素晴らしき10月

  立冬を前に一足早く私は愛する夫と息子のいる我が家へと帰ってきた。

  「おかえり。外はまだ暑かったでしょ」と夫。

  「ママ、おかえり!お部屋冷やしているよ!」と息子。

  うん。私ってば雪女なのに愛されている!二人をギュッと抱きしめ頬にキスをする。

  顔が真っ赤なのはキスが冷たかったから?それとも恥ずかしいから?ふふっと笑って再会を喜ぶ。

  雪女は春から秋にかけて、暖かい間は雪女の里で暮らさないと暑さで溶けてしまう。

  私が家族と過ごせる期間は約半年…長いようで短いから存分に人里を楽しまなくてはならない。

  だから今まさに息子の成長を目に焼き付けているところだ。

  息子は息子で私に全力で甘えてくる。寂しい思いをさせてごめんね。

  その姿を微笑ましそうに見つめる夫。来年、貴方もこうなるわよ。

  私のお腹の中には赤ちゃんがいる。お医者さんの話だと娘のようだ。

  もうすぐ出産予定日…新しい家族の誕生を皆楽しみにしている。