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はじまりの日︰マーレとボルカノ

  マーレもボルカノも子供好きで、結婚してすぐにでも欲しいと話していた。

  だけどこんなに新婚生活が長くなるなんて。

  「黙ってたが、子供を授かったのだよ」

  

  アミットの妻の懐妊が発表された。今は安定期に入りようやく話せたとアミットは顔を綻ばせている。網元の子供となれば、跡継ぎでもある。

  村の人たちも、めでたいとあちこち喝采がおこる。

  「おめでとうございます、良かったですね」

  マーレも、本当にめでたいと心から祝福した。

  

  村の女達は身重のアミットの妻に、何か手伝えないかと屋敷を訪れていた。

  マーレも同じように手伝いに行ったのだった。

  

  そして家についてすぐに ため息をつく。

  「どうした? そんな大きなため息ついて」

  「あんた、飲みに行ったんじゃ!?」

  ボルカノはアミットに誘われ、エスタードの城下町に飲みに行くと行っていたのに。

  「奥さんや赤ん坊が心配だからって、さっさと切り上げたぜ」

  

  「そ、そうかい。生まれる前から子煩悩だね」

  「さぁて、さっさと寝るか」

  

  〜それから数日後

  ボルカノのために、精がつく料理を用意しようと鍋に火をかけ、オリーブ油とニンニクを熱する。

  「……なんだろね。ムカムカする」

  

  いつもなら香ばしい匂いに食欲がわくのに、胃がこみ上げる。

  「そういや遅れてるね……」

  いつもきっちりくる月のものが、今月は少し遅れている。吐き気に微熱もあるし……

  

  「アンタ、もしかしたらーー」

  気が早いが、この体調不良の症状は妊娠と似てる。だからつい口に出していた。

  

  「ほんとか!?

  この腹に、俺らのガキが来たのか」

  

  声を弾ませボルカノは マーレの少しでっぷりした下腹部を触るが、撫で方が強くマーレが頭をひっぱたく。

  「痛いよ、アンタ。赤ん坊が驚くだろ」

  「悪い。初めてのことだから、よくわかんねえんだ」

  「弟のホンダラさんがいたろ、母さんの腹に触れなかったのかい?」

  

  出来の悪いボルカノの弟が頭に浮かぶ。

  「オレもガキで、全然覚えてないな」

  

  照れくさそうに笑う夫の顔に呆れるが、確かに幼ければ仕方ない、これから二人で学んで行こうとなった。

  

  

  早く寝ると言ってたが、食後に二人は話が盛り上がる。まだ見ぬ赤ん坊の名前を考えるのは、とても楽しかった。

  「やっぱり、海に因んだ名前が良いかね?」

  漁師の子供なら、とマーレは提案する。

  「サメとかどうだ、強そうだろ」

  「なんだい、安直な。女だったらどうすんだい」

  

  ボルカノのセンスに呆れながら、個性的な名前を互いに褒めたりツッコミを入れたり、あっという間に夜は更けた。

  「明日、神父様に見てもらうよ」

  

  明後日にはボルカノは長い漁に行く。その前にはしっかり確認したい。

  

  ーー翌日ーー

  

  「……残念だが、身ごもってはおらんな」

  

  欲しかった言葉はもらえず、腹に子はいないと はっきり告げられて、マーレは目の前が真っ白になる。

  あれだけ楽しみにしたのに。

  「まだ小さすぎてわからないとか?」

  「活脈も感じられないし。吐き気の原因は胃もたれと腹のガスだろう。間違いなく妊娠していない」

  

  アミットの妻への気遣いでの疲れや、ストレスなどで月のものが遅れているのだと、そう話す神父の声は風のように耳を通り過ぎるだけ。

  

  家までの足取りは重く、呆然と浜辺を歩いていると下腹部に不快感。

  

  急いでトイレへ駆け込むと、それは悲しい現実を突きつける。

  目から涙が溢れてこぼれた。

  「……また、駄目だった」

  

  神父の言葉は間違ってて、ほんの少しだけ まだ希望がある。そう信じたかったのに。

  タラリと垂れるその血が憎くて仕方なかった。

  

  

  「ただいま、マーレ! 体調はどうだ?」

  

  喜びの声で帰宅を告げるボルカノ。その声に慌てて流れる涙を拭い、何とか笑顔を作り夫を出迎える。

  「おかえり、あんた」

  「おう……」

  

  いつもの妻の笑顔に、頬に残る涙の跡でボルカノは聞かなくてもわかった。

  「仕方ねえ、気にすんな」

  

  昨日の楽しかった時間は 夢となった。

  

  労うように肩を叩く夫の手に、マーレは堪えてた涙が溢れる。

  

  「うっうっ……どうして、あたしには……」

  「なあに、まだ時期じゃねえんだよ。まだもう少し待とう」

  

  ブンブンと首を振り、夫の言葉を否定する。

  「もう何年経つと思ってるんだよ! 後から結婚したアミットさんに授かり、あたしらにはなんで……」

  

  逞しいその胸に、マーレは悔しさをぶつけるように 何度も己の拳を叩きつける。

  泣き崩れる妻の肩を抱きしめ、支えることしか出来ず ボルカノは悔しくて妻の背中を撫でていた。

  「我慢せず泣いて全て吐き出せ。ずっと、俺がそばにいるから」

  

  

  それからいつもの日常が始まり、二人だけの生活は続いていた。

  

  「今月もだめだったね」

  

  マーレは ため息をつくと、ボルカノと夫婦二人だけで生きていくか、一区切りつける事を考え始めていた。

  

  『ガキが全てじゃねえ。二人きりでも、俺は全然構わねえさ。お前がそれでも欲しいのなら、いっそ養子でももらうか?』

  

  ボルカノと子供について、何度か話しあった時に言われた言葉。子供のいない夫婦だっている。

  その中で養子の話も出たが、マーレは踏ん切りが付かなかった。自分の手で育てたらきっと可愛いし、愛情ももてるはず。

  それでも心の何処かで、諦めきれない自分がいた。

  

  「自分の腹を痛めた子が欲しいあたしは、わがままなのかね」

  

  ポツリと呟くと、頭を振り顔を上げて笑顔を作り、いつものように夕飯の支度を始めた。

  

  

  その夜、マーレは不思議な夢を見た。

  

  薄水色の霧のような不思議な空間にいた。その中心に艷やかな長い金の髪に、菫色の瞳の若く美しい女性が、小さな光を手に佇んでいた。

  (なんて綺麗な人。でも何で、あんなに寂しそうな顔をしているんだろう……)

  

  悲しげな微笑みを浮かべる彼女は、真っ直ぐマーレと向き合う。声は聞こえないのに、その唇は

  

  【お願い】

  

  と形作り、何かを頼まれたと分かった。

  「任せな!」

  

  マーレは胸を叩き 迷うことなく深く頷くと、目の前の彼女の手のひらの小さな光が、マーレの腹へと吸い込まれる。

  

  「あたしたちが大切にするよ」

  腹に手を当て、自然に発した言葉。

  

  彼女は くしゃっと顔を歪め、目元を拭うと安心したように笑顔見せて、深く頭を下げたまま霧と共に消えた。

  

  

  

  はっ、と目を開くといつもの天井が見えて、隣には豪快にいびきをかいて眠る夫。

  

  「何か見たような?」

  目が覚めたら、夢はどんなものか忘れてしまった。

  「まあ、いいか」

  

  少しのどが渇いていて潤すために、水を取りに台所に向かう。

  コップを手に、水をひとくち のどを潤す

  「!?」

  

  のどを通り過ぎる水がいつもと違い、甘露を飲んだような清らかでほんのり甘く、そして温かい。

  

  それが腹まで届く感覚。

  

  スルッ……と腹に違和感を感じた。

  

  「……なんだい。今の感じ」

  

  『すいっ』、何かが腹を泳ぐ感覚と微かな温もり。だがすぐにそれは収まり、腹に触れても特に何もなかったのでマーレは気のせいだと思った。

  「寝ぼけたかね?」

  また水をゴクリ。

  「うん、寝ぼけただけだわ」

  それは、いつもの味だった。

  

  

  ーーそれから少し日々が過ぎてーー

  

  健康自慢のマーレは貧血を起こし、念のためにと診てもらうことにした。

  

  「おお! 活脈も感じる、中に音も聞こえる。間違いない、身ごもっているぞ!」

  「ほ、本当に!?」

  まさかの診断に、マーレは信じられなかった。

  「間違いない、おめでとう。2ヶ月程だな」

  最後の月のものが来てからの時期で、神父は計算したのだった。

  

  「ここに、赤ん坊が……」

  

  その夜ボルカノは、たいそう喜んだ。

  「無理はするなよ」

  「もちろん、でも心配しすぎてもこの子が不安だろ。いつも通り、でも無茶はしないよ」

  

  待望の妊娠にマーレは浮かれる事なく、普段と変わりなく過ごした。勿論無理はしないように。

  

  

  それから約4ヶ月後

  

  その日はボルカノたち漁師は、いつもより少し離れた場所での漁へと向かっていた。

  「ま……マーレさんが、腹が痛いと!」

  「なんだと!? 産気づいたのか? まだ産み月はかなり先ではないか!?」

  

  漁に行かなかった男たちは騒ぎを聞きつけ、ボルカノ宅の前に仕事をほっぽり集まりだした。

  神父は急ぎマーレを診断する。

  

  腹の子はまだ半年のはずだが、腹の見た目はそれより大きくも見えた。それに腹の子は随分と下がって来ており、気丈夫のマーレはへたり込んでいる。

  「うーん。はぁはぁ……ッ、これは産まれるよ」

  マーレは汗だくになって、腹をさすっている。

  「まずい、月足らずで産まれては。あまりにも小さくて赤子の命が危ない」

  

  ボルカノ宅の玄関が騒がしくなった。どいてと大きな声がして扉が開く。

  

  「お邪魔するわ、マーレさん! 大丈夫? 手伝いに来たわ!」

  「神父様、ここからは 私たち女だけで出産を手伝います。だから安心して外にいてください!」

  

  出産経験のある女たちが集まり、神父や家の前の野次馬を追い出す。

  そしてすぐにマーレの下半身を見る。

  「かなり破水してしまったのでは? 少し頭も見えてるわ」

  1人の主婦が冷静に言うと、見ればマーレのスカートは ビシャビシャに濡れている。

  荒い息をつきながらマーレは頷く。

  「あたしは、いいから赤ん坊を助けておくれ。無理矢理 腹にいても、この子が苦しいだけだろ……」

  

  破水をし羊水がなくなったら、すぐに産まれなければ腹の中で赤ん坊は へその緒に圧迫されてしまう。

  

  赤ん坊は生きるために、産道をこじ開けゆっくり回転しながら、外へと向かう。

  初産なのに どんどんと進むお産に、さすがのマーレも声を上げる。

  「いっつつ……、くうぅこんなに、痛いなんて……」

  「大丈夫マーレさん。深呼吸して、赤ちゃんに酸素あげましょう」

  「マーレさん。赤ちゃんも頑張ってるからね」

  

  皆がマーレを力づける。1人が彼女の手を握り、1人が腰をさすり、他の若い娘達は 飲み物やタオル、産湯の準備などをした。そして経験豊かな村のオババが産婆として出産を手伝う。

  

  それからーー

  「頭が出たよ! もうすぐだ、頑張れマーレさん」

  

  

  「今だ、力んで!」

  「う〜〜〜〜ん!」

  

  その声にマーレは いっぱい力を込める。その場にいた女たちや、何故か外にいる男達まで

  『うーーーん!!』と一緒に力んでいる。

  「あともうひと踏ん張り! ハイ! 今だよ!」

  「ううぅ~~!! ぐうぅぅ!!」

  

  

  肩、腕、背中 そして足と、全身がするりと出てくる感覚、マーレは自分の中から、命が出てくるのがわかった。

  

  

  「ほえぇ……」

  小さな産声が聞こえる。

  

  それは、聞き耳を立てなければ聞こえないほど 控えめな声。しかし、この世界に誕生した大きな一歩。

  「頑張ったね、マーレさん、赤ん坊も……」

  「ああ、赤ん坊は……」

  取り上げた産婆の手には、丸々とした赤ん坊。へその緒を切り、すぐにマーレの胸へと渡す。

  初めて見るわが子、その温もりに涙がこぼれる。

  「ああ、あんたかい。あたしの腹にいたのは」

  「おめでとう、マーレさん 男の子だよ」

  「わああ!! おめでとう!」

  

  その声が聞こえたのか、外の男たちも一斉に、歓声が波のように広がり響き渡る。『万歳!』と くり返し何度も何度も、生命の誕生を祝福してくれた。

  

  「なんせ半年で産まれたんだから、通常の出産とあまり変わらない大きさの赤子とはいえ、しばらく様子を見なければな」

  神父がお包みに包まれた赤ん坊の様子を見る。

  「それでも産声が弱い以外、今の所問題はないだろう。冷えないようにしっかり抱いてあげなさい」

  

  言われなくてもマーレは、わが子をしっかり抱きしめている。大切な宝物だ。

  

  大漁にホクホクしてたボルカノは、マーレの早い出産を聞きつけて、駆け足で帰宅した。

  「ま、マーレ! 大丈夫か!? それに赤ん坊も」

  

  いつもは ドカリと構える海の男ボルカノが慌てふためき、青ざめて今にも泣きそうな顔をしている。

  「あんた……落ち着きなよ」

  「だ、だってよお前、まだ半年じゃねえか!」

  

  「大丈夫だよ。ほら、早く抱いておやり」

  

  マーレは 赤ん坊を渡そうとするが、何せ小さい。

  

  ふた月程 先に産まれたアミットさんの娘さんも小さかったが、それより当たり前に小さくて。

  「小さいな……壊れそうだ」

  「半年とは思えないほど、大きく育ってたんだよ。それにお包みに、しっかり包まれてるから大丈夫」

  

  マーレが冷えないように、抱きしめていたその赤ん坊を 逞しい腕を震わせながら、おっかなびっくり こわごわとボルカノは受け取る。

  壊さないように緊張する、優しくたくましい胸に ぴたりと抱かれた赤ん坊。紅色のもちもちほっぺに むにゃむにゃと可愛い鼻と口をひくつかせて、その仕草にたまらず笑みを浮かべる。

  「お、俺が父ちゃ……」

  [b:「……ぎゃあああ、おぎゃああああ!」]

  これでもかと、小さな体いっぱい泣き出した。

  「お、おうどうした!? よしよし」

  初めてのことで困惑しながらも、必死にあやそうとするボルカノを横目にマーレは喜んだ。

  「しっかり泣いてくれた。あはは、あんたの事が大好きなんだね。うちの子は」

  

  マーレは赤ん坊が、ボルカノの海の匂いを嗅いで、大きな声で泣いたのに気付いた。

  【ぼくは ここにいる】

  そう伝えてるみたいに。

  

  赤ん坊は力強く全身を使って泣いた。ボルカノの指を離さないように しっかり握りしめて。

  

  

  

  「名前、早く付けねえとな」

  「顔を見て、不思議と浮かんだのがあるのさ」

  

  赤ん坊に乳を飲ませながら、マーレはボルカノに顔を向ける。目が合いボルカノが続きを促すので、わが子へ視線を戻す

  「アルス」

  

  その名にボルカノが驚き、目を見開く。

  「嫌だったかい? でもあたしはこの名が」

  「違うんだ、俺もその名が浮かんだんだ」

  

  予想外の言葉にマーレも驚き、そして我が子に目を細める。

  「アルス。今日からお前はアルスだよ」

  

  アルスは、一生懸命に乳を吸う。

  

  乳を吸う口元が、ぷくぷくとしてたまらなく可愛いから、ついボルカノは柔らかい頬をつついてしまう。

  それが痛くて、またアルスは泣き出した。

  「駄目だろ、父さん」

  

  マーレは たしなめると、初めて『父さん』と呼ばれてボルカノは、父になった喜びを噛みしめる。

  「……母さん。アルス、すまねえな」

  「あぷっ」

  

  腕のなかの小さな命の運命が、動き出した。

  

  

  

  ーーーーーーーーーーーー

  〜それから ひと月後

  「こんにちわ、アルス。この子はマリベルよ。仲良くしてね」

  

  アミット夫人の腕には、オレンジ色のクルクル巻き毛の可愛い女の赤ちゃん。

  

  「こちらこそ、仲良くしてくださいね」

  

  マーレは抱っこしていたアルスの手を マリベルに向けてよろしくと、優しく上下に揺する。

  

  まだ寝返りも打てない赤ん坊二人。お互いの肩が触れ合うほどぴったりと、マットの上にベビー布団を敷いて横たわらせる。これならどこかへ転がり落ちる心配もない。

  

  「少し、お手々出そうね。マリベル」

  

  マリベルのお包みの上をゆるめて、可愛いお手々を外に出すと、パタパタと動かす。

  

  マーレとアミット夫人は、少し離れたテーブルでハーブティーを淹れ、クッキーをかじりながら子育ての悩みや、夫たちの親馬鹿な様子について、楽しそうに話の花を咲かせていた。

  

  「あうあう」

  「あー?」

  

  時折、背後から可愛い声が聞こえる。赤ん坊たちは、なんだかお喋りをしてるみたいで、母親たちは何度も振り返っては、その愛らしい姿を穏やかに目を細め見ていた。

  

  やがて、しばらく聞こえていたお喋りが ぷっつりと止み、部屋の中が静かになる。

  「あら、静かになったわね。眠ってしまったのかしら」

  

  アミット夫人がカップを置いて立ち上がり、二人の様子を見に行くと すぐに、驚きに満ちた小さな声を漏らした。

  

  「まあ……マーレさん、こっちに来てちょうだい」

  「あら、どうしました?」

  

  マーレが不思議に思いながら ベビー布団のそばへ歩み寄ると、そこにはとても愛らしく どこか神秘的な光景が広がっていた。

  

  二人は すやすやと夢の中。

  

  赤ちゃん特有の、万歳をするように顔の横で曲げられた二人の短い腕。そのむちむちとした小さな手が、お互いの境界線を越えて重なり合っていたのだ。

  

  お喋りしながら もぞもぞと動かしているうちに、偶然お互いの手が触れ合ったのだろう。

  手のひらに触れたものを、ぎゅっと握りしめる赤ん坊の習性。なのにーー

  二人の指先は、まるで最初から約束していたかのように、しっかりと絡み合っていた。

  

  ちょっとや そっとじゃ離れそうにないほど、きゅっと結ばれた小さな手と手。

  

  「まぁ……本当に仲良しさんだねぇ」

  

  マーレは胸がいっぱいになり、そっと目元をぬぐった。

  

  お腹の中にいたときから、導かれるようにして この世に生を受けた我が子。

  そして、これからこの島でずっと一緒に育っていく大切な幼馴染み。

  

  まだ 何も知らないはずの赤ん坊たちが、知らぬ間に結んでいた確かな絆に、母親たちは ただただ愛おしそうに微笑みを交わすのだった。

  

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