赤も半ばに差し掛かる10月。この素晴らしき時期、森に棲む者達は大忙しだ。
多くの実りを齎してくれる森に対して上へ下への大騒ぎ。いかに冬篭りを快適にするか、食糧確保に躍起になる。
それは我が家も同じだ。老いた者から幼き者まで一家総出で森を探索する。小さき者と呼ばれる我々にとって命がけの大冒険だ。
少しでも目立つ場所に立ってみろ。我々を餌と見る大きな者の餌食となるぞ。
年長者が子供達を従え道なき道を進む。皆で協力し合い、大きな茸をえっさほいさと運び出す。
その後ろではどんぐりを抱える子供達。食料をしっかり確保出来たようだね。
9月だと早過ぎる。11月だと遅すぎる。10月がベストなんだ。
沢山の食料を住処へと運ぶ。これだけあれば冬越えは大丈夫だろう。
あとは入り口を固く閉ざすだけ…だが、その前に赤く色付く森を目に焼き付けておこう。
私は歳だ。冬眠から目覚められないかもしれない。
ああ…かくも世界は美しいものだ。