10月の初め、私はネオンフィッシュの稚魚を夜空へと放った。
左右均等の体が美しいバンドネオンの音色を奏でながら夜空を泳いで行く。アコーディオンフィッシュではこうはいかない。
あの稚魚は1年間の旅に出る。次に会う時は成魚。どんな音色と輝きを見せてくれるか楽しみだ。
去年放ったネオンフィッシュはもうすぐ帰ってくる。
1年間、夜空を回遊したネオンフィッシュ。今年はどんな感じに仕上がっているだろう?
ネオンフィッシュは鮭によく似た習性をもっていてね。産卵期の10月には故郷である私のもとに帰ってくる。
そして私は帰ってきたネオンフィッシュの産卵の手伝いで忙しくなる。
クリスマス、町に輝くネオンの多くはネオンフィッシュの卵なんだ。天然物は輝きが違うと主に商業施設で重宝される。
大変な仕事だけど、辛いとは思わないよ。だって、産卵の輝きと喜びの音色という、素晴らしさを私は最初に味わえるのだから。