フリーハグな三毛猫メイドの三毛飲みちゃんは殺し屋さん

  「やあやあ、ねこねこレンタルの三毛飲みですよ。」

  と、出張メイドの糸目な顔の三毛猫のメイドさんが来てくれた。

  「癒しが欲しくて、利用してくれたのですね。いいですよ。どんな癒しが好みですか?アウトドア?それともインドア?それとも、原始的な?」

  「ああ、どうすればいいかわからない…?ふふ…わかりました。じゃあ寝込みさんは、ひとまず一週間レンタルの一日一時間レンタルということで…」

  「じゃあひとまず、お茶とかお菓子とか買いにいきましょうか…」

  「ん…どうしたんです。服をつかんで…あまり外に出たくない感じですか?じゃあ、僕の持ってるマイ茶葉パックでお茶しましょっか。」

  「こうやってお茶を飲む相手も大事ですもんね。僕は話を聞くぐらいしかできませんが、なんでも聞きますよ。」

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  「今日は…ハグしてもらいたい、ですか。ほう、仰向けで寝てる状態で目をまっすぐ見てハグだけしてもらいたいと、

  いいですよ。えっちなこともできますよ。疲れててそんなことも考えられないって顔ですねー。ふふ、嫌いじゃないですよ。じゃあゆっくりと、ハグしますね…」

  「どうですか?幸せそうに、いきをして…すごくリラックスしてますね。寝ちゃっていいんですか?このまま、寝込みさんのお金をとっちゃうかもしれないですよ?え?それでもいいからこのままでいてくれって?寝込みさんって年のわりに甘えん坊なんですね。僕と年あんまり変わらないのに、ふふ、いいですよ。」

  「お金が間にあると、その間だけしか触れ合えないというのはあまりにも切なく思えますよね。でもね、寝込みさん、お金じゃないつながりというのも、もろくて、腐れやすくて、切ないものですよ。気持ちのすれ違いが起こったときは、お金で結ばれる関係よりも修復が難しいし切れずこじれて、がんじがらめになったイヤホンのコードみたいにめんどくさい関係になっちゃうから…」

  「おやおや、ねこねこレンタルの裏オプションも知ってるんですか?ふふ…いいですよ。お金があるなら殺してあげますよ。首絞めか、ナイフか、毒薬か、…ふふ、ちゃんと痛覚が死ぬ意思を邪魔しないように、麻薬もお酒も睡眠薬もなんでもありますよ。ちゃんと、迷惑のかからないよう

  に死体はこちらで引き取らせていただきます。ええ、死体を提供してくださる代わりに、ご家族の方にもご納得頂ける形で報奨金を出します。…毒薬でゆっくり死にたい?わかりました。じゃあこれを飲んで。いつものようにハグしてあげますから、ゆっくりと逝ってください。」

  「人生最後のハグは気持ちいいですか?すごくあったかい?ふふ、よかった。僕も寝込みさんと過ごした時間は忘れませんよ。きっとね。」

  脈がなくなった。

  「少なくとも一週間くらいはね。」