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君たちは牧場で一番働き者のお馬さんたち!

  青々と生い茂る牧草の上に寝そべって、気持ちよさそうに小さないびきをかいて眠っていたあなたは、ふと目を覚ましました。そして、四つの足でゆっくりと起き上がります。

  あなたが目覚めた理由は、小腹が空いたからです。あなたは首を下げて、口元を地面に生える牧草に近づけました。そして、それを噛みちぎって咀嚼し始めます。何度も何度も、あなたは食欲に従って、調理どころか洗われてさえいない牧草を口にします。

  (こんなにいっぱい食べ物があるなんて、今の生活は本当に幸せだなあ)

  あなたが立っているこの場所は、青空の下に広がるのどかな牧場です。あなたの目に映る厩舎や柵に囲まれた草原には、あなたの不安を掻き立てるものは何もありません。

  あなたは今の生活を、幸福そのものだと感じています。口の中に広がる牧草の青臭ささえ、かつて人間として口にした料理よりも美味しいと、心の底から思っています。そして、人間から家畜に変えられた事についても同様です。

  今のあなたはただの、艶めく栗毛に覆われた一頭の牝馬です。今のあなたの名前は「牝馬159番」です。あなたには人間としての名前がありましたが、性別と番号だけを意味する今の名前に誇りを抱いています。

  ここはかつて、人間の王が統治するお城と大きな城砦に囲まれた都市国家がありました。しかし、魔王の侵略によって、そこに住む者たちは一人残らず家畜の姿に変えられ、お城そのものは牧場へと変えられました。

  そのお城の兵士長だったあなたもまた、魔王の魔術によって人間から馬に変えられました。もちろん、あなただけではありません。あなたの部下の兵士たちも、あなたが守りたかった城下町の人々も、あなたが忠誠を誓った王族たちも、今はただの、魔王の下っ端に世話をされているただの動物です。そして、以前は堅牢な要塞都市として名高かったここは、ただの穏やかな小高い丘にあるなんの変哲もない牧場です。魔王の魔術の前では、あなたを含めて誰もが無力でした。

  あなたは、あの日の事を思い出しました。あの時のあなたは、天井を破って玉座の間に降り立った魔王に対して、足が震えながらも槍を構えました。力の差は歴然というよりも、絶対の摂理に近いものがありました。創世神話に登場する創造神に匹敵するという魔王族、その当代である現魔王グルーオーゼノに、たかが一城の兵士長ごときが敵う相手ではないのは明らかでした。

  しかし、あなたはあなたの左右へと視線を向けました。あなたの横には、あなたと同じように魔王へと対峙する決意を顔色として浮かべた、生まれながらにして魔術に長けたこの国の王女セアラと、この世界に何人か存在している勇者の一人で偶然この国に滞在していたテレンスが、魔杖や剣を構えました。

  「兵士長、無駄に命を散らす必要はありません。そして、勇者テレンス様も」

  セアラは横目で、あなたと勇者テレンスを窺いました。普段は温和で物腰が柔らかい王女の、長い黒髪に彩られた顔つきは真剣そのものでした。その理由は、深く考えずとも理解できます。セアラはここで、国の模範としての行動を全うするつもりなのでしょう。

  「ここで背中を見せたら兵士の恥ですよ、姫様。最後までおともします」

  あなたはあえて強がる事も含めて、冗談めかして返しました。公でない場においては、ほぼ同い年であるあなたと王女は友人のような間柄です。セアラがその言葉を耳にした瞬間、彼女の目尻に小さな輝きが浮かび上がりました。

  「兵士長、ありがとう……勇者テレンス様。ここは私たちが引き受けます。休息で寄っただけの街に、義理立てする必要はありません」

  「そうですよ、勇者様。こんな奴、あたしたちだけで十分です」

  あなたとセアラの呼びかけに対して、あなたたちとそれほど歳が離れていない勇者テレンスは短く鼻を鳴らしたのち、銀髪の下の笑みを深めました。

  「こうなるかもしれない事は、旅に出る時に覚悟した。俺だって勇者と呼ばれる者の一人だ。それに」

  「それに?」

  「若い女性を二人も置き去りにして逃げ出したなんて、そんな事を吟遊詩人に歌わせるわけにはいかない」

  あなたたちはお互いに見つめ合い、そして頷き合いました。たとえ八つ裂きにされるだけだとしても、この世界への侵略を進める魔界の悪の化身に背を向けて逃げ出す事はできません。たとえあなたたち三人が生み出す事ができる猶予が一瞬だとしても、その一瞬で一人でも多くの民が無事に街を脱出できるかもしれません。

  あなたが兵卒から始めて様々な役職を経てついに歴代の中で最も若く兵士長になったのは、単なる出世欲ではありません。かつてはならず者だったあなたが跪いて王と王家に忠誠を誓ったのは、単なる保身ではありません。この手で守りたいものができたからです。

  あなたたち三人はそれぞれの得物を構えながら、雄叫びとともに魔王へと迫りました。あなたたちの叫び声をかき消すかのように、魔王が咆哮しました。それを聞いたあなたは、急に意識が遠のいていきました。そして目が覚めると、守護者としての手は蹄の前足に変わっていました。

  (いっぱい食べなきゃ。いっぱい食べて、元気な牝馬であり続けないと)

  あなたは馬としてヒンヒンと短く鳴いて鼻息を荒くしながら、一心不乱に牧草を食べ続けます。今のあなたの「職務」は、「馬である事」と「馬として働く事」です。その為には、日頃からの心がけと行動が欠かせません。艶めいた栗毛の毛並みも、肉づきのよい太もももお尻も、そんなあなたの立派な努力の賜物です。

  家畜に変えられたあなたが、今の生活に慣れるのに多くの時間は必要ありませんでした。それはあなただけではなく、他の者も同様でした。

  家畜に変えられた誰もが、家畜に変えられた事で、家畜としての尊厳と安寧を手に入れました。もう、かつての要塞都市の誰もが、暮らしの不安や来るべき脅威に怯える日々を送らなくてもよいのですから。魔王軍の進撃が人間側の連敗で続いている事や、物資到着の遅れが長くなっている事など、もう誰にとっても過去の出来事です。今なら笑い話にだってできます。

  人々を獣に変えた魔王グルーオーゼノは、かつての人間たちをよい意味で人間扱いしませんでした。自らに刃や魔術を向けた事を赦したどころか、「お前たちの命は、魔王たる私の名の下で必ず保証する。お前たちに対する全ての責任を私が負う。是非とも我が軍の食料基盤と生産基盤の一部を担ってほしい」と申し出ました。その謙虚な姿勢に、卵用鶏に変えられた者も、乳牛に変えられた者も、そしてあなたを含めた労働馬に変えられた者も、全員が天に顔を向けて大きな鳴き声を上げる事を答えとしました。

  あなたは、そして誰もが日頃から、家畜として大切に扱われています。あなたは馬として週六日の内、四日は牧場内外の運搬作業に従事しています。必ず二日は休暇として、今この時のように牧場で気ままに過ごしています。

  この牧場では、家畜の世話を魔王軍で最も階級が低い魔物であるゴブリンが担っています。あなたの世話係がいたずらにあなたのお尻を叩き、それに怒ったあなたが世話係を後ろ足で蹴り飛ばしても、世話係の報告を受けたゴブリンのまとめ役は「大切な家畜にちょっかいを出す方が悪い」と涙目の部下を叱責します。そのくらい、魔王の言葉に嘘はありませんでした。

  この牧場の家畜の全員が、この世界の全ての人間が魔王の配下として家畜になる事を望んでいます。それが実現すれば、人間同士の醜い争いや小賢しい陰謀は消滅するでしょう。人間として国ごとに分断された世界に生きるよりも、家畜として魔王に仕える事こそ幸福そのものです。人間だった頃に耳にした噂と違い、「魔界を統べる王」という意味の名を持つ今の君主は、あなたから見て王の器として申し分ない存在です。

  牧草を食んでいるあなたは、不意に便意を催しました。頭を上げて、あなたは周囲を見渡します。この囲いの中には、あなたの他にも多数の、かつては人間だった馬がいます。

  (ねえ! あたし、糞がしたいから、誰か糞の出し比べしてよ!)

  あなたの呼びかけに対して、何頭かの馬があなたに顔を向けました。しかし、その表情は苦笑いでした。

  (私じゃ159番の相手にならない。遠慮するよ)

  (悔しいが、並みの牡馬じゃお前に勝てんよ)

  そう言いながら、彼ら彼女らはあなたから遠ざかっていきます。あなたは再度ヒヒーンと、馬としての言葉を乗せながら叫びました。

  (もう漏れちゃいそう! 誰か勝負してよ! あたしに勝てる自信があるなら、さ!)

  馬は種族の特徴として、便意を長く我慢する事はできません。あなたの馬としての大きなお尻の間にある穴からは、茶色の馬糞の先が顔を覗かせていました。

  あなたのように、馬に変えられた者に対する気分転換として、日々の毛並みへのブラシがけや水浴び、給餌として与えられる季節の野菜や果物、週に一回の徒競走が設けられています。しかし、それだけでは退屈を埋める事はできません。家畜としての安定した暮らしは、人間としての娯楽を失う事が対価でした。

  それを少しでも補う為、馬に変えられた者は何かにつけて排便の量を競います。家畜の中でも一二を争うほどの体格を持つ馬は、それを維持する為に一日に大量の食事を摂取し、その体内で絞り取ったあとのものを糞として大量に排泄します。

  つまり、この牧場の馬にとって、糞の量を競うのは人間にとっての腕相撲のようなものです。排泄を見られる羞恥心は、家畜として魔王に忠誠を誓ったあの日に消えました。あなたを含めたこの牧場の家畜全員が、残された生涯を獣として過ごす事を望んでいます。家畜は排泄を恥ずかしがったりしません。むしろ、自分のお尻の穴から出たものがよい堆肥の材料になる事に誇りを感じています。ちなみに、あなたが耳にした牧場内の世間話によると、鶏舎の卵用鶏たちは卵の個数を、牛舎の乳牛たちは乳の量を競っているそうです。

  (159番さん、今日こそは負けませんよ。一番の座は私が頂きます)

  (俺を呼んだか、159番? 挑戦はいつでも受けて立つぞ)

  あなたの前に、自信に満ちた顔つきの黒鹿毛の牝馬と芦毛の牡馬が一頭ずつ、ヒンヒンと馬の言葉を口にしながら現れました。今のあなたの親友であり、仕事仲間であり、よき意地の張り合い相手でもある、「牝馬63番」と「牡馬205番」です。

  63番と205番は、かつてはあなたとともに魔王へと対峙した王女セアラと勇者テレンスです。しかし、今のあなたたちの仲に過去の身分は関係ありません。今のあなたたちは、魔王を慕うただの家畜であり、ただの馬なのですから。

  (やっぱり来てくれると思った! だけど、今日も勝つのはあたし!)

  その言葉通り、あなたはこの牧場の馬の中で負け知らずです。人間であった頃から、体づくりとして比較的多くの食事を摂っていたおかげでしょう。しかし、あなたの挑発に対して、63番と205番の笑みが消える事はありません。

  (かつての王家の模範として、いつまでも159番さんを一番にしておくわけにはいきません。私だって今は立派な牝馬です!)

  (俺もだ。かつての勇者は牡馬になっても、挑まれた勝負は受けて、そして勝つ!)

  63番と205番は、あなたの左右に横一列になって並びました。63番も205番もあなたと同じく労働馬なだけあって、その体つきは華麗に引き締まっています。あなたは、左右の二頭の体温を感じ、太ももやお尻の一部は実際に触れ合っています。あなたは鼻を鳴らして大きく息を吸いました。

  (それじゃあいくよ……ふんっ!!)

  (んんっ!!)

  (むんっ!!)

  ぶりゅ!! ぶちちちちちちちちち!! ぼとぼとぼと!! ぶぼっ!! ぶりゅりゅりゅりゅ!! ぼとぼとぼと!!

  あなたのかけ声であなたたちは一斉に力むと、あなたたちのお尻の穴から一斉に馬糞が溢れ出て、地面に落下していきます。馬としての長い面持ちの先の鼻に、馬糞の生温かく湿った便臭が届きます。人間であった頃は、その音や臭いを「汚らしい」と感じていました。しかし、今のあなたたちにとってはそれは、あなたたちの鳴き声や足音と同様に「生きている上で当たり前の音や匂い」です。

  (んん〜! やっぱり馬として糞をするって気持ちいい〜!)

  (んあ〜! 気兼ねなく糞をできるというだけで馬になった価値がありました〜!)

  (んお〜! 馬としてこのままずっと糞を出していたい気分だ〜!)

  お腹の中に溜まっていたものがお尻の穴から出る快楽に、あなたも63番も205番も、青空を見上げて甘い吐息を漏らしながら半ば叫びました。そんなあなたたちの光景を、柵の中にいる他の馬たちは誰も囃し立てたり嘲笑ったりしません。それは、馬にとってごく当たり前の行動だからです。

  それから、あなたたちはお互いに距離を微かに取りながら前進したのち、体の向きを翻しました。そして、牧場の地面に山盛りになった三つの馬糞に視線を落とします。

  (やった! やっぱりあたしが一番多い!)

  (今日こそ勝てると思ったのですが……)

  (悔しいが、認めざるを得ないな……)

  あなたは前足を掲げて二本立ちになり、全身で喜びを表現しました。あなたたちが出した馬糞の量の多さは、あなた、63番、205番の順でした。

  (あたしが一番多かったけど、いつもあたしと勝負してくれる63番と205番のおかげでもあるよ! ありがとう!)

  体勢を戻したあなたは、63番と205番の顔を見て笑いかけました。あなたに同じもので返す63番と205番の表情にも、一点の曇りもありません。

  (こちらこそ! 159番さんと205番さんのおかげで、いつも張り合いがあります!)

  (俺もだ! それじゃあ、159番、63番、次の勝負は昼の餌のあとか?)

  あなたたち三頭は、ヒンヒンと笑い合い、そしてお互いを名馬として讃え合いました。

  [newpage]

  (二頭とも、牧場までもう少し! 力を合わせて頑張ろう!)

  そう言ってあなたは、あなたの左右にいる63番と205番を励ましました。あなたたち三頭の体には、うっすらと汗が浮かんでいます。

  (あっ!)

  ぶぴっ! ぼとっ!

  あなたが後ろ足に力を込めて前進した拍子に、それによってあなたのお尻から糞が漏れ出して農道の地面に落ちました。ここで糞を出してしまうと、いつもの出し比べの時に量が減ってしまいますが、馬であるあなたは便意を強く我慢する事はできません。

  (今日はいつもより重いですね! ああ、私も力むと糞が出てしまいます!)

  ぶぷっ! ぼとっ!

  あなたの左隣で舌の上を横切る馬銜を噛み締めている63番もまた、馬としての大きなお尻の合間から糞を落としました。しかし、あなたたちはただの馬なので、もちろんそれを恥ずかしがる様子はありません。

  (牝馬に負けていられないな! さっさとこんなもの運んでしまおう!)

  ぶりっ! ぼとっ!

  あなたの右隣でヒヒンと短くいなないた205番もまた、汗ばむ筋肉質のお尻から脱糞しました。牡馬である205番にとっても、今日の仕事は苦労のようです。

  今日のあなたたちが仕事として引いている荷馬車は大きく、重く、あなたたちは横一列になって、体に巻かれた運搬馬用の馬具に紐で繋がれている馬車を懸命に引いています。これを魔王軍の運輸中継基地から牧場の隣に広がる農園まで運べば、今日のあなたたちの仕事は終わりです。しかし、今はその道のりの半分にも差しかかっていません。

  「駄馬ども! 馬糞ばっかりしてないで、もっと速く進め!」

  あなたたちの手綱を握る馭者台のゴブリンが、あなたたちに向かって半ば怒鳴るように声を荒げました。魔王の命令により家畜に鞭を振るう事を許されていないので、ゴブリンたちはこのように大きな声で指図します。

  (言われなくたって、あたしたちみんな努力してるって!)

  (そんなに早く仕事を終わらせたいなら、あなたも手伝ってください!)

  (これ以上強い言葉使うなら、お前の上に報告するぞ!)

  あなたたちは歩みを止めずに小さく振り返りながら、ヒンヒンと馬の言葉でゴブリンの馭者に口答えします。自分たちの仕事が必要以上に理不尽な時は抗議してもよいと、家畜たちは魔王から許されています。

  「お、脅したって無駄だぞ! オ、オイラのまとめ役が、な、なんだって言うんだ……!」

  (そんなに狼狽えるなら、最初から言わなきゃいいのに!)

  (159番さんの言う通りです!)

  「う、うるさい! お、おい!? あれはなんだ!? ほら、オイラたちの上の空の!」

  (話を逸らすな! 俺たちにそんな子供騙しは効かないぞ!)

  「嘘じゃない! お前たちもちゃんと見てみろ!」

  馭者のゴブリンに促されて、あなたたちは鼻先と視線を空に向けました。あなたたちの上には、青空の中で旋回している三つの点があります。

  (ねえ、今日は魔物の指揮官の誰かが牧場に視察に来るって聞いてる?)

  「オイラはそんな話聞いてないぞ!」

  あなたたちが見上げる空で、三つの点が徐々に形を帯びていきます。大きな翼にたくましい四肢。それらから察するに、魔王軍の魔物である事は間違いなさそうです。

  (ちょっと待ってください!? あの七色の毛並みはもしかして!?)

  (えっ!? 嘘!? なんでこんな牧場に!?)

  (二頭とも落ち着くんだ! と言っても、俺もどうしたらいいか分からない!)

  「お、お前たち! オイラはどうしたらいい!?」

  (それはこっちが聞きたいよ!)

  ぶりゅ! むちっ!

  ただの馬であるあなたたちは突然の出来事に驚きを隠せず、今度はお尻に込めていた力をつい緩ませてしまった事により馬糞を漏らしてしまいます。ゴブリンの馭者もまた、それを咎める余裕はありません。

  あなたたちが狼狽している間に、虹色の毛並みを持つその魔物は、従者である梟の上半身を持つグリフォンと隼の上半身を持つグリフォンを引き連れて、急降下を始めました。四つの足が地面に着く直前で力強く羽ばたき、降下の速度を相殺します。あなたたちはそれによって生まれた突風を避けるように、瞼を半ば閉じて顔を逸らしました。

  風が凪ぐと、あなたたちは正面に顔を向けて、あなたたちの前に降り立った魔物を見て改めてひどく動揺しました。あなたも63番も205番も、急いで馬としての長い首を下に向けてこうべを垂れます。あなたが横目で窺うと、ゴブリンもまた馭者台の上で片膝をついて礼を示しています。

  「殿下。恐縮ながら再度申し上げますが、この後は南方侵攻の将軍会議です。時間はあまり多くありません」

  「うん、分かってるよ、爺や! それでも僕に時間を作ってくれてありがとう!」

  七色の毛並みの魔物の横に立つ梟のグリフォンが、彼にそう投げかけ、彼はそれに対して感謝を述べました。清らかであろう性根の片鱗が察せられるその態度は、「父親」の血筋と教育の賜物なのでしょう。

  「僕にお辞儀してくれるのはとっても嬉しいけど、お顔を上げてほしいな!」

  そう促されて、あなたたちはゆっくりと、おそるおそる頭を持ち上げました。あなたたちが視線を向けると、ただの家畜であるあなたたちへと「殿下」が優しく微笑んで見下ろしていました。

  あなたたちの前に現れた虹色の魔物は、「魔王族」と呼ばれる七色の毛並みを持つドラゴンの若年。つまりは、この世で最も神話の中の創造神に近い絶大な魔力を持つ魔王グルーオーゼノの、その息子であるフォトオーゼノです。

  ドラゴンとして体が成熟しきっておらず、父親よりも体格が劣るとはいえ、フォトオーゼノはただの馬であるあなたたちより何倍もの巨体を誇ります。その気になれば、片方の前足の指で、あなたの胴体を掴む事など容易いでしょう。あなたは人間であった頃に、グルーオーゼノに槍の先を向けた時の畏怖の念を思い出しました。

  魔王軍総大将であるグルーオーゼノの実の息子であるフォトオーゼノは、すでに魔物の大群の一つを率いる将軍の一体です。そして、魔物全体から見た地位としては、頂点にして父であるグルーオーゼノに次ぐ高さです。あなたたちが上空を見上げていた時に予想したような、下級役職の指揮官とは雲泥ほどの地位の差があります。

  つまりは、どこにでもいるただの労働馬に過ぎないあなたたちの前に「魔王のご子息」が現れたという事です。そして、それはそれだけで奇跡の親戚のような出来事です。

  魔王族のドラゴンとして、程よい長さと細さの首や五体や尾が伸びる完成された造形、ドラゴンの中で唯一である七色の毛並みを有する鮮やかな色彩、「魔界の輝く王」という意味の名を持つフォトオーゼノ。生物として圧倒的な美を誇り、絶大な魔力を有する魔王族、その長である魔王の子息を前にして、あなたは馬として微かに劣情を催しました。フォトオーゼノに対してあなたの体で隠した、あなたのお尻の間にある割れ目から、何かの液体が太ももの裏をしたたる感触があります。あなたは咄嗟に、左右へ目を泳がせました。63番は小さく荒い息をついて興奮を鎮めようとしており、205番の下腹部で牡馬の象徴が音もなく大きくなっています。

  (ふぉ、フォトオーゼノ殿下、お会いできてまことに光栄でございます……)

  (殿下……お機嫌麗しゅうございますか……?)

  かつては人間の王女と勇者なだけあって、63番と205番はたじろぎながらも礼儀に則った挨拶をフォトオーゼノに向けました。

  (フォトオーゼノ殿下……! あたしも殿下の事が大好きです……!)

  元々はならず者で、兵士長になってからもよくも悪くも気さくな性格だったあなたは、あなたなりの礼節を込めた挨拶を口にしました。それを耳にした魔王の息子は、気分を害した様子は一切なく、より一層笑みを深めました。

  「ありがとう! 嬉しいよ! ところで、牝馬159番お姉ちゃん、牝馬63番お姉ちゃん、牡馬205番お兄ちゃん。僕は今日、お姉ちゃんお兄ちゃんたちに会いにきたんだ!」

  (ええっ……!?)

  (た、ただの労働馬である私たちに……い、一体どのようなご用件がございますか……?)

  (お、俺たちはただの家畜でございますが……殿下のご命令は可能な限り全うする所存でございます……)

  動揺を隠せないあなたたちに対して、フォトオーゼノは続けました。

  「お姉ちゃんお兄ちゃんたちが、この牧場のお馬さんの中で誰よりも頑張ってるって聞いてるよ。いつもお父さんの魔王軍の為に、お馬さんとして働いてくれてありがとう!」

  (ふへっ……♡ で、殿下、ありがとうございます……)

  (あふっ……♡ きょ、恐悦至極と存じます……)

  (んぐっ……♡ お、俺たちには勿体ないお言葉……)

  その言葉を耳にした途端、あなたたちは僅かに絶頂しました。あなたと63番は牝馬として割れ目から、205番は牡馬としてその象徴から、小さく体液を吹き出してしまいました。自分たちの努力が天上のごとき地位に君臨するフォトオーゼノの耳に届いている事もまた、あなたたちの内で燃える色欲に油を注いでいます。

  「若様。魔王族のドラゴンであるがゆえに魔力を含んだ若様の言葉は、ただの獣であるこの者たちには刺激が強すぎます。時間の猶予も含めて、手短に伝えるのが情けかと」

  フォトオーゼノの左右に控える二体の従者の内の隼のグリフォンが、彼に対してそう告げました。

  「そうなの、先生? じゃあ、僕が言いたい事を言うね。お姉ちゃんお兄ちゃん、ただのお馬さんじゃなく、僕の直々の家来にならない? お父さんは『家臣と民に恵まれる事こそ、王の誉れだ』ってよく言ってるし!」

  (ふぁあ♡♡)

  (ふふぇ♡♡)

  (んふぁ♡♡)

  屈託のない満面の笑みを伴って投げかけられたフォトオーゼノの言葉で、あなたたちはもう一度絶頂を迎えました。あなたと63番の割れ目は洪水のように溢れかえったものでずぶ濡れになり、205番は牡馬の象徴から吐き出したもので地面を汚しました。あなたを含めた三頭は、それによる快楽で頭の中が塗り潰されました。

  「この程度の欲も我慢できない痴れ者の獣どもが! フォトオーゼノ殿下の御前であるぞ!」

  「爺や、僕は気にしてないよ。魔王軍の頑張り屋さんたちが気持ちよくなってるなら、それは僕にとっても嬉しいよ!」

  「……承知しました」

  「爺や」と呼ばれた梟のグリフォンがあなたたちを強く窘めましたが、笑みを崩さないフォトオーゼノが制止しました。あなたたちはそれに対して礼を述べたいところですが、四つの足が小刻みに震えるほどの愉悦に襲われているあなたたちは、頭も口も思うように動きません。

  「お姉ちゃんお兄ちゃんたち。僕の魔力でも、お姉ちゃんお兄ちゃんたちを魔物に変えられるよ! バイコーンはどう? ダークペガサス? あ、それともナイトメアホースがいいかな? これから大陸の南部を任された将軍たちの会議があるんだけど、お姉ちゃんお兄ちゃんたちも魔物として僕たちと一緒に行かない? 南部を攻めている将軍たちはお父さんの昔からの家来が多いから、お姉ちゃんお兄ちゃんたちを将軍たちに紹介できるなら僕にとってすごく誇らしいよ!」

  笑みを湛えるフォトオーゼノとは対照的に、自分たちの意思とは関係なく話が進んでいる事によって、あなたたちは冷静さを取り戻していきました。あなたたちは再度、馬としての長い首を急いで下げました。もしもいまだに人間であったのなら、あなたたち三頭の顔色は青ざめていたでしょう。

  (殿下! 私たちどもを高く評価して頂き大変光栄でございます! しかしながら畏れ多くも、私たちどもは、ただの労働馬として殿下や陛下に助力させて頂く事を誇りと感じております!)

  (殿下のご意思に背く事をお許しください! 俺たちは馬車を引く事と肥料となる馬糞をする事しか能がない、ただの労働馬でございます! 殿下のご厚意にはまことに感謝致しますが、俺たちが殿下の直属として仕えさせて頂くには、全くもって力不足でございます!)

  あなたが言葉を発するよりも早く、63番と205番の返答があなたの考えを代弁しました。63番や205番と同じく、あなたもあなたたちを殿下のおつきの魔物には相応しくないと感じています。

  あなたを含めたかつての要塞都市の住人たちは、牧場で飼育されている家畜に過ぎません。生まれながらにして魔物であり、長年に渡り魔王族の親子の家臣として仕えてきた者たちの列に自分たちが並ぶのは、おこがましいというよりもこの世の摂理として間違っているように感じます。それに加えて、あなたたちは人間であった頃にグルーオーゼノへ得物を向けた事を心から悔いています。

  「ううん? お姉ちゃんお兄ちゃんたち、そんなに遠慮しなくていいんだよ? 爺やも先生もお父さんを倒そうとした人間の魔術師だったし、お父さんにごめんなさいってちゃんと謝る前は、狭い鳥籠の中であんなに頑固だったのに餌やフンの掃除をお父さんの家来にお世話してもらっていたただの梟と隼だったんだよ? 僕がお父さんに内緒で鳥籠の扉を開けてあげるたびに、泣きながら鳥として自由に飛べる事を喜んだんだよ? それに、将軍たちの中にも人間だった魔物が何体かいるよ?」

  あなたたちから視線を逸らす二体のグリフォンの間で顔と首を傾げて食い下がるフォトオーゼノに対して、あなたは咄嗟に頭を上げて叫びました。

  (ろ、63番と205番の言う通りですよ、殿下! あたしたちの後ろ足の間を見てください! 殿下にビックリして馬糞を漏らしちゃうくらい、今のあたしたちは本当にただの馬なんです! こんなお尻の穴が緩い馬が殿下のおそばで付き従うなんて、他の誰でもないあたしが許せないんです!)

  「ううん? そうなの?」

  そう言って、フォトオーゼノが首を下に向けて、あなたたちの足元を覗き込みました。それから、顔の高さを戻すと、先ほどと変わらない明るい笑みを浮かべました。

  「本当だった! お姉ちゃんお兄ちゃんたちはお馬さんだから、やっぱりウンチの量が多いね! だけど、ウンチの量が多いお馬さんは元気な証拠って聞いた事があるよ!」

  ぶぴゅぴゅ!!! ぶりりりりりりり!!! ぼとぼとぼとぼと!!! ぶぶぶっ!!! ぶぶうっ!!! ぼとぼとぼとぼと!!!

  (うひっ♡♡ そうです、殿下♡♡ あたしたちは元気いっぱいの家畜です♡♡ 実はあたし、この牧場で糞の量が一番多い馬です♡♡)

  (うふっ♡♡ 私は二番目でございます、殿下♡♡ 私も殿下や陛下のおかげで、毎日健やかにたくさん糞をしております♡♡)

  (うおっ♡♡ 殿下、三番目は俺でございます♡♡ 殿下や陛下のお役に立てれば幸いと、己の健康を気にかけて毎日欠かさず糞をしております♡♡)

  フォトオーゼノの美貌と、魔王族のドラゴンの言葉に含まれた魔力に当てられたあなたたち三頭は、絶頂しながら脱糞しました。あなたも、63番も、205番も、強い酒で酔いが回ったかのような口ぶりになっています。

  あなたたちの周囲には、あなたたちが体から出したものの臭いが広がっています。「爺や」や「先生」と呼ばれているグリフォンたちは顔をしかめていますが、フォトオーゼノがそれを嫌悪している様子は一切ありません。その光景もまた、あなたたちの中で芽生えたフォトオーゼノへの忠誠欲を更に高めます。

  「そうなんだね! やっぱりお姉ちゃんお兄ちゃんたちを、このままただのお馬さんにしておくのは勿体ないなあ。でも、お馬さんとして立派なお姉ちゃんお兄ちゃんたちのウンチから、いい肥料ができるんだろうね!」

  (殿下ぁ♡♡ いっぱい働いていっぱい糞をするあたしたちをもっと褒めてぇ♡♡)

  (殿下ぁ♡♡ 私たちの価値は家畜として殿下のお役に立てる事ですぅ♡♡)

  (殿下ぁ♡♡ 俺たちの命は馬になって殿下に出会った事で意味を成したぁ♡♡)

  ぶぅううううううううううううう!!!!

  自分たちが普段の口調に戻っている事にさえ気がつかないほど、フォトオーゼノへの慕情で頭の中が染まりきったあなたたちが、馬としての大きなお尻から大きな放屁音を響かせました。あなたも、63番も、205番も、今の自分たちが何を考えて、何を喋っているのか分かりません。あなたたち三頭の脳裏は、快楽と忠誠心で満たされています。「お姉ちゃんお兄ちゃんたちは、とってもお茶目でもあるんだね!」と言って軽やかに笑うフォトオーゼノを見ながら、あなたたちはまたもや嬌声を上げて絶頂しながら脱糞しました。

  「若様、お時間です。若様が会議に遅れては、主上に申し訳が立ちません」

  「分かったよ、先生。お馬さんたちをちょっと気持ちよくさせすぎちゃって、今はちゃんとお話しできそうじゃないし」

  隼のグリフォンに促されて、フォトオーゼノは名残惜しそうな表情を浮かべました。それから、彼は七色の体から生えた七色の翼をはためかせて宙に浮きました。二体のグリフォンの従者もそれに続きます。

  「今はお姉ちゃんお兄ちゃんたちの気持ちを大切にするけど、今度会った時いいお返事が聞きたいなあ。それじゃあまたね、お馬さんたち! 今度また必ず会おうね!」

  空中で片方の前足をあなたたちに振るフォトオーゼノに対して、あなたたちはあなたたちの片方の前足をできる限り高く掲げながら返答しました。

  (殿下ぁ♡♡ あたし、殿下の為にいっぱい頑張るぅ♡♡)

  (殿下ぁ♡♡ 私、殿下にまた会えるのを楽しみしていますぁ♡♡)

  (殿下ぁ♡♡ 俺、殿下の事が誰よりも大好きになったぁ♡♡)

  「僕も、お父さんの夢の為に頑張るし、もっと立派になったお姉ちゃんお兄ちゃんたちにまた会えるのを楽しみしてるし、僕やお父さんの為に働いてくれるみんなが大好きだよ! 元気でね! 動物だった頃に気持ちよくなる事ばっかりしてると、魔物になった時に笑われちゃうから気をつけてね!」

  そう言い残してフォトオーゼノは、従者を引き連れて自身の翼で飛び去りました。彼の姿が空の彼方に消えても、あなたたちは見上げ続けました。

  それから、あなたを含めた三頭の鼻が、あなたたちの便臭や体液の臭いに混じった、フォトオーゼノの残り香を察知しました。あなたも、63番も、205番も、鼻孔を膨らませて大きく息を吸います。

  絶対的な支配者である虹の毛並みのドラゴン、その甘く、優しく、蕩ける香りで、あなたたちの顔つきが更にだらしなく緩みました。ただの馬であるあなたたちにとって、魔王族のドラゴンであるフォトオーゼノの香りさえも媚薬のように刺激的で官能的でした。

  ぷぅぅぅぅ! ぶっ! ぼと! じょぼじょぼじょぼじょぼ!

  緩んだのは表情だけではありません。あなたたち三頭のお尻から、腑抜けた音の放屁を伴って、またもや馬糞がこぼれ落ちました。それから、あなたと63番はお尻の下の割れ目から、205番は後ろ足の間で伸びた牡の象徴から、だらしない音を立てながら放尿しました。

  (殿下ぁ♡♡ 本当は殿下にこの体も心も全部あげたいぃ♡♡ 殿下ともっと早く出会えたなら、あたし、人間の兵士長じゃなく、最初から馬として生まれたかったぁ♡♡)

  (殿下ぁ♡♡ 本当は殿下のおそばにもっといたいですぅ♡♡ 殿下ともっと早く出会えたなら、私も、人間の王女ではなく、最初から馬として生まれたかったですぅ♡♡)

  (殿下ぁ♡♡ 本当は殿下に全てを捧げる覚悟ができているぅ♡♡ 殿下ともっと早く出会えたなら、俺だって、人間の勇者ではなく、最初から馬として生まれたかったぁ♡♡)

  あなたたち三頭は、完全にフォトオーゼノの虜になりました。今日の出来事は、これからの生涯で忘れる事はないでしょう。

  そして、あなたたちもその原因であるフォトオーゼノも知らない事ですが、魔王族の魔力に長く当てられたあなたたちの魂は、完全に人間性を失いました。今後、いかなる魔術をもってしても、あなたたちが更に魔物に変わる事はあっても人間に戻る事は絶対にありません。

  「さあ、駄馬ども! さっさと仕事に戻るんだ! さっきからくっせえくっせえ屁やウンコを何度もしやがって!」

  調子を取り戻したゴブリンの馭者が、あなたたちのお尻を順に手で叩きました。あなたも、63番も、205番も、頭ごと振り返ってゴブリンを睨みつけます。

  (気安く叩かないでよ! この体もお尻も、全部殿下のものなんだから!)

  (そうです! 私たちのお尻は、殿下の大切な所有物です!)

  (殿下のものである俺たちの尻を乱暴に扱う奴は、こうだ!)

  ぶうううううううううう!!!

  そう言ってあなたたち三頭はお尻の穴を馭者に向けると、あなたたちのお腹の中で残っていたものを放屁として吐き出しました。

  「やっぱりすごく臭え!! 駄馬のお前らがあのフォトオーゼノ様に気に入られたなんて、今でも信じられない!!」

  魔物の中でとりわけ鼻が効く種族であるがゆえに、ゴブリンはそれを両手で押さえながら馭者台の上をのたうち回ります。それを尻目に、あなたたち三頭は荷馬車を引きながら歩き始めました。

  (さあ、二頭とも! もう一度頑張ろう! あたしたちが大好きな殿下の為に!)

  (そうですね! まずは殿下にもう一度お会いする価値のある馬になりましょう!)

  (ああ! 腹の中がすっかり軽くなったから、より一層殿下の為に働ける!)

  あなたたち三頭の中で、家畜として目標ができました。それは、「次にフォトオーゼノに会う時は、彼の希望に答える価値のある立派な労働馬になる事」です。

  あなたたちにとって今のあなたたちは、ゴブリンの言葉で表すのは癪ですが、ただの駄馬でしかありません。あなたたちが自分たちをどこに出しても恥ずかしくない名馬だと自覚できるのは、今の仕事をよい意味で愚直に続けた先にあると感じています。

  (いっぱい出したから、すっかりお腹が空いちゃった!)

  (ええ、これが終わったらお腹いっぱい食べましょう!)

  (たくさん働く為にと、たくさん出す為に!)

  そう言って笑い合うあなたたち三頭は、重い荷馬車を軽やかに引いて道を進んでいきました。

  [newpage]

  「君たちが私に初めて会った日は滑稽だったな。あの時は」

  「もう! 殿下! ただの馬だった頃のあたしたちの事はもうやめてよ!」

  「そうですよ! 今の私たちは魔物ですから粗相する事なんて絶対ありません!」

  「自分で言うのもなんだが、俺たちは殿下の自慢の『魔馬三頭衆』だ!」

  「すまないすまない。君たちが父にも他の将軍にも目もくれず私の腹心であり続けてくれる事が嬉しくて、ついからかいたくなるんだ」

  了

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