

  「な~に、見てんだよ。」

  

  「冷てっ!」

  

  キョロキョロと部屋の中を見回していると、不意に頬に冷たいビール瓶を付けられ、思わず大きな声を出して反応してしまった。

  

  「ったく...何すんだよ。」

  

  「わりい、わりい。」

  

  そんな俺の姿に、笑いを上げた零に不満の言葉を吐くと、悪戯の成功に嬉しそうに言う零。

  

  

  ...そういえば、零はこういった悪戯を俺によくしてきたな。

  

  

  そんな零の姿に、不意に俺もそんなことを思い出す。なにより、今笑って見せた零の姿は、昔と全く変わらないものだった。

  だが、すぐに零の顔に刻まれた大きな傷跡が目に入り、あの頃とは違う今を突き付けられた。

  俺がすぐに笑いを止めたことで、零も笑いを止め、そっと指で自身の顔の傷をなぞる。

  

  「この傷...やっぱ、気になる...よな。」

  

  「...嫌なら、いいんだ。すまねえ。」

  

  「でも、気になんだろ...どうみても、ただ事じゃないからな。」

  

  困ったように笑いながら、零はそう言う。そんな、どこか自暴自棄にも見える零の姿に、俺は何も言えなかった。

  

  「おまえとの別れから、俺も色々とあったからな。」

  

  そっと、ビールを注いだグラスに口をつけながら、まるで溜まった何かを吐き出すかのように言う零の姿は、遠い嘗てのことを思い出しているようだった。

  

  「零...おまえ、何があったんだよ。」

  

  変わり果てた姿のかつての恋人に、俺の心は焦りと苛立ちを覚え始めていた。しかし、それは聞いてしまってはいけないことのようにも感じ、苛立ちと不安と、零を心配する気持ちが俺の中で渦巻く。

  

  「銀...おまえ、20年前に俺の親父と会ったんだろ。

  それも、俺と別れてくれって言われた...だろ?」

  

  だが、次の瞬間。零から出た言葉に、俺は言葉を失った。

  

  「まあ、そう驚くなよ...あの人のやりそうなことで、おまえからの別れ話の後に、俺自身が問い詰めて聞いたんだよ...開き直られたけどな。」

  

  そう言う零の声は、どこか冷たく、自分のことを話しているはずなのに、どこか他人事のように...いや、他人ごとにしようとしているかのように感じた。

  

  「その...俺。」

  

  「ああ、勘違いしないでくれ。別に俺は、おまえに対してはこの件では恨んだりはしてねえよ。

  おまえは、俺のためを想って...だったんだろ。」

  

  困惑している俺の姿を、どうとったのかは分からないが、まるで諭すかのように言うと、ふうっと小さくため息をついて、零は俺をまっすぐにその視線で射抜いた。

  

  「俺は...零、そn」

  

  「親父は...俺が、殺した。」

  

  少しの沈黙の後、俺が何とか何かを離そうとしたとき、それを遮るように零は衝撃の言葉を口にした。

  

  「...はっ?」

  

  一瞬、零が何を言っているのか分からなかった。

  

  

  殺した...なんだよ、それ...?

  

  

  「なっ、何言ってんだよ...零。

  ...いったい。」

  

  「言葉通りの意味だ...俺は、自分の親父を...あの獅子を殺した。」

  

  「なっ...なんだよ、それ!?」

  

  驚愕の零の言葉に、声を荒くして俺が聞き返す。そんな俺の姿を、さも当然のように見ながら、零は淡々と話しだした。

  

  

  

  俺と別れてから、零は俺の突然の別れ話を疑問に思い、自分の父親を問い詰めたらしい。そして、俺に別れ話を切り出したことを、零の親父さんは話したらしい。

  

  

  「獅子の子落としとは...よく言ったものだよ。

  まさに俺は...あの瞬間に、どん底に叩き落されたんだ。

  だから、5年かけて会社を乗っ取って、親父が全てを失うように仕向けたんだ。

  圧巻だったよ。『これが、亡者の末路だ。』とか言って、ビルから飛び降りた姿は。」

  

  恐ろしいことを、それこそ淡々に、まるで必死に感情をこめないようにしているかのように。

  

  「俺から...俺の全てを奪った奴に。

  俺を崖の下に叩き落したやつを...俺自身の手で、今度は叩き落してやった...その、つもりだったよ。」

  

  互いに、軽く酒を口に含む。そうでもしなければ、やっていられなかった。

  

  「あの人の遺書が見つかるまでは...俺は、仕返ししたつもりだったが、それも全てあの人の掌の上でのことだった。

  俺を、後継者として育てるための...俺たちの一族が護ってきた、ある物の守り人として...

  だから、俺は会社を滅茶苦茶にした。こんなもの為に...俺は、俺たちの家族はって...」

  

  零の話の中にでてきた、‘ある物’が何なのかは分からなかった。それを聞けるほど、今の俺にも余裕はなかった。

  

  「それからは悲惨なものだったよ。あの頃の俺には...おまえには、とても見せられないようなことだったよ。

  この顔の傷は、そんな中で負ったものだ。まあ、内容はとある奴らからの仕返しっつう自業自得なんだがな。

  そして、色んなことがあって...今は、信央組のオジキに拾われて、組の経営のアドバイザー兼用心棒として雇われている。」

  

  俺は、零になんて言葉をかければいいのか...分からなくなっていた。

  

  やーさん稼業に慎む、未だに未練を残す想い人に。俺と同じように、ボロボロになってしまった目の前の獅子獣人に。

  ...父親を、殺してしまった...零に。

  

  「最低最悪の人生だった...なんど、死んでやろうかと思ったか...もう、分からなくなっちまうほどに。

  でも、俺は...おまえのことを忘れられなかった。おまえに会えば、俺はもう一度...銀。」

  

  今まで、必死に耐えてきたことを吐き出し続けていた零は、不意に俺の名を呼んだ。だが、それに俺が反応する前に、俺の世界が変わる。それが、零によって押し倒されたためだと気付くのに、少し時間がかかった。

  

  「れっ、零...おまえ...」

  

  「もう...嫌なんだ。

  俺を...一人にしないでくれ...銀。」

  

  唯一変わっていない、零の瞳から涙が零れ落ちる。

  

  「零...待ってくれ。

  俺は...今の俺h、んうっ!」

  

  その涙に一瞬気を取られたが、すぐに我に返って零を止めようとしたが、滑り込むようにして入ってきた零の指によって乳首を刺激され、思わず声を出してしまう。

  

  「...昔よりも感度がいいな。

  他の雄に...抱かれたことあるのか...」

  

  「んん...仕方、ねえだろ。

  あれから、もう20年も経つんだからy、ああっ!!」

  

  俺の反論の途中でも構わず、今度は俺の首元を舐め上げる零。乳首を摘ままれ、弾かれ、捏ねられ、弄られ続けていくたびに、俺の口からは筋肉質な体格には似合わない艶のある声が漏れ、俺のちんぽに芯が入り始める。

  

  「くそっ...銀は...銀は俺だけの!」

  

  そのことに苛立ったように叫ぶと、まるで食いつくかのような荒々しさで零が俺の口を塞ぎ、舌をねじ込んでくる。口を塞ごうとしたが、荒々しく唸る肉厚な舌はそれを許さずに、俺の舌を絡め取り、まるで引っこ抜くかのように吸い取られる。

  

  「んっ、んん...やっ、やめてk、んむ゛!!

  ジュプ...んっ、んっ///」

  

  抵抗しようとしても、無理やりに抑え込まてしまう。あの頃とは違い、いくら乳首を刺激されて力が出なくなっているとはいえ、零の力に押し負けるなんて思いもよらなかった。

  

  だが、それ以上...こんなことはいけないと分かっていながら...止めようとしているはずなのに、俺の身体から力が抜けていく。

  ダメなはずなのに、久々に感じた零の感触に、背徳的な快感に、まるで脳みそに薄い膜でも張ったかのようにぼんやりとし、その行為に身を預けようとしている自分が、確かにいるのが分かる。

  

  キスといえるかもわからないような、蹂躙されるようなキス...被虐心の強い俺にとっては、どうしようもないほどに興奮を覚えてしまう。ねっとりと唾液と舌が絡み、その熱を伝えていく。

  

  

  そんな俺の状況を知ってか知らずか、零はどんどん行為を進展させ、俺のスーツを脱がせていく。あっという間に、俺は生まれたばかりと同じ素っ裸になり、その筋肉質な肉体を起こる快感の為に小さく痙攣させ、下半身の股の先には一度も使ったことのない俺のちんぽがいきり勃ち、その先の割れ目から我慢汁をドクドクと溢れさせている。

  

  そっと、互いの口が離れ、それを惜しむかのように互いの舌に唾液の橋がかかる。

  

  「頼む...零...

  もう、やめてくr、ひゃあ!!」

  

  口がようやく離れ、再度俺は零に止めるように言う。

  

  

  

  それでも、このままではダメだ。今の俺には、琉翔がいる。

  

  辛かった時に、悲しかった時に、あいつはいてくれた。どん底でダメになっていた俺を、それでも愛してくれた。

  

  それになにより、俺自身...琉翔を愛している。

  

  

  だが、そんな静止の意思も、ケツマンコにちんぽを宛がわれた快感に飲まれてしまう。

  

  「ここも...大分、使われたんだな。」

  

  「あっ、ああ...ちっ、ちんぽは...」

  

  ずぶっ!!

  

  「あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

  

  もはや、静止する暇もなく、零はその圧倒的なデカさのちんぽで俺のケツマンを貫く。凄まじい存在感と圧迫感に息が詰まり、身体中の筋肉がちんぽの快感に痙攣する。

  

  「ずいぶんとエロくなっちまったな...挿れただけなのによ...」

  

  「あ゛あぁ!!」

  

  俺が挿入された快感でいっぱいいっぱいな時に、零はその大きな掌で俺のちんぽに触れる。くちゅりと、小さな水音がなり、俺のちんぽが我慢汁とは違う白濁の粘液にまみれている。

  

  俺は...零にちんぽを挿入されただけで、イっちまっていた。

  

  しかし、それを気にする暇もなく、それは訪れた。パン!パン!と肉と肉のぶつかる破裂音が、部屋中に響き渡り始める。零が腰を振り始め、そのちんぽで俺を犯しだした。

  

  「あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛!!!」

  

  一度イっているのもあってか、俺は乱れた声でただただ喘ぎ狂った。

  

  「銀!!おまえは、俺のものだ!!

  俺だけの!!」

  

  腰を振りながら、息も絶え絶えになりながらも俺の名を叫ぶ零。その行為自体は、俺のことを考慮しない...俺の頑丈さに任せた性交。ケツマンコが滅茶苦茶になって塞がらなくなるんじゃないかと思えるほどに、そのちんぽでごりごりと抉り、前立腺を集中的に狙い、何度も快感で意識が飛びかける。だが、決して荒いだけではなく、そこには確かなあの頃とは違う、熟練さを感じさせるものだった。

  

  「ま゛だぁ、イ゛ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

  

  そんな行為のせいで、俺は頭に思いついた淫語も口に出来ずに、再び果てる。

  

  「銀、イくぞ!!俺のガキ、孕みやがれぇ!!」

  

  !!?

  

  そんな...待ってくれ。ダメだ、中出しだけは...種ズケだけは止めt

  

  「イくぞぉ!!

  ぐおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

  

  「あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

  

  俺の中で零のちんぽが弾け、俺の中を熱い熱が満たしていく。それと同時に、イったばかりのはずの俺も、また盛大にイく。

  

  

  

  これで、俺は本当に琉翔を裏切ってしまった...そんな気がした。ここまでやっておいて今更かもしれないが、それでも、どこか俺は、琉翔を裏切った罪悪感から逃げたかった。中出しは、その最後の砦だった。

  

  だが、もう関係ない。

  もう、意味はない。

  

  

  もう...俺も、疲れた...

  

  

  

  

  

  

  その後も、俺たちはまるで本当の獣のように、何度も盛りあい、果て続けた。10か、20か...或いは、それ以上か。俺たちは互いに果て続け、乱れた。

  今までの時間を埋めようとするかのように...俺は零のちんぽとザーメンを一心に受け続けた。

  

  

  

  

  

  

  

  

  全身ドライヤーにかかり、昨日のスーツに着替える。酒だったり、久々の再会だったり...色々と言い訳を並べたところで、俺がしたことは、まぎれもない浮気だった。

  そんなことをしてしまったことによる琉翔への後ろめたさや、そんな想いを抱いちまってることに対する零への申し訳なさが、俺の中で濁流のように渦巻く。

  

  「すまねえ...」

  

  そんなことを考えていると、俺の後ろから声がする。すっかり親父声になっちまった零の声が。

  

  「すまねえ...銀。」

  

  まだ裸のまま、そっと俺を後ろから抱きしめながら、謝罪する零。俺を抱きしめる腕は、震えていた。

  

  

  思ってはいけないのに、このまま...零とよりを戻したいと思ってしまっている自分がいた。

  

  「もういいよ、零。それじゃあな...また、会えてよかったよ。」

  

  それでも、俺は...俺には...

  

  「待ってくれ、銀!!

  来週の夜...俺は、ここで待ってるからな。」

  

  「...ああ。」

  

  そんな言葉をかけてくる零に、ちゃんと返事も返せないまま、俺は零の部屋を後にし、あいつの...琉翔の待つ家へと帰路につく。外は、既に明るくなっていた。

  

  

  スーツのポケットに入っていたスマホを確認すると、新着メールとlineのチャットがきていた。差出人は、琉翔から。

  家に着き、鍵を開けようとすると、鍵は開いたままになっていた。

  

  「琉翔...

  ...たっ、ただいま...」

  

  少し気になって声をかけたが、中から返事はない。仕方なく、そのまま家に上がると、リビングの電気が付いたままだった。そこには、机に上半身を倒し寝ている短い茶色い毛の牛獣人の琉翔。机の上には二人分の料理が並び、手を付けた様子はない。

  

  「...う~ん。

  ...あっ、銀。」

  

  「琉翔...」

  

  すると、俺が近づいたのに気付いたのか、琉翔は目を覚まし、寝ぼけ眼のまま、俺の方を見つめる。そんな視線を受け、俺はつい視線を他に向けた。

  

  「その...すまん、琉翔。

  俺...」

  

  「...お帰り、銀。」

  

  思わず、俺は言い訳を探した。遅く帰ったことや、記念日を台無しにしてしまったこと...なにより、零との一件。

  

  だが、そんな言い訳を考えていた俺に琉翔は「お帰り」と優しい笑顔で言う。そんな琉翔の姿に、俺の中で凄まじい罪悪感が込みあがり、俺は琉翔に抱き付いた。

  

  「うおっ!!

  急にどうしたんだよ、銀!?」

  

  俺の急な行動に、驚いた声で俺に問いかける琉翔。だが、俺にはその問い掛けに答えずに、ただ琉翔を抱きしめ続けた。

  

  「...はあ。何があったか知らねえけど...落ち着いたら教えてくれよ、銀。」

  

  何度問いかけても答えない俺に、琉翔は諦めて小さなため息をついて、俺を抱きしめかえす。

  

  

  なあ、琉翔...俺は、どうすればいいんだろうな。