ロケットイタチの大挑戦

  「…はぁ。己で課した事とはいえ、この姿で生活するの大変だな?」

  陰月村の龍狼とその彼女が住んでいる家の自室にて自身のお腹に触れながら狼獣人姿の龍狼がベッドに腰かけているのであるが、『狼獣人』と言うには余りにも違いすぎる特徴が複数あり、少し身体の各部を詳細に見ていけゆくと。

  茶色の地毛で覆われている身体各部は肥満の様に太っている様に見えるが皮膚は外皮越しを見ればうっすらと深緑に染まっており、地毛の合間から覗き見える毛の一部は魚類特有の鱗に覆われていて、手の間には水掻きのようなものが出ていた。

  まるで『人狼』である筈の彼に魚類の特徴が混ざってその上で緑色の液体を入れられた様な姿となっている龍狼なのだが、実はとある世界にて開催されているフェスと呼ばれるイベントに関連するSNSにてその世界を行っていないにも関わらずそのSNSを利用した為に、様々な方との関係にヒビが入ってしまう事態を引き起こし彼自身も行ってしまった事に深い後悔をし、その重さに沈みきってしまいそうになっていた彼に自身の闇が断罪を行った。

  そのとある世界にて住んでいる種族の一種である『シャケ』へと姿を変え膨らまされ、その身体の中にて作り溜められたインクを使ってその世界に住んでいる種族達への装備品の生成、生活する為のエネルギー代わりの仕事をして贖罪の日々を過ごしていたのである。

  「何とか軌道に乗っかってきた仕事だけど…負の気持ちがまだ燻ってる気分だ。この気持ち、どうすりゃあ良いんだ?」

  自らの贖罪としての仕事が軌道に乗り初め上手く行っているのを感じていた龍狼であったが、未だ自分の中に残っている感情にどうしたものかと悩んでベッドに横たわって悶々としていっていると、インターホンが鳴り聞こえてきた。

  [newpage]

  「こんにちは!」

  一方龍狼の家の玄関にてトタチがインターホンを押してから早めの挨拶を言ってくると家の方から誰かが出てくる音が聞こえてきた。

  「おや‥‥誰かな?」

  少しばかり大きめの足音が聞こえているのを感じトタチは龍狼の親戚の方が来ているのかと考えているとドアが開いた。

  「いよっと…あっ」

  ドアが開かれるとかなりの大柄の姿に成っていた龍狼が其処にいた。

  「(龍狼さん…にしては大きいような…)すみません、龍狼さんはどこですか?」

  「あー…うん、よし正直に言おう…俺が龍狼何だよ」

  そう言ってから壁に掛けてあった自身のアイデンティティとも言うべき帽子を被り、龍狼であることをトタチにアピールした。

  「え、ええっ…しばらく見ない間に何でこうなっちゃったの?」

  「ちょっと、プライベートで色んな事があってね…支障はないから大丈夫だよ?」

  余りの体型の変わり様にその様な疑問を溢してしまうトタチに少し苦笑いを出しながらお腹を叩き鳴らしながら龍狼が濁した。

  「はらだいこ…タヌキみたいだね。」

  「中身はそんなのじゃないんだけどな…それよりトタチくん、どうして此処に?」

  見事な音を鳴らした龍狼のお腹を見てタヌキみたいに成っている事にトタチが呟くも実際にお腹の中に溜まっているのは違うものであるとトタチに聞こえない程度に溢しつつもどうして此方の方へと来たのかと龍狼が聞いてくる。

  「今日は龍狼さんに相談があって来たんだっ。ボクの体質についてなんだけど‥‥‥」

  「…少し深刻そうな問題みたいだな、良かったら俺の部屋に案内しようか?」

  少し悩んでいる表情を見せたトタチを見て龍狼がドアを全開にし手招きをする。

  「うんっ、おじゃましますっ」

  優しく家に招いてくれた龍狼に対しトタチが頷き家の中に入っていった。

  [newpage]

  「えぇ!?自分の身体の限界を知りたい!?」

  家の自室に案内をした龍狼はトタチからその様な事を言ってきたのでその様な反応を返してしまい驚きを隠せなかった。

  「うん、ちょっと気になっちゃって‥」

  「何でまたいきなり…?」

  そう龍狼が言いながら自分とトタチに各々置いていたジュースを一口してから置き直し頬を赤くしているトタチと向かい合った。

  「もっとおおきく膨らみたいけど…暴発しちゃうんだよね」

  「あー、それでこの間トラブル起こしちゃったんだっけ?」

  トタチのその発言を聞き龍狼は彼がこの前行った町で起こした事を人から聞いた形であるが覚えていた。

  「人助けしたら感謝されたんだけど、感謝状を貰う前にスイートポテトを食べたらガスが生成されすぎちゃって…」

  「我慢できずに屁を出しちゃって部屋大荒れしたんだっけ?」

  感謝状を受け取ろうとする場面で膨らみすぎたお腹を抱えながら涙目で屁を出してしまったトタチの写真をカメラマンの一人が誤って撮ってしまいそれが新聞の一頁に載ってしまったのを龍狼が思い出していた。

  「ああっその写真、新聞に載っちゃってたんだ…」

  『人助けとトラブルは表裏一体』の見出しの隣にその時のトタチの写真を載せていた新聞の一部を切り取って置いてあるのを見つけトタチは自分の顔が赤くなるのを感じた。

  「難儀なモノだな?」

  「こういうことがあって、ガス暴発をどうにかしたいんだ」

  [newpage]

  「つまりだ、今後のトラブルを起こしたりしないように先ずは自分の身体の事を知る必要があるって事か?」

  そう言って座っていた席から立ちあがりトタチのお腹に視線を向けた龍狼に頷いて返答を見せた。

  「成る程…風狐、聞いたか?」

  「おぉ、バッチし全部ね?」

  天井に向けて龍狼が声をかけると一部が開き自身の力を使って浮かんでいた風狐が顔を出していた。

  彼は龍狼の身に起きていた事に対しても一通りの事は知っており彼の贖罪の気持ちに対し励ましの思いで助けていたのである。

  「びっくりしたっ、居たんだね…」

  「普段此処で鍛練と趣味をね…っと、身体測定と検査やるんだね。下着とか持ってきてるか?」

  驚いた様子のトタチにそう言ってきながら風狐はトタチのある物を思い出しながらそう聞いてきた。

  「うんっ、アレを持ってきてるよっ」

  トタチはそう言いながら自分の着ている『ロケット服』と呼ばれるそれの一部をジッパーで開けて広げると『ロケットパンツ』と彼が呼んでいる物を風狐を見せる。

  「上出来、それに着替えて部屋の一つに入ってくれ。準備してくるから」

  「というかポケットあったなんて初めてだぞ?」

  トタチの準備の良さに風狐が笑みを見せて他の部屋に屋根裏経由で行く中で龍狼がロケット服を見てそう呟いた。

  「はーいっ」

  「興味出てきたから俺手伝おうか?」

  着替え始めてゆくトタチを見ながら龍狼はそう言ってくる。

  トタチくん「おっ、ありがとうございます」

  「良いってことよ…屁うっかりこかさない様にケツに力いれろよw?」

  此処に来るまでに屁で飛んできたトタチの事を思い出しつつ軽いジョークを出しながらゆっくりと肩を鳴らし回した。

  [newpage]

  「ふむ、160センチね…次体重入ってくれるか?」

  「はいっ」

  「風狐の方は…まぁ自分の中から出た存在だからかね、165センチだ。」

  「ははっ、まさかトタチの身体測定に巻き込まれるとは」

  パンツ一丁で扇子を持っていた風狐がそうぼやいた。

  「って、風狐さんも着替えてる!?」

  「仕方ないでしょ、比較のデータないと測定にならないんだから…僕はこんな体型だし」

  トタチが風狐も参加していることに驚くもパソコンに先程のデータを入力してゆく龍狼が自身のデップリとした体型を見てそう言い溢した。

  「みんなやるのかな…?」

  「あー、一応僕らだけで測定する感じだからね?」

  「よし、測定できた。30キロになるのか?」

  トタチの疑問に応えた風狐を置いて龍狼が測定結果を見せる。

  「なるほど、それで僕はなにをすればいいのかな?」

  「ガスの限界保持量とや噴射時の早さとかに成るかな…あー、あとガスの生成量は無限なんだっけ?」

  「たぶん」

  「なら、その生成スピードの計測を行えば後々が楽になりそうだな…その計測も良いかい?」

  龍狼がその事に思い立ってトタチの方を向いて聞いてきた。

  「お願いしますっ」

  「OK、先ずは小手調べに…これ!」

  そう言って風狐が焼き芋を投げ渡してきた。

  「おっ、いただきますっ」

  「それ一個でどれくらい作られてゆくのか知っておかないとね?」

  そう言って龍狼が焼き芋を食べてゆくトタチの身体中に何かを張り付けてゆく。

  「ハグハグ…これは何…?」

  「今の君の身体の状態を此処に出してゆくシートだ。気持ち悪くないかい?」

  張り付いたシートを見ながら呟くトタチにその様に答えた龍狼はシートに接続されているパソコンに注視する。

  「大丈夫だよっ」

  「そう言えば新聞での出来事の際、直前に食べたスイートポテトに含まれてた芋ってどれくらいの数だったか分かる?」

  頷いて笑顔を見せるトタチに対しその疑問を出してきた龍狼。

  「10個くらいかなぁ」

  「結構含んでたんだな…っと、そろそろみたいだね?」

  トタチのお腹から音が鳴り出しているのを確認して風狐は距離を取っておいた。

  「んんっ、ガスが溜まってきたよっ」

  「けっ、結構膨らみやすいんだね?」

  ポッコリとしたお腹へと膨らみ始めたトタチの姿を見ながら風狐が呟く

  「うんっ、これくらいなら平気だよっ」

  「さぁて、芋一つであの新聞で見たレベルのに成るのか…?」

  にこやかに風狐へ返事を返してくるトタチを見ながらパソコンに表示されている数値の記録をして新聞で見たサイズに成るのかと少し期待する龍狼。

  「芋一個だと‥‥‥このくらいだね?」

  「ふぅむ、それくらいの大きさに膨らめるのか…?」

  『信楽焼の狸』程に膨らんだお腹へと成ったトタチを見て風狐は少し彼のお腹を擦ってあげる。

  「ぽんぽこっ...なんてね、もっと膨らめるよっ」

  「そう言うことなら…はいっ、追加の芋だよ」

  腹太鼓をする振りをしたトタチがまだまだ膨らめることを伝えると直ぐ様風狐が次の焼き芋を渡してあげる。

  「それじゃあ、ゆっくりといただきますっ」

  「ふぅむ…約芋10個程のスイートポテト食べてやらかしちゃったって事は…それ未満の量なら大丈夫って事なのか?」

  焼き芋を味わってゆくトタチを見ながら先程の話から推察をした龍狼が少しそう聞いてきた。

  「うんっ、多分...」

  「成る程ねぇ…少し警戒しながら刻みで出してゆくね?」

  トタチがその推察を聞いて一応の肯定を出しそれを聞いた風狐がもしもの事を想定し今まで出したのと合わせて10個未満になる様に焼き芋を用意する。

  「うんっ、それじゃあいただきますっ」

  「ムチャすんじゃないよ~?」

  そう言ってから丁度良いサイズの焼き芋を頂いてゆくトタチを尻目に、龍狼が彼の身体に張り付けたシートから伝わるデータを出してゆくパソコンを注意深く見てゆく。

  [newpage]

  「また膨らんできたよっ」

  「ほんと芋に対しては中々だね…胸焼けとかしないの?」

  焼き芋を食べてゆく中でまたお腹が膨らんできたのを龍狼に伝えたトタチに対して風狐が少し疑問に感じた事を聞いてくる。

  「おいもは大好きなんだっ、食べ過ぎるとああなっちゃうけど...」

  「お芋以外に好きなのって無いの?」

  本当に大好物であるのをアピールしつつも新聞の事を思い出して少し頬を赤らめたトタチに対し風狐が更なる疑問をぶつける。

  「食べ物は全部好きだよっ。これと言って嫌いなものはないなぁ」

  「それ結構羨ましいよ…甘海老沢山食ったらどえらい目にあって以来海老関係のは警戒してる僕にとって」

  好き嫌いの無いトタチの答えに乾いた笑みを溢しながら過去に好物だった物が食えなくなってしまった龍狼がホロリと涙を溢す。

  「ありゃりゃ...ボクもそうならないように、適量を知らなきゃ...」

  「本当にそうだね…っと、体調大丈夫かい?」

  どんなに好きな物でも適量にしないと不味い事に成るのを理解したトタチに同意する龍狼は膨らんでいっている彼の少し案じてそう聞いてくる。

  「まだ大丈夫だと思うけど...」

  「ふむふむ…それで何個目なんだい?」

  ぷっくりとバランスボール程の大きさに成ったお腹を抱えながらトタチが指を三本上げる。

  「三個に成るのか、まだ余裕かい?」

  「此処でブッパなしたら色々と大変なことに成るからね…念の為にっと」

  トタチの食べた焼き芋の数を理解した龍狼はそう聞く中で部屋の中でおならが出てしまう可能性を感じた風狐が少しトタチのパンツのガス放出部分の所に狙いを定めてホースを用意する。

  「配慮ありがとうっ」

  「お礼は検査が終わってからにして…まだやってるから」

  感謝するトタチに風狐はパソコンとにらめっこをしている龍狼を指差してそう伝える。

  「さて..結果はどうかな?」

  「それは君自身が感じることだろ…っと、結構柔らかい素材で出来てるんだねこの服、いくら引っ張っても全く千切れないよ?」

  トタチが少し結果を待っていると風狐がその様な反論をして何となく彼が着ていた服に触るとその服がかなりの柔軟性があることに気づく。

  「膨張しても体を締め付けないように特殊素材でできてるんだっ、知り合った兎獣人さんに作ってもらったんだよ。」

  「確か、『しふとぴくす』…だっけ、君のその服を用意してくれた人って?」

  龍狼も入っている『バルーンムーンウルフ』と呼ばれる会社にて出してくれたトタチのそれまでの経歴の内容を記した資料を思い出しながらそう言ってくる。

  「そうだよ、何でも作っちゃう変わったヒトでねー…」

  「是非一度お会いしたいですね、その方とは…お腹の感じはどうなってるかな?」

  トタチが『しふとぴくす』さんの事を思い出している中で風狐は少し会ってみたい欲を出しつつトタチの様子を伺う。

  [newpage]

  「おなかは...少しきつくなってきたかな?」

  「そろそろって感じか…」

  合計5個の焼き芋を食べ終えたトタチが少し張ってきたお腹を擦っているのをそろそろ彼の限界に入ったのかと龍狼が呟くとトタチのお腹からかなりの音が鳴り響き始める。

  「おっと、限界の様だね…一応サイズ計っておくか」

  「お願いしますっ」

  トタチのお腹から重低音が鳴ってきているのを聞いた風狐が念の為にと大きさを測ろうとすると彼から少し苦しげながらも頼み出され、それを聞きいた風狐は応えるかの様に大きさを図るメーターを取り出した。

  「どれくらいになったかな?」

  「おー、これは結構大きめ…苦しくないかい?」

  膨らんでいったトタチのお腹の大きさはおよそ和室にある畳の縦180cmを直径にした球体程になっており、張っている感覚を風狐が触れて感じトタチにそう聞いてくる。

  「なんとか~、これ以上は危険な気がする...」

  「成る程ねぇ…そのサイズに入ると暴発とかあったりするのかい?」

  膨らみきったお腹に両腕を触れながらトタチが風狐に返事をする中でパソコンからのデータを調べあげてゆく龍狼がその様な疑問を出してくる。

  「うん、しちゃったことも…」

  「うわっへぇ、一触即発のガス爆弾って感じなのか…」

  「取り扱い注意しておかないとね…その体質に気付いたのは何歳の頃なんだい?」

  膨らんだ状態でおならを暴発させた事もトタチが伝えると龍狼が良い例えを出し、風狐が気を付けて行うのを考えつつ少し気になって質問で少し踏み込んできた。

  「物心ついた頃からかなぁ、イタチは種族柄ガスがたまりやすいのだけど、ボクのは"とてもパワフル"みたい…」

  「小さい頃からなのか…その体質で苦労しなかったかい?」

  おならが出やすい自身の体質について幼い頃を思い出しつつそう言ってゆくトタチに対し幼い頃からの体質と聞いて風狐が更なる質問を出してゆく。

  「そりゃあ苦労したよ…授業中に暴発しちゃぅったり…」

  「窓開けないと不味い量出しちゃったのか?」

  授業中におならを出した事もあった事も呟くトタチに少し嫌な予感を感じた龍狼がそう聞いてきた。

  「それどころじゃなかったんだよね…。他のクラスにも異臭騒ぎになって大パニックに…」

  「あれま…それは少しドンマイ、っとソロソロ出してゆくか?」

  授業中におならを暴発してしまい大騒ぎに成ってしまった当時のトタチに対し少し同情をしつつ現在進行形で膨らみきった彼に対しガス抜きを行うかと龍狼が提案する。

  「うん、ガス抜きしないと…」

  「あー、ちょっと待っててね…」

  お腹を抱える程に膨らんだトタチのその言葉に風狐が少し慌てつつもトタチのパンツのガス放出部分の所にホースを接続させる。

  「ガス漏れ出ないやつにしたから思いっきしやっても良いよ!」

  「おっ、ありがとうございます。それでは心置きなく…」

  パンツに付いたホースがガスタンクまで繋がっているのを龍狼が見せてトタチが確認を終えると少し集中して膨らんだお腹を抱えながら屁を出し始めてゆく。

  「ふんっ!」

  「うわぁ…本当に可燃性なんだな、データからそう出てきてるぞ?」

  「それくらいの大きさが今の限界なんだね?」

  ガスタンクにどんどんいれてゆくトタチを他所にホースに繋がれているコードを経由してパソコンからも彼のガスの性質に舌を巻く龍狼をよそに風狐が今のトタチの体型を見てそう言ってくる。

  「うんっ、これが限界そう」

  「ふむ…その状態でどうして行きたいんだい?」

  膨らんだお腹を抱えてそう言ってくるトタチに対しどの様にしてゆくのかと龍狼が聞いてくる。

  「おいもをお腹いっぱいたべても暴発しないようにしたいんだ。」

  「とすると、お腹の容量の拡張とかが良いのかな…?」

  トタチが自身で考えた自分の身体の目標と言えるそれを聞いて龍狼はその目標に最も有効的な手を出してみる。

  「うんっ、お願いしますっ」

  「ふむふむ…そうしたいのなら少し良いアイデアがあるんだけど…その状態のまま聞いてみたい?」

  トタチのお願いを聞いた風狐が龍狼の方を見ながらもそう言ってくる。

  「どれどれ……?」

  膨らんだお腹を抱えたまま風狐の話を聞き始めてゆくトタチを尻目に龍狼は調べあげたトタチの全てを纏めてゆく。

  「何か分かったのかな?」

  「君のガスの溜めれるのを維持できる時間とか量…それらの算出だよ」

  トタチの呟きに反応して龍狼がそう返事を出す。

  [newpage]

  「なるほどっ」

  「後はトタチにアレを入れて行けば特訓になると思うけど…龍狼、手伝ってくれるかい?」

  「…何するのかは言わなくても分かるよ風狐、会社仲間もとい親友だからな…助けに成るようにしてやるよ」

  トタチのお腹の容量の拡張特訓の内容と龍狼からの返事にトタチがそう言い、風狐が龍狼に向けてある事への頼みをすると何をするのか理解できた龍狼は自身の良心に応える為に座っていた席から立ち上がる。

  「わくわく」

  「ふふっ、そんじゃ、外に出て始めるよ!」

  どの様な特訓に成るのか楽しみになるトタチを見て風狐もにこやかに立ち上がって準備を初めだしてゆく。

  [newpage]

  「…うぅー、結構冷えるな。まぁ、これからやる事考えればこの姿でやらにゃいかんからな…」

  外に出て池の方に着いて早々キチンと服を着ていた風狐とトタチと真逆に龍狼はパンツ一丁に大きめのバックを持っているだけの姿で辺りを見渡していた。

  「で、何をするの?」

  「トタチはお腹の容量をもっと広く成りたいんだよ?」

  一体何をするのかと聞くトタチにもう一度風狐が目標の確認をする。

  「うんっ、もっと伸びればいいんだけど…」

  「最も確実にやれる方法は、既に膨らんでいる状態のままで追加のガス供給を行ってその際に膨らんだ状態をキープ、時間がかかるがその分お腹が伸びやすくなるって寸法なんだけど…」

  その目標に肯定して自身のお腹を触っているトタチに対し風狐は先の方法を挙げた。

  「...そのままだと破裂しちゃいそうで怖いなぁ...」

  「其処でだ、膨らんでいる状態でのお腹に入れるやつを液体にするんだ…幾分かガスが溶け込んだりとかする可能性もあるからね?」

  トタチが破裂の可能性に対し恐れているのを見て風狐が補足してゆく中、龍狼はバックを開けて中身の確認をしてゆく。

  「おおっいいね、その中身は……?」

  「その液体を今から出してくれる方をこれから呼ぶよ…龍狼いくよー!」

  「さぁて、僕の新たな姿を御覧じろってね…ンガッグ!」

  トタチがその案に賛成しつつもその中身となる液体はどうするかと風狐に聞くと、彼からの呼び掛けに龍狼がそう言ってからバックのジッパーを開けて取り出したるはオオモノシャケ『バクダン』の特徴である帽子であり、その帽子を被ってからパイプのパーツに繋がれている筒状の物を咥え込むと、緑色の液体が出てき始めて彼の口から喉を通って体内に入ると彼の身体に変化が起こり始める。

  「わぁっ....」

  「僕の目でみるのはこれが初だね…」

  「ングッ、ングッ、ンンッ…」

  トタチと風狐が見てゆく中で龍狼が緑色の液体を飲み込んでゆくと、深緑のインクに満たさせれていたお腹が魚類の黒い鱗に覆われてゆき、両腕の方にまでゆくと指と指の間に出ていた水掻きの部分が伸び出し始めると鱗と共に変形してゆき、まるでヒレの様に逞しい両腕へと変化しきると共に両足の方を見ると、両方の足が粘土に黒の着色料を混ぜ合わせる様に一体化し始めており、その足の形が整って肌であった鱗の色が染まり上がりきると、魚類の尾鰭を持った尻尾と化し自身の頭に浮かんだのを器用に動きに反映させる部位となった。

  (すごい...)

  「これは、中々…」

  「ングッ、ンゴゥ、ンガアァ…!」

  トタチが呆けて言葉を失い、ようやく言葉を溢した風狐からもそれしか出せず、龍狼のお腹までも鱗に覆われて仕上げとばかりに彼の顔にも変化が起きてゆく。

  魚類特有の鼻へ変わり始めると筒状の物を噛んでいる歯が牙となり、喉にあたる声帯も変わってゆくのが漏れ出る声が証拠となり、耳が引っ込み消え帽子内部にある髪の毛が引っ張りあげられる感覚と共にそれらが赤い背鰭へとなり、狼獣人の時とは違うマズルへと伸びてゆく中で自身のその心は残っているのを証明するようにその『目』だけは黄色のままであった。

  「いまのは一体...?」

  「龍狼、少しやらかした事があってね…その罰として先程のと今の姿以外のに成れなくなる様に成ってて、しかも食べたご飯を生活できる栄養とエネルギーだけを抽出してから、残ってるエネルギーをインクに変換し身体に溜め込める様に体質も変化されちゃってるから普段あんな姿に成ってるんだ…」

  「ンンッ…ンゴオォグウオオオオオオオォ!!!」

  気づいたトタチが風狐に質問をすると龍狼の今の状態やある事を説明してゆく中、緑色の液体の供給が止まり彼の身体に装備が付いてゆくと、其処に居たのはオカシラシャケ『ヨコヅナ』並みに大きく膨らみつつもオオモノシャケ『バクダン』の姿と成っていた龍狼の姿であった

  [newpage]

  「おっきい………」

  「これからトタチ君に今の龍狼の身体から出てくる液体を流し込む、それで先程膨らんだ程に大きくなって貰うんだけど…良いかい?」

  今の龍狼の姿にその言葉を出すしかなかったトタチに対し風狐は彼に方法を伝えて了承を伺う。

  トタチくん「(ちょっと不安だけど…)うんっ。」

  「ちょっとヤバイと感じたんなら遠慮するなよ?」

  風狐の言葉に頷くトタチであったが不安さを感じさせていたので風狐がそう言い足してくる。

  「それではお願いしますっ」

  「了解…そぅっれ!」

  トタチからの了承を得た風狐はバックから取り出したホースをトタチのパンツのガス放出部分と今の龍狼の帽子のトップクラウンの部分に各々接続する。

  「準備オーケーだね」

  「ソウミタイダナ…ソンジャマ気張レヨー!」

  各々の準備が出来たのをトタチが言うと片言ながらも龍狼がそう伝えてから少し腹に力を込めると、龍狼の帽子のトップクラウンから深緑色の液体がホースを伝って流れ始めてくる。

  「おっ…!」

  液体と自身のお尻の間にあった空気がお尻から入ってきたのを感じ取り声をあげるトタチ。

  「ム…大丈夫カ?」

  その声を聞いた龍狼がトタチに向けて声掛けをする。

  [newpage]

  「あうっ、ちょっと変な感覚………大丈夫だよっ」

  「オッ、ドウヤラ入ッテ来タヨウダナ?」

  ホースの全部が深緑に染まりトタチの体内に液体が入り初めてその感覚に変な感覚を感じつつも無事であるのを彼が伝えると龍狼が自身から出てきた液体が入ってきたのを理解する。

  「うんっ、なんだか変な感覚……」

  「まぁ、今まで出してた所から入れられているからね…そう感じるのも無理ないよ」

  お腹の方へ液体が入ってくる感覚にその様な表現をするトタチに風狐がそう言ってくる。

  「この後どうなるの...?」

  「取り敢えず、先程の限界まで膨らんだサイズにまで入れてゆくから頑張れー…龍狼、やりすぎない程度にね?」

  この後が気になったトタチに対し風狐は部屋の中で計測した時に膨らんだ大きさにまで膨らませるのを伝えると、共に龍狼にやり過ぎてとんでもないことに成らないように注意を促すとそれに龍狼は頷き肯定しながらトタチへの供給を続ける。

  「わかったっ、わくわく……」

  「一応初メテ何ダヨナ、違和感トカ無イノカ?」

  それを聞いたトタチが楽しんでいる事に対し龍狼は液体での膨張をしているのに違和感が無いのか聞いてくる。

  「うん..おしりから入ってくる違和感を除けば...おなかは平気だよっ」

  「ソ、ソウナノカ…少シ出テキタナ?」

  トタチがそう伝えるのを聞いた龍狼は少し出てきた彼のお腹に対しそう言ってくる。

  「中で大きくなってる...」

  「気体ノ代ワリニ液体ダカラナ…ヒンヤリシテナイヨナ?」

  少しずつ膨らんでくるお腹に触れながら呟くトタチに対し龍狼がそう返しつつトタチのお腹への被害を起こしてないかと不安になってそう聞いてくる。

  「問題ないと思うよ...普段はガスだから、違和感はあるけど...。」

  「成ル程ネ…少シ供給スルペースヲ上ゲテユクガヤバカッタラチャント言エヨー!」

  液体での膨張に違和感がありつつも問題はない事をトタチが言うと龍狼は少し意を決してそう伝えると自身の供給ペースを上げ始めてゆく。

  「はいっ、早くなりたいなぁ....」

  「おっとトタチ、そう言ってる間にも…」

  そう呟いたトタチのお腹が目に見える速さで膨らんできているのを風狐が指を指して呟く。

  「さっきおいもを食べた時のように...膨らんでるっ!」

  「トタチ、大丈夫カ?」

  焼き芋を食べた時の様に膨らんでゆくお腹を見ながらそう言ってゆくトタチに対し供給し続けながら龍狼がそう聞いてくる。

  [newpage]

  「ぷにぷにしてて...なんか気持ちいい....」

  「あら、少し気持ち良くなってるみたいだね?」

  水風船の様に膨らんだ自身のお腹に触れながらその感触に気持ち良くなってきて座り込みだしたトタチを見て風狐がそう言うと、液体を入れられていた高さが更に低くなった為液体の供給ペースが更に上がった。

  「はぁぁ....もっとはいってきた......」

  「あらあら、気持ち良すぎて腰砕けに成っちゃってら…」

  気持ち良くなって目が据わりだしてきたトタチを見て風狐がそうぼやく。

  「なんだかからだがあつくなってきたよぉ....」

  「火照ってきたんだな…無理すんなよ?」

  身体が暑くなってきたのをトタチが溢すと風狐がそう言いながら近くの池から水を汲み取って少しかけてあげる。

  「つめたくてきもちいい...あんっ」

  「風邪引カセ無イ様ニシテオケヨ?」

  池の水をかけられ冷まされて更に気持ち良くなるトタチを見ながら風狐に忠告をする龍狼の目には、焼き芋を三本程食べたくらいの大きさにまで膨らんだトタチの姿があった。

  「むしろあついくらいだよぉ....はぁはぁ...」

  「ちょいと水浴び程の量にしてゆくか」

  未だに身体の火照りが残っているのをトタチが息を付きながら言うと風狐がかけている水の量を増やし更にトタチを涼ませてあげてゆく。

  「ああ...すずしい...きもちいいのがからだのなかにはいってくる....」

  「あーあ、気持ち良く成りすぎてフニャフニャに成っちゃってら…」

  「オット…ソロソロアノ時ノ大キサニッ成ッテキタ様ダ」

  気持ち良く成り過ぎて蕩けてしまっているトタチを見て風狐がそう溢していると、龍狼がトタチのお腹から鳴っている音が変わりだしたのに気づき焼き芋で膨らんだ限界の大きさに成っているのを理解した。

  「ありぇ...またおかしなかんかく....?」

  「おぉ、焼き芋で膨らんでた大きさに近づいてきたんだね…ほら、トタチ起きろ!」

  お腹からの強めの感覚に蕩けたままのトタチがそう溢すと共に風狐が先程彼が焼き芋で膨らんだ大きさに成っているのに気づくと頬を少しひっぱたいて起こさせる。

  [newpage]

  「ふえ?」

  異変に気づかないトタチであったが張ってきたお腹による強めの感覚が起こりだす。

  「うおおおおおおお!!」

  「此処ラデ良イナ…アラヨット!」

  お腹からの感覚と鳴ってゆく轟音に叫び声を出すトタチを見て目を覚ましたのを理解した龍狼が自身の液体の供給を止める。

  「あ〜れ〜〜」

  「あれま、初めての感覚で痺れてら…」

  お腹への未知の感覚に酔っているトタチを見てそう呟く風狐は龍狼とトタチを繋げていたホースをキチンと抜いておく。

  「ぼく……どうなった……?」

  「焼キ芋食ッテ膨ラメル限界ノ大キサニナッテルヨ?」

  目を覚ましたトタチがそう呟くと龍狼がそう言ってからヒレの様な腕を使ってトタチのお腹に触れる。

  「ほんとうだぁ………おなかがぷっくりして………それでいてあまりくるしくない……」

  「へえぇ、液体ならそれくらいのサイズでも大丈夫なのか…良し、次のステップに行こうか?」

  膨らんでいったトタチのお腹は焼き芋を五つ食べた程の大きさに成っていながらも苦しくない状態になった彼に対し風狐はその姿のトタチを興味深く観察してゆくと懐から焼き芋を取り出しながらそう言ってきた。

  「ふぇ……まだあるの……? たのしみ……」

  「ハアァ…チョイト刺激強スギタンジャネェノ?」

  「あ、あはは…まぁ嫌々ながらにやるよりかはマシ、だからね…はいどうぞ」

  トタチからのその指示にまた蕩けた顔になったのを見て龍狼がそう溢すと風狐が少し苦笑しながらも焼き芋をトタチに渡してあげる。

  「いただきま~すぅ……もぐもぐ」

  「ハテサテドウヤルノヤラ…?」

  受け取った焼き芋を食べてゆくトタチを見てどの様な事になるのかと気になって様子を伺った龍狼。

  [newpage]

  「わくわく……」

  「…おっ、膨らみ出した!」

  膨らんだ姿のままに焼き芋を食べ終え楽しみにしているトタチから大きな音が鳴り響いているのを風狐が気づくとトタチのお腹が更に膨らみだしてきた。

  「ぼくがもっとおおきくなってるぅ………」

  「オ腹ノ容量、液体込ミナラモット大キクナルンダナ…無理スンナヨ?」

  轟音を響かせながら膨らんでいたお腹が更に膨らんでいるのを感じながらお腹を抱えてそう溢してゆくトタチを見ながら、彼のお腹の容量について少し理解した龍狼は無事であるのを願ってゆく。

  「うん……だいじょうぶ……」

  「苦しくない状態で言うってのが、本当に苦じゃないって分かるね…」

  少し言葉が幼く感じつつもしっかりと言ってみせるトタチを見ながら風狐は興味をひいて様子を見てゆく。

  「もぐもぐ‥‥」

  「ソンナ状態デモ…ングッ、パクパク食ッテケルノッテ…ゴクリュ、アル種ノ才能ダネ…ゴッゴッ」

  液体で満たされている状態のお腹をテーブル代わりに焼き芋を食べてゆくトタチを見て呆れた声音をしつつ出した液体の分の飲み物を飲んでゆく龍狼。

  「ぱくぱく...ぱくぱく...」

  「ちょ、ちょっと食べるペース早くないかい?」

  トタチが焼き芋を食べてゆくペースが早くなっておりそろそろそれだけを食べて膨らむ限界の量に近づいてるのに風狐が気づき出す。

  [newpage]

  「ふえっ!?」

  「オ、オイ…大丈夫ナノカ!?」

  焼き芋を食べていく中でお腹の容量の限界を迎えてしまったトタチから大轟音が鳴り響き出しているのを龍狼が聞き思わずその言葉が出る。

  「あれ、あれ、あれれ~~~!?」

  「お、おい…マジでなんかヤバそうな音鳴ってないかい!?」

  急にトタチのお腹が膨らみだし大轟音が鳴る中そう呟いてしまう風狐。

  「ありぇ‥‥おなかがきゅうにふくらんで‥‥‥うわああっ!!!」

  「ト、トタチ君!」

  急に膨らんだ影響で又もや惚けた表情を浮かべたトタチが更に膨らんでゆくのを見てるしかない龍狼が叫ぶ。

  「なかのえきたいが‥‥‥どんどんふくらんでる‥‥‥!!」

  「何ダッテ!?」

  トタチのその言葉に龍狼が少し彼のお腹に耳を当てると粘り気のある液体が泡をたててどんどん増えてきているのが理解できた。

  「このままだと‥‥はれつする‥‥‥!!!」

  「りゅ、龍狼もう駄目だ逃げるぞ!」

  「ソ、ソンナ…トタチ、トタチイィ!!」

  お腹を抱えて震え初めてきたトタチを見て風狐が龍狼を無理矢理ながらも距離を取っていってゆく。

  「う、ぐうぅ…あっ」

  何とか堪えようとしたトタチであったが限界を迎えると共にお尻から黄緑色のスモークを出しながらペットボトルロケットの様に飛び始めた。

  「うわああああああ!!!」

  [newpage]

  「ト、トタチ…」

  「手の付けようが…」

  かなりの液体と気体を体内に入れていた影響か自力で止めることが出来ない暴走状態で空中を飛び回ってしまうトタチを眺めるしかない二人。

  「ふんしゃが...と...とまんない.....!!!」

  「空に向かって飛んでいっちゃってるぞ!?」

  膨らんだお腹の影響か噴射が止まらないトタチの軌道を見て風狐がそう叫ぶ。

  「せいぎょもできない………!!」

  「トタチイィ!!!」

  まるで打ち上げ花火のように上がってゆくトタチに向けて龍狼がそう叫ぶ。

  「ふぁあ、バクハツする〜〜〜!!!」

  その大声が池に響き渡り空の彼方に飛んでゆくと、打ち上げ花火のように黄緑色の煙を撒き散らした。

  「と、トタチ君…!」

  「ナ、ナンテ事ダ…!」

  二人がそう溢すと空から黄緑色のスライム状の物が落ちてゆく。

  [newpage]

  「コ、コノスライムハ…」

  「間違いない、トタチが出してたスモークと同じものだ…液体とオナラが化学反応引き起こしてこれが大量発生しちゃったのか!?」

  「ト、トタチイィ…ン、ンンッ?!」

  トタチを爆発させてしまった事に後悔をしてしまう龍狼であったが地面に落ちていたスライムが独りでに動き出しているのを見て動きを止めてしまう。

  「な、何だこりゃ…あっ、トタチのヘルメットと服!」

  飛び散った黄緑色のスライムが複数個現れて各々が一ヶ所に集まってゆく姿を見て風狐も呆けているとそのスライムの中にトタチが身に付けていた物を持っているスライムが居るのを見つける。

  飛び散ったスライム達が一ヶ所に集まりきり其処にトタチのヘルメットと服が入ると変則的な動きを取ってゆく。

  「………ん………ボクはいったい……?」

  「ト、ハッ、エェッ…!?」

  集まりきったスライムの動きが収まりきると中から黄緑色のスライム状の身体と成っていたトタチが現れた。

  その姿に龍狼は思わず言葉が漏れ溢れ風狐は口をあんぐり開けたままになる。

  「なんか変な夢を見たような気分だけど‥‥」

  そう言ってヘルメットに手を付いたトタチの耳に粘り気のある音が聞こえ音がなった方を見る。

  「おや龍狼さん、実験の結果は‥‥‥」

  「ア、アー…先ズ自分ノ手ヲ見テミロ?」

  自身の実験がどうなったのかとトタチが龍狼に聞いてくると彼はまず自分の手を見てること伝えてくる。

  「えっ、僕の手をって…スライムになってる!?」

  その様に言われてトタチが自身の手を見てみると元々の自身の身体を元にしたままスライムに置換されている事に気づいて驚きの声をあげてしまった。

  [newpage]

  「…そういう事があって今、家に居候する形にしているんだよ」

  今までの経緯についてを簡潔に説明していっていた龍狼はそう締め括りパソコンの画面を通じて他の出来事により此方に来るのが出来なかったフォックに通信をしており俗にいうリモートワークを行っていた。

  「ふむふむなるほどね」

  「どうしてこうなったのかと三人揃って頭を捻っちゃったよ…」

  「う~ん‥‥」

  「って、あぁトタチ君此処入っちゃ…」

  「ん?」

  リモートでトタチが変化したことについてをフォックに伝えている中で当の本人がスライムになった身体を動かしなから龍狼の部屋に入ってきてしまい、フォックにトタチの姿を見られてしまう。

  「ありゃりゃ、お邪魔しちゃったかな?」

  「あら誰?」

  「あっ、そう言えば僕からの勧誘だったからフォック知らなかったのか…この子がさっき言ったロケットイタチのトタチ、トタチ君、この人は僕の知り合いの竜人のフォックさんだ」

  トタチが龍狼のリモートワークを見て入るタイミングを間違えたのを理解する中で、フォックが龍狼の部屋に入ってきたトタチを見て初めて見た反応をしたのを龍狼が気づきバルーンムーンウルフでやっていなかった各々の紹介を行う。

  「えっと初めましてね、俺はフォック、よろしくね」

  「はじめましてっ、フォックさん。ボクはトタチ。ロケットイタチだよっ。」

  「よろしくねトタチ君、でも君今姿がスライムになってるけど?」

  初めて邂逅したフォックとトタチは各々自己紹介を行ってフォックが少し笑顔を、トタチは大袈裟に手を振るのを見せるとフォックが出だしからいきなり今のトタチの姿についてを聞いてきた。

  「うん‥この前の実験の副作用で‥‥」

  「実験?」

  「おっとそれは僕が分かりやすく説明するね…?」

  トタチが自身のスライムとなった身体を見ながら説明するも、頭に疑問符を出して何があったのか理解できないフォックの様子を見て龍狼は『実験』になるまでの経緯やその実験内容についてを説明し始めてゆく。

  [newpage]

  「なるほどね、それでそうなったわけか」

  「そういうことなんだよ...」

  「そう考えると智月のインクのがトタチ君の中で科学的な事が起きてスライムへ変化したと考えられるな」

  「なるほど…で、スライムになったことで…」

  「そうだね、お腹の中で変化が起きてそれがガスとなって出したことで段々スライムへと変化したと考えられる」

  「それって、俺の…せいなのか?」

  フォックが事の状況を理解してトタチがそれに同意するとフォックはトタチの身に起きた事を考察しながらそう言ってゆくのを聞き龍狼が少し青ざめてそう呟いた。

  「まあ智月には想定外な事よ、インク自体がトタチ君の中で変化した、まあ別に姿が変わるだけで害はないと思うよ」

  「スライムになったってことは、スライムっぽいことができるのかな?」

  「それは君のスキル次第だけど、まあ転生してスライムになった者もいて人間の姿になったりと敵のスキルを捕食してスキルそのものを習得したりもできるから、まあやりすぎない程度だったらになるけど」

  「なるほど……」

  「そ、そうなのか…っと、転生したらなった方の事をそう言うのか…そう言えば今のトタチ君の能力どんな感じなのか見たことないね?」

  フォックが龍狼にそう言って少し安心させる中、トタチが自身の身体がスライムになった事で出来ることを考えているとフォックが具体例を出しつつやり過ぎないように注意をすると、少し安心した龍狼がその様なことを言ってきた。

  「う~ん、それはトタチ君自体で色々やってみるしかないよ」

  「そうなるかぁ…まぁ、生活に問題無いようだったら戻る手立てが見つかるまで此処にいても良いんだよ?」

  フォックがトタチ自身でやってみないと分からない事を伝えると龍狼がその提案を出してきた。

  「そうするよっ‥‥」

  「それじゃ、今後とも宜しく!」

  トタチのその返事に龍狼はそう言って握手を求める。

  [newpage]

  「うんっ!」「ふふっ…んっ!」

  トタチが差し出された龍狼の握手をキチンと握って返事をして良い雰囲気になったその時、龍狼の影の中から真っ黒で人間姿の龍狼が姿を現した。

  「!?」「…フフッ」

  画面越しであったがシャドー龍狼を初めて見たフォックが近づくのを見たシャドー龍狼はトタチと龍狼の方へと向き直しフィンガースナップをきかせると龍狼とトタチのお腹に少し熱を生じさせた。

  「んおっ、な、何だ…?」「んんっ!?」

  龍狼とトタチのお腹の熱が強くなってゆくと表面に巨大な『シャケ』の姿の紋章が浮かび上がり、それと同時にシャドー龍狼がまたフィンガースナップを効かせると共にフォックの方に一つの書類が現れた。

  「これは何かの資料?何々?」

  「ふぅ、ふぅ…」「ふうー」

  龍狼とトタチがお腹に刻印された紋章に痺れるような感覚をして息を付く中でフォックの方に届けられた書類をフォックが持っているのを確認したシャドー龍狼が姿を影に沈み消えた。

  「き、消えた!?」「ど、何処に行ったんだ…?」

  「あの影の智月、何がしたかったんだろう?」

  姿を消したシャドー龍狼に驚くトタチと龍狼を尻目に何をやりたかったのかと気になったフォックが書類の内容を見てみる。

  「ん、フォック…その資料何だ?」

  「えっと…ふむふむ」

  「どれどれ…?」

  フォックに届けられた書類を画面越しに見た龍狼が彼に聞いてみると書類の内容を理解する為に見てゆくフォックの様子をトタチが伺ってゆく。

  「フォックさん、どう?」

  「内容はシャケとかトタチ君の能力とかわかるかもな感じみたい」

  「シャケって、お腹のやつだね…トタチの能力って?」

  トタチがフォックに聞いてみると書類の内容の一部を教えてゆき、その中でトタチの能力についてが出てきたのを聞き逃さなかった龍狼がそう聞いてくる。

  「これは鮭‥‥なのかな?」

  「そのようだね、追加の資料にはそれ関連のが書かれているよ」

  「どれどれ……?」

  「どういう感じなんだい?」

  トタチがお腹に浮かんでいる『シャケ』の姿の紋章を見てそう呟くとフォックはそれに肯定して内容を読み取った書類をトタチと龍狼に見せる。

  「はい読んでみて」

  「さて、どういう事が書かれているのか…」

  フォックが画面越しで書類を見せて龍狼とトタチが内容を読み取ってゆくと、二人のお腹に描かれた『シャケ』は『ヨコヅナ』と呼ばれる『オカシラシャケ』の一種でありそれがある者は元々は違う存在である事を証明する者である事を分かるようにした物である。

  [newpage]

  さて、トタチの能力はというと通常時の彼の能力によって排出される物がスライム状の液体となって出てくる物となっておりその液体から出るエネルギーはとんでもなく兵器に使用したら兵器自体が駄目になってしまう物であり、花火としての火薬替わりか薄めて皆が使える程のエネルギー出力にする必要がある。

  因みにガスとして出す事が出来るが相撲の土俵程の大きさにまで今のトタチは膨らめるがそれ以上になると問答無用でガスを放出してしまうのでサイズ管理は気を付けろとの事が書類に記載されていた。

  「そんな感じの身体に成ったんだね…トタチくん。」

  「ちょっと不安だけど……前よりはガスに耐えられるようになったし、まあいっか」

  書類の中を読み取った龍狼がトタチにそう伝えるとスライム状のお腹を触りながらそう納得した。

  「どうやらそのようね、能力が段々判明しそうだ」

  「どれどれ………」「おっと、はいコレ」

  フォックが書類を読み取れたものを見て頷く中トタチがお腹を見てゆくと龍狼が試しにと焼き芋を取り出す。

  「もぐもぐ……」「はてさてどうなるのか…」

  トタチが焼き芋を食べるのを見ながら龍狼はどの様になるのかと楽しみになってゆく。

  「んっ、膨らんできたっ」

  「本当に液体みたいに成ってるようだね?」

  トタチのお腹の方から水音が鳴り出すと膨らみ始めてきたのを見て龍狼がそう呟いた。

  「そうみたいだね、これなら暴発はしにくそうだっ」

  「ガスでなければ大丈夫そうだね」

  「そうだけど…トタチ大丈夫かい?」

  「前より苦しくないよっ‥もっとおいもちょうだいっ」

  「あー、はいはい…食い過ぎんなよ?」

  暴発の恐れがない事をトタチが理解しフォックが笑顔でそう言ってゆく中で龍狼が少し気になってトタチの体調を聞くと、まだ無事であるのを本人が伝えながら更に焼き芋を要求するのを聞き苦笑いをしながら龍狼が更に焼き芋を出してくれる。

  「もぐもぐっ、これなら心置きなく食べられそうだっ」

  「それはそうだけど…そろそろか?」

  どんどん焼き芋を食べてゆくトタチを見ながら龍狼は前に起きた事が又起きるかと様子を伺ってゆく。

  「おっと…体がふくらんできたっ」

  「此処までは前の時と同じか…」

  トタチのお腹から液体の泡立つ音と共に身体全体が膨らんでいってゆく様子を見て龍狼がそう呟く。

  「シュワシュワしてきた...」

  「本当に大丈夫なのか…おっと」

  膨らんできているトタチの姿を龍狼がそう言って彼の顔を見てみるとトタチの目が座りだしていることに気付く。

  「シュワシュワ〜シュワシュワ〜〜〜」

  「あー、やっぱしこうなるのね…」

  お腹から泡立つ音と共に気持ち良くなって膨らんでゆくのを楽しむトタチを見て龍狼がそう言葉を漏らした。

  [newpage]

  「これやばいんじゃないの?ガスになって感じがするけど」

  「急にふくらんでる~~~~」

  「ちょ、ちょっとコレはマズそう…わっぷぶ!」

  体を膨らんでいってゆくトタチを画面越しに見て不安がるフォックと同意見でそう呟く龍狼だったが伸縮性のあるトタチのお腹に押し込められて動けなくなるが、彼のお腹越しで液体が出来てゆく感覚が直に伝わってくる。

  「なんとかならないのか?」

  「う、動けない…」

  フォックがそう聞いてみるも呻くように龍狼が言葉を出しトタチは段々と部屋全体を満たす程にまで膨らんでいってゆく。

  「あ〜れ〜〜〜〜 調子に乗って食べすぎちゃったみたい〜」

  「こ、の…バカ、チン!」

  物に体が当たる感覚を感じてトタチがそう言うのを聞いた龍狼がそう言葉を紡いでゆくとチャットを行っていた部屋全体を満たす大きさにまで膨らんだトタチの泡立ち音が鳴り止んだ。

  「うわわトタチ君のお腹で見えなくなってる!?」

  「も、もうダメだ〜!」

  「大、丈夫…液…体、出来てる…感覚、無い!」

  画面がトタチのお腹に埋まっているのを見てフォックがそう叫ぶ中でトタチがそう叫んでしまうも直にお腹を触れている龍狼からその言葉が聞こえる。

  「ふう………」

  「そ、それは、兎に角…助けて!」

  それを聞いて一安心するトタチの耳に苦しげに龍狼の声がトタチで埋まった部屋に響く。

  「膨らみはおさまったけど…どうしよう?」

  「とりあえず今から向かうから待ってて!」

  「…お願いします〜〜〜」

  膨らむのが収まった体を見ながらトタチがそう呟くとフォックはそう言って部屋を出て知り合いと共に準備を行っていってゆく音を聞いてトタチがションボリと成ってしまう。

  [newpage]

  「さて来たけど、やばい感じね」

  「ウゴゴ…」

  「うわっ、これはかなり大変ですね」

  チャットを行っていた部屋にフォックとアストルが到着する。

  「来てくれたんだねっ……」

  「これはかなりのものだわ、アストル手伝って」

  「わかりました」

  部屋の外にフォックと誰かが居るのを聞き取ったトタチがそう言ってくるとフォックとアストルが頷き合って準備をし始める。

  「とりあえず開発した吸引機で…っと」

  「準備ができました」

  「‥吸引器‥‥どうやって使うの?」

  「これはね、この吸盤を膨らんだお腹にくっつけてそこで魔力変換して吸収していくんだ」

  膨らんだトタチのお腹の前で装置を用意できたフォックとアストルに対し装置について聞いてきたトタチにフォックがその様に答えるとスライム状のお腹の何処に吸盤をはっ付けるかと思案してゆく。

  「んじゃちょいと我慢してね、痛みはないけどそれじゃスイッチ…オン!」

  スライム状のトタチのお腹の中に吸盤をくっ付けると装置のスイッチを押す。

  「うおっ!?」

  トタチが自身のお腹から何かが吸い出されてゆく感覚を感じると共に装置である吸引機に付けられていたタンクに魔力が籠りだす。

  「段々吸収していってるね、トタチ君の色々と調べようあるな」

  「そのようですね」

  吸引機に吸い込まれてゆくトタチの魔力の様子を見ながらその様な事を話し合っていたフォックとアストルであったがタンク内に黄緑色の液体が少しずつであったが入っている事に気付いてなかった。

  「おなかが吸われていって‥‥楽になってきたっ」

  「…ぶはっ、ようやく、息が出来る…」

  お腹から液体がなくなってゆく中で段々と楽になってゆくトタチと彼に圧迫されたことで呼吸に苦労していた龍狼がそう呟く。

  「ふう、よかったぁ‥‥‥爆発しないとは言え、これからも気をつけよう‥‥‥。」

  「そうだね、気をつけた方がいいわはあ~疲れるわ」

  「ふうぅ…君らと一緒にいると、本当に退屈しないで済むよ!」

  「興味深いのもありますね?」

  膨らんでいたトタチが元に戻れてそう呟くとフォックがため息を付きながらそう言い、龍狼が今此処にいる皆に対してそう語り、アストルがタンク内のトタチの魔力を眺めてそう言った。

  [newpage]

  「やれやれ‥‥ご迷惑をおかけしました‥‥」

  「全く…チョイとお仕置きとして有ることやってやろうか?」

  トタチのその謝罪にそう龍狼は言い出すと彼の方へと近づいてゆく。

  「えっ」「ふふふ…んっぐ!」

  その龍狼の様子に嫌な予感を感じたトタチが汗を流すと龍狼はいきなりトタチにキスをした。

  「ん?」

  「わわっ‥‥‥!?」「んんっ…ングッ、ングッ、ングッ!」

  突然の龍狼の行動にアストルは疑問を感じトタチはいきなりの事で顔を赤らめている様に見えるも龍狼はそんな事はお構い無しと言わんばかりにトタチの身体を吸い出し始める。

  「ぼ、ぼくがすわれていく~~~!!」

  「なんだ!?」

  あまりの龍狼の行動に慌て出すトタチと驚きを隠せないアストルであったが、その様子を見たフォックは少し呆れの視線を送る。

  「ングッ、ングッ、ングッ、ゴッキュ…プッハ…んんっ、ゲエェフ!」

  龍狼はスライムであるトタチの身体全部を飲み込みきってお腹に納めきると飲み込んだ際に一緒に入ってきた空気をゲップとして吐き出した。

  「うわぁああああ!!」

  「んんっ…なぁに、安心しとけ。君の身体は消化とかされない様になってるそうだからね…しばらくの間其処に居て貰うよ?」

  龍狼のお腹に入ってしまったのを理解したトタチがそう叫んで蠢くも揺れ動くお腹を抱えながら書類の中の一つに書かれていたトタチの身体が消化されないという事を利用したお仕置きだと伝える龍狼。

  「ふえーん…とほほ」

  「あらら」

  「まぁ、スライムですから大丈夫だとは思いますが」

  「ケッフ…ふふっ、そんじゃ仕事があるまでお腹で休んでも良いよー?」

  その様に言われてその様な声をあげるトタチのいるお腹を見てフォックとアストルはそう呟き龍狼はスライムと成ったトタチを呑み込みきったお腹を触りながら部屋を器用に出ていった。

  「しばらく反省部屋行きかぁ」

  「まぁ、俺の中で少しは好きにやっても構わないからな…?」

  龍狼の自室に移動する中、そう言って反省しているトタチに対して少し慰めを込めて龍狼が自身のお腹のインクを好きに使っても良いと伝えて太鼓のようにお腹を叩く。

  「中々いい音色出すな~腹太鼓も中々、慣れてきてるな智月」

  (タヌキっぽくなってるなぁ...)

  「アッハッハ…シャケと人狼の混ざり者だけどな?」

  良い音色を出す龍狼のお腹にアストルがそう語りトタチがその様に考えると、龍狼はアストルに笑って見せ体内のトタチに対してそう呟いてから自室に入っていった。

  「まあこういう風でないと俺の満足とモフモフとかでの満足ができねぇからな~」

  そう言ってフォックは吸引機に入れられたトタチの魔力を一瞥するとアストルに吸引機を持ち帰ることを命じつつ魔王城の者達に連絡をとって膨らんだトタチによって被害のあった部屋の修理を頼んだ。

  [newpage]

  翌日、解放したトタチに対し居心地はどうだったのかと聞いていた龍狼の元にフォックがやってきた。

  「準備いいかしら?」

  「おっと…トタチ、仕事を始めるぞ?」

  「不思議な感覚だったよ...」

  部屋に入ってきて早々確認を取るフォックを見て龍狼がトタチにそう言うもトタチはあの時感じたのを少し伝えた。

  「とりあえず智月、仕事だからトタチ君にも手伝ってもらうことにはなるけど…まぁ、頑張ってね?」

  「そうだなぁ…トタチ、詳しい感覚は後で聞くね?」

  フォックがトタチの方に視線を向けつつそう龍狼に伝えるとそれに頷きつつ詳しい事は後で聞くとトタチに伝える龍狼。

  「ごめんね、トタチ君まで手伝う形になるけど戻るまではとりあえずこっちの仕事の手伝いもしてもらうから、ちゃんと給料も出しておいてあげる」

  「おーけいっ!」

  詫びを入れながらフォックがトタチにも仕事を手伝って貰う事を伝えるとそれにトタチが了承する意を見せた。

  「さて、何をするんだい?」

  「まあ簡単にいうとお腹にたまったのを吸引だよ」

  「そそ、その為に少しフォックの元々の世界に行くんだ…」

  トタチが仕事についてを聞いてみるとフォックが詳しい説明をし龍狼がそう言いながら大型のバックを持ってくる。

  「まあ俺はこの世界の住民ではないけど第2の故郷ってとこかな」

  「なるほどっ」

  「まぁ、行ってみれば分かるさね?」

  フォックがこの世界についてそう言ってトタチが肯定して頷く中で準備を整えた龍狼がそう伝える。

  「んじゃゲートオープン」

  そう言ってフォックが取り出した魔方陣を展開すると門が作り出される。

  「出てきたっ・・・!!」

  「それじゃあいくよ~」

  「おぉー!」

  三人全員ゲートを通ってゆき世界を渡って行く。

  [newpage]

  「さてついたよ」

  「いよっと…」「ここは...?」

  「ようこそ我が世界へ、そして我が城へ」

  「かっこいい...」

  「というより魔王城だけど空は明るいでしょ?この世界は平和なのよ」

  「なるほど、ファンタジー的なところか」

  「そそ、魔法や魔物も普通に居るぞ…うんしょ」

  話し合っていたフォックとトタチに割って入るように龍狼がそう言って荷物を持ち直す。

  「では城の中にご案内しよう」

  「おじゃましまーす」

  「此処、マジで広いよなぁ…まだ把握しきれないよ」

  そう言って中に入ってきてゆくフォックに連れられて案内されるトタチと最近来たばかりでまだ把握しきれてない龍狼が付いていってゆく。

  [newpage]

  「きょろきょろ…どこに行けばいいのかな」

  「こっちだよ」

  「迷わない様に気をつけて」

  辺りを見渡して何処へ行くのかと迷いかけるトタチにフォックと龍狼がそれぞれ声をかけてあげる。

  「さてここだよ」「おお〜っ」

  「今回は此処なんだね…僕が今までやってる所は他の目的で使ってるの?」

  フォックが案内したのは大きめの部屋でありトタチが辺りを見渡して声を出す中、今までやってきた経験のある龍狼がその様な疑問を出してきた。

  「まあそうね、あっちはあっちの世界でのでだけど」

  「成る程ね…」

  フォックからその事を聞きながら部屋の確認をし終えた龍狼が大きめのバックのジッパーを開けてゆく。

  「あらそれって」

  「これが無いと、シャケに成らないからな…っと」

  大きめのバックの中にあったのは『バクダン』と呼ばれる『オオモノシャケ』の帽子であり、不備がないか確認を取りながら服を脱ぎ始めてゆく龍狼。

  「あ、それバクダンのあれか」

  「うん、それと…トタチほれ」

  そう言って先のバックをトタチの方にも見せると其処には大量の焼き芋の姿があった。

  「おお〜〜」

  「溜めれるのは此処の食事でも出来るけど、念の為に…ね?」

  歓声を上げるトタチを見ながら帽子の点検を終えた龍狼がそう言ってくれる。

  「うんっ」

  「そんじゃ始めましょうか、アストル」

  「お待たせしました」

  「そんじゃま、初のトタチとの大仕事、やっていきましょっかね…ンガッグッ!」

  頷いてくれたトタチを見届けアストルが吸引機などを持ってきてフォックとの準備が整ってきたのを確認した龍狼は『バクダン』の帽子を被ってパイプのパーツに繋がれている筒状の物を咥え込んだ。

  [newpage]

  「ボクは何すればいいの?」

  「そうだね、トタチ君はとりあえず太ってお腹溜まったら吸引機で吸引するよ」

  「ングッ、ングッ、ンンッ…」

  龍狼が帽子から出てくる緑色の液体を飲んでいって身体を変えさせてゆく中でトタチが何をすれば良いのをフォックが教えてゆく。

  「とりあえず食べればいいのかな?」

  「ングッ、ンゴォ、ンガウゥ…」

  「うん、まあ食事用意はしておくけどトタチ君って焼き芋以外食べれる?」

  トタチのその確認に対し頷きながらも変化してゆく龍狼と肯定しながらその様な事を聞いてくるフォック。

  「焼き芋以外でも美味しいものなら何でもオッケーだよ」

  「じゃあ大丈夫そうね」

  「用意できましたよ」

  『ワッセ、ワッセ…はいどうぞー!』

  「やったー!(じゅるり)」

  「ンンッ…ンゴオォグウオオオオオオオォ!!!」

  焼き芋以外でも美味しいものなら大丈夫であることを伝えるトタチに安心したフォックの後ろでアストルが連れてきた者達が大量の料理を運び込む様を見て涎を出すトタチと変化しきった龍狼の歓声が響き渡る。

  [newpage]

  「召し上がれ、さて智月の方はっと」

  「フウゥ…ト、何スルンダ?」

  美味しく頂くように伝えながらも龍狼の方を向いたフォックに当の本人が気になってそう聞いてきた。

  「智月、おめぇも食うんだよ」

  「ソウダナ…アァグ!」

  フォックにそう言われ龍狼は頷きながら料理の一つに大口を開けて頂きだした。

  「智月の場合はインクに変わるからまあその方が好都合でもあるしな」

  「ムグムグ…ンムウゥ、ンッ、ンッ…」

  そう言い龍狼のお腹をモフモフしまくるフォックに気持ちよく感じつつもご飯を食べてゆく手は止まらない龍狼。

  「すごい食欲……」

  「ほお~モフモフを受け入れるとはやるな~その方が俺は嬉しいぜ」

  「ムグッ、ムグッ…ムウゥン?」

  どんどん食べてゆく龍狼に呆然とするトタチに、その反応を気に入り更にモフモフをしてゆくフォック、インクが溜まりきるまで頂いてゆこうとしてゆく龍狼であったが手を止めていたトタチを見てその反応を見せる。

  「はっ‥‥‥あまりによく食べるからつい‥‥」

  「まあ驚くよね、さあトタチ君も」

  「…いただきますっ!」

  龍狼のその視線に気が付いたトタチは彼の食事量を驚きを隠せずそう呟くと、フォックがそう言ってご飯を頂くように促すと、それに答える様に元気よく言ってから頂き始めてきたトタチ。

  「ぱくぱく………」「ガフガフ…」

  「うちの使いの者たちが作ってくれているんでね」

  「おいしいねっ」「ウメェウメェ!」

  どんどん食べてお腹を大きくさせてゆくトタチと龍狼に対しフォックが部下が作ってくれた料理であることを伝えると二人それぞれ良い反応を示してくれる。

  「ふむ、中々だね」

  二人のお腹を触れ良い具合に溜まっていっている事に気づいてアストルがそう呟く。

  「いい感じのモフモフになってきてるな」

  「ボクも膨らんできたよっ」

  「ムプッ、グゥッ…クスグ擽ッタイヨ」

  アストルに続けとばかりにトタチと龍狼のお腹をモフモフしてゆくフォックがそう呟くと膨らんできたことをトタチが言い、擽ったさを感じると龍狼が言う。

  [newpage]

  「くすぐったいの?」

  「お前が招いたんだからな?そのぐらいはしないとね♪」

  「膨ラムト感ジルノガ強マルンダ…ンンッ、ソッチ大丈夫ナノカ?」

  トタチが龍狼の擽ったさについてそう聞いてくると彼はそう答えつつフォックにモフモフされながらも、トタチの方にそう聞いてきた。

  「まぁ‥‥膨らむのはいつものことだし」

  「ソ、ソウナノ…アッ、ソ、其処ハ…!」

  「ほおほおモフモフでそう感じるか、太ったままにしとこうかしらね~」

  膨らむ事に慣れているトタチがそう言うのを聞いて納得しかけてた龍狼だったが、気持ちいいツボをモフモフされて声をあげたのを理解したフォックがそう言ってきた。

  「カ、勘弁シチクリー…」

  「ダメ♪智月は色々と太らせるとかドラゴンになるとか面白そうだしいいものだわ♪」

  「楽しそうだね‥‥」

  ツボをモフモフされながらも何とかそう言った龍狼であったが悪戯心で企んでるような笑顔になったフォックが色々と画策している姿を見て、少しトタチがいじける。

  「あらトタチ君もモフモフしたいの?」

  「それなら僕がやりましょうか…!」

  トタチのいじける姿を見てフォックがそう呟くとアストルがそう言ってからトタチの身体をモフモフし始める。

  「助かるよアストル」

  「わわっ!?」

  「ふぅむ、スライムって初めて触るからどんな感じなのか気になってたけど…こういう感触も悪くないね!」

  アストルのその行動にフォックが感謝をし、いきなりの事に驚きを隠せないトタチのお腹の感触にそう感想を述べるアストル。

  「ぷるぷるしてるでしょ、えへへ」

  「なるほど、スライムはひんやりで気持ちいいのがね」

  「結構押シ込ンデモ入リ込マナイモンダネ…?」

  冷たく液体とも固体とも違うトタチの感触に各々感想を出すなかで龍狼がアストルの触ってゆく様を見てそう呟く。

  [newpage]

  「みたいだねー」

  「まあ水みたく分解もできるけど元に戻ったりも可能なのがスライムだし」

  「条件次第では入り込めたり出来るのかな…チョイと膨らみ具合からして、そろそろ、かな?」

  龍狼のその言葉にトタチが同意するとフォックがスライムの性質をそう表しアストルが条件次第では変わるのではないかと感じる中で、龍狼とトタチの膨らみ具合を見てそう言ってくる。

  「ふむ、さて吸引機いくよ~」「おおっ」

  「そんじゃ、ホースいくよ~」「オッケイ」

  フォックとアストル、各々がそう言ってから吸引機と大きめのホースを出してゆくのを見てトタチと龍狼、各々頷いてみせる。

  「それっと」「あらよっと」

  「いえいっ」「ンガッグ」

  「それじゃスイッチオン」

  膨らんだトタチのお腹に吸引機を、フォックが付け膨らみきった龍狼の口にアストルがホースを付け、準備が出来たのを確認したフォックがそう言って各々の機械のスイッチを入れた。

  [newpage]

  「ンンップ…」

  「どんどん吸収していくね~」

  轟音を立てて機械が動き出し龍狼とトタチのお腹に溜まっていた物をどんどん吸い出し始めていくのをアストルが呟く。

  「うおっ、どんどん吸われてくっ‥」

  「ンゴッ、ンゴッ、ンゴッ…」

  お腹に溜まっていたモノを出されて声を出すトタチと吸われてゆく感覚に痺れて口を封じられつつも気持ちの良い表情を見せる龍狼。

  「いいね~中々」

  「料理の補充、しませんとね」

  「ンゴググ…」「気持ちよさそう‥‥‥」

  「トタチ君もっと」

  その二人の様子を見てフォックは上手く行っているのを理解しアストルがそう言って料理を運んできてくれた方々に指示を出す中で気持ちよくされている龍狼を見てトタチがそう呟くとフォックはそう言って吸引しているトタチのお腹に刺激を与える。

  「あはっ、くすぐったいっ」

  「おっと、今のトタチにこれやるとこうなるのか?」

  お腹を振動されて擽ったさを感じたトタチがそう言うと電気を使ってその様にしていたアストルがそう呟く。

  「ばちばちしそう‥‥」

  「ほうほう、いけるかな?」「ギクッ」

  「おっと、これで全部に成っちゃったか…」

  お腹を刺激されていって気持ちよくなってきたトタチを見てフォックがそう呟き、嫌な予感を感じたトタチが震えを感じるも、アストルのその声をあげたのと同時に吸引機とホースが外され、トタチと龍狼のお腹がスッキリした状態になっていた。

  [newpage]

  「うん、大分いいね~これはやりがいがある」

  「ふう、気持ちよかったぁ」

  「ンオッフ…コレ等ヲ元ニ色ンナモノヲ作ッテユクカラ、トタチ、食ベテ食ベテ頑張ロウ!」

  気持ち良かった事を言ってみせたトタチの方を向きながら液体が溜まりきったタンクを何処かへと運んでゆく魔物達を見て龍狼がそう言って補充されていってる料理を指差した。

  「うんっ!」

  「フフッ…同僚ガ出来テ嬉シイヨ、アグッ」

  同意して頷くトタチを見て笑顔を溢し見せながらも料理を口をし膨らむのを再開する龍狼を見てトタチも料理に手を出してゆくのを見て、ご満悦のフォックとアストルが装置のチェックを行っていった。

  [newpage]

  一方、魔王城の部屋の一つである研究室にてトタチのお腹から抜き出した魔力の性質を研究するチームと風狐の姿が其処にあった。

  「風狐様、此方の方に来られましてどうされましたか?」

  「昨日トタチから魔力を受け取ったって聞いてね…もしかしたら僕が考えているコレの切っ掛けになるんじゃないかって思ってね?」

  そう言って風狐はスケッチブックを取り出しあるページに捲ると、其処に描かれていたのは、金両腕の手甲の先と脛当の膝に近い所に、車輪が両手や膝を合わせる位置に付けられる様にした金属製の装備を着けたバイクの様な出で立ちのトタチの姿があった。

  「成る程…手を出さないのでしたら見ても構いませんよ?」

  「あー、ありがとう御座います。」

  それを見て魔物が許可を出している最中、トタチの魔力を貯めていたタンク内に一緒に入っていた液体が動く様に揺らめいていた。

  このタンク内の液体によってまた新たなる事態が起きるのであるが、それは別の方のお話。