修道女が触手と融合しておぞましい神になっちゃうお話

  [[rb:聖 > セント]]リリス修道院。

  私は中学を卒業すると高校へは進学せずこの修道院に入った。

  それが今は亡き両親の願いだから。

  父は人が好く、母はとても優しい人だった。

  でも、それがいけなかったのかもしれない。

  二人は人を疑うことを知らなかった。

  騙されたのだ。

  膨大な借金を肩代わりし、それと引き換えに命を差し出すしか道は残っていなかった。

  そんな父が死の間際に私へ言った最後の言葉。

  『聖リリス修道院で立派なシスターになりなさい。 私達の意思を継ぎ、神の言葉を聞き、そしてお前の思う人生を作りなさい』

  それから私はずっと両親の思いを継いで生きてきた。

  ここで立派なシスターになる為に。

  この修道院に来てから一年が経とうとしていた。

  礼拝と祭儀の毎日。

  この修道院は周りとは隔絶されており独特の雰囲気があった。

  私がイメージしていた修道院の像とは遠くかけ離れた異質な毎日。

  昼夜逆転した生活。

  ここの修道女は日中の活動が許されない。

  祭儀や礼拝は毎日深夜に行われている。

  とても不気味でまるで闇の儀式のような光景だ。

  最初は抵抗があったが、今ではそれが当たり前に感じるようになっていた。

  修道院で共に生活を送るシスターは私を含め50名ほど。

  私達は“[[rb:神仕 > みつか]]いのシスター”になることを目標に日々研鑽している。

  “神仕いのシスター”

  それは神に最も近しい存在。

  神との対話が許される特別な存在。

  世界中の修道女達が憧れ、その地位を得る為に多くの者がこの修道院への入所を志願する。

  神が認めた者だけが神仕いのシスターとして洗礼の儀を受けることが許されるのだ。

  現在、聖リリス修道院で神仕いのシスターは院長様のみ。

  院長様が神仕いとして洗礼を受けたのは30年も前のこと。

  それ以降、洗礼の儀を受け神仕いのシスターになった者はいない。

  18才までに神仕いとして認められなければここを去るのが決まり。

  この修道院に入るだけでも狭き門なのに、その先の神仕いとなるのはまさに奇跡と言っても良いだろう。

  そして今日、私は正式に聖リリス修道院の神仕いのシスターとなる。

  院長様から私が神仕いになるという神託を受けたと伝えられた。

  神仕いのシスターはその証として白い修道服とベール被ることが義務付けられている。

  私も今日から院長様と同じ白の修道服とベールを被ることができる。

  神との対話を許された神仕いになるのだ。

  [newpage]

  洗礼の[[rb:間 > ま]]。

  私は憧れだった純白の修道服とベールに身を包み祈りを捧げる。

  神仕いとして洗礼を受ける儀式がこれから始まる。

  儀式は極秘とされ、部屋には司祭様と院長様、そして私の3人だけで執り行われる事になる。

  「シスター フォール、洗礼の儀を始めます。 前へ来なさい」

  “シスターフォール”

  それがこの修道院での私の名前。

  フォールは秋を意味する。

  私が秋にここへ入所したことが由来で院長様から授かった名だ。

  私は司祭様と院長様の前まで進み、膝を折って祭壇に向かい祈りを送る。

  「シスターフォールよ、汝を正式に我が修道院の神仕いのシスターに任命する」

  「はい、謹んでお受けいたします」

  私は顔を上げ、司祭さまの顔を見つめながらそう答えた。

  「神に仕える前に汝の抱える深い闇を神に吐き出すが良い」

  「はい……」

  私はゆっくりと目を閉じ、深く息を吸い込んだ。

  そして自分の中の黒い部分を全て吐き出すかの様に吐露する。

  「わたくしには両親がおりました。しかし彼らは悪魔によって殺されてしまったのです」

  それは私の心の奥底にある本音だった。

  両親の死は今でも私の心に傷を残していた。

  「両親は多額の借金を抱えておりました。その返済の為に自ら身売りをしたのです」

  そこまで話して涙が頬を流れ落ちるのを感じた。

  黒い感情が湧き出してくる。

  修道女として持ってはならない感情。

  でも今日だけは、今だけは全てを晒さなければ私は進むことが出来ない。

  そう感じ溢れ出る感情を抑えることなく言葉にした。

  「私は両親を死に追いやった者達を許すことが出来ません。必ず復讐をしてやります。その為ならどんなことでもするつもりです。たとえ相手が神であろうと……」

  私は一気に心の内を話し終えると目を開き、もう一度司祭様の目を見た。

  司祭様は何も言わずただ黙って私の話を聞いていた。

  「よく話してくれました。 きっと神は汝の心の声を聞いてくださるだろう」

  「はい。 ありがとうございます」

  私は深々と頭を下げて感謝の意を示した。

  これで晴れて正式に神仕いとなった。

  「では、神の意思を確かめに行きなさい」

  「え?」

  司祭様の言葉に私は困惑した。

  洗礼の儀を終えたら後は祭儀をこなすだけと思っていたからだ。

  院長様が私の前にグラスを差し出す。

  「さぁ、これをお飲みなさい」

  コップの中には赤黒い液体が注がれている。

  私は恐る恐るそれを手に取り匂いを確かめる。

  間違いない、血だ。

  「あの院長様、これは……」

  「いつも祭儀で見ているではないですか」

  神血。

  確かに毎日深夜に行われる祭儀で、この神血なる液体を唇に当てる儀式はある。

  でも軽く触れる程度で、飲むようなことは一度も無かった。

  たった一滴、唇に触れただけで凄まじい高揚感が体を包み込む感覚に襲われる不思議な液体。

  私以外のシスター達は皆気分が悪くなると言っていたのを思い出す。

  「シスターフォールよ、今の君ならこれを飲み干すことが出来るはずだ。 そのために今まで体を慣らしてきたのだから」

  私はゴクリと唾を飲み込み、意を決して口をつけた。

  舌の上に血液特有の鉄の味が広がる。

  喉に絡みつく様な感覚。

  「さぁ一息に飲みなさい」

  司祭様の言われた通りそのまま一気に飲み干す。

  喉が焼けるように熱を帯びる。

  「ゲホッ!ゲホゲホッ!!」

  激しくむせ返り、手からコップが滑り落ちると床に叩きつけられ割れる音が響く。

  体中から汗が吹き出してくる。

  「ガハッ!」

  体が痙攣を起こし激痛が全身を襲う。

  熱い。

  全身が焼けるように熱を帯びる。

  体中から吹き出す汗が流れ落ちる。

  まるで毒を流し込まれたようだ。

  「シスターフォールよ、正面の扉を開け“神の間”の中に入りなさい。 そして神仕いとして神の声を聞くのです」

  「ハァハァ……」

  苦しくて声が出せない。

  私は必死で這うように扉へと向かう。

  「「神のご加護を」」

  司祭様と院長様が同時に呟く。

  私はそれに答える余裕もなく、重い扉を体で押して中へ入った。

  [newpage]

  神の[[rb:間 > ま]]。

  立ち入ることが禁じられた部屋。

  神と対話が出来ると言われている修道院内で最も神聖な場所。

  「はぁ、はぁ…… ここが神の間……」

  光の届かない真っ暗な部屋の中は吐き気を催すほどの生臭さが漂っていた。

  床に何か撒かれているのだろうか、這いつくばる私の修道服がドロリとした粘つく液体にまみれていく。

  「え?」

  何かぶよぶよとしたものが私の足首に触れる。

  「何? 何かいるの?」

  グチュ グチョ

  部屋の至る所から不気味な音が響き、もぞもぞと何かが蠢いている気配がする。

  私の足下のそれは両足に絡みつきながら一気に這い上がってきた。

  「かはっ!! 」

  肺から空気が絞り出される。

  私の体を激痛が襲う。

  体が張り裂けそうな強烈な痛み。

  「痛い! 痛いっ! 痛いっ!!」

  痛みは私の下半身から起こっている。

  視線を落とすとそこには無数の何かがウネウネと動き回っていた。

  そして、まるで蛇が私の体内へと入り込んでくるかの様に下半身に突き刺さっている。

  「嘘、何これ! 嫌やー!」

  聖職者として生きてきた私は、まさかこんな形で処女を失うことになるとは思ってもいなかった。

  「嫌だ! 抜いてー! 助けてー!!」

  私の悲痛な叫びを無視し、それは体の奥深くまで侵入してくる。

  下半身へ突き刺さる物を必死に抜こうとするが、ヌメヌメとした感触でまともに掴むことが出来ない。

  (何これ…… 触手!?)

  暗闇に慣れてきた目が部屋で蠢く物を捉える。

  無数の触手。

  部屋全体が触手で埋め尽くされている。

  「ひぃ!!」

  私の大切な場所に触手が突き刺さっている。

  「嫌や、い…… ぐおぼっ!」

  悲鳴を上げる間もなく私の口に触手が入り込み、口内を犯し始める。

  何本もの触手が口や鼻から侵入し、次々と喉を通って胃の中まで入り込んできた。

  あまりの激痛に私は暴れ回るが、私の体に無数の触手が絡みつき動きが封じられていく。

  私はそれに抵抗することが出来ず、為されるがままになっていた。

  『我ヲ 受ケ入レヨ』

  頭の中に声が響く。

  触手がドクンドクンと脈打ち私の体内に何かを放出し始めた。

  (やめてぇぇええええ!!!)

  下腹部に異物感を感じる。

  体が燃え上がる様に熱い。

  『我ヲ 受ケ入レヨ』

  触手の動きが激しさを増す。

  「 ん゛ん゛ん゛ーっ!! ぶふっ!」

  ドクンドクン

  触手が胃の中へ大量の液体を吐き出し、口の隙間から溢れ出た液体が吹き出す。

  子宮に直接熱い物が注がれる度に痛みが和らいでいくのを感じる。

  しかしそれと同時に言いようのない別の感覚が襲う。

  初めて味わう感覚。

  腰が勝手にガクガクと動いてしまう。

  体が痙攣を起こす。

  これが絶頂という物なのだろうか。

  頭が焼き切れるかのような快感が全身を襲い、私は意識を失った。

  [newpage]

  どのくらいの時間が経ったのだろうか。

  気がつくと、私は洗礼の間にいた。

  そして、私の目の前には一人の少女が立っている。

  (シスター ルチア?)

  苦楽をともにした優しいシスター。

  しかし、彼女は洗礼を受けることなく18の歳を迎えこの修道院から去らなければならない。

  そんなシスタールチアが私を見て涙を流しながら恐怖の表情で泣き叫んでいる。

  私は彼女に理由を聞こうと声をかけた。

  「グオァアア!!」

  え?

  今のって私の声?

  私は彼女に右手を伸ばす。

  「来ないで化物!」

  「!?」

  何この腕……

  赤黒くゴツゴツとした異形の腕が私の視界に入る。

  指先には鋭い爪が生え、腕から無数の突起物が突き出ている。

  明らかに人間の物ではない。

  シスタールチアの後ろに置かれた姿見に私の体が映し出される。

  引き裂かれた修道服の隙間から人の物ではない赤黒いグロテスクな体がはみ出している。

  私の顔が人間とはかけ離れたおぞましい顔をしている。

  赤く光る目と耳まで裂けた口、青白い肌をしているが間違いなく自分の顔の面影を残している。

  そして頭に被った白いフードの左右から角のような物が突き出していた。

  鏡に映る化物は間違いなく自分。

  私の姿は醜悪で恐ろしい化物と化していたのだ。

  「グオォァアアア!!」

  私は再び叫んだ。

  それは魔物のような雄叫び。

  「きゃぁぁああ!」

  シスタールチアが腰を抜かし叫びながら私から逃げようと床を這えずる。

  次の瞬間、私の体が勝手に動きシスタールチアの肩を掴むとそのまま握りつぶした。

  そして、悲鳴を上げる隙を与えず首筋に噛みつく。

  ブチブチと肉を食いちぎる音が部屋に響き渡る。

  「あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛!!!」

  シスター ルチアの断末魔の叫び声。

  (私、何してるの……?)

  私は彼女の悲痛な声を聞きながら再び意識を失った。

  [newpage]

  「シスターフォール、起きなさい」

  院長様の声が聞こえる。

  「ん……」

  私はゆっくりと目を覚ます。

  どうやら眠ってしまっていたようだ。

  「おめでとうシスターフォール。 君は神に選ばれた」

  司祭様がそう言いながら私に近づき、そっと抱きしめてくれた。

  頭がボーっとする。

  私は一体何を……。

  「!?」

  真っ赤な血に染まった洗礼の間。

  1メートルほど先の床に修道服姿の首のない人間の体が転がっている。

  「い……いゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

  絶叫を上げる私の頭を院長さまが優しく撫でる。

  「院長様…… あれって、まさか……」

  「シスタールチアです。 あなたが先ほど神として手を下しました」

  「うそ、なにそれ……」

  私がシスタールチアを殺した?

  何の冗談?

  でもさっき私は……

  「あなたの右手に彼女の首があります」

  「え?」

  私は恐る恐る自分の右手を見る。

  そこには確かにシスター ルチアの首があった。

  顔の半分が食いちぎられたように抉られている。

  「ひぃ!」

  私は堪らずそれを放り投げる。

  「すぐに慣れます。 私も最初はあなたと同じでした」

  「どういうことですか!? 私の体どうなっちゃったんですか!」

  「あなたは正式に神の神仕いとして選ばれたのです。 神に代わってその力を行使することを」

  「神って何のことですか! どうしてこんなことに!」

  私は混乱し、取り乱しながら院長様に詰め寄る。

  「今日は休みなさい。 洗礼が進んでいけば自ずと理由が分かります」

  「そんな……」

  [newpage]

  翌日、礼拝堂。

  日が落ち外は暗闇に包まれている。

  私は一睡も出来ないまま礼拝堂の長椅子に腰をかける。

  「おめでとうございますシスターフォール。 今日から正式な神仕いのシスターですね」

  「神仕いの修道服姿、とてもお似合いです」

  「これからよろしくお願いしますねシスターフォール様」

  口々に私を祝福する修道女たち。

  「洗礼の儀とはどのような物だったんですか?」

  一人の修道女が私へ問いかける。

  「それは……」

  昨日の悪夢を思い出し言葉に詰まる。

  「静粛になさい。 礼拝を始めます」

  院長様の声で皆が一斉に祈りをささげ始める。

  『我等が主よ、新たなる神仕いシスターが誕生したことを御喜び下さい』

  『我らが主の御心に従い、この者に神の導きをお与えください』

  「え?」

  修道女達の心の声が聞こえる。

  周りを見渡すも誰一人口を開いている様子はない。

  私だけが聞こえる声のようだ。

  これは一体……

  「シスターフォール、前へ」

  院長様が私を呼んで手招きしている。

  「は、はい院長様」

  私は言われるがままに前へと進み出る。

  「シスターフォール、今日はあなたもここで皆の祈りを見届けなさい」

  「分かりました」

  私は祭壇の横に立ち、祈りを捧げる他のシスター達を見つめる。

  『神よ、どうして私にはこのような試練を与えるのですか…… 私は今日で18を迎えます。 どうかお救いください……』

  その声の主は“シスター アウレリア”。

  彼女の祈りの声が私の頭に響いてくる。

  私は、その声を聞き院長様へ顔を向けた。

  「今日は彼女です」

  ぼそりと院長様は私の耳元でそう告げた。

  私の体から血の気が引く。

  「では皆さん、それぞれの持ち場へ」

  院長様の言葉に従いシスター達は礼拝堂の出口へと向かっていく。

  それと入れ替わりで司祭様が礼拝堂へと入ってきた。

  こちらへ向かってくる司祭様がアウレリアとすれ違い彼女を呼び止める。

  「シスター アウレリア、後で話があります」

  「……はい」

  アウレリアは司祭様にお辞儀をすると皆と一緒に部屋を出ていった。

  「さあ始めましょう、シスターフォール」

  「いや、待って下さい! まさか今日も……」

  昨日の光景を思い出す。

  またあんな事をしないといけないのか?

  あんな恐ろしいことを。

  「シスター アウレリアは明日この修道院を発たなければならない。 18才になるまでに神の加護を受けることが出来なかった」

  司祭様が私に告げる。

  「ですが、だからって…… 彼女は何も悪いことしてないんですよ!」

  私は声を荒らげて訴える。

  しかし、司祭様は表情一つ変えず私を見つめ続ける。

  「この修道院の事は絶対に外に漏れてはならない。 せめて最後は神の力で送ってあげましょう」

  「神って……」

  「先ほどあなたはその片鱗を垣間見ましたよね? 神仕いとして人の心の声が聞こえたはずです」

  あの時確かに聞こえた。

  「シスター アウレリアの処遇は神が決める事です。 あなたは神に従う神仕いである立場を忘れずに」

  私は今日、シスター アウレリアを手にかける。

  この体に神なるものを宿して。

  私、彼女を殺すんだ……

  神という名の元に……

  [newpage]

  失意に暮れる私は、院長様と司祭様に連れられ“洗礼の間”へとやってきた。

  「さぁ神と対話を。 そして、その身に神を受け入れて来なさい。 時期にシスターアウレリアもここへ来ます」

  司祭様の声に従い、私はふらつく足取りで“神の間”の扉を開き中へ入る。

  昨日と同じ、部屋中に無数の触手が蠢いている。

  『我ヲ 受ケ入レヨ』

  頭の中に声が響く。

  光の届かない真っ暗な部屋にもかかわらず、今日は何故かはっきりと部屋の中が見渡せる。

  昨日は気がつかなかったが、部屋の中央に設置された祭壇の上に赤黒い何かが置かれていた。

  私はそれに誘われるようにふらふらと歩みを進める。

  触手が体に纏わり付いてくる。

  何故だろう、ヌルリとした感触が心地よい。

  私の秘所へ何本もの触手が侵入してくるが、抵抗せずにそれを受け入れる。

  触手が体内で暴れ回り、全身が快感で包まれる。

  無数の触手が私の体に纏わり付いているが、私の歩みを阻害することはない。

  体中を這う触手が私の口の前へ移動し鎌首をもたげている。

  私は大きく口を開きそれを受け入れる。

  舌の上で転がすように味わうとドロドロとした液体が先端から溢れ出す。

  (神の血……)

  「ジュプッ…… チュパ……」

  口の中に広がる甘い蜜のような味に虜になり夢中でしゃぶりつく。

  体が火照り触手の突き刺さった股間の隙間から愛液が吹き出す。

  私の腰が勝手に動き出し、さらなる刺激を求めている。

  おびただしい数の触手を秘所と口に受け入れ、腰をガクガクと振り快楽を貪りながら歩く自分の姿。

  なんて浅ましい姿なんだろう。

  しかし頭の中は快楽で満たされる。

  私は今、神に愛されている。

  もっと欲しい……

  もっと私を愛して欲しい……

  祭壇の前にたどり着いた私は、目の前の赤黒い物体を両手で包み持ち上げた。

  グチョリ

  肉塊のような感触。

  『我ヲ 受ケ入レヨ。 我ヲ ソノ身ニ 宿セ』

  私はこの肉塊をどうすれば良いのか理解した。

  口と秘所を蹂躙していた触手が私の体の中にズリュと音を立てながら取り込まれる。

  まるで触手が元から私の一部であったかのような錯覚を覚える。

  そして……

  ブチッ グチョ ジュルッ

  両手で包んだ肉塊の一部を噛み千切って飲み込んだ。

  濃厚な血液の味と共に私の体内に何かが流れ込む。

  もっと体で神を感じたい。

  私はドロッとした黒い血液が滴る残りの肉塊を自分の秘所へあてがう。

  すると私の膣の中からニチャと音を上げ触手が姿を現す。

  触手は肉塊を絡め取ると膣内へと引き込んでいった。

  “ズブブッ”という音が体内から鳴り、膣を押し広げながら肉塊が私の子宮へと運ばれる。

  「あ~ぁぁぁあ~」

  快感を伴う声が自然と口から漏れ涎が垂れ落ちる。

  (私は何やっているんだろう…… この体は何?)

  頭の片隅でそんな事を考えるも、すぐにその思考はかき消されてしまう。

  子宮に取り込んだ肉塊が脈打ちながら増殖していく。

  体内に根を張り、血管を通って体全体に行き渡る感覚。

  凄まじい快感が全身を犯す。

  ブシュ! プシャー!

  私は何度も何度も絶頂を向かえ、潮を吹き散らかす。

  「もっと欲しい…… もっと、もっと!」

  ズリュズリュ!

  私の声に応えるかのように、部屋中の無数の触手が私の体を目掛け群がってきた。

  私の体を包むように触手が這い回る。

  全身を愛撫するかのように皮膚を刷り上げて徐々に体の中へと侵食してくる。

  秘所や肛門、耳、鼻、口……

  穴という穴からおびただしい量の触手が体内に入り込み、内側から私を犯していく。

  触手に覆われた身体中の至る所から体液が吹きだし、私は神に愛されながら果て続ける。

  繰り返される絶頂の中で私は声を聞いた気がした。

  『「ゴット フォール……」』

  その声に私の体が一気に変化を始める。

  今まで感じたことのないような力が込み上げてくるのが分かる。

  それは瞬く間に全身に広がり、私の体を変貌させていく。

  人から神へと。

  ミシミシと音を立てながら私の体が作り変えられていく。

  体にまとわりつく触手が私の体と肉塊と交わり新たな姿を形作る。

  ゴキッ ボキッ!

  全身の筋肉が膨張し骨格が変形する。

  黒ずんだ堅い皮膚に覆われた腕と脚。

  先端に鋭く尖った爪。

  頭からはフードを突き破って二本の角が伸び、耳まで裂けた口元から鋭い牙が現れる。

  私が人間だった頃の面影はもうない。

  私の心が変化する。

  もう何も考える必要は無い。

  私は本能に身を委ねる。

  「グオォアァアア!!」

  人外の咆哮が放たれる。

  咆哮は口からだけでなく両乳房からも聞こえる。

  大きく膨らんだ両胸が上下に裂け牙が生え揃い口のような器官に変わっている。

  その姿はもはや人間ではない。

  これが、神の姿……

  私の中に取り込み融合した神の体……

  部屋の中に光が差し込む。

  私はその方向へ体を向けると、院長が“神の間”の扉を開く姿が目に入った。

  「想像以上ですね。シスターフォール…… いえ、ゴッドフォール」

  院長が私の姿を見て微笑みかけると、両手を広げて迎え入れてくれた。

  私はゆっくりと出口へ歩を進める。

  「どけ」

  私は院長にそう言い放ち“洗礼の間”にいる一人の少女の元へ歩み寄った。

  少女は震えながらこちらを見ている。

  恐怖に染まった表情。

  「お願い…… 殺さないで。 死にたくない……」

  涙を流し懇願するアウレリア。

  「最後まで保身しか考えられないとは、お前は本当に神に仕えるシスターですか?」

  私は彼女の首を掴み力を入れる。

  「そんな者は必要ありません」

  ミシミシと首の骨が軋む音が部屋に響き渡る。

  アウレリアは白目を剥き泡を吹き始めた。

  それでもなお彼女は命乞いを続ける。

  私は彼女に囁いた。

  「消えなさい」

  私は体内から湧き出る力を彼女を掴む手に集中させる。

  アウレリアの体が次第に膨張していく。

  「グゲェエ」

  酷い断末魔を上げながら全身が風船のように膨らむと、パンッと音を立てて破裂した。

  部屋中に肉片が飛び散り、壁や天井、床までもが真っ赤に染まる。

  私は、手に付着した肉片を舐め取ると人の姿へと戻っていった。

  「お勤めご苦労様でした」

  院長が私を抱きしめ労いの言葉をかける。

  司祭はその光景を見て、満足そうに部屋を出て行った。

  院長は私を抱きしめながら、まるで懺悔をするかのようにつぶやいた。

  「……私はあなたと違い神から啓示を受けた神仕いではありません」

  知っている。

  この女からは神の匂いがしないどころか片鱗すら感じない。

  人間特有の腐った臭いがする。

  「この“洗礼の間”にいる間は、あなたは神そのものです。 そのことを忘れないように」

  院長はそう言って、私に新しい修道服を差し出してきた。

  私はそれを無言で受け取る。

  「では私も失礼します。 ゆっくりと体を休めて下さい。 もうあなた一人の体ではないのですから」

  部屋を出て行こうとする院長を私は呼び止める。

  「院長様、明日の礼拝に全員を集めてください。 神から皆さんへの啓示があります」

  「それは本当ですか!?」

  院長は驚きながらも、喜びに満ちた声で答えた。

  「はい。 とても素敵な神の言葉を明日お伝えします」

  私は笑みを浮かべて答えると、院長は再び私を優しく抱き締めてから部屋を後にした。

  人間ごときに私の体を触れられるのが不快だ。

  [newpage]

  私は修道服に着替え自室へと戻った。

  神仕いとなった私の部屋は今までの雑居房のような場所ではなく豪華な個室が与えられた。

  ベッドに横になりながら私は先ほど聞いた院長の言葉を思い出す。

  (この“洗礼の間”にいる間は、あなたは神そのものです)

  私はベットから起き上がり修道服を脱ぎ捨て全裸になると姿見に自分の体を映す。

  「それは、あなたが単なる神仕いだからですよ院長」

  不気味に笑う私の顔は目が赤く光り、口から鋭く尖った歯が並んでいる。

  メキッ ボキィッ!

  体の筋肉が隆起し、全身が黒ずみ赤黒い血管が浮き上がる。

  頭から角が生え、口が裂け牙が生え揃う。

  私の体は、瞬く間に異形のものへと変貌を遂げた。

  「私は神そのものになったんです。 もう人ではなく神、ゴットフォールなんです」

  私は声を殺して笑い続けた。

  もうじき夜が明ける。

  明日の礼拝が始まる前にやることがある。

  この体はまだ不完全だ。

  神としての本来の姿になるにはもっと触手と同化する必要がある。

  私は人の姿に戻り修道服に着替えて部屋の外に出る。

  向かう先は談話室。

  今日の奉仕を終え何人かのシスター達が集まっていはずだ。

  [newpage]

  談話室。

  私は部屋のドアを開き中に入ると案の定、数人のシスター達が談笑していた。

  彼女たちの視線が一斉にこちらに向けられる。

  「シスターフォール! ようこそ、さぁこちらへ」

  私に気付いた一人が立ち上がり歓迎した。

  他の者達も笑顔で迎えてくる。

  私は彼女たちの元へ向かい空いている椅子に座った。

  「神仕いの白い修道服姿、とてもお似合いですね」

  「神仕い様とお話が出来るなんて光栄です」

  私が席に着くと皆口々に褒め称えてくる。

  ニコリと作り笑顔でそれに応えると、すぐに本題を切り出した。

  「みなさんにお願いがあり参りました」

  「何でも言ってください。 神仕い様の為なら何でもいたしますわ」

  談話室にいる修道女は全部で5人。

  丁度良い。

  「実は先ほど神の間で啓示を受けました」

  「!?」

  私の言葉に彼女たちが息を呑む。

  「神は皆さんと対話を望まれております。 私と一緒に神の間へ来て頂けませんか?」

  その言葉を聞き、修道女達がざわめきだす。

  十字を切る者。

  涙を流しながら祈りを捧げる者。

  歓喜の声を上げる者と様々だ。

  「それは、本当ですか!? シスターフォール」

  「もちろんです。 院長の許可も得ています。 是非皆さんも神と一緒になって頂きたいのです」

  その場にいる全員が何の疑いもなく賛同した。

  私は彼女たちを連れて、神の間へと通ずる洗礼の間へとやってきた。

  「ここが洗礼の間……」

  「シスターフォールはここで神仕いの洗礼を受けたのですね」

  修道女達は初めて足を踏み入れる聖域に感動を隠しきれない様子だった。

  私は神の間の扉に手をかけると彼女達に振り返る。

  「さぁ、この先が神の居られる聖域です。 目を瞑ってゆっくりと中へお入りなさい」

  私の言う通りに目を閉じながら、恐る恐る中へと入っていく餌達。

  私はその後ろ姿を眺めながらゆっくりと扉を閉じた。

  「神と一つになりなさい。 あなたたちは私の血肉となり体の一部となるのよ」

  扉の向こうから聞こえる悲鳴。

  今、彼女たちは触手達に犯されながら貪り喰われているのだろう。

  彼女たちの断末魔が響く度に私は興奮し体が熱くなっていく。

  私の秘所から触手が這い出し、体に纏わり付いて愛撫する。

  「んぁ」

  修道服の内側がうねうねと動き、触手の粘液で濡れていく。

  「あふっ! あっ! あ~っ……」

  ビチャビチャと音を立て私の秘所からねっとりとした愛液が床に垂れ落ちる。

  [newpage]

  私は修道服を脱ぎ捨て裸になると扉を開き神の間へと入った。

  無数の触手が蠢く室内にはすでに人の気配はない。

  餌達は触手に喰われ、神の一部となったようだ。

  「さぁ可愛い子供達、私と融合なさい。そして私に力を頂戴」

  私の命令に反応して部屋中を覆う触手が一斉に私に向かってくる。

  「ああ…… 素敵……」

  私は両手を広げ受け入れる体勢を取ると、触手達が次々と肉体に絡みついてくる。

  無数の触手達が秘所や口から体内に入り込む。

  「ぐぉぼぼぼっ!」

  新鮮な餌を喰らい成長した触手は、先程とは比べものにならないほど荒々しく私を犯す。

  しかし、今の私にはそれが快感にしか感じない。

  触手の先端から体液と共に消化されたシスター達の肉片が私の体内に吐き出される。

  彼女達の血肉だけでなく魂をも取り込み私の体に同化していくのが分かる。

  (あぁ……気持ちいい)

  グジュ ジュル

  私の肉体が触手と融合し同化していく。

  やがて、全て触手が私の体と混ざり合い一つの存在として再構成される。

  「さぁ私を本当の姿に、もっと! もっと私を愛して力を頂戴!!」

  私がそう叫ぶと体中の細胞一つ一つが蠢き始める。

  メキッ メキッ!

  体中の骨という骨が軋みを上げ、筋肉が隆起する。

  私の体が神の姿へと変化していく。

  全身の皮膚が黒く変色し、凄まじい勢いで筋肉が発達する。

  まるで鉄のように堅くなった皮膚の至る所から棘が突き出し、その一本一本がまるで槍の様に長く伸びていく。

  「もっと! もっと!!」

  乳房が内側から押し広げられると上下に裂け、そこから鋭い牙の生えた巨大な口が現れた。

  「グギャー! ギシャー!」

  両胸から人間のものではない雄叫びが上がる。

  両肩もボコボコと音を立てて盛り上がると同じように凶暴な牙を持った口が現れた。

  「ガァアアー!!」

  ビリビリと空気が振動するほどの轟音の雄叫びが部屋中に響き渡る。

  全身から吹き出す蒸気がまるで炎のように揺らめいている。

  さっきまでとは比べものにならないほどの力が全身から溢れ出てくる。

  私は自分の体を抱きしめるように両腕を掴むと、力を込めた。

  メリッ メリィッ

  腕の筋肉がさらに盛り上がり血管が浮き出る。

  これが私の力。

  私の本当の姿。

  神の力!

  「グォオオオーッ!!!」

  私は天井に向かって吠えた。

  それは神による福音。

  この世に神が降臨した証。

  準備は整った。

  この世界に神の存在を示すときが。

  私は神の間を出ると、正面の姿見に自分の姿を写す。

  おぞましい姿をした怪物。

  間違いなく悪魔と間違えるだろう。

  しかし、それは人間達が勝手に描いた神の像に過ぎない。

  神の姿を見た人間は皆死ぬのだから。

  だから誰も知らない、神の本当の姿を。

  神はこの世の頂点に立つ最強の生命体であり絶対の存在。

  世界は神の意志で支配されなければならない。

  明日は歴史に残るミサになるだろう。

  私はニヤリと笑うと人の姿へ戻り自室と戻った。

  [newpage]

  翌日。

  礼拝堂には修道院内の全てのシスターが集まった。

  全員、十字を切り祈りを捧げミサの始まりを静かに待っている。

  「今日はシスターフォールから皆さんに神から授かった御言葉があります」

  院長の言葉に全員が顔を上げ私を見る。

  私はゆっくりと祭壇の前に進み出た。

  全員が私を見ている。

  その視線を受けながら私は口を開いた。

  「今日、皆さんは2つの選択を迫られます。 この選択からは逃れることは出来ません」

  私の言葉に全員がざわつく。

  私は構わず話を続けた。

  「一つ目は、人を捨て神の眷属となること。 しかし適性のない者は死を伴う苦痛を味わうことになります」

  その言葉に更にざわめきが大きくなる。

  司祭と院長も困惑の表情を浮かべている。

  「二つ目は───」

  「シスターフォール、それは一体どういう事でしょうか?」

  私の言葉を遮り、一人の修道女が立ち上がって質問した。

  私は彼女を見て微笑みを向けると眼光を光らせ、その修道女を睨み付けた。

  すると彼女は突然糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちる。

  他の修道女達は何が起きたのか分からず、倒れた彼女を呆然と眺めていた。

  「二つ目の選択は、このように救いのない死を迎えることです」

  次の瞬間、彼女の体の中から無数の触手が突き出し、肉片をばらまきながら弾け飛んだ。

  辺りに血飛沫が飛び散り、床や壁を赤く染め上げる。

  「きゃー!!」

  突然の惨劇に悲鳴を上げるシスター達。

  しかし、皆その場から動くことが出来ずにいる。

  「どうして! 体が動かない!!」

  私は彼女たちの動きを封じながら礼拝堂の中を見渡す。

  少女の体を突き破って這い出た触手が増殖し部屋の中を這い回る。

  これから行われるミサに相応しく、神に捧げる贄に相応しい光景だ。

  恐怖で泣き叫ぶ者達の悲鳴を聞きながら、私は両手を広げて話を続ける。

  「さぁ皆さん、神の言葉を続けます。 こちらに注目なさい」

  シスター達の首が勝手に動き私の方へ向く。

  何人かは私に背を向けた状態で動きが封じられたため、首がねじ切れて死んだようだ。

  私はその様子を見て笑いながら話を再開した。

  「これから皆さんには私の、神の血を差し上げます」

  私の体がミシミシと音を上げながら膨張し始める。

  「私の眷属になることが出来る者は神の加護が。 そうでないものは苦痛を伴って死になさい」

  ゴキ ボキッ! 骨が軋む音と共に私の体が大きく変形していく。

  修道服がその変化に耐えきれずビリビリと音を立て引き裂かれ、おぞましい姿が徐々に露わになっていく。

  「シスターフォール!? どうして神の姿に……」

  院長が私を見て驚きの表情を向ける。

  洗礼の間の外で私が神の姿へ変化する事が信じられなかったのだろう。

  「私はお前のような中途半端な使い走りの神仕いではなく神そのものに進化したのです」

  私は耳まで裂け牙が生え揃う口を大きく開き院長を嘲笑うと、その隣にいる司祭に目を向けた。

  彼は私を見て震え上がっている。

  私はそんな彼に言い放つ。

  「お前は不要です、触手にでも喰われておきなさい」

  直後、無数の触手が司祭の体に襲いかかり一瞬で彼の体はバラバラになった。

  司祭だった物の残骸は床一面に飛び散った血液の中に沈んでいく。

  その光景を無理矢理見せられた修道女達は悲鳴を上げ涙を流しながら口々に祈り始めた。

  「ふふっ…… ふはは! ギャハハハ!」

  私は変身を加速させながら高らかに笑った。

  神の笑い声が礼拝堂内に響き渡る。

  そして、私は遂に真の姿を現す。

  全身を黒く強靱な皮膚に覆われ至る所から角や棘が突き出た異形の姿。

  「グギャー ギシャー!」

  両胸と両肩に現れた凶暴な牙を生やした口からは獣のような雄叫びが上がる。

  強制的に私がおぞましい神の姿に変身していく過程を見せられたシスター達のほとんどが正気を保てず発狂している。

  私は両手を広げ彼女達に向け言葉を放った。

  「さぁ、神の姿をその目に焼き付けなさい! これから神聖なミサを執り行います!」

  その言葉を合図に部屋中に蠢く触手が一斉にシスター達の口に突き刺さる。

  私の、神の血が彼女達の口内に注がれると皆一斉に痙攣を引き起こす。

  体が風船のように膨らみ破裂する者。

  煙を上げながら溶けただれていく者。

  ほとんどの者が神の血に適合せずに苦痛を伴いながら悲惨な死を遂げていった。

  隣にいた院長も肉片と化し、私の足元に散らばっている。

  やがて、礼拝堂内からシスター達の気配が完全に消えた。

  残ったのは私と、私の血に適合したもの達だけだ。

  私は口元を歪めニヤリと笑うと、神の眷属となった4人の下僕を呼び寄せる。

  「グルル……」

  「グガァアア!!」

  私の下僕として、神の眷属として申し分の無い姿。

  秘所から無数の触手を生やす者。

  体中に目や口が無数に存在し、そこから絶えず粘液を垂れ流す者。

  皆人間をいとも簡単にひねり潰せるだけの力をもった醜悪で凶悪な姿へと変貌した。

  私の、神の遺伝子を受け継いだ眷属として生まれ変われた存在。

  私は神として下僕達に命じた。

  私の両親を死に追いやった者達を、私の人生を台無しにした者達を殺せと。

  肉片の一片たりとも残すことなくこの世から消滅させるようにと。

  最も残酷で時間をかけて激痛を伴わせる殺し方をするようにと。

  神の名の下に。

  「グオーー!!」

  「ギシャー!!」

  彼らは咆哮を上げながら礼拝堂から姿を消す。

  [newpage]

  『聖リリス修道院で立派なシスターになりなさい。 私達の意思を継ぎ、神の言葉を聞き、そしてお前の思う人生を作りなさい』

  父の最後の願いが頭をよぎる。

  私は父の願いを叶えることが出来る存在となった。

  神の言葉を聞き自らが神へとなった。

  私は口元の裂け目を大きく広げニヤリと笑う。

  「この世に人間は不要。 神とその眷属だけが生きる世界へと作り替える」

  それが私が思う世界。

  神である私が支配する新たな世界の幕開けだ。

  「ふふっ、ふははは! あはあああ! グォアアアア!!」

  この日、世界に神が降臨した。

  神の名前は、ゴッドフォール。

  人間を殺すことを躊躇わない残忍な性格と、神とは思えないおぞましい姿。

  この世界に人間は不要。

  神に認められた者だけが眷属となり異形の姿となって生を許される世界。

  それが神の意志。

  神が望むこと。

  神に抗うものはこの世に存在することすら許されない。

  神に認められた化け物だけが跋扈する世界が正しい世界。

  世界は瞬く間に変貌していった。

  それが何千年にも渡り人々が崇めてきた神が望んだ理想の世界なのだから───

  完