#03 ~人間とサイボーグの和え物~

  ◇

  二人は初デートを満喫し、楽しい時間を過ごした。

  奈央はデート中に聡が興味を引いた物は、手当たり次第自分の身に構成情報を取り込んでいった。

  その中でも、奈央が特に気になったのは最後に二人で見た映画だ。

  自らの体を改造してパワードスーツを身に纏い様々な悪と戦うアメコミ映画。

  いかにも聡が好きそうな内容だが、奈央が注目したのは主人公の姿だ。

  もし、聡があのような肉体を望み、その体を手に入れたなら……

  「ねぇ聡、さっき見た“アイアンメン”の主人公、格好良かったね」

  「そうだな。 確かに良いデザインだった。 ああいうのって男は特に憧れるよな」

  聡がそう言った瞬間、奈央はニヤリと笑みを浮かべた。

  すでに奈央の体の中には、それを聡の体に組み込むための情報や知識が記録されている。

  肉体を金属化する構成情報、街中に散らばる様々な機械や電子機器から摂取したデータ。

  そして、様々な人間を捕食して得た知識。

  その情報をまとめ、遺伝子改変を行う寄生虫を生成し彼に寄生させればいい。

  本当は、彼が一番好きな好きそうな昆虫をモチーフに融合した肉体を作ってあげたいが流石に難しいだろう。

  きっとバッタライダーやスパイダーメンのようなヒーローみたいな姿にはならない。

  たぶん蠅男のような生物的な特徴が色濃く出るはずだ。

  それはそれで興味があるが、色々な意味で少し敷居が高い……

  まずはサイボーグチックな体を聡のプレゼントし、人間という殻を破ってもらう事から始めよう。

  人外の力を手にすれば、きっと聡も今まで以上の力を求めてくれるはず。

  「さて、そろそろ帰るか」

  「そうだね」

  奈央は聡に抱きつき、顔を彼の耳元へと近付けると、まるで小悪魔のように甘い吐息を耳に吹きかけながら囁いた。

  「今日の夜は、わたし凄いですよ?」

  「お、おう……」

  先程その身に取り込んだ美咲の声色で、蠱惑的な言葉を呟かれた聡は照れながら頷く。

  まずは、先程この身に取り込んだバレリーナの姿で聡と激しく愛し合おう。

  そして、その後に……

  奈央はそのまま彼の胸に顔を埋め、一匹の寄生虫を放った。

  それは、聡への特別なプレゼント。

  彼に人間を辞めさせるための、奈央からの歪んだ愛の形……

  寄生虫が聡の体内へ入った事を認識した奈央は、聡の胸の中で人間とは思えない歪んだ笑みを浮かべた。

  聡は、そんな悪魔のような顔を浮かべる彼女の事を知る由もなく──

  ◇

  聡の家に戻った二人は、玄関に鍵を掛けるといきなり情熱的なキスを交わす。

  唇、頬、耳元、首筋……

  場所を変えて何度も繰り返しキスをした。

  唇同士が離れると唾液が糸を引き、それが切れる前に再びキスを始める。

  その妖艶な光景に奈央は体が熱くなり、徐々に息が荒くなっていく。

  聡に体を密着させ、濡れそぼった内股で彼の足を擦り付け、まるで何かをねだるように彼を誘う。

  「ねぇ、聡、ベッド行こ?」

  「ああ」

  二階に上がり聡の部屋へ入ると、奈央は二人の体から服を蒸発させ、互いの肉体を発情状態へと改変し興奮状態へと導いていく。

  聡の肉棒が普段とは比較にならないほど大きく膨れ、先走り汁がまるで射精のように噴き出した。

  ゆっくりと彼の体が人間の枠から外れ始めている事に、奈央は歓喜の笑みを浮かべ舌舐めずりをする。

  「はぁ、はぁ。 奈央、早く入れたい……」

  「……うん。 だったらこの格好で」

  奈央の体から無数の寄生虫が染み出し、彼女の体上で複雑に絡み合いながら徐々にその姿を変えていく。

  繊細な柄が彩られたキャミソールが奈央の体を包み込み、腰には横に大きく広がる純白のチュチュスカート、足にはトウシューズが形成される。

  その姿は、完璧という言葉以外見つからないほど美しいバレリーナの姿をした奈央だった。

  「男子って、こういう格好が好きだよね」

  奈央はそう言いながら、腕を天上へ伸ばしクルリと体を回転すると、片足を後ろに上げトウシューズの爪先で立って聡に見せつけるように胸を張った。

  ピチッとしたキャミソールが体のラインをくっきりと浮き出し、見事な曲線美を演出する。

  それは洗練された女の肉体美を際立たせ、男性の欲望を忠実に具現化したような芸術的な美しさがあった。

  「……綺麗だ」

  「ふふっ、嬉しい。 今日は聡の上で沢山踊ってあげるって約束したから期待してね」

  奈央は妖艶な笑みを浮かべると、軽やかなステップを踏みながら聡が腰を掛けるベッドへと移動する。

  そして、彼の前でつま先立ちなりポーズを決めると、股を左右に大きく割り開きながらゆっくりと腰を降ろしていく。

  厳しい練習を積んだバレリーナでなければ絶対に出来ないような体勢で、奈央は彼のいきり立つ肉棒に自身の秘部を押し当てた。

  「凄っごい卑しいよ、奈央」

  「だって…… 聡のためだけの公演だよ? 特等席で、しっかりとプリマの私の姿を見てもらわないと」

  奈央はそう言いながら、両手で秘部を広げ陰部を聡に見せつける。

  彼女の脚を包み込むレオタードは、秘所の部分がぽっかりと穴が開いて……

  いや、まるでレオタードが体と一体になっているように、その部分だけが陰部のように変化し、くっきりと割れ目を作っていた。

  奈央は中まで真っ白な膣口に指を這わせ、白濁の愛液を指先に纏わり付かせると、それを自分の口で舐め取り挑発的な笑みを聡に向ける。

  「聡…… 私の魅力を眼界まで引き出して。 聡が一緒に踊ってくれたら、私はもっと輝けるから」

  聡は、まるで割れ物のように繊細で細い奈央の腰に手を添えると、ゆっくり腰を奈央の体へ押し込んだ。

  グチュグチュと音を立てながら、奈央の膣が聡の肉棒を咥え込むように飲み込んでいく。

  そして、あっという間に彼の腰と奈央の腰がピッタリくっついた。

  「はあぁぁ~ん…… ふぅ~っ」

  肉棒を根元まで咥え込んだ奈央は、その快感からブルッと体を震わせ甘い吐息を吐き出す。

  体の芯まで届くような圧迫感。

  膣の中を押し広げ、子宮口にグリグリと押し付けられるいつもより硬い聡の亀頭。

  奈央は体内で子宮を上下させ、その先端に優しいキスを繰り返すと、より激しいディープキスをねだるように子宮口を亀頭に吸い付かせた。

  聡はその思いの答えるため、奈央の腰を掴んだままベッドの上へと持ち上げ、彼女を騎乗位の状態へと移行させる。

  「行くよ奈央、華麗に踊ってくれ」

  ズドンッ!

  聡の突き上げと同時に、子宮口を抉られるような衝撃が奈央の体を突き抜け、快感が津波のように押し寄せる。

  一瞬呼吸を忘れてしまうほどの強烈な一撃に、奈央は体を仰け反らせながら悦びの声を上げた。

  「んぁぁああ! はぁ、あぁん!」

  パンッパンッ! パンッパンッ!

  叩きつけるような激しい音が部屋に響く。

  奈央が体を上下に動かされる度に大きな胸がプルンプルンと揺れ動き、聡はその動きに興奮の色を浮かべた。

  下から突き上げる聡の肉棒は、腰の動き以上の上下運動を繰り出し、まるでマシンガンのように奈央の子宮口を叩き付けている。

  明らかに人の動きを超えた行為。

  しかし、奈央の膣はそんな激しい攻めも優しく受け止め、さらにその奥へと吸い込むように聡を導いていった。

  「凄いよ聡ぃ! いつもより全然気持ちいい! んぁああ、ふあぁあん!!」

  「奈央…… 奈央ォ!!」

  1分も立たぬうちに二人の結合部からは、泡だった液体が糸を引きながら撒き散らされ、周囲に濃厚な性の香りが漂い始める。

  奈央は後ろ手をついて体重を支え、その美しい肢体を淫らにくねらせながら必死で聡の攻めに応えた。

  徐々に聡のペニスの動きが加速していき、さらに突き上げる速度が強くなって行く。

  それは1秒の間でとんでもない回数のピストンを打ち込み、奈央の膣を摩擦で熱した鉄のように熱くさせる。

  「奈央ッ! 体が…… ぐッ! 俺…… 体がッ!」

  「うんっ! 分かるよ聡! あんッ! きて…… 奈央が聡を全部受け止めるから!!」

  奈央の膣が収縮し、まるで精子を絞り出そうと蠢く。

  そして、次の瞬間……

  「出る! 奈央ォォォォ!!」

  「射精して! 私の子宮を聡の精液で満たしてぇぇぇえッ!!」

  ズドンッ!! 今までで最大の突き上げ。

  その衝撃に奈央の体が弓なりに反り返り、そのまま後頭部をベッドへ叩き付けた。

  ビュルルルルッ! ドプドプッ!! ブシャー!!

  まるでホースで水を撒くように、大量の精液が奈央の子宮に直接注ぎ込まれ、子宮に熱い精液を撒き散らす。

  天井に向け大きく反り返っている奈央の腹部が ボコンッ! と大きく膨らむ。

  「んぎぃーッ! ぎもぢぃぃぃいい! 」

  子宮が何倍にも膨れ上がり、聡が吐き出した精液の量が人間ではあり得ないほど多い事を物語っていた。

  「はぁ、はぁ…… 奈央、俺の体…… どうなって……」

  「聡が…… あっ、あっ…… 聡が、私を愛してくれた結果だよ」

  そう言いながら、奈央は普通の人であれば間違いなく背骨が折れているような体勢で、体を反り返しながら快感の余韻に浸っていた。

  しかし、聡の肉棒からは未だ精液が止まることなく吐き出されており、奈央の下腹部をどんどん大きく膨らませ……

  プシャー!

  彼女の臍から噴水のように精液が噴き出した。

  「奈央! 大丈夫か!?」

  聡はその光景に驚き慌てて体を起こすと、奈央の体から肉棒を引き抜こうと腰を引く。

  しかし、奈央は聡の腰に両足を絡ませガッチリとホールドすると、膣を限界まで締め付けてそれを阻んだ。

  「こんなの…… 全然平気だよ」

  奈央は右脚を真上に伸ばし、弓なりに反らせていた体をゆっくりと戻すと対面座位へと体位を変えた。

  「ね?」

  「凄いな…… っていうか、そんなに体が柔らかいんだ」

  聡の体に押しつけられた奈央の右脚が、ほぼ真上にピンッと伸びる。

  奈央の臍から溢れ出た白濁の液体が二人の体を濡らし、先程噴き上げた精液が天上からポタポタと降り注ぎ始めた。

  それは、二人をコーティングするかのようにねっとりと皮膚に絡みつき、白く染め上げて行く。

  「これでもプリマだから。 両足だっていけちゃうよ?」

  奈央は左脚も上げ真上にピンッと伸ばし、両足を大きく開脚する。

  そして、両手を挙げてポーズをとると胸を突き出し、聡の体に密着するように擦り付けてきた。

  「うわ…… エロい」

  「でしょ? だから聡、もっとしよ? 力強い聡の愛を、もっと私の子宮に刻み込んで」

  奈央は、聡の首に両手を回し唇を奪う。

  聡の口内に奈央の舌が進入し、大量の寄生虫を口腔へ流し込む。

  それは、彼の奥底で覚醒を待ちわびている新たな遺伝子を活性化させる為のトリガー。

  聡の思い描く力を、その身に展開させる為の起爆剤。

  奈央の目が、聡の眼前で白く染まる。

  「かはっ!」

  聡の心臓が大きく鼓動した。

  心臓が破裂するのではないかと思う程の激痛が体中を駆け巡り、聡は声にならない悲鳴を上げる。

  細胞に新たな遺伝子情報が書き加えられ、体がその設計図を元に組み替えられていく。

  全身からゴキゴキと骨の軋む音が鳴り響き、体中の筋肉が膨張し盛り上がると、昨日の肉体労働者を思わせる屈強な体へと変化していった。

  「うっ! ぐ、ぐあぁあああ!」

  聡は鋼のような筋肉に覆われた肉体から溢れ出る力に、堪らずうめき声を上げる。

  そして、奈央の腰を掴んでいた手に力を込め彼女の体を軽々と持ち上げると、そのまま一気に突き落として自身のペニスを子宮を突き破るまで押し込んだ。

  「んあぁあああッ!!」

  あまりの衝撃に奈央の体が浮き上がる。

  しかし、聡は逃がさないとばかりに奈央の体を上下に動かし、自らも激しく腰を突き上げる。

  その一撃ごとに、奈央の口から甘い嬌声が上がり聡の脳内に快感が駆け巡った。

  「な、奈央… 体が…… 俺、体が! うっ!」

  「凄い! 凄いよ聡! でも聡はもっと進化できる! もっと強くなれるの!!」

  奈央の顔に纏わり付いていた精液が、まるでコーティングするように金属のような質感を持つ白金の皮膚へと変化し、サイボーグのような顔面へと変わる。

  首も、腕も、足も、体全体が金属化し、身につけていたチュチュやトゥシューズもその形状を維持したまま金属へと変化する。

  それは、奈央の細胞が融合して作り出された生体金属。

  二人の動きに合せて瞬時に変形し、その形を常に最適化する生きた金属細胞。

  聡は、そんな未知なる生体サイボーグへと変貌を遂げた奈央の姿に、戸惑うどころか激しい興奮を覚えた。

  彼の脳裏に、今日二人で見た映画に出てきたパワースーツを纏ったヒーローの姿が自分と重なる。

  奈央は、そんな聡の心に生まれた願望を引きずり出すように、目を白く発光させて彼を見つめた。

  「この姿を満足させるには、聡はもっと強くならないといけない。 聡にはその力が備わっている」

  機械音のような奈央の声が聡の耳に響く。

  しかし、その姿に恐怖などなく、むしろ自身の力を進化させてくれるパートナーへの感謝が溢れた。

  奈央は全身から機械音のような音を出し、膣をその姿に合った構造へと変化させていく。

  シュポシュポシュポシュポと音を上げ、膣が電動式のオナホールのように聡のペニスを激しく擦り上げる。

  その姿は、白金に覆われたバレリーナ型の生体サイボーグ……

  いや、未知なる金属でできた性体サイボーグへと変化を遂げていた。

  「聡も自分が思い描く最も強い力を発揮できる姿を想像して。 その体はそれに応えてくれる」

  聡の脳裏に浮かぶ物はただ一つ。

  いや、今の奈央を満足させるためにはそれ以上の力が必要だ。

  「俺の…… もっとも強い力…… 俺は── がはっ!」

  直後、聡の瞼がボコボコと蠢き、奥から無数の寄生虫が這いだし両目を白く濁らせる。

  同時に全身を包み込んでいた鋼のような筋肉が歪に盛り上がりながら、大きく変化を始めた。

  「ぐっ! あがぁぁぁあああ!!」

  「押さえないで! 本能のままに!! 最強の力を解き放って!! 私なら聡を受け止められる!! 」

  聡は抑えきれないほどに湧き上がる力を一気に開放する。

  ブチブチ! ブジュ! ブジャァー!!

  体の至る所から皮膚を突き破って夥しい数の寄生虫が飛び出すと、その体を一瞬で白く染め上げ新たな姿へと変貌させていく。

  骨が皮膚を突き破って飛び出し、人間としての形を崩壊しながら、聡の肉体はその姿をおぞましい化け物へ変化を進めていった。

  そんな姿になりながらも、彼は止まることなく力強く奈央の体を突き上げ続ける。

  「そう! その調子よ聡! 肉体の構造を、骨格を、臓器を、神経を! 全てを作り変えるイメージで再構成するの!!」

  「うがぁああああ!!!」

  聡は狂ったように雄叫びを上げ、上半身を大きく仰け反らせた。

  ゴキッ! ミシミシ!!

  グロテスクな音を響かせ、骨格の形状が変わり、新たな組織が歪に構築を繰り返す。

  体の構造そのものを造り変えながら、腰を突き上げる速度を上げ、より強く激しく奈央の膣を押し広げていく。

  そして……

  「ぐぎぎぎぎぃ!!」

  「んあぁぁあアアアアッ!!」

  ブシャー!!

  人としての理性、常識を全て解き放つように奇声を上げ、大量の精液を奈央の体内へ噴き出した。

  「うぎい゙ぃいい゙!!! 合金で作った子宮が破壊されてるぅぅうウッ!」

  子宮を粉々に吹き飛ばされ体内に大量の精子を流し込まれた奈央は、体中から蒸気を噴き上げながら力無く崩れ落ちた。

  肉棒が引き抜かれた瞬間、開いたままの生体金属でできた膣口から、ゴポポォッと音を立て尋常ではない量の寄生虫や白濁としたグリスのような精液が溢れ出していく。

  「ふぅ…… ぐふっ…… ふぅ~」

  聡も息を荒げながらベッドに大の字になって倒れんでいる。

  奈央は、今だ高速で上下運動を繰り返す膣内から逆流してきた精液を吹き散らしながら、聡の口元へ顔を近づけるとそっと唇を当てた。

  「聡の体、素敵」

  「奈央…… 俺、一体……」

  激しい快楽の余韻に、意識がハッキリとしていない聡は、顔を浮かせ視線を自分の体へと向ける。

  ウイィーン ガシャンッ! 機械的な音が首の動きに合せて鳴り響いた。

  聡の目に全身が藍のような深い青色に染まり、金属を思わせる光沢を放った体が飛び込んできた。

  その体は人間の形を留めてはいない。

  所々は剣道の防具にも似た形状が見られるが、それは体の骨格自体が防具に似た形状へと変わり機械的なフォルムへと変貌を遂げていた。

  頭部に至っては髪の毛が面のような形状に高質化し、顔面と一体化して頭部全体を覆い尽くしている。

  変わり果てたその体に触れようと聡が腕を上げると、信じられない形状を持った異形の腕が視界に入った。

  腕が小手のような姿に代わり、その先端は太い3本の指がガントレットにも似た硬い装甲で覆われている。

  視線の先に映る足も、足先が足袋を思わせる2つの膨らみに姿を変え、金属質な質感を宿していた。

  それは物資と生物の融合── 現代科学どころか生命体として考えられないような異形の姿。

  「思っていた以上の姿だね。 でも…… 確かに聡の最強はその姿だよね」

  ウイィーン という機械音と共に、聡の顔が奈央に向けられる。

  真っ白に光る目以外、彼の顔には口や鼻といったパーツは存在せず、その変わりに顔の中心に横一文字のスリットが入っている。

  そのスリットがニチャッと肉々しい音を上げて上下に開くと、中から皮膚を剥いだようなグロテスクな聡の顔が現れた。

  顔面を覆うマスクと思われた物には、聡の顔から伸びた無数の視神経や白い筋繊維が繋がり、本来の顔には別の眼球が剥き出しで付いてる。

  それは、聡の肉体を覆う物が装甲などではなく、外骨格に近い彼の肉体を構成する一部である事を物語っていた。

  「これが… オレ……」

  「私も初めての時は肉体が暴走しちゃったし。 慣れればすぐに自分の思い通りになるよ。 でも、その姿も素敵…… サイボーグ、いやサイ防具生命体とかどう?」

  奈央の言葉に、聡は唇すらも消失し剥き出しの歯茎を露出させながらニタァっと悍ましい笑みを浮かべる。

  そして、プシュー! と体から白い蒸気を吹き出し、人間であれば一瞬で腐敗しそうなほどの強烈な臭いを部屋中へと撒き散らした。

  奈央はそんな腐臭を気にも留めず、聡の体へ抱きつくと、異形と化した手に優しくキスしながら舌を這わせていく。

  そして、小手のように大きく膨れた甲から染み出す、防具臭を何万倍にも凝縮したような味のするぬめる体液をジュルっと啜り、美味しそうに飲み込んだ。

  「聡と体を合せることの出来る生命体なんて、この世に私しかいないんだから」

  奈央は、異形化した聡の体に覆い被さると、彼の口と思われる場所に自分の口を重ね、生体金属で出来た舌を絡ませた。

  聡の舌から強烈な臭いを放つ体液が溢れ出し、糸を引きながら喉に落ちていく。

  「進化したこの体の細胞一つ一つから奈央の臭いと愛を感じられるよ。 オレをこんなに素敵な体にしてくれてありがとう」

  奈央はその言葉を聞き涙ぐむ。

  聡が受け入れてくれた。

  人を捨て奈央と同じ異形の体を。

  それだけで、奈央の心は満たされていく。

  そして、人を捨て同じ化物になった彼が目の前にいるという興奮に、胸が高鳴り全身が震え出す。

  「聡…… 聡! 好き! 大好き!!」

  「オレもだ奈央。 この体で奈央をもっと気持ち良くさせてやる。 だから全身でオレの愛を受け止めてくれ」

  奈央はその言葉だけで深い絶頂に達した。

  聡と触れている奈央の体が全て性感帯となったように快感が洪水のように押し寄せてくる。

  中も外も… 手、足、口、胸、脇、耳、背中、尻、そして髪の毛までもが性器のように。

  彼に触れるだけで、彼の声を聞くだけで、ありとあらゆる体の部位から快感が溢れ出て止まらない。

  細胞の一つ一つから白い愛液が漏れ出し、奈央の体を包むチュチュからも大量の白濁とした液体が染み出して聡の体の間でねっとりと糸を引かせた。

  「嬉しい! 聡は私だけのもの! 一生私だけを愛でて! 私も聡だけを愛するから!! この体は聡じゃないと満たされないの!!」

  奈央の告白に、聡は金属へと構造を変えたペニスをさらに硬く大きく屹立させ一気に突き上げた。

  ズドンッ!! と、子宮口に重く激しい衝撃が走り、奈央は体を仰け反らせて何度目か分からない絶頂を迎える。

  聡の腕の中で絶頂を迎え続ける奈央の金属化した膣内は、文字通り潤滑油を噴き出しながら激しい送出を繰り出した。

  結合部から火花を散らし、グリスのような愛液を撒き散らす。

  今まで感じたこともない刺激が二人を襲う。

  そして、ついにその時が来た……

  聡のペニスが振動を起こし、奈央の子宮の中で亀頭がゆっくりと開いていく。

  まるで、蕾が花を開くように。

  射精だ! その感触を感じ取った奈央は膣内の温度を数千度にまで上げ、膣壁の形を聡のモノに合うように変化させた。

  一切の隙間を残さぬよう膣がペニスの形に密着したのを確認すると、急速に冷却し子宮内部に亀頭を固定し射精を受け入れる準備を整える。

  子宮内で開いた聡の亀頭が全てを出し終え畳み込まれるまで、絶対に離さない。

  「出して!! 私の中に全部出して!! 私の体を制御不能なほどショートさせて!!」

  聡の亀頭が満開に開き…… 射精を開始した。

  シュッ!

  奈央の頭頂から一本の線が走る。

  極限まで圧縮され射出された精液がレーザーのような極細の線となって奈央の体を貫き、頭頂から飛び出した。

  奈央は、頭部を精液に貫かれながら脳で直接感じる凄まじい快感に体を硬直させる。

  「すっご……」

  あまりの衝撃と快感に、奈央の意識が一瞬飛んでしまいそうになる。

  シュッ! シュッ!

  奈央の脳天から何度もレーザーのような極細の線が現れ、体の至る所から火花が上がる。

  サイボーグ化した体が至る所でショートを起こし、激しく体が痙攣を起こす。

  様々な回路がエマージェンシーを発するが、聡の亀頭が畳まれるまで奈央の体は彼から離れることは不可能。

  奈央は体を硬直させながら、レーザーのような精液をその身に浴び続けた。

  そして、ようやく聡の射精が終わり亀頭がゆっくりと閉じられる。

  火花を散らす秘所から聡のモノがゆっくりと引き抜かれ始めると、結合部から白い蒸気と生物が生存できるレベルを完全に超えた強烈な臭気が立ち込めた。

  それは聡の精液が蒸発した臭いではなく、奈央の膣から溢れ出した愛液が蒸発した臭い。

  奈央の体が、人外と化した聡の遺伝子を取り込んで融合し、その身に刻み込んだ証。

  自身の遺伝子から滲み出る聡を感じ取り、奈央は嬉しさのあまり目から油を流す。

  「奈央、サイ防具生命体へ進化したオレの体、満足できたかな?」

  「CPUが飛び散っちゃう位、気持ちよかった……」

  ガシャンッ!

  奈央は電池が切れたロボットのようにその場に崩れ落ちた。

  聡はその場にゆっくりと立ち上がると、開いていた顔のマスクを閉じ仁王立ちになって力を溜める。

  ブシュー!!

  体の至る所から突き出た排気口から蒸気が吹き上がり、今日一番の臭気を撒き散らす。

  「これがオレの力…… 分かる…… 分かるよ、奈央! 遺伝子レベルで体の構造が理解できる! こんな化物に敵う奴なんてこの世にいないよ!!」

  聡はそう叫ぶと、大きく腕を天高く振り上げそのまま拳を床に叩きつけた。

  ドゴォン!! と大きな音を立てて部屋全体が揺れるほどの衝撃が走る。

  そして、床に転がる奈央に顔を向け再びマスクを開くと、今まで以上に不気味な笑顔を浮かべた。

  「奈央、愛してる。 二人で究極の生命体に進化しよう」

  奈央は目から白濁とした愛液を流しながら、嬉しそうに笑顔を浮かべ意識を手放した。

  人を捨て進化した新たな生命体が誕生した──

  つづく