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乱暴な雄竜人たちへのお仕置き

  「やった、『麻酔草』を見つけるなんて、今日はついてるなあ」

  そう言って、大きな三角帽子を被ってローブを羽織っている魔法使いの少年は、腰を下ろして薬草を摘みました。人間と魔物の争いに対して中立を貫いている魔法使いの一派に少年は所属しており、アトリエがあるこの山で採れる薬草を調合した魔法薬で生計を立てています。

  魔法使いはゆっくりと立ち上がると、いきなり左手に握っていた薬草の束を投げ捨てて前方に跳びました。轟音を耳にしながら、前転から起き上がって帽子を直しつつ間合いを広げる少年が振り返りました。一瞬前まで彼が立っていた場所には、人間の大人の背丈の何倍もの巨大な剣が振り下ろされていました。

  「カンのいいガキだな! 俺様の不意打ちを避けるとは! やっぱり魔法使いの端くれだけあるか!」

  巨剣を構え直しながら少年にそう投げかけたのは、とても恰幅のよい中年の雄竜人でした。得物と同じく人間の倍以上の身長を持ち、大きな股間を隠した腰布の上のお腹はさらに大きく立派です。まるで巨人が捏ねたパン生地のような、白くモチモチの膨らみです。もちろん、お腹も大きいなら緑色の竜人肌に覆われたお尻や太ももや二の腕も尻尾もモチモチで大きく太く、さながら竜人の特徴をもった巨大な肉塊です。腰布以外は簡素な鉄製と思しき肩当てぐらいしか身につけておらず、その身なりから察するに魔王軍から脱走した山賊くずれでしょう。

  魔法で意図的に性欲を抑えていてどちらかといえば異性愛者寄りの少年でさえ、こういう出会いでなけばそのお腹やお尻に抱きつき頬擦りする事を望んだ事でしょう。しかし、現実は目の前に広がっているものです。魔法使いが右腕を前に突き出すと、音もなく大きな宝石が付いた杖が現れ、それを右手で握りました。

  「僕は中立流派の魔法使いだから、おじさんと戦いたくない。それに、僕は何度も忠告するほど優しくない」

  魔法使いは鋭い目つきを浮かべながら、両手で杖を構えました。中立流派といえど、火の粉が降りかかるなら払いのける事くらいは許されています。少年に対して、緑色の竜人は高笑いを上げたあとに答えました。

  「大した自信だな! それから、テメェをひき肉にしたらそのご大層な忠告なんてなんの意味もないな!」

  「オラぁ!!」

  「覚悟するっス!!」

  次の瞬間、同じくムッチリモッチリ体型で腰布と僅かな防具だけの若い黄色の雄竜人と薄紅色の雄竜人が、魔法使いの左右から突如として現れました。突進しながら彼に向かって巨大な斧を振り上げます。その威圧感はさながら、レンガ造りの重厚な小屋が迫り来るようなものです。

  「うがっ!?」

  「危ねぇっス!!」

  しかし、魔法使いは一切慌てませんでした。詠唱を省略した魔法を使って、真上に跳躍しました。彼の足元で金属と金属が衝突する音と、モチモチのお肉とモチモチのお肉が衝突する音と、緑の竜人の「若造ども! よく狙え!」という怒声は同時でした。やはり、少年への最初の攻撃を繰り出したあの竜人が親分のようです。

  「オイラにはいいマトなんだな!」

  魔法使いは上昇の中で体の上下を反転させました。背中の矢筒以外は親方たちと服装がほぼ変わらない紫色のモチモチ雄竜人が弓から放った人間の腕よりも太い矢を、魔法を乗せた杖の横薙ぎで弾きます。

  「こいつっ!! オイラの矢が効かない!!」

  逆さまに木の枝に着地した魔法使いはすぐさま、魔法を使って別な枝に向かって跳びました。

  「弓矢がダメなら魔法ですよ!!」

  地面から魔法使いを見上げる、これまた裸に近い軽装でモチモチ体型の赤い雄竜人が、右手に握った隕鉄と思しき金具が付いた杖を掲げました。短く詠唱を叫ぶと杖の先から稲妻の束がほとばしり、不規則な軌道を描いて少年に襲いかかりました。

  魔法使いの少年は冷静に、詠唱を省いて魔法を唱えました。稲妻が少年の手前で折れ曲がり、赤い雄竜人へと迫ります。

  「うわっ!? 反射の術を詠唱なしとは!!」

  「役立たずが!! 俺様がやる!!」

  大きなお腹やお尻を揺らして右へ左へと稲妻を避ける赤い竜人に怒鳴りながら、親分の緑竜人が巨剣を振り上げながら魔法使いへと飛びかかりました。少年はそれを魔法を使って体の移動方向を変える事で造作もなく回避しました。帽子のつばを左手で掴みながら地面に着地した魔法使いは、ため息を一つこぼしました。

  (弱いなあ……)

  そのため息の正体は落胆でした。この歳で独立を許された少年にとって、この山賊くずれたちはまるで歯応えがありません。少し前に、少年を親魔物派の魔法使いと勘違いして奇襲を仕掛けてきた人間の特務魔術士部隊の方が面白みがありました。もっとも、彼ら彼女らは少年によって「マネキネコ」という異界の神像に変えられて全滅し、その姿で本国に送り返されました。おそらく、彼ら彼女らの師匠の解呪魔法で人間に戻り、ひどく叱られた事でしょう。

  魔法使いの少年はまたもや詠唱を省きながら、杖の先を山賊たちに向けました。その先に取り付けられた宝石が短い閃光を放った、次の瞬間でした。

  「うっ!? なんだぁ!?」

  「おあっ!? オレの斧が!?」

  「オイラたちの服まで!?」

  少年に向かって突進していたり得物を構えていた雄竜人たちが大きくよろけました。彼らが持つ武器が軽い衝撃と共に砕けたからです。そして、彼らの防具や腰布も同様であり、モッチリと大きなお腹の下の立派なオチンチンやタマタマがあらわになりました。少年が唱えたものは、非致死性の物品破壊魔法です。

  「お前ら!! その汚ぇもんを早く隠せ!!」

  「親方ぁ!! 手が届きません!!」

  「うるせぇ!! それでも隠すんだ!!」

  裸にされて顔を真っ赤に紅潮させた竜人たちは、その場で急いで両手を股間に伸ばしました。しかし、彼らの大きなお腹に邪魔されて、立派なオチンチンやタマタマを全然隠せていません。少年は厳しい目つきのまま言い放ちました。

  「これが最後の警告だよ。この次は、おじさんたち自身に魔法をかけて止めなきゃいけない」

  「このガキ!! いい気になりやがって!!」

  「お前なんて素手でグチャグチャにしてやるっス!!」

  「オイラたちをナメんな!!」

  両腕を広げて構えた山賊くずれたちが、少年に掴みかかろうと一斉に走り出しました。ドシンドシンという地響きのような足音の合奏に合わせて、大きなお腹も二の腕もお尻も尻尾もオチンチンもタマタマもブリンブリンと揺れています。少年はもう一度ため息をつきました。

  「おじさんたち、僕が命を奪わない中立流派でよかったね」

  魔法使いはそう言いながら、地面を杖で叩きました。

  「うおっ!? なんだっ!?」

  「体が勝手に!?」

  「この野郎!! オレたちを降ろせ!!」

  かすかな光に包まれた雄竜人たちは、魔法によって自分の意思とは関係なく手足を大の字に広げられ、フワフワと森の中の空中に浮かび上がりました。

  「おじさんたちには、しばらく竜人をやめてもらうよ」

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  少年がそう口にすると、雄竜人たちを包んでいた光が強まり、彼らは空中で何度も体と体を衝突させられ始めました。モッチリのお肉とモッチリのお肉がぶつかる音が、顔にお腹がぶつかる音が、顔にお尻がぶつかる音が、お腹とお腹がぶつかる音が、お尻とお尻がぶつかる音が、顔にオチンチンがぶつかる音が、絶え間なく森の中に響き渡ります。

  「うおっ!! うにっ!! ぐうっ!! んむっ!!」

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  「うえっ!! ぐむっ!! むあっ!! うひっ!!」

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  「むぐっ!! うあっ!! んぐっ!! ひむっ!!」

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  「ううっ!! あひっ!! ぐんっ!! あぐっ!!」

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  「えぐっ!! んうっ!! うぐっ!! ぐひっ!!」

  山賊くずれたちは何度も衝突し合いながら、くぐもった短い叫び声を上げます。彼らのその表情は、苦しいと気持ちいいの中間のようなものを浮かべていました。実際に、雄竜人たちが感じているのはそれそのものでしょう。苦痛と快楽により、彼らのオチンチンがいきり立ちました。

  「んがあああああああ♡♡♡♡」

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  ドビュルルルルルルルル♡♡♡♡

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  「うもおおおおおおお♡♡♡♡」

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  ドビュルルルルルルルル♡♡♡♡

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  「んひいいいいいいい♡♡♡♡」

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  ドビュルルルルルルルル♡♡♡♡

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  「あはあああああああ♡♡♡♡」

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  ドビュルルルルルルルル♡♡♡♡

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  「ひふううううううう♡♡♡♡」

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  ドビュルルルルルルルル♡♡♡♡

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  顔にオチンチンがぶつかると、オチンチンが射精しました。オチンチンとオチンチンがぶつかると、オチンチンが射精しました。オチンチンがお腹にぶつかると、オチンチンが射精しました。オチンチンがお尻とぶつかると、オチンチンが射精しました。お腹とお腹がぶつかると、オチンチンが射精しました。お尻とお尻がぶつかると、オチンチンが射精しました。何度も何度も、雄竜人たちは射精しました。そんな彼らの様子を、汚れ避けに唱えた半透明な球状の防御魔法の中から見ている少年が、もう一度杖で地面を叩きました。

  ドビュビュビュビュビュビュビュビュビュビュ♡♡♡♡♡♡♡♡

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  ドビュビュビュビュビュビュビュビュビュビュ♡♡♡♡♡♡♡♡

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  ドビュビュビュビュビュビュビュビュビュビュ♡♡♡♡♡♡♡♡

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  ドビュビュビュビュビュビュビュビュビュビュ♡♡♡♡♡♡♡♡

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  ドビュビュビュビュビュビュビュビュビュビュ♡♡♡♡♡♡♡♡

  ブリンっ!! ブルンっ!! ブリンっ!! ブルンっ!!

  雄竜人たちが、さらに勢いよく射精し始めました。もはや声を上げる事さえできません。それから、彼らを包んでいた輝きが強くなり、彼らの体と体の衝突と射精が止まりました。空中でまばゆい輝きに包まれた山賊くずれたちの体がギュウギュウに密着し、グニャグニャと粘土のようにその形が歪み捏ねられ始めました。雄竜人たちは無言のまま、雄竜人としての形を失っていき、さらには縮んでいきます。

  その最後の仕上げとして、輝きが一層まぶしい閃光を一度だけ放つと、森の中に飛び散った精液を消し飛ばしました。「それら」の変化が終わった合図です。少年は防御魔法を解き、魔法で杖をしまうと、両腕を広げました。

  かすかなキラキラに包まれた「それら」は、空中からゆっくりと降下を始めました。そして、少年の胸元まで飛来すると、そこで輝きが完全に消失しました。魔法使いはしっかりと、「それら」を抱きかかえました。

  「おじさんたち、竜人やめた気分はどう?」

  少年が、自身が抱えた「それら」に視線を落としながら質問しました。もちろん、少年は「それら」が言葉で受け答えができない事を知っています。他の誰でもない、魔法使い自身の魔法でそう変えたからです。つまり、これは一種の辱めです。

  しかし、「それら」はその意味を理解するのは不可能です。本来、本物の「それら」には思考も自我もありません。魔法によって姿を変えられた「それら」は、少年の慈悲によって心を完全に消されはしませんでしたが、「それら」は「それら」として、自分たちが「それら」である事を心の中で何度も主張する事しかできません。なぜなら。

  (俺様はぶりっぶりの洋梨だ! 俺様はただの果物だ! 俺様はぶりっぶりの洋梨だ! 俺様はただの果物だ! 俺様はぶりっぶりの洋梨だ! 俺様はただの果物だ! 俺様はぶりっぶりの洋梨だ! 俺様はただの果物だ!)

  (オレはぶりっぶりのパプリカだ! オレはただの野菜だ! オレはぶりっぶりのパプリカだ! オレはただの野菜だ! オレはぶりっぶりのパプリカだ! オレはただの野菜だ! オレはぶりっぶりのパプリカだ! オレはただの野菜だ!)

  (俺はぶりっぶりの桃っス! 俺はただの果物っス! 俺はぶりっぶりの桃っス! 俺はただの果物っス! 俺はぶりっぶりの桃っス! 俺はただの果物っス! 俺はぶりっぶりの桃っス! 俺はただの果物っス!)

  (オイラはぶりっぶりのナスなんだな! オイラはただの野菜なんだな! オイラはぶりっぶりのナスなんだな! オイラはただの野菜なんだな! オイラはぶりっぶりのナスなんだな! オイラはただの野菜なんだな! オイラはぶりっぶりのナスなんだな! オイラはただの野菜なんだな!)

  (私はぶりっぶりのトマトです! 私はただの野菜です! 私はぶりっぶりのナスです! 私はただの野菜です! 私はぶりっぶりのトマトです! 私はただの野菜です! 私はぶりっぶりトマトです! 私はただの野菜です!)

  魔法使いの腕の中で、5つのプリップリで瑞々しい美味しそうな果物や野菜たちは、自身の心の中で高らかに自分たちがただの果物や野菜である事を誇っています。もちろん、その果物や野菜たちは山賊くずれたちのなれ果てです。

  あの一番乱暴者だった緑色の雄竜人の親分も、その子分たちも、今は誰が見てもただの緑色の洋梨と黄色のパプリカと薄紅色の桃と紫色のナスと赤いトマトにしか見えません。そして、心はかすかに残っていますが、それは果物や野菜である事に染まりきっていますし、実際に体は本物の洋梨やパプリカや桃やナスやトマトと全く違いはありません。

  「僕の薬草集めの邪魔をした罰として、おじさんたちはしばらく虫除けと動物避けと腐り避けの魔法をかけて、僕のアトリエに置いておくよ。それから、魔王軍の基地へ木箱に詰めて送ってあげる。そこで解呪してもらって」

  そう言いながら、魔法使いの少年は歩き始めました。その途中で腰を屈めて、先ほど投げ捨てた薬草を拾い上げます。

  (俺様はぶりっぶりの洋梨だ! 俺様はただの果物だ! 俺様はぶりっぶりの洋梨だ! 俺様はただの果物だ! 俺様はぶりっぶりの洋梨だ! 俺様はただの果物だ! 俺様はぶりっぶりの洋梨だ! 俺様はただの果物だ!)

  (オレはぶりっぶりのパプリカだ! オレはただの野菜だ! オレはぶりっぶりのパプリカだ! オレはただの野菜だ! オレはぶりっぶりのパプリカだ! オレはただの野菜だ! オレはぶりっぶりのパプリカだ! オレはただの野菜だ!)

  (俺はぶりっぶりの桃っス! 俺はただの果物っス! 俺はぶりっぶりの桃っス! 俺はただの果物っス! 俺はぶりっぶりの桃っス! 俺はただの果物っス! 俺はぶりっぶりの桃っス! 俺はただの果物っス!)

  (オイラはぶりっぶりのナスなんだな! オイラはただの野菜なんだな! オイラはぶりっぶりのナスなんだな! オイラはただの野菜なんだな! オイラはぶりっぶりのナスなんだな! オイラはただの野菜なんだな! オイラはぶりっぶりのナスなんだな! オイラはただの野菜なんだな!)

  (私はぶりっぶりのトマトです! 私はただの野菜です! 私はぶりっぶりのナスです! 私はただの野菜です! 私はぶりっぶりのトマトです! 私はただの野菜です! 私はぶりっぶりトマトです! 私はただの野菜です!)

  「おじさんたち、竜人の姿も素敵だったけど、洋梨とパプリカと桃とナスとトマトの姿も可愛いね」

  少年は腕に抱えた果物や野菜たちを顔の前まで持ち上げると、押し潰さないように優しく頬擦りしました。

  (俺様ぶりぶり洋梨♡♡♡♡♡♡♡♡ 俺様ただの果物♡♡♡♡♡♡♡♡ ……………………)

  (オレぶりぶりパプリカ♡♡♡♡♡♡♡♡ オレただの野菜♡♡♡♡♡♡♡♡ ……………………)

  (俺ぶりぶり桃♡♡♡♡♡♡♡♡ 俺ただの果物♡♡♡♡♡♡♡♡ ……………………)

  (オイラぶりぶりナス♡♡♡♡♡♡♡♡ オイラただの野菜♡♡♡♡♡♡♡♡ ……………………)

  (私ぶりぶりトマト♡♡♡♡♡♡♡♡ 私ただの野菜♡♡♡♡♡♡♡♡ ……………………)

  少年の魔力が滲み出た頬擦りを受けて、洋梨もパプリカも桃もナスもトマトも、果物や野菜として絶頂し、身も心も完全にただの果物や野菜に変わりました。自分たちが竜人であった事を忘れただけではなく、心まで消え去った、ただの洋梨とパプリカと桃とナスとトマトです。

  「あっ、いけない。おじさんたち、本物の果物や野菜になっちゃった。姿を戻してあげる時に、心も取り戻させてあげるよ」

  (……………………)

  (……………………)

  (……………………)

  (……………………)

  (……………………)

  魔法使いの腕の中で、ただの洋梨とパプリカと桃とナスとトマトは、ただの洋梨とパプリカと桃とナスとトマトをしています。それから、1ヶ月の間、洋梨とパプリカと桃とナスとトマトは、魔法使いのアトリエのテーブルに置かれたカゴの上で、ただの洋梨とパプリカと桃とナスとトマトとしてプリップリで瑞々しい見た目であり続け、時折少年の頬擦りを受けました。

  [newpage]

  「魔法使いのガキンチョ! 薬草をしこたま集めてきたぞ!」

  「あっ、おじさんたち。どうしてまた僕のところに来たの? そもそも、魔王軍を脱走した件はどうなったの?」

  「もちろんしこたま怒られたが、魔王軍の遊撃隊として再入隊したぞ! 昔ほどじゃねえが、今の俺様たちもそれなりに自由に行動できる!」

  「そうなんだ、よかったね。それで、なんで薬草を集めて来たの?」

  「そりゃあもちろん、ガキンチョの魔法で身も心も完全に果物や野菜に変えられて気持ちよくなりたいからに決まってるだろ! 俺様はぶりっぶりの洋梨だからな♡♡」

  「オレはぶりっぶりのパプリカだ♡♡」

  「俺はぶりっぶりの桃っス♡♡」

  「オイラはぶりっぶりのナスなんだな♡♡」

  「私はぶりっぶりのトマトです♡♡」

  「薬草のお礼として魔法をかけてあげていいけど……その前におじさんたちのそのモチモチのお腹とお尻に抱きついていい?」

  魔法使いの返答を受けて、雄竜人たちは腰布の膨らみをさらに膨張させました。

  おしまい

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