此処は○県○市
都会と田舎の境目、そのアスファルトを、ひとりの少年が軽快に歩いていた。青い毛並み、赤い瞳の狼獣人、その名は 尾上 ルー。彼はふと、正面から歩いてくる少年に視線を止めた。
——風の匂い。柔らかな風に包まれるような気配。それは、ただの通行人とは違う。
「……おもしれぇ。アイツ、強ぇな?」ルーの唇が吊り上がる。胸の奥がざわつく。遊び相手を見つけた子供のように。
すれ違いざま、ルーは声をかけた。「なぁ、オマエ。名前は?」
振り向いたのは、黄色の毛並みを持つ狼獣人の少年——イズナ。どこかあどけなさの残る瞳が、驚いたようにルーを見返した。
「え? ボク? ……イズナ、だけど」
その瞬間、ルーはニヤリと笑った。「オレと遊ぼうぜ!」
「えっ……遊ぶ?」イズナが首を傾げた瞬間、稲妻が弾けた。
「——バトルだよ!」
ルーは稲妻を纏い、目にも留まらぬ速さでイズナへ迫る。生成した雷刀で放つ居合斬り《迅雷・一閃》が閃き、空気を裂いた。
「ちょ、ちょっと!? ボクは戦うつもりなんて——!」イズナは慌てて後方に跳び退く。
瞬天!イズナも風速で応戦する。
(速いな……!でも……速度ではオレの方が速ぇ!)
ルーは楽しそうに笑いながら、次々と雷撃を放つ。「ほらほら! もっと見せてみろよ! オマエの力をさ!」
イズナは困惑しつつも、反射的に風の刃を繰り出した。「やめてよっ! 本気じゃないんだから!」風刃がルーの雷刀とぶつかり、空気が爆ぜる。
火花と風圧が交錯し、街道の砂塵が巻き上がった。雷と風——二人のスピードが交わる度に、まるで嵐が生まれるかのようだった。
「そうだ、それでいい! やっぱオマエ強ぇな!」ルーの瞳は獲物を見つけた狼のように輝く。
一方、イズナは困ったように眉を寄せた。「ボクは別に戦いたいわけじゃ……!」
そのとき——。
「……なぁにやってんだ、ガキ共」
低く響く声が二人の間に割り込んだ。闇のオーラが舞い、砂煙を切り裂く。現れたのは、かつてイズナが戦った筋肉隆々の狼獣人——ガレフ。
イズナ「あっ!おじさん!」
ルー「なんだぁ?オッサンつえぇのかっ?」
ガレフは鋭い眼差しをルーに向ける。「試してみるか?」
しばしの沈黙の後、ルーはにやりと笑う「おもしれぇ!」
ルーはイズナの方を向き、白い歯を見せて笑う。「勝負はお預けだ!」
イズナは少し呆れながらも、照れたように笑みを返す。「ボクは困ったけど……でも、キミが悪い奴じゃないのは分かったよ」
ルーは拳を突き出した。「じゃあ、これからはダチってことでいいか?」
一瞬迷った後、イズナも拳を軽く合わせる。「……うん!」
その様子を見届け、ガレフは小さくため息をついた。「ガキの喧嘩かよ。」
——こうして雷狼のルーと風狼のイズナは、奇妙な出会いを経て仲間となったのだった。
イズナ「じゃあまたね〜!」
ルー「オゥッ!また遊ぼうぜ!」
別れの言葉を交わし、イズナはその場を立ち去る。
ルー「さぁて!行くぜオッサン!」
ガレフ(クソッ、面倒だぜ。)
ライトニング! ルーがガレフの視界から消える。
ガレフ(速いっ!ウソだろっ!?)
ドゴォォォン!
ガレフ「グオ…オォ…」
ガレフの腹筋にめり込むルーの小さな拳、ルーは腕を引き、その場に倒れ込むガレフ。
ルー「( ๑ㆆ ㆆ) なん…だぁ…?これは…ふざけンなぁぁぁぁあ!💢」
ガレフ「ゲホッ!ゲホッ!…」
ルー「これじゃあまるでオレが弱い者イジメしてるみてぇじゃねぇか、つえぇと思ったのにガッカリだぜっ!」
ガレフ(…まったく見えなかった、ガキのクセにこんな力が一体どこに…?いや、思えばあの黄色いガキとイイ感じにやり合ってたんだ、そりゃそうか。見事にやられちまったぜ。)
ルー「興醒めだ…帰るとしよう。オッサン!大丈夫かぁ?」
ガレフ「ガ、ガキィ…一体どうやってそんな力を…?」
ルー「知らねぇよ、オレはつえぇ奴と戦うのが好きだからなぁ、つえぇ奴と遊びまくってたらこうなってたってだけの事だ。勝ち負けなんかどうでも良い、オレは楽しみてぇだけだぜっ。それがつえぇと思ったのにワンパンって…」
ガレフ(とんでもねぇガキだぜ…こんな奴が身近に居たとはなぁ…オレもまだまだって事なのか。)
じゃあな、オッサン。 ルーは立ち去る。
ガレフは暫く考え事をした後に、森へと向かう。そう、かつて 勇(ユウ) を喰らったあの場所に。
???「ゲヘヘ!弱そうなガキだぜぇ!待ちやがれぇ!」
???「うわぁ〜!く、来るなぁ〜!!」
ガレフ(こんな所にガキが居るのかっ?おかしな奴に追われてる様だったが、放っておけねぇな、行ってみるか。)
続