【 天使にしてあげる 】
悪魔のコヤギくんの得意なことはヤキモチです。切れ長の細い目の奥の、黄色い瞳に映るあらゆるものが羨ましくってなりません。
コヤギくんは、町から少し離れた険しい山の奥にひっそり住んでいます。草木や岩を見たってヤキモチは妬けないけれど、ひとたび町に目を向ければ、何もかもが欲しくてたまらなくなってしまうのでした。
町の人たちは、日当りのいい丘の上に、洒落た赤いレンガの家を建てて住んでいました。
コヤギくんのおうちは粗末な石の洞窟で、雨や風が吹き込んできて、たき火をしてもすぐに消えてしまいます。
町の人たちは、いつもきれいな服を着ていました。
コヤギくんの炭のような真っ黒な毛皮の上には、ボロボロの布切れが一枚、肩から腰へと斜めにかかっているだけです。
町の人たちは、朝と昼には市場で野菜やパンを買って食べ、夕方にはお店でワインやお肉のご馳走を楽しんでいます。
コヤギくんは悪魔なので、なんにも食べなくても平気でしたが、山の中に入って木の実や葉っぱを食べたって、ちっとも楽しくありません。
町の人たちは、いつも友達や家族に囲まれて幸せそうでした。
孤独に暮らすコヤギくんは、これが何よりいちばん羨ましくて我慢ならなかったのです。
山と町の境目には、悪魔を追い払う結界が張ってありました。
コヤギくんが近づくと、金色の巨大な柵が現れて、とおせんぼうをするのです。
コヤギくんは、ときどき町との境目まで出かけます。うっかり結界の張り忘れがないものかと願いながら近づいていっては、金色の柵に阻まれて、すごすごと山へ引き返すのでした。
もしも町に辿りつけたら、コヤギくんはいっぱい悪いことをしてやろうと考えていました。
レンガの家をぜんぶ壊して、人々から服をぜんぶ剥ぎ取って、ご馳走もワインもぜんぶコヤギくんがひとりじめして、みんな町から追い出してしまおうと考えていました。
コヤギくんのひどいヤキモチと意地悪な気持ちは、日ごと大きく膨らんでいくばかりでしたが、黒魔術の腕はからっきしでした。
修業に打ち込み、結界を壊せるぐらいの破壊魔術が使えるようになったなら、あるいは、人助けのために魔術を使って徳を積んでいたなら、コヤギくんはもう少し早く、町へ出かけることができていたのかもしれません。
コヤギくんは、そんな努力はしません。怠惰に暮らし、山の上から町を見下ろして、ひづめを噛んで悔しがるばかりです。
そんな、孤独で嫉妬深い悪魔を、もっと空高い場所から見下ろしている者がいました。
雲のように真っ白な毛皮と、愛らしい笑顔をした、天使のヒツジくんでした。
ヒツジくんは、ある晴れた日の朝に、爽やかな春のつむじ風と一緒に山へと下りてきて、コヤギくんに声をかけました。
コヤギくんは飛び上がって驚きました。
ヒツジくんの毛皮は白く、くりくりと柔らかそうな癖っ毛で、青がかった緑の目もぱっちりと大きく、コヤギくんが今まで見た誰よりも綺麗でした。真っ黒で、硬い直毛のコヤギくんは、すぐにヤキモチを爆発させました。
「こんにちは、おれはヒツジ。お散歩してたら道に迷っちゃったんだ。よかったら、道を教えてくれないかな?」
「ふうん、大変だね。ぼくはこのへんには詳しくないから、ほかのひとに聞きなよ」
コヤギくんが意地悪な気分になって、無愛想な挨拶をしたって、ヒツジくんは構うことなくコヤギくんへじゃれてきます。
「あれれ、その黒い翼は、もしかして君、悪魔なのかい?」
「そういうお前は白い翼を持っているから、きっと天使だね。ぼくは悪魔のコヤギだよ。話しかけたら、ケガれちゃうよ」
「つれないなあ。おれは悪魔を差別しないよ、ケガれるなんて迷信さ。ねえ君、よかったら友達になろうよ」
冗談じゃない、なんでこんな奴なんかと友達になるものか。ひねくれ者のコヤギくんは、ヒツジくんへ尻尾を向けて立ち去ろうとしました。
「おれと一緒にいれば、町の前にある結界だって越えられるのになあ」
ヒツジくんがぼそりと魅力的なことを言ったので、コヤギくんは思わず振り返ってしまいました。
「それ、ほんとう?」
コヤギくんは、痩せた大きい体で、自分よりもちょっと小柄なヒツジくんの前にぬっと立ちはだかりました。
「ほんとうさ。天使はウソをつけないもの」
「案内してよ。ぼくは町に一度でいいから行ってみたかったんだ」
「案内するのは構わないけど、その恰好で出かければ、町のみんなは、きっと君をいじめるよ。おれは君を差別しないけど、町の人たちが悪魔をどう思っているかぐらいは、君だって分かっているだろう?」
コヤギくんは悔しくなってじだんだを踏みました。町の手前に忌々しい結界が張られているということは、誰もコヤギくんを歓迎しないという意味です。
「そうだ、いいことを考えた。君も天使になればいいんじゃないかな」
「おかしなこと言うなよ。悪魔は天使になれないよ」
「見た目だけだよ。天使っぽく見えるように変装して、おしとやかにしていれば、誰も君を悪魔とは思わないさ」
コヤギくんは、頭のてっぺんに生えたとんがり角を斜めに傾けて、頭を悩ませます。
「変装っていったって、ぼくはこの通り、真っ黒だ。どうやってお前のように白くなろうっていうんだい?」
「そうだね、まずはその、翼の色をどうにかしなくっちゃ。いろいろ試してみようよ」
ヒツジくんが真剣に付き合ってくれるので、コヤギくんも悪い気はしなくなってきました。
ふたりは山の奥まで出かけていって、火山灰がたくさん積もった岩場で白い砂を袋いっぱいに集めました。
コヤギくんは粉っぽい白砂の上で転げ回って、体にたっぷり白い粉を浴びてみましたが、なかなか変装はうまくいきません。
「粉だけじゃあダメだ。君がくしゃみをするたび、粉が落ちてきて黒い翼が丸見えだ」
「へーっくしょん。……どうしよう、町の真ん中で悪魔だってバレたら、ぼくは袋叩きにされちゃうよ」
ヒツジくんは粉まみれになったコヤギくんを川原へ連れていって、粉を水で塗り固めようとしました。コヤギくんの毛皮は水を吸って重たくなってしまいましたが、幾分か粉が毛皮に絡んで、黒から灰色ぐらいには誤魔化せるようになりました。
「まだ少し、足りないなあ」
「なんとかしてよ、ヒツジくん。白くなれれば、ぼくは町のみんなとも友達になれるんだろう?」
ヒツジくんは両手を使って、丁寧にコヤギくんの全身に粉と水を塗りつけてくれます。コヤギくんは濡れた体の冷たさに身震いしながら、背中に優しく抱き付いてきたヒツジくんの体温に体を預けてうっとりしました。
「水はさらさらしているから、もっと粘り気のあるもので粉を固めなくっちゃね」
「粘り気のあるもの?」
コヤギくんが首を傾げていると、コヤギくんのお尻に手とは少し違う柔らかなものが触れてきました。
「そうだなあ、すっかり忘れていたよ。白さと、粘り気も必要だけど……『祝福』も必要だったね」
柔らかくて、あったかいものが、すりすりとコヤギくんの尻尾の付け根にまとわりついてきます。
コヤギくんの翼の後ろで、ヒツジくんが息を荒げています。
「ねえ、何してるの?」
「少しだけ待って。君に『祝福』をかけるには、ちょっと時間がかかるんだ」
シュクフクって、なんだろう。コヤギくんが尋ねるより早く、ヒツジくんの両手がコヤギくんのお腹の上に回されて、痩せた体をくすぐっていきます。
そうして、おへその周りを撫でていくうちに、不意にコヤギくんの全身に甘い痺れがかけ巡り、コヤギくんはたまらずかわいい声で鳴きました。
「ねえ、ヒツジくん、いまのは、なあに?」
「なにって、何が?」
ヒツジくんは白々しく聞き返して、再びコヤギくんのおへその周りを愛撫します。コヤギくんはその場に突っ立って上を向いたまま、お尻のあったかい感触とお腹のあたりの奇妙な感覚に目を回して、ひいひいと細い息を上げることしかできません。
なんだか、お尻に触れていたものが、どんどん硬く大きく膨らんでいるような気がします。それと同じように、コヤギくんの胸の中でも、不思議な気持ちが大きく膨らんでいって、コヤギくんの調子を狂わせてしまうのです。
ふと、お腹の下に重たいものを感じて、コヤギくんはおずおずと視線を自分の太もものあたりへとおろしていきました。コヤギくんの胸元、ヒツジくんの手とコヤギくんのお腹。そのさらに下に、赤黒く腫れた肉の塊が生えていて、コヤギくんは恐怖しました。
「ヒツジくん、ヒツジくん! ぼくのお腹から、変なものが突き出してきているよ!」
「……ふうん?」
コヤギくんが涙声で訴えても、ヒツジくんは驚いてくれません。
自分の困惑にヒツジくんが共感してくれなかったことで、コヤギくんはますますショックを受けてしまいました。
「コヤギくんって、おちんちんがおっきくなることを知らないんだ?」
ヒツジくんの小さな手が、コヤギくんの腫れ上がった「変なもの」へと慎重に触れてきます。その瞬間に、コヤギくんはお腹を撫でられていたときとは比べ物にならない快楽を浴びて、翼をきゅっと縮めて悶えました。
「なに? なんなの、この変な感じは?」
「あはは、どう、キモチイイでしょ?」
ヒツジくんの手が、コヤギくんの膨れ上がったおちんちんを撫でて回ります。根元の硬い部分を優しく擦り、裏側に浮き出た血管をなぞり、先っちょから溢れて止まらない粘っこい水を手の平に馴染ませながら、皮を被った先を捲り上げるように円を描いて弄びます。
「ん、んん……キュゥウウウン!」
コヤギくんは背中を反らして、むず痒いような気持ちよさに尻尾を震わせました。
自分の体に起きている異変への疑問よりも、ヒツジくんにもっと触られたいという気持ちが強くなっていきます。
今や、コヤギくんのおちんちんは、興奮でほんのり赤くなったおへそを越えて、コヤギくんの胸元まで先が届くほど長く大きく伸びていました。その直径は、痩せたコヤギくんの腕より太く、ヒツジくんが両手の指をいっぱいに広げたって掴みきれないぐらいに腫れあがっていたのです。
ヒツジくんは、コヤギくんの声に応えるように、コヤギくんのおちんちんを両手で力いっぱいに扱き上げました。コヤギくんは知らない感覚に全身を震わせるうちに、急におしっこを出したい気分になってきて、だけどヒツジくんの前でそんな恥ずかしいことはしたくなくって、ぼんやりした意識の中で中止を訴えました。
「ひつじくん、もお、だめ、おしっこ、でちゃうよう」
「へえ。だったら出しちゃえばいいじゃん」
「よくない、だめだよう、はずかしいよう」
「いま出しちゃえば、もーっと気持ちよくなれるのになあ」
ヒツジくんがコヤギくんの耳元で、誘惑の言葉を囁きます。
「ほら、ほら。さっさと出しちゃえよ」
「あ……やだ、だめ、いま、もらしちゃったら、足が」
ヒツジくんの、少し尖った唇がコヤギくんの耳を甘く噛んでくすぐります。
「悪魔のくせに、えっちの快楽も知らないなんて、かわいいなあ」
「ひっ、……ひゅ、ピュキィイイイイっ!」
あったかい手に、ぎゅっとおちんちんの先を握られた瞬間に、コヤギくんはとうとう我慢ができなくなって、真っ白なおしっこを空へと噴き上げてしまいました。
――どく、どくんっ、どぷっ……びゅくっ、ぼびゅるるるるるっ♡
「あは、あはは……すごいや、コヤギくんったら真っ白だ。これなら、町の誰も、君のことを悪魔だとは思わないよ!」
溢れる白は勢いを増して、ぜいぜいと息をするコヤギくんの毛皮をも白く染めていきました。
すっかり快楽を吐き出したコヤギくんのおちんちんは、半分ほどまで縮んでおへその前でくたりと頭を垂らしてしまいました。
コヤギくんは毛皮を濡らしたベタベタの感触と雄の臭いに呆然として、だけどこれで自分が天使に変装できたならもういいかと、半ば投げやりな気分でヒツジくんのあとをついていきました。
コヤギくんは、ヒツジくんのおちんちんも大変そうなぐらい腫れ上がっていることに気づきましたが、どうしてあげればいいのかも分からなかったので、二人で手をつないだまま何もいわずに結界の前まで歩いていきました。
「さて、ここからが大変だよ」
ヒツジくんが、あまり大変そうじゃない口調で結界を見上げます。
「コヤギくんは変装しているだけだから、そのままだと結界を越えられない。ここを越えるには、二人ではなく『一人として』通る必要がある」
「うーん……なんだか、難しいなぞなぞだね?」
コヤギくんが、まだ動かない頭でトンチ問題を考えていると、ヒツジくんがするりとコヤギくんの背後に回り込んで、再び尻尾のあたりにあったかいものをくっつけてきました。
「意外と、そうでもないかもよ。君が、おれの上に乗ってくれれば解決するんだから」
「乗るって、なあに?」
「実際にやってみたらわかるよ。さあ、お尻をもうちょっとこっちに向けて」
快楽にすっかり懐いてしまったコヤギくんは、ヒツジくんの言葉に流されるままお尻を高く突き出しました。
ところが、ヒツジくんの手が触れてきたのは、あろうことかコヤギくんのお尻の穴です。コヤギくんは血相を変えて逃げようとしましたが、ヒツジくんにお腹のあたりをくすぐられると、気持ちよさに足腰から力が抜けて、立っていられなくなってしまいました。
「ダメだよ。これは天使が施す『祝福』なんだから。これがなくっちゃ、君はいつまでも町へいけないし、ずっと一人ぼっちのまんまだよ」
コヤギくんは葛藤しました。自分がなんでもかんでも嫉妬してしまうのは、寂しかったからです。ヒツジくんの優しさや、気持ちいいものに触れるうち、とうとうコヤギくんはそれが分かってしまったのでした。みんなと仲良くなりたい、もっと近くで町の様子を見てみたい。みんなのことを知りたい。
ヒツジくんが声をかけてくれなかったら、コヤギくんはなんにも知らないまま、一人ぼっちで町を眺めているだけだったに違いありません。
コヤギくんは覚悟を決めて、ヒツジくんの前で尻尾を振り立ててお尻を突き出しました。
ヒツジくんのおちんちんは、コヤギくんほど長くはありませんが、ヒツジくんの太ももと同じぐらいぶっとくて皮がすっかり剥けていました。
つやつやと光る魔羅は先走りでてらてら輝き、ヒツジくんが一歩踏み出すたびにぶるりと揺れて、乾いた砂の地面に雫をこぼしてしまいます。
「最初は力を抜いて、少し進んできたら、ちょっとだけ踏ん張るんだよ」
柔らかなヒツジくんの手が、やわやわとコヤギくんのお尻を探ります。コヤギくんは恥ずかしさとお尻を触られる違和感をどうにか我慢して、次第にその内側に、ヒツジくんが侵入してくる感覚に溺れていきました。
「あ、……あぁぁ、あ♡」
「うわあ、コヤギくんのナカ、すっごくあつくて、トロトロだあ」
ヒツジくんの胸と、コヤギくんの背中が密着して、悪魔の翼が間に挟まれてしまう痛みにさえ、コヤギくんはゾクゾクと腰を震わせて喘ぎました。ヒツジくんの凶悪な長いおちんちんがコヤギくんを貫いて、痩せたお腹を歪な形に膨らませてビクビクと脈打っています。
すっかり「一つ」になったふたりは、そのまま金色の柵を素通りして、町へと歩いていきました。
お昼を過ぎた町では、大人も子どもも外に出て、あたたかな陽ざしを楽しんでいます。ヒツジくんは町の皆と仲がいいので、町のみんなはヒツジくんを見かけると手を振って挨拶してくれました。
「こんにちは、ヒツジくん。その子はだあれ?」
「おれの友達のコヤギくんだよ」
ヒツジくんはグッタリしているコヤギくんを両腕に抱き上げたまま答えます。
「コヤギくん、なんだか顔色が悪そう」
「そうなんだよ。実はコヤギくんは疲れちゃっていて、おれ一人では『祝福』が足りないみたいなんだ。ぜひ町のみんなに『祝福』を分けてもらいたいんだけど」
天使のヒツジくんが市場を歩き回ってお願いすれば、町のみんなはすぐに中央の広場に集まってくれました。
コヤギくんはお腹の異物感にまだ慣れず、ぼんやりとした頭で広場を見渡しました。町に暮らす人々は、大人も子どもも、男も女も、それはそれは立派な性器を持っていて、憐れなコヤギくんをどうにか癒してあげようと、列を作って待っていました。
「さあ、コヤギくん。今から皆が順番に『祝福』をしてくれるからね。ちゃあんとお礼を言って、ありがたく受け取るんだよ」
ヒツジくんはコヤギくんを貫いたまま、ゆらゆらと熱を揺らしてコヤギくんの興奮を煽りました。
最初にやってきたのは、クマのお兄さんです。ふたりのそれとは比べ物にならないほど巨大なおちんちんを差し出して、コヤギくんを励ましてくれます。
コヤギくんはそこから溢れ出る強烈な雄の香りにすっかりメロメロになってしまいました。むちむちとしたおちんちんに両腕で抱きついて、尖った口を開き、細長い舌を這わせながら、懸命に先走りを啜りました。
やがて、たっぷりの祝福を全身に浴びたとき、コヤギくんはお腹の奥で、ヒツジくんを甘やかに締め付けて絶頂しました。
次にやってきたのは、ウサギのお姉さんです。コヤギくんやヒツジくんより小柄ではありますが、見事な白い毛皮の下にはふっくりと豊かな胸がのぞいています。
お姉さんは、コヤギくんの膝下にひざまずくと、メスイキを覚えたばかりのコヤギくんのおちんちんを柔らかな胸に挟んで優しく扱き上げました。コヤギくんはたまらずおちんちんから白を噴き上げて、お姉さんに優しくされたお礼に祝福を返してあげました。
続いてやってきたのは、仔犬の兄弟たちです。ふたりとも幼い顔立ちですが、お腹の下でぴんと張った熱はおへそより高い場所まで反り上がり、未熟な雄の香りを漂わせています。
ヒツジくんが導いてあげると、犬の兄弟はコヤギくんのおへそのまわりに舌を這わせていき、すぐに性感帯を見つけてしつこく舐め回しました。コヤギくんはお腹をびくびくと震わせ、触れられてもいないおちんちんを再び元気に膨らませて、甘い声で鳴きました。
気持ちよくしてもらったお礼に、コヤギくんは子どもたちのおちんちんを両手に抱いて、交互に舐めてあげました。幼い無邪気な祝福がふたつ同時に溢れ出ると、コヤギくんは力なく笑ってその先端にひとつずつキスをしました。
列が半分ほど流れて現れたのは、ゾウのおじさんです。禿げ上がった頭に乗せた帽子を、長い鼻で摘み上げて一礼すると、ヒツジくんとコヤギくんをまとめて抱え上げ、ふたりのお腹と背中の隙間に自分の剛直を挟んで扱き始めました。
みんなの祝福を浴びてどろどろに濡れたふたりの体は、がっちり絡み合ってはいますがぬるぬると滑りがよく、その締めつけと柔らかくとろけた毛皮の感触に、おじさんはすっかり夢見心地になってたっぷりの祝福をぶちまけました。
祝福は夕方になるまで続きました。広場も人々も、コヤギくんも、ヒツジくんも、すっかり白く濡れて混じり合い、皆とても幸せそうでした。
「みんな、手伝ってくれてありがとう。きっとコヤギくんも喜んでいるよ」
ヒツジくんは、気持ちよすぎて気絶してしまったコヤギくんを抱いて、町を出ていきました。
町のみんなはふたりに手を振って「またおいで」と見送ってくれました。それから、みんなでバケツとモップを持ってきて、てきぱきと広場の掃除を始めたのでした。
結界を越えて山に戻ったところで、ようやくヒツジくんはコヤギくんのお尻からおちんちんを引き抜きました。栓が抜けてしまうと、すっかり緩んでしまったコヤギくんのお腹から白が溢れ出て、その違和感に目を覚ましたコヤギくんは、ちょっと勿体ないなあと寂しく思ったのでした。
コヤギくんは、自分が何度絶頂したかを覚えていません。ヒツジくんも、何度かコヤギくんの中に祝福を注いでくれたので、コヤギくんは身も心も、内も外も、すっかり真っ白に染まることができました。だけど、しばらくすれば、またコヤギくんは真っ黒な悪魔に戻ってしまいます。ヒツジくんの話によれば、祝福の力は、せいぜい三日しかもたないからです。
「ヒツジくん、ヒツジくん。また町まで連れていってよ」
「うん、いいよ。寂しくなったら、いつでもおれを呼んで」
コヤギくんが切ない声で呼びかけると、ヒツジくんは目を細めてコヤギくんへキスをしました。
細いふたりの舌がねっとりと絡み合って、名残惜しそうに離れていくとき、空には悪魔の目のような金色の満月が輝いていました。
(おしまい)