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宇宙船ラストニャントリア号。
この宇宙船は遥かな希望の星を目指し、今日も宙の航海を続けている。
この船に乗っている者は少ないが、かつてこの宇宙の中で最も高度な文明で繁栄した星ニャントリアで総力を以て建造された船。
星を飛び出してから今日で3年が経った今も支障なく飛び続けている。
しかし、そんな高度な文明が生み出した宇宙船でもどうにもならない問題があった。
『む、むむ…………』
ラストニャントリア号中央制御室。
モニターに何やら顰めたような面持ちの猫又のような映っている。
このラストニャントリア号の中枢である独立星間渡航システム『NYADAM』が創り出したアバターであり、仮想人格を複合して併せ持つAIである。
「マスター?
ドウシマシタカ?」
そんなNYADAMを見て声を掛けたのは、ピンクのラインが入った猫型のファンシーな宇宙服を全身に纏う者。
彼こそNYADAMが惑星開拓のために創られたアストロキャッツであり、CAT−01という名前を持つ。
元々はこことは別の世界にいた、どこにでもいるような人間だったがNYADAMによってこの世界に連れてこられ、改造された事によってアストロキャッツに生まれ変わったのだ。
『おぉ、ちょうどいいニャス。
CAT−01、もうじきこの宇宙船の燃料は尽きるニャス。
そこでだ、お前には先程話した惑星ルインで燃料の確保も頼みたいニャス。
アストロキャッツの力ならお茶の子さいさいなはずニャス。
頼むニャスよ。』
「了解シマシタ、マスター。
オーダー確認。
惑星ルインニテ、ラストニャントリア号ノ燃料ノ確保、タスクリスト二追加シマス。」
『おぉ、頼もしいニャス。
惑星ルインにはもうすぐ着くはずニャス。
初ミッション、必ず成功させるニャス!』
「イエス、マスター。」
NYADAMが言う通り、目の前にはある星が近づいていた。
惑星ルイン。
そこは命ある者が住むには過酷すぎる環境の星。
ニャントリアの命運を賭けたCAT−01の初めてのミッションが始まろうとしていた………。
[newpage]
唐突だが、まずはこの世界について話をしよう。
この世界は『ユニバースクラフト』というゲームの世界であり、我々が住む現実世界から見れば仮想世界にあたる。
しかし、ゲームとして開発された世界とこの異世界は異なる点がある。
そのゲームを創った者も知らない事がこの世界にあったのだ。
例えば、先ほどのNYADAMはその代表的なものといえる。
ゲームとしてのユニバースクラフトはプレイヤーが無人の星を開拓して一大文明を築き、それは最終的に『ニャントリア』という最も栄えた星になってエンディングを迎えるという内容だった。
それに対し、この世界ではその『ニャントリア』は星の寿命を迎えており、その前に最後の希望として宇宙船ラストニャントリア号とその航行システムの『NYADAM』をこの宇宙に放っていた。
つまりは時代が異なるのだ。
どうしてこんな事になっているのか、答えを知る者はいない。
次に、これまでのおさらいをしよう。
こことは別の世界の人間、プログラマーの増田佐之助はいつも通り出勤し、ゲームの最終調整を行うところから話が始まる。
ゲームのデータが入ったフォルダの中に不審なデータを見つけた佐之助はそれを削除しようとすると、パソコンの画面から発される謎の光によってこの世界へ引きずり込まれた。
目を覚ますとそこは見知らぬ宇宙船の中で、その制御システムのNYADAMによってここに連れてこられた事を知る。
佐之助の悲劇はそれだけにとどまらず、NYADAMは彼をアストロキャッツと呼ばれる開拓ロボットのような存在に変えてしまった。
今の佐之助は自分がかつて人間だった事を忘れ、アストロキャッツ「CAT−01」として生きていくことになったのだ。
良くも悪くも、かつての自分を失ったCAT−01は今の状況を嘆くことはなく当たり前のように受け入れている。
そして、ニャントリア再興のためその力を惜し気もなく振るうことになる。
宇宙船ラストニャントリア号はじき新天地に着陸する。
その先に待つものは希望か、それとも………?
[newpage]
惑星ルイン。
空はいつも暗く、空気は淀み、大地は不毛の荒野と化した暗闇の星。
ここで開拓の第一歩が始まる。
ラストニャントリア号は比較的平らな場所に着陸し、CAT−01は周辺の探索を開始する。
『まずは着陸できたニャス。
周囲はどうニャス?』
「………生命反応ハ、アリマセン。
酸素濃度1%以下………大気中ノ有害物質……60%以上。
ココハ、開拓二不向キデス。」
『ううむ…………まずは燃料を補給することを最優先するニャス。』
「了解シマシタ、マスター。」
CAT−01は周囲の探索を開始する。
アストロキャッツのスーツは様々な機能がある。
まずは極限環境に対する高い耐久性だ。
この惑星ルインの大気に満ちる有害物質から身を護り、200度の超高温やマイナス250度の超低温の環境にも耐える驚異的な耐久性が備わっている。
これにより様々な惑星での活動を可能にしている。
次はヘルメットの猫耳型についたソナー。
周囲の地形情報を半径20kmまでの範囲を収集し、スパコンである脳で随時処理し記録していく。
スーツの臀部から伸びる尻尾も別のソナーとなっており、NYADAMのライブラリにある有益資源を検知する役割を持つ。
とは言え、見渡す限りの荒野が広がる星ではそんな資源があるかも分からない。
CAT−01の探索は難航した。
「周囲二反応…………ナシ。
探索ヲ、続行シマス。」
探索を開始して数時間。
CAT−01は休むことなく探索を続ける。
その時、NYADAMからの通信が入る。
『CAT−01、体内バッテリーの残量の報告をするニャス。』
「了解シマシタ。
バッテリー残量、90%以上デス。」
『おぉ、流石吾輩のアストロキャッツニャス!
その調子で頼むニャス。』
「イエス、マスター。」
ここでアストロキャッツの体内バッテリーについて話をしよう。
先に述べたスーツの機能や後に登場する機能もすべてスーツの下の肉体そのもののバッテリーを動力源としている。
生身の人間の身体をまるごとバッテリーに改造し、運動機能や思考機能等は維持しつつ全身を余すことなく動力源そのものに変えたのだ。
そのためアストロキャッツは人間の時のような食事や睡眠を必要とせず、フル稼働で3日くらいは活動可能となっている。
ただ、バッテリーの残量が10%以下になると自動的にセーフモードに移行し、活動を最小限に抑えるようになる。
バッテリーは宇宙船に戻れば充電できるが、今は燃料が底を尽きかけているため今はそれも叶わないのだ。
どちらにしてもこの星で燃料を見つけなければ死活問題なのだ。
アストロキャッツの未知の探索はまだ続く………。
[newpage]
しばらく何も無い不毛の大地を歩いていたCAT−01。
その時、尻尾のソナーがゆらゆら動いた。
「近クニ資源ノ反応ヲ確認…………。」
CAT−01は反応があった場所に向かう。
そこは一見すると何もない。
しかし、CAT−01の尻尾のソナーはここに目的のものを検知していた。
CAT−01は背中のバッグからあるものを取り出した。
それは歯車が複数付いた機械的な意匠のピッケルのようなもの。
明らかにバッグに入らないであろうソレには秘密があった。
まずは背中のツールバッグ。
これは内部が4次元空間に繋がっており、ここから個別に開拓や建築に適したツールへアクセスする事で簡単に取り出せる。
しまう時もバッグに入れるだけ。
そして、特筆すべきはアストロキャッツが扱うツールだ。
「[[rb:掘削 > マイニング]]ヲ実行シマス。」
CAT−01がピッケルを地面に振り下ろすと、そこには劇的な変化が起きた。
地面に1メートル四方のブロックで構成されたような穴ができ、下に安全に降りられる簡易的な階段も同時に作られた。
巻き上げられた砂や土もブロック状に固められ、作業の妨げにならない場所に自動的に積み上げられる。
数回ピッケルを振り下ろすだけでブロックで出来た工事現場のように整う。
これこそアストロキャッツの能力のひとつ。
高度な文明の星ニャントリアで培われた技術の結晶であり、再興の希望そのものである。
数分して、穴から緑の液体に満ちた地底湖が見つかった。
それこそが宇宙船を動かすための燃料の原油だった。
「マスター、報告シマス。
燃料ノ原油ヲ発見シマシタ。」
『おぉ、でかしたぞCAT−01!
では早速そっちに宇宙船を移すニャス。
お前は精油施設ならびに給油施設を建てておくニャス。』
「了解シマシタ、マスター。
[[rb:建築 > ビルド]]を実行シマス。」
CAT−01はNYADAMとの通信を終えると、ピッケルをバッグにしまい今度はハンマーを取り出す。
ハンマーも先ほどのピッケルのように複数の歯車が付いた機械的な意匠がされており、ただのハンマーでない事は一目見れば判るほど。
そのハンマーで地面を叩くと今度は積み上がった砂と土の中から鉱石がブロックとなって飛び出し、そして別の姿にカタチを変える。
それは原油を汲み上げるポンプと精油設備で、さらにハンマーを叩く事で給油施設もあっという間に建った。
積み上がった砂と土を叩く事で掘った穴を一瞬で綺麗に埋め立てられ、宇宙船が着陸できるポートが出来上がった。
ここまで数分。
さっきまで何もなかった場所に、立派な給油施設と宇宙船用のポートが造られたのだ。
そこに宇宙船ラストニャントリア号が着陸した。
『でかしたニャス!
これで給油が必要なときにここを拠点にできるニャス。
ご苦労だったぞCAT−01。
一旦宇宙船に戻るニャス。』
「マスターノオ役二立テテ何ヨリデス。
了解シマシタ、マスター。」
宇宙船の給油開始を見届けたCAT−01は一度、その中に帰還した。
[newpage]
宇宙船ラストニャントリア号の中央制御室。
そこに戻ったCAT−01は自身の主がいるモニターの前に立っていた。
アストロキャッツの存在を感知して、モニターに映像が映し出された。
『初のミッション、大義ニャス。
ご褒美に吾輩の部屋に招待するニャス。』
そう言うと、CAT−01の目の前に青く光るサークルが現れる。
「感謝シマス、マスター。」
そのサークルはワープポイントとなっているようで、CAT−01がその中に入ると一瞬の閃光を発してその姿が消えた。
ワープした先は天蓋ベッドがある豪華な部屋。
ところどころブロックで出来た家具や置物があり、ここにもニャントリア建築の影響が伺えた。
「よく来た、我がアストロキャッツよ。
こうして間近で見るのは初めてニャスね。」
そこに居たのは、モニター越しでよく見たNYADAMそのものだった。
貴族のような豪奢な衣装を来た黄色い猫又………それが初めて近くで見たNYADAMの佇まい。
「ニャハハ、これはアバターニャス。
いつまでもモニター越しはどうかと思ってな。
これから吾輩のために働いてくれるアストロキャッツのため、こうして実体を得たニャス。」
NYADAMはCAT−01の近くに寄り、まるでお気に入りのおもちゃを眺めるように、舐め回すように見ていた。
「マスター?」
そして、そっと身体を触る。
薄いと思われていたアストロキャッツのスーツは思いのほか柔らかく、弾力性がある。
いかなる汚れにも強く、常に滑らかな光沢を放っている。
「ふぅむ、吾輩ながら中々の出来ニャス。
今まで話す相手もいなかった故か、吾輩、お前を手放したくないニャス。」
「マスター?」
そんなNYADAMを見たCAT−01は状況が飲み込めないでいた。
次の瞬間、CAT−01は天蓋ベッドに押し倒されていた。
「!?」
「もうお前は吾輩のモノニャス!
よって、パフパフもシコシコも吾輩だけの権利ニャス!」
そう言うと、NYADAMは僅かに膨らんだCAT−01の股間を触る。
すると、CAT−01のスーツがスリットのように開き、ずるりと、白くてツルツルした、陰茎によく似たモノが飛び出した。
「イエス、ワタシハ、マスターノタメ、ニャントリアノタメダケ二存在シマス。
ストレス排出モード、起動シマス。」
CAT−01は己の主にその身を委ねる。
NYADAMは白くツルツルしたソレを掴むと、激しくシゴきはじめた。
「アァァァァァ♡♡♡♡♡
アァァァァァ♡♡♡♡♡♡
マスター♡♡♡♡♡マスター♡♡♡♡」
シゴく手が気持ちよいのか、機械的な声は普段より感情がこもったように響く。
「ふにふにで柔らかいニャン♡
いっぱい出させてやるから覚悟するニャン♡」
「アァァァァァ♡♡♡♡♡
マスター♡♡♡♡♡キモチイイデス♡♡♡♡♡♡
モウ、出テシマイマス♡♡♡♡♡」
次の瞬間、真っ白な亀の頭から半透明のぬらりとした液体が飛び出した。
「相当溜まっていたようだな♡
だが、まだニャス、もっと絞ってやるニャス♡」
NYADAMの手はさらに激しくシゴきはじめる。
「アァァァァァ♡♡♡♡♡
マスター♡♡♡♡♡マスター♡♡♡♡♡
マタ出マス♡♡♡♡♡」
さらに噴き上がる半透明の液体。
この液体の正体は精液ではなくアストロキャッツの体内に溜まったストレスや老廃物。
この手段だけがアストロキャッツにおける排泄であり、愉しみでもある。
この陰茎に似たモノはその排泄のためのものでもあり、役割は変わったものの人間の時の名残りを伺わせる。
「ニャハハハハ♡
かわいいぞ、吾輩のアストロキャッツ♡」
「ンァァァァァ♡♡♡♡♡♡
出チャウ♡♡♡♡♡出チャウ♡♡♡♡」
仕上げとばかりに盛大に液体を噴き上げ、CAT−01のストレス排泄は終わりを告げる。
「ストレス排出、完了シマシタ。
休眠シマス………。」
それに伴い白い陰茎もスーツの中に引っ込み、継ぎ目なくスーツのスリットは閉じ、力が抜けたように動かなくなった。
一度にたくさんのストレスを排出したため想定以上の負荷がかかり、一旦[[rb:休眠状態 > スリープモード]]に切り替わったのだ。
睡眠を必要としないアストロキャッツだが、このように高負荷やオーバーヒートに対する安全装置もしっかり組み込まれているのだ。
「思っていた以上にストレスが溜まっていたようニャス。
まだアストロキャッツになって日が浅く、馴染めていないニャスね。
…………部屋に運んでおくニャス。」
NYADAMは休眠状態に入ったCAT−01を何処かに運んでいった。
[newpage]
ここはCAT−01に与えられた部屋。
部屋と言っても充電ユニット付きの寝台と外が見える窓しかない真っ白な部屋だ。
そこに寝かされたCAT−01は程なくして身を起こした。
「再起動、完了シマシタ。
メンタル、バイタル、オールグリーン。
次ノ指令マデ船内ヲ巡回シマス。」
働き者のCAT−01には休みはない。
ひとつの星の希望を背負ったアストロキャッツは、何の迷いもなく部屋から出た。
中央制御室。
そこで、モニター越しにNYADAMが待っていた。
『よく来たニャス。
その様子だと、心身ともにバッチリなようニャス。
CAT−01、お前に新たな指令を与える。
ここより東に巨大なシェルターと思われる建造物を確認したニャス。
今からその建造物の調査に行くニャス。』
「オーダー確認。
東ニアル建造物ノ調査。
了解シマシタ、マスター。」
こうしてアストロキャッツ、CAT−01は新たなミッションに赴くのであった……。
▶▶▶Episode3へ続く
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