ある研究者の記録:怪人誕生から怪人にされて怪人を生産するまで
「着いた……」
車も入れない山奥まで、登山経験もろくにない研究者が一人でようやく目的地まで来た。我ながらこんな大荷物を持って一人で来ているのは、相当馬鹿らしいと思うんだが、協力者の一人も得られなかったのだから仕方がない。
「……よしよし、機械の誤作動じゃなかったか。ここまで来て誤情報じゃ洒落にならねぇからな」
用意しておいたエナジー測定器を確認して、ひとまず安心した。取り敢えず注意しながら野営と観測の準備をするとしよう。
さて、そんな山奥にまで来た俺はというと、主にエナジーを研究する、ヒーロー協会の研究者だ。エナジーとは人類の敵である怪人を形作るものであり、それに対抗する人類の守護者、ヒーローの操る力の源でもある。
こんな辺鄙なところに来たのは、俺の研究分野の一つ、怪人に関するものだ。怪人には大きく分けて二種類が存在している。どちらもエナジーの淀みと呼ばれる、自然発生したエナジーが留まり濃くなったものが原因なのだが、それに人間が触れて怪人となるか、限界まで濃くなって怪人が自然発生するかの二種類だ。
で、この辺鄙な山奥には、まだ小さなエナジーの淀みが発生しているのだ。事前に見付かったところで現状対処する手段がないため、報告したところで危険区域に指定されて立ち入り禁止となる。尤も、その措置が掛かるのは一般人で、ヒーロー協会の関係者である俺には関係ない。研究と言う名目がある。
ただ、その研究に対する理解が得られず、他の研究者の協力が得られていない状態だ。それどころか反対されてしまう始末で、結局個人で来るしかなかった。
その研究とは、『怪人の生まれる前のエナジーの淀みに干渉することで、人類に友好な怪人を生み出す』というものだ。怪人は必ず人類に対して敵対心を持っている。元が人間であろうがなかろうが、例外なく人間に敵対心を持ち、あらゆる形で人間に害を成す存在だ。人間を殺すことは勿論、時には他の人間を怪人に変えて人間であることを否定する。
しかし、そこで『そういうものだ』と結論付けて思考停止しては研究者の名が廃るというものだ。エナジーへの干渉自体は、ヒーローがやっていることではあるから、そのデータから試せるものはある。
もしこの研究が成功して、人類にとって友好な、怪人と戦う怪人が生み出せるようになれば、戦力増強は勿論のこと、ヒーローになる人間を無くせる可能性さえある。ヒーローと呼称してはいるが、実際のところ記憶処理して過去を奪いヒーローとして教育を施し、人類の守護者として祀り上げている、現代の生け贄だ。それを止めさせる研究になり得るのだから、この研究は進めるべきだ!
なんて尤もらしい理由を学会で熱弁したものの、別にそんなのは二の次だ。俺の目的はそう、ガチムチオスケモ怪人を生み出して、合法的にオスケモをこの世界に顕現させることだ! そのために俺はこの天才的頭脳で様々な分野の研究で成果を揚げ、狭き門であるヒーロー協会エナジー研究所へと潜り込んだというのに、詭弁さえ理解が得られないとは思わなかった。
「さて、まずはっと……」
ひとまず近場の開いた場所に簡易研究施設を作ることにした。こればかりは手に持ってくるわけにも行かず、マシとはいえクソ重い転送装置を設置してから、予め用意してある簡易ラボをこの場に呼び出すことにする。一昔前なら実現不可能だった転送装置も、エナジー研究が進んで可能な技術となった。
装置を四つ置いて四隅の位置を定め、パッドを操作して向きを調整して、装置を起動する。バチバチと装置間に稲光が走り、少ししてプレハブのような簡易ラボが送られてきた。見た目はともかく中身はエナジー研究施設として上出来なものを積み込んである。
まずはエナジー測定器を取り出して、淀みのある場所へと設置することから始める。まだ目視できるような状態ではないため、レーダーでしっかり位置を確認しながら、観測できるようにパラボラアンテナのような形の装置を置く。パッドで確認したところ、しっかり数値が出ている。そこに留まっていれば怪人化しても不思議ではない数値だな。
周辺のエナジー量も多少高い数値になっているが、淀みと呼ばれる場所はその数値が圧倒的に高い。まだ触れてすぐ怪人になる程では無いにせよ、それも時間の問題だろう。とはいえ、純粋な怪人になるには、まだまだ時間が掛かるはずだ。それまで出来ることを色々試すとしよう。
一日目。今日到着して早速現時点でのデータを取る。周辺のエナジー観測機が偶然捕らえたデータだけでは詳しいエナジーの流れや量も分からなかったが、まだ町中で偶発的に発生するエナジーの淀みよりもエナジー量自体はまだ少ない。しかし、それも時間の問題だろう。
二日目。ラボのベッドはまぁまぁいいものを持ってきたおかげで、山の中だが快適な目覚めだ。朝食のプロテインバーを齧りながら、まずデータを確認する。ふむふむ……思ったよりはエナジー量が増えてないな。淀みを実測したデータは適当に設置された観測機からの漠然としたものしかなかったし、そもそもの発生もまちまちだったから宛てにならないのは分かっていたが、この調子なら怪人になるまで時間も掛かるだろう。
まず干渉の手段として、思想を電波に乗せて、エナジー干渉を行う。『人類は守るべき友』とか『怪人を倒す』とか『世界平和』とか『我が身を盾に』とか『オスケモ』とか『雄好き』とか『ガチムチ』とか『チンポ』とか、効果のあるかないか良く分からないところから俺の欲望まで幅広く取って、変化を観察する。
データが出るまでまぁまぁ暇だし、次にすることでも整理しておくことにする。他も並列にやると、どれが影響を与えたのか分からないからな。
三日目。まず淀みに何か変化があったかどうか、データを確認する。とはいえエナジーから直接情報が読み取れないから、増減値に着目するしかない。
「……お?」
思ったより、数値に出てるな。エナジーが減ったというより、僅かながら電波に反応している。誤差と言えるような増減ながら、電波に合わせて反応しているのは興味深い。人類に敵対的であるのは共通にせよ、怪人にも意思自体はある。なんなら人間ベースでもないのにこちらの言葉で喋ってくる。その意思は何処から来ているのか。エナジーに何かパターンがあればいいんだが。
今日の実験は引き続き電波を流しつつ、持ってきておいた虎の毛を淀みの中心に設置してみることにする。これは完全に私欲のものだが、何か媒介になるものがあれば純粋な怪人の姿や能力に影響があるのかの実験だ。ならラットでも持ってきた方がとも思ったが、生き物は本当に怪人になりかねないので、些細なものにしておくことにした。
四日目。昨日置いてきた虎の毛を確認すると、毛を入れておいた小さなシリンダーごとなくなっていた。淀みはエナジー以外も取り込むのか? 真偽を確かめるためにエナジーのデータと一緒に昨夜の映像を確認すると、なかなか面白い映像が撮れていた。シリンダーが独りでに宙に浮かび、空気に溶けるかのように消えていく映像だ。
この状態で物が取り込めるとなると、発生場所によって特性が付くことになるのか? しかし別にエナジーの淀みの中心が荒涼としていたわけでもなく、木が鬱蒼と茂っていて枯れ葉も落ちていた。植物は例外……かとも思ったが、植物系の怪人も記録にあったよな。じゃあ、あんまり関係ないか?
他に何か取り込ませてみるか。機械……うーん、それで見た目が機械に寄っては本末転倒だなぁ……あくまで獣人にするためには、ちょっとの人間要素か? 今あるのだと俺の髪の毛か……体液? 出来るだけ人間に敵意を持たないようにするなら、いっそ子供のような扱いにするために、精液か? そういや結構抜いてないし、絶対こんなバカげたことをやる研究者もいないだろうから、いっちょやるか。
五日目。取り敢えず先にカメラを確認して、しっかり精液を入れたシリンダーが消えていて行くのを観測した。またエナジーの淀みについての謎が一つ深まったな。シリンダーごと無くなっているから有機物ってわけでもないだろうし……。
「……ん?!」
おかしい。エナジー観測機のデータが正常値だ。この辺もエナジーの淀みの影響でエナジー値が高かったはずなのに、どういうことだ? まさか、エナジーが集束して、怪人が誕生しているのか!?
急いで顔を覆う防護ヘルメットを被り、エナジーの淀みの中心に向かう。体は普段から白衣の下にヒーロースーツと同素材の、対エナジー防護スーツを常に着ているから問題ないはずだ。ぴっちりもっこりで不評だが、俺的には問題ない。
「おお……!」
エナジーの淀みの中心まで来ると、本来不可視のエナジーが細かい粒子のようになって中心に集まり、球を形成している。想定していたより早いが、そもそものデータがないからこれは致し方ない。避難が必要な状況でもあるが、科学者として実験の結果を見逃すわけにはいかないのだ。
「さぁ、どうなる? ちゃんとオスケモ型の怪人に……!?」
突然、可視化されたエナジーの淀みから何かが飛び出し、俺に襲い掛かった。咄嗟のことで反応出来ず、首筋に走る痛みによってようやく状況を理解したくらいだ。
「ぐぅっ……!」
何かに、噛みつかれた。小さなそれに、エナジーの淀みのエナジー全てが集まり姿を形成していく。もっと、静かに誕生するものだと思っていたら、えらくアグレッシブだなおい……。
「いぎっ……!」
小さな、それこそ猫くらいの、猫っぽいそれが俺から離れ、着地実に生物としての形を取り始めた時、傷ではない痛みと熱が肩から広がり始める。まずい、エナジー防護スーツを貫通してエナジーを注ぎ込まれた以上、本能的に察してしまう。これは変化の痛みだ。
噛まれた腕からぞわぞわとした感覚が広がっていき、スーツに毛が押し潰されているような感覚に襲われる。その感覚はあっという間に身体に、もう片方の腕に、足に頭にと広がっていく。
「ヂュッ……!」
尻の方に強烈な違和感と痛みが走り、今まで生きてきて感じたことのない感覚が生まれ、スーツの中で圧迫されているせいでそれが痛みを生み出している。やがて内側からの力に限界を迎えたスーツが破れ、その細長い感覚のあるものが空気に晒される。否応なく分かる。これは、尻尾だ。尻尾が、生えたんだ。
頭の変化が進み、まず耳の感覚が変わる。こっちもヘルメットに圧迫されていたものの、痛みで悶えている内にヘルメットは取れて難を逃れた。人の耳ではない、獣の耳が頭上から生えているようで、その感覚の変化を感じる。そして、口元が明確に変化して、人間にはない、マズルが形成されていた。いやでも長くないか、このマズル。猫科じゃない……?
「くっ……」
一方、蹲ってる俺の目線でもまだ低い位置に頭のある怪人は、猫……というか虎か? その子供のような姿になっていた。あれ、完全な虎なのか……うーん、オスケモ、期待してたんだが……と呆けた感想はすぐに通り過ぎ、このまま俺が完全に怪人にされるのか、或いはそのまま俺を取り込んで、この虎の子は完全な怪人になるのか……。
「なっ……!」
品定めするようにゆっくり近付いてきたかと思えば、虎は俺の股間に顔を当てて来たのだ。そして、スーツのその部分に噛み付いて引き裂こうとしてきたのだ。程無くしてスーツは破けて、キツ苦しくて仕方なかった股間部が解放されてチンポが飛び出る。
「あっ、あぁ?」
出て来たチンポは、見慣れた俺のチンポではなかった。細長い、まるで鼠の……鼠の? 鼠……まさか、俺の頭、鼠になってるのか?
「って、おい!」
自分の現状を理解しかけたところで、虎の子が俺のいきり立つチンポの先っぽを咥えてきたのだ。変化が始まって以来、全身の痛みからとは別に、とんでもない熱が広がっていた。有り体に言えば発情しているのだろう。なもんだから、止めるよりも受け入れたのも止むを得なかった。
「いっ……!」
ザラザラの舌がチンポを這い、ぞわぞわこそばゆい感覚が、敏感になった俺の鼠チンポをとんでもなく刺激する。あ、ダメだって、先っぽ吸われて、早くも限界が……!
「ヂュゥ!」
勢いよく、尿でも出してるのかってくらいザーメンが出る。やばい、頭が真っ白になる。今までのどんな射精よりも気持ちいい。気持ち良過ぎる。そんな大量に出てるザーメンを、虎の怪人はごくごく飲み、一滴も零さず飲み干して、敏感になった尿道の中から吸い上げている。なんで、怪人が、ザーメンを飲んでるんだ……?
ああ、意識が遠のいていく……俺は、目を覚ましても、俺で、いられる……だろう……か……。
---[newpage]
声が聞こえる。動物の鳴き声。それは悲鳴だったり、唸り声だったり、或いは死に際の呻き声だったり。怒り、悲しみ、苦しみ、憎しみ。弱肉強食の野生の世界から外れた、人間に対するそれらの声。
毒の実験で苦しむ実験動物の声。薬の実験で死んでいく実験動物の声。俺が、当たり前のようにやってきた実験に使ってきた、ラット達の声……。
ああ、だから、俺はラットなのか。いくら命に敬意を持ってなんて言ったって、結局そんなもん人間側の勝手な考えで、あいつらからすれば痛みと苦しみしかなかったもんな……。
「……い……」
嫌な夢見だった。起きたらきっといいものが……!?
「おい、起きろ」
「!!!」
いいものはいいものだった。まず目に飛び込んだのは虎の顔だ。オードソックスな黄色に黒の縞模様、しかしただの虎ではないのは明白で、その身体は虎の毛皮に覆われながらも筋骨隆々な人間のような体格で二足歩行をしている。本能的に分かった。この俺好みのオスケモ怪人が、あの小さな虎だ。
「急成長し過ぎだろ……」
「お前の欲望がこうしたんだ」
場違いな感想に、律儀に応えてくる怪人。しかし、俺の欲望が? そりゃあ、俺の欲望そのものな姿をしているが、一体全体どうなってんだ。まだ、夢でも見てるのか?
「我が産まれる傍らで、歪な性の欲望を滾らせ、そればかりか自らの精を捻じ込んできた。今やお前が人類ではないからこそ言えるが、星が我が母であるならば、お前は我が父ということになる」
あれこれ考えている内に、怪人はその事情を説明してくる。言葉通りなら電波とかそういうものではなく、近くにいた俺の思想、っていうか性癖というか性欲が影響して俺の望んだ姿になった、と。人間ベースではない怪人が器用な嘘を吐くとは思えないから、全て言葉通りとすると、気になるワードが出ている。
「星が我が母って、どういうことだ? あの夢見……というか声からすれば、お前は人間以外の動物の怨嗟から生まれて来たんじゃないのか?」
「我の根底については正しい認識だ。しかし、産まれるために導いてくれたのは、この星なのだ」
科学の徒としてみれば、ガイア理論なんて何を馬鹿なと言いたくなるのだが、しかし相手はエナジーなんていう旧科学をぶっ壊したものの集合体で、それが生命として存在している超常の塊だ。少なくとも当事者としては、嘘も認識齟齬もないのだろうから、事実に即しているのだろう。
ひとまず殺意を向けられていないのは確かだから、周囲を確認する。とはいっても、ラボの中のベッドに寝かされていたようだ。人工物を嫌うような性質はないのか。まぁ、虫除けはともかく、動物避けはしてないもんな。
「不完全な状態で変化させたせいか、まだ人間の部分が多く残っているな。力も、あまりに心許ない」
キョロキョロしていたら、割と近かった怪人との距離が急速に縮まり、そればかりか露骨に押し倒される。やばい、こんな理想的な筋骨隆々なオスケモに押し倒されるとか、怪人でなければ夢みたいなシチュエーションだ。けど、押し倒してどうする気なんだ?
「何する気なんだ?」
「我がエナジーを精と共に乗せて注いで、お前の存在を完全にこちら側へと迎え入れる」
「精って……はぁ?!」
いやマジでそんな展開になんのかよ! 確かに屈強なオスケモになら別に抱かれるのもやぶさかではない。やぶさかではないが、まさかそんな欲望剥き出しなことを自然発生の怪人がしてくるなんて思わないだろ。
「これがお前の望みなのだろう? ならば、大人しく受け入れろ」
「いや確かに望みではあるけど、完全に怪人にされるのは……!?」
俺が難色を示しながら、無駄な足掻きに後退ろうとすると、怪人はベッドの上に立ち、俺の顔にチンポが当たるように詰め寄ってくる。想像していた通りというべきか、しかしそれは二次元の話で、三次元だとおかしいデカさの馬鹿デカ虎チンポ。既にガチガチで、先走りの臭いが近付けられるだけでするような、雄臭いチンポ。
その臭いのせいか、しかし臭いとはまた違うもののせいで、頭がくらくらする。これは、フェロモンなのか? 獣人になったせいで、それを強く感じ取ってしまう。こんなの、抗えるかよ。
目の前のデカチンとふわふわのタマの境目の付け根に舌を這わせる。マズルが伸びて感覚が変わっていたが違和感なく口から舌は出せた。味なんてないはずなのに、チンポ臭いのだけで美味いと感じてしまう。
「何をちまちまやっている」
「え、おまっんぐぅっ!」
僅かな苛立ちの声が上がった瞬間、俺の口が勝手に大きく開いて、そこに容赦なくバカデカチンポが捻じ込まれる。口の中全部チンポで埋まってしまい、脳みそまでチンポに犯されそうだ。このままだと本当に、脳まで犯されかねない。
「ンヂュッ!」
「動かないならこちらから行くぞ」
少し落ち着くべくそのままだったら、虎怪人は俺の後頭部を抑え込み、容赦なく腰を振ってくる。やばい、とんでもない性欲モンスターの暴君を生み出しちまったんじゃないのか? 怪人の時点でやばいのは置いといて。
息が苦しくなりながらも、なんとか奉仕するべくなんとかチンポに舌を這わせようとする。意外にもトゲトゲ虎チンポはそんな痛くなく、むしろどういうわけかチンポをしゃぶって口を犯されているだけなのに、むしろ気持ち良くなっていた。いつの間にか、俺のチンポもギンギンだ。
「ぐっ……こう産まれたとはいえ、交尾がここまで気持ちいいとは……!」
呼吸を荒くして快楽を貪っている怪人だが、産まれて初めての快楽に困惑しているようだ。オナニー覚えたてのガキみたいな可愛げがあると一瞬思ったものの、モノの凶悪さがその可愛げを瞬時に吹き飛ばす。がむしゃらで、それゆえとにかく暴力的で苦しい。そのはずなのに、蹂躙されてるのに、気持ちいいなんて感じてしまう。
「ふぅ、ふぅ、よし、我が精をエナジーと共に、全て飲み込め……!」
一際強く頭を抑え込まれ、喉の奥までチンポを突っ込まれて、そのまま食道に直接ザーメンを注ぎ込まれる。呼吸さえままならなくて、涙が出て命の危機を感じるような状況だというのに、怪人ザーメンを接種して身体に力が溢れてくる。これが、エナジーなのか……?
身体が変化していくのが分かる。外面的なものではなく、身体の構造がエナジー生命体としてのものへと変わった。この溢れる活力が、エナジーなのか?
「まだ足りん。ケツを出せ」
「ケホッ、ちょっ、なっ……!」
下された命令に、身体が当然のように従い、ベッドの上に四つん這いになって尻を上げて、ご丁寧に尻尾を上げてケツの穴をひくひくさせている。勝手に動いて勝手に誘ってるのに、あのデカチンを期待している自分がいた。
多分、ぶち込まれてザーメンを注ぎ込まれたら、もう戻れないのは本能的に分かる。最悪人格まで塗り潰されて、俺が俺でなくなるかも知れない。でも、それが何だ。俺の人生の目的が果たされるその瞬間が来るのに、何を躊躇う必要がある。
「……そのデッカイチンポ、ぶち込んんあぁあ……!」
全部言い終える前にチンポを捻じ込まれる。一切解してないし指も舌も触れてすらいなかったケツはあっさりデカチンポを受け入れて、極大の快楽をもたらす。さっきエナジーを注ぎ込まれたことで、俺のケツは出口から入口に変わったんだ。
「ヂュウうウウゥ!」
腰をしっかり掴まれて、問答無用で腰を振られる。オナニーなんて比じゃない、自分のチンポ触るよりよっぽど気持ちいい。パンパンピストンされる度にぐちゃぐちゃエロい水音が響いて、更に興奮が昂る。
「ヤバッ、ヤバイッ、気持ち、気持ち、イイ……!」
「ふんっ、ふんっ!」
がむしゃらな交尾が、人生最高の快楽を更新し続ける。ケツから全身に快楽が駆け巡り暴れ散らかして、頭が真っ白になった。けど、一つ物足りないことがあるとすれば、こんな壊れそうな快感にも関わらず、射精出来ていないことくらいか。
「グルルッ、我が精を、エナジーを、受け取れぇ!」
「ザーメン、くれ、くらさいぃ!」
腰をグッと引き寄せられ、一際強く奥へと挿入され、熱いザーメンが腹へと注ぎ込まれる。腹の中に灼熱のマグマでも流れ込んだかのような異常な熱さを感じ、すぐにミチミチに満ちて腹が出る程ザーメンに満たされていったが、溢れることはなくて、エナジーとして身体に吸収されていく。
すごい、熱い……エナジーが、溢れそうだ……!?
「ヂュウゥ!」
溢れると思ったその瞬間、今までどれだけ感じても出る気配のなかった俺のチンポがビクンと震え、零れ出るように射精してしまう。ザーメンと一緒にエナジーも出て行き、最高の快楽に意識が真っ白になる。
六日目。俺の人間としての人生は終わり、完全に怪人となった。
---[newpage]
「ん……トンじまったな……」
どれくらい時間が経った? そもそも……いや、夢ではない。俺の身体は鼠の怪人だし、身体に満ちるエナジーは、人間だった頃にはなかったものだ。
「起きたか」
相変わらずベッドに寝かせられていたようだが、未使用で綺麗だったベッドは毛だらけでまぁ獣臭いことになっていた。今ではむしろいいと感じているんだが。前から悪いとは思ってなかったような気もする。
「どれくらいトンでた?」
「昼間といったところか」
期間ではなく現時刻が返って来た。自然から産まれた怪人だから、そもそも人間の尺度で考える方がおかしいか。
「起きたなら、人間の町へ……」
「待った待った、そのまま行くつもりか? いくらなんでも死にに行くようなもんだぞ」
「……絶対服従になるはずだというのに、何故お前は俺に意見が出来る」
訝し気な顔をしている怪人。しかし別に特別なことは何もしていない。俺だって今日ちゃんと目を覚まして自我がこんなにしっかり残っているなんて思ってなかったしなぁ。
「さぁなぁ……俺の精液から産まれたから、精液で洗脳出来ないんじゃないのか?」
理由があるとしたらそれくらいだろう。それも実験して分かることでは……いや、他の人間で試せばいいのか。今までなら倫理観が止めていただろうが、今は動物実験程度の心しか動かない。
「まぁそれはいいだろ? 仮に今人間を攻めたところで、ちょっと被害が出るだけで、ヒーロー、人間の守護者に倒されて消滅するのがオチだぞ」
「そう言い切れるのか」
「俺はヒーローを擁する組織の研究者だからな。あいつらの力は良く知っているんだ」
こいつは確かに莫大なエナジーを持っている分、ただの物理攻撃でも小さな町なら蹂躙出来るだろうし、本部にも被害は出せるだろう。しかしそれだけだ。人類を滅亡させるだけの力には到底足りない。ヒーロー達に束で掛かられれば、物理攻撃だけの怪人に勝ち目はないのだ。
「けど、焦らず持ち味を生かせりゃ、本当に人類を滅せる可能性はあると踏んでいる。そのためにも、まずは準備だな。もうここから離れていいよな?」
「構わないが、人間の町には向かわないのだろう。ならば、何処へ行くつもりだ」
「俺の研究所だ」
「研究所? ここではないのか」
「こんな仮組の観測所じゃ、満足な研究出来やしねぇよ」
キーボードをカタカタ叩いて、移動の準備をする。多少手は変わったものの、鼠だからか毛皮に覆われてない分、感覚はそう変わらないのはありがたい。
「っと、これでよし。そんじゃ、転送装置の準備してる間に、機材を持ってくるとしよう」
「必要か?」
「証拠隠滅にな」
ここにいた証拠は極力残したくない。俺がここに来たのはある程度推測は立つだろうが、今更わざわざ敵にデータをくれてやる義理はないわけで。
明らかに以前よりずっと楽に身体が動くもんで、作業はすぐに終わった。元々そんな貧弱だったわけではないにせよ、所詮一般人の域だったのに、うっかり観測機を壊すかと思ったくらい力が強くなっていて驚くばかりだ。
「よし……あー、そういやどう呼ぶか。名前なんて無いよな?」
「無いな」
「んー……だとすると俺が付けるのか……?」
ボスの名前は重要だよな。声明を出すにせよ、配下に呼ばせるにせよ、発声される機会の多い名前だ。けど、俺のネーミングセンスだと、基本学名みたいになるかなぁ……。
「……じゃあ、キング・タイガーってことで。虎の王っていうよりは、全ての王としてな」
「分かった。我はキング・タイガー。して、お前は」
「俺か? そうだな……」
そりゃ、俺も人間の頃の名前を名乗るわけにはいかないか。もう人間じゃないし。けど、俺の力が分からない以上はなぁ……ラット。ドクター・ラット? うーん、それは人間に寄り過ぎだ。そうだなぁ……。
「じゃあ、マスター・ラットってことで。師匠なら、服従せずとも立場まで上ってことはねぇだろ」
「……少々癪に障るが、いいだろう。お前はマスター・ラットだ」
若干不服そうで人間味の感じる態度のキング・タイガーだが、その言葉が命令となったのか、俺の認識が完全に変わり、自分の元の名前が頭から抜け落ち、マスター・ラットが自己の認識となった。
「そんじゃ改めて、飛ぶぞ」
機材を運び込み終え、若干手狭になった簡易ラボに入り、転送装置を起動させる。行きは座標を示すビーコンが必要だったが、帰りは元々あった場所へ戻すだけだから、ビーコンも持ち帰れるのは、観測機を持ち帰るより重要だ。ビーコンを逆探知されようものなら、すぐアジトの場所が割れてしまう。
「っ!! 空気が変わった……」
「おう、転移完了だ」
目の前のモニタに転移完了の文字が見えた。外を見るカメラも、コンクリの打ち付けられた壁を映しているから、成功している。
「……」
「自然から産まれた存在からすりゃ、この人工の粋みたいなコンクリ空間は不快か?」
「……そう思っていたが、そうでもないな」
「ははっ、実質俺の本当の住処だし、居心地いいのかもな」
簡易ラボから出れば、すぐ廊下になっている。実質ここを一つの部屋みたいに使っていたからこういう構造だ。ここが突き当たりになっていて、少し進んだ廊下の左右に、それぞれエナジー工学用と薬学用の研究室がある。ヒーロー協会ほどではないにせよまぁまぁ広い研究室で、物も充実していて自分の研究をする分には、小綺麗な協会の研究室より使い勝手がいい。
「さてと、とりあえずザーメン搾らせて貰えるか?」
「何がさてと、で、とりあえずなんだ」
エナジー工学の研究室へ入って早々に言ってみたが、怪人に常識的な返答をされてしまった。まぁ、人生において常識的なんて評価を受けることはなかったが。
「実際どんな力なのか、エナジーはどれくらいなのか、そのエナジーを転用できるのか、調べたいことが多い多い。結果次第じゃ、存外早く人類を滅ぼせるからよ」
「……俺に嘘は吐くなよ」
「大丈夫、嘘は吐いてない。とはいえデータがない以上、まだ妄想の域だけどな」
人生の目標はひとまず達成したものの、まだまだ研究がしたくて仕方がない自分がいる。目的のための手段だったはずなんだが、怪人になってもまだ研究がしたい辺り、俺の人生なんだろう。
「ちょっとオナホのサイズ調整するから待っててくれよな」
大型の獣からでも搾精出来る、立体的に動くオナホがあるから、さっさと調整する。チンポ突っ込まれてるし目の前にあるしで、調整はすぐ済む。
「さ、この穴にそのバカデカいの突っ込んでくれ」
オナホとはいうが、大型の獣でも使えるように固定されている機械で、ドラム缶みたいな大きさで形もそれに近い。人間用に取っ手も着いていて、調整すれば俺でも使える。一回実験したっきりでそれ以降使っていないが。
「こうか……?!」
チンポを整えてからオナホに突っ込む。半信半疑だったようだが、キング・タイガーはチンポを突っ込んだ瞬間表情が変わった。驚きと気持ち良さってところか。中で回転したり前後に動いて中のヒダが刺激を与えている。どうせならクリアにして、搾られるチンポが見える機構にすれば良かった。
「グルルルル……」
取っ手を掴んで腰を振って、快楽を貪る獣性剥き出しのキング・タイガーに、俺も興奮してしまう。見られて恥ずかしいという気持ちはなくなったが、さすがにチンポおっ立ててるのを見られるのは気まずいだろ。
「がぁあああ!」
しばらくしてキング・タイガーが吠えたかと思えば、チューブで繋がっているタンクにザーメンが溜まっていく。相当大容量のタンクなんだが、あっという間にタンクが満たされ、満タンになってしまった。あれが俺の中に二回も入ったのかと思うと、無いはずなのに変な圧迫感があるように感じる。
「……これでいいか」
「あ、ああ、いいぜ。ありがとよ」
オナホから抜けて来た、僅かにザーメンの滴るデカチンがエロ過ぎて見惚れてしまってちょっとキョドってしまった。その内この目に毒なチンポにも慣れるだろうか。
とりあえず大量のサンプルが手に入ったから分析と実験をしていこう。単に精液として、エナジーとして、生きたまま怪人のサンプルが手に入るなんてことないから、滾ってずっと研究をしていく。
七日目。移動し実験を始めた。結果待ちが多いから、明日からが楽しみだ。
---[newpage]
八日目。色々実験の結果が出た。単純エナジー量はヒーロー達と比較にならないほど多く、しかもある程度純粋なエナジーとして転用できそうだ。しかし薬効的なのはさすがにちゃんと実験しなくては分からないか。取り敢えず精液とそれに籠められたエナジーだけでは、獣化には至らないことくらいだ。
「このエナジーがあれば、色々出来るな。ひとまず、食料からだな」
いくら俺用の備蓄があるとはいえ、俺一人でさえそう長くは持たない。これから配下を増やすなら、尚更だ。食糧関係は割と一般的な研究テーマなおかげで、試作品もあるしこれで試して行こう。
エナジーを用いた成長促進プランターというものを作ったことがあった。植えた植物を急成長させて、時期や日数に関係なく提供できるようにしようという代物だ。結論から言えば、人類の調達できるエナジーでそれをやるのは効率が悪いということになった。もっと効率が良くなるか、エナジーが湯水のように使えればということだったが、案外なんとかなりそうだ。
「しかし、これを食うのか?」
キング・タイガーがこれと言ったのは、小麦だ。
「だったら家畜でも襲うか? それは本意じゃねぇだろ?」
「ううむ……」
「勿論生で食うもんじゃねぇぞ? とはいえ、それ用の装置もいるから、ひとまずは食糧確保の手段ができた、ってのが重要だ。頭数を増やすなら、略奪だけで補うのは厳しい。出来ることなら、敵がこっちを警戒する前に、組織を大きくしたいからな」
そのためにまず必要なのは頭数だ。エナジーから、或いは動物ベースで仲間を増やせればいいのだが、マウスで実験してみたところ動物を獣人にするような性質はなかった。本当に俺の思想が色濃く出ているのは、昨日ザーメンを注ぎ込まれた時に伝わっている。全ての人類がヒーローのようなエナジー生成者なら、エネルギー問題が解決して幾分平和な世界になる、と。
「しっかし、人間の確保かぁ……」
都市部で人が行方不明になると面倒なことになる。捜索されて警戒も強まると、碌なことがない。となるとうっかりこの山に入り込む人間でもいてくれればいいんだが……出来れば、首を括りに来るような、都合のいい人材で。
「なぁ、探知とか出来ないか? 人間が山に入ってきたらくらいでいいんだが……」
「そういうものは作れないのか」
「あ、そりゃそうだ」
いかんいかん、どう足掻いても出来ないことならまだしも、そもそも我らが王を俺が使うようなことしてどうするんだ。この山をサーチする機械くらいすぐ作って配備しなくてはな。
エナジー探知機の探知機能を、生命体そのものに切り替え、大きさ、熱源を指定して、このアジトのある山に指定する。急造の調整で、昆虫は引っかからないがある程度の動物なら引っかかってしまうのは難だが、これである程度探知できるはずだ。
九日目。案外すぐ探知に引っ掛かり、実験材料を手に入れることに成功した。ラッキーなことに男一人で、体格も良かった。とりあえずいつか使うかも知れないと用意しておいた拘束具付きカプセルに放り込んで、両手両足を拘束して、パラメータ用に色々取り付けて実験を開始する。
まず貰ったザーメンを注入して変化を観察する。実験体が少々煩いが、大した変化は外面的には見られない。しかし、なんだ? 最初とパラメータが違う? 遺伝子情報が不安定になっている。もしかしたら、これは……。
俺のザーメンをちょっと精製したものを実験体に注入する。この観測したことのない、遺伝子の不安定な状態であれば、もしかするのかも知れない。
「いぎっ、な、なんだこれ! 痛い痛い痛い!」
ベキベキと骨が変形する音を立てながら、ムダ毛くらいしか生えてない体から灰色の毛が生える。しかし、生え方が中途半端でところどころ人肌のまま剥げていて、耳が片方しか変化しない。変化が中途半端になってしまっている。均一に遺伝子を不安定化させて、しっかりと獣化させる必要があるか。製薬すれば問題は解決できるな。
「いぐっ、あぁ……」
「安心しな、ちゃんと怪人にいてやるから」
今も痛みにぐったりした様子の実験体に、慰めの言葉を掛けてから、薬の研究に集中する。とはいえやるべきことは分かっているから、さほど時間は掛からないはずだ。その間は痛みばかりなのもなんだから、とりあえず実験体のチンポと乳首を刺激しておいてやろう。
十日目。研究に没頭すると夜を明かすのは日常茶飯事だ。しかし集中力はともかく、疲労がほとんどないのは怪人になってエナジーの力のおかげだろう。代わりと言ってはなんだが、猛烈にムラムラして射精したくて仕方ない。
実験体は一晩経っても、変化が完全になっていなかった。この状態だと痛みがまだかなりありそうだが、幸い意識はない。今の内に投薬しよう。一本目で遺伝子を不安定化させ、二本目で獣化させる。遺伝子不安定化薬……いや、長ったらしいラベル見るの面倒だから獣化薬AとBでいいか。
「あがっ、な、に……」
気を失っていた実験体が起き、身体の変化が続く。中途半端だった変化が完全なものになり、俺と同じような鼠の怪人になった。しかし、俺の所業からマウスになるのかと思っていたが、鼠は鼠でもドブネズミだ。
「ヂュッ……チュウ……」
「……あ?」
変化が完了すれば、配下が出来ると思っていたが、ここで問題が一つ起きた。著しい知能低下が発生し、下手したらマウスの方がまだ知能があるような状態になってしまった。とりあえず命令は熟すのだが、自我が無いに等しい。
「これは、どうなんだ?」
「完全に忠実な配下、ではあるな」
「となると、ある程度は許容するしかないのか……」
しかし、考えようによっては都合がいいのか? 下手に知能があると、理性を残して脱走の可能性が出てくる。一律知能が低いことが分かっているなら、対処を考えようもあるな。丁度、俺が怪人になったことで手に入れた力もあることだ。そのための装備を作るラインも必要か。
十一日目。最初の実験体だった鼠怪人に、取り敢えず雑用をやらせていたところ、目の届かないところで射精していた。いや、確かに常にギンギンに勃起していたから、当然と言えば当然なのだが、所構わず獣以下の放出は面倒だ。何よりちょっと採取して確認してみれば、ほんの僅かなエナジーしかないではないか。こりゃ禁欲させた上で、適宜搾る必要がありそうだ。常に勃起チンポを見るのも目に毒だし、開発中の装備に追加でスーツを作ろう。悪の組織らしくなってきた。
十二日目。新しい実験体を山の中で探知して捕まえて来た。前回から改良した薬を使い、鼠化を行う。改良の成果は出たが、変化が非常に遅く、四時間も掛かってしまった。全体的に効力が薄かったか。もうちっと調整したいが、如何せん実験体の数が少ない。目立ちたくないから丁度いいが、二人目となるとそろそろ噂が広がっても変ではない。
十三日目。ひとまず鼠用に装備を作った。電波を受信出来るヘルメットだ。俺の怪人としての力は、電波を出す能力だ。この電波は電波を受信できる機械を操作できるのと、鼠にも電波である程度指示が出来る。今は一人二人だからいいが、数が増えればそうもいかない。そこで電波を受信しやすくするヘルメットの出番だ。
そしてもう一つ、ボディスーツも作っておいた。俺が普段から着ていて今も着ているボディスーツの劣化にはなるが貞操体機能と少しの身体強化を付けておいた。これで作業も捗るし、命令も楽になる。作戦行動に大きく一歩前進だ。
「後は組織の名前だな」
「必要なものか?」
「んー、そうだな……最終的にお前の配下は、お前って個体に忠誠を誓うんじゃなくて、星の意志を遂行するための存在になるだろ? だとしたら、その星の意志としての組織の名前は必要になるだろ」
「ふむ……それは確かに理があるな。ならばお前が決めろ」
「まぁ、そうなるよな」
キング・タイガーに人間の言語の知識を求めても仕方がない。しかし星の意志の代弁者か……なかなか難しい。俺だって正直ネーミングセンスはないから、安直なところでいくか? 動物の集合……ブレーメン……はないな。鼠に虎か……そうだな……。
「じゃあ、【ゾディアック】ってところか? 十二支、神の使いの獣ってな。勿論十二種で止めるわけじゃねぇけどよ」
「神の使いの獣か……いいだろう。我が星の意志を体現する群れの名を【ゾディアック】とする」
こうして組織の名前が【ゾディアック】に決まった。となると食糧の面は、あの動物になるか。
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二十日目。一週間経ち、配下の鼠が五人に増えた。そして、兼ねてから考えていた計画を実施する日になった。
「随分待たせてくれたな」
「本当は大人しくしといて欲しいけどな」
とはいえ、今回の計画には力業が必要だ。資源は乏しいから武装にまで手が回っていないから、物理的なパワーは必須になってしまう。
全員で、この山の近くを通る道路で待機する。今日、ここを長距離移動のバスが通ることになっている。大学生のサークルだとかで、予定では四十人はいるみたいで、しかも都合のいいことに全員男だ。
作戦、と言ってもそんなに複雑なことはない。キング・タイガーがバスを物理的に止めて森へ放り込む。俺が通信を能力で妨害して、鼠達に拉致させる。作戦というには杜撰な方法だが、勝算は十分だ。
「よし、来たぞ」
報告とほぼ同時に、森からキング・タイガーがバスの前に飛び出す。
「ふんっ!」
そのままぶつかるが、さも当然のようにキング・タイガーはバスを微動だにせず受け止め、そのまま予定地点に投げ飛ばす。宙を飛び森の中へと横転する。うっかり死なれるとそれは得られる戦力が減るのも同然だから、運がいいことを願おう。
「よぉ、大人しく捕まっておいおてくれよな」
「ひっ、怪人だ!」
全員で横転したバスに乗り込み、悪役台詞を吐いてみる。ぱっと見気絶してそうなのが何人か、敵意を見せるのがいて、横転しながらもシートベルトをどうにか外して起き上がろうとしている。
「クソッ、繋がらない……!」
「残念だったな、対策済みだ」
運転手は勿論、他の人間達も通信端末を使おうとしていたが、当然全部妨害済みだ。ヒーローならともかく一般の通信端末にそんな対策はされていない。
後はもう蹂躙だった。バシバシ気絶させて鼠達に運び出させる。往復の手間はあったが、無事人員確保に成功した。全員気絶したままカプセルに入れて、まずはエナジー数値の計測から始める。
「さてと、少しは数値のいいのがいればいいが……」
計測の結果、二人ほど平均より高い人間がいた。20もあるなら十分適性があると言えるだろう。10あるのも四人いたから、こっちは新しい怪人のテストに使おう。
「クソッ、何なんだよ!」
「離せよ!」
「イキがいいな。さてと……」
二人か。大所帯になり出すことを考えれば、食料確保に特化した怪人でも欲しいところだ。だとすると……。
「牛か鶏か、どっちになりたいよ。早い者勝ちだぞ?」
「は? 何言ってんだ?」
「そのまんまだ。牛として乳絞られるか、鶏として卵産むか、選ばせてやろうって言ってんだよ」
いい加減大豆バー以外も食いたいし、エナジーの籠ったそれらを作った飯を食うことで、鼠達をちゃんとした戦闘員に出来ることも期待できる。精液以外のエナジー排出の可能性も見たい。
「ふざけるな! 帰しやがれ!」
「ったくうっせぇなぁ。なぁ、お前の方はどうよ? どうせなら好きな方がいいだろ」
「……牛で」
「ほうほう、んじゃ、お望み通り牛にしてやるよ、我らが王がな!」
今回ばかりは俺の出る幕はない。新たな種の怪人を作るとなれば、キング・タイガーの固有のエナジー能力が必要になってくる。俺にやったようにぶち犯すというわけだが。
カプセルを開いて、足を上げさせて尻が丁度いい位置に来るよう調整する。改めて見ると体格が良くて、全体的な筋肉量が多く、特に胸筋が凄いな。後、乳首も弄ってる感じの大きさだ。こりゃ割と逸材じゃねぇか?
「そ、そんなの、入るわけ……!」
色々諦め気味な顔だったが、さすがにキング・タイガーのバカデカチンポを前に焦りを見せる。あのチンポ突っ込まれるってなったら、この反応も当然だ。まぁ、どんなケツにでも入るんだけどな。
「ああああああ!!!」
「おい! 大丈夫か! 何してるんだ!」
カプセルの防音性は皆無だから叫び声くらいは聞こえているんだろう。そっちは一旦無視して、我らが王の獣のセックスでも見ていようか。俺の時は自分だったから観測出来なかったからな。
「あっ、ひっ……!」
キング・タイガーはまだ射精していないようだが、既に実験体のケツが白い毛に覆われ始めていた。ケツが怪人化しているから、すんなりチンポも受け入れられるし快楽も発生するのか? 既に甘い声になっている。っつっても、前はそもそも事前に変えられてたから状況が違うか。
「ひぎっ、あんっ、ああっ!」
「ふんっ、ふんっ」
息荒く腰を振って蹂躙するキング・タイガー。既にグチュグチュと水音が聞こえて来て、大学生の方もしっかりセックスを楽しんでそうだ。変化も大きくなっていき、足が、腹が、胸が、白に黒の斑模様に侵食されていく。尻尾も飛び出すように生えて来て、いよいよ人間ではなくなってきた。
「我が精を、エナジーと共に受け入れろ……!」
しっかり腰を打ち付け、吐精したようだ。
「おっ、おお、ぶもおぉおお!」
変化が一気に進み、腕も頭も一気にホルスタインのそれに変わる。それと同時にチンポとデカイ乳首から勢いよく白いザーメンとミルクが噴き出す。牛乳が出るようにという注文もちゃんと達成出来ているようだ。あれにもちゃんとエナジーが含まれているか、早速実験を……。
「こいつの名前はどうする」
「ん? そうだな……搾乳する牛怪人だし、ミルキング・カウってところか?」
どうやっても俺の命名だとこうなるが、分かりやすい方がいいだろう。どうせこいつが外に出て人類相手に名乗りはしないだろうしな。
「そうか。では、お前は今この時よりミルキング・カウだ。我らに忠誠を誓うがいい」
このままだと動けもしないだろうから、拘束を下ろすとしよう。足から降ろしたが、案外ふら付かずにしっかり立ち上がる。
「モォ! オラ、ミルキング・カウは、エナジーたっぷりの雄ッパイミルクとぉ、雄チンポミルクをいっぱい出し続けるぅ、ミルク製造機としてぇ、【ゾディアック】に忠誠を誓うんだモォ!」
ビシッと敬礼して、しかし些かだらしない忠誠を宣言する実験体改めミルキング・カウ。思想どころか口調まで完全に変わっているのを見るに、やはり俺が例外なんだろう。まぁ、表に出てないだけで、キング・タイガーへの忠誠心は確実にあるのだが。
「まだイケるか?」
「もう一人なら問題ない」
どうやら大丈夫なようだ。精力の問題は何も気にしていないが、エナジーの方は別だからな。人一人完全に新たな怪人に変えて、しかもそいつをエナジー製造機にするわけだから、さすがに必要なエナジー量が馬鹿にならない。
「つうわけだ、もう一人終わったらそのパンパンの雄っぱいから乳搾ってやるからな、無駄に零すんじゃないぞ」
「モォ! 分かったぞぁ!」
すぐにでも乳首を弄ろうとするミルキング・カウに釘指しておく。一応俺の言うことでも従うようだが、これは俺の命令だからではなく、エナジー製造機としての役割がそうさせているのだろう。
「んじゃ、次はお前だな」
カプセルを開いてから、同じようにケツを向けさせるために足を上げさせ、種付けの準備が万端になる。改めて見ると太めだな。腹もケツもデカい。まぁまぁデブに見えるな。
「や、やめいぐぅ!」
拒絶の言葉など一切お構いなしに、キング・タイガーはデカチンをぶち込む。既にザーメンで滑りがいいのかすんなり挿入し、腰を振り始める。挿入して早々変化が始まり、デカいケツから白い産毛のようなものが生え、次第に羽毛に覆われていく。足が黄色い鱗のようなものに覆われていき、しかし鳥のような細さはなく、多
少人間の時より細くなっても太々しいままだ。
「う、嘘だ……」
怪人に犯されてるのにこれ以上絶望があるのかと思ったが、下半身から変化しているからもうチンポが変化しているのか。とはいえそこは鶏。卵を産む以上チンポはスリットに収まるから、パッと見では無くなったように感じたんだろう。男にとってそりゃ絶望だ。
「あ、なんっ、腹が……!」
元々丸めだからあまり膨らんでは見えないが、羽毛に覆われたせいかより丸く見える。けどただ膨らんでいるだけではないんだろう。測定上エナジーが集中しているのは、恐らく卵がもう出来ているんだろうな。
「う、産まっ、産まれるぅ……!」
案外早くその時は来て、総排泄孔と化した性器から大きい卵が顔を出し、卵が出て来る。一瞬キング・タイガーの腹で止まったものの、すぐに落ちてしまったのを、俺は慌ててキャッチした。貴重な研究資料にしてエナジー源なのに、そう簡単に割るわけにはいかない。
「出すぞ」
直後に多量のザーメンを注ぎ込まれて、変化が一気に頭にまで及ぶ。翼のような腕になり、嘴と赤いトサカが飛び出て、白い羽毛に全体が覆われる。でっぷりした鶏怪人の誕生だ。
「コ、コケーッ!」
卵が出るかと思えば、どういうわけか総排泄孔からサツマイモみたいなチンポが飛び出して、そこからザーメンが飛び出す。てっきり完全な総排泄孔だと思っていたんだが、やっぱ雄としてチンポは欠かせないもんなぁ。
鎖を下ろして鶏怪人を立たせる。さて鶏か。まあぁ卵を産む鶏だからエッグ・チキン……じゃあ料理か。もっと直接的に産む方を取るか。
「名前はスポニング・チキンってとこか」
「ふむ、ではお前はスポニング・チキンだ。今この時より我らに忠誠を誓うがいい」
「コケーッ! 俺、スポニング・チキンは、【ゾディアック】に忠誠を誓い、卵を産むための存在となって、未来永劫エナジーエッグを産んで産ませ続けることを誓うコケーッ!」
ここに新たな二人の怪人が生まれた。だが終わりではない。次の実験がまだ残っている。こいつらから得られたエナジーで、同じタイプの怪人が生まれるのかどうかだ。鼠はそれが可能になっているが、懸念点がある。鼠となった元人間はエナジーが平均しかなく、生産には向いていない。そのため、エナジー量のない人間をエナジー製造機に出来るか分からないのだ。
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二十一日目。ミルキング・カウとスポニング・チキンに専用の部屋を用意してやり、まず平均値の人間で別の怪人化の実験することにした。既に卵は手元にあるから、実験に取り掛かれる。
手順はいつも通り、キング・タイガーのザーメンから作った変化を促す薬を投与し、次に卵を割って生卵を口に放り込む。拘束されてガタガタ言っているが、無視して状態を観察する。
「あがっ、うっ……」
さてさて、鼠であれば割と即効性のある変化を迎えるが、どうだろうか。エナジー自体は……あん? なんだ、増えないぞ? 鼠になっても多少増えるはずなんだが……製造機としての役割に適さないから、変化しないってことなのか? 身体も変化しないし……一応様子見しておいて、エナジー10の方へ投与するか。
「いぎっ、がっ! コケーッ!」
こっちはすぐに変化が始まり、腹が膨れ上がり羽毛に覆われ、見事な鶏怪人へと変化した。完全なクローンというわけではなく、通常現れる人間ベースの怪人同様、ちゃんとエナジーの影響を受けての変化なのか腹の丸い鶏ということ以外に完全に一致する点はない。
残りも予定通りの変化をさせる。エナジーの足しにはならない鼠も増えたが、これはこれで作業員が増えて色んな効率が上がる。頭数が増えれば、アジトの拡張は必須事項だからな。
二十二日目。丸一日経ったが、結局エナジー値1の方は鶏怪人になっていなかった。こうなると、エナジー製造機として生まれた怪人の眷属には出来ないと考えていいだろう。鼠にするしかないとなると、多少エナジー集めに苦労するな。いちいちエナジーが多い人間を選ぶようなことは難しい。今やエナジー測定は国民の義務だから、個人情報を漁れば不可能というわけではないが、管理が厳重過ぎてリスクに合わない。それだったら適当に攫って、運に任せた方がマシだ。鼠だって使い道はいくらでもある。
もう一つ、気になるデータが出た。鶏、牛の眷属達のエナジーに差があるのだ。そもそもの物量でエナジーの量が分かるから一目で分かったことだが、どうにも怪人としての適性というものがあるようだ。こうなると、種類を早く増やす必要がある。
三十五日目。アジトから近場にある小さな町を襲撃して、結構な数の人間を調達出来た。さすがにスペースが足りないし、女は持ち帰らなかった。どうせ使えないだろうが、どっかで実験しなくてはな。
「さて、何にするか」
今必要なのは……とにもかくにもエナジーか。ある程度適性のようなものがあるようだし、実際の被検体を見て決めるか。
「チンポでっか……」
捕らえた被検体を見ての感想だった。確かにそいつは大男だが、怪人化して全体が肥大化したミルキング・カウと比べてもデカいと言い切れるサイズだ。こんなチンポデカイなら、いっそチンポのサイズ特化の怪人にするか。チンポがデカイといったら……。
「よし、馬だな。あのデカチンは馬以外ない」
「ふむ、分かった」
突っ込み待ちだったが、キング・タイガーには通じなかった。淡々とぶち犯して、新たな怪人を生み出す。チンポを注文した通り、元々デカかったチンポが更にデカい馬チンポへと変わっていく。
「あっ、チンポ、凄いよっ、こんなのって……!」
……どうも、こいつは俺と同類だったようだ。特に抵抗してなかったし、キング・タイガーのチンポガン見してたし、そんな予感はしていた。
栗毛がケツから身体を覆い、房のような尻尾が生えてくる。毛が短いのかチンポに見合ういい体躯がよく見えて、先二人よりエロいな。
「あっ、イクッ、イクゥウウウ!」
被検体のバカデカチンポから、噴水かのように大量のザーメンが噴き出す。近くで観察していたから、俺にもキング・タイガーにもぶっ掛けられる。試しにちょっと舐めてみたが、それでも分かるくらいエナジーが籠っているのは、なかなかだ。
さて命名か。さすがにペニス・ホースは無いとして、どうしたもんか……この精液量だとしたら、いっそ……。
「よし、こいつの名前はスペルマ・スタリオンだな」
「ふむ。では、スペルマ・スタリオン。我らに忠誠を誓い、その精を捧げ続けるがいい」
「ヒヒィーン! スペルマ・スタリオン、拝命致しました! これからは【ゾディアック】に忠誠を誓い、この巨根に誓ってザーメンを捧げ続けます!」
ガタイの良い体なのに胸元まで超巨根を反り返らせて敬礼して、忠誠の言葉を並べる。こりゃまた一段とエロいが、いざ目の前にいるとチンポがデカすぎるのも考え物だな。
専用の部屋とキング・タイガー用のザーメンタンクを二つほど用意して、早速搾精を開始する。搾精機の吸引口がチンポを覆えない程のバカデカチンポだから、特注のものを用意しなくてはいけないな。
三十六日目。雌に獣化薬Aを投下したところ、遺伝子が不安定を通り越し崩壊を起こし、使い物にならなくなった。繁殖にでも使えればと思ったがダメか。
なんとなく、この結果は分かっていた。俺が雌を嫌っているからなんて理由ではない。あくまで怪人は、人類を滅ぼそうとしている。あくまで怪人は、次の人類ではない。ならば、繁殖という未来は、あってはならないのだ。
四十二日目。キング・タイガーが暇だというので、性奴隷でも見繕うかとそういうサイトで待ち合わせした相手を捕らえて来た。エナジー量3程度で、いつもなら鼠に回してしまうところだが、性奴隷用の怪人ならエナジー生成能力は期待しなくていい。
「なんなんだよ! 家に帰せよ!」
「文面ではぶってたくせに、えらい威勢がいいな」
背低い童顔で、やたら媚びた文書でやり取りしたんだが、まぁ本当にそんな合法ショタなわけがない。怪しまないで即日会う辺り、思慮もないな。今、隣にキング・タイガーもいるのに、あんな口利けるか? 普通。
「さて、やっぱ娼夫っつったら兎か?」
「兎だな」
「え、ちょっ、待って、待ってって! そんなの、入るわけないって……!」
いつものように犯すように吊るして、泣き言を無視して種付けが始まる。さすがに体格的に裂けるんじゃないかと思ったが、案外なんとかなった。ケツどころか腹が裂けてもおかしくない状態で腰を振り、いちいちフィクションでしかみないチンポが浮き上がるような状態を繰り返す。
「や、嘘ッ、死ぬ、気持ち、いい……!」
まだ怪人化していないのに随分な淫乱だな。プロフに『エッチなこと大好きだよ♡』とか書いてたのは伊達ではなかったようだ。とはいえ既にケツはピンクの毛に覆われていて、尻から丸い尻尾も生えている。なんか、心なしかケツがデカくなってるな。
「出すぞ」
「あんっ、いっぱい、出してぇ!」
変化が早く、既にほぼ変化が終わっていた身体から、毛が上がるように頭が変化し、長い耳が飛び出し、兎の頭になる。元々ケモノ好きだからという以上に可愛く感じるのは、その特性からだろうか。
「んーっと、名前どうするかな……」
ビッチ・ラビットとかにでもするか? けど後々呼ぶときの事を考えたらなぁ……ビッチって呼んでもいいだろうが、基本的にはキング・タイガー用だし、もうちょいなんかないか。
「リバース・バニー、でどぉ?」
まさかの被検体側から提案されるとは。いやしかしだな……。
「何がどうリバースなんだ?」
「あれ、知らない? 逆バニー」
「そういうことかよ……」
いつもの命名で考えていたから、そんな馬鹿げたのには思い至らなかった。果たして我らが王にとって扇情的に映るのかは分からないが、少なくともビッチ・ラビットよりは悪くはないか。衣装の用意は、ボディスーツのラインがあるからどうとでもなる。
「んじゃ、リバース・バニーってことで」
「……分かった。お前は今この瞬間からリバース・バニーだ。我らに忠誠を誓うがいい」
「ウサッ! 僕、リバース・バニーは、【ゾディアック】に忠誠を誓って、キング・タイガー様を愉しませて、エナジーたっぷりザーメンをしっかり受け止めることを誓います♪」
こうしてまた一人、癖の強い怪人が産まれた。
六十三日目。戯れに拉致したホームレスが、思ったよりエナジーを持っていた。さて、エナジーとして放出するなら何がいいだろうか。
「うわ臭っ」
鼠達は嗅覚なんてあって無いようなものだから、ここに運ばれて来るまで分からなかったが、ただホームレスってだけの臭さじゃない。元から体臭キツめなんだろう。いちいち汗臭い。
「汗ねぇ……」
一応、体液ではあるからエナジーにはなるのか? エナジー収集はそこそこ順調ではあるし、多少実験的な怪人を作ってもいいだろう。
「つうわけで汗をエナジーにして出す……猪獣人で」
「随分効率が悪そうだが……」
「まぁそうだな。けど臭いってのはどれだけ鍛えようが防ぎようがないものだろ? 生体兵器としての性能があればいいと思ってな」
しょうもない思い付きがベースではあるが、そろそろ戦闘能力を持つ怪人も作っていきたいからな。それでいきなり臭いとかいう搦め手にしても嫌な方向なのは、俺がそういう性根だからだろう。
「それだと我々としても扱い辛いだろうが……」
「あー……まぁ、死ぬような毒ガスにならないよう、程々にしておいてくれ」
そうだな、そもそも外に出すのに被害が出ていては使い物にならない。っていうかそんな広域に使ったら、回収するのも大変だ。人類を死滅させるだけならともかく、それはもう体臭の域じゃない。
さすがにそのままの汚さは酷だし、適当に洗浄しておいた。ドブネズミの俺でさえキツイと感じる臭いを、我らが王にそのまま浴びせるわけにはいかない。
「あがっ、いきなりなんやっ……!」
気絶したままだったおっさんだったが、チンポを突っ込まれた衝撃で目を覚ました。痛がってたのは一瞬で、ちょっと掠れた声で喘ぎ出す。こいつ、初めてじゃねぇな? エナジー量が多い男ってゲイ多いのか? 統計取ったこと無いな、そういや。
アホなことを考えている内に、ムダ毛だらけのおっさんの身体が茶色い毛で覆われていく。心なしか元々ムダ毛のあった部分は毛が濃く、腹だの胸だの脇だの陰毛だの、毛に覆われた身体にも関わらずそれがハッキリ分かる。
「……」
珍しく、キング・タイガーの表情が歪む。快楽より不快感が勝っているのだろう。まぁ、正直近くで見ている側でも臭うから、本人からしたら堪ったもんじゃないよな。
「さっさと終わらせるぞ」
「ふ、ふごぉ!」
普段ならもう少し愉しむキング・タイガーも、すぐに射精してエナジーを注ぎ込む。変化が一気に進み、鼻が平べったくなりその横から小さな牙が生え、猪の頭に変わる。後、珍しく体形にまで大きく影響が出て、痩せていた腹が膨れて、中年太りのおっさん猪怪人へと変貌した。
「あん? どうなったんだ?」
「これが元々の体形だったのだろう」
「なるほど、エナジーを得て、栄養を取り戻した、というところか」
ホームレスだったことを考えれば納得できる要因だ。つまり、あの体臭は本当に元々だったのかよ。
「ところで名前はどうする」
「あー、名前ね……スティンク・ボアでいいか」
「……では、お前の名前は今よりスティンク・ボアだ。我らに忠誠を誓い、エナジーを捧げるがいい」
「……どすこい!」
どすこい? いや、なんか急に四股踏み出したが。
「ぶひっ! ワシはスティンク・ボア! ぞであっくにくっせぇ汗でえなじぃを捧げることを誓うぞい!」
ガニ股のまま敬礼して忠誠を誓うスティンク・ボア。取り敢えず汗の回収方法は廻しにしておいてやるか。専用の機械もいるとなると……思い付きでろくでもないことをして手間が増えた。こいつの部屋は念入りに消臭出来るような機構を追加しておかなくては、出て来た鼠に嫌な顔をしなくてはならなくなる。
---[newpage]
八十五日目。もうそろそろ三ヶ月経とうとしている。いい加減ヒーロー協会の方に目を付けられている頃だろうと情報収集をしていたら、案の定こちらの情報をいくらか手にしているようだ。まだアジトの場所までは特定されていないようだが、活動地点から拠点が割り出されるのも時間の問題か。
そろそろ、本格的に戦いながら戦力を得る方法を考えなくてはならない。相変わらず人間を捕獲すること自体は変わらないが、ヒーローと戦うためにも、より戦闘力のある怪人を作るべく、より多くのエナジーを持つ人間が欲しい。
「やっぱ、ヒーロー候補かねぇ……」
ヒーロー候補。名の通りと言えばそれまでだが、エナジー値は高いがヒーローとしては選ばれなかったものの、予備人材としてヒーロー協会に監視、軟禁されている奴らのことだ。軟禁と言っても、ヒーローのいる人類最大の都市内に、ということにはなる。考えようによってはノーリスクと言えるだろう。
拉致……は難しい。監視されているだけあって、いくら怪人を使って襲撃しようとも返り討ちに遭うのが目に見えている。部隊を別けて陽動に回すか……。
確かに、鼠は拉致の時には外に出て仕事しているとはいえ、基本は雑用メインで、エナジー源としてはしょっぱい存在だ。だからと言って、同族を捨て駒にするのは躊躇われる。躊躇われるが、背に腹は替えられないのか?
九十日目。色々画策して、まずは都市から一般人を拉致できるかでテストすることにした。あくまで秘密裏に拉致が出来るのなら、それに越したことはない。
深夜に鼠達を都市に侵入させて、警備の緩いアパートを襲わせる。警報を止めるべく鼠戦闘員のヘルメット越しに電波干渉は行ったものの、結局騒ぐ人間の声を聞きつけた人間に通報されてしまった。数人持って帰って犠牲は無かったが、効率は悪いな。
九十一日目。本番を行った。結論からすれば失敗に終わったわけだが。ヒーロー協会の敷地内に侵入することさえ難しい。結局何も出来ないまま警報を鳴らして帰る羽目になった。警備は勿論、ヒーローが常駐している以上、やはり手を考える必要がある。
九十二日目。不本意だが、陽動作戦を実行することにした。古株の鼠達ならば様々な形でエナジーを受け取り多少戦闘能力もある。ヒーローを倒せはしないが、時間を稼ぐくらいは出来るだろう。数で攻めつつ、ヒーロー候補が協会内にいないタイミングで仕掛ける。
「ブレイジング・フォース!」
一般人を拉致する動きをしていた鼠達に、ヒーローは燃える炎のオーラを身に纏い、直接殴り飛ばす。ヒーロースーツと同等のスーツを着ていたが、それでも通信が途絶えた。他の鼠の視界から見てみれば、しっかりトドメを刺している。そりゃそうだ。どう見ても人間の姿をしていない怪人に、ヒーローが容赦するはずがない。
とにかく数で攻めるしかない鼠雑魚戦闘員達を一斉に襲わせる。本命はヒーロー候補の拉致だ。どうしてもこっちに俺の脳のリソースを割けない。無駄にはならないように、しかし手を緩めず、というのは困難だ。
「なっ、こんなところにまで怪人が……!」
いくらヒーロー候補とはいえ、日常的に護衛がいるわけではない。そして、ヒーローと違ってエナジークリスタル、エナジー放出機構を持っていない以上、戦闘能力は一般人と変わらない。テーザー銃で麻痺させて、下水道に引き込んでテレポーターに放り込む。
作戦が完了した時には、陽動に各方面に分散させていた十八人の鼠怪人が残らず死んだ。ブレイジング・レッド、ブリザード・ブルー、ライトニング・イエローの三人のヒーロー。人類の守護者は伊達じゃない。あいつらをどうにかしなくては、この先の侵略は不可能だ。
「クソッ……」
「何をそんなに悪態を吐く必要がある」
「あ? 結構な数やられててその言い草はなんだよ」
「これだけエナジー源を得られたのだ。より優秀な種のための礎となることを嘆く必要はない」
そうだ……キング・タイガーはあくまで、獣の怪人で、人類を滅ぼす存在だ。個の事を気に掛けるようなことはない。分かっているし、キング・タイガーが正しいと、頭では思っているはずなのに、なんなんだ、この気持ちは……。
九十三日目。気を取り直して早速怪人を作ることにする。適当に作っていた節があるが、今回は攻撃性能を求めて作る必要があるな。まずはシンプルな物理攻撃が出来て、かつ防御力を求める。一応十二支に準えて来たから、ここらで一つ試してみたいことを実行に移した。
「竜? それは……架空の生物だろう」
「架空とはいえ、人間に多く殺されている生き物には変わらないだろ? 爬虫類の代表ってことで、一つ頼むよ」
とりあえず手っ取り早く強い怪人を、となると架空の怪獣からが手っ取り早い。出来れば巨大化とか出来て、防御力をそのまま破壊力に転用できればいいな。
「オイラ、グラトニー・ドラゴンは、いっぱいいーっぱい食べて、デブエナジーザーメンを【ゾディアック】に捧げることを誓います!」
その試みは案外成功した。デブの人間をベースにしたせいか腹のパンパンまんまるなドラゴンになってしまったが、むしろ想定していた存在になった。食糧をエナジーにして体を膨れ上がらせて巨大化する能力を持ったのは、非常に都合がいい。
九十四日目。次の怪人を考えることにする。結構数を作って来たから、十二支の残りも少なくなってきた。蛇、羊、猿、犬か。戦闘能力とはいっても色々形はある。エナジーを使う特殊能力を操れるタイプの怪人がいてもいいはずだ。
「ちょっと、なんなのよ! 放しなさいよ!」
そして実験体の印象だけで、蛇にすることにした。石化能力とか、明らかな超常現象系の能力を持たせられないかの実験を兼ねてだ。
「ふふっ、アタシはペトリファイ・スネーク、【ゾディアック】に身も心も、人間の石像も捧げて、【ゾディアック】の為に尽くす事を誓うわ」
結果、足が無くなり手はある状態の蛇怪人が完成した。恐ろしく順調に怪人化は成功し、適当に鼠にする予定だった人間を石にすることにも成功した。ちゃんと強めに忠誠を誓わせておいて良かったと思えるくらい、強力な能力だ。
九十五日目。新たな二人の配下のための実験体探しをしつつ、次の変化の実験を開始する。あいつら「デブの素養があるやつ」だの「顔と体がいい男」だの、いちいち注文が多くて面倒だ。
さて、石化視線が使えるのならば、他にもエナジーを放出出来る能力を持たせられるはずだ。というわけで、残った人員から最強の能力だと俺が思っている、洗脳に適した人員を探すことにした。
怪人化に僅かでも羨望があれば見込みがあるかもと様子を見て、変化中の映像を見せてみたところ、一人いい反応する奴がいて、そいつをベースに余った羊を割り当てて怪人化させてみた。
「ああ、力が、力が溢れてくる……!」
思った通り、怪人化のシーンではなく、忠誠を誓わせるシーンで反応していたから、そんな力を得ていると本能的に察して、恐怖など微塵もなく犯されながらも興奮していた様子だった。
「私、ピーイング・シープは、【ゾディアック】に忠誠を誓い、人間を私の可愛い子羊にして、可愛がりながらエナジーを捧げさせましょう」
エナジーを与えて能力を与えたはずなのだが、本人の癖に猛烈に左右される結果となった。まぁ、洗脳という部分だけを与えていて漠然としていたのだから、これも致し方なしか。
九十六日目。連日の実験を経て、いよいよ本格的な戦闘員になる怪人を作ることにする。犬怪人はそのために残しておいた。鼠達を雑魚戦闘員とするならば、これから作るのはエリート戦闘員だ。
「当人のエナジーの性質に依存した能力を持たせる。これが多分、一番出力が出せる方法だ。自由意志は、犬という種族の特性がなんとかしてくれるだろ」
一人目の変化を開始する。とはいえ、結局はキング・タイガーが実験体のケツを犯すのには変わらないわけだが。むしろ縛りがないせいか、或いはキング・タイガーの力が強まった影響か、変化が早く、射精に至る前に変化がほぼ終わってしまった。
「ワンッ! 自分、プレーン・ドッグは、【ゾディアック】に忠誠を誓い、【ゾディアック】のためにエナジーを捧げて、【ゾディアック】のために戦い続けることを誓うワン! ワオーン!」
しっかり第一号の犬怪人が完成した。身体強化というありがちな能力なのが実験的にあまり嬉しくないが、とりあえず第一号の誕生は喜ぶべきだ。
同日に、もう一人に獣化薬を投薬して犬怪人化させる実験を開始した。鼠より慎重に、ゆっくりと変化させていく。エナジーを馴染ませ、身体全てをエナジークリスタルのような触媒にして、エナジーを使いこなす怪人となれるよう、ゆっくり、確実に。
実験は成功した。二人目の犬怪人。エナジーを水に変えて放てる怪人だ。
この成功は大きい。何も好き放題キング・タイガーを使って実験をしていたわけではないのだ。一つの目的のための実験だった。エナジーの貯蔵量はまだ心許ないから作戦は必要だが、世界征服計画の、次の段階に移れそうだ。
次のフェーズ。怪人にとっての最大の障壁、人類の守護者ヒーローを排除、いや、最高のエナジー源の掌握だ。
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九十七日目。さすがにすぐには上手く行かなかった。とはいえ、犬怪人自体は戦力として申し分なく、ヒーロー側の方が数が多いにも関わらず、鼠を数匹盾にしたものの撤退出来た。一対一であれば、確実に善戦出来るだろう。勝てるとは言っていない。
というわけで来たるべきに備えて市街地からもその周辺からも人員補充を行った。適性を見て割り振り、エナジーの確保の為に鼠以外の怪人にも何人も割り振った。しかし犬怪人に出来る程のエナジーの持ち主は見付からず、作戦は人海戦術寄りになるな。
百三十一日目。一ヶ月準備に費やすことになった。小競り合いをしつつ、人員を確保し、大量の鼠怪人を生み出し、いよいよ大規模侵攻の準備が整った。狙いはたった五人のヒーローだ。
ヒーローを分断するべく、市街地の四方八方あらゆる場所への襲撃を行う。鼠怪人もエナジーを分け与えて強化もしてきたから、大量の怪人相手ではヒーローでなくては相手に出来ない状態だ。
「うわーっ!」
「助けてヒーロー!」
鼠達のヘルメットのカメラから状況を把握しつつ、捕縛の指示を出す。建物の破壊には向かないが、電子ロックのハッキングは出来るし、外に出ている人間なら簡単に襲える。女は別に殺してもいいが、殺すリソースが勿体ないから、適当に逃がす。男はテーザー銃で痺れさせて、連れて行く素振りはする。
一番最初に到着したヒーローは、機動力に優れる風を操るストーム・グリーン。まだ少年だが、エナジー量は十分のれっきとしたヒーローだ。生憎こっちに犬怪人は配属していないから、時間稼ぎをメインに動く。
他も着実に辿り着いていく。さて、犬怪人のところへ着く奴が予定通りならいいんだが……被害状況の大きいところに優先して現れるはずだ。
「とうっ!」
既にビルをいくつか破壊したところに、最もヒーローらしい赤いボディスーツを着た、ブレイジング・レッドが現れた。よし、狙い通りだ。後は応援が来る前に手短に事を済ませるだけだ。
「な、なんだお前は」
「我はキング・タイガー。星の意志の元に、貴様ら人間を駆逐する者だ」
今回、キング・タイガーに前線へ出て貰った。一対一なら恐らく負けはない。だが、それだけで勝つのは時間が掛かる。だが、まずは一対一の戦いがどうなるか。しばらくは見守るしかない。
炎を操り加速して物理攻撃を仕掛けるレッド。しかし身体能力の高さで言えばヒーローより遥かに上手のキング・タイガーはしっかり捌き、それどころか手痛い反撃を食らわせ吹っ飛ばしてさえいる。
「なら、ブレイジング・フォース!」
全身に炎を纏わせ、燃える炎を拳に乗せて叩き付ける、ブレイジング・レッドの必殺技。多くの怪人を屠って来た、まさに必殺の一撃。キング・タイガーとはいえ、ただ正面から受け止めればただでは済まない。
「今だ!」
その指示と共に、レッドとキング・タイガーとの間に分厚い水の壁が現れる。既に加速していたレッドが止まれるわけもなく、水の壁に突っ込みその炎は弱まり、抜けた時には既に炎は消えていた。
「しまっ……!」
そうなってしまえば、ただ隙を晒しているだけのレッドは、地面に叩き付けられる。レッドが叩き付けられた衝撃でコンクリートが砕けた。殺すつもりで全力でやっていいと言っていた通り、キング・タイガーは全力を出したようだ。あれでも、ヒーロースーツの防御性能であれば、血溜まりになったりはしない。
「よし、そのまま回収だ」
「レッド!」
思ったより早く、しかし遅かった。ヒーローが一人、ライトニング・イエローが追い付いてきたようだ。予測よりずっと早い。レッドを持ち帰るのは必須である以上、人員だろうとリソースは使い切る覚悟でいくしかない。
「キングはそのまま撤退。残りは死ぬ気で止めろ」
【チュー!】
鼠からは思念が返って来て、キング・タイガーは答えなかったがレッドを抱えてそのままテレポーターの方へと走る。例えテレポーターを通ってもエナジークリスタルの反応を辿られるが、それでいい。この状況でヒーローの相手が出来ないだけで、こっちの領域ならばなんとかなる算段がある。
「クソッ、邪魔だ!」
ライトニング・イエローは鼠達の肉壁を飛び越えようとするも、それを犬怪人の水壁が阻む。雷を操るヒーローにテーザー銃は対した効果がないだろうが、それでも構えて撃たせる。少しでも、気を逸らせるために。
「ライトニング・フォース!」
全身から雷を四方八方に、しかし的確に鼠達を穿つよう放ち、寸でのところで回避した犬怪人以外速攻でやられてしまう。こうなると俺の観測出来る対象がいなくなってしまった。
「テレポーターに辿り着いた」
しかし暇な時間はほんの一瞬のことで、キング・タイガーがテレポーターに辿り着いたようだ。こちらから起動してテレポートさせる。一応、安易にテレポーターからアジトに直通させないために、起動スイッチの存在していないものを用意しておいた。
「作戦終了。各員撤退しろ」
それだけ命令しておいて、俺は戻って来たキング・タイガーの方へと向かう。こちらの被害が甚大になるのが分かり切っていてもなお、手にすることを選んだヒーローの面を拝んで、新たな怪人とする手順を踏まなければならない。
拡張したアジトの中でも、この日の為と言っても過言ではない、特別実験室へと運び込み、ヒーロースーツの緊急解除コードを物理ハッキングして脱がせてから、カプセルへと拘束して閉じ込める。
培養液に浸し、ゆっくり獣化を行う。獣化薬Aを投与して遺伝子を不安定化して、獣化薬Bを投薬する。投薬している首からじわじわと赤い毛が広がり、次第に獣の姿へと変わっていく。こうなってしまえば、ヒーローも怪人か……人類の守護者であるヒーローなら、或いはと思ったが……。
『エラーが発生しました。対象の意識が覚醒しています』
「何?!」
身体の変化が完全に終わったところで、今まで出たことの無かったエラーが発生する。こんな土壇場に意識が戻るなんてあるかよ!
「キング・タイガー! すぐ来てくれ! ヒーローが暴れ出した!」
ゴンッ! ゴンッ! バリンッ!
自室にいるキング・タイガーへと連絡をした直後、カプセルのガラス面が破壊される。既に僅かに炎が溢れている。こんなことなら起きる前なんて考えず、エナジーを空っぽにしてからやるんだった。
「ふぅ、ふぅ、ぐるる……」
出て来たレッドは既に完全に犬怪人の姿で、亀頭球の犬チンポをガチガチに勃起させている。体に繋がるチューブを無理矢理引きちぎり、洗脳のために着けていたヘルメットを強引に外そうとして、取れないと思ったのか両手に炎を纏わせ、無理矢理壊してしまう。
「おいおい、まじか……」
性的欲求で理性も飛んでるはずなのに、逃げ出そうと行動が出来るのは、理性が残っているのか、それとも本能なのか。とにかく、ここにいる俺がまずやばい。
「ぐるるるる……」
半壊したヘルメットから、性的興奮から来るギラギラしたものと、それをなんとかして抑えようとする理性に揺れる目が見える。もはやヒーローの意地だけがそうさせている状態だろうに、チンポに手を付けずにどうにか逃げ出そうとしている。
「あーもう、とっとと……!」
手に炎を灯し、レッドがまさに俺に飛び掛かろうとしたその瞬間、勢いよく扉が開かれ即座に巨体が飛び込んで来て、レッドの腕を抑える。キング・タイガーが到着したのだ。
「この状態で、まだ人間の意志があるとは……」
「なんでもいいからとっとと忠誠を誓わせろ!」
「そうだな。ならば貴様の名前はレッド・ドッグだ。我ら【ゾディアック】に未来永劫忠誠を誓うがいい」
キング・タイガーの言葉は、怪人にとって絶対だ。例えそれがどんな命令でも、心を変えてでも実行させる。だというのに、その言葉にまだ抗っている。
「ぐっ……俺、は……」
「おいおい、マジかよ……これでも耐えるのか」
「ならば、こうするまでだ」
無理矢理組み敷き頭を下げさせ、四つん這いで尻を上げさせるような姿勢にさせる。すぐキング・タイガーはチンポをいきり立たせて、上げさせている尻にチンポを宛てがう。馬鹿げた方法にしか思えないが、これが一番強力な方法なんだ。
「わふっ、がるぅ……!」
「くっ、大人しく、犯されていろ……!」
キング・タイガーの因子から産まれた怪人にとって、最高の快楽にして栄誉だというのに、それでもなお抗っているのか。俺だって目の前にチンポぶら下げられたら理性が壊れかけるんだぞ。
「俺、俺は……!」
レッドが抵抗しながらも、既に精神しか抵抗できず、段々暴れようとすることも出来なくなってきている。いつもよりも更に激しく獣のセックスを続ける。ぐちゃぐちゃと液が飛び散り零れ落ち、ケツも毛で覆われてるのにパンパン音を立てていた。
「お前はレッド・ドッグ、我らが【ゾディアック】の怪人だ……! 星の意志を、受け取れ……!」
ザーメンと一緒に、随分大層なものを注ぎ込んだようだ。けど、ヒーローとして怪人に抵抗するならば、正義に基った主張を押し付けた方が効果があるか。
一瞬ボテ腹になったものの、エナジーを取り込んだのか腹は小さくなる。それに連れて、中出しされてから虚ろになっていた目に、ギラギラした光が戻ってきた。性欲に満ち溢れた怪人の目だ。
「立て」
相当疲労しているのだろう、ブレイジング・レッド、いや、かつてはそうだった、レッド・ドッグがゆっくりと立ち上がる。しかし俺の言えたことではないが、ネーミング・センスのないこと……俺のせいか?
そういえば、今の状態でエナジークリスタルは使えるんだろうか? もはや堕ちてるだろうし、ヒーロースーツもエナジークリスタルもあるし、ちょいと試してみるか。
「何をしている」
「ん? これを着せてみようと思ってな。エナジークリスタルも使えれば、より強くなる可能性も高いはずだ」
「ふむ……レッド・ドッグ。そのスーツを着ろ」
「ワンッ!」
別に俺が着せずともスーツを受け取って命令のままヒーロースーツを着るレッド・ドッグ。まぁ着せるよりこの方が手っ取り早いか。
すぐにスーツを着終えて、レッド・ドッグの身体はヒーロースーツに覆われる。とはいえ、まだエナジーを流し込んでいないのか、ピッチリになっていない。勃起チンポは浮き上がっているが。
「我ら【ゾディアック】に忠誠を示せ」
「はい!」
レッドは直立して右手で敬礼する。
「自分、レッド・ドッグは、ブレイジング・レッドというヒーローを名乗り、我らが【ゾディアック】に逆らい、世界征服を妨害した元罪人ですワン! キング・タイガー様にボコボコにされて完敗して、犬怪人にして頂き改心しましたワン! これからは【ゾディアック】に従い、戦い続けることを誓うワン!」
敬礼したまま、忠誠を誓うことに快楽を感じてかまた射精してザーメンを吐き出すレッド・ドッグ。ザーメンがスーツから溢れることはなかったが、代わりに胸元の赤いエナジークリスタルが黒ずみ、スーツの白い部分も黒く染まっていく。これは、今までヒーローのエナジーに染まっていたものが怪人のエナジーに染まったのだろうか。それでエナジーを流したことになったのか、スーツはぴったりと張り付く。
さすがに直接ザーメンを注ぎ込まれてしまえば、どれだけエナジーがあろうが精神が頑強であろうが、人間の限界があるか。
残るヒーローもそう遠くない内にこのアジトへ来るだろう。例え四人全員が来ようがなんとかなる準備は出来ている。さぁ、どうなることか……念入りに準備してきたとはいえ、ヒーローでも、この状況は打破できないか?
……その時は、その時か。オスケモだけのエロ世界が実現するなら、それはそれでいい、か。俺はもう、怪人なんだ。どうせ、戻れもしなければ、戻る場所なんてないんだ。