八月⑤_膝の上でくすぐって

  昼食を平らげると、リョウはまたおむつ丸出しの姿に戻された。

  唇を尖らせて、顔を赤らめる。

  「それで……。次のトレーニングとやらは、どうすんだ?」

  リョウがおずおずと問いかける。

  「うーん。そうですねえ。すこし意識をそらす練習をしてみましょうか」

  「は……? 」

  「別のことに気を取られながらでも、ちゃんとおしっこに気づけるかのトレーニングです」

  言いながら、ユウタは何かのアプリを操作した。

  「で? 何をさせられるんだ?」

  「おや、余裕そうですね」

  「あったりめーだろ」

  自信満々に答えるリョウだが、がに股で立たされては、いまひとつ迫力に欠ける。

  「ふふっ。では、こっちに来てください」

  ユウタはソファに座ると、隣をポンポンと叩いた。

  「な、何だよ」

  おずおずとユウタの隣に座る。

  「こんな感じですか……」

  ユウタにお腹を優しくさすられる。

  「……なんか、こそばゆいな」

  「うーん、ちょっとやりづらいですね。こっちに移ってもらえますか?」

  ユウタに持ち上げれ、正面を向けられる。そして、言われるままに膝の上に座らされた。

  「こ、こうか?」

  特に抵抗するでもなく、大股を開いてユウタの膝に跨がる。

  眼の前にユウタの顔が見えて、なんだか気まずい。

  「うん。良いですね」

  言いながら、またお腹をさすられる。

  まるで子供をあやすような構図だ。

  「ん……? これが何だよ?」

  ユウタの優しい手の動きが、お腹を揺する。

  柔らかく、少し気持ち良い。

  「おしっこに気づいてからのトレーニングは、とりあえず成功したということですよねー?」

  「ま、まあな」

  「ですから、次は気をそらしながらでもおしっこに気づくトレーニングをします」

  「あー、うん。なるほど」

  「じゃ、始めますね」

  お腹を擦るユウタの手が、徐々に脇腹へと伸びてきた。

  「うひっ!?」

  思わず声を上げて、身をよじる。

  「こら、逃げないの」

  子供のように抱きとめられ、膝の上に戻された。

  手は相変わらずお腹をさすっている。

  「く、くすぐったい……」

  「ふーん。結構敏感なんですねー」

  ユウタがニヤニヤ笑いを浮かべる。

  「ふ、ふつーだ。ふつー」

  「そうですか」

  また脇腹に手が伸びる。

  「うっふふ……やっやめっ……」

  「ふふっ、可愛いですよ」

  「ひゃっ! うふふふっ……」

  ユウタの手は止まったり動いたりを繰り返し、リョウは膝の上でふーふーと息を荒らげる。

  「よしよし。こうやって、リョウくんの気を逸らせます」

  「ふー、ふー、こ、これは……」

  「そろそろ、しーしがしたくなってくるころじゃないですか?」

  「べ、べつにそんな……ひゃっ!」

  ユウタに脇腹をつつかれる。

  「うふふ……。子供と遊んでるみたい、かわいいですよ」

  「ひゃっ、ふふっ……そ、そんにゃ……」

  「そーれ、こちょこちょっ」

  「ひゃっ!ふふっ……ち、ちょっと……やめ……て……」

  膝の上で身をよじる。それなりに強く暴れているつもりだが、ユウタのてがガッチリ掴んで逃れられない。

  「しーしー気付けるかな? しーしー」

  「はー、はー、ちょっと、きつい……」

  「しーしー、しーしー」

  くすぐりのせいで息が続かず、はーはーと肩で息をする。

  「ふー、もうちょい手加減しろよな」

  リョウは唇を結んで顔を上げる

  ショロロ……

  その股の間からくぐもった水音が鳴るが、リョウは気づいていなようだ

  「はいはい、続けますよ」

  「おう」

  シュウウ……

  続ける前からすでに漏らしているのだが、それにすらリョウは気づけなかった。

  「うひっ……」

  脇腹を軽くつつかれる。

  さっきよりは柔らかいタッチだが、それでも体は反応してしまう。

  「しーしーは大丈夫ですか?」

  「ま、まだ、そんな感じは……ひゃっ、ふふっ」

  ショロロ……

  大丈夫だと言いながら、リョウのおむつはさらに一段と膨らんでいる。

  「本当にー? しーしーしたくない?」

  言いながらも、ユウタは手を緩めない。

  「うえっ……ふふっ、だ、大丈夫、ひひっ……」

  ポタッ……ポタッ……

  漏らしながら体を動かしているせいで、ギャザーの隙間から少し漏れ出してしまっていた。

  おしっこが股の間に差し込まれたユウタの膝にかかる。

  「あ、あらら。ストップですね」

  「はーはー……ん? ど、……どうした?」

  「しーしー、漏れちゃいましたね」

  「は? いつ?」

  チョロロ……

  先程から流れ続けていた恥ずかしい水音が、やっとリョウの耳にも届いた。

  「あーあ、仕方ないですから、このまま全部おもらししちゃって下さい」

  「へ? え、あ、いや……」

  サッと血の気が引き、背筋に悪寒が走る。

  気づいた頃には、下腹部がすっかり暖かな感触に包まれていた。

  頭が真っ白になって、エアコンの音がブーンと鳴り響く。

  「さっきから、ずーっと漏れてましたよ」

  「うっ……うそ……」

  ショロッ……ポタ……ポタ……

  股間から、勢いをなくしたおもらしの音が聞こえる。

  「嘘じゃないですよ。ほら、こんなに……」

  ユウタは指先で、股間のあたりをさすりながら言った。

  タプタプ……

  向かい合ったユウタから視線を落とすと、水分を吸ってすっかり膨らんだおむつが見える。

  ユウタの指先が楽しそうに、その表面をなぞっている。

  「ううっ……、そんな……」

  大股を開いたまま、ユウタの膝の上で肩を丸める。

  おしりには、じっとりとして暖かな感触が広がる。

  「しーしーに気づけなかったねー」

  ショロッ……

  まるで返事をするように、最後のおもらしを出し切った。

  「い、いや、これは……」

  「なーに? 僕のお膝まで濡らしておいて、まだおもらししてないって言うつもりー?」

  「ふぇっ……」

  リョウは慌てて膝を閉じて、股間を抑える。

  グシュ……

  濡れそぼったおむつが縮まる音がする。

  「あーあー、溢れちゃうから動かないで」

  「あう……」

  ユウタに静止され、膝の上でまた大股開きのポーズに戻される。

  開いた股の間から、数滴のおもらしが太ももを垂れて落ちた。

  「量は問題なさそうですね。漏れたのは、リョウ君が暴れたからでしょう」

  言いながら、ユウタがおむつの股間部分をなぞっている。

  クシュクシュと、何度も握り込んでは具合を確かめられる。

  「ん……」

  リョウは顔を赤くしてうつむいた。

  両手は下げられたまま、肩を丸めて縮まる。

  「濡れちゃいましたし、そのTシャツ、脱いでくれますか?」

  「へ? なんでっ……うあっぷ」

  返事を聞くより先に、ユウタは裾をまくりあげてきた。

  「屈んでくれないと、届かないです」

  「うぁっ……こ、こうか?」

  仕方なく腕を引っ込めて、Tシャツ脱がしに協力する。

  「よしよし、取り敢えず床を濡らさなくて済みそうです」

  ユウタはリョウのTシャツを丸めて、溢れたおしっこを拭き取っていく。

  「お、俺のシャツ……」

  「リョウ君が漏らさなければ、問題なかったんですけどねー」

  ユウタがニヤニヤ顔をしながら、おしっこで汚されたズボンを拭き取っていく。

  順に開かれたリョウの脚、太もも、おむつのギャザー周りまで、丁寧に拭き取る。

  「うぅ……」

  丸められたリョウのシャツは、おしっこを吸ってほんのり黄色く染められた。

  「はい、たっちして」

  「ん……」

  ユウタの膝から降ろされる。

  いつもより、おむつがずっしりと重く感じられる。

  「着替えてきますので、そのまま待ってて下さい」

  「へぁっ……」

  「おしっこで膝から下が濡れちゃったんですよ……」

  「あ、で、でも! そ、そんなっ、この恰好で……」

  待てと言われても、今のリョウはびっしょり濡れた、おもらしおむつしか身に着けていない。

  「誰のおしっこで濡らされちゃったんですっけ?」

  「あぅ、その……それは……」

  何か言い返そうとしたが、ユウタに凄まれて二の句が継げない。

  唇を尖らせ、両手をへその前で握り込んだまま、リョウは押し黙った。

  「いい子にして待っててくださいね」

  ユウタにくしゃくしゃと頭を撫でられる。

  「く……」

  にらみ返してみたが、唇を尖らせたままぐずった子供のような顔しかできなかった。

  「あ、待ってる間、宅配便が来たら受け取っておいてください」

  「お、置き配でいいだろ」

  「構いませんけど、届くのはリョウくんの可愛いおむつですよ?」

  「お、おむっ……」

  「可愛いパッケージがお外から丸見えになっちゃいますね」

  「そ、それは……」

  「じゃあ。よろしくお願いしますねー」

  そう言って、ユウタは脱衣所へと去っていった。

  少ししてから、シャワーの流れる音が聞こえる。

  「ま、まじかよ……」