天才魔法使いは性処理係

  黒雲が空を覆い尽くし、重々しい闇が一帯を包み込んでいた。

  魔王の勢力が根城とする、まったり村から見上げた景色はいつも同じ。

  不吉を予感させる厭味ったらしい空模様。そして乾いた風が肌を撫でる。

  そこからも闇の気配を薄っすらと感じさせて、引き寄せられる者までいた。

  村の端にある辺鄙な洞窟。その奥深くに佇むのは数多の信徒を抱える魔王城。

  洞窟内をすぎれば、さらに濃い闇が発せられる。そこかしこに飛び散る淡い紫の粒子が光を散らせ、周囲を不気味に照らしていた。

  城の内部に足を踏み入れると、冷たい空気が肌を刺した。

  これくらいの緊張感がなくっちゃ来た甲斐がないにゃあ!

  リムは自らの顔ほどの面積がある乳房をゆっさりとやって、片目をつむり、首の鈴を鳴らし勢いづいた。

  思えば……長い旅をしていたにゃ~

  腕を組む。乳が潰れてしまう。

  両目をつむり、思い出に浸りだす。

  ゆっくりキャピタル行きの電車の中。

  初めての都会らしさに気分はあがった。

  ガタン、ゴトン、と揺れていたのが懐かしい。

  青いトンガリ帽子を指でつまみ、位置を正した。

  青色に金色の縁。赤いリボンが巻かれたお気に入り。

  両耳をぴょーんっと出し、闇の気配を聞き入っていた。

  赤い首輪。小ぶりのリンゴほどの鈴が谷間に乗っている。

  細長い猫らしい尾の先の方。帽子と同じくリボンを蝶結び。

  ずっとずっと森の奥深くにある……僻地から飛び出してきた。

  君、なかなか変わった格好しているニャね

  いや、君に言われたくないぞ

  つれないミルネの正面に腰掛け、見つめ合ったのが昨日のようだった。

  愛のジェムキャンディを巡る冒険と、魔王のシモベを蹴散らす戦いの日々。

  それもようやく終点に辿り着こうとしていた。

  天才魔法使いリムと愉快すぎる仲間たちの相手にとって不足なし。

  光の教団に圧勝した魔王が討伐対象となれば『大きいこと』に不足なし。

  私の名前を一気に、世界中に広げてやるにゃ!

  魔王討伐の暁には光の教団から大量のキャンディをもらえる約束だ。

  もう100個の約束はとりつけてあるし、使い切れないくらいもらっちゃお!

  とってもえらくなって、たくさんお金を稼ぎたい。その願望を叶えにきた。

  魔王城となれば、敵の本丸。天才の魔法使いであることを証明する絶好の場所。

  人々から崇められていい気になっている魔王と、立場を逆転する日がやってきた。

  有名になり。

  お金を稼いで。

  美味しいものを食べ。

  天才として崇められる。

  そんな将来が約束されたも同然。なぜなら、残る敵は魔王ひとりだけ。

  先程に愉快すぎる仲間たちを連れ、魔王の右腕と左腕とも呼べる幹部を倒した。

  魔王は将棋やチェスでいう詰みに入っている。恐れるに足らないチビっこいやつにゃ。

  天才魔法使いリムとパーティーは格好や性格はともかく、その実力は疑う余地がない。

  そこに最強の魔法が加われば、まさに鬼に金棒。リムにキャンディという具合のよさ。

  陰気臭く闇のおどろおどろしさに満ちた空間。

  これも天才リムが世界に轟く晴れ舞台と考えれば、上出来におもえた。

  石造りの廊下は暗く、所々に設置されたスタンドランプが揺らめく。その炎は通常のものとは異なり、紫色を帯びており、闇の気配を放っている。信徒の道だけでなく心まで照らしてくれているのだと評判がよいそうだ。建物全体が魔王の息吹が満ち、体中の穴という穴から闇というものの意味が侵入してくるような錯覚がしてきた。

  歩いていれば、あっちこっちに魔王の肖像画。鎮座する魔王像。

  気持ち悪い触手をうねうねさせ、愛らしい瞳で正面を見つめている。

  その周囲には、魔王を崇拝する信徒たちが集まっていた。彼らの瞳は狂信的な光を放ち、口元には絶え間ない賛美の言葉が漏れ満面の笑み。信徒たちは一心不乱に祈りを捧げ、身を海藻みたいにうねうねさせていた。

  あれをやっているとき、どんな気持ちだったのにゃ?

  道すがらルクスに仲間が何度も問いかけて、問いかけて、問いかけて嫌な顔をされた。

  十回目に差し掛かったあたりでスターの錫杖が頭上を掠め、渋々と聞くのをやめた。

  やれやれ半分以上はコムギが聞いていたのに、私に怒らなくっても

  奥の十字路は、闇の力が一層強まっていた。

  後ろには、深淵の水がたたえられた橋があり、その水面は不気味な静寂を保っている。

  道には、赤いカーペットが敷かれており、十字路の四隅にはスタンドランプが立ち、その妖しい光が周囲を照らしていた。不思議と水の中から覚えのある気配がした。

  緊張してしまって、神経が過敏になっているようだと、リムは頭を振った。

  魔王を全員で畳み掛けてやろうと思った矢先。

  前後左右から信徒が押し寄せてきた。

  ミルネの姉妹にララの妹まで出現し行く手を塞がれる。

  信徒たちの瞳は虚ろで、闇の活力に満ち、呆然としながらも力強い。

  リムは魔王の甲高い声にそそのかされまいと気を強く持つが、それはまるで心の奥底に直接語りかけるように響いていた。この魔王城に足を踏み入れた者は、その禍々しい闇と甘美なる誘惑に抗うことはできない。城の内部は、その一瞬一瞬が闇の魅力に満ち溢れ、心を魔王の虜にしてしまう。信徒たちの熱狂と崇拝は、重々しく魂に響き渡り、天才的なリムといえども膝をつきかけた。

  そんなとき、愛のジェムキャンディは輝いた。

  

  苦労して集めた四つのハート型の結晶が、光を放ち結界をつくりだす。

  闇を打ち払う神聖っぽそういな結界が、妙な考えや信仰心を消してくれる。

  魔王は同様し、いらだち、触手を伸ばし、大仰なまでに騒いで見せたとき。

  「ふんっ! ワガハイのうさぎ神拳の前に敵なし! 魔王も同じことだぴょん!」

  構えるコムギの肩をミルネが叩く。

  「はしゃぎすぎるなよ、援護しきれないぞ」

  そろそろ考えるよりも先に手の出るコムギが、戦闘の口火を切る頃合い。

  ミルネもやれやれといったふうだが、その気合いと眼光は普段以上に熱い。

  仲間たちもわかっていて、その流れで陣形を組もうとした――瞬間だった。

  「ひゃっ」

  リムは冷たさから、素っ頓狂な声をあげ身震いする。足と尾がピンとした。

  唱えかけていた魔法が途切れ、杖の先からプスッと煙。魔法が不発になった。

  「いったい、なに? これから天才的な魔法を披露してやるところ……にゃ?」

  ぴちゃっと谷間に青いものが落ち、谷間の熱が冷却される。水漏れだろうか。

  そういえば十字路に差し掛かる前は、橋で地下水脈の上を通り抜けてきたのだ。

  いやにとろとろとしていて、なんだか闇が濃いような気がして、見下ろしていると。

  「な、なんだか体が熱くって……動けないぴょん……水浸しぴょん!」

  「そんなにズブ濡れになるまでどうして気がつかなかったの?!」

  ウルの涙ぐんだ突っ込みにうなずくリム。

  「ぴょん?!」

  びちゃっ! とコムギの頭上から水が降り注ぐ。

  素早いながら鈍感な彼女は、その体が濡れている。

  見覚えのある水分。いやってくらい知っている粘液。

  魔王はニヤニヤと見つめ、いたずらっ子のように笑む。

  コムギが目をつむり膝をつき、うわ言をあげ倒れ伏した。

  「お、おい! しっかりしろ! うわっ!?」

  救出に向かったミルネは、しかし、どうしてか弾き飛ばされる。

  「へ?」

  リムは呆けて、青いもの……ジェリーフィッシュと目をあわす。

  粘液漬けにされたコムギは奥歯を噛み締め、激しい痙攣を始めた。

  「わわわわぁぁぁぁ~ひいいいいいいいいいいいいいいい!!」

  ウルの叫び声を耳に、そちらを見やればフラフラになったポテコがいた。フードをつけた生意気そうなやつが複数本の尻尾をひろげて、大人びた態度で見下ろし鼻で笑う。まるで、おなかいっぱい山の再現だ。立ち上がろうとしたが、水球の追撃を受けたミルネがすっ飛び、ポテコに激突。ふたりはもつれ倒れてしまう。

  「気安く触るな! 離せ! 離せったら!」

  目眩ましによる脱出劇を演じようといたララだが、大勢の信徒に両手足を捕まれ、身動きひとつ取れない状態。

  「そうです……魔王さまが、めくるめく魔王ワールドさえあれば光の教団など塵芥も同然! この世は偉大なる闇に支配され! その寵愛を授かる以外にないのです!」

  「光の教団の会長がなんてだらしのないことを! しっかりしてください! あなたたちはいい加減にしなさい! あっ、コラ! 返しなさい死なせますよ!」

  ルクスは魔王の前に両膝をつき、両手をあわせ崇拝し始めていた。

  すぐ脇でスターが信徒の群れに囲まれ、錫杖を奪われたというのに。

  ボンッ!

  炸裂音がして振り向けば、ウルが大粒の涙をこぼし、壁にもたれかかった。

  背負った機械から煙があがっていて、彼女の口からもポワァ~っと魂が昇る。

  ソーサラーの魔法を受けたようだ。一分に満たない時間で、仲間は壊滅状態だ。

  「ちょっとまって!」

  リムは魔法を使うのも忘れ、戦いという言葉も頭から抜け落ちていった。

  頭に思い描いていた理想の未来が、ガラガラと崩れ去っていき、生唾を飲む。

  過去に魔王なんてイチコロ、ワンパン、魔法見せてやるにゃ、そう胸をそらしていた自分を殴ってやりたい。数も質も上回られてしまえば、太刀打ちできなかった。

  「これってピンチじゃない!?」

  倒したと思っていたジェリーフィッシュ。

  どこぞへと消えたはずのソーサラー。

  そしてニヤニヤと嘲笑う魔王さま。

  両手では数え切れない信徒たち。

  あまりにも多勢に無勢である。

  「まさか。ピンチだなんてとんでもない。ねぇソーサラーくん♪」

  ジェリーフィッシュは、ぷるんっ、と透き通る青色を弾ませて、えっへんと両手を腰に当てる。

  

  「そうとも。ジェリーくんの言う通り。終わりだよ」

  「うんうん♪ ふたりともご苦労さま! みんなの仕上げは――ボクの闇で締めくくってあげようねぇ~♪」

  洞窟の入り口で起きたのと同じだった。

  魔王が片手を振る。それだけで空気に影響を及ぼした。

  ドロドロとしたヘドロ状の霧が体にまとわりつくようだ。

  暗黒が視界を覆い隠す。紫がちらついて空間が歪んでいく。

  途方もない闇の束縛……地面に埋められたみたいに動けない。

  毛と毛の間から皮膚の全体に至るまで、心を悦ばす闇が染みる。

  愉快な仲間たちは、負けまいと必死になるが、ルクスは堕落した。

  ウルは涙ぐみながら「辛かった、もう楽になりたい」と惑わされる。

  「ああ、会長がそうお望みなら……」

  「…………トト、やっと、一緒になれる……」

  ララは魔王を向いているトトを目にし、スターはルクスを眺め震えだす。いまにも手をあわせ跪いても不思議はない。

  「しっかりするにゃっ! このままじゃ、このままじゃ…………」

  叫び、両手を振り回し、頭から湯気をあげ大声を出せども、まともに動けるのは自分ひとりになっていた。

  「さてと、侵入者退治も終わったことだ。研究の続きをしてくるよ」

  素っ気なく言って、ソーサラーは尻尾を向け立ち去っていく。

  後ろ姿を見つめる魔王は「がんばってね~」と手を振ってみせた。すると尻尾を振り返していた。

  「さあさあ、みんな! お待ちかねの、お楽しみ!」

  粘っこい笑顔でジェリーフィッシュは手を叩く。しかし注目するものは、リム以外にいなかった。

  「君たちのために、とっておきのカプセルを用意してあげたよ! そこでホルマリン漬けみたいにして、感度を数千倍にも引き上げちゃってさ、快楽に悶えてもらうよ! うさぎ村で交わした約束をはたしてあげなくっちゃね~~ヒャッハッハッハッ!」

  な、なんて悪趣味なやつ! あの言葉を忘れていなかったにゃんて~!

  粘液を滴らせながら、倒れたコムギやミルネ、ポテコの方へ躙り寄っていくジェリーフィッシュ。無抵抗となった『おもちゃ』を前に舌なめずり。味方が立ち上がり奇跡の逆転劇を期待するリムだが、愛のジェムキャンディは魔王の周辺に浮かんでいた。

  ここは撤退して、仲間をひとりでも引っ張って逃げられ? 逃げられる?

  思案していたとき、視線を感じた。

  目があう。爛々と輝いている魔王の瞳。

  半開きになった口から垂れる、どろっとした唾液。

  じゅるじゅるじゅるり

  「さっきからさぁ、ずーっとイライラさせてくれたよね? わざとやってるのかな?」

  満面の笑みで、魔王は目の高さをあわせて浮遊する。

  「へ? わ、わ、わわわわわわわわわ私かにゃ!?」

  「そんな変な格好で、ボクに見せびらかしてくれちゃってさ。うひょ~おっぱいこぼれそうじゃない♪ こんなに大きいの滅多にいないんじゃないかな? これはいい広いものだぞぉ~♪」

  何を言っているのかリムには理解が及ばなかった。それでも視線が溢れ出す双丘を追っていると気づき、察しがついた。極限まで軽量化された布に支えられているのは、たっぷん、とした大粒の乳房。

  「ほんとに変な格好。裸マントっぽい。痴女すぎるでしょ♪ ボクみせつけちゃって、理解らせてもらいたいって丸わかりだよ♪」

  「これは変な格好なんかじゃないにゃ~!」

  一生懸命に考えたものをバカにされたとあっては、天才魔法使いの沽券に関わる。にゃああ!と大声で言い返す。

  「私が考えに考え抜いた最高のローブ! 魔力の流れの最適化させ、機能性にも特化しているのにゃ!」

  ありあまる柔らかなものを支えるには頼りない、この布地や理由がある。

  ちゃんと、魔力の流れを僅かでも服に阻害されないよう、体に馴染むよう色々と。

  巨乳は柔らかな脂肪と弾力のある肉で構成され、彼女が動くたびにその柔らかさが波打つように揺れ動き、魔王の目を悦ばせる。感情的になればなるほど胸は大きく上下に揺れていた。そのたびに形が微妙に変わり、豊満さをさらに強調する。

  たぷっ たぷっ

  そんな音が、闇の中に淫猥に響き渡っていた。

  「へぇ自分で考えたんだ。根っからの痴女かな?」

  「そんなわけないにゃ!」

  自慢の逸品を悪く言われ、いやらしい態度に声を荒げても、事態は一ミリたりとも好転しない。

  「心のなかでは遊んでもらいたかった? ペットにしてもらいたいなら、もちろんしてあげるよ。だって、この世界の住民はみんなボクが大好きなシモベになるんだからね!」

  「だーかーらーちーがーうにゃ~~!! これはリムちゃんの考えた至高のローブなの!」

  「そう遠慮せず、ボクにかしづきなよ、どうやって楽しんじゃおっかな♪」

  そして気がつく。魔王に目をつけられているのならば、あんなことやこんなことの餌食にされるのは自分自身。ちょっとでも時間を稼ぎ、打開策を練らなければ愉快すぎる仲間たち共々ここでバッドエンディングを迎える。

  「へ、変な格好なら」

  目を輝かせる魔王の愛らしくも狂気的な眼差し。

  欲望に燃えているだけではない。最悪が待っている。

  しかも、心はそれを望み、魔王さまと呼びかけていた。

  あたふたと手を振り回して、気をそらそうと必死だった。

  「私だけじゃなくって! あっちにもいるにゃっ!!」

  咄嗟に指さしたのは、うつ伏せのポテコ。

  彼女はチューブトップ以外に身につけていない。

  剣を手放し、仰向けになったミルネの上に覆いかぶさり、気を失いながらも守ろうとしていた。実際は彼女の胸に顎を乗せ、首筋をアムアムと甘噛みしているだけで、白い毛並みはよだれでべっとり。気を失いながらも「ミルネのあじ」とブツブツ語り、当のミルネは寝苦しさに眉を寄せる。悪夢にうなされた表情ほどダメージは受けていない。それでも愛のジェムの加護が消えた。倒れ伏した仲間たちは闇に侵食され、すこしずつ魔王の好みに寄せられている。内面もまた魔王の望ましい方向へ転がっていた。

  「ほ、ほら! ポテコだって、私と同じようなものを身に着けて」

  「あれあれ仲間を売っちゃうんだ? 悪いやつだな~」

  ――――これは、おしおき、けっていだねぇ?

  微笑む魔王に、ゾワッと恐怖する。

  もう仲間たちの援護は期待できなかった。

  うねる触手のすべてが、リムの方へ鎌首を持ちあげた。

  「ち、違うにゃ、そんなつもりじゃなくって、格好のことで!」

  「だって、あれはさ。たゆんたゆんじゃないし」

  リムは自らの乳房を見下ろす。布に包まれた特大肉饅頭。

  ふっくらした太もも。両足の爪先も見えない肉厚カーテン。

  ボリュームはたっぷりとあって、ちょっとばかり自信もある。

  ちょっと身体を動かせば揺れる。電車の振動でも、盛大だった。

  じゅるり

  その背筋が凍りつくような音を耳に、耳と尾の毛を逆立てた。

  今日ばかりは、ぺったんこの俎板ポテコに嫉妬してしまう。

  「く、くるにゃっ!」

  「あはははは! やっぱり、たゆんたゆんしてる~♪」

  尻もちついて、手を振り回すリムは魔法を使うことも忘れていた。

  頭が魔王さまでいっぱいになって、それしか考えられなくなりそう。

  すべての目標や願望が【魔王さま大好き】の言葉に塗り潰されていく。

  ミルラやトトとミルルが濁った瞳で、愛のキャンディを回収していた。

  「ちょっとちょっとだめだめだめだめだめだめだめだめミルネ! ララもしっかりして!!」

  うち二つはミルネとララがそれぞれ持ってしまう。

  輝きはぷっつりと途切れて、メンバーを守るものは、何一つなくなった。

  「それじゃあ、ここまで頑張ったご褒美をあげないとね♪ とびっきり濃い! 特濃の闇を注いであげよっかな~♪」

  「じょ、冗談じゃないにゃ! そんなものいらない、なにそれ! 気持ち悪い! ルクスみたいなことしたくない~~~~!!」

  リムは触手を目に狼狽し、腰を抜かす。

  魔王がにゅるにゅると触手を伸ばす。

  じゅるりじゅるりと唾液を啜る音。

  四本ある触手が一斉に伸展する。

  「にゃっ!?」

  両手と胴体にまとわりつかれてしまう。

  こんなときこそ魔法の出番だが呪文が喉に詰まった。

  愉快で頼もしい仲間たちは魔王のシモベに成り下がる。

  立っているのは魔王と友達。立たされているリムだけ。

  「か、かんべんにゃ」

  うねうね! うねうね!

  魔王は触手を巧みに動かし、あふれる乳房を捏ね回す。

  布地をずるっと下げられ取り払われると、大きさに見合った乳首が外に出る。

  特殊なローブをはためかせる。触手の先端が乳首をとらえ、くりっ、と弄った。

  「にぃあ……ま、魔王さま」

  魔王を名乗るちっこいやつを、震える声で呼んだ。媚びてしまっていた。

  しっかりと性感帯をとらえ、満足そうに口角を緩めさせる。偉大なる魔王さま。

  だが同居するのは、羞恥に屈辱だ。怒りに歯噛みし、眉をつりあげ魔力を溜める。

  「い、いいかげんにぃ」

  震える口で呪文を唱えてやりたいのに。

  出てきたのは、蕩けきった――うめき声。

  「あぁ~まおぅさまぁ」

  わ、私はなんてことを、言っちゃってるの?!

  歯を食いしばり、悔しげに触手の中で震えあがる。

  どれだけ感情を燃やそうとも、頬は紅潮してしまう。

  魔王さまは、それを目にとてもお喜びになられていた。

  「心配しないで。ボクはね、痛いことなんてしたくないだ。ただね、気持ちよくて、毎日楽しくなるようにしてあげたいだけ。とっても素敵でしょう?」

  実りよく育った胸に触手が巻きつき、軽い圧を加える。

  「そんなわけ、あんたがひとりだけたのしむ、世界なんて」

  ぎゅうう~~♪

  言葉は悲鳴に置き換わって、リムはのけぞった。

  股ぐらから蜜が吹き出し布が一瞬で、水浸しになる。

  温かくも冷酷で、無邪気でながら残虐な掛け声が響いた。

  身に絡まりついて乳房を押しつぶす毒蛇さながらの触手たち。

  そこから蛇口に繋がれたホースのように、闇が一気に流れ込む――。

  乳房の表面から、熱が発せられる。乳首が痛々しく勃起し、伸びあがる。

  奥歯を噛み締め唾液や空気を吹き出しながら「い!?」と背骨が曲がった。

  むず痒い。胸全体が火照り、湯気を放ちながら、奥深くに疼痛めいた刺激。

  悶えるのは苦痛からではなく、闇に抱かれる心地よさ。これまでの握りしめる強烈な闇とは違って、程よい湯につかりながら、体の表面を撫で回し、細胞のひとつひとつまで闇に変えられていく。

  「なっ、なになになになになにこれッ!?」

  リムの驚きっぷりは、魔王さまへの崇拝が追い払われる程に強い。

  魔王の触手に弄られる。快感が乳首に弾け、目を見開き涙をこぼす。

  真ん丸な両目を見開いて、ビクン、ビクン、ビクン、と胸が脈打った。

  脈を打つ感覚が起こるたび乳房が跳ねる。脂肪が膨らみ、重みを増した。

  その変化は性急だった。

  ふくよかな丸みが一センチ、二センチ、胸囲を広げていく。

  皮膚を押し伸ばし乳首や乳輪、全体がミチミチと張り詰める。

  「膨らめ膨らめ~♪ もっと大きくなっちゃおうね~♪」

  乳房が肥大化する。頭ほど大きい乳房が、それよりも大きくなる。

  行き場を失い左右に広がり、谷間を初めて、窮屈だと感じてしまう。

  リムは吠え、叫ぶ。しかし全てが意味不明な、獣同然の嬌声だった。

  触手に絡まれたまま前かがみになると、ぶらんっ、と乳はぶら下がる。

  「うわぁ~~魔王くんってばえげつな~~い! もう歩くのも大変そうじゃない!」

  「えっへへぇ~きっとジェリーくんみたいにポヨポヨのプルンプルンになってるよ♪ 毎日、枕にして、ベッドにして、ボクを処理さえてやるんだぁ♪」

  リムの心に残っているものが眉間にシワを寄せさせる。

  奥歯をくいしばらせ、唾液をすすりあげ、涙目になりながらも吠えた。

  「ん゛ぉ゛に゛あ゛!?!?

  ぶらんっとした乳肉を、触手が一本ずつ、根本に絡む。次に乳首を目指し、ゆっくりと下がっていった。さながら乳搾り。歯を食いしばり、こらえきれない嗚咽を漏らし、股間の蜜を濃厚なものにして、とろとろとしたものを内腿に伝わせ、魔王城に染みをつくる。

  「すっご! こんなにメス臭いの久しぶりだ~~♪ ミルク臭いし、いいおもちゃが手に入っちゃった~!

  魔王さまは喜び、御自らの指先で、胸の肥大化に合わせ巨大化した乳首をつつく。

  ピンピンに勃起し、飛び出してしまいそうなほどに立ち上がっている。過敏になったそれは微かな刺激にも敏感なもので、リムは目を見開き大口を開け身震いした。

  「お゛おぉぉぉぉ~~!? ひぅうぅううぉうぅうぅう!!」

  「うわぁぁ~~感度良好! ちょっとなでただけで、イっちゃった♪」

  やがて、魔王さまは両手で乳首を摘みあげる。ドアノブをひねるように弄り、血の溜まり具合を調べるようにプニプニと柔らかな手で揉み解していった。胸が性感帯だと、リムは特に思ったことはなく、それで達するのも初めて。たった今、二回目になった。

  「にぃひいぃいいいいい!!?!?」

  目を白黒させ、唾液と鼻水を垂らしながら、言葉にならない言葉を吠え足をバタバタとさせた。心の奥底で魔王さまの闇に打ち勝とうと懸命であったが、助かる見込みがないとも理解らせれている。

  ぷにっ ぷにっ ぐにょんっ

  リムは唇を噛む。感度良好な肉体は、ほんのちょっとも堪えられない。

  「い゛や゛ぁぁぁぁぁ!! お゛! お゛っぱい゛! ひぃっ!! ひいい!」

  ぷっくりと瑞々しい乳房は、特大のスイカもかくやといった巨大サイズ。

  荒野を闊歩する、魔王のデビルたちさながらの、不格好でアンバランスな外見。

  あっという間に肥大した乳房に、魔王さまは笑顔で頬ずり。甘い電撃が全神経を襲い多幸感が吹き荒れる。絶え間ない淫猥なる刺激を加えられ、脂肪が重々しく揺れ動いた。

  「うーん? ちょっと汗臭いかな? ここにくるまでいっぱい頑張ったんだね」

  すぅ、はぁ、すぅ、はぁ

  吐息が毛並みに吸われる。

  肌が温まる。

  それだけで達してしまう。

  触れられていると、両足はガクガクと笑った。

  ショォオォ、と尿道から潮を噴き、あえぐ。

  「ひぃいいぃいいいいい!!」

  乳首が破裂しそうになった。

  心臓にあわせて、動いている。

  うねうねと、触手が這う。

  思考は快楽。魔王さまが好き。

  以上の二種に分類されてしまう。

  「ボクにこうしてもらうために、えらいよ~♪ いい子だねぇ、えーっと? リムだったね! 今日からボクのおもちゃだよ。わかった?」

  「に゛~~!?!?」

  名前を呼んでもらえた。

  それだけで、目眩がしてくる。

  今なお膨れていく脂肪に歓喜が生じ、乳首にまで伝わった。

  「もう乳輪がボクの手のひらよりずっと大きいや♪ 乳首なんか掴みきれないくらいに育っちゃったかな? あははははっ♪ 触手が絡むだけで気持ちがいいかな、ボクが大好きのシモベになれた感想は?」

  睨みつけ怒声をあげた。

  ほんの数分前のリムならば、そうしていた。

  いまのリムは口を緩め滂沱の涙を零し、のけぞった。

  「あ、ありがたき、しあわせです、にゃ、もっと、大好きに、なりた、なりたぁぁ!」

  「イキながら喋るなんて、やっぱり痴女じゃないかっ♪」

  「は、はいぃぃぃぃぃ! 私は、痴女ですにゃぁぁ!」

  びっしょりの布に包まれた膣口は陰唇をパクパクとやって、内壁を蠢かせ、だらだらと汁を流す。その上、赤いカーペットをメス臭く汚してしまっていた。

  「これくらい大きくすれば十分かな?」

  名残惜しくも触手が解かれ、魔王さまの体に収納されていく。

  リムは仰向けに崩れた。視界の下半分は乳で全く見えなくなった。

  爆乳かつ瑞々しい張りを与えられたそれは、形がほとんど崩れない。

  まん丸で、自重にも負けず、水風船みたいにポヨポヨと弾むのだった。

  「うわぁ~~爆乳っていうか奇乳っていうか。魔王くん、そんなにおっきくしてどうするの?」

  目をぱちくりとやって、ジェリーフィッシュは好奇心から胸を叩いた。

  あひひひひぃぃ! とリムの全身から汗が飛ぶ。激しすぎる絶頂。痙攣を催した。

  

  「ん~~いきおいでやっちゃったから、そんなに考えてなかった。でも、乗っかったりベッドにしたりしたら気持ちよさそうじゃない?」

  「へぇ、それは面白い趣向だね! 僕は体で呑んだり抱きしめたりしてあげるほうが好きだけどな~」

  「それはボクにはできないも~ん♪ 今日から乳肉ウォーターベットで眠ろっと♪」

  「ウォーターベットなら僕がなってあげよっか?」

  「えぇ? 友達の上で寝ちゃうなんて、できないよ~」

  痙攣するリムに構わず、魔王は友達と話し合い、今日の勝利を祝う宴でもしようとソーサラーに会いに行くと言っていた。

  「ま、まおうぅ、さまぁ~だいすきです、にゃああ……」

  洗脳された信徒たちと同様。

  リムの瞳は濁り、呆けた顔で『魔王さま』と『魔王さまに仕える自分』のふたつだけが心に残されるのだった。

  [newpage]

  それは、ミルネ一行が洞窟に足を踏み入れた日。

  魔王城の玉座に腰掛け、友達と時間を過ごしている。

  情けないと思いながらも、結局は逃げ帰ってしまっていた。

  もうちょっとで全てが終わる。勝ちを確信したのに駄目だった。

  おなかいっぱい山のことがあってからソーサラーは研究に熱心だ。

  ジェリーフィッシュは彼女らに贈り物を用意し、ニコニコしている。

  洞窟の前で魔王が撤退してから、ソーサラーは何事かを考えていた。

  「ねえソーサラーくん。さっきから気難しそうな顔をしちゃって、どうしたの? 研究が行き詰まったとか?」

  魔王はといえば、どうやって引っくり返らない実力差を魅せてやるか。

  ワクワクとしながらも、心の中には、ただならぬ苛立ちを隠している。

  それでも、やはり友達が悩んでいるのなら、手を貸してあげたい。

  「もう時期に連中がここへやってくるじゃないか」

  「ミルネたちのこと? わざわざボクに愛のジェムキャンディを持ってきてくれるなんてね♪ 本当に、いい子いい子♪」

  特別にかわいがってあげなくっちゃね~、と涎を堪えきれなくなる魔王をじっと見つめるソーサラー。

  その気難しい視線を受ける魔王は、頭に疑問符をつくった。

  「どうしたの? なにか言いづらいこと?」

  「うん。嫌がると思うけど、ミルネたちを倒す作戦を練っていたんだ」

  「ははは! ソーサラーくんってばナイスジョーク、ボクらが作戦を練るだなんて、そんなの無駄だよ♪ ボクがその気になっちゃったらね、かるぅ~くひとひねり……」

  ソーサラーの表情は変わらない。隣のジェリーフィッシュがぐにょりとフードの中を覗き込んでも。彼は両の袖を連結させたまま、魔王を見つめている。

  「ソーサラーくん、それマジ?」

  「うん、マジ」

  うわああああんん!!!

  魔王の嗚咽とも悲鳴とも呼べる泣き声が、壁をノックする。

  「ひどいやソーサラーくん……このボクが、あんなメスガキたちに勝てないって本当に思ってるなんて」

  「泣くことはないじゃないか」

  友達に疑いをかけられた。胸が痛み震えが走った。

  魔王の心はひび割れ、瞳からは水が染み出してくる。

  「まあまあ落ち着いて。いまさら魔王くんの力を疑ったりはしないよ。問題は愛のジェムのほうだ」

  そういうことなら。と魔王の水は引っ込んで、ひび割れた心もあっさりと閉じた。

  「さっき、ミルラとミルルを使って、それでもうまくいかなかった。今度こそはと思っていたのにだよ。何があったか、詳しく教えてもらってもいいかな?」

  魔王は思い浮かべる。ミルラ、ミルル、そしてミルネにルクスをシモベにした。それからウルにララの順番で軍門に降らせた。残りのコムギ、リム、ポテコを闇に染めてやろうとしたとき、

  うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!

  そう、怒涛の勢いやってきたはのルクスの腰巾着、スターだ。

  4つの愛のジェムキャンディを異様に輝かせ、特攻を仕掛けた。

  「あとはもう大変だったよ」

  魔王はしみじみと語り、ため息をついた。

  痛みに泣きながら撤退したことは、格好悪いから伏せておく。

  けれど、ソーサラーの見透かしたみたいな瞳がチクチクした。

  「一生分で聞く分の死ねって感情を叩きつけられたかも」

  「あれれ、それは強烈だったね。意外だな、スターがそんなことをね~」

  驚いたのはジェリーフィッシュだ。彼だけは連中と真っ向から『遊んだ』経験者。

  ゆえに、メンバーの実力の程を体で知っている。いまの態度からすると、スターにそこまでの能力はない。あるわけがないのに。そう言っているのと同じだ。

  「やっぱり愛のジェムキャンディは魔王くんに対抗しうる。いいや、超えかねない可能性を持っていると思っていい。そこにあいつらの力を加えられたら、油断は禁物だ」

  「うーん、そう思ったことはないけど、絶対に勝つ秘策でもあるの?」

  ソーサラーは首肯する。

  

  「まず、ジェリーフィッシュくんといっしょに負けたふりをする」

  「えぇ~僕とソーサラーくんが?」

  「残りは魔王くん、ただひとりだって思わせるためなんだから」

  そこが作戦のキモらしい。

  「おなかいっぱい山でやってみたみたいに、わざと撤退してやるんだ」

  魔王はジェリーフィッシュと顔を見合わせ、下からじーっとフードの内側を覗き込む。無言で、三十秒ほども。途端にソーサラーは、きまりが悪そうに片目を閉じた。

  「と、ともかく。あれは不可抗力で不意をつかれてだね、その気にさせて、ともかくっ」

  ゴッッホンッ!!

  演技っぽい咳払いが、わざとらしく響き渡った。

  「あいつらのことだ。調子に乗って奥にまで踏み込んでくるよ。あとは城の奥で、逃げ場を塞いで、総力をあげ踏み潰す。単純だけど、あれこれ策を巡らせるより、三人と配下を使ったほうが手早くて確実だと判断したよ」

  魔王はちょっと引いた。

  いくらなんでも、マジすぎるガチ戦法だと。

  三人がかりでやるなど考えたこともなかった。

  その上にシモベを使えば、遊ぶ時間も作れない。

  「…………ちょっとやりすぎじゃないかな」

  自信があるからこそ、魔王は乗り気がしなかった。

  もちろん友達の好意を無駄にしたくもなかった。

  「それは相手の責任じゃないか。敵陣に乗り込んできたほうが悪いよ」

  「ソーサラーくんの言いたいことも一理あるかな。今までは『お遊び』だったけど」

  言葉を引き継ぐジェリーフィッシュは、ニヤニヤと瞳を緩ませる。

  口の中を粘り気でいっぱいに微笑む。ねっとりとしたものが、舌から滴り落ちていく。

  「あいつらは愛のジェムを四つ集めて、ここにきちゃったよね……最高のおもてなしをしてあげなくっちゃ失礼だよ。とっておきのサプライズをした後の真っ青な顔と、快感に悶える真っ赤な顔が交互に目に浮かんできて…………ヒャッハッハッハッ!」

  考えてみればジェリーフィッシュの言う通り。

  じゃれあいなんてのは、ほんのすこしのお遊び。

  本命はそこから先にある、あんなことやこんなこと。

  「それも面白そうだね! さんざんボクたちの邪魔をしてくれたんだもの、腰を抜かしてもらおうじゃないか」

  魔王は片手をあげ、賛成の意を示す。次にジェリーフィッシュもぷるっと両手をあげてみせた。

  「ふたりともありがとう。こうすれば三人で力をあわせられるし、何より愛のジェムキャンディも手に入る。信徒の数を城の奥に集結させておこう。でもジェリーくん、あまり遊びすぎないようにだよ?」

  「任せといてよ! あいつらをその気にさせればいいんでしょ? 軽い軽い!」

  釘を刺されたジェリーフィッシュは問題ないと胸に手を当ててから、にたりとさせた両頬をつまみ、引っ張ってみせた。

  「ジェリーくん。やられた~、なんて言って倒れるのはなしだよ?」

  「それダメなの?」

  「ダメだよ」

  キョトンと目をしばたかせるジェリーフィッシュに、ソーサラーは真面目にうなずいてみせた。それはもう深く深く。

  「じゃあね~アイツらの前で派手に吹き飛んでやろっと♪ 戦う前に演出をして、そのあとに爆発でもしてあげれば、やった倒したって、信じるに決まってるよ」

  ちょっとした作戦会議。ああしよう、こうしようと笑いあった。

  作戦は想像以上にスムーズで、ミルネ一行は次の日の出を待たずに。

  まとめて『おもちゃ』の仲間入り。魔王城が以前より賑やかになった。

  [newpage]

  太陽が昇れば、魔王城にも朝がやってくる。

  洞窟に閉ざされた空間にあるのは、闇をより浴びるため!

  朝一番の礼拝やマントラを終えた信徒たちは、闇に感謝を捧ぐ。

  今日も今日とて魔王さまに貢献するべく働き出し、賑わい出した。

  食料を調達するものがいれば、信徒を引き込むため遠征するもの。

  魔王さまのためにひたすらに信仰心を捧げ全身を踊らせるもの。

  実用的なものから、宗教的なものにかけて、多岐にわたった。

  毎朝。闇の恩恵にあやかれる幸運を胸に、信徒は励むのだ。

  魔王ワールドを築きあげるため、世界中を闇に染める。

  それこそが闇堕ち教の。否、生を受けたものの運命。

  改めてみると、ちっこいやつにゃね

  不遜な態度で魔王さまを侮辱した過去を許してくださった。

  そしてリムは思うのだ。魔王さまがちっこくて、よかったと。

  魔王臭のこびりついたベッドの上。仰向けのリムは身じろぎした。

  「ひあっ!」

  破裂しそうな爆乳の谷間に、魔王さまが後頭部を押しつけている。

  ぐーっと力を入れ、すやすやと寝息を立て、輝かしい角が視界にある。

  腹部には魔王さまの臀部や尻尾が、たしかに触れていて、寝息を嗅ぐ。

  それだけで粘膜が蕩け、にゃぁぁっ、と達し、身震いしてしまうのだった。

  魔王さまが寝返りを打ち、右乳首に頬が接触する。親指くらい尖った乳頭。

  さらにムッチリと、ぼよんっ、と贅肉が積み重ねられた乳房は乳輪も巨大。

  手のひらを精一杯にひろげても、その乳輪は隠しきれず、乳首は反発した。

  乳は豊満すぎる。自分自身で抱えきれず、気軽に腕を組むのも難しい。

  手頃な位置は乳肉に阻まれる。下乳を持ち上げれば疲れる。

  立っているときは天才的な魔法で、乳肉を軽く浮かせていた。

  しかし魔王さまはそれを禁じ、自重を二の腕で持ち懸命に歩く。

  息を切らせ、鼻息を荒く、自らを滑稽に支え進む以外になかった。

  リムの乳が揺れ、無様を晒す度に魔王さまは微笑んでくださるのだ。

  もう、お金なんかいらない

  名声も人気も、どうでもいい

  天才魔法使いの肩書もいらない

  魔王さまの寵愛を賜りたいにゃ

  爆乳リムに生まれ変わらせていただき、感謝するばかりだった。

  魔王専用のベッド。魔王専用クッションにしていただけるのだから。

  性処理を別のものだけが担当しようと、共に過ごす時間は誰より長かった。

  何より、先程みたいに朝一番の処理を任される。トイレにしてもらえるのだ。

  睡眠を共にし、爆乳に臀部を乗せリラックスしてくださる。これがリムの誇り。

  あぁ~~! 魔王さまが私に乗ってくださっているニャ~~!

  家族を質に入れても欲しがられる立場を得て、大勢に注目される人気者リム。

  ルクスやミルラが、ほか信徒の送る羨望の眼差しさえ気にならなかった。

  魔王さまの処理係も寝具係も、クッション係も私から奪わせない!

  

  自分だけ魔王さまの寝息を聞いて、自分だけが息遣いを嗅ぐに相応しい。

  天才魔法使いに与えられた特権なのニャ、リムは是が非でも譲らなかった。

  「ふぁぁぁ、おはようリム」

  「はい、魔王さま。おはようございます」

  ふわりと飛びあがり、魔王さまは勃起を顔面に差し出してくる。

  何も言わなくてもわかる。それでも、魔王さまは言うのが好きなのだ。

  「リム。しゃぶってよ」

  あどけない笑顔で天才魔法使いに命令をくだす魔王さま。

  ぶるっんっ、と乳房をバウンドさせてから、涎を垂らし頷いた。

  「お世話をさせていただきますにゃ……あむぅ、むぅ、れるぅえぇろ……」

  以前のリムであれば歯を剥き出しに両腕を上下させ、激昂し拒否しただろう。

  しかし、 リムは魔王さまの椅子でありクッションであり、性処理奴隷。命じられれば素直に従い主人を喜ばせるため、懸命に奉仕するのは当たり前だった。

  「ははははは、昔は逆らったり大声をあげたりしていたのに、こうなったら可愛いものだよね♪

  帽子から飛び出す耳を両手で掴まれる。

  しゃぶる陰茎は熱い。舌先や唾液に尊い闇が流れ込んできた。

  インクが紙にしみるのと同じ。舌と口がヒクヒクとして火照る。

  純真無垢をおもわせる可愛らしい御身と裏腹に底なしの暗黒を放つ。

  いくらしゃぶろうとも、頬張ろうとも慣れない。闇に口腔を満たされる。

  アンモニア臭……雄臭さ……脳天に針を刺したみたいに、ツンと痺れた。

  唾液をすすりあげながら陰茎の表面を舐めあげ、息を切らせてしまった。

  魔王さまが、私の口の中に、いらっしゃるにゃ

  幸福感のあまり死んでしまいそうな気分。

  少しでも気持ちよくなってもらおうと舌を蠢かせる。

  頬を窄め、みっともない表情で見上げ、首を前後させた。

  眼の前が魔王さま一色となり、紫の光が火花を散らせる。

  この世で最も尊いお方に跪いて、勃起を頬張らせてもらう。

  とろみのある粘液が頬や舌にふれて、ぬるっとしていった。

  魔王さまの腰に顔を前後させ、じゅるじゅる、と唾液を鳴らす。

  舌は竿の裏側をさすり、舐めるたび喉はビリビリと感じてしまう。

  喉が自然と、ごくり、とつばを飲む。五臓六腑に闇の力が渡りゆく。

  こうしているだけでも性感帯。陰核や乳首は根本から芯が通っていた。

  「しゃぶるだけでビンビンにしちゃってるの、わかるよ? リムの乳首やクリトリスはさぁ、なんだかチンポの先っぽみたいになってるねぇ♪」

  じゅぼっ! じゅぶっ! じゅぶぼぼ! じゅぶるるぼっ!

  んああっ、んぅぅああっっ、魔王さまのチンポにゃあ!

  積極的なフェラチオを捧げ、その瞳は曇り空さながらの濁りがあって、ハートマークがあやしい輝きを帯びているのだった。泡立つ魔王味のする唾液をすすりあげ、チュウチュウと下品な音。いまのリムに羞恥心はなく、得体のしれない激しい昂奮に、背筋に何かが通り尻尾が逆立ち伸びていった。

  「うおっ、出すよ! リム、全部のんで! 君はボクの――――便器なんだからっ!」

  肉棒が膨らむ。魔王さまが半身を顔に寄せる。

  爆乳に両足を乗せ、ぐにゅり、と潰され至福が舞い降りる。

  臍の下が火で炙られたみたいで、魔王汁を求めヒクついた。

  ビュウウウ! ビュッ! ビュッ! ビュウ! ビュウ!!

  尿道が膨らみ、舌で行き場を塞がぬよう下に添え、頬全体で愛撫するよう調整した。

  灼熱の、白濁の、魔王汁。とびきりのザーメンは天才魔法使いの口で、濁流を起こす。

  白いものがべったりと歯の裏側を埋め、頬を膨らませ、鼻腔に逆流しかけてしまった。

  ビュウ! ビュッ! ビュウウウ!!

  白濁が少し、口の端から漏れ出してしまう。

  脳を焦がすような異臭。飲めば飲むほど身が渇いていく。

  頭に心を溶かされていき、舌や歯茎に粘ついてしまう特濃魔王汁。

  白くて臭い。こうしているだけで数え切れない絶頂に、白目を剥く。

  「ふぅ、すっきりした♪」

  さらにしゃぶりつき、首を前後させようとしたリムだったが、魔王さまは腰を引きやめてしまう。だから両膝を床につけ、両手と額をこすりつけるように頭をさげた。

  「本日もお使いいただき、誠にありがとうございますにゃ……」

  魔王さまは壁にある鏡を見つめ身だしなみのチェック。

  こうしている間にも、リムは舌なめずりして頬についたものを口に運ぶ。

  もっともっと飲ませていただきたい。子宮の奥を貫いていただきたい願望。

  だが、魔王さまは角の光り具合を確認。目元を指先で軽く拭っているだけだ。

  

  「うーん、まだお腹も減ってないし、それじゃあ今日は見回りから始めよっか」

  朝勃ちの処理を終えてから。

  魔王さまの一日はスタートを切る。

  リムは息を切らせながら廊下を進んでいた。

  快感ばかりが身を焦がし、アヘりながらの歩み。

  なにせ谷間に魔王さまの『お尻』が乗っているのだから。

  唾液が魔王さまに落ちないよう気にしながら、すすりあげる。

  魔王村で暮らす一級の信徒たちに顔出しをするため、爆乳に腰掛けていらっしゃる。そんな魔王様のために、下乳を頼りない筋力で必死に支えながらリムは歩き続けた。

  ふらつき、倒れそうになると、魔王さまは足で不満をお伝えになる。

  言葉を使わず、魔法みたいに言葉のやり取りをできる親しさの証。

  うっとりとして目を潤ませる。谷間をメス臭くさせ、闊歩する。

  自分の乳首をチェックするのも一苦労な、爆乳の上におわす。

  体重が前に偏り、いまにも倒れそうな位にバランスが悪い。

  やがて魔王村に到着。

  魔王像があり、バルーンがある住みよい場所。

  常に魔王さまの濃ゆい闇の恵みを授かれる聖地。

  「やあやあ、みんな元気かな? ボクはごきげん麗しゅうだよ♪」

  魔王さま! 魔王さま! 魔王さま! 魔王さま!

  信徒たちは熱心に両手をあげ、マントラを唱え身を揺すった。

  けれどルクスみたいになるまでは程遠く、まだ大勢が修行不足。

  信仰心はあれども体がついていっておらず、体幹もブレていた。

  ララがトトと身をゆすり、ミルネはミルルに指導を受けている。

  うるるん工房の弟子たちに背を押され、涙目で踊るウル親方。

  コムギは粘液を撒き散らし、魔王像の前を跳ね回っていた。

  ルクスはスターと闇を知らぬ愚か者へ特別指導中の頃か。

  闇の力は崇高にし偉大。なれど信徒は矮小。

  至高の領域に近づくには努力が不可欠であり。

  何より魔王さまに対する愛。大好き度が試される。

  「リム、ボクが落ちちゃってもいいの?」

  「ご、ごめんなさいにゃ」

  つい魔王さまを愛するばかりに、愚かにも礼拝をやりかけていた。

  乗り心地が悪くなるからと注意を受け、未熟な自らを恥じ入るばかり。

  どうして私は礼拝ができないのニャ~~!

  分身の魔法でも覚えておけばよかった、そう思わずにいられない。

  しかし魔王さまの御身が、乳房の上にあると考えれば、涎が垂れる。

  小さい子に「ママ、あのひとなんで魔王さまに乗ってもらってるの?」と言われたときはイってしまった。ご寵愛を賜る肉奴隷にしていただき、特別待遇を受けている。目がぐるぐると周り、倒れてしまいそうになった。

  「ほら、リム。感じるのはいいけど、前みたいに潮ふきながら倒れたら、君でも辛いおしおきが待ってるからね?」

  「もうしわけありません、もっと注意して、歩きます」

  片足を前に出せば、たゆんっ、と体の軸がぶれてしまう。

  そうならないよう爆乳を持ち上げるが、まったく慣れない。

  信徒たちから嫉妬の視線を浴びれば、股間が淫らに潤った。

  丸く硬くなり、ほのかな尖りを生じさせたクリトリス。

  あそこが燃えて焦げてしまいそうな感情が芽生える。

  爆乳に魔王さまの尻が沈められ、絶頂していた。

  「ほんとう、簡単にイっちゃう雌豚にしあがっちゃって、いい子だよ♪

  魔王さまの言葉に祝福をされ手を合わせかける。

  いまも舌を灼くような、こってりした苦味が残っていた。

  「ほら、ふらふらしないの♪ もっと背筋を伸ばして♪」

  ぴしゃりっ、と触手の一本が尻を打つ。

  ぶしゃりっ、と愛液が魔王村に転々と垂れ落ちる。

  「わ、わかりました……もっと、私は、魔王さまのお言いつけ、通りに」

  ぷりぷりの臀部は触手で赤くなるまで叩かれ、そのたびにリムは達していた。

  魔王村から出て、廊下に差し掛かる。

  ば、バランスがとりずらくって……

  リムは自分でも驚くほど胸が大きくなっていた。

  本人の頭よりもずっとタワワに実り、重心で前かがみ。

  もし布で固定できれば楽になるが以前のものは用だたない。

  おっぱいが布地を突き破るように飛び出してしまったほどだ。

  生地が張り裂けそうに限界まで緊張し、谷間が深く刻まれてしまった。

  しかしリムも爆乳ぶりを自覚していた。

  だからこそ、魔王さまを胸に乗せながら不埒にも誘う。

  魔王さまの前では意図的に柔らかさを強調する仕草を見せる。

  「廊下でそんなに振り回して、ボクが乗っているの忘れてるんじゃない?」

  「ちちちち違いますにゃ、けっしてそのような……」

  「わかってるよ、したいんでしょ? 性処理リムは淫乱だもんね」

  「は、はい! 私は魔王さまの淫乱な性処理リムですにゃ……!」

  

  リムはは恐縮しつつも肯定する。

  途端、魔王さまの小さな手がリムの豊満な胸に伸びる。

  むにゅっと柔らかな感触。まるで熟したフルーツのようだ。

  

  「んっ! 魔王さま!」リムは思わず吐息を漏らす。ゾワゾワと唾液いっぱいの口をひらき、魔王さまの後頭部に、かじりついてしまいそうな勢いがあった。

  魔王さまは大きすぎる乳房を揉みしだき、ときおり乳首を摘まんだ。

  リムの顔は火照り、恐悦の心持ちだった。甘い喘ぎ声が廊下に響き魔王村の一角に響き渡っていた。

  

  「やっぱりリムのおっぱいは最高だ♪ もっと遊んじゃおっと!」

  ミルクが出そうなほど乳首は固くなり、乳房はむちむちと魔王さまに応える。

  やがて魔王さまは下半身から、そそり勃つペニスを、リムの胸に押し付けた。

  「はい、パイズリ♪」

  「は、はい……! 魔王さまのおちんちん、おっぱいで気持ちよくしてあげます!」

  

  リムは自ら胸をペニスに押し付け、むにゅっと挟み込む。

  ゆっくりとペニスを上下に擦り、竿を舐め上げーー用とするが自らの乳肉に阻まれて届かない。昔のサイズであれば少しは舌が触れただろうが、完全にうずもれて、しかも脂肪が潰れきらないため魔王さまと距離が開けてしまっている。

  「う、うぅ……なめられないにゃ……!」

  

  魔王さまは「そこそこ!」と喘ぎながら腰を動かし、爆乳の奥へと突き進む。

  乳肉に埋もれながら扱かれる陰茎。谷間に擦れる肉柱。

  唾液と先走りの卑猥な音を立てて、パイズリは続く。

  「んっ! にゃ、うんあっ!」

  

  リムは腰をくねらせ、快楽を貪った。

  激しい乳の摩擦で爆乳の谷間は、ぐっしょりだ。

  「あぁ、ヌルヌルしっていいねぇ~」

  「んっ! あぁん! 魔王さまのおちんちん! あっついぃ~それにいい匂い、最高の闇ですにゃ……!」

  リムは自慢の爆乳で、魔王さまのペニスを挟み込んでいる。

  むちむちの乳房は極上の弾力で、ペニスに絡みつくように吸い付く。

  「ジュプッ……ジュプッ……んっ……はぁん」

  「はははは! 相変わらず、自分のおっぱい舐めながら、ボクのを舐めてるつもりになっちゃって、変態だな~~♪」

  爆乳の表面を押し込むように舌を突き出し舐めた。

  上下に擦れ合う度、卑猥な水音が部屋中に響き渡る。

  張りのある乳肉に圧迫される陰茎は、いやらしく先走りを漏らす。

  谷間を押せばクリームを搾るみたいに、奥から込み上げてくるのだ。

  

  「あぁ! いいよぉ、ちからいっぱいに、リム! その爆乳でもっと扱けよ!」

  魔王さまは腰を突き上げるように動かし、リムの胸の谷間を犯し続ける。必死に胸を寄せ、尊い肉棒に肉厚なおっぱいを押しつけた。

  リムは魔王さまを見つめながら、胸に上下に擦り続けるのだった。

  むちむちの乳肉に吸い付かれる卑猥なる雄の象徴が、血管を浮かせる。

  「おっ、いいぞリム、その調子!」

  ジュプッ、ジュプッと卑猥な音が廊下から魔王村へ木霊する。

  「んあっ……! 魔王さまっ! おちんちんがおっぱいで! んにゃぁ!」

  爆乳に埋もれる勃起。谷間から香ばしさが漂ってくる。

  重量感のある乳房が擦れる度、先端からは我慢汁が溢れ出す。

  「はぁはぁ、リム、もうイキそうだっ、顔で受け止めろよ!」

  「あぁん…………魔王さまっ! おっぱいで、爆乳でしごきあげますのにゃ……!」

  

  ムチムチの乳肉に扱かれ、魔王さまはびくびくと脈打つ。

  リムは乳首を摘まみ、舌を出して脂肪越しに陰茎を舐める。

  

  「んっ……れろっ……んちゅ……あむっ……」

  「あぁっ! イクっ! リムっ、飲めッッッ!」

  

  激しいパイズリの果てに。

  魔王さまは爆乳の谷間に濃厚な精液を放出した。

  谷間からクリームパンを踏みつけたみたいに、ぶちゅり……ぶちゅり……と。

  濃厚濃縮の魔王ザーメンはリムの顔にも飛び散り、淫らな表情を一層に飾る。

  

  「んっ……あぁ……魔王さまのザーメン、おっぱいに、顔にいっぱいにゃ…………」

  リムは夢中で胸に付着したザーメンを舐め取り、魔王さまに媚びた視線を送る。

  ミルクのように白く滑らかな体液。だが舐めあげれば、それはもう、粘り気の強いすさまじい味わいだ。爆乳は、淫靡なツヤを帯びて輝いていた。

  「ふぅぅ、ボクの便所はこうでなくっちゃね♪」

  「魔王さま……リムのおっぱい、気持ちよかったですかにゃ?」

  「うん、最高だった。お前は驚くほどのドスケベボディだからね、ティッシュみたいにコキ捨てるつもりだけど、それまで頑張るんだよ♪」

  

  嬉しそうに微笑むリム。彼女は確信した。

  あぁ、つかってくださっているにゃ…………!

  闇の加護を受けた爆乳で、これからも魔王さまを悦ばせたい。

  両手を組み合わせルクスのように跪き、浮遊する御身を見上げる。

  

  「んっ……あぁ……またおっぱいを使ってくださいにゃ……私は魔王さま専用、爆乳の性処理係です……」

  「仰向けになって、ボク、突っ込みたいから♪」

  「は、はい! いますぐ!」

  リムの爆乳は、ジェリーフィッシュのお腹よりも、ずっと滑らかに弾む。

  重みにより転ぶように寝転がったリムは開脚すると、魔王さまは足首に触手を一本ずつ絡めグイッと持ちあげてしまう。広がった場所は湯気をあげる、大量の愛液が太ももを覆うように溢れ、膝下までも濡らしていた。

  「うっわー♪ グショグショ♪ エロティックじゃないか、じゅるり」

  晒される股間部は、ねとり、ねとり、と半透明の本気汁が魔王城の床に垂れ落ちてしまっている。淫猥な肉ビラが開閉し、情欲を満たしたいとぐっしょりと汁を滲ませるリムの花弁。濃ゆいメス臭をふりまき、蜜に潤った桃色が魔王さまに媚びていた。

  「にゃ、にゃあ……」

  「うんうん、エロいおまんこに仕上がってきたじゃない、さすが、ほぼ毎日は性処理させてやったから、当然か~」

  魔王さまは自らの肉棒を桃色に向け、ぬるりと感触を楽しむ。

  もしも挿入されたら、どれほどの快感を与えてくださるだろうか。

  そう思うだけで、ピュッ、熱くなった股間が、よだれを飛ばすのだ。

  黒い熱気をまとう、脈打つ赤黒いイチモツ――それが「よっ」と挿入された。

  「くあぁぁっにゃっ! おまんこ、あつぃぃ!!」

  腟内が熱く沸騰して、蕩けてしまいそうだった。

  以前なら闇を見るだけでも胃をムカつかせていた。

  一息に最奥までめり込まされて、電撃の魔法を受けたように痺れが走った。

  くいしばらせていた奥歯。瞳にハートが浮かび、目の奥に光が幾度も瞬いた。

  びくんっ、と腰を大きく跳ね上がらせて、脳内が激しく明滅を繰り返していた。

  「うぅん、やっぱりリムのおまんこはそれっぽくていいね♪ 処理しやすいっていうか、トイレだし当たり前か」

  魔王さまが喜んでくださったにゃ。

  「ちんぽっ……魔王様ちんぽ……魔王ちんぽぉ……にゃ、はがにゃっ!?」

  「失礼しちゃうな~、ボクがちんぽなわけないじゃない……って、顎が外れそうなくらいガックガクしてる~~」

  身をのけぞらせ、爆乳がびしょ濡れの顔面にたっぷんと覆いかぶさった。

  魔王さまの腰にあわせ、ばっちん、ばっちん、と音をあげながら唾液や鼻水が線をつくっては千切られていた。

  ど、どうして、魔王さまとしてるのに、顔がみられないのにゃぁぁ!!

  私の、私のおっぱいが大きすぎて、ばちばちして、みられないのにゃぁぁ!!

  イキながら、気持ちよさを情けないくらい素直に感じてしまっている。

  どちゅんどちゅん、ばちゅんばちゅん、爆乳が卑猥な音を奏で廊下に響かせた。

  ブシュウウウウ!!

  結合部から淫らな本気汁に加え、尿道から潮を噴き出す。

  太ももや魔王さまの腹回り。顔に角まで、びっしょりさせた。

  「誰が潮していいっつった? 調子に乗んなよ便所の分際で、わかってんのか?」

  「ひっ、すみません、すみません……すみません……」

  リムは何度も謝罪をしたが、口から出るのは、膣の奥から滲み出るような「お゛」や「あ゛ぁ゛」といった、喘ぎばかり。それでも魔王さまには伝わっていて、ほほえみながら腰を振ってくださるのだ。

  「ま、いっか、性処理係はイクのも仕事みたいなもんだし、いいよ、今度から好きなように漏らせば」

  パンパンパンパンッッッッッ!!

  パンパンッッッッッッ! パンパンパンパンンパンパンッッッッ!!!

  魔王さまの腰ふりがリズミカルに責め立てる。

  桃色のヒダがうねり、竿をしゃぶるように締めつけ、根本から先端までを本気汁で満たし凹凸がしごくように磨き上げていく。

  「うわぁ……! おまんこでフェラしてるみたい、出すよッッッッ!!」

  尿道から、どす黒い瘴気が溢れ出す。

  むわっとした魔王臭が廊下に立ち込め、あたりが暗黒に染まっていった。

  発情したメス猫はぷるぷる震え爆乳を泳がせるばかりで、白目を剥いていた。

  自らの爆乳に顔を塞がれ、呼吸もままながらず、ビュウウウッ、と精液を注がれる。

  「ふぅぅう、だいぶ汚しちゃったかな?」

  仰向けのリムは打ち上げられた魚のように倒れ、背中を床から浮きあがらせるように痙攣していた。絶頂のあまり背筋が硬直し、いまだ爆乳マスクをしたまま、顔から汁を垂らすばかり。そして、誘うように膣口を開かせ、湯を沸かしたみたいに股間から汁を噴き出すのであった。

  「はははははは! おしっこみたいに、ブシュウウウウッ! だって、ボクのザーメン外に漏らしちゃって悪い子だね。ちゃんと掃除しておいてよ」

  リムはわずかに残っていた意識の中で、「はい、魔王さま……」そう答えながら、しばし意識を失っていた。