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獣化専門学校の鶏化コースを卒業したあたしは、地元の一般家庭で家禽の白レグホンとして生きる事を決めた。
この狭い柵の中と小さな小屋が、あたしの世界の全て。あたしはただの家畜としてひたすらに無力な存在。あたしとあたしの仲間の鳴き声は、このあたり一帯に朝が来た事を告げるだけ、時には「うるせえぞ」と怒鳴られる。
あたしはニワトリだから、家畜としてご主人様や近隣の人たちに恥ずかしい姿をいつも見せちゃう。我慢できなくて人前で粗相をしちゃうし、毎日ちゃんと餌をもらってるのに食欲に負けてご主人様におねだりしちゃうから鏡餅のようなおデブ。
あたしは朝日に照らされると卵を産んで、日中は本能と食欲に負けて地面の上の小さな生き物をついばんじゃう。あたしは、家畜のニワトリとして誰よりも不様で恥ずかしいおデブだと思う。
学生時代の親友だった、小国鶏になったミユちゃんは今頃どうしてるだろう? 小国鶏として威厳のある生活をしてるのかな? 今のあたしの姿は、ミユちゃんには絶対見せられない。
獣化専門学校の鶏化コースを卒業した私は、地元のお伊勢さまで神使の小国鶏として生きる事を決めた。
この境内とお社と、そしてこの山全てが、私の世界の全て。私にはお伊勢さまの神威の一部が宿っている。私と私の仲間の鳴き声は、このあたり一帯から悪きものを遠ざけ、参拝者にお伊勢さまのご利益を授ける。
私は鶏だけど、神使として人間の神職たちや参拝者たちに不様な姿は決して見せない。用を足す時は人目から遠ざかり、鍛錬として仲間たちと山の中を駆け回っているから体型はよく引き締まっている。
私が朝日を背に翼を広げると、敬虔な参拝者は私に頭を下げ手を叩く。私は、神使の鶏としてお伊勢さまの一部である事を心から誇りに思う。
学生時代からの親友である、白レグホンになったアヤミは今頃どうしているんだろう? 白レグホンとして幸せな生活をしているのだろうか? 私の勝手な願望だけど、一度でいいから同じ鶏としてアヤミと自由に駆け回りたい。
了
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