出会い系で知り合ったゲスい『犬のおっちゃん』に、僕が恋をしてしまった話

  ☆

  その整えられていないぼさぼさの体毛を持った、ガタイのいい獣人は、服を脱いで裸になった僕を見て、にちゃりと笑った。

  「トモ、今日もたっぷりかわいがったるからな」

  その頬を歪めると、作り上げられたゲスい笑みが僕の目に焼き付いた。

  「……はい」

  僕は彼の指先が触れてくれるのを心待ちにしてしまう。

  出会えばいつも、彼は僕の身体を心ゆくまで貪った。

  大人の雄の粘っこい性技で、僕を快楽の坩堝に引きずり込んで決して離そうとはしないのだ。

  僕はその快楽に溺れることしか出来なかった。

  ☆

  『犬のおっちゃん』。

  それが、彼の名前だった。

  ちょうど1年前、僕は大学に入学したばかりで、初めての独り暮らしを謳歌していた。

  そんな中、たまたま酒を飲んで同人誌を読んでいてムラムラした僕は、『トモ』という名前で、つい出会い系の掲示板に遊び相手を募集してしまったのだ。

  そのとき読んでいたエロ同人誌が、浮浪者の獣人に若いニンゲンが犯される話で、「よごれ」っぽいおっさんに犯されたい、なんて書いてしまったのもあるのだろう。

  『わしとやらんか?』

  そう声をかけてくれたのが、『犬のおっちゃん』と名乗った彼だった。

  一度、ニンゲンを無茶苦茶にしてやりたかったんや、なんて言うその人は、まだおっちゃん、なんて自称するにはには少し若く見えた。

  それでも、きっと僕とは10以上も離れているのだろう。

  会ってみると、獣人らしく2メートルと大柄で、筋肉はあるけど少し肉付きのいいその身体は、手入れされていないボサボサの灰色と白の体毛に包まれている。

  体臭も濃く、にたりと笑うと垣間見えるゲスっぽさは、まさに理想どおりのおっちゃんだった。

  わし、なんて一人称で、西の訛りがあるそのおっちゃんは、エッチがうまかった。

  ねっとりとした愛撫で僕の身体を蕩かせると、その巨大な逸物を痛みもなく僕の肉穴に埋め込んで雌へと変えてしまうのだ。

  汗をまとった雄の獣の体臭を部屋中に振りまきながら。

  痛みなく、でも無理やり犯されるようなその感触はたまらなく心地よかった。

  何度も何度も、執拗におっちゃんは甘い抽挿を重ねてくる。

  張り出した雁で火照った肉襞を優しく擦り、わななく体を抱きしめながら漏れる喘ぎ声を楽しむのだ。

  『ここか? ここがええんやろ?』

  そして精が枯れるまで子種を吐き出させると、次は自分の番だと言わんばかりにその動きを早くする。

  まるで同人誌に出てくるゲスいおっさんのように、僕の身体が壊れてしまいそうになるほど激しく腰を叩き付け、吐精への道を駆け上るのだ。

  『たっぷり……たっぷり中出ししたるからな! トモはわしのもんや! わしの子種で孕ましたる!』

  そう叫びながらの抜き差しは、体が震えるほど興奮した。

  『イクぞぉぉっ!!』

  粘っこい白濁液が、どぷどぷと僕の身体を膨らませていく。

  体の内側を、おっさんの汚いザーメンで汚された感覚に浸る間もくれずに、犬のおっちゃんは逸物をずぶりと引き抜くと、満足したのか煙草に火をつけ息を吐いた。

  そして、当たり前のようにこう言うのだ。

  『次はいつ会える?』

  その日以来、僕たちはセフレという関係を持つことになったのだった。

  ☆

  「ほれ、何しとんねん。さっさとわしのちんぽ咥えんかい!」

  犬のおっちゃんは少し乱暴な感じで僕の頭を掴むと、ググっと股間へと押し付けた。

  そこにはすでに臨戦態勢の逸物が、先走りを垂らしながら僕を待ち受けていた。

  「……は、はい」

  漂う雄の匂いに、僕は唾を飲み込むと、舌先をゆっくりと亀頭に這わす。

  

  ぬちゅり。じゅるっ……。

  塩辛さと少し苦みのある透明な液体が、僕の口の中に広がる。

  それはすっかり覚えさせられたおっちゃんの味だった。

  くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ……。

  先走りを舐めとると、今度は亀頭を掃除するように動かす範囲を広げていく。

  その雄の味をじっくりと味わうために。

  だが、その遅々とした動きはおっちゃんのお気に召さなかったのだろう。

  「何をちんたらしとんねん。舐めてないで咥えてくれや」

  僕の頭をぐいぐいと押さえつけるのだ。

  うながされる僕は、大きく口を開けて、じゅぷじゅぷと亀頭を飲み込んでいく。

  子供の拳ほどもある先端は、正直咥え込めるようになるまでに、だいぶ時間がかかったが、今では当然のようにその行為をこなせるようになってしまっていた。

  「おお、ええで……」

  粘膜に包まれる感触に、おっちゃんは目を細める。

  それをもっと味わいたいとばかりに、ゆっくりと腰を上下させるおっちゃん。

  ぐちゅんっ、ぐちゅんっ……。

  「んっ、んん……」

  喉をえぐる感触にえずきそうになりながらも、僕は必死で喉を閉め、おっちゃんに喜んでもらえるように耐えるのだ。

  それでも、おっちゃんは満足できないのだろう。

  「ほれ、手を遊ばせたらあかん。もっとわしが気持ちよくなれるように、ご奉仕せんかい!」

  その言葉に僕は自らも顔を上下に揺らしながら、逸物に触れさせた両の掌を動かした。

  血管の浮き出た肉厚な竿をしごきたてたり、狸のようにぱんぱんに張った金玉を揉みしだいたり。

  じゅるっ、くちゅんくちゅんっ、さわさわさわ……。

  その刺激に先走りの量は増え、口の中の逸物がびくびくと震える。

  それに気づいて視線を上にやると、おっちゃんはイクことを堪えるように、歯を食いしばっていた。

  ……気持ちいいんだ。

  すでに調教され切った僕は、そんな姿を見るだけで嬉しくなってしまう。

  ……そうだ。

  気持ちよさそうなおっちゃんの顔を見て、僕は一つ悪戯を思いつく。

  こっそりと伸ばした人差し指を、その肉穴に触れさせたのだ。

  さわっ。

  その使ったこともないだろう、小さな蕾を優しく撫でてやる。

  「な、何をするんや!」

  狼狽したような顔をしたおっちゃん。

  後ろに意識がいってしまったせいで、前への注意がおろそかになり……。

  「ト、トモ! あ、あかん!」

  その瞬間、堪えていた股間がついに暴発してしまったのだ。

  「くそっ、漏れてまうっ!」

  どぷっ、どぷっ、どぷっ……。

  ……ああ、おっちゃんの子種だ。

  ごくっ、ごくっ、ごくっ、ごくっ……。

  まるでヨーグルトのように濃い雄汁を、僕は懸命に飲み込んでいく。

  当たり前のようにそれを飲み込むことも、犬のおっちゃんに教えられたことだった。

  「ぷはっ!」

  何とかこぼさずに喉に流し込んで口を離した僕を、おっちゃんは睨みつけていた。

  「おいトモ、何をすんねん! 1発目は雌穴にぶち込んだろうと思っとったのに……。こら、お仕置きやで」

  そう言うと、おっちゃんは僕の身体を抱き上げるとベッドの上に放り投げるのだった。

  ☆

  

  「狂わせたるからな」

  そう短く吐き捨てると、おっちゃんは僕の身体にむしゃぶりついた。

  そのざらついた舌を使って煙草臭い唾液を僕の身体に擦り付けていくのだ。

  

  じゅちゅっ、ぬちゅっ、じゅるっ、ぬちゅっ……。

  すっかりおっちゃんに開発されてしまった僕の身体は、その生温かい感触が這い回るだけで、歓喜に身を震わせてしまう。

  ぬちゃっ、ぬちゃっ……。

  愛撫というよりも、獲物の肉を味わうように、獣人はひたすら舌を動かす。

  僕の感じる性感帯をこれでもかと刺激しながら。

  

  「やっ♡、やっ♡!」

  泣きながら首を振る僕の身体を押さえつけて、おっちゃんはくぐもった声で囁く。

  「お仕置きや言うたやろ! ほれ、トモの好きな乳首も嬲ったる!」

  「ひぃっ!」

  ざりっ、ざりっ!

  ピンク色で慎ましやかな大きさをしていたそこは、おっちゃんの調教によってすでに色素沈着した木苺のような乳首に変貌を遂げてしまっていた。

  それを指先で乱暴に扱われてしまうのだ。

  「ほうら、たまらんやろうが」

  にやにやと笑いながら、おっちゃんは牙を剥き出しにして、乳首へと近づける。

  「だ、だめ……」

  「黙っとれ!」

  かりっ!

  その飛び出した木苺を、おっちゃんの牙が甘噛みする。

  「ひぃぃぃぃぃぃぃっ!」

  どぷっ。

  我知らず、逸物から汁が漏れた。

  「乳首弄られただけでイッてまうやなんて、いつの間にこんな恥知らずな体になってしもうたんかいな。ええ? わしにすっかり開発されてしもうて、もう別の雄には見せられないんと違うか?」

  「……」

  何も答えられない僕を見て、ゲスい顔をしたおっちゃんはにちゃりと笑う。

  「今日はお仕置きやからな。慣らしなしでぶちこんだる」

  「えっ!」

  ……あれだけ巨大な逸物を。

  怯えたような顔が、おっちゃんのお気に召したのか、股間の逸物が腹につくほど反り返った。

  「奥まで入れたるからな」

  「や、やだっ!」

  ベッドから逃げ出そうとする僕の身体を後ろから抱きしめると、獣人は耳元で言い聞かせるように呟いた。

  「ほんまに嫌なんか? トモのちんぽ、興奮して勃っとるで」

  「……」

  顎をしゃくったおっちゃんの視線先を見つめると、そこには全身が映る鏡が置かれていた。

  ……そんな。

  鏡の中には、ゲスい顔のおっちゃんに抱きすくめられて勃起している、若いニンゲンの姿があったのだ。

  「なぁ、興奮しとるやろ?」

  「そ、そんなこと……」

  必死に首を振る僕の肉穴にぴちゃりと触れるものがある。

  おっちゃんの肉棒だ。

  

  「……あっ」

  くちゅくちゅ……。

  嬲るように軽く腰を動かして入り口を撫で回されると、体の奥がじんと疼いてしまう。

  「ほれ、触れただけやのに、雌穴が欲しがってクパクパ口を開けとるで」

  「ち、ちが……」

  「わしのちんぽ欲しがっとるんやないか。……たっぷりご馳走したるからな」

  そう言うと、大柄な獣人は逸物を容赦なく押し付けてくるのだ。

  めりっ、めりっ、めりっ、めりっ……がちゅんっ!

  「ひぎぃぃぃぃぃぃっ♡♡!!」

  引き裂かれそうな衝撃に、僕は悲鳴をあげた。

  完全に埋もれてしまった、巨大な肉杭に、少しの痛みと、大量の快感を感じてしまう。

  そう、僕の身体はすでに当たり前のようにその巨大な逸物を飲み込むことが出来るようになっているのだ。

  「あ♡……あ♡……」

  「気持ちええでぇ」

  目を細めておっちゃんは笑う。

  「このまま壊れるまで犯したるからな」

  ぐちょんっ、ぐちゅんっ、がちゅんっ、どちゅんっ!

  抱きかかえたまま、僕の雌穴を後ろからえぐるおっちゃん。

  「ひゃぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  その太杭は膣襞を押し広げて、的確に前立腺を刺激する。

  「どうや、たまらんやろ。トモも全然萎えてへんやないか」

  そう言うと、右手を伸ばしたおっちゃんは、僕の逸物を掴む。

  「なっ♡!」

  「前と後ろから攻められたら、気持ちええぞぉ」

  にやけた顔でそう言うと、おっちゃんは右手を動かしながら腰を振る。

  がちゅんっ、ぬちゅっ、ごりごりごりごりっ、じゅちゅっ、じゅちゅっ、ぬこっぬこっぬこっぬちゅっ、ずりっずりっずりっ……。

  「んああああああああっ♡♡!!」

  おかしくなってしまいそうな快感に僕は身悶えすることしか出来ない。

  「おっちゃんっ♡! おっちゃんんんっ♡!!」

  びゅるっびゅるっ!

  何度もイカされているのに、前後からの刺激に萎えることが出来ないのだ。

  

  「くそっイクたびに締め付けるやないか。……わしも……イクぞぉっ!」

  びゅるるるるるるるるるるるるるるるっ!

  腹に吐き出される熱い粘液。

  それは僕に後戻りできないほどの幸福感を与えるのだ。

  

  「気持ちよかったやろ。まだまだこれで終わりやないで。もっともっと、いじめたるからな」

  

  ☆

  「ほな、また連絡するわ」

  仕返しとばかりにいつもより激しい交尾をした後、おっちゃんはベッドで痙攣している僕をおいてラブホを出ていった。

  いつものようにホテル代をテーブルの上に乗せて。

  「……」

  僕はそれを起き上がってぼんやりと眺めた。

  犬のおっちゃんと会うのは楽しかった。

  ああいう強引な感じのエッチは嫌いじゃないし、見た目だって好きな方だ。

  ……でも、僕たちは付き合っているわけじゃないから。

  僕らの関係はあくまでセフレ。

  二人が会えるのはラブホでだけなのだ。

  初めはそれでよかった。

  ゲスいおっちゃんに無理やり犯されて。

  でも、いつの間にかそれに物足りなさを感じてしまう僕もいた。

  贅沢なことを考えている自覚はある。

  それでも、僕はおっちゃんとちゃんとお付き合いして、エッチ以外の時間も一緒に過ごしてみたい。

  甘えたり、甘えられたりしてみたい……。

  でも、そんな事おっちゃんには言えなかった。

  きっと嫌われてしまいそうで。

  僕はもう、セフレ以上におっちゃんの事を好きになってしまったのだ。

  「はぁ……」

  ため息をつきながら僕は立ちあがると、のろのろと服を着てホテルを後にした。

  ☆

  「……」

  大学の講義を聞きながら、何とはなしにスマホをいじっていると、ケモッターのタイムラインに最近交流のある人の呟きがあがっていた。

  『昨日も、うちの嫁と濃厚交尾をしてやった。喘ぐ姿がたまらなくかわいい』

  尾上狼也というユーザー名のその人は、30代前半の獣人だった。

  かわいい狼のアニメ絵がアイコンとして使われているから、きっと狼獣人なんだろう。

  尾上さんは会社員の日常を綴ったその中に、付き合っている子との逢瀬の内容をよくケモッターにあげていた。

  どうも相手は僕と同じ年下のニンゲンらしい。

  尾上さんはその子が好きで好きで仕方ないらしく、ケモッターの中で『嫁』と呼んでかわいがっている様子を載せていた。

  『嫁のこんな表情がかわいい』

  『すねた顔を見ると抱きしめたくなる』

  『ちょっと素っ気ないところがたまらなく愛おしい』

  そんな、蜂蜜に砂糖をまぶしたような甘々の呟きを恥ずかしげもなくあげるのだ。

  ……うらやましい。

  初めてそれを見た時、僕は素直にそう感じてしまった。

  ……僕もおっちゃんとそういう関係になりたい。

  そう思うと、指先が勝手に動いて尾上さんをフォローしてしまったのだ。

  彼は優しい人でフォローを返してくれた後、DMで色々話しかけてきてくれた。

  SNSに慣れていない僕は、ついそれに甘えて色々と悩みを相談してしまったのだ。

  セフレである犬獣人に恋をしてしまっていることを。

  もちろん、身バレは怖かったからあんまり具体的なことは言えなかったけど。

  エッチはうまいけど、セフレが興味のあるのは僕の身体だけみたいだと書くと、尾上さんは少し悩んだように返事を返してくれる。

  『どうなんだろうね。頻繁に会ってくれてるというのは、やまとも君の事を気に入ってるんだろうけど。身体だけじゃなくて心の相性も良くなかったら、そんなに長続きしないんじゃないかな』

  やまともというのは、僕のユーザー名だ。

  山本直友というのが、僕の本名だから。

  『そうだといいんですけど……。尾上さんは相思相愛でいいですよね』

  『どうだろうね。嫁はけっこう素っ気ないところもあるし、どうもドライな関係が好きみたいで。まあ、そんなところもかわいいんだけどね』

  『今度はいつ会うんですか?』

  『そうだな、来週かな』

  『そうなんですね。僕も来週にセフレと会うんですよ』

  『そうなのか。よかったじゃないか』

  『はい、素直に嬉しいです。尾上さんもまたイチャイチャするんでしょ』

  『そうだよw 今回はちょっとしたサプライズをしようと思ってね。前に嫁にして欲しいと言われてた事を実行してやろうって。喜んでくれるといいんだけど……』

  『……うらやましい』

  つい、本音がこぼれてしまうのだった。

  ☆

  「あっ♡! あっ♡!」

  その日、いつものようにラブホに呼び出された僕は、おっちゃんに体を貪られていた。

  丸裸にされ、大柄で雄臭い体に抱きつかれ、愛撫され、嬲られて。

  すっかり調教されたこの身体は、おっちゃんに触られるだけで快感に喘ぐように変えられてしまっていた。

  指先と舌は僕の身体で淫らに踊る。

  

  ぬちゅっ、ずりっ、くちゅっ、ざりざりっ、くちゅんっ……。

  「んんんんんんっ♡♡!!」

  許容量を超える快感に僕はばたばたと体をよじらせようとするが、押さえつけるその大きな体はそんなわがままを許そうとはしない。

  ただひたすら嬲るのだ。

  汗を掻きながら僕の身体を自由にするおっちゃんの顔は雄そのものだった。

  ……僕はおっちゃんの雌なんだ。

  気がつくと、ふてぶてしい逸物を肉穴に押し込まれ、濃い雄汁を大量に中出しされることを僕は望んでしまっていた。

  与えられる堪えがたいほどの快感。

  肉襞と肉杭が混じり合い、一つになるような幸福感。

  子種汁で膨らまされる腹の感覚さえ、快感を伴っていた。

  だから僕は、いつものようにそれを待ち望んでしまうのだ。

  でも、今日に限って、なぜかおっちゃんは僕の中に入ってはくれようとはしなかった。

  普段は『トモはわしのもんや! わしの子種で孕ましたる!』なんて言ってくれるのに、指や舌で体を弄ぶだけで僕の肉壺にその肉棒を埋めようとはしない。

  ……おっちゃん。

  もどかしいほどの肉体の飢えに、僕の雌穴はキュンキュンと疼いてしまうのだ。

  ……入れて欲しい。

  ……おっちゃんに入れて欲しい。

  「お、おっちゃんっ♡!」

  喘ぎながらも切ない視線を送れども、おっちゃんは逸物で応えてはくれない。

  にやりと笑ったまま、愛撫をするばかり。

  僕の欲情を高めるだけ高めておいて、本当に欲しいものを与えてくれないのだ。

  僕が入れてくれと乞うのを、待っているのだろうか。

  「……」

  それを口にするのは恥ずかしかった。

  でも、言わなければおっちゃんは入れてくれないのだろう。

  ……それなら。

  羞恥心を感じながらも、堪えきれなくなった僕が口を開こうとした、そんな時だった。

  がちゃり。

  ……え。

  ラブホの扉が、鈍い音を立てて開いた。

  息を呑む僕の目の前に現れたのは、見たこともない、粗野な顔をした牛獣人だった。

  分厚いガタイのその人は、僕の方をニヤニヤと見ながら、見せつけるように服を脱ぐ。

  おっちゃんにも負けない濃い体臭が、僕の鼻まで漂ってくる。

  「な、なんで……」

  怯えたように顔を歪めてしまう僕は、その場から起き上がろうとする。

  だが、おっちゃんはそれを許してくれない。

  頭上に周り、その大きな体で僕を押さえつけながら、両足を掴んでM字に開脚させる。

  まるで肉穴を牛獣人に見せつけるように。

  「おうおう、まだ初々しい色してるじゃねえか。よしよし、今日は俺の逸物で、たんまりかわいがってやるからよぉ」

  のしのしと近づいてくる牛獣人の逸物は、すでに臨戦態勢だった。

  おっちゃんよりも太くて長い逸物は、僕の肉穴を狙って嬉しそうによだれを垂らしている。

  僕の中に入ってしまえば、その肉杭はおっちゃんよりも奥に突き刺さり、肉襞を刺激しながら僕を快楽で狂わせてくれるかもしれない。

  でも……。

  「やだっ!」

  僕は首を振って、なんとかその場から逃れようと暴れる。

  だが、おっちゃんの腕は、僕の体を離そうとはしない。

  「何を怖がってんのや。二人がかりで気持ちよくしたるからな。トモは気持ちよくよがっとったらええんや」

  「なんで……やめてぇぇぇっ!」

  僕の抵抗を見て、牛獣人は笑った。

  「なんだ、そういうプレイかよ。嫌がる雌を犯しちまうなんて、漲っちまうよなぁ」

  そう言うと、その太長い逸物をくちゅり、と僕の肉穴に押しつけた。

  おっちゃんのものとは違う熱が、皮膚に伝わってくる。

  「こいつを入れられちまったら、おかしくなるほど気持ちいいぞぉ」

  そうして、ゆっくりと力を入れていく。

  ……やだ。

  おっちゃん、やめて……。

  僕はそれが入ってこないように、必死に力を入れることしか出来ない。

  「なんだ、抵抗してるのかよ。心配すんな。入っちまえば気持ちいいからよ」

  舌なめずりをする牛獣人に恐怖しか感じなかった。

  僕に出来るのは、ただ泣きながらおっちゃんに懇願することだけだった。

  「やだぁっ! やだやだっ! おっちゃん、お願いだから! 助けてぇぇぇっ!!」

  力の限り暴れても、その腕から逃れることは出来ない。

  肉穴に感じる、牛獣人の逸物。

  それが少しずつすぼまりを突破しようと押し込められていく。

  ……やだ!

  ……いやだぁ!

  「おっぢゃん、おっぢゃんんん!、お願いします! お願いだからぁぁぁぁ!」

  「……お、おい、牛山。ちょっと待ってくれ」

  涙を流しながら尋常じゃない表情で抵抗しようとする僕を見て、おっちゃんはなぜか焦ったような顔で牛獣人に待ったをかけた。

  「なんだよ……」

  水を差されたと不満げに体を離す牛獣人。

  ……た、助かったんだ。

  僕は犯されなかった安堵感で、涙を流しながらおっちゃんに抱きついた。

  まるで子供のようにしがみつき、離れないとばかりに。

  「ひっぐ、ひっぐ……うえええええん!」

  後から後から流れる涙は、止まることはなかった。

  それを見て、今まで見せたことのないような困った顔をするおっちゃん。

  「なんや……。なんでそんなにこわがっとるんや……」

  「おっぢゃん……おっぢゃん……」

  離れまいとしがみつく僕を見て、おっちゃんは眉を八の字にする。

  「よしよし。大丈夫や、もうあんなことせえへんからな」

  なだめるように俺の背中を優しくぽんぽんと、何度も叩いてくれる。

  それでも、僕はそのボサボサの体毛に顔を埋めたまま、おっちゃんの体を決して離そうとはしなかった。

  「牛山、すまん。……ちょっと予定が変わってもうた。今日は無しにしてくれんか? この埋め合わせは、あとできっちりさせてもらうさかい」

  「はぁ? ……まあ、仕方ねえなぁ」

  その言葉に、牛獣人は落胆の表情を浮かべるが、ちょっと人の好い笑みを浮かべて諦めたように笑う。

  素直に脱いだ服を着るところを見ると、きっと悪い人ではないのだろう。

  「せっかく3Pが楽しめるって聞いたから来たのに、了承貰ってなかったのかよ」

  「まさか、拒否られるとは思うてへんかったんや」

  「きちんと埋め合わせしてもらうからな。……兄ちゃん、怖がらせて悪かったな」

  そう言い残すと、牛獣人は部屋を出ていった。

  残されたのは、困惑顔のおっちゃんと、泣きながらしがみつく僕だけ。

  「おっぢゃん……ひっぐ、……なんで、……なんでこんなこと……」

  他の男に、僕を犯させようなんて……。

  震えながら、声を絞り出す僕におっちゃんは逆に聞き返した。

  「それはこっちの台詞や、トモ。自分、前に言うてたんちゃうんか? 同人誌でこんなシーン見て興奮したって。汗臭いおっさん2人に犯されるのに憧れるって。せやから友達に頼み込んで来てもらったのに……」

  そうだ。

  初めて会った時に、僕はそんな話をしたのだ。

  「でも……」

  しゃくりあげながら僕は言う。

  「今は……ひっぐ……今はそうじゃない。僕、おっちゃんとしかエッチしたくないから……」

  好きな人としか、エッチなんかしたくない。

  そんな僕の顔を見て、おっちゃんは驚いたような表情を見せた。

  今までのゲスい顔は、作っていたと言わんばかりの素っ頓狂な顔を。

  「悪かった。もうこんなことはせえへんからな……」

  そう言って苦笑いすると、おっちゃんは僕の身体を強く抱きしめてくれた。

  僕はおっちゃんの分厚い体に包まれて、雄の匂いと体温を感じながら、気がつくとそのまま眠ってしまっていた。

  ☆

  目を覚ますと、ホテルの部屋におっちゃんの姿はなかった。

  テーブルの上には、いつものようにホテル代と、『すまん』とだけ書かれた書置きが置かれていた。

  「……」

  僕の方こそ、申し訳なくて穴があったら入りたい気持だった。

  おっちゃんはきっと、僕を喜ばせようとしてくれただけなのに。

  しかもエッチもしないまま、ただ泣いている僕を抱きしめてくれるだけで。

  「悪い事しちゃったな……」

  罪悪感と自己嫌悪を感じながら、スマホを開ける。

  ひょっとしておっちゃんから連絡が来てるかと思ったけど……それはなかった。

  「もう……会えないのかな」

  ……嫌われてしまったかもしれない。

  おっちゃんは、きっと性に貪欲なセフレが好きなだけで。

  拒まれてしまえば、もっと別の若いニンゲンを探そうとするかもしれない。

  そう考えると、いてもたってもいられなくなってしまう。

  ……おっちゃんに……おっちゃんに謝らないと。

  でも、自分から連絡を取る勇気はどうしても出てこなかった。

  

  ☆

  数日経っても、おっちゃんから連絡がこないままで。

  どうしようか悩んでいると、ケモッターで珍しくしょげた様子の尾上さんのつぶやきを見つけてしまった。

  『うちの嫁を怒らせてしまった……』

  僕はつい慰めたくなってDMを送ってしまう。

  『大丈夫ですよ。尾上さん、いつも優しいし。きっと彼氏さんも尾上さんの気持ちわかってくれると思いますよ』

  『そうかなぁ』

  『僕もちょうど、セフレからひどい事されそうになったけど、泣いたら謝って優しく抱きしめてくれて……』

  『よかったじゃないか、やまとも君』

  『でも、それから連絡がこなくて……』

  『そうか。……俺もそうなんだ。なんか申し訳なくてこちらからも連絡とれなくて……』

  『そうなんですね』

  『ああ……』

  お互いやり取りをしながら、どんよりとした空気になる。

  ……もっと直接色々話が出来たらいいなぁ。

  そうすればもっと色々相談できそうだし。

  僕も尾上さんの話を聞いてあげられるはず。

  ……確かわりと近い場所に住んでると言っていたし。

  『あの……』

  『なんだい?』

  『良かったら……一度会って話してみませんか?』

  ☆

  数時間後。

  僕は緊張しながら、待ち合わせ場所に佇んでいた。

  尾上さんは近いというか、どうやら同じ町に住んでいるみたいで、待ち合わせも意外と家から近かった。

  ……どんな人なんだろ。

  初めは彼氏さんの事を考えているのか、会うことに対して少し渋っていたものの、僕が、『おっちゃんにしか興味がないから大丈夫ですよw』書くと、それならと直接会って話をすることになったのだ。

  実際、いかがわしい気持ちなんて全然ない。

  ただ顔を見てお話してみたいだけなのだ。

  話を聞いてもらって、何かいい解決策が思い浮かべば。

  ……もう一度、もう一度おっちゃんに会いたいから。

  僕はそんなことを考えながら、尾上さんのが来るのを待つ。

  ……黒の帽子に茶色いコートで立ってますと伝えたから、僕だと分からないことはないと思うけど。

  そんな風に考えていた僕の頭上に、のっそりと大柄な獣人の影が差した。

  ……尾上さんかな。

  「黒い帽子と茶色いコート……。自分が、やまとも君やな?」

  「へ?」

  ケモッターで書かれていた標準語とは違う、どこか聞き覚えのある西の訛り。

  いや、聞き覚えのあるのは訛りだけじゃなく、その声も……。

  見上げたそこにいるのは、今まで見たことのないような爽やかな笑みを浮かべる、大柄で少しふっくらとしたとした、犬……いや狼獣人?だった。

  獣人らしく2メートルと大柄で、筋肉はあるけど少し肉付きのいいその身体。

  きれいに手入れされてふわふわとした毛並みと、甘い香水の香るその人は、僕の知らない、でも良く見知った獣人だった。

  『犬のおっちゃん』。

  「お、おっちゃん……?」

  「ト、トモ。トモやないか! なんでこんなとこに……」

  動揺したその姿には、普段見せるゲスい表情など微塵も感じられなかった。

  というか、表情だけじゃない。

  すべてがまるで別人のようだった。

  普段はボサボサで汗の匂いの漂うおっさん臭い獣人にしか見えないのに、今のおっちゃんは格好良くてなんならかなり若く見える。

  声を聞かなければ、少し似てるな、ぐらいで素通りしてしまうぐらいには違ってしまっているのだ。

  「おっちゃんこそ……」

  「わ、わしはケモッターで知り合った人と話をしようと……というかやまとも君って、トモの事なんかいな?」

  「うん……」

  お互いに呆然としたまま見つめ合うことしか出来ない。

  ……えっ、じゃあ、尾上さんが『犬のおっちゃん』って事?

  ていうか、ケモッターの標準語はなんだったんだ……。

  僕は何とか声を絞り出し、尾上さん……いや、おっちゃんを問い質す。

  「『犬のおっちゃん』って……。犬獣人じゃなかったんですか?」

  「そんなもん冗談に決まっとるやろ。どこから見ても狼やないか」

  「……」

  ぼさぼさの体毛だと、犬にしか見えなかった……。

  半眼で見つめる僕に対して、きまり悪そうな顔をするおっちゃん。

  「そりゃ、ちょっとは犬に似てるのは自覚しとるから、冗談めかして、『犬のおっちゃん』なんて名前を使ったけど……まさか気づいてないとは思わんかったわ」

  ……その違い、獣人慣れしてない僕にはわかりません。

  「あれだけラブラブとケモッターに書いておきながら、結構荒っぽいエッチしてたよね……」

  「何を言うてんねん! 初めに会うた時に、よごれのおっさんに無理やり犯されたい言うてたやんけ。せやからトモに会う前は風呂にも入らんとボサボサで汗臭いままで会いに来てたんや。おかげで交尾する前日なんか、会社の奴らに白い目で見られてたんやで」

  「……」

  

  ……そんなこと。

  あれが普段のおっちゃんだと思ってた。

  「じゃあ、おっちゃんがケモッターで『嫁』って書いてたのは、僕の事なの?」

  「当たり前やないか。交尾のたびにわしのもんやって宣言しとるやろ」

  「……」

  思わず顔が赤くなる僕。

  言われてみれば確かに、エッチのたびにそんな事を言っていたような気がする。

  その場のノリだと思っていたんだけど……。

  「それより、セフレってわしの事か。……凹むなぁ。トモはわしの事そんな風にしか思ってなかったんか」

  がっかりしたような顔をするおっちゃんを見て、僕は慌ててしまう。

  「だって、エッチ以外はあんまり連絡とってくれないし……一緒にデートしてくれないし……」

  「そんなもん、自分から言わんと分らんやないか! わしはそういうドライな関係が好きかと思っとったから、声をかけんようにしとったのに……」

  「そんなことない。いっぱい一緒にいたいし、優しいエッチもして欲しい……」

  思わず呟いた僕の言葉に、おっちゃんはにやりと笑う。

  「ほな、お望み通り今日は優しいエッチをしたろうやないか。セフレやなしに、恋人同士みたいにな」

  「わわっ、ちょ、ちょっと……」

  そう言うと、おっちゃんは僕の身体を楽々抱き上げ、横抱きしたまま歩き出した。

  ☆

  「おっちゃん、恥ずかしい……」

  まるで羞恥プレイのように僕をお姫様抱っこしたままの狼獣人は、そのまま街を歩いてラブホまで連れ込んだ。

  ……もう街を歩けない。

  誰か知り合いに見られていたら、どうしたらいいのか。

  そう、泣きそうな顔をしている僕を見て、おっちゃんは笑う。

  「なんちゅう顔をしてんねん。ええやろ、トモはわしの『嫁』なんやから。それとも、こんなおっちゃんのもんになるの、嫌か?」

  その言葉に、僕は慌てて首を振った。

  「おっちゃんのものになりたい……」

  にやりと笑う狼獣人。

  「ええで。今日こそは、ちゃんとわしだけのもんやってわからしたるからな」

  そう言うと、おっちゃんは僕の身体をベッドの上に優しく降ろし、その唇にマズルを重ねる。

  いつものように強引ではない、甘い甘いくちづけ。

  貪るようなそれとは違い、じっくりと粘膜同士が溶け合うようなキスに、僕は心をとろけさせてしまう。

  「おっちゃん……好き……」

  「こんな時までおっちゃんかい」

  苦笑いする狼獣人。

  「旦那の名前くらい、ちゃんと呼んでくれや」

  「狼也さん……」

  僕が小さく呟くと、おっちゃん……いや、狼也さんは優しく微笑んだ。

  「大好きやで、トモ……」

  そう言いながら啄むように何度も何度もキスを重ねる。

  そんな優しい狼也さんも、その指先は犬のおっちゃんと呼んでいた時と同じように巧みに動いて僕の肌をあらわにするのだ。

  「かわええなぁ。本当はな、こうやってイチャイチャしたいなぁとは思ってたんやで。そりゃ、いつもの激しい交尾も悪くないけど」

  そう言うと、狼獣人は悪い顔をして笑う。

  「喘ぐトモの顔は、たまらなくそそられるからな」

  「……」

  顔を真っ赤にする僕を見て、狼也さんは囁きかける。

  「いっぱい気持ちよくなろうな」

  その指先が、僕の身体の上で踊る。

  いつものようにねっとりとした愛撫。

  でも、いつも以上に高揚してしまうのは、その動きに愛があることに気づいてしまったからか。

  肌を撫で、さすり、じっくりとその感触を味わっているうちに、そこは感じやすい性感帯へと変わっていくのだ。

  「あっ♡! あっ♡!」

  僕は声を抑えることもなく、甘えるように淫らな声を狼也さんに聞かせた。

  「狼也さん♡……狼也さん♡……」

  「くそ、たまらん……トモがわしの名前を呼んでくれるやなんて……」

  澄んだその目が獣欲で濁る。

  「なあ、トモ。入れてええか? わし、もう我慢できん……」

  哀願するようなその顔を見て、僕は頷く。

  「入れて……狼也さんの入れて欲しい……」

  ごくりと唾を飲み込んだ狼獣人は、今まで見せたことないほど硬く膨れ上がった肉杭を僕の肉穴に押しつけた。

  「まだ慣らしてないけど……入れてまうで」

  ぐじゅりっ、めりめりめりめり……。

  「うぅっ……」

  ゆっくりと押し込まれる肉塊に、僕はうめき声を上げた。

  正直、痛みはあった。

  でも、それすらも嬉しかったのだ。

  大好きな人と心から繋がることができた証拠のようで。

  そんな僕の気持ちなど、手に取るようにわかるのだろう。

  狼也さんは僕の痛みがおさまるまで、じっと動かずにいてくれた。

  僕の頭を撫でながら、バードキスを繰り返すのだ。

  やがて僕の身体から力が抜けるのがわかると、狼也さんはゆっくりと腰を動かしてみせた。

  ぬこっ、ぬこっ、ぬこっ、ぬこっ。

  「あっ♡!」

  いつものような激しさはなく、ただ慈しむような動き。

  それが、僕には嬉しかった。

  ゆっくりとしたその動きで、狼也さんの逸物の形がはっきりと感じられるから。

  熱き漲った肉杭は、僕の身体を欲しているのが、よくわかった。

  「気持ちええか?」

  「……うん」

  僕は素直に頷いた。

  「そうやな、トモも興奮しとるんか。いつもよりキツキツやで」

  にやりと笑う狼獣人。

  「肉襞がえらい絡みついてくるやないか。わしの子種が欲しい言うて」

  「……ほ、欲しいです」

  僕はつい、本音を漏らしてしまう。

  「狼也さんの子種、欲しいです……」

  「……」

  その瞬間、狼獣人の顔が真っ赤になる。

  「お、大人をからかいやがって……。優しくしようと思ったけど、もう辛抱たまらん! トモの雌穴にわしの種を仕込んで、ガキを孕ませたる!」

  ずごんっ!

  「ひぃっ♡!」

  優しかった愛撫が嘘のように、激しい一撃が僕の肉穴を穿つ。

  ごりごりごりごりっ!

  「あああああああああっ♡♡!!」

  僕は淫らな悲鳴をあげた。

  その肉杭は僕の身体を打ち壊すように押し進められてしまうのだ。

  「ん”ん”ん”ん”ん”ん”ん”っ♡♡!!」

  まるでピンで留められた昆虫採集の虫のように、僕は身動きすることが出来なかった。

  体の中で渦巻く快感をただ受け止めることだけで精一杯だったから。

  だが、そんな僕を見ても、獣欲に支配された狼獣人は動きを止めない。

  それどころか、ただ己の欲望を僕の小さな体に叩きつけるためだけにがっしりと抱き込むと、凄まじい勢いで抜き差しを繰り返すのだ。

  「トモっ! トモっ!」

  ばちゅんっ、ごりっ、ごりっ、ごりっ、ぬちゅんっぬちゅん、こりこりこりこり、じゅちゅじゅちゅじゅちゅじゅちゅ、くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、どちゅんっ、どちゅどちゅどちゅ、じゅりゅんっ!

  「狼也さんっ♡! 狼也さんんんっ♡♡!!」

  がちゅんっ、ばちゅんっ、ずこっずこっ、めりめりめりっ、がちゅんっ、ごりっごりっごりっごりっ、がんがんがんがんがんがんがんがん!

  「やぁぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  泣き叫んで名前を呼んでも、その動きは止まることなどないのだ。

  体が壊されてしまいそうな衝撃に、僕は繰り返し絶頂することしか出来なかった。

  びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるっびゅるっ、びゅるっびゅるっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるっ!

  「なんでぇぇぇぇぇぇぇっ♡♡!!」

  イッてイッてイキまくって、それでもなおイキ続けてしまうのだ。

  ただただ恐ろしいほどの快感が、僕の身体に押し寄せる。

  その荒波にもみくちゃにされながら、僕は喘ぎ声をあげることしか出来なかった。

  「トモっ、トモっ! 大好きやで! 大好きなんやっ!」

  ぐちゅんっ、ぐちゅんっ、ぐちゅんっ、ぐちゅんっ、ばちゅん、ごりっ、ごりっ、ごりごりごりごりごりごりごりごりごりっ、ぐちゅり、ぐちゅり、ごちゅんごちゅんごちゅんごちゅんっ!

  「狼也さん♡! 狼也さぁぁぁんっ♡♡!!!」

  激しい抽挿に、僕の粘膜は赤く爛れてしまっていただろう。

  それでも、そこには甘い快楽しか存在しなかった。

  僕はもう、狼也さんの子種を受け止めるだけの雌でしかないのだ。

  ぎりりっ。

  

  「んんっ♡!」

  その牙が僕の肩に食い込み、まるで所有物だとばかりに痕をつけたとしても、それでも感じるのは快感だけ。

  本能が、己の雄の与えてくれる刺激のすべてを、快感だと変換してしまっているのだろう。

  どちゅんっ、ごちゅんっ、どちゅんっ、どちゅんっ、ばちゅんっ、ぐじゅりっ、ごちゅりっごじゅんっ!

  その肉棒は、絡みつこうとする肉襞を乱暴に引き剥がすと、また奥まで叩き込む。

  ひたすら快楽を僕の身体に刻みつけるように。

  その度に僕の脳はゾクゾクと感じる快感に震えてしまう。

  朦朧となる僕の後頭部を掴むと、狼也さんはマズルを重ね、僕の唇を貪る。

  僕は必死に舌を絡め、流れ込んでくる唾液を飲み込んだ。

  その間も、腰の動きは止まることがない。

  じゅちゅんっ、ばちゅんっ、ばちゅんっ、ごりごりごりごりごりっ、ぐじゅりっ、ずるりっ、ずるずるずるずるっ、がちゅん、ぐちゅり、ごちゅん、ぐちゅん、ぐじゅり、ぐじゅっ、ぐじゅっ!

  「……っ♡! ……っ♡! ……っ♡! ……っ♡!!」

  亀頭で殴りつけるような叩きつけに、口づけで声を出すことすら許されない僕の身体に、許容量を超えた快感が蓄積されていく。

  そしてそして溜め込まれた快感が、不随意運動として僕の身体をおこりのように痙攣させるのだ。

  そんな僕を見て、狼獣人は口を離すと、雄叫びをあげる。

  「トモ、トモ、トモぉぉっ! お前はわしのもんや! 誰にも渡さへんからなぁぁぁ! イクぞぉぉぉぉぉっ!!」

  どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ……。

  「しゅ、しゅごいぃぃぃぃぃぃぃぃっ♡♡!!」

  己の雌を孕ませたいと思う雄の本能なのか、今までとは比べ物にならないほどの粘りのある熱いザーメンが、僕の雌穴に大量に流し込まれてくる。

  肉襞を焼き尽くすように熱い雄汁は、決して逃がさないとばかりに、襞の隅々にまで浸透して、快感と共にその痕跡を残そうとするのだ。

  僕の身体は、もう他の雄では満足できない体になってしまっているに違いない。

  ……もう、狼也さんがいないと生きていけない。

  そんなことを考えながら、僕の意識は遠くなっていくのだった。

  

  ☆

  「なあ、一緒に暮らさへんか?」

  情事の後の煙草の味に目を細めながら。狼也さんは目を覚ました僕にそんなことを言い出した。

  「えっ」

  驚いた顔の僕を見て、狼獣人は笑う。

  「もう、トモのこと手放したくないんや。目を離したすきに、今日みたいにふらふらよその男に会いに行ったりしそうやし」

  「ろ、狼也さんこそ!」

  僕は顔を真っ赤にして反撃する。

  「わ、わしは困っとる若者の話を聞いてやろうと思っただけや」

  「そんな事言って、かわいい子だったら襲ってやろうと思ったんじゃないですか?」

  「あほなこと言うな! わしはトモ一筋なんや!」

  きっとその通りなのだろう。

  あのケモッターの呟きを見れば、それはわかる。

  「あの……いいですよ」

  「んん?」

  「だから、一緒に暮らすの」

  僕の言葉に、喜色満面の笑みを見せる狼也さん。

  「ほ、ほんまか!」

  「はい」

  微笑んだ僕に、その大柄でぽっちゃりした狼獣人は決して離さないとでもいうように抱きついたのだった。