「触融」─ 地球外の生命体に寄生され異形へと堕ちていく少女のお話

  第1話「[[rb:触融 > しょくゆう]]」

  「あっ、見てみて! 流れ星」

  「本当だ! 綺麗だね」

  ◇◇◇

  その日、地球に一つの隕石が飛来した。

  ほとんどが大気圏で燃え尽き消滅したが、小さな欠片がとある街に落下する。

  「あ…… ぐぉぼっ!」

  人気の無い公園で男が口から血を吹き出して倒れた。

  頭部が潰れ大量の血と肉片が辺りに散らばる。

  不幸にも隕石の直撃を受けてしまったようだ。

  砂粒程度の小さい物体だったが、音速を超える速度で彼の頭に激突し頭蓋骨は粉砕した。

  彼の頭の中に埋もれた隕石の欠片が赤く光を放っている。

  どう見ても即死のはずなのに何故か彼の体がビクビクと痙攣し、手足をバタつかせ始めた。

  直後、彼の体に埋もれた隕石の欠片を中心にモゾモゾと何かが蠢き始める。

  それは真っ赤なアメーバのような物体。

  グチョグチュ、ミチミチッ

  アメーバは細い触手を伸ばし、潰れたはずの頭部を再生していく。

  そして数秒後、男は意識を取り戻した。

  「…………」

  無言のまま立ち上がると自分の手を見つめ、次に全身を見渡す。

  「あーぁ……」

  言葉にならない声を出し彼はそのままゆらゆらと歩き出した。

  ◇◇◇

  ─── 同時刻

  私は高校の部活帰りで友人の聡美と帰宅していた。

  「ちょっと美保、本当に着替えてないの?」

  「だって更衣室に鍵かけられてたんだもん」

  私と聡美は同じ剣道部に所属している。

  顧問に頼まれ掃除していたせいで遅くなってしまった。

  更衣室はすでに閉まっており、私はろくに着替えすら出来なかった。

  「ちょっと美保、臭いから寄らないで」

  「えー? 臭くないよ~」

  そう言いながら鼻を動かす。

  自分じゃ分からないけど、ちょっとだけ汗臭いかも。

  そう思っていた矢先。

  ドォン!!

  凄まじい爆発音が響いた。

  「きゃああ!?」

  「何? 地震?」

  私達は慌てて音の鳴った方へ走る。

  「ちょっと、どうしたのこれ!?」

  小さな手洗い場が壊れて水が噴き出している。

  「ねぇ、あそこ何か光ったものが落ちてない?」

  水浸しの地面に赤く光る物が転がっていた。

  「これ何?」

  「石? でも何で光ってるんだろう」

  私は米粒ほどの光る石を拾い上げ、マジマジと見つめる。

  まるで宝石みたいだ。

  その時、前から誰かが歩いてきた。

  「あーぁ……」

  暗くてよく見えないけど様子がおかしい。

  酔っぱらいかな?

  ゆっくりと近づいてくる男の人が街灯に照らされ姿が見えた。

  「えっ!?」

  頭から血を流している。

  顔色が悪く目は虚ろで焦点があっていない。

  「あの、大丈夫ですか!?」

  「凄い血…… 救急車呼びましょうか!?」

  心配して声をかけるが反応がない。

  ただこちらに向かってフラフラと歩いて来るだけだ。

  「あ~…… 雌だぁ…… 女だぁ!」

  直後、突然男がこちらに向かって凄いスピードで走ってきた。

  [newpage]

  「ぇ?」

  一瞬の出来事だった。

  気付いた時には私の隣にいた聡美が地面に倒され男が覆い被さっていた。

  「ギャハハ! ハァーハッハッハッ!!」

  男は口元から大量の涎を撒き散らしながら、まるで狂人のように不気味な声で笑っている。

  「きゃあああああ!!」

  悲鳴を上げる聡美を無視して男は彼女に跨がり服を乱暴に脱がし始めた。

  「雌の臭いだぁ!」

  制服を剥かれ露わとなった聡美の秘所を見て、男は興奮しているのか股間を大きく膨らませていた。

  「やめてぇ!」

  聡美は必死に抵抗するも力で敵うはずもない。

  「うそ…… 聡美…… 誰か! 誰か来てー!!」

  恐怖と混乱の中、私は大声で助けを呼ぶ事しか出来なかった。

  しかし、誰も来てくれる気配はない。

  その間にも聡美は男の手によって全裸にされていた。

  男の股間からズボンを突き破って巨大なペニスが飛び出している。

  あり得ない大きさをしたそれは血管が浮き出ており、先端からは粘液のようなものが垂れていた。

  「ひぃっ…… いやぁ!」

  そのおぞましいモノを目の当たりにして聡美は涙を流しながら首を横に振る。

  しかし、そんな聡美を気にする事もなく男は彼女の膣内へ躊躇無く人間にはあり得ないサイズのモノを突き入れた。

  ズブブッ!! ミチミチ!ギチィッ!

  「痛い! 痛い痛い! 嫌ぁぁあああ!!」

  処女膜が破れ血が流れる。

  いや、そんなレベルじゃない。

  ドバッ!

  あまりにも巨大な物が突き刺さったせいで肉壁が裂け鮮血が飛び散っている。

  「ぎぎぎぎぃ!」

  聡美は限界まで目を見開き、口からは泡を吹き白目をむいていた。

  「何… 何なのこれ……」

  私は目の前で行われている事に頭が追いつかなかった。

  聡美が犯されている……

  どうして……

  誰なのこの男……

  それにアレは何……

  あんな大きなもの、人間じゃない……

  思考がまとまらない中、男の頭部が視界に入る。

  「うっ!」

  思わず吐いてしまった。

  男の後頭部が裂け脳が見えている。

  その周りにはグチュグチュと動くミミズのようなものが蠢いていた。

  あれは人の体ではない。

  化け物だ……

  私は死を覚悟した。

  絶対に助からない……

  直後、私の頭の中に声が響いた。

  『ならこの体を使っても良いか?』

  「え……?」

  周囲を見渡すが誰もいない。

  幻聴だろうか……?

  そう思っていると再び頭に響く。

  『助けてやっても良いぞ』

  「何? 誰!?」

  恐怖で混乱する私に謎の声は語りかけて来た。

  それは悪魔のような囁きだった。

  『お前の体と引き替えに彼女を救える』

  「どういう事……?」

  『あれを超えるだけの力をくれてやると言っている』

  力? 私に一体何をしろというのだろう。

  しかし、今は考えている余裕はない。

  早く聡美を助けないと。

  「何でも良いから助けて!!」

  私は思わず叫んでしまった。

  その瞬間、右手に掴んでいた赤く光る石が熱くなる。

  「石が……」

  『どんな力を欲する』

  「力って…… 分かんないよ!」

  『あれを凌駕する力を引き出す能力を得る存在を思い描け』

  凌駕? 私が思い描くのは……

  そうだ。

  魔法少女だ。

  変身して戦う女の子。

  「魔法少女!」

  『……知らん。 それはどんな力を持っている』

  じゃあ聞くなよ!

  えーと……

  「人の能力を超えた力を宿す存在! 変身して敵を葬り去る事の出来る絶対的な力を持った少女!!」

  そう叫んだ直後、石が強く発光し私に体に吸い込まれていった。

  全身に熱いものが駆け巡る。

  「がはっ!」

  私の体の中で何かが暴れ回る。

  皮膚の下で何かが這いずり回っている。

  あまりの痛みに私は地面に倒れ込んでしまう。

  痛い。

  苦しい。

  全身から汗が吹き出し呼吸も荒くなっていく。

  そして――

  ブシャー!!

  「ぇ……」

  私の秘所から何かが凄い勢いで飛び出した。

  スカートの下から夥しい量の赤黒い紐のような物が噴出され地面に広がっていく。

  それはまるで触手だった。

  ヌルリとした感触が太股に伝わる。

  「嫌…… いやぁあ── グオボッ!」

  悲鳴を遮るように口からも大量の触手が飛び出す。

  まるで胃の中から飛び出したように大量に吐き出され喉を塞がれて息ができない。

  苦しくて意識を失いそうになったその時、視界の端で聡美の姿が見えた。

  彼女は両手両脚を大の字にして広げ、ボロ雑巾のように犯され続けている。

  膣からは鮮血と一緒に白濁液が流れ出し、それでもなお男は腰を打ち付け続けていた。

  ズブッ! ゴポォ! ドビュッ!

  聡美のお腹が妊娠しているかのように膨れ上がっている。

  (許せない…… 殺してやる!!)

  殺意を抱いた時、私の体が変化を始めた。

  ミチミチッ!

  秘所と口から這い出た無数の触手が私の体を包み込んでいく。

  全身が触手で覆い尽くされ視界が真っ暗になる。

  体の奥で熱いものが脈打つ感じがした。

  ブシュゥウウッ!!

  体中を包み込む触手から赤い液体が噴き出した。

  それは血液ではなく赤黒くヌメった粘液。

  ジュルルルッ…… グチョ

  私の肉体が触手の内側でドロリと溶けていく。

  ドクンッ!ドクンッ!ドクッ!ドクッドクッ!

  心臓が高鳴る度に全身が激しく疼く。

  グチョ! ベキベキ! ボコッ!

  耳を覆いたくなるような音が体中から響き渡るが、不思議と不快感はなかった。

  むしろ心地好いくらい。

  いや、気持ち良い……

  ビキッ! バリバリッ!

  肉が裂ける音が聞こえる。

  ブバァアッ!!

  血と粘液の混ざり合った液体が周囲に撒き散らされる。

  凄い……何これ……

  こんなの初めて……!

  全身が性器にでもなったかのような強烈な快感が襲ってくる。

  グチャァ! バリィッ!

  私の体は原型を留めていないかもしれない。

  でも、どうでも良かった。

  もっと欲しい。

  もっと私を包んで。

  そう思った直後、体のあちこちから触手が生え始めた。

  そして視界が一気に広がる。

  今まで見たことのないような見え方をしていた。

  上空も地面も、全ての方向が見えている。

  凄い……

  凄い凄い!

  私の体から無数の触手が生えその全ての感覚が手に取るように分かる。

  ドバァアアッ ドドォン! ドババァン!!

  新たに生えた触手が地面を叩きつける。

  凄い威力だ。

  私はそれを見て理解した。

  「あははぁ……あはっ♪」

  私の視界の右側で男が聡美を犯している。

  すでに聡美は絶命していた。

  それでも男は巨大なペニスを膣内に突き入れ犯し続けている。

  自然と笑みが溢れる。

  ズブブッ!! ブシャァァッ!!

  聡美のお腹が裂けペニスが飛び出し精液が吹き出す。

  「すっごーい♪」

  その光景を見て私は絶頂を迎えた。

  ドビュドブュッ!!

  私の体を構成している触手の先端から大量の愛液が吹き出す。

  私は我を忘れて駆け出した。

  聡美を犯し続ける男に向かって。

  ドゴォオオッ ズザザッ!

  足の裏から触手が伸び地面にヒビが入るほどの踏み込みで跳躍すると男の顔面に飛び蹴りを喰らわせる。

  メキッ 首が折れる音が聞こえた。

  直後、全身に絶頂にも似た快楽が走り抜ける。

  「あ~ ん♪」

  私は全身の触手を鞭のように使い何度も男の体に叩きつける。

  男の腕が千切れ、足が砕け、胴体が潰れる度に私の体に電流が流れるような強い刺激を感じる。

  あぁ……

  最高! 最高の気分だ。

  起き上がろうとする男を蹴り飛ばす。

  2メートルほど吹き飛ばされ、仰向けになった男のペニスがまだいきり立っている。

  それを目にした瞬間、私の中にある感情が芽生えた。

  私は触手を伸ばしペニスを掴むと男の体ごと引き寄せる。

  そして、自分の口元へ持っていくと大きく口を開き、舌で舐め上げた。

  ジュルルルッ レロレロッ クチュクチュッ

  私は躊躇無くそれを口に含み無数の触手と化した舌を絡めながら激しく吸引を始める。

  口の中に広がる濃厚で芳ばしい味。

  ジュルルル

  凄く美味しい。

  今まで食べたどの食べ物よりも甘美で濃厚な味わいだった。

  私は夢中でしゃぶり続ける。

  その刺激に男のペニスが膨れ上がっていくのを感じた。

  「今度は私が相手よ♪」

  触手の拘束を解き男を地面に押し倒すと、触手が溢れ出す自分の秘所に男のものをあてがう。

  「頂きま~す♪」

  バックリと私の秘所が開き、触手が這い出し亀頭を丸ごと包み込む。

  私はそのまま一気に腰を下ろす。

  ズブブッ グボッ メリメリィイッ

  凄まじい音を立てて男のペニスが子宮を突き破って胃を押しつぶす。

  それでもまだ足りないのか、さらに奥へと侵入してくる。

  「すっご~い♪ 私の内臓グチャグチャになってるぅ~」

  私は両手両足を男の体に巻き付け密着する。

  「もっと奥まで突き刺してぇ~♪」

  そして、触手で男の体を持ち上げると上下に動かし始める。

  男のペニスが動きに合わせ、私のお腹を突き破って顔を出したり引っ込んだりを繰り返している。

  すぐに触手が破れたお腹を覆い包み込むと私の体を修復していく。

  凄い! 凄い! 凄い! こんなの初めて!

  私は歓喜の声を上げながら腰を振り乱す。

  ズバンッ!ズバンッ!ズバンッ!ズバンッ!ズバンッ!ズバンッ!

  激しく動く度、内臓が破裂し血が噴き出すが気にしない。

  だって一瞬で治癒してしまうから。

  これが最高に気持ちいいんだもん!

  「さぁ、私の中に全部出して~♪」

  私はラストスパートをかける。

  男の口からは大量の血液が溢れ出していた。

  グボッ ゴボッ ヒュー……

  男の呼吸が弱々しくなる。

  死んじゃうのかな? でも、構わない。

  私の中で果てて。

  私がちゃんと逝かせてあげる。

  私は男の背中に回した腕と触手に力を入れて抱きしめた。

  ゴキゴキッ!

  彼の骨が粉砕する音が響き渡ると同時に、膣内が収縮を繰り返し男のものを限界まで締め付けると、私は受け入れ態勢をとる。

  そして、男のペニスに無数の触手を突き刺して体液を流し込み射精を促した。

  「逝っちゃえ♪」

  ビュビューーッ ドピュッ! ドプゥウウッ!

  大量の精液が爆発するかのように私の体内に注ぎ込まれていく。

  私はそれらを全て受け止めると、体内に吸収していった。

  グチャグチャと音をたてながら体の中で体液が混ざり合う。

  「あ~ ぎもぢいいぃ~♪ グボッ!」

  体中を満たし入りきらなかった精液が逆流し口から勢い良く吹き出すと周囲に飛び散る。

  「おほぉ~♪」

  ビクビクッと体を震わせて快楽に身を委ねる。

  こんなに気持ちの良い快感がこの世にあったなんて……

  全身を今まで感じたことがない快感が駆け巡る。

  ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!ドクンッ!

  全身の細胞が活性化して私の体が更に作り替えられていくのが分かる。

  もっと……

  もっと気持ち良くなりたい。

  私の体が更なる快楽を求めて疼き出す。

  しかし、男のペニスは限界を迎えてしまったようで萎え始めていた。

  もう終わりかな?

  私は残念に思いながらも男のペニスを締め付ける。

  ミチッ!

  最後の一滴まで搾り取るように更に強く。

  グチョッ!

  男のペニスが私の膣圧に耐えきれずに潰されてしまったようだ。

  それでもなお残った部分を吸い出そうとするが出てこない。

  仕方ない。

  私は彼をギュッと抱きしめ触手で包み込む。

  ミシミシ……

  ブチゴキッ!

  ゆっくりと全身を締め上げ彼を包み込んだ触手から無数の針を突き刺すと、最後に彼の体液を吸い上げていく。

  「あ~ こっちも美味しい~♪」

  ジュボッ…… グジュ

  男の体から最後の一滴が絞り出されると彼はこの世から消えた。

  私は起き上がり、全身から溢れる力を感じながら聡美の方に顔を向ける。

  聡美の体には私の体から伸びた触手が秘所と口に突き刺さっている。

  私は彼女に近づき、両手両脚を触手で拘束すると彼女を立ち上がらせた。

  「ふふっ、もう治ったかな♪」

  私は聡美の膣内に挿入されている触手を引き抜く。

  ズルリッ

  ビクンっと痙攣しながらドロドロの粘液にまみれた聡美が地面に倒れる。

  『想像以上の働きだ』

  頭に声が響くと、私の体を構成していた触手がズルズルと秘所と口の中を通って体内に戻っていった。

  「……」

  私は自分の体を見渡す。

  粘液にまみれた体。

  真っ赤に染また制服。

  全身から漂う淫靡な臭い。

  「私……」

  隣で聡美が秘所から白濁とした液を秘所から垂れ流して意識を失っている。

  数メートル先には真っ赤に染まる血の海が広がっており、辺り一面には肉片が散らばる。

  たった今自分がした事を思い出した途端、激しい嘔吐感が襲ってきた。

  「オゲェエエッ!」

  ビシャッ ドバァアッ!

  私は口から大量の吐瀉物を吐き出した。

  それは白濁の液体と無数の細かい寄生虫のような触手。

  生臭い匂いが鼻をつく。

  私は自分の身に起こった事を理解した。

  「あ……あぁ……」

  私、人を殺しちゃった……。

  しかもあんなおぞましい姿に変身して。

  「私…… なんてことを」

  全身から血の気が引いていき目の前が暗くなっていく。

  ドサッ

  その場に倒れ込むと私は意識を失った。

  [newpage]

  その後、私は警察に保護され聡美は病院に搬送された。

  通り魔。

  そういう方向で捜査は進むと最初に言われたが……

  事情聴取中に私の頭から勝手に放たれた思念で情報が書き換えられた。

  捜査は打ち切り。

  大量の血痕と肉片は動物のもの。

  動物同士の喧嘩で事件性はなし。

  私と聡美はその光景を見たショックで気を失った。

  そう処理される事になった。

  私が家に帰りついたのは深夜になってからだった。

  娘がこんな遅くに戻ったのに両親は何も反応はない。

  ただ「お帰り」と言っただけ。

  警察の時と同じく私の頭から改ざんの思念が放たれたのだ。

  自室に戻ると私はベッドに横になる。

  目を閉じても眠れない。

  頭に浮かぶのは自分のしてしまったこと。

  私は……

  私はどうなってしまったのだろうか。

  『何を悩んでいる』

  頭に声が響いた。

  「っ!?」

  私は驚きながら起き上がると部屋を見渡す。

  「誰? あなた何者なの」

  私は震える声で問いかける。

  『私はお前だ。正確には、お前が取り込んだ情報体の一部だ』

  「ど、どういう事? さっきのは何なの!?」

  私は混乱した様子で質問を続ける。

  『声など出さずとも良い』

  (……)

  私は黙り込んだ。

  『……』

  (……)

  『いや、そう言う意味ではなく頭の中で話せと言うことだ』

  あぁ。

  『まずは先程の件について説明してやる』

  声の主は淡々と語り始めた。

  彼は遠い星から来た生命体で、肉体は持っていないということ。

  移動手段として依代にしていた鉱石が地球の引力に引き寄せられ大気圏に突入した際に分裂してしまったことを。

  その破片が人の体に入り込むと、先程の男性のような状態になってしまうらしい。

  それは声の主も予期していなかったという。

  (何故あの人は聡美を犯…… 襲ったの?)

  私は気になっていた疑問をぶつけてみた。

  この星の生物は繁殖本能が強く、情報体自身の自己増殖にも適している。

  その本能が暴走したのだろうと。

  そんなの信じられなかった。

  だけど、あの時の男は間違いなく人から逸脱した物に成り下がり聡美を犯していた。

  そして、それは私も……

  私はあの時、間違いなく人間ではなかった。

  (どうして私はあんな化け物の姿に…… あなたの仲間を殺したって事でしょ)

  私の疑問に声の主が答える。

  分裂した際にほとんどは自我が保てないほどに小さくなってしまったが、自分はギリギリ自我を保てる状態の大きさだった。

  私をあの男性のように乗っ取ることも出来たが、自己再生をするためにはこの星の生命体を使うのが最善と考えた。

  私と同化し、分裂した情報素子を集めながら力を取り戻して元の姿に戻るために。

  同化……

  (そのために私に力を与えて肉体を作り替えたと!?)

  私は怒りを抑えきれずに語気を荒げる。

  (あの姿は何! 何で私があんなおぞましい姿になんか!)

  『あれはお前の中にあるもっとも強い力が具現化した姿だ』

  嘘。

  あんな化け物に変身することを望んだ覚えはない。

  あの姿はまるで触手を纏った淫らな淫魔のような……

  触手? 淫魔?

  ……まさか!

  (何を参考に私をあんな姿に変身させたんですか?)

  『お前の頭の中にあった最も強い力を持った存在だ』

  やっぱり。

  私は昨日の夜に魔法触手少女のネット小説を読んだ。

  強かった。

  あんなのに人間が敵うわけ無い。

  そして、寝る前には私の大好きなサキュバスの出てくる同人誌を読んだ。

  あれも凄かった。

  あんなのに人間のオスが敵うわけ無い。

  納得した。

  でも…… だからって混ぜなくても。

  『“淫獣に犯されちゃう女騎士”に出てくる淫獣少女の方が良かったか?』

  (私の頭をの中を勝手に覗かないで!!)

  『お前と私はすでに融合している。 覗くなと言うのは無理な話だ』

  私は泣きたくなった。

  私の知られたくない特殊な性癖が全て筒抜けだ。

  きっと変身した時のあの淫らな性格は“サキュバス無双”の主人公だろう。

  『違う。 “淫魔王女”のアリス王女が極悪淫魔に変身した時の性格だ』

  「うるさい!!」

  私は恥ずかしさに耐えきれず怒鳴りつけた。

  もう嫌だ。

  消えてしまいたい。

  (まさか、私はあなたの目的を達成するまで、あんな姿に変身して戦わないといけないの?)

  不安になって聞いてみる。

  『当たり前だ。 そういう約束だ』

  声が冷たく言い放たれる。

  私は絶望した。

  (協力するのは約束ですから納得します。 でも、せめて変身後の姿は変えてもらえないでしょうか)

  流石にあの姿はない。

  自分で吐き気を催すほどの化物の姿なんて絶対に嫌だ。

  『無理だ。 お前の肉体はすでに遺伝子レベルで変質している。 すでに人の体ではない』

  そんな……

  『変身後は身体能力が大幅に向上する。 そして人の身では味わえぬ快感も得ることが出来るように遺伝子を組み換えてやった。 何が不満だ』

  それを聞いて私はさらに落ち込んだ。

  『性欲と食欲はお前達の星で最も強く表れる欲求だ。 私からの褒美として受け取るが良い』

  確かに凄かった。

  凄すぎて怖くなるくらい気持ち良かった。

  もう普通のセックスじゃこの体は満足できないかもしれない。

  でも、変身後の姿が問題なのだ。

  確かに私は触手が好きだ。

  サキュバスが好きだ。

  だからと言ってあそこまで異形にならなくても……

  それに人を喰らうだなんて……

  そんな食欲欲しくない。

  (あの、異形への変身はこの際許容しますが、人を食べるというのはちょっと……)

  今も思い出しただけで吐きそうになる。

  『情報素子は小さく識別できない。 全てを喰らい尽くすのが最も効率的だ。 証拠も残らない』

  効率の問題じゃないと思う。

  でも、確かにそう言われればそうなのかなとも思う。

  情報体が言っている自己増殖の話も少し分かった。

  一応は助けてもらったんだし、少し位なら我慢しよう。

  そう思い私は覚悟を決めた。

  (その分裂した情報素子というのはどのくらいの数なんですか?)

  『多い。 計算しても良いがお前の頭が焼き切れるぞ』

  前言撤回。

  私は考えるのをやめた。

  私はこれからどうなるのだろうか。

  この声の主の目的を達した後、私は元の体に戻れるのだろうか。

  『私が抜けても体は戻らない。 お前は人に戻ることは出来ない』

  私は顔を上げる。

  え? 戻らないの!?

  『死ぬ運命だったお前が生と引き換えに選んだ結果だ。 受け入れろ』

  確かに。

  私はあの時間違いなく死んでいただろう。

  しかも人外に体を引き裂かれながら、犯され殺されていたに違い無い。

  聡美が惨い犯され方をされた光景がフラッシュバックする。

  声の主の言う通り、あの時私は生を選んだ。

  その結果がこれだ。

  受け入れるしかない。

  『この力があればこの星の支配も容易だ。私がいなくなった後にでもこの星を好きにするが良い。 まあ私が完全体になったら戻す方法も考えてやるが』

  私は呆然とした。

  この星を支配する? 私が?

  確かにこんな人外の力があれば…… 支配出来るかも。

  『保証してやる。 お前は数千億光年内に存在する生命体の中で最強だ』

  そっか。

  私はそんな化物になっちゃったんだ……

  私の心の中に今まで感じたことのない感情が生まれた。

  支配……

  いや、駄目だ。

  私はそんな事は望んでいない。

  [newpage]

  聞きたいことはまだまだ沢山ある。

  しかし───

  「!?」

  気配を感じた。

  私は立ち上がり窓に近づくと外を見る。

  月明かりに照らされて何かが動いている。

  人間…… いや、違う。

  この匂い、さっきの男の人と同じだ。

  情報素子に寄生されている。

  私はカーテンを閉めると振り返る。

  そして、自分の手を眺めた。

  皮下でウネウネと無数の触手が蠢き波打っている。

  ……またあの快感を味わえる。

  自然と口角が上がり力が張ってくる。

  『仕事だ』

  私は服を脱ぎ捨て全裸になると姿見に自分の姿を映し出す。

  秘所から触手が今か今かと待ちきれない様子で粘液を溢れ出し、糸を引きながら垂れ下がっていた。

  全身に力を込める。

  次の瞬間、私の秘所から夥しい数の触手が勢いよく飛び出した。

  「あはっ♪」

  全身を絶頂を超える感覚が包む。

  ニュルッ ミチミチ!

  秘所から這い出た触手が瞬く間に私の体を包み込み始める。

  ジュルルッ ゴボッ ビチャッ!

  「ぐぉぼ! ぐぅえ!」

  口からも大量の触手が吐き出される。

  私は変身していく。

  グチュッ グチャッ メキィッ ブチブチッ!

  全身の肉が張り裂けながら膨らむと、無数の触手が巻き付いた私の体は赤黒く染まった。

  触手が全身を覆い、私の体に染み込んでくる。

  私の肉体が触手と融合を進め構造が組み替えられ、新たな姿へと形作られていく。

  グチャッ! ビクンッ! ビクビクッ!

  私の体が激しく痙攣する。

  全身から快楽が押し寄せてくる。

  あぁ、凄い!

  さっきよりも凄い!

  全身が性感帯になってしまったみたいに敏感になっている。

  全身を駆け巡る絶頂が止まらない。

  ビクビクと体が震えている。

  全身が疼く。

  大量の精液を吸収するために体内に無数に作られた子宮がキュンキュンと収縮を繰り返す。

  「あはっ! あはははっ! あひぃいいいいっ♪」

  私は狂ったように笑いながら絶頂を超えた強烈な快感に悶えた。

  ビクンッ! ビクンビクンッ!

  全身を痙攣させバックリと開いた膣穴からは大量の触手と濁った愛液が潮吹きのように噴き出している。

  私は鏡に写った自分を見つめる。

  そこには異形の姿があった。

  人の姿をしていない。

  全身はまるで水棲生物のようにヌラヌラとした光沢を放ち、全身から太い触手が何本も生えている。

  触手の先端が鎌首をもたげ揺れ動き、大きな口が開いて粘液を垂れ流す。

  頭には無数の触覚が生え、顔面を一周するように赤く発光した目が無数に点在している。

  口は常に大きく開き、舌の代わりに何枚もの触手が絡み合いウネウネと動きまわっていた。

  その姿はまるで触手の化物だ。

  これが私。

  私は本当に化物に変身しちゃうんだ。

  凄い。

  私は化物。

  凄い。凄い。凄いっ!!

  「あははっ♪」

  『行け!』

  声が頭に響くと同時に私の体から触手が伸び窓ガラスを割って窓から飛び出す。

  その反動で私は空高く舞い上がると標的の男の前へと降り立った。

  目の前の男の股間からズボンを突き破って、あり得ないほどの大きさのペニスが飛び出ている。

  さっきの男よりも大きくて長い。

  秘所から溢れる触手が歓喜を挙げるかのように激しく動き回る。

  「それ、私だったらぜ~んぶ入っちゃうわよ♪」

  私はニヤリと不気味な人外の笑みを浮かべ、触手で秘所を大きく開くと強烈な淫臭を撒き放つ。

  「うふっ、だからココに入れて。 おもいっきり突き刺してぇ~♪」

  男は私に飛びかかってきた。

  「いただきま~すぅ♪ うひゃ♪」

  私は人じゃない。

  もう人じゃなくなった。

  私は化け物だ。

  快楽を貪り、人を貪る怪物だ。

  もう人間には戻る事が出来ない。

  だからこの体に合った生き方をしなければならない。

  意識を失いつつある男のペニスを咥え込みながらそう思った。

  それに、こんなに気持ちの良い事を知ってしまったのだから。

  もう私は人間の快楽では満足できない。

  だから、もっと快楽を得られる化物に進化していくしかない。

  私は膣を締め付け男の精液を全て吸い上げると、最後に膣圧でペニスを押し潰ぶす。

  気持ち良い……

  そして、そのまま男を触手で包んで全身で彼の体を食い散らかす。

  美味しい……

  私の体に快楽が走り、更なる力が満ちていくのを感じる。

  私はまた進化した。

  この先も自分の意思と関係なくもっと進化を進めていくのだろう。

  なんておぞましい体なんだろう。

  こんなに惨いことを楽しみながら、快楽に酔いしれている私はなんて残忍な性格なんだろう。

  でも、止まらない。

  「あはっ♪」

  私は笑う。

  だってそれが今の私の本心だから。

  こんなに凄い力を手に入れてしまったのだから。

  あと何回繰り返す事が出来るのだろうか。

  『案ずるな。 まだまだ先は長い』

  私は声の主に感謝した。

  早く次の獲物を見つけないと……

  『南南西、500メートル先だ』

  「見ぃ~つけた♪」

  私は触手を伸ばして夜の闇に消えていった。

  私達の夜はまだ始まったばかりだ。

  つづく