TFAV

  学校帰りの秘密基地。僕は同級生の女の子と寝転んでいた。日当たりの悪いこの部屋は少し埃臭くて、常にこもっている空気はあまり居心地のいいものではない。

  けれど、僕はここに来るのが大好きだった。たった二人だけの秘密の場所。そこでの時間はとても大切な宝物だ。

  男子の友達たちと遊ぶ時とは違う楽しさのあるひと時……なのに、最近彼女の様子がおかしい。いつもの元気がなく、浮かない顔ばかりしている。

  今までなら門限がくれば、どんなに遊びが盛り上がっていようともすっぱりとやめて、まだまだ遊び足りない僕を引っぱって家へ帰るのに、こなかなか帰りたがらなかった。

  今日もなにかしてるわけでもないのに帰ろうとしないで、痛んだ床に敷いたボロボロのマットの上で、僕と一緒にあおむけで寝転んでいる。

  心配だけど、じっとして女の子と横になっているのはドキドキするから、僕はなにも言わずに彼女と一緒に秘密基地である廃屋の天井を眺めていた。

  「最近ね、お父さんもお母さんもけんかばかりしてるの……それになんだか怖い人がいつも家に来るようになって、お父さんもお母さんも、その人にはペコペコしてるんだ……その人がなんだか怖くて家に帰りたくないの」

  寝転がったまま彼女はそう言った。彼女が上を向いたままだったから、僕はかっこつけて振り返らなかった。声だけで判断できなかったけど、ひょっとしたらこの時泣いていたのかもしれない。

  僕が彼女を守らなくちゃ。誰からも、たとえなにがあっても僕が彼女を守るんだ……。

  神様どうか彼女と一緒にいられますように。僕はそう強く願った。

  不安と興奮で足をもつれさせながら、僕は自宅に帰ってきた。

  押し寄せてくるプレッシャーで潰れてしまいそうだ。仕事ですらこんなに緊張したことはない。

  そんなことがあるはずがないという焦りと……手がかりがつかめるかもしれないという期待が入り混じる。

  心臓が爆発しそうだ。自宅に帰ってきたのに立ったままだったので、台所に行き蛇口をひねりコップへ水をくむと、それを一気に飲み干してリビングに座った。

  そして、持って帰ってきた物の中身を確認する。

  「ふう……」

  店員の話では「古い内容の物なので、劣化する前にご自分でデータを取り込んだがいいですよ」とのことだ。

  つまり、ディスクや動画などのコンテンツに変更して再販してもらえるほど、今はもう売れているわけではないということなのだろうか?

  それともビデオだから寿命もあるし、バックアップを早めに取っておけということだろうか?

  そもそも、これはいわゆる裏といわれる物なので、非合法のルートで大金を出さないと手に入らないくせに、値がいくらしようが金を出すマニアな客の足元を見て、メディアの移植なんてそんな気の利いたことをするつもりなんて、はなから無いのかもしれない。

  「三本購入してくれたおまけで、裏ではないですがこれに関連している内容の物をもう三本つけておきます」

  その時の店員のニヤついた下品な顔は、あんたもそうとうな好き者だな……と、マニアックな性癖の同士に向けられるものだったので、思い出すと腹が立つ。

  自分は好きでこんな物を購入したわけではないのに。

  きっかけは成人雑誌をめくっていた時だった――。

  別に読みたかったわけではなく、暇だったのでたまたま目に付いた本を立ち読みしていただけだった。

  面白いことが書かれているどころか、むしろくだらない内容に僕はうんざりして、適当にページをめくって元へ戻そうとしていた。

  後少しで僕は見逃していただろう……本当に偶然なのだが、あるページが目に入った。

  懐かしのAV特集と書かれてある。そのページも気にならなかったのだが、昔はマニアックな裏物も存在していたという記事が目に留まる。

  正確にはそのページの写真の女性にだ。

  記憶よりも成長していたが覚えがあった……とてもよく知っている女性だ。

  まさかな……と、その時は思った。

  小学生の頃、僕には好きな女の子がいた。とても好きで毎日一緒にいたのに、ある日こつぜんと彼女の一家は失踪してしまったのだ。

  借金による夜逃げとも、その借金取りに連れて行かれたとも噂されていたが、真相は分からずじまいで消息は今でもつかめていない。

  その彼女が雑誌なんかに乗っているのだ。しかも、いかがわしい内容の記事にだ。

  横顔しか写っていないし、彼女も僕と同じ三十代になっているはずだ……昔の特集なので若い時の写真なのかもしれない。子供の頃しか知らないけど、彼女しかありえないくらいそっくりな顔をしている。

  僕はそれから必死でビデオの詳細を追った。非合法でマニアックなスナッフビデオと呼ばれる類の裏物なので簡単には手に入らなかったが、雑誌で一部が紹介されるほどなので全く流通していないわけではなかったようだ。

  苦労したが少しずつ情報をつかんでいき、あるアダルトショップに売られていることを知ったのだ。

  なんでもその筋では実にセンセーショナルな作品らしく、昔の裏ビデオとはいえ語り継ぐべき衝撃の問題作として供給ルートが残っているそうだ。

  「こんな、こんなものなんかに……」

  本当に非合法な裏物なので、ごく一部の……その店の更にごく一部の特別会員になる必要があり……そこにたどり着くまでに多くの時間と費用を費やし、ビデオ自体も一本で車が買えるほどの大金だったが、僕は迷わず購入した。

  一部ではこれはスナッフビデオだの、いやこれはアニマルスナッフだのと言われている作品らしかった。

  もし、それが本当なら、彼女は殺されていることになってしまう。

  失踪時に借金による夜逃げの噂はあったけど、それが原因でこんな卑猥な……しかも極めてマニアックな裏作品に出ることになってしまったのだろうか?

  本当にあの『彼女』なのだろうか?

  アダルトビデオなんかに、しかもやばい裏物になんて出ているはずが無いと思いたくなるが、中身を確かめてみるしかない。

  僕の勘違いであって欲しいと願うばかりだ。

  「こっちは普通に出回ってる色物企画ものか……なんでこんなのをおまけに?」

  販促用の試供品のつもりなのだろうか? ビデオは僕が購入した三本と、おまけでついてきた関連作品三本の合計六本。

  雑誌の彼女が出ているはずの裏物を頼んだのに、最初の一本目のパッケージにはその彼女と犬系の獣人男性が写っている物で、その裏では男性が三人になっていた。

  しかも、彼女は少し写っているだけで、何故なのかその増えた男性が犯されている場面がやたら多い。

  「こっちもだし注文を間違えられたのかなあ……ものすごく高かったのに」

  最初のやつの続編らしい他のパッケージにもその獣人男性がいて、獣人女性を犯す調教物のくせに、なぜか彼女がどこにも写っていないので僕は首をかしげる。

  あとの一本は人間の男性をその獣人の男優が犯しているレイプものみたいだ。これにも彼女はどこにもいない。

  「まあ普通のドラマに出てきそうな俳優みたいな味のある見た目してるけどさ……これじゃこの獣人のおっさん男優の出演作を選んだみたいじゃないか」

  おまけでついてきた表で普通に買える三本のアダルトビデオにも、その獣人男性がパッケージにいて、一本は獣人の男が人間の女を犯す獣人姦物で……もう一本はその獣人俳優が別の獣人男性に犯されているゲイビデオという信じられないひどいラインナップだ。

  最後の一本は普通にプードルの獣人女性をナンパしてエッチする素人物だ。

  「なんでこのラインナップなんだろう……彼女の関連作しか頼んでないはずなのに?」

  確かに見たことのあるAV男優で、獣人モノに興味ない一般人にも知名度のある有名な人気男優でテレビ番組にもたまに出てくるくらいだけど、僕は獣人の男になんか興味はない。

  もしかして騙されたのかと思ってむっとしたが、それで手の震えが収まってくれたので、とりあえず一本目を見てみることにした。

  (頼むよ。もうこの際全部この男優しか出てこないエロビデオでもいいから……)

  少し落ち着いたと思ったのに、ビデオデッキにテープを入れようとするとまた手が震えだす。

  一体なにが映っているのだろうか……?

  「こんなので再開なんてしたくないよ」

  彼女ではありませんように。僕はそう願いながらビデオデッキに手作り感のあるテープを押し込んだ。[newpage]

  一日目

  この日のためにわざわざ用意した古めかしいビデオデッキを再生させると、真っ暗な画面になり、パッと切り替わってどこかの部屋がテレビ画面に映った。

  裏物なのでタイトルなどはないようだ。わざとなのか、それともただカメラマンが下手なのか、部屋しか映されていなかったのにベットの端からゆっくりその中央に座る少女へカメラが向けられていく。

  「こんばんわーもしかして緊張してる?」

  出演者らしい男性の声がする。少女は緊張しているのか無反応だ。

  「大丈夫、力を抜いてたらすぐに気持ちよくなるから」

  少女の表情は固いままで、男性は優しく語りかけているが、どこか軽薄で馬鹿にした響きがあるようにも聞こえる。

  「はい笑ってーもっと笑って」

  そう言われてやっと少女はカメラを見て笑おうとするが、その表情には陰りがあるままだ。

  「だめだよーもっと笑ってくれないと。じゃないと妹さんが代わりに出ることになっちゃうよ?」

  「そ……それだけは、待ってください」

  少女は妹という言葉にすぐさま反応した。そこには自分よりも上の相手に懇願する哀れさがあった。

  「お金も待たせてるのにさー……妹さんまで待たないといけないの? こっちはボランティアじゃないんだよ? 社会はそんなに甘くないんだよ。分かってる?」

  少女はなにも答えない。

  「妹さんまで仕事するのは嫌だよね? じゃあ僕たちとエッチしようね」

  少女に二人の男優が近寄る。カメラにフレームインしてきたのは犬獣人で、一人はジャーマンシェパードを思わせる風貌だが、貧相な体つきでなんとなく情けない姿だ。

  もう一人はセントバーナード系の獣人なのだが、だらしない肥満体の中年親父としか言いようがない体をしている。

  「はーい、じゃあ今日は僕たちがこの女子校生とエッチーしまーす」

  今までしゃべっていたのはシェパードらしく、彼はニヤニヤしながらわざとらしい軽薄な演技を続けている。そして、少女の名前を口にしたのだった……。

  あの『彼女』の名前だった……間違いない。僕が昔プレゼントしたのと同じ髪留めまでつけているのだから。

  あんなものをまだ持っていてくれていたなんて……。

  「嘘だこんなの……」

  ある程度予想はしていたが、考えうる中で最悪の安否確認になってしまったのを認めたくない……。

  「よかったね、お金借りた相手が愛犬家で。僕たちとエッチするだけで借金返済になるんだからさあ」

  間違いない。僕の初恋の相手だ。彼女は借金が原因であの街から消え、その数年後の高校生の時にこのビデオに出演させられたようだ。

  ビデオに出てる女性を調べようとしてあちこちに頭を突っ込んだけど、追い出されたりどこも冷たい反応ばかり帰ってきて、結局最後まで名前が分からなかったのは、借金のかたに彼女が犯されてしまうからだと僕はこの時やっと理解した……僕の守りたかった初恋の女性は、AV女優にさせられていたなんて。

  「はい……ご厚意によりこれで借りたお金をチャラにしてしていただけるなんて、愛犬家さんにはとても感謝しています」

  「あれー? ぜんぜんありがたそうじゃないけど、この話無しにしてもいいんだよ?」

  「そ、それだけは勘弁してください! 私ががんばりますから!」

  「えーっどうしよっかなあ……」

  たとえ演技だとしてもシェパードの男優が軽い調子で悪態をついているのに腹わたが煮えくり返りそうになる。

  おまけにこれは裏物のスナッフだ。演技や演出でもないのだろうと思うと胸が痛んでしょうがない。

  彼女一人に全て背負わせるなんて、彼女の親はいったいなにをしているのだろう?

  「お父さんが借りたお金返したいんでしょ? じゃあ僕のチンポ舐めて?」

  男優二人はもう興奮してるのか、毛皮のさやからイヌ科らしい粘膜に包まれた妙な形のペニスの先端をはみ出させていた。

  「汚い……変な臭いもする……」

  彼女はとても嫌そうな顔をしながらも覚悟を決めたのか、その場にしゃがんでシェパードのペニスの先端をしゃぶり始める。

  犬のペニスを不器用に舐めている少女の口元がアップで映し出され、シェパードのペニスはムクムク大きくなっていく。

  後ろではセントバーナードが下品に鼻息を荒くしさせながら、勃起したペニスを慣れた手つきで軽く穏やかにしごいている。

  裏物なので全員の性器のモザイクはなし。セントバーナードは中年太りのせいか、竿もふてぶてしく太くてより汚らしく見える。

  セントバーナードの彼は彼女の尻を突き出させると、ピチャピチャと女性器を犬のように舐め始めた。

  あんなにも若くてきれいな人間女性が獣人のペニスをしゃぶらされ、後ろを舐められているのはまるで獣姦ように見える。真っ赤なペニスが異種の雄であることを主張していて、倒錯的なエロスがあった。

  「んっ……」

  彼女は非合法のスナッフビデオに出演させられるような見た目を全くしていないのが、僕をより悲しくさせる。

  「んーそろそろいいかなあ。別にダメでもやっちゃうけど」

  シェパードは最中なのにあっさりフェラチオをやめさせると、彼女を大きく開脚させた。

  ベッドの上で彼女は無理やり股を開かされ、大事な所が露になってしまっている。舐められたせいでとろとろに濡れてしまった所がアップになり、光って見える。

  「くっ……知らなかったとはいえなにも出来ないなんて……」

  僕はそれを不思議な気持ちで食い入るように見ていた。悔しくて悲しいのに、不覚にも興奮してしまっている。高校生と言っていたが、成長した彼女はすっかり美人になっていて、体も大人に負けないくらい美しかったので、つい僕は息を飲んでしまう……。

  「じゃあ……ちょっと痛いけど我慢してねー行くよ?」

  シェパードはおもむろに注射器を手に取り、彼女の女性器に近づけていく。彼女はとても恥ずかしそうにしているが、このことを知っていたかのように無抵抗だ。

  そして舌による愛撫で剥かれて大きくなった彼女のクリトリスへ、容赦なく注射器の針が刺さる。

  「んっ! っっっ……」

  プランジャが押され、悲痛な押し殺した声を漏らす彼女のクリトリスへ液体が注入されると、普通の注射の時のように注射された所が男優の毛むくじゃらの手でしっかり揉まれてしまう。

  「んふうっっ……!」

  彼女が反応して吐息を漏らし、とても辛そうにするが……シェパードの手つきは注射後のマッサージではなく、ただの女性器の愛撫の動きに変わっていき、よくAVであるように指でシャバシャバと陰核の表面だけを責めるのだった。

  「んっっ……!」

  彼女は感じているというよりも、酷い苦痛に耐えて悶えているように見えた。

  注射のせいかクリトリスがより大きく腫れてしまい、親指のように大きくなってしまっていてその痛ましさにとても見ていられなくなる。

  「なんて酷いことをするんだ……」

  そんな彼女を気づかうこともなく、シェパードは真っ赤な犬ペニスをさっさとヴァギナに入れてしまう。演技するのも面倒で、我慢できずに入れてしまったという感じだ。

  入れる前の一言や、ムードもなにも無く……ただの作業の一つとしてシェパードのペニスが無情にも突っ込まれ、正常位で男優は腰を振り始める。

  「いやあっ! やっぱりやだーっ! お父さん、お母さん助けて!」

  悲しそうに両親に助けを求める彼女にシェパードは獣らしくがっついて、とにかく欲望を解消しようとする動きはAV男優らしくなくて動物の交尾っぽく見えた。

  セントバーナードも我慢ならなくなったのか、彼女に無理やり野太いペニスをくわえさせた。

  きれいな少女が獣人なんかに人間とは違う動きで犯され、内臓のようなピンクや真っ赤な犬のペニスが口やヴァギナに出入りする様は、もう獣姦にしか見えなかった。

  (やめてくれ……こんなの見たいわけじゃないんだ……ただ彼女の無事が知りたいだけなんだ……)

  「えっ……! なんか中で膨らんでる!?」

  挿入してすぐだったのに、シェパードが動きを止めて、セントバーナードのペニスが彼女の口からこぼれる。犬は早漏で射精時に亀頭球と呼ばれるペニスの根元が膨らむと聞いたことがある。

  きっと犬の獣人である彼らもそうなのだろう。

  「もう前が使えるのはこれで最後だからね、いっぱい出してあげるよ。それでね、これからは入れるのは後ろだけになるからさ、今のうちに慣らしておこうか」

  彼女は亀頭球をがっちり挿入されたままシェパードにひっくり返されると、その上からセントバーナードが覆いかぶさる。そして愛液や犬の唾液で濡れてはいるが、まだ固くて締まってそうな彼女の肛門に犬のペニスがゆっくり挿入されてしまう……。

  「おっ……おおっ……」

  セントバーナードは落ち着いていて、何度も少しずつの挿入を繰り返し、ペニスを彼女の異物なんていれたこともないであろう肛門へ沈めていく。

  それがしばらく続いた後、ゆっくり……そして徐々に早く腰を振り始めたのだった。

  「ああ……中に入ってきてる! んっ。やだよ……こんな所まで入れられちゃうなんて……お母さんどこにいるの?」

  「これから前と後ろが仕事でメインで使うんだから、そんなこと言うなよなー……へへへへ」

  彼女は観念しているのか、辛そうに耐えているばかりだ。

  セントバーナードも犬らしい交尾の動きで彼女を犯してあっという間に絶頂し、肛門でロッキング状態になる。

  「仕事に慣れてくると自分で相手と尾結合するようになるだろうから、ちゃんと先に経験しておこうね」

  それから数十分、尾結合と彼らが言っていた尻と尻を密着させる犬特有の交尾時の体位で射精が続き、結合部から逆流した精液があふれだす。

  「さあ、みんなでこれから一週間がんばろう!」

  男優が部屋から立ち去り全てが終わった後、彼女がベッドの上でぐったり横たわっているシーンが映される。

  演技には見えず、彼女のクリトリスは萎えた男性器ほどの大きさまで腫れあがってしまい、口からは吸血鬼のように犬歯が覗いていた……。[newpage]

  「なんてことだ……こんなの酷すぎる……」

  初恋の女の子がマニアックなビデオで変態プレイで犯されてしまっているなんてすごくショックだ……僕はもうすっかり三十代で、昔の小学生の頃のとはいえ、まだ彼女とのことをはっきりと覚えていたからだ……。

  忘れるなんて出来ないし、今もあの時のことを思い浮かべると子供時代の甘酸っぱい記憶が胸に鮮やかによみがえり、せつなくなってしまう。

  そして、彼女の消息がどうしても知りたいと思ってこのビデオを入手したのに、不思議と冷静に見てしまっている自分もいる。

  子供の誓いとはうつろいもので、今はもうただの思い出になっているからなのかもしれない。

  ビデオを通しての二十年ぶりの再会はどこか現実的に見えず、彼女は記憶よりも成長しているが若者のままだし、僕はあの頃よりも歳を取りすぎてしまっている。

  「彼女は今はどうしてるんだろう……」

  時が経ちすぎてしまったせいなのだろうか、悲しい気持ちもあるが、どうにもならない諦めも自分の中にある。僕は大人になる度に、理不尽なことを納得させてきたからだ。

  だけど……ビデオの中の彼女は大人になる直前の若々しさを保ったままだ。それもこうして汚されてしまっているのが辛く切なくもあるのだが……。

  そんな僕の事情など知ったことでないとビデオデッキは再生を続け、場面が変わった。

  ドアの前にシェパードの男優が立っている。隣にはセントバーナードもいる。いくら非合法の裏ビデオとはいえあまりにも終わるのが早いと思っていたのだが、どうやらまだ続きがあるようだ。

  「さあ、二日目はどうなっているでしょうかー?」

  軽薄で卑下た笑みを浮かべながら演技をする貧相なシェパードの男優に寒気がし、同時にどうにもならない歯がゆさから強い怒りが湧いてきてしまう。

  「くそっ……」

  部屋に彼らが入ると彼女はすでに怯えた様子だった。

  そんな彼女にカメラが寄って行く……昨日のショックなのか、長くて黒々としていた彼女の髪に白髪のようなものが交じっている。

  それだけではない、鼻の先が黒ずんでいてやや高くなったようだ。口元が腫れていて、輪郭も変わったように見えるし、耳がなんとなく尖っている。

  全身が毛深くなっていて、クリトリスは昨日よりも腫れて大きくなってしまっている。今や完全に突起物だ……。

  「変化は少なそうだけど、いい兆候だね。まだまだこれからだから楽しみにしててね……」

  彼女は茫然としていて、これからの先の分からないことや雄犬たちに犯されたことに傷つき不安定になっているようだ。

  僕は本当にとても見てはいられないのだが、彼らはそんなことないようで、昨日と同じように陽気で軽薄に話しかけながらあっさり彼女を犯し始めた。

  「ううっ……どうしてなんだ……こんなことが誰も知らないどこかで許されていたなんて」

  これはビデオだし、それも遥か昔のなので、僕はどうやっても画面の中の彼女を助けてあげられない。

  それが僕をすごく惨めで情けない気分にさせる。

  そして、これはどうしようもないことなので、諦めてしまっているのか、やっぱりどこか一歩引いて冷静に見ている自分も同時にいる。

  もういいだろうやめてくれと目を背けたくなるのに……悲惨で倒錯的なエロスをこれでもかと見せつけてくる映像から、僕はすっかり目が離せないでしまっている。

  「ごめんね……僕は君になにもしてあげられなくて」

  僕は静かにそうつぶやくしか出来ない。

  一日目と同じように彼らはあっけなく絶頂し、そこで二日目は終わった。僕も彼女のように過去に対する喪失感によって、しばらく茫然自失の状態から立ち直れなかった。[newpage]

  三日目

  頭がくらくらする……僕は何も知らないまま大切なものを失っていたことを最悪な形で痛感させられた。

  僕はビデオを停止し、自分はよくやった方だ、ここでいいだろうと……納得させて、もうやめようと何度も思ったが、昔の彼女に引っぱられるように再生のボタンを押した。

  どうなったのかちゃんと最後まで見届けてよと、記憶の中の少女に言われた気がしたからだ。

  「三日目はみんなでお風呂に入りに来ましたー」

  このやけにヘラヘラしている男優の気に障る態度にも少し慣れてきた。

  彼女はあの部屋から自由に出入りできないらしく、気分転換という名目で浴場へつれて来られていた。

  そこは小さなビジネスホテルの浴場のようで、あまり広くはないようだが撮影には問題なさそうで、よく使用されているのだろう。

  「なによ……これ……? これが私なの!?」

  浴場の体を洗うためにつけられている鏡を見て、彼女は驚き酷くうろたえている。

  なぜなら三日目の彼女は人間に見えなかったからだ……。

  (ああっ、こんなの台無しだ……)

  まさにきれいな少女の姿をまったく台無しにしたとしか言えなかった。

  彼女の全身の毛はますます濃くなり、黒い毛と白い毛が生えすぎている場所が斑にあって、所々が野生動物のようになってきている。

  手は完全に毛皮に覆われてしまっているし、耳の位置が上へ移動してしまっていて、そこに三角の形をした真っ黒な犬の耳がついている。

  「なんで尻尾なんかがあるの???」

  彼女のいうようにお尻から尻尾も生えてしまっていて、それは彼女の意志で動かせるようだ。

  そのお尻もいままでのふっくらした形ではなく、なんだか固そうな形になってきている。

  「こんなの人間じゃないじゃない……」

  顔はまだ人間の形をしているが、左半分に白い産毛がびっしり生えている。目の周りはパンダのように真っ黒なくまができてしまっていた。

  彼女の異様な姿に僕も驚いた。彼女のきれいな体がすごく台無しになっているのに……それが僕にはなぜだか美しく見えた。

  どうしてか壊れつつある彼女の妖しい怪物のような肉体が、すごく魅力的に映るのだ。

  「なんで? 手とかは毛が生えてきてるってなんとなく分かってたけど、こんな……全身がこんなことになってたなんて……ていうか、私の体がおかしくなるなんて聞いてない……」

  「ビックリした? でも早く洗わないと他の人が入ってくるよ? 予算がないから貸切じゃないし、ここ男湯だから普通の男のお客が入ってきちゃうよ。お客さんビックリするだろうねえ……」

  彼女の言葉を遮るようにシェパードはわざとらしく演技をする。

  「だから僕たちが洗うの手伝ってあげるよ。じゃあここに座って」

  彼女は逆らえず、浴室の椅子におとなしく黙って座る。

  姿がおかしくなったのが悔しいのか、それとも見られたくないのか、もじもじと体を隠すようにしている。

  「はい、お股開こうね。仕事道具みたいなもんなんだから、ちゃんと手入れしないとね」

  シェパードの命令に彼女は恥辱に耐える表情をして、自分で股を開く。

  局部がズームアップされると割れ目の周りの肉が腫れぼったくなっていて、股間の周り全体にも白い産毛が生えている。そこをシェパードが泡のついたスポンジでこすると、彼女は堪えようとしているのに声を漏らしてしまうのだった。

  「あんっ……! ううう……あはぁ……」

  「どう? 気持ちいい? クリちゃんもいい感じに腫れてきたね。これなら立派なものが生えそうで一安心だね」

  「ひっ……ううっ……ああっ!」

  一日目よりも色っぽい声が聞こえ、彼女は気持ちよさそうだ。

  「いい声出すじゃん。いいよ、すごくいいよ……こんな姿になっちゃったのに感じちゃってるのかな?」

  そこへセントバーナードが彼女の上半身を洗い始めた。彼らで下半身と上半身と役割が分かれているらしい。

  彼女の全身が泡だらけになると、獣人の耳と尻尾のついた人間にも見えるが、たまに泡の下から人間ではありえない色が露出してしまう。

  もしかして明日にはその毛皮が広範囲に渡ってしまうのだろうか? それを想像すると悲しいのに……僕はどうしてだか胸が高鳴り息が弾んでしまう。

  (なんだろうこの感じは? 直視するのが辛いのになんでだろう……)

  セントバーナードが彼女の胸を洗っている時に気がついたのだが、明らかに初日よりも胸の膨らみが小さくなっている。気のせいかと思ったが、そうではなさそうだ。

  「やだあ……やめてよお……」

  泡だらけにされているのに、肌と毛の生えている所で泡立ちが違い、斑模様のように見える彼女の体はとてもセクシーだ。エッチなことをしているせいもあるし、柔らかそうな体が引き締まりつつあるのを見ると、僕はドキドキしてしまう。

  「くそう……くそう……こんなので……」

  そして、僕にはそれがはやり屈辱だった。

  憎むべきことを彼女にされているのに、AVとはいえ興奮しつつあることに。

  画面の中の彼女はどういう気分でいるのだろうか……僕なんかよりも交錯してねじれた心理でいることは確かだった。[newpage]

  四日目

  四日目の彼女の肉体は更に異変が起こっていた。

  まず、部屋の上から見下ろす防犯カメラの視点に画面が切り替わった。

  すでに撮影らしきものが終わった後から始まったのだが、彼女は隠し撮りされているのに気がついていないのか、とてもリラックスしている。

  それもそうだろう、撮影が終わった後の時間こそが、唯一の心休まるひと時なのだから。

  こうしてなにか仕掛けられているのに気がつくはずがない。

  (こんな馬鹿にしたような内容よく思い付くな……)

  画面の中の非道な行為に憤りながらも、僕はビデオを見るのを未だにやめられないでいる。

  そして彼女はそのうち落ち着きのない行動を取り始めた。何度も座り直したり、モゾモゾとしなから自分の下半身を何度も覗いたりしている。

  衣類は一つも与えられていないが、毛皮があるから平気そうで全裸のままだ。

  (変だな。なにしてるんだろう?)

  初めのうちはトイレを我慢しているのだろうかと僕が思っていると、彼女はそっと下半身に手を伸ばしたのだった。

  (えっ……まさか……彼女がそんなことするはずが……)

  遠くからのアングルだが、丸見えなのでなにをしているかすぐに分かってしまう。屈辱に顔を歪めながら、とても恥ずかしくてもうしわけなさそうに、彼女はマスターベーションを開始したのだった。

  体育座りでうずくまるようにそっと右手を自分の股間で動かしている。

  その姿は彼女に起きた不幸に対していじけているようにも見えるので、自慰という行為はより淫らになる。

  僕が不覚にも、ついもっと近くで見たいと思ってしまっていると、ドアが開いて男優たちがなだれ込むように現れ、彼女がビックリした所でまた場面が切り替わる。

  ちょうどシェパードたちが部屋に入っていく所だ。彼女は慌てふためき、困ってばつが悪そうにしている。

  「なにしてたのかなー? オナニーだよねそれ? せっかくだし、カメラの前でしてもらっていいかな?」

  「えっそれは……」

  「恥ずかしい? でも、もうあんなにエッチしたんから平気だよね? 普通の女の子だったらもうとっくに妊娠してるよ」

  シェパードに意地悪をされながら戸惑ってはいたが、彼女は仕方なしといったふうにすんなりとマスターベーションを再開したのだった。

  僕はせめてもの抵抗をしてみせると思っていたので余計にショックだ。

  彼女はやけっぱちのようで、理由が出来てしまったことで思い切って行為にいそしんでいる様子だ。

  「だいぶ様になってるよ。見た目もずいぶん変わっちゃったね。もうばっちり人間じゃないみたいだよ」

  シェパートが意地悪く彼女を責める。

  しかし、自分の指をヴァギナに入れてかき回しているのだが、彼女の手は男優がいうようにすっかり男のような大きな手になっていて、指も太くなってしまっている。

  これだとただの獣人の男の手が女性器をいじっているように見えるはずなのだが、彼女のヴァギナの周りの肉がかなりたるんでしまいふぐりのように盛り上がっていて、カメラが近くに寄るとまるで毛皮の生えた金玉をいじっているようだった。

  (えぐいなあ……アソコがずいぶん変形しちゃってるじゃないか。そんなに乱暴にするなんてどういうつもりなんだろう)

  彼女の体のほとんどが白と黒の毛皮で覆われしまっていて、髪の毛はだいぶ抜けてしまい、代わりに明らかに毛質の違う厚い毛皮のようなものが後頭部から伸びている。

  まだ人間らしい顔つきだが、真っ黒で濡れている犬の鼻になっている。その鼻と口元は小さく前に伸びて、獣人や動物のマズルと呼ばれている鼻面になっていた。

  目の周りも黒い毛皮でフェイスマスクみたいになっていて、隈取のがっつりあるハスキーを思い出してしまう。

  「うわあ!」

  画面にアップで映し出された彼女の股間のあるものを見て、あまりのえげつなさに僕は情けなく叫んでしまった。

  胸はぺったんこで膨らみがなくなり残念で、そしてなによりも、クリトリスは飛び出した生々しい内蔵のようで……根元も毛皮でしっかりフサフサになっていて、犬のペニスみたいだった。

  これじゃまるで彼女が獣人の男の子みたいじゃないか……。

  (ダメだよ、そんなことしちゃいけないよ……)

  ヴァギナだけでなく、彼女は時折その犬の未熟なペニスのようなクリトリスをまさしくペニスのようにつかんで、シコシコしごいて腰を浮かすものだから、女の子のマスターベーションではなく、ますます獣人の男の子がオナニーをしているように見えてならない……。

  「いいねークリトリス大きくなったねー。今からこんなんだと、これからもっと大きくなるよ。よかったね。ねえ、気持ちいい? 気持ちいいけど物足りないんだよね? 分かるよ、物足りなくなってきてるんだよね?」

  今日はシェパードもセントバーナードも彼女を見て勃起はしているが、触ろうともしない。

  彼女は本当に物足りないのか指をかき回す動きが大胆になっていて、激しくかきむしるように自分の秘所をまさぐっている。

  やはり僕にはふぐりの真ん中に指を突っ込んでるように見えるし、長くて太いクリトリスをいじる頻度が確実に増えてきている……。

  「金玉の真ん中なんかじゃなくて、クリトリスだけを真剣にいじったらもっと気持ちよくなるよ? いじらないの? もっと気持ちよくなりたいよね? そんなんじゃいつまで経っても借金返せないよ? いいの?」

  あくまで気になるから補助としてたまにしごくだけで、彼女は頑としてクリトリスだけを扱って男と同じようなオナニーをしようとはしなかった。

  それは股間の物体を彼女も意識していて気になっているようだったが、恥辱にも快楽にも耐えているようにも感じられた。

  すっかりまな板になった胸や、ヴァギナをいくらいじり倒しても、男のペニスのようにクリだけを触ろうとはしない。

  「あっ……変っ……なにかが来ちゃう! 出てきちゃう!」

  そしてシェパードの言葉にも耐えて、彼女はふぐりの真ん中の割れ目をいじくりまわして絶頂を迎え、ビクビクと体を震わせた。

  背を弓なりにし、あそこから大量の潮を噴く。

  犬のペニスのようなクリトリスはビクンビクンと跳ねてはいるが、毛皮が汚れていないので先端からはまだなにも出ていないようだ……。

  「なんで我慢しちゃうかな。この仕事やる気ある?」

  わざとらしい下手な演技でシェパードにがっかりされながら暴言を吐かれても、彼女は全身から力が抜けてしまったようでうつろな表情で放心してしまっていて、そこで画面がフェードアウトしていった……。[newpage]

  五日目

  「さーて、今日は女の子のままでいられるかなー?」

  いきなりセックスをしている所から始まった五日目の彼女は、もう女性には見えなかった……。

  二人の獣人に犯されている彼女は、どんなに目を細めたり角度を変えたりしてみても、ハスキー犬の少年にしか見えない。

  目元は彼女に似ているが、顔は今や犬獣人でしかなくて、長くてさらりとしてそうだった頭髪も全て抜け落ち、頭の上には毛皮と三角形の耳があるだけだ。

  柔らかそうだった肌はもうどこにもなく、黒と白の毛皮に全身が包まれている。

  「こんな……嘘だこんなの」

  体つきもすっかり男のそれだ。股間にぷっくらしている毛玉のような睾丸がぶら下がり、その真ん中にはまだ女性器らしき割れ目が残っているが……それはずいぶんと萎縮してしまっている。

  「んっ! うぎっ! 痛い! きつくて最初の時より痛い! お願いしますやめてください!」

  「分かるー閉じかけの時が一番痛いもんね。俺の時もそうだったよ。でも一度穴が塞がっちゃうとどんどん鈍くなって痛くなくなるし、そのうちこうしてチンポを入れたり出来なくなるから大丈夫だよ」

  「やだあ! お願いします。もうやめて……」

  こうして犯されている今も、閉じかけている膣だった穴にも、毛だらけの肛門にも真っ赤な犬のペニスを何度も突っ込まれているのに、彼女は真っ赤な内臓のようなペニスをギンギンに勃起させて喘いでいる。

  マズルからはだらりと舌が出ていて、よだれを垂らすその姿からは元は少女だったなんて到底思えない。

  「んっ……あっ! あそこの穴を閉じないでください。っ……あんっ! それは本当に嫌なんです。それだけはかんべんしてください……」

  「そんなこと言われても俺にそんな権限は無いし、それにもう物理的に止めるのは不可能だよ?」

  「嫌あああああ! おかーさーん! おとーさん! 助けてえ!」

  彼女は男の獣人になりながら犯され、肉体的と精神的の量の方苦痛に顔を歪めて泣き叫んでいて、改めて人権もあったものではない非合法のものだと痛感させられる。

  (こんな……こんな……)

  彼女は男にされてしまったのか? 愛犬家の親の借金相手のせいでAVに出演して、獣人にされてしまったのだろうか?

  なにかの間違いという可能性は? たとえば、徐々に役者が変わっているとか……僕は画面の中の出来事を否定したかったが、それはありえない。

  僕自身がこの目で彼女が変わっていく映像を見ていたのだから。

  「やめてえええ!」

  彼女は半狂乱に助けを求めているのに、男優は楽しそうに彼女を犯している。

  この内容だ。非合法のやばい裏物というのを、身に染みて分からされてしまう。

  僕は彼女を取られてしまって何もできないだけでなく、人間が獣人に変えられてしまう所さえ見せつけられてしまっている。

  (くそう……くそおおおおおおお!)

  なんて凄惨なビデオなのだろう……確かにアニマルスナッフだが、動物を殺すのではなく、人間を獣にして彼女の人間性を殺すビデオなのだ。

  彼女という存在が死んでいく儚い記録が、これまでにビデオを通じて多くの人々に視聴され、彼らの異常な欲望を満たしてきたのだろうという事実が僕を苦しめる。

  (もうあの子はどこにもいないんだな……)

  大好きだった……あの頃の僕はまだ子供で、彼女に迫りつつある影に気がつきながら、なにもしてあげることができなかった。

  少年時代の恋なんて叶わないのが現実だ。

  昔の片思い相手や好きだった人が、あまりよくない生活をしているのを知ってしまうのは、悲しいけどよくある話だ。

  風俗などで再会とかも悲しいけど、まだ笑ってすませれる話になる。

  だけど、犯されながら人間から別の生き物にされていく様を突きつけられてしまうのは、あまりも残酷すぎる。

  彼女はこの後元に戻れたのだろうか?

  それなのに僕は胸の高鳴りと興奮を抑えられない……。

  「くうーきっついな……マンコもどきで最後の尾結合したかったのに、お前ののここが狭くて亀頭球が押し返されちゃったよ。撮影の予定がずれたけどどうしてくれんの? 責任取れる? もう中出しどころか妊娠も出来なくなっちゃったから女としての価値も無いのに。でもさ、若いのに閉経しちゃったけど、代わりにこれから精通するから喜ぼうね。お前の股間に生えたチンポから射精しちゃうんだよ。逆に女を孕ますことが出来そうでよかったじゃん」

  シェパードの男優は彼女の女性器だった穴に入れることすら諦めたのか、絶頂して先から先走りが出続けているのに睾丸の真ん中からペニスを引っこ抜いてしまった。

  ビデオの中で最初の方に説明があったのだが犬の射精というのは三段階あり、準備のための先走り汁の第一射精、孕ますための白濁した本番の第二射精、仕上げの第三射精と続き、今は第一の射精のようだ。

  「気持ち悪い……家に帰りたい……」

  彼女はちょうど声変わりに入った中学生のような声をしていて、悩ましげに耐えるそぶりを見せながらも喘いでしまっている。

  「でもさ、初めてのときよりだいぶ気持ちよさそうにするようになったね。もう竿と前立腺だけで感じてるみたいだし、そっちとしてもあと少しで無くなっちゃう予定の場所に入れられても気持ちよくないでしょ?」

  「あっ……またお尻の中で膨らんで……やだぁ、気持ち悪い……」

  彼女は四つんばいでガツガツお尻をセントバーナートに犯されていたが、また中出しされたらしく小さく喘ぐと、男優が亀頭球を彼女のお尻の中に埋めたまま体の向きを変え、お尻とお尻を四つんばいのままくっつけあう尾結合の体制になった。

  人間とは比べ物にならないとてつもない量を中に射精されているらしく、彼女のお腹がゴロゴロ鳴りながら少し膨らみつつある。

  「そんなに出さないでえ、苦しいよお……」

  「オマンコ消えていくのが嫌なのに気持ちよくて、お尻の穴ととチンポが疼くのがもっと気持ちいいのが怖いから気持ち悪いんだよね? 分かるよ、俺もそうだったもん。すごく分かる」

  「お父さん、お母さん……」

  「どうしてあんな親なんて呼ぶの? お父さんがお金返せなくなって消えちゃったんだから、ここには来ないって知ってるよね? それにお母さんなら最初からすぐ側にずっといてくれたじゃん? 今もお前の後でケツに亀頭球はめて尾結合してるのに」

  「えっ……?」

  「お母さんはお前のお尻を使ってずっとエッチなことしてくてれたんだよ? 感謝しないとね」

  「えっ……えっ……?」

  僕も画面の中の彼女も状況がまだ飲み込めないでいる。

  「お母さんはババアだったから男優としてあんま使える感じにならなくて、君たちにまで債務回収が回ってきちゃったんだよ。でも偉いよね。自分の娘たちが他人にめちゃくちゃされないように、下手な調教で自分みたいな失敗作にならないようにって、自分から娘の肛門を開発させて欲しいって名乗り出たんだよ。いいお母さんだよね。いや今はお父さんになるかな? もうすっかり男優さんが板についてるから分からなかったかな?」

  ここまで一貫してシェパードが前からヴァギナを犯し、セントバーナードが後ろから肛門を犯していたのだが、それには意味があったようだ。

  いつも彼女を自分の股の上に座らせ、きれいな色だったお尻の穴を後ろから抱きかかえるように犯している小汚いセントバーナードは、彼女の母親だったようだ。

  彼は常に寡黙で淡々と彼女の肛門へ自分のペニスを挿入し中に出していて、その様子は軽薄なシェパードとは違い真剣でそのものだった。

  ほとんどしゃべらないのも、自分の娘に対しての引け目があるから話しかけられなかったのかもしれない。

  「嫌あああ、お母さーん! なんでー? どうしてなのーっ? 嫌あぁ! 瘤がーっ! 瘤が中でどんどん膨らんで大きくなってるよーっ! 瘤がーーーっ!!!」

  「安心しろ。俺が立派なAV男優に育ててやるから任せておけ」

  親に任せておいたからこんなことになぅているというのに、彼女の元母親である現父親は自分の子に言い聞かせるように静かにそう言った。

  「ねっ? お母さんが丁寧に掘ってくれたおかげで、お尻でもだいぶ感じるようになったでしょ? 大丈夫。君のも瘤だってもうすぐ膨らむようになるから……ほら君のオチンポがこんなにピクピクしてるよ。もう我慢できなくて出しちゃいたいんじゃないの? いいんだよ。男の子のエキス思う存分出していんんだよ。それが君の仕事だからね」

  「やだぁっ! 怖いよー! 私もう壊れちゃうよ! おねがい止めて! なんか出てきそうなのっ! おしっこみたいでおしっこっじゃないものが出てきそうでもう我慢できないの! 誰か止めてよお……」

  強烈に催す感じに体をもじもじさせ耐えて、泣きながら訴える彼女の赤い内臓のようなペニスは、何度も小さく跳ねて痙攣し始めている。

  僕はそれを見て悲しさよりも怒りよりも興奮してしまう。

  「いいよーもっと感情出していこうね」

  カメラがズームして画面にアップで映し出された、彼女の毛皮のさやから飛び出て勃起している犬の肉棒は、僕のものよりもギンギンに固くなっていてはるかに大きくて、僕はより固く勃起してしまう。

  「嫌ああああああ! 見ないで! 撮らないで! お願いよおおおおおおおおっ! ヴッ!!!???」

  「くそう……こんなので……こんなので、くそっくそっ……くそう」

  僕は気がつけば画面に食い入りながら、悔しくて泣きながらが自分のペニスをしごいていた。

  出来立ての真っ赤な犬チンポは、彼女の意志に反して勝手に根元を膨らませる。

  そしてその瘤がプクーッと……ソフトボールくらいの大きさに膨らみきると、先細りの犬チンポの先端から透明な先走り汁がピューッと水鉄砲のように飛び出す。

  彼女はそれを心底嫌がっているが、一番目の犬チン汁である先走りは止まらず『彼』の腹周りの毛皮を汚していく。

  これまでにビデオで沢山みてきた雄犬の射精とまったく同じだ。

  「ああああああっっ! おおおおおおおっ! ヴルルルルウッ!?!? なんか出てるーっ! 嫌あ! 熱くて変な汁お漏らししちゃってる! あそこが熱いよおっ! おっ、お尻も……おがぁさんっっ!!」

  「すごいイキッぷりだね。こんな激しいの始めた見たよ。やっと精通したね! とにかくおめでとう! 俺も新しい後背が出来て嬉しいよ。それにしてもさあ。すごいよね、触ってもいないのに初めてのを出しちゃうなんて。普通はケツ穴で尾結合キメて、ここから牛の乳しぼりするみたいに強制的にしごきまくってさあ、やっとどうにか初物の雄の一番生絞りがなんとか出てくるってのに」

  本当にシェパードも驚いているようで、いつもの意地悪で軽薄な様子ではなく、すこぶる感心したようにしゃべっている。

  「おめでとう。これから前もお尻もいっぱい使ってお金返していかないといけないから、お父さんにも手伝ってもらおうね」

  セントバーナードはロッキング状態で中出しのままブヨブヨの大きな雄犬の尻を引いたり押しつけたりするので、父親の汚らしい中年犬の瘤に引っぱられて彼の肛門がめくれて花の蕾のように盛り上がり、赤黒く野太いペニスが瘤ごと奥に押し込まれて肛門が陥没したりしている様子がアップで映し出される。

  「んおおおおおっ! あおおおおおおおっ!」

  彼は親犬の瘤付きペニスで後腔を刺激されまくり、真っ赤な犬ペニスからより先走りの液体を勢いよく飛ばす。

  「いいねえ。ほんと初めての射精でそんなに乱れるなんて男優としてマジで才能あるよ。しっかり稼げるようにならないと、俺みたいに売れない男優になっちゃってこういう変なビデオにしか出してもらえなくなっちゃうからね。後は汁男優ばっかだったり……お母さんも泣かず飛ばずだったから、君は本当にがんばってね。俺だって昔は女だったのに、ぜんぜん売れないせいで未だに借金が残ったままなんだから」

  シェパードはヘラヘラとわざとらしく笑っている。僕は今までにこの男優を見たことは一度も無い。きっとこれからも売れずじまいで、裏社会に埋もれたまま浮き上がることはないのだろう……。

  「嫌ぁぁぁ……もう出したくない! またなんか来るーっ! 怖いよーお母さーん! 怖い……なんか出るゥゥゥゥヴルルウッ!?!?!?」

  彼女の言葉と反発するように、若いハスキーの獣ペニスから白く濁った粘度の高そうな液体が、何度もドクンドクンと高く弧を描くように飛び出した――。

  ついに彼のペニスから雄犬の精液が出てしまったのだ。

  「はい、よく出しましたー! がんばったねえ。これでもう君も立派な男の子だよ」

  初めて射精をしてしまった彼は今、なにを考えているのだろう……快楽に頬を緩めて夢心地にいるようにも、全てを諦め空虚に打ちのめされているようにも見える。

  僕も彼と同じ有様で、彼が第二射精をした辺りで絶頂してしまった。

  僕は彼で性欲を満たしてしまったことに対する罪悪感と情けなさと、射精後の虚脱感に打ちのめされ、落ち込んでしまう。

  それでも最後まで見届けなければと、僕は画面に視線を戻した……。[newpage]

  六日目

  六日目だ。画面にいるのは腹面に白色の映える、背面には見事な黒色の毛皮を持つ犬獣人で、もはや彼女だと思える要素はワンポイントでピアス代わりに耳へつけられた髪留めだけで、それ以外どこにも見当たらなかった。

  (ああ……こんなに別人になるなんて……)

  ここまでビデオを見てきたから、なんとかそのハスキー獣人の彼が彼女だと判断するしかない。それほど彼は変わり果ててしまっている。

  ロングコートになった毛皮はふっさりと彼の全身を包み、筋肉が引き締まった体は迫力があり、AV男優らしいとも、らしからぬとも言える良い体つきになっていた。

  胸板は厚く引き締まり、太ももは石のようにごつごつと太い。格闘家のように絞られていて、全体的に逞しく凛々しい外見だ。

  身体が厚くなっているだけでなく、身長さえも変化し、中肉中背から長身で大柄になったようにも見える。

  「えー昨日精液が出た辺りから情緒不安さに拍車がかかり、暴れるようになったので、お仕置きでしばらく動けないようにしておきました。六日目ですが今日はおあずけで、彼にはなにもしてあげないようにしたいと思います」

  彼は手を後ろ手に縛られ目隠しをされ、口には猿ぐつわがされていた。正座をさせられているので体の正面が丸見えで、引き締まったシャープな肉体が強調され、毛皮があるのに胸板や、割れた腹筋がくっきりと浮き出ている。

  穴の開いたボールを噛まされているマズルは五日目よりも長く伸びていて、毛深さも増した顔つきはハスキーというよりも柄が似ている狼のような風貌になっていた。

  拘束され目隠しまでされている彼は、逞しく大きくなった肉体を強引に押さえつけられて非常に窮屈そうに見えた。

  口で息がしにくいのもあるだろうが、怒りからか、それとも性欲による興奮からか、フーフー……と、吐き出される鼻息は荒く、明らかに気が立っているようだ。

  おあずけをくらっている彼は、すでに股間の肉棒を隆々と勃起させ、ぬらぬらと濡れた赤い肉の槍をさやから飛び出させて、カメラの前にさらしてしまっている。

  どうみても人間の少女ではなく、縛られた大柄で逞しい雄犬にしか見えない。

  (もうあの頃の君はどこにもいないんだね……)

  僕の初恋の女の子は獣人に犯され、獣人の男の人にされていた……なのに僕はそれを見てまだ興奮してしまっている。

  獣人になったせいか、老けてすっかり大人になったようにも見える。僕はそれにすら魅力を感じてしまうのだった。

  画面の中のいきなり中年にされてしまった彼のように、僕も再び鼻息を荒くして興奮してしまう。

  ああ……こんな変態なビデオを見ている僕よりもずっと、彼の方が激し屈折させられ興奮してるんだろうと思うと、悲しくて情けないのに不思議とアソコがまた固く元気になってしまう……。

  「でも、このまま放置もかわいそうだし、一発だけ抜いてあげるね」

  それを聞いて逞しい犬の体がこわばる。猿ぐつわからよだれを垂らして息を荒げているが、拘束具を揺らすだけで彼は抵抗ができない。

  本来はなかったはずの男性器を触られるのがまだ嫌なのか、どうにか反抗しようとしている。

  しかし、それは無駄なあがきでシェパードは彼の股間に手を伸ばし、ペニスのさやの根元を優しくさすり始めた。

  「ヴヴヴヴヴヴヴヴッ!!!」

  猿ぐつわのために彼の叫びはモゴモゴとしか聞こえず、彼はすっかり男らしく逞しくなった体をよじり快楽から逃げようとする。

  シェパードは容赦なくさやからペニスまで手を滑らせる。貧相な雄犬が立派な雄犬のペニスをしごく音と、狼のような低いこもった獣の唸りだけがスピーカーから聞こえてくる。

  「いいよなあ、うらやましいなあ……俺なんかよりも見栄えがいいし、ここも大きい。どうせ売れっ子になるんだろうなあ……いいなあ」

  自分が手に入らなかったものを持つ若者に対する年上からの羨望とも僻みともとれるつぶやきを、男優は口に出す。

  ハスキーの男性器は昨日よりも……貧相なシェパードの股間についている大きくも小さくもない中途半端なそれよりも……表情の読めない顔で見ているだけのセントバーナードの臭くて太く小汚いそれよりも……はっきりと大きくて立派だ。

  その大きく立派な赤い犬ペニスの根元がまたぷっくらと大きく膨らんでいく。

  思い出の中の彼女を『彼』にされてこんなにも悔しいのに、僕のペニスも再び固くなっていくのを止められない……。

  「ンフーッ! ンフーーッ! ンフーッ……」

  ハスキーは必死でもがいているが生理現象を止めるすべはなく、彼は立派な毛皮つきの肉体をじたばたさせるだけで、最後にビクビクと全身を痙攣をさせて絶頂してしまう。

  ああ……彼が……完全に、すごく男らしい雄になった彼が、また射精してしまった……もう元には戻れない。あの頃の僕らの関係にも……。

  僕は画面から目をそらすことすらなく見入って、まばたきすらできない。

  あの彼女は雄犬にされたあげくに拘束され、勢いよく精液を飛ばしている。

  彼は今なにを考えているのだろう? 屈辱だろうか? それとも快楽に身を焦がして何も考えられなくなっているのだろうか? それを知るのは画面の中の彼だけだ。

  僕はまた無意識に自分の股間に手を伸ばしていた。理由など考えている余裕などなく、ペニスををしごかれている彼に自分を重ねながら、自分のペニスをしごき始めてしまう。

  「くそっ、くそっ、こんなことが許されるはずが無いのに、くそっ……」

  「ヴルルルルルルッッッ!!!」

  彼の亀頭球は丸々と赤い果実のように大きく膨らみ、陰茎は太く、見事なまでの雄犬の生殖器が完全に勃起し、先走りを勢い良く発射する。

  「うへえ、すげぇ……」

  シェパードが手を放してもペニスからは透明な液体が吐き出され、射精を続ける。

  雄犬は電池の切れたおもちゃのように動かなくなるが、白いネバネバの第二精液が犬チンの先から飛び跳ねるになると、ペニスから牡汁が飛び出す度に束縛されている脂肪のない筋肉の塊のような引き締まった体をピクリと震わせた。

  「ヴルッ! ヴッ! ヴッ……!」

  カメラが彼の股間にズームで寄っていくと、雄犬の白くて大きな毛玉のふぐりの中で二つの精巣がぎゅっと射精のタイミングと同時に持ち上がり、ドクンドクンと下がっては持ち上がるをくり返しているのが映し出された。

  彼の成長記録がこうして二十年近く経った後でも、マニアックなビデオとして世の中に出回り高額で取引されているのだ……それは彼女にとって不幸だが、男優になった彼なら幸せなことなのかもしれない……。[newpage]

  七日目

  「これで最後ですが、すっかり男前になってくれました。僕たちとしても誇らしく思います」

  今日で一週間になるのだが、彼はもう僕の知る女の子どころか、何かもが違うまったくのただの別人と言った方がよかっただろう。

  確かに分かることは、拘束されたまま一日以上放置されていただろうということだ。ペニスをしごかれた後は、おあずけできっちりと誰も部屋に入らなかったそうだ。

  逞しく大柄でなおかつ絞られた立派な肉体を持つ犬獣人の彼からは、放置されたせいもあってかその蒸れた雄臭さが画面越しにも伝わってきそうだ。

  彼は雄臭ささえ身にまといながら後ろ手にされ、目隠しをされたまま静かに正座をしている。

  「……」

  カメラの裏で監督が合図したのか、人間の少女がフレームインしてきた。

  野暮ったい眼鏡をかけて姉と正反対のぼさぼさの長い髪の少女は、成長途中の幼い感じを漂わせていつつもだらしのない雰囲気で、体も肉付きがよく姉と違いぽちゃっとしている。

  その面影から予想するに僕は彼の妹じゃないかと疑った。

  僕の記憶の中だともっと小さかったけど、彼女の妹はこんな感じに近かったからだ。

  「中学生だっけ? 大変だろうけど、お姉ちゃんのためだからね……」

  「はい……」

  彼女は服を脱がされ、ハスキーの鼻先に股間を持っていくように命令される。

  少女は怯えながら尻を突き出し、ハスキーの鼻面に当たるすれすれの所で、目隠しをされている彼は激しく反応した。

  「………………!!!!!!」

  彼は猿ぐつわのまま歓喜で呻き、すごい勢いで幼い人間の雌の股の匂いを激しく嗅ごうとしたので、少女は露骨に不快感を表情に表した。

  これではまるで発情期の雌を前にしたただの雄犬ではないか。

  「では一日耐えた彼にごほうびがありまーす! それでは脱ぎたての女の子のパンティーをプレセントします」

  彼の妹であろう存在は浮かない顔で下着を脱ぎ、それを受け取ったシェパードが拘束状態の彼の鼻先に押し付けた。

  雄犬は尻尾をブンブンと振りながら、それをきちんと犬っぽい仕草でクンクンとじっくり調べるように嗅ぐと、股間をとても早く反応させた。

  「ハフ! ハフハフ、ハフッ!」

  獣人なのだから誰か匂いで分からないものだろうか? 逞しい雄犬はしきりに少女の下着の匂いを嗅ぎ、呼吸を荒くする。猿ぐつわの穴からはだらだらとよだれを垂らし、昨日よりも犬らしくなっている。

  「欲しいか? ならお座りで待てだ」

  シェパードはそう言うと彼の拘束を解き、猿ぐつわを外した。

  「ベッドの上へ行け」

  雄犬は暴走したり暴れ出すことも無く命令をちゃんと聞き、賢い犬として聞き分けよくベッドの上でお座りをする。

  長身の獣人なので窮屈そうだが、犬らしく言われてことを守っていた。

  「目隠しは後からだ」

  少女はハスキーの前で背を向けしゃがまされた。お尻と背中を彼にぐっと密着させるように注文があったのだが、彼女は兄と違い明らかな不安な感情を隠さずにいて、とても嫌そうに渋々と命令にしたがっている。

  雄犬はまだ誰だか分かっていないのか、妹の体臭を嗅いで雌の匂いに口元を卑屈に吊り上げた。

  「ヴォン!」

  きちんとお座りで待てを守っているハスキーの体の内側に妹はしゃがまさせられているので、ちょうど雄犬の股間のさやの上に彼女の割れ目が来ていた。

  まだ腰を振るのを抑えてはいるが……雄犬は少女に発情し、さやから真っ赤なペニスの先端をはみ出させている。

  「オンオン!」

  ハスキー犬は駄犬のように尻尾を振り、目の前のご馳走に『待て』ができなくなったのか、振るとまでいかない絶妙さで腰をヘコヘコ動かし始めてしまった。

  微妙な動きに反応したのか、さやからペニスは伸びていき、どんどん大きくなって完全に勃起してしまう。

  「ひっ……」

  妹の股の間で彼の犬ペニスが勃起したので彼女の腹に当たってしまい、怯えて今にも逃げ出しそうな表情になっている。

  「まだ早いって。でも先に素股だけならしててもいいよ」

  ハスキーは目の前の人間の少女の腰をつかんで固定すると、お座りのまま腰と腰を密着させた。

  『姉だった雄犬』よりも明らかに未成熟な妹の割れ目に、雄犬の真っ赤な陰茎の根元が押しつけられる。

  「まだ待てだぞ……待て……待てだぞ……よし、いいぞ!」

  命令をちゃんと聞いて、雄犬はお座りのままはしゃいだ犬のごとく腰を振り、少女の若い割れ目の表面にペニスの背を根元から途中まで素早く焦ったように滑らせる。

  「やだよーお姉ちゃんどこー……っ」

  妹の切なげなつぶやきも『兄』には聞こえないのか、彼は始めての素股に夢中になっていて……それは元少女であり姉であったという誇りや威厳は微塵も感じられず、ただの発情した雄犬になっていた。

  「オン! オン! オン!」

  もうすぐにでも交尾したくて我慢できなくなったのか、彼が少女の腰をしっかりとつかんで自分へと引き寄せると、彼女は地面に手をついて四つんばいになってしまう。

  愛撫すらまだだというのに、早くも後背位という動物の交尾の体位と同じスタイルになっていた。

  「やだあ、ワンちゃんやめてえ……」

  「実は伝えないといけないことがあって……本当はハスキーじゃなくて狼にする注文だったのが発覚して、やばい手違いが起こったのでこの企画自体がちょっと危なくなりました。僕たち出演者スタッフもかなりやばい状況でした……」

  目隠しのせいでハスキーの表情は読みにくい。

  「なので、非常に残念ですが緊急事態なのでやむを得ません。彼女に狼になってもらうことになりました。愛犬家さんからは別にどちらでも構わないと言っていただいたので大変助かりました」

  シェパードはほっと一息したような下手くそな演技をして、そのまま盛りのついた雄犬の目隠しを外した。

  匂いなんて人間だった時には全く認識していなかったせいで、分からなかったのだろう。ようやく彼は素股中の少女が自分の妹であることに気がつき、はっとして後悔を顔に浮かべる……。

  「ごめんね……ごめんね……」

  それでも申し訳なさそうにしているけれども、彼の顔は目の周りが仮面のように黒い毛皮に隈取りされていることもあって、目つきが非常に悪く見えた。

  凶悪犯みたいな顔面をしている。

  「うひひ……ぐへへへ……」

  シャープな肉体と目つきのせいで、この場面だけ見たら彼がそんなことを思っているとは考えられないだろう。

  彼が一週間前までは人間の女の子だったなんて夢にも思えない。

  それに声が完全に男のものになっているので、妹もまだ彼が姉のなれの果てだと理解できないようだ。

  「おねえちゃんどこお……?」

  僕の探していた初恋の女の子は、AV男優にされていたことできっぱりと決着がついた――。

  最初からどのビデオのパッケージにもいた、僕でも知ってるほどに有名な人気男優だ。

  彼はこの後もこの職業を続け、立派な役者に成長したようだ。様々なビデオに出ていてテレビのバラエティでもよく見る顔だから……。

  「でも、それはあんまりだよね? かわいそうだからちゃんとお姉……じゃなくて、お兄ちゃんがおあずけのまま待てができたら借金は帳消しで、このまま兄妹で家に帰れるというチャンスをこのAVの企画主さんからいただいてきました。お兄ちゃんがんばれ! 妹ちゃんが弟になるかはお兄ちゃんしだいだぞ!」

  またとないチャンスだ。ここで耐えられれば妹を守れて借金ともおさらばになる。この場だけでもエッチなことさえ我慢すればいい……簡単なことだ。

  なのに彼は素股をやめようとせず、腰をヘコヘコ前後に動かしペニスを妹のヴァギナに当て滑らすのを楽しんでいるままだ。

  「がんばって我慢する……一緒に帰ろう……」

  盛りのついた雄犬は本当に妹を守るつもりだったのだろう。ピタリと動くのをやめた。

  なのに……それなのに「……妹の尻に腰をゆっくりと密着させていく……。

  「入ってきてる!? 犬のチンチンがアソコに入ってきてる!? 大きい! 太い! こんなの無理だよ、入らないよお……お姉ちゃんやめてよー」

  えっ? と、彼は自分でもなにが起こってるのか分からず、不思議そうな顔をしている。

  「えっ、あれ……? 俺、どうして……? だって……こんな???」

  雄犬は動くのをしっかりやめたつもりだったのだろうが、一度動きが止まってからそのまま犬の赤いペニスが、妹の未熟な女性器に挿入されていった。

  大好物のごちそうの前だと、彼はもう待てもおあずけも出来なかったのだ……素股が前戯になっていたのか、少女のあそこはよく濡れていたようで、事前に妹へ怪しい薬の仕込みでもあったのか、雄犬の太くて真っ赤なペニスが柔らかく飲み込まれていった。

  「痛い! 痛いよーお姉ちゃんやめてよー」

  「ごめんね……ごめんね……ウへへ……」

  自分で前に腰を動かしておきながら、自分のペニスが挿入されていくのを不思議そうに眺めていたハスキーは、一度とりあえず入れられる所まで入りきってしまうと、妹の膣の感触や温度をよく味わうように目を細めてじっとしていた。

  「やだよおお……」

  「はあああ……たまんねえぜ……こりゃ親父になった元おふくろもハマるわけだ」

  雄犬はやがて思い出したようにゆっくり腰を引く。

  そして中学生のまだきつい女性器をほぐすように優しく挿入をし、引き抜くをくり返す。

  「いやあああ! お姉ちゃんやめてえええ!」

  獣人の兄は人間の妹をエスコートするように優しく犯す。

  生々しい赤い肉塊が人間のヴァギナの割れ目から出たり入ったりするのは、やはりどうしても獣姦に見えてしまう。

  数日前に兄と父がしたように、妹は血のつながった異種族の男に後ろから男性器を突っ込まれ、苦しそうに顔を歪めていてかわいそうだ……。

  それを見ても僕はもう当たり前のように興奮してしまうだけだった……。

  「お姉ちゃん! お姉ちゃん! 助けて!」

  やがて丁寧な挿入から勢いがつき、乱暴でせっかちな発情した動物の交尾の動きになっていく。

  妹は姉の名前を呼ぶが、兄は妹をただの交尾相手のように扱っている。[uploadedimage:19160786]

  「ヘッ……ヘッ……へッ……」

  雄犬は実に犬らしく呼吸し番相手を犯し、パンパン腰のぶつかる音がする。

  目つきの悪いハスキーは憂いを帯びていた表情から、欲望にまみれた凶悪な男の顔に変わっていく。

  時折獲物を狙っているように妹を見て、自信たっぷりに舌なめずりをする。

  「ゲヘへ……いいなあこういうの……」

  ハスキーは性行為に刺激されて、体だけでなく心までも雄の獣になろうとしているのではないかと思えてならない……セックスを楽しむ豪放磊落な男のように妹を犯す元姉の姿は、残忍な野獣そのものだ。

  本当に雄として満足そうに妹を犯し、余裕のあるようにを振っているので、AV男優のデビュー作の演技とは思えなかった。

  彼の妹は辛そうだが徐々に喘ぎを漏らすようになる。

  ベテランの雄が哀れな雌を荒々しくもてあそんでるようにしか見えず。僕の手の動きも彼につられて早くなる。

  「きゃっ、なにこれ? 私の中でなにかが膨らんでる! お姉ちゃんのが膨らんでる!」

  「へっへっへ……なにかまいやしねえぜ。俺に任せときな」

  妹は姉の時と同じような反応をし、兄は悪役めいたことを言いながら目いっぱい腰を突き出し、妹の膣に射精して瘤を膨らませる。

  「ヴルッフゥ!!」

  「やだあああああ! おねえちゃんやめえええええ!」

  「残念。お兄ちゃんが妹に中出しなんてひどいことするよなあ……」

  兄の獣人が妹を守るように覆いかぶさっているが、射精感にうっとりを脱力しているだけにも見えた。

  うっすらと兄の瞳に涙が浮かんでいるが、あまりの気持ち良さに嬉しいのか、それとも普通に悲しいのか、どういう理由の涙なのか僕には分かるはずもなかった……。

  彼の頭の中では複雑に歪んだ葛藤や鬱屈した感情が渦巻いているに違いない。僕も複雑で倒錯した感情の中ペニスをしごいてしまっている。

  「さてそろそろメインイベントだぜ」

  貧相なシェパードそう言った。少女のまだ成熟前の女性器に兄からの先走り汁がプレゼントされる中、またあの注射が用意される。

  指示されてハスキーは妹とつながったままベッドに腰を下ろした。当然犯され、亀頭球をあそこに埋められたロッキング状態のままで、少女は兄の上に座らされ、大股を開かされたのだった。

  「くうーっ……よく締まるから昨日よりもまだまだ出るぜ」

  実の妹へ亀頭球をはめて中出ししておきながら、下種なことを言う兄へ注射器が渡される。

  どうにも彼が、妹に手ほどきからなにからなにまで全てしてあげろという指示らしく、渡された本人も乗り気なのかニタニタ悪どい顔をしながら針の先端を試すように確認した。

  雄犬は、彼のペニスの瘤のせいで内側からポッコリ膨らんでしまっている妹の下半身に手を伸ばし、割れ目を片手で雑に広げると適当に愛撫し始めた。

  「痛いっ……でも、くすぐたくて……だめえ、ここ触らないで」

  よほど相性がよかったのか、すでになんらかの薬を盛られてしまっているのか、妹は豪快にクリトリスをいじられて感じてしまっているようだ。

  幼い少女は大人のような色っぽい声を出して少し抵抗しようとするが、ハスキーは子供をあやすように後から肩や首筋を舐め回している。

  凶悪な顔をした悪い雄は、まだ未熟だというのに亀頭球をねじ込まれている実の血のつながった妹の女性器をいじり続ける。

  「あっ……あん、んっ……やだ、だめだってえ、そこいじんないでえ」

  少女の狭いあそこにハスキーの大きな瘤が入れられて膨らむほど、膣を獣の肉棒でいっぱいに塞がれているのに、クリトリスが固く立つまでこねくり回されて、妹は脱力して喘ぐ。

  そろそろ頃合いだと指示があり、兄は家族をいたわる様に妹のむき出しのクリトリスへ慎重に注射器の針を突き刺し、プランジャを押して中の液体を注入した。

  「いっ痛っ……冷たい……いや熱いかも?」

  自分がされたときのように、雄犬になった兄はまだ人間の妹のクリトリスを揉みほぐしてやる。

  クリトリスはすぐに腫れあがり大きくなっていく……ペニスが勃起するように、太く長くなっていく……。

  「やだあどんどん大きくなってる」

  「おう、もっと大きく腫れ上がって汁まで飛ばせるようになるぞ! そいつがすげえ気持ちいいから俺が教えてやるよ!」

  雄犬は兄としてどこか得意げに話している。

  「先に獣人になった家族二人から取った薬のデータのおかげで効き目がすごいね。即効性もかなりあるみたいだし」

  その言葉通りに効き目は早く出た。妹はみるみる毛皮に包まれていき、体が大きくなっていく。バキバキと体が盛り上がり、筋肉が隆起していく。耳が上へ移動し三角形になり、爪も牙も鋭くなり、鼻面も前へ長く伸びていく。

  「あ……? お……? わだし? からだが???」

  妹は兄が一週間かけてたどってきた変化をその場で一気に果たそうとしている。それどころか兄を超えて体は厚く大きくなり、肉体は爆発的に進化する。

  年齢も兄よりも父親に近くなり、群れのボスというのがふさわしい堂々とした雄々しい雄狼になっていく。

  女性器がが男性器になっていくと、閉じていく膣から兄の亀頭球がチュポンと勢いよく飛び出してしまった。

  「あおん!?」

  「いってえなあ、くそう。こっちはまだ出してる途中だったのによお……」

  兄の上で妹がドクッと強く激しく射精する頃には、すっかり兄よりも大きくて老けた狼の男性になっていた。

  姉妹は性別も年齢も逆転した獣人の兄弟となり、二人ともペニスの根元の瘤を膨らませたまま、受け止める肉壷もなくむなしく空中に射精しながらベットに倒れている。

  「はい、それじゃあ最後にお互いのをしゃぶりあってる所を撮影して終わろうか」

  命令に従い獣人の兄弟はお互いの体をまさぐり合い、シックスナインでペニスとペニスをしゃぶり合う。

  白濁の牡汁が互いの顔にかかり汚れる。溜飲しないか心配になるほど、嚥下の音を立てながら二人とも濃厚な獣の精液を飲み干していく。

  「精通した直後だってのにくっせえザーメンだなあ……へへへ、俺ん時はここまで臭くなかってのによ……」

  グロテスクな赤い獣人のペニスが獣の口に見え隠れする。動物同士の交尾にしか見えないのに、僕はまた絶頂を迎えてしまうのだった……。

  (ううっ……こんなビデオでまた出しちゃった……)

  そして画面の中の二人は再び盛り合い始める。

  「おう、今度は俺のケツを使わせてやってもいいぜ!」

  兄妹は仲良く交代して、今度はハスキーが犯されるようだ。

  自分より大きな老狼に激しくペニスをぶち込まれ、乱暴に犯される彼もまた満足そうであり、目つきの凶悪な顔を快楽で歪ませる。

  どうやら笑っているようだ……。

  「アオオオオオオオオン!」

  ハスキーの尻に入れられた巨根の根元の瘤が、風船のように膨らんだ所で二匹の雄は雄叫びを上げ、そのままビデオはブラックアウトしていく……。[newpage]

  最後まで見終えて、僕は過激すぎるビデオの内容に、しばらく放心していた。

  初恋の人を奪われてしまった喪失感もあるが、彼女たちの行く末や結末にはもう興味を失いつつあり、僕はただ性的な作品としてこの裏ビデオに魅了されてしまっている。

  (なんて……すごい作品なんだ……)

  彼女の安否なんかよりも、彼の生き様が……アダルトコンテンツとして彼の男優活動が気になるだけだ。

  こういう世界もあるのかと新しい大地に降り立った気分だ。続編は彼と弟……いや彼と兄と父がパッケージに写っていたはずだ。

  おまけの三本は普通の作品で、正規の手段で世の中に出回ってる本当にただのAVのようだ。

  どうやら普通に他のAV女優や男優ととセックスしてるだけのようだけど、そっちも見るのが楽しみだ。

  ただのAV女優としているのはいわゆる素人モノで、素人という設定のトイプードルの獣人女性が彼に犯されまくる内容で、もう一本はゲイビデオらしく獣人の男優と複数で絡み合ってるだけのようだ。

  しかしラッキーだと思う。彼は人気男優なので、これからは簡単に彼の活動を追うことができるし、こうしていつまでも彼を見守っていくことが可能になった。

  おまけあくまでおまけで、どれもただのAVみたいだけど、他のゲイビデオでは兄や父とも改めて絡み合っているかもしれないので探してみようかな。

  彼の出演作をこうして追いかけれるなんて、ああ楽しみだなあ……。

  「次はどれにしようかな」

  とりあえず裏物の続編から見てみようじゃないか。どうやら裏ビデオの二本目は一本目の続きがそのまま始まるらしく、パッケージの裏には性別反転雄犬化親子壮絶三P雄交尾!! と呪文のような煽り文句が書かれてていたのでくすりと笑ってしまう。

  僕は期待に心を躍らせながらビデオをデッキに入れる。そのビデオを見ながら僕は泣きながら彼でシコった……。[newpage]

  「なんと、俺たちの消えた人間の方のお父さんが見つかりやがったぜ。再会したい気持ちもあるし、きっちりお礼をしてやらねえとこっちの気が治まらねえよなあ? 俺らが仕事で活躍しているのもしっかり見て欲しいよお、これから撮影でやつの部屋に押しかけてやんぜ」

  マンションの前で男盛りに老けた四十代ほどのハスキーがにこやかに話している。前作からさらに時間が経っているようだが、目つき顔つきも凶悪そうな彼が人気男優なのもうなずけるほどの男前だ……。

  あの裏ビデオを見てからというもの、僕は彼の出ているAVを集めるようになっていた。

  もうそれでしか抜けないせいもあるが、彼のその後を追いたいからでもある……。

  そんなある日、送り先は不明だけど試供品のサービスという理由で彼の出ている裏ビデオが二本送られてきた。

  彼の出ているしかも裏ビデオの続きがタダでもらえて僕はすごく嬉しくて、さっそく中身を確認したのだ。

  一本目は彼の最初の元々の父親を訪問する内容らしく先が気になるのだが、一旦止めてデッキからテープを取り出すと僕は二本目も確認することにした。

  もう一本はパッケージにもラベルにも何も書かれていなくて、内容が完全に不明なのでどんなビデオなのか気になったからだ。

  「おい、見てるか? どうにも俺のことを嗅ぎ周って探してるヤローがいるらしいな? 俺もなんだかそいつの事知ってそうな気がしてよお、こうして会いに来たってわけだ。今行ってやるから首洗って楽しみに待ってやがれ」

  その雄犬は悪役のように画面の中で振舞っている。

  二本目もどうやら彼が誰かをたずねに行く内容らしい。なんだかビデオに映っている背景が近所みたいだし、僕の住んでいるマンションにそっくりな建物に彼は向かって行っている……。

  その時、僕の部屋のチャイムが鳴った。ビデオを止めて玄関に向かうとドアの隣の窓のすりガラスの向うに、大柄な犬獣人のようなシルエットが見える。

  そういえば彼女を行方を追ってあちこちに顔を突っ込んだものだから、僕が捜しているのを聞いてそのうち彼が訪ねてくるかもしれないな……なんてね。

  ドアスコープを覗くと凶悪な顔のハスキー獣人の男性が、悪そうにニヤニヤしながらこちらを睨んでいる。彼にそっくりな気がするのだけど……そんなまさかね。ドアスコープだとまだよく分からないや。

  「おい、居るんだろ? 早く開けろよ」

  彼に似た獣人は悪役みたいな顔で、見えるはずも無いのに逆にこちらを覗こうとしたりしている。

  ビデオのことを誰かにべらべら話したり通報なんかしたりしたら、必ず制裁されるから絶対に他言無用だと買う時に念押しされたけど、僕はちゃんとそれを守っているからその心配はない。

  誰なんだろう? まさか彼が本当に会いに来るはずも無いしな……そう思いながら僕はドアを開けた。