イノセントTF薬

  [chapter:イノセントTF薬]

  さやこ「あーん、また失敗だ」

  ある日のさやこランド、さやこが薬を作っていた。すると、

  『ピンポーン』

  さやこ「あ、はーい」

  インターホンが鳴り、さやこが玄関へ向かっていく。そこには…、

  天馬「こんにちは~」

  さやこ「[[rb:天馬 > てんま]]さんにケモヒーローズ!!また遊びに来たんだ」

  そう、やって来たのは天馬と[[rb:真也 > しんや]]たちケモヒーローズだった。

  天馬「うん。さやこさん、何してたの?」

  さやこ「薬作りよ。つかさに教わって、色々と実験しつつ、新しいTFを試してる最中よ」

  真也「へぇー…」

  天馬「興味深いね~」

  さやこの説明に、真也と天馬が感心したように言う。

  さやこ「そうだ!!せっかくだから、お片付けを手伝って欲しいな。サヤリ博士も手伝うって」

  天馬「サヤリ博士?」

  初めて聞く名前に、天馬が[[rb:訊 > き]]いた。

  さやこ「ああ、天馬さんは知らないか。私のひみつ道具を修理したり、直したり、機械にも結構詳しいの。転送マシーンを作ったのも、サヤリ博士なんだ」

  天馬「そうなんだ」

  さやこの説明に天馬が納得する。

  [newpage]

  しばらくして、一同はさやこの家の実験室に入った。少しだけだが、散らかっているようだ。

  真琴「ちょっと散らかってるわね~…」

  真也「よ~し、片付けるか!」

  本太「うん!」

  みんながそう言い、片づけを始める。

  真也「…ん?何だこれ?」

  真也が薬瓶を見つけ、手に取った。

  さやこ「ああ、それは処分する薬よ。どんな効果を持ってるかは私でもわからないの」

  真也「そっか…まあ、効果がわからないんじゃ使わないにこしたことはないよな」

  さやこの説明に真也が納得する。

  サヤリ「とにかく、それは危ないから、ワシにくれえ」

  真也「ああ…はい」

  サヤリ博士の言葉に、真也は薬瓶を渡した。

  [newpage]

  しばらくして、片づけがひと段落ついた。

  天馬「大分片付いたかな?」

  さやこ「お陰様で綺麗になったよ」

  さやこが一同にお礼を言う。

  天馬「良かった」

  真也「どういたしまして」

  天馬と真也がさやこにそう返すと…、

  ドンガラガッシャン!!

  天馬「…ん?」

  ライカ「What?」

  愛「何!?」

  突然響いてきた音に、天馬とライカと[[rb:愛 > あい]]が振り返る。

  さやこ「サヤリ博士?!」

  さやこと一同が、慌てて音のしたほうへ見に行った。

  さやこ「大丈夫?!」

  サヤリ「大丈夫じゃ。・・・・・・失敗した薬が混ざった成果、こんな姿になったんじゃ」

  何と、サヤリ博士は虫の姿になっていた。

  天馬「あらら…」

  ライカ「アンビリーバボー…」

  さやこ「失敗した薬が混ざって、そんな姿に……オーマイガッシュ」

  天馬とライカ、さやこがそんなサヤリ博士の姿に愕然としていた。

  天馬「っていうか、失敗した薬って一つだけじゃなかったんだ…」

  さやこ「おそらく、混ざって化学反応が起きたんだと思うの」

  本太「なるほど~…」

  天馬の言葉にさやこが応え、[[rb:本太 > もとた]]が納得する。

  さやこ「確か、この薬ね」

  さやこは混ざった薬を回収し、成分を確かめた。

  そして…。

  [newpage]

  さやこ「出来た!!イノセントTF薬」

  天馬「イノセントTF薬?」

  さやこの言葉に天馬が訊いた。

  さやこ「サヤリ博士があんな姿になっちゃったでしょ?幸い、人間味が残ってたから、簡単に戻せたよ」

  天馬「なるほど…で、それどんな薬なの?」

  さやこ「まあ、実践したらわかるよ」

  天馬が訊くと、さやこは薬を天馬にかけた。すると、腕が2対になり……頭から触覚がでて、背中からはハチの羽根が出て、首にはファーみたいなのが出て、お尻からはハチの腹部が出て……天馬はミツバチ人間になった。

  天馬「おお~!」

  感嘆の声を上げる天馬の横で、さやこは時計を見る。

  天馬「…ん?」

  さやこ「どれぐらいで戻るか見てるの」

  さやこが天馬に応え、10分後……ポンという音と共に元に戻った。

  天馬「…戻った!」

  さやこ「効き目は10分で切れるのか……そういえば、みんなにかけてないなぁ……」

  真也「…え!?」

  自分たちのほうを見て言うさやこの言葉に真也たちは驚き、身の危険を感じて逃げようとする…。

  さやこ「それっ!!」

  さやこは逃げようとしたみんなに薬をぶっかけるが、天馬は薬がかからずにすんだ。

  一同「わっ(きゃっ)!」

  さやこ「逃げちゃダメよ。どうなるか試したいよ~」

  さやこはそう言って真也たちを見る。しばらくして、真也たちの腕が2対になり、さらに五人の頭からは先ほどの天馬と同じように触角が、背中からそれぞれ異なる羽が生え、お尻からはそれぞれ異なる昆虫の腹部が出て…真也はホタル人間、ライカはカマキリ人間、本太はコガネムシ人間、真琴はトンボ人間、愛はチョウ人間になっていた。

  真也「参ったな~…」

  お尻の先を光らせながら、真也が困ったように言った。ライカたちも困ったような反応をしていたが…、

  愛「わぁ…♡」

  愛はどこか嬉しそうだ。

  さやこ「おーこれは面白いな!!」

  そんな真也たちを見て、さやこはニヤニヤ。

  さやこ「そう言えば、私はどうなるんだろう?」

  さやこはそう言い、自分が薬を飲む。すると腕が4本生え、腹部が出て、さやこの目が4つ増えた。

  ケイミ「さやこ、おやつ……キャー虫!!」

  おやつを持ってきたさやこの母が、変化したさやこの姿を見るなり逃げた。

  さやこ「お母さん……バッドタイミングだったね(汗」

  天馬「さやこさん、すごい姿になったね~…」

  愛「私蝶々だからかな、何か怖い…」

  天馬と愛が、さやこの姿を見てつぶやいた。

  さやこ「ちなみに、私のお母さんは虫が嫌いで特に芋虫や尺取虫がダメなんだ」

  天馬「そっか~…」

  天馬がさやこの説明に納得する。

  [newpage]

  しばらくして真也たちは元に戻り、みんなはさやこの母が持ってきたおやつをいただいていた。

  ケイミ「もう、あたし虫嫌いなの分かってよ!」

  さやこ「ごめんね」

  抗議する母に、謝るさやこ。

  天馬「でも今回は楽しかったね~」

  天馬が今回の出来事を振り返る。

  さやこ「サヤリ博士のお陰で新しい薬が完成したよ!ありがとう」

  サヤリ「いやー、ワシのドジがこんな結果になるとは思わなかったのう」

  本太「ほんと、驚いたよね~」

  今度は本太だ。

  さやこ「まあ、今回はサヤリ博士のドジが、新しい薬に出来上がるきっかけになったし、結果オーライね」

  天馬「だね!」

  天馬がさやこに応える。

  サヤリ博士は苦笑いしつつ、みんなでおやつを食べたのだった。

  おしまい