ドラゴピンクとバースデーパーティ!

  「「「お誕生日おめでとーう!!!」」」

  との声と共にクラッカーの音が部屋に響く。

  「み、みんなありがとう…///」

  照れ臭そうに『陸宮 紅太』は照れながらも嬉しそうに応える。何を隠そう今日は彼の誕生日パーティーなのだ。

  「さぁさぁご馳走も沢山作ったから食べてグル〜。」

  そんな彼と同じ『ドラゴレンジャー』の仲間でどこか東洋龍をイメージさせる見た目の緑のドラゴン『ドラゴグリーン』に変身した『龍ヶ崎 風香』は甘い声を掛ける。

  「それにしてもこの量は多すぎないか…?我が輩達で食い切れる量ではないぞ?」

  一方で彼女の弟であり同じドラゴレンジャーの一員の小さなコウモリ獣人の『シュバルツ』は困った顔をしてテーブルに並べられたご馳走を見つめる。

  「すごいなぁ…シュバルツくんにドラゴレンジャーのお姉さんがいたなんて…!」

  それらを横目にドラゴレンジャーではないものの紅太とシュバルツの友達で2人がドラゴレンジャーであるという秘密を共有している『綿貫』はキラキラと目を輝かせていた。

  「ふふ…は、早く食べて欲しいグルゥ…。(ショタがおうちにいっぱいグル…💕かわいいかわいいかわいい…)」

  「変なの盛ったりしてないだろうな…?」

  「お姉さんなんだしそんな心配することないでしょ〜?遠慮なくいただきまーす!」

  紅太、シュバルツ、綿貫の3人はそれぞれご馳走に手を伸ばし、その様子を龍香はうっとりとした様子で眺める。

  「美味しい!(でもなんかこの前お姉ちゃんが作った味に似てるなぁ…。)」

  「すごく美味しいよ!こんなお姉さんがいるなんて羨ましいなぁ…。」

  「グルゥ💕紅太くんも綿貫くんもお姉ちゃんって呼んでもいいグルよ〜💕」

  「えっ!?」

  「綿貫、気にしなくていいぞ。」

  そんなこんなで楽しい食事を続けていたが、流石に量が多すぎることもあり少し手が止まった。

  「ふぅ…美味しいんだけどこれ以上はお腹いっぱいかも…。」

  「まだ特大サイズのケーキもあるもんね〜。」

  「全くだ…。おい、グリーンも少し食べるのをてつだ…」

  シュバルツが龍香の方を向いてそう言いいかけるが、彼女はハート型の目をしながら呆然としていた。

  「き、気絶してる…。なんで…?」

  「以前から思ったけど龍香さんも変なとこあるよね…。」

  綿貫は困惑しながら、紅太はちょっと引きながら気絶した龍香を見つめる。

  「え、ええい!こうなれば最後の手段だ!ドラゴチェンジ!」

  シュバルツはそう言うと腕についたブレスレットを操作する。すると、体がどんどん膨らんでいくと共に変化していき…

  「漆黒に羽ばたく孤高の天才!ドラゴコマンダー!」

  黒いコウモリのドラゴン『ドラゴマンダー』へと変身し、そう叫びながらバッとポーズを取った。

  「これで残りの食事も美味しく食べてやるぞ!」

  「そういうことね。それなら僕もドラゴチェンジ!」

  シュバルツの意図を理解した紅太もブレスレットを操作するとどんどん体が変化していき…

  「桃色にときめく萌え萌えハート!ドラゴピンク!」

  紅太もピンク色で風船の体のドラゴン『ドラゴピンク』へと変身した。

  「いくぞ!紅太!」

  「うん!いただくガル!」

  そう言って2人は残る食事をガツガツと平らげていく。

  「わー!2人とも頑張れ!!」

  そして、そんな2人を綿貫は応援するのだった。

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  「ふふん、この程度の量やはり我らの前にはなんてことなかったな。」

  「この姿だとどうしても食べる量に上限がなくなっちゃうガルね…。」

  無事、食べ切った2人はまだ余裕ありげな感じを見せる。

  「2人ともカッコよかったよ!まさか目の前でドラゴレンジャーの勇姿を見れるなんてね〜!」

  綿貫は凄く感心した様子で2人に話しかける。

  「そ、そんな照れるガル…///」

  「いやぁ〜それにカスタードクリームを使ったチーズケーキを頬張ってる時のドラゴピンク!めちゃくちゃかわいくて癒されたなぁ〜。」

  「ほ、本当に恥ずかしいガルッ!?わ、忘れて欲しいガル!!」

  「女の子みたいだったよ!」

  「むむチョコケーキを食べていたので気づかなかったがそこまでなら一目見ておきたかったな…。」

  紅太はカァァっと顔を真っ赤にしながら変身を解く。

  「そういえば綿貫よ。ずっと気になったのだが、ソレの中身は何なのだ?」

  シュバルツも変身を解きながら綿貫が持ってきた大きなリュックサックを指さして尋ねた。

  「あっ!そうだそうだ!これはね…はい!紅太くんへプレゼント!!」

  「えっ!?あ、ありがとう…!!すごい!僕のぬいぐるみだ!」

  綿貫はリュックサックからプレゼントと言ってドラゴピンクのぬいぐるみを取り出すと紅太へと渡す。紅太は思いがけないプレゼントに顔をパァッと明るくして受け取った。

  「頑張って作ったんだよ〜!寝る時の抱き枕とかに使ってね!」

  「なんか自分のぬいぐるみって考えると恥ずかしいけど…ありがとう!」

  「なんだそれなら我が輩からもあるぞ!これだ!!」

  シュバルツはどこからかチェンジャーを取り出すとそれを紅太へと渡してくる。

  「シュバルツ、これは?」

  「これは我が輩が貴様の為に作ったファーリーチェンジャー!とりあえず使ってみれば効果はわかるぞ♪」

  「…何かやな予感がするけどじゃあ…」

  紅太はチェンジャーを腕につけて操作をする。

  すると、全身の体からもふもふとした毛が生え、耳が伸び尻尾が生えて…

  『ファーリーラビットモード!』

  白いウサギの獣人へと変身した。

  「うわぁ!?ぼ、僕の体…どうなってるピョン…!?」

  「う、ウサギになってるよ!?」

  「その通り以前、発明品の不具合でウサギ獣人に変えてしまったことがあるだろう?あの時は一緒にお風呂に入って洗い合ったり夜遅くまで起きてゲームをしたり楽しかったからな!!その時は一過性のものだったが、それを使えばいつでも自由になることができるぞ!!」

  慌てる2人とは別にシュバルツは威張るようにプレゼントの解説をする。

  「し、シュバルツくんそれはお泊まり会が楽しかったんじゃない??でも、確かに2人がケミー化した時のお泊まり会とか楽しかったなぁ…。」

  「ふむ?確かにそれはそうかもしれないが…まぁイケてるからいいではないか!」

  「それにしてもこの語尾はどうにかして欲しいピョン!?…まぁとりあえずありがとうは言っとくピョン…。えーっと元に戻るにはこうすればいいピョン?」

  「あっそこは…」

  紅太は元に戻ろうとチェンジャーを操作する。それをみてシュバルツが何かを言いかけるが…

  『コンバタインモード変身』

  「!?」

  チェンジャーから機械音声が流れたと思えば、今度は紅太の来ていた衣服が光出し、気づけば紅太の衣装が黒のぴっちりとしたスウツに赤い手袋とブーツという物へと変わっていた。

  「な、な、何この格好!?」

  紅太は自らの変化した衣装を見て更に顔を赤くする。

  「説明する前だったが…どうだ!イカしてるだろう?戦闘員のスウツになれる機能付きだ!」

  「尚更恥ずかしいピョン!早く元に戻す方法を教えろピョン!」

  「あははは〜!面白いね〜!ちょっと耳とか触ってもいい?」

  主役にとって不本意なことはありながらもパーティはワイワイとしながら続くのだった。

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  「ただいま〜。」

  楽しかったパーティも終わり紅太は自宅へと帰ってきた。

  「紅太おかえりガウ…。」

  「えっ!?お姉ちゃん何してるの!?」

  すると、そこには赤いドラゴンの『ドラゴレッド』に変身した姉である『陸宮 朱音』が立っていた。

  「えっと…今日は紅太の誕生日なのにちょっと怪人が出ちゃって、プレゼントとか用意間に合わなくって…だから代わりとしてお姉ちゃんを好きにして欲しいガウ!」

  「ええっ!?何その気持ち悪い提案!?」

  (…というかさっき雫と琥珀に言われるまで忘れてただけドラ…。)

  朱音の後ろで【紅太おめでとう】と書かれた横断幕を持った陸宮家に居候する電子生命体『もちドラ』こと『モッチー』は白けた視線を朱音に送る。

  「…はぁ、どうせまた僕の誕生日のこととか忘れてたんでしょ?」

  「うっ…!」

  紅太も薄々気づいてるようで指摘され図星の朱音は言葉に詰まる。

  「ほ、本当ごめんガウ…!お姉ちゃん何でもするガウ!掃除洗濯料理1ヶ月ずっとやるガウし宿題だってやって…」

  必死で許してもらうおうと朱音は言う。

  「もういいよ。そんな子どもじゃないんだし…それにそれなら…。」

  そんな朱音の発言を途中で止め、何かを言いかけた紅太は自分のドラゴチェンジャーを操作する。

  「それなら久々に…お姉ちゃんに一緒に寝て欲しいガル…。」

  そして、ドラゴピンクへと変身した紅太はドラゴレッドとお腹をむにゅっと合わせ目線をずらしながらそう呟いた。

  「こ、紅太…ありがとうガウ!!そんなのお安い御用ガウ!!」

  「ちょ、ちょっと苦しいガル…!!」

  朱音は目に涙を浮かべ嬉しそうに紅太へと抱きついた。

  「それにしても紅太と一緒に寝るなんて何年振りガウか?やっぱり紅太は何歳になっても甘えん坊ガウね〜?」

  「「お姉ちゃん(朱音)流石に調子が良すぎるガル(ドラ)よ…。」」

  さっきまでの態度とは全然違う朱音に紅太とモッチーの2人は同じ反応をして呆れるのだった。