変身物ー01_荒神誠と大神

  乱神招来異能解放。

  言霊によって大神と一つになる。

  [newpage]

  強烈な渇きと飢え、そして性欲。大神と合体した夜は興奮して眠れない。

  身体はボロボロで疲れ切っているはずなのに、あそこがギンギンに固くなってパンツを痛いほど押し上げている。

  「畜生・・・」

  大神のコマや弟に気付かれないようにそっと家を抜け出す。何かアテがあったわけではない。合体の影響で鋭敏になった鼻はフェロモンのような臭いを感じ取り、本能的に誠の足を進めた。

  寝巻代わりの厚手のジャージに染みが浮くほど、先走りは溢れた。口からは涎が止まらない。コマと合体していないにもかかわらず、誠は獣化しつつあった。爪が伸び、牙が生え。10代の肌が濃い獣毛に隠れていく。

  夜の街を疾走する。フェロモンが道のように誠を導く。道を走り、屋根を渡り、山を越えた所でフェロモンは途切れた。気がつけば、誠は神社にいた。

  「すまないな。息子はまだ憑依者の獣性を抑えられないのだ。」

  社から白い大狼が表れ、人の形をとった。

  「これから君は、人を助ければ助けるほど己の獣性と向き合っていく事になるだろう。 本来ならば息子がその助けをするべきところなのだが・・・、今は私が君を鎮めよう。」

  そう言うと、先ほどと同じ・・・いやもっと濃密なフェロモンが、白い人狼から漂ってくる。

  「あっ!がぁっ!」

  誠はふらふらと人狼に近づいて行った。もはや着ているジャージはボロボロで、美しい青い毛並みだけが彼の身体を隠しているのみだった。

  誠は獣頭を、その白い肩に埋めると臭いを嗅いだ。神気と獣性の混じったそれを胸にいっぱいに吸い込むとそのまま人狼を噛む。マーキングのような甘噛みは肩から胸。そして乳首を噛み舐める。人狼の身体が快感に震える。

  誠は本能のままに、石畳の上に押し倒すと白い人狼のマズルの中を舌で蹂躙した。組み伏せて、硬くなった陰茎を荒々しく押し付ける様は獣が肉を貪るようだ。

  ひとしきり口内を蹂躙すると、誠は人狼を後ろ向きにさせ尻を高く上げさせた。

  白い人狼はその両手で誘うように尻穴を広げる。人狼もまた久しぶりの行為に興奮をしている。

  その顔は熱っぽくうっすらと赤く火照っていた。

  「いいぞ・・・私をぐちゃぐちゃにしてくれ・・・」

  応えるように誠の陰茎は尻穴を貫いた。

  前戯もなしにそこは柔らかく誠を受け止める。遠吠えをあげて腰が振られる。

  「おっおっおっおっおっ!いぃっ!いぃっ!」

  「アォーーン!」

  脈動する肉の中を陰茎が激しく動く。誠にとっては初めての行為だったが、そんな事は忘れていた。

  理性は吹き飛び、知性は薄れ、心は獣に落ちていく。

  白い人狼を持ち上げると、白い両脚を大きく開かせ下から貫く。月光に全てをさらすように白い人狼と誠の結合部があらわになる。

  「んんっ!ああっ!こんなっ!」

  木々の奥から無数の視線を感じる。山神として納めている神域で、山の生き物たちが白き人狼の痴態を見つめていた。

  純粋な動物達だけではない。年を重ねて妖獣となった獣。山奥に住む妖怪。冥府の片隅から漏れ出た魑魅魍魎。

  それら知性ある妖異達も、そこから漏れる神気をいただこうと、山神の痴態を見てやろうと、木々の合間から見つめていた。

  白い人狼は興奮していた。若年の人狼に貫かれ、それを下位の存在に見られているのが興奮する。神であろうと、高潔な存在でいようと、己の獣性にはあらがえない。

  触れられていない乳首は、視線だけで小豆のようにぷっくりと膨れていた。

  「いい!いいよ!誠くん!もっと私を使ってくれぇぇ!」

  興奮で尻穴が強く締まる。中に射精するまで絶対に放さない意思の表れなのか、。白い毛皮越しに括約筋のえくぼが見える。

  強い締め付けに、誠の腰はさらに強い力で応えた。白い人狼を仰向けに地面に組み敷き、上からこれでもかと突きまくる。

  暴力のような性交。

  射精。種付け。征服。群れ。射精。射精。射精。

  陰茎からの快感だけではない。雄の至福。野生の解放。単純な生理現象を超えた、群れのリーダーとしての使命感のような感情が、射精しろと叫ぶ。

  支離滅裂でまぜこぜな感情のように、腸液と先走りが尻穴で混ざり合いぐちょぐちょと音を立てて泡立つ。

  「アウウウウウウウウゥゥ!」

  雄たけびをあげて、誠は射精した。

  快楽の喜び、支配の証、獣の解放。白い人狼の腹が精液で膨れる。

  精液や欲望、神気や獣性。それらが混ざり合ったドロドロの何か。誠の中にあった。何かが満たされ、彼はそのまま眠りに落ちた。

  丸くなって眠るその顔には、先ほどの獣欲は微塵も浮かんでいなかった。

  [newpage]

  荒神誠。高校1年生。3人兄弟の次男。

  夏休みに友人と遊びにいった山の中で、怪異に襲われる。山中を逃げ惑うなかで、神社に眠っていた大神見習いコマと合体する事で、人狼へと変身し窮地を脱した。

  以来、学校に通いながら怪異から人々を助けている。

  [newpage]

  最初に感じるのは風だ。

  木々を駆け抜けるような風が俺の身体を吹き抜ける。肌が震える、草原のように蒼い毛が生え揃う。

  「くあっ」

  顔が変わり尻尾が生えるといつも声がでてしまう。筋肉が跳ねる。骨が軋む。

  力がみなぎる。犬鼻から空気を吸い込むと匂いだけで、周囲の命の気配がわかる。そして悪霊の気配も。

  「やっぱいたな」

  (僕が言った通りでしょ)

  体育倉庫の裏、人気のない夕暮れ。制服を着た不良と気弱そうな眼鏡の男子学生。一見するとただのカツアゲに見える。しかし、不良の目は虚ろで下半身を露出していた。その陰茎は硬く大きくなり今にも射精しそうだった。

  眼鏡の男はそれを手で掴むとゆっくりと上下に動かしていく。

  「あっあっあっ」

  不良はあっさりとイった。精液と魂のエネルギーをドロドロと流し続ける。それを眼鏡の男は美味そうに舐めた。

  「そこまでだ」

  音もなく現れた人狼。蒼い毛並みに神気を纏い、ゆっくりと二人に近づく。

  「そいつから離れろ。そいつは優しくて良い奴なんだ。」

  眼鏡の男ではなく、その背後に向かって狼は話しかける。気弱な青年の背後から暗い靄が立ち上る。

  「良い奴だって?こいつが? 馬鹿を言うなこいつがどんな思いでこの不良に殴られていたと思う? 俺はこいつの悪意に惹かれたんだぜ? わかってんだろ?」

  「それでもそいつは、殴り返さなかった。」

  「勇気がなかっただけさ」

  「そうでもないさ。俺にはわかるぜ、お前の中で抵抗してるあいつの姿が!」

  眼鏡の奥、瞳の中で何かに縛られた彼はがむしゃらに抵抗していた。

  「ちっ」

  「さて、とっとと冥府に戻ってもらうぜ」

  眼鏡の男が闇を纏い姿を変える。角が生え牙を伸ばした鬼の姿だ。獣のように吠え高と思うと、天高く飛翔し蹴りを放つ。狼のいた地面がえぐれ土埃が舞う。

  狼は身体を横に引いて躱すと、鬼の腹部へと左を叩き込んだ。

  歪む悪鬼の顔。パンチと同時に神気を送られた悪鬼は、たまらず膝を折った。

  「それじゃこいつの身体、返してもらうぜ」

  首筋を掴み何かを引きずり出す。黒い靄のようなそれを狼は食べた。大神に食べられた悪鬼は神気を受けて浄化され冥府へと戻されるのである。

  「げふっ、それじゃ帰るかな」

  (駄目だよ!まだ彼を助けないと!)

  大神のコマが言った彼とは、不良学生の事だ。命を吸われ、このままでは廃人になる危険性もある。

  「あー?あいつは札付きのワルだぜ。 俺もちょっと遊んだ事あるけどよ。どっかいかれちまってる。廃人になってる方が世の中の為だぜ」

  (駄目だよ!あまねく人々を助けるのが僕らの役目なんだからね!)

  人狼の手が倒れている不良に向けられると、神気の塊が放たれた。神気によって、奪われた魂のエネルギーを補完し、魂を癒すのだ。

  「あーあ。これやると明日しんどいんだぜ。練習試合もあるってのによ。」

  (ごめんね。でも僕はやっぱり見捨てられないよ・・・)

  不良の顔に生気が戻る。

  体育倉庫に人が近づく気配を感じ、狼は音もなく跳躍する。

  学校の屋上へとたどり着くと合体を解き、疲れた身体を引きずって誠は日常へと戻っていった。

  ここは茅葺町。日本の霊的特異点の一つであり、魑魅魍魎が跋扈する町。太古からそこを守護する獣がいる事は、いまだ知られていない。

  「あの人が守護獣?」

  (ぐぇっへっへっ、なかなか美味そうやな)

  風下から誠を見つめる人影。黒いモヤを放つそれは獲物を見つめる獣の瞳だった。

  つづく