肉体を貪るような荒々しいセックスであった。
どれほど快楽に飢えていたというのか、上になり下になり激しく体をもつれ合わせて舌を絡ませながら交わる姿は、二人が深い恋仲であることを窺わせた。もしかしたら久しぶりの逢瀬で、我慢の限界に達していた肉欲が弾けでもしたか。
だが、二人は恋人同士ではなかった。
つい先ほど出会ったばかりだった。
若く逞しい竜人のペニスが休むことなく窄まった肉の穴に出入りしている。彼が犯しているのは男のごつい尻であった。男が男を犯している。男色を嗜むドラゴンの円錐状をした生殖器がずぶずぶと淫らな音を立てて狭い肉壺の中に沈んでいく。優に成人男性の腕の太さほどはあるそれを難なく咥え込んでいく尻の主は、こちらも男臭さが全身からムンムンと臭い立つ、雄フェロモンの塊のような巨体の雄牛であった。
立派な角を生やしたその雄牛の大きな口から嬌声が途切れることなく続いている。
「おぅふっ! おおっ凄ぇっ! おほっ、おっぐうぅぅっ!」
だらんと垂れた舌から涎が糸を引く。
竜人の容赦のない腰使いに、腹の底から絞り出したかのような低く重い喘ぎ声が押し殺すことなくだだ漏れていた。周りに人家がなく聞こえる心配がないのを承知しているのだろうが、たとえ聞こえる環境だったとしても彼は構うことなく盛大に[[rb:喘 > あえ]]いだだろう。羞恥心なぞ、襲い来る未知の快楽にすっかり吹き飛んでいた。
牛男に肛交の経験はなかった。
それ以前に生粋の女好きで、男色の気など微塵もなかった。
そんな牛男が目尻にうっすらと涙を浮かべて女のように[[rb:善 > よ]]がり狂っている。飽きるほど女を抱いてきた筋骨逞しい体が同性に責め立てられて淫らにうねっている。野郎の舌に、野郎の息に、野郎の手に、そして野郎の生殖器に愛撫されて、女の味しか知らなかった肉体が男の味を覚えていく、体の芯にまで男に犯される悦びを叩き込まれていく。
熱い吐息が牛男の口から漏れた。
「おお、凄ぇっ! チッ、チンポってこんなに気持ちいいのかよぉっ、何なんだこれはよぉっ!? はああっ!」
「気に入ったか、我の魔羅を? なら存分に堪能するがよい。男との契りでしか味わえぬ快美の世界へ貴様を[[rb:誘 > いざな]]ってやろう」
牛男の耳元に沈んだ竜人の[[rb:口吻 > こうふん]]が甘く囁いた刹那、
「おほおおぉおっ!? おおっおっおっおおおうぅっ!」
さらに深く腰を入れられて男は狂ったように頭を左右に振った。何という巨根か、網の目状に血管が浮き立った竜人の極太ペニスが容赦なく直腸をぎっちりと満たし、その先端は信じられないことに結腸にまで達していた。
牛男の脳裏に激しい火花が散った。
これが男同士のセックス! 圧倒的な質量をもった熱く硬い肉塊が体の奥深くにまで挿入されている事実にどうしようもなく気分が掻き乱される。初めてだというのに肛門がすっかり弛緩しきって、肉棒を根本まで咥え込んでいる。己の肉体が雌として扱われていることを否が応でも自覚する。いや、肉体自身もそれを良しとしている。この男になら抱かれてもいいと、むしろ自ら抱かれたいとすら願ってしまっている。
瞳を熱く潤ませた牛男は、ひしと竜人の背に腕を回してしがみ付いた。
「凄ぇっ! 凄ぇよぉチンポ凄ぇっ! チンポッチンポォッ!!」
結合部を擦りつけながらもなお貪欲に交わりを深くしようとする彼に竜人もまた真摯に応えるのだ。
「この魔羅の形をしっかりと貴様の尻に覚えさせてやる。何、時間はたっぷりとあるからな」
竜人と牛獣人、汗みずくになって異種姦に耽る雄二体を邪魔するものは何もない。何せ、ここは人の行き交う街道から離れたところにある、打ち捨てられて[[rb:荒 > あば]]ら屋となった人家なのだから。
半ば朽ちかけた廃屋が夏の強い日差しの中で白く焼けていた。
元はこの辺り一帯を占める農家であったか。荒れてしまった広い農地の[[rb:縁 > へり]]にこびり付くようにしてただ一軒の平屋はあった。どれほどの間、放棄されていたのか[[rb:茅葺 > かやぶ]]きの屋根はところどころ剥げ、崩れた白壁に茶色い下地が剥き出しになっていた。
その母屋のすぐ脇に小さな[[rb:厩 > うまや]]があった。
かつては農耕馬が[[rb:飼葉 > かいば]]を美味そうに[[rb:食 > は]]んでいただろうそこもすっかり荒れ果て、穴の開いた屋根から白い光が何条も差し込んでいた。
一条の光の筋がコバルトグリーン色の竜鱗を妖しく煌めかせていた。
片隅に積まれた干し草をベッド代わりとして男たちはまぐわっていたのだ。
牛男をうつ伏せに組み敷いた竜人が腰を打ち付けるたびに無数の汗の粒が飛び散り、濡れた逞しい背中が緑青色の輝きを放っていく。夏の暑気に包まれながら全身汗だくになって性の営みに励む彼らの何と情熱的なことだろう。
否、知性の[[rb:欠片 > かけら]]もない獣のような交尾と言ったほうが正しいか。
そう、それはまさに快楽を貪るだけの生殖行為だった。
道中でどうにも我慢できなくなって、誰もいないのをいいことに厩に忍び込んでサカり始めたのか。干し草の傍らに無造作に脱ぎ捨てられた革の鎧や下穿きといった装備品は、彼らが激しい情欲に駆られていたことを物語っていた。脱ぐ僅かな時間も惜しかったのだろう、戸口のほうを見れば外の白日の下に[[rb:曝 > さら]]された革靴が転がっていた。
干し草の山に半ば埋もれた雄牛の巨体が快感に身悶えた。
「おっ、おっ、おぅふっ! ほおおっ、おお……おほおっ!」
無理もない、前立腺を的確に責められては白目も剥くというものだ。
牛男は喘ぎに喘いだ。尻を犯されるのがこうまで気持ちがいいものだとは思いもしなかった。初めてだというのに、まるで痛覚が麻痺してしまったかのように痛みを感じないのだ。ただあるのは意識が飛ぶほどの圧倒的な性的快楽、それのみだった。
途轍もない快感が尻穴から生じていた。
「くはぁぁっ何なんだっ何なんだこれはよぉっ! 俺の尻がっ尻があぁっ!!」
熱い肉棒が抜き差しされるたびに電流にも似た快感が全身を駆け抜けていく。[[rb:猛々 > たけだけ]]しい生命力を帯びた灼熱が腸壁を嬲りながら蕩けるほどの快感を植え付けていく。それは牛男が今までの半生で感じたことのない種類の快感だった。
男に犯されている――
この力自慢の俺様がまるで雌のように鳴かされて野郎に犯されている――
「尻にぃっ! もっと、もっと俺の尻にチンポッ! 欲しいっチンポ欲しいぃっ!」
男根に貫かれる悦びが雄牛の理性を蝕んでいた。
この特異な状況下もまた燃え上がるというものだろう。辺り一帯に人の気配のまったくない僻地にある耕作放棄地で、捨てられたといえども人様の厩を借りて、開け放たれた引き戸に外から丸見えの状態で昼間から獣のような喘ぎ声を放って雄同士で尻穴交尾しているのである。罪悪感と青姦にも似た開放感とが一緒くたになった中での性行為に、ゾクゾクするような異様な興奮を覚えているのかもしれなかった。
雄牛、名をカイオスと言う。
その名を知らぬ者ははたしてこの国にそうはいまい。
救国の士、英雄カイオス。生まれもってのその恵まれた体格と[[rb:膂力 > りょりょく]]でもって国難を退けること五指に足りず。大型の[[rb:戦斧 > せんぷ]]を片手にして戦場を駆ける巨躯の猛牛に誰が畏怖を覚えないでいられるだろうか。一たび斧を振るえば血煙が視界を覆い、戦場は怒号と悲鳴が渦巻く阿鼻叫喚の修羅場と化すのだから、その姿はまさに鬼人。ついには一傭兵の身分から、積み重ねた武勲によって国軍の将にまで取り立てられ、民草からは英雄と口々に誉めそやされるまでに賞賛と喝采を浴びた男であった。
そんな男が今、女のように喘いでいる。
雄臭い顔を快感に歪めて悶えている。
英雄のこんな姿を誰が見たことがあるだろうか、想像すらできまい。薄茶色の短い体毛に覆われた筋骨隆々のごつい体は雌として目覚めさせられ、汗に濡れて妖しくうねり、一抱えほどもある肉付きのいい尻の双丘を割られて男の屹立を丸呑みに咥え込んでいる姿を見たら誰もが卒倒してしまうに違いない。
体にいくつも走る古傷が哀れだった。
英雄として名を馳せ、齢三十を過ぎたばかりの男盛りのカイオスの変わり果てた姿に民衆から向けられるのは軽蔑の眼差しだろう。腕力頼みのがさつな男であったが、竹を割ったような豪放[[rb:磊落 > らいらく]]な性格なこともあって配下からも慕われていたが、今の彼を見たらはたしてどう思うか……。
カイオスの熱い吐息が飼葉の中に染みていく。
「おおふぅっ! おごっ、あがっ! 凄ぇっチンポ凄ぇっ! ふんぐぅっ!」
「締め付けるか……ククク、よほど良いとみえる。初めてとは思えんな? この淫乱牛が」
「そんなっ俺はっ、あふうっ! 俺はそんな男ではっ、あああっ!」
否定する言葉が圧倒的な快楽に飲み込まれていく。
普段のカイオスなら淫乱牛と呼ばれたものならすぐさま激高して相手を[[rb:縊 > くび]]っただろうが、そんな気は毛頭湧かなかった。否定の言葉を吐けないほど体が喜んでペニスを迎え入れていたのだから仕方がない。
背に覆い被さった竜人にがっしりと組み伏せられ、彼の腰だけが機械仕掛けのようにただ激しく上下していた。
「おああっ! ほっ! おっぐぅっ! ふぅぅっ!」
挿入が繰り返されるたび、押し出されるように牛男の口から荒い息が漏れる。
バチュンバチュンッ! と湿った[[rb:打擲 > ちょうちゃく]]音が辺りに響く。ぐっしょりと汗に塗れた肉体同士のぶつかる音の何と卑猥なことか。鍛え抜かれた歴戦の戦士の逞しく分厚い尻肉と、こちらも逞しい腰のバネを活かした精悍な男の腰遣いでしか発することのできない淫音だ。勇ましい男同士の奏でる世にも淫猥な響きが鼓膜をねっとり犯す。
男の一突き一突きが英雄としての矜持を削っていく、己の中に雌の性が芽生えていく。
歓喜する肉体とは裏腹に、カイオスの潤む瞳にはまだ微かに戸惑いの色があった。
どうしてこうなってしまったのか――
この厩の中に連れ込まれるまでの記憶が判然としなかった。
身を蕩かすほどの快感に白む意識のなかでカイオスはどうにか淡い記憶を[[rb:紐 > ひも]]解いていった。
そう、事の発端はつい先刻のことだ。
所用があって出かけた隣町からの帰路中に突然、見知らない竜人の青年から声をかけられたのだ、いま体を重ねているこの男に。辺りに田畑の広がる[[rb:人気 > ひとけ]]のない街道で、ふと出会ったその男は一目で只者ではないとわかった。簡素な革鎧から覗く四肢はがっしりと太く、鍛え抜かれた体に武人としての並々ならない矜持が[[rb:漲 > みなぎ]]っていた。[[rb:佩 > は]]いていた剣が相当使い古されていることに気付いたカイオスだったが、別段、感嘆を吐くでもなく警戒するでもなく、[[rb:鷹揚 > おうよう]]に構えたのは実にこの男らしい。何者にも負けないという自負と自尊心の高さ、そして英雄としての誇りが、しかし今回ばかりは[[rb:徒 > あだ]]となった。もう少し、警戒心が強かったならこうして易々男に犯されることはなかっただろう。
道を尋ねられるものとばかり思っていた。
夏の強い日差しにコバルトグリーン色の鱗が眩しいほど輝いていた。
それよりもさらに深い緑青色の瞳がまっすぐに己を見ていた。
息を呑むほど美しい[[rb:双眸 > そうぼう]]であった。なぜか目を離すことができなかった。[[rb:硝子 > ガラス]]玉のように透き通った双眸の奥に[[rb:蠱惑 > こわく]]的な光が揺らめいていた。その光に吸い込まれそうになるや、次第に意識が判然としなくなっていったのである。
竜人の青年はその美麗な竜眼を気持ち良さげに細めた。
「良い、良いぞっ! 貴様の尻、なかなかの名器ではないかっ、誇るがいい!」
分厚い牛男の背に覆い被さって一心不乱に腰を打ち続ける。
初物ほど犯し甲斐があるものはない。さすが英雄と持て[[rb:囃 > はや]]される男のそれである、愚直に鍛錬を積み続けた逞しい男の肉厚の臀部と、引き締まった括約筋がもたらす性的快感は何物にも代え難いものがあった。
竜眼がさらに喜悦を帯びる。
事は実に上手く運んだ。
竜人の青年――堕とし屋、レガルトは凛々しい顔に微笑を浮かべた。
竜眼、その魔眼の一種である瞳に見つめられると感情が鈍化し敵意が消失する。軽い催眠状態に陥った相手は魅入られ、自我のコントロールが難しくなるのだが、カイオスのような魔力抵抗のない脳筋男には効果覿面だったようだ。
怒張を深々と咥え込んで喘ぎまくる男に、
「貴様の尻は誰の物だっ、言えカイオスッ!」
「ああっ! レガルト殿のっ、レガルト殿の物ですっ、おっおほぉっ!!」
「そうだ、我の魔羅の形を覚えた貴様の尻はすでに我の物だ!」
交接部をぐりぐりと擦り付けて腸の襞肉にペニスの形を記憶させていく。
「我専用の肉孔であることをしっかりと自覚せよ、この形状以外を知るでないぞ?」
「はっはいぃ! 俺の尻はレガルト殿だけに、うっうう……っ!」
尽きない快感についには[[rb:咽 > むせ]]び泣き始めた牛男に竜人はほくそ笑んだ。
犯される悦びが彼の言動から滲み出ていた。アナルをすっかり開発させられ、レガルトの前では常に雄を迎え入れる雌であることを自覚したのだ。圧倒的な竜根と巧みな手管によって肛交の気持ち良さに目覚め、細胞一つ一つに至るまで己は男の性欲を処理する性処理役であることを分からせられたのである。
堕とし屋レガルトに依頼が舞い込んできたのは三日前のことだ。
同じ竜族の友、赤竜のデスドラは忌々しげに顔を歪めながらこう告げた。
『友よ、貴殿の力で英雄カイオスを雌堕ちさせてくれ』
よほど恨みを持っているらしかった。
理由を[[rb:訊 > き]]けば、カイオスに問答無用で襲いかかられて、さらには巣に蓄えていた金銀財宝も根こそぎ奪われたという。なぜそんな理不尽な目に遭わなければならないのか本人には思い当たる節はないらしい。ただ、ここ最近、都を荒らす狂竜が同じ赤鱗のドラゴンであったことから、間違われた線が濃厚だとも彼は付け加えた。
実に武力一辺倒なカイオスらしい。
赤竜というだけで狂竜と見なすとはどれほど単細胞なのか。
デスドラは運悪く、狂竜討伐の任に就いていた英雄と鉢合わせしてしまったのだ。それでも命まで奪われずに済んだのは不幸中の幸いだ。あの猛牛の繰り出す戦斧の斬撃から逃れるのは並大抵なことではない。竜族の間でも格闘術の名手として名高いデスドラも彼なりに奮戦したのだろうが、さすがに飛ぶ鳥を落とす勢いの英雄には力一歩及ばず、こうして友を頼ってきたのであった。
[[rb:忸怩 > じくじ]]たる思いだろう。
虚を突かれて存分に力を発揮できなかった上に、誇り高い竜族として、下等とすら見なしている牛獣人にいいようにやられてしまったことは矜持が許さないだろう。デスドラの肩口に走っている傷跡が痛々しかった。竜の驚異的な治癒能力のお陰で傷は塞ぎかけてはいたが、その痛烈な痛みは今も彼の胸中を深く[[rb:抉 > えぐ]]っているに違いない。
[[rb:紅玉 > ルビー]]のような赤い瞳の中に烈火のごとく怒りが燃えていた。
『頼む、奴を雌堕ちに……』
再び頭を垂れる友にレガルトは頷いた。
英雄として雄の頂点に君臨しているカイオスに仕返しするには何が一番効果的か、結果、デスドラが考え付いたのが雄とは対極にある雌に堕とすことだったのだろう。勇猛果敢な雄牛が男に犯されて雌のように喘ぐ姿は滑稽そのもので実に小気味いい。レガルトの脳裏にふと浮かんだ、あられもない牛男の姿に、堕とし屋としての血が沸々と滾り始めていた。
レガルトは雌堕ち専門の堕とし屋であった。
どんな屈強な野郎でも雌のように鳴かせてみせる自信があった。
師匠であり恋仲でもある犬獣人の堕とし屋、ドルグから徹底的にノウハウを仕込まれた。精神面と肉体面から丁寧に責め立てて、最終的に男のチンポなしでは生きていけない体にする。それこそ男ながらにして女の悦びを知る体に作り変えるのだが、レガルトはそれが何よりも愉しかった。己のペニス一つで他人の人生を操れるのだから、これほど面白いことはあるまい。ペニスを拝み、ペニスに[[rb:縋 > すが]]り、早くハメてくれと逞しい雄野郎が涙を浮かべて懇願する姿に堪らなく興奮を覚えた。[[rb:彼 > か]]の英雄ははたしてどんな雌顔を見せてくれるだろうか……、レガルトの股に走る肉の割れ目の奥に内包されていた性器が早くも疼きだしていた。
レガルトの胸中に好奇心が爆発的に膨れ上がっていく。
反面、頭を垂れる赤竜を見やる眼差しは冷ややかだ。
友人として彼の本意は理解でき、汲み取ってもやったが、呆れたのが正直なところだった。竜族の面汚しとまでは言わないが、もう少し上手く立ち回れないものか。堕とし屋に頼み込むその暗く、浅ましい魂胆にやや軽蔑を覚えながら、レガルトは脳裏で肥大していくやましい妄想に、[[rb:股座 > またぐら]]に勢いよく流れていく血を感じ取っていたのであった。
その妄想通りの光景が今、視界の中で繰り広げられていた。
「レガルト殿のチンポォッ凄えぇっ、凄ぇよぉっ! 頭がっ頭がおかしくなっちまう!」
カイオスが雄臭い顔面を恍惚に蕩かせて狂ったように頭を振っている。
すでに男はペニスの虜であった。
引き抜こうとするたびに括約筋が逃すまいと必死に絡み付いてくる。その竿肌にぴっとりと吸着した括約筋の薄い肉の何と淫猥なことよ。屈強な男には似つかわしくない、色素沈着の一切ない[[rb:初々 > ういうい]]しい肉色がレガルトの肉欲をさらに駆り立てていく。
粘膜と粘膜のねっとりとした接触が、
逞しい猛牛の咽るほどに蒸れまくった野蛮な獣臭が、
腹の底から響く雄の重低音の喘ぎ声が、
「我に絶頂を促すかっ、ふしだら極まる畜生めがっ! ぬっぬううぅっ!!」
牙を剥いた竜人の顔が凄まじいほどの喜悦に歪む。
とろとろに蕩けた肉孔が催促している、子種を注いでほしいと、ありったけの種汁を注ぎ込んで腹を満たしてほしいと。何と貪欲で[[rb:不埒 > ふらち]]な雄膣か。肛交は初めてだというのに、処女だったというのに、男根の旨味を知ったばかりだというのに生意気にも早くも子を孕む気でいる。
雄のアナルが女性器と化していた。
膣となった直腸の[[rb:柔襞 > やわひだ]]が一斉に竜根に纏い付く。
「ぬふううぅ……っ! そこまでせがむのならくれてやろう我の種を」
「レッ、レガルト殿、何を言って!? そ、それだけはどうかっ!」
軽度とはいえ催眠下にあってもさすがに初めて中出しされるのは尻込みするか、カイオスが声を震わせた。
それも道理、野郎の精液を体の中に注がれるだなんて、つい先刻まで思いもしなかったのだ。己は女に種を仕込む側であって仕込まれる側ではない。正気を保っていない中でも女色を愛する男としてのなけなしのプライドが彼の口を割らせたか。
だが、竜人の[[rb:抽挿 > ピストン]]は[[rb:止 > や]]むどころかさらに激しくなるばかりだった。
「そっそんな止めっ、ああっ中だけはっ! 中だけは止めてくれぇっ!」
「どの口が言うか! 貴様の尻穴は変わらず我の魔羅をぐいぐい締め付けて種を求めてくるではないか、なぜ離そうとはせぬ?」
「ちっ違うっ! 体が勝手にっ、ガハアァッ!?」
前立腺を硬い肉茎に勢いよく小突かれて巨体が身悶えた。
「肉体は正直だ、種族の壁を越えて分不相応にも竜の子を孕む気でいる。子など宿りはしないというに、それでも懸命に魔羅に快楽を与えて子種を吐いて貰おうとしている。我の魔羅への盲目的な献身、実に殊勝ではないか。その肉体の切なる願いが貴様には届いておらぬのか? 知らぬわけはあるまい? このように体を痙攣させるほど激しく善がっているのだからな……」
牛男の太い首筋を竜の細長い舌が舐める。
「はあぁっ! ああ……そんなっそんなわけは……」
「[[rb:頑 > かたく]]なだな。なら強引に分からせるまでだ! 身をもって[[rb:己 > おの]]が肉体の歓喜の声を聞けっ! フンヌウウゥゥゥーッ!!」
凄絶な笑みを浮かべたレガルトの竜根がカイオスの[[rb:最奥 > さいおう]]を抉った刹那、
ビュブブブルルルルルゥゥゥゥーーーーーッッッ!!! ドビュブブッビュルルルルルルルルルーーーッッッ!!!! ビュブルルッビュルルルルルッッ!! ドビュッドビュブブブブブブブゥゥゥゥゥーーーーーッッッ!!!!! ビュービューブビュブウルルルルルゥゥゥゥッッ!! ビュプッビュブブブッ!! ドビュッドピュピュッッ!! ブプッブビューーーーーーーーーーッッッ!!! ビュッ! ビュビュッ!! ビュビュブウルルルルルルルルルッッッ!!!!
勢いよく射出するザーメンの何と[[rb:夥 > おびただ]]しい量か。
できるだけ奥深くに種付けせんと、結腸にまで到達していたペニスの先から放水銃のごとく放たれていく凄まじい量の精液。竜族の精力の強さは獣人の比ではない。旺盛な精力と性欲に蓄えられた無尽蔵といえるほどの大量ザーメンが逆巻きながら腸内をみるみると満たしていく。
カイオスが白目を剥いた。
「ガッ……ガハァ……ガッハァァァァーーッ!!」
涎をだらりと垂れ流した大口から漏れるのは昇天の雄叫びか。
飼葉の中を深く突き刺していた彼の怒張から白い粘液が噴出していた。感極まって絶頂したのだ。使い込まれてすっかり色素沈着した赤黒い肉茎をびくびく脈打たたせて吐精している。その量、こちらも半端ではなかった。さすが体力自慢で男盛りの牛男といったところか、乳搾りされる乳牛のごとくビュービューッ! と[[rb:迸 > ほとばし]]るやや黄ばんだ濃厚ザーメンが干し草をたちまち淫らな白濁に染め上げていく。
骨まで蕩けるほどの超絶的な快美が体を襲っていた。
未だかつて経験したことのない射精感だった。
尻に埋まっている男根がこの途轍もない快感を生じさせているのだ、腸壁を焼く灼熱の精液がこのひりつくほどの快感をもたらしているのだ。それこそ男同士のセックスでしか味わえない快感であった。
「あ……あはぁっ、はあぁぁぁっ!」
悩ましい吐息がカイオスの口から漏れた。
このような快感を味わってしまってはもう後戻りはできない。知ってしまったのだ、男に犯される悦びを、男の生殖器が与えてくれる快楽を。体内に流し込まれる大量のザーメンが僅かに残っていた男の矜持を跡形なく奪い取っていく。
目の端から零れ落ちたのは一筋の嬉し涙。
それはカイオスが完全に雌堕ちした瞬間であった。
「よく我の熱情を一滴残らずすべて受け止めたなカイオスよ? 分かるか、貴様の腹に竜の子種が満ちているのを」
「ああ……分かる、レガルト殿の熱い種が満々に満ちている……ああ凄ぇ……」
妊婦のように膨れたボテ腹を愛おしそうに撫で擦りながら男は言った。
「これで完全に貴様は雌となったのだ、男なしでは生きていけぬ体となったのだ。だが案ずるな、お前のこの雄臭く熟れた肉体を好む男はこの世にごまんといる。肉体が疼いたら男に抱かれるがよい。貴様が色目を使えば、男色を嗜む男どもなら喜び勇んで魔羅を硬くして飛びかかってくるだろう」
「そんな……俺が好きなのはレガルト殿だけで他の野郎には[[rb:靡 > なび]]かん」
熱く潤んだ瞳で見上げてくる牛男に竜人の青年は柔らかい笑みを落とした。
「随分と嬉しいことを言ってくれるな。我が傍にいるときには喜んで相手をしよう。だが居ぬときには[[rb:余所 > よそ]]の魔羅で己が欲望を満たすがよい」
「レガルト殿……んむぅ!」
まだ何事か言わんとする牛男の口を青年の唇が塞ぐ。
凪いでいた肉情が情熱的なキスに再び赤々と燃え上がろうとしていた。一発放った程度では到底満足できない彼らのこと。カイオスは雌として扱われる悦びに浸るため、レガルトは雄の与える快楽を徹底的に叩き込むため、相手の肉体を欲望のままに、精が尽きるまで貪るのである。
堕とし屋によって堕とされた男の末路は決して明るいものではない。
程度を誤れば、男狂いとなる。
重量級の尻を深々と貫くレガルトの口角が微かに上がっていた。堕とし屋として一仕事をこなした彼の脳裏にははたしてどのようなカイオスの未来像が描かれているのか。ただ言えることは、先ほどまで浮かべていた柔らかな笑みが心底からのものではないということだ。標的の幸福な末路など思い描いてはいない、[[rb:偏 > ひとえ]]に依頼主のため、金のために彼ら堕とし屋はいくつもの仮面を付け替えるのだから。
[newpage]
さて、それから一週間が過ぎた頃。
雌堕ちして男色の沼にどっぷりと浸かってしまった哀れなカイオスだが、彼の姿は意外なところにあった。
「頼むっ! [[rb:彼奴 > あいつ]]を……デスドラの野郎を雄堕ちさせてくれっ!」
手を合わせて必死に頼み込む英雄に、堕とし屋の犬獣人ドルグは面食らった。
ドルグとレガルトが共に住まう、闇稼業に就く日陰者たちが暮らす郊外にひっそりと佇む棲家を彼が訪ねたと分かるや、ドルグは真っ先に弟子のレガルトの任務失敗を疑ったものだがどうやら違うようだった。訊けば仕返しにやって来たのではなく真っ当な依頼らしい。しかしその内容が穏やかではなかった。
シェパード犬ドルグの彫りの深い顔が険しさを帯びる。
「……またなぜだ? デスドラと言えばお前が以前やっつけた奴じゃねぇか。そんな野郎を雄堕ちさせるだぁ? [[rb:解 > げ]]せねぇな」
「ああ、知っていたのか……その件については全くもって面目ない。街を荒らしている狂竜と同じような凶悪な風体と赤い鱗に俺が早とちりしてしまったんだ……本当に恥ずかしい限りだ」
円卓を挟んだ対面の椅子に腰かけている巨体が幾分か小さく縮こまる。
牧羊犬の黒鼻が軽薄に鳴った。
「フン。で、なぜ雄堕ちさせてぇんだ?」
その問いに英雄はしばしの沈黙を挟むと、やがて恥ずかしそうに頬をほんのり赤く染めながら依頼理由を話し始めた。
「その……、レガルト殿に抱かれてからというもの片時も彼のことが忘れられなくなってしまってな。しかし、初めて彼と契って以降、まだ一度も体を重ねることができないでいる……どうやら多忙の身でそれどころではないらしい。俺は……俺はもう正直、身が持たんのだ! この体を焦がす狂おしいほどの肉情を好いた男に一刻も早く鎮めてもらいたいのだっ! 俺は俺はっ!」
鼻息を荒らげて男は言った。
どうやら性欲が限界にまで昂っているらしい、発奮に目が異常なほど血走っていた。
「それは難儀だな、[[rb:火照 > ほて]]った体はさぞ辛いだろう?」
とは言ったもののドルグの表情に同情の色は微塵もない。
牛男が家に上がり込んだ際にまず初めに室内を見回していたのはレガルトの姿を探していたのか。だが生憎、彼は堕とし屋の任務で家にはいなかった。
「す、すまない突然大声を出したりして……」
「構わんよ、それで?」
「ああ、レガルト殿に抱かれるのが叶わないのなら、せめて他の男にこの体を慰めてもらおうと思い至ったその男こそが赤竜デスドラなのだ。レガルト殿と同じ竜族で、逞しい肉体も申し分ない。あの竜人もきっとレガルト殿に勝るとも劣らないデカブツをぶら下げているに違いない。その極太チンポなら俺のやましい肉欲を満たしてくれるはずなんだ……ああ、ぶっといドラゴンチンポに犯されてぇ……思いっきり中出しされてぇ……」
脳裏にレガルトとの情交を思い出しているのか、口調に陶酔が滲んでいた。
竜人の巨根が忘れられないのだ。
その点についてはドルグも同意しかなかった。レガルトとは主従の関係を結んでいる間柄ではあったが二人は肉体関係で結ばれてもいた。彼の竜根の素晴らしさは身をもって知っている。雄堕ち専門の堕とし屋として、これまでに何百何千と男の怒張を尻に咥え込んできたが、レガルトのそれは一級品の代物であることは間違いない、何せ[[rb:辣腕 > らつわん]]の堕とし屋と自負している己が何度も射精させられたのだから。だからこそ彼を弟子に取って雌堕ち専門の堕とし屋に仕立て上げたのである。
ドルグがニタリと笑む。
「レガルトの代わりというわけか。獣人のチンポじゃ満足できねぇ、竜人のあの特異な形の肉ディルドでしか渇きを癒せねぇと?」
「……け、軽蔑したければすればいい」
「するわけねぇだろ、野郎が野郎のデカマラに夢中になるなんざ至極当然のことだ。デカマラで犯されて無上の悦楽に浸りながら[[rb:本気汁 > ザーメン]]を盛大にブッ放す、俺の好物もデカマラだからな、お前の気持ちは痛いほど分かるぜ?」
「なら俺の願いをっ!?」
期待に目を大きく見開いた英雄に、ドルグは返答の代わりに広げた手を卓上へドンと置いた。金次第というわけだ。
牛男の喉仏が大きく上下した。
「……その用意はある」
言うや、彼が懐から取り出した麻袋が先ほどの数倍の音量でもってドスンッと卓上を鳴らす。
「これでどうか俺の願いを叶えてくれ」
「ほう、これはなかなかどうして」
中を改めると宝石と金貨がぎっしりと詰まっていた。
おそらくはデスドラから奪い取ったものだろう。そうだからと言ってドルグが眉を[[rb:顰 > ひそ]]めることはない。出所はどうあれ金目の物に違いはないのだ。汚い手段を用いて手に入れた物でも、善人から奪い取った物でも、ドルグは良心の呵責に[[rb:苛 > さいな]]まれることなく正当な対価としてそれを受け取った。
堕とし屋は袋から摘まみ取った[[rb:紅 > あか]]い貴石を掲げ見てその[[rb:真贋 > しんがん]]を確かめながら、
「いいぜ、やってやる。ちと面倒だがこれだけ貰えりゃあ万々歳だ、あとは大船に乗ったつもりで俺に任せときな」
そう、少々厄介なのだ。
カイオスはレガルトとデスドラがよもや友人関係にあるとは思うまい。デスドラを雄堕ちさせることは、すなわちレガルトを裏切ることであった。さてどう[[rb:彼奴 > あいつ]]を頷かせるか……袋の中に落とした貴石が奏でた小気味いい音に犬耳をそばだたせながら男は続いて金貨に牙を立てていった。
依頼を受けた晩のこと――
家に帰ってきたレガルトに事の次第を話した。
しかし意外なことに、渋るかと思われたレガルトだったが説き伏せる必要もなかった。彼はしばらくの間、黙考するとその麗しい緑青色の瞳を閉じて、承知したと素直に顎を引いたのだ。どうやら竜族の面目を潰したデスドラには何か思うところがありそうだった。プライドの塊のような竜人のこと、恥を晒したデスドラには同族といえども情けはかけないというわけか。
無事にレガルトの協力を得て、ドルグは標的を毒牙にかけた。
実に簡単であった。
相手の警戒心が低ければ低いほど術中に[[rb:嵌 > はま]]りやすい。レガルトの声掛けで家に招いたデスドラを、竜眼の力で催眠状態に陥らせてから、ドルグが彼の杯に一服盛ったのは強制的に発情を促す強力な媚薬。たちどころに性的欲求を喚起させる毒薬まがいの劇薬だ。
デスドラの眼が爛々と異様な光を放っていた。
「ぐぬうっ体が、体が燃えるように熱いっ! グ……グガァァァッ!!」
赤竜の咆哮に大気が震えた。
「我を[[rb:謀 > たばか]]ったかレガルトッ! [[rb:何処 > どこ]]にいるレガルトォッ!!」
真っ赤に充血した双眸で辺りを見回すも、すでに友人は部屋から姿を消していた。夜の[[rb:帳 > とばり]]がすっかり下り、心許ない燭台の火だけが灯った仄暗い部屋にいるのは、ニタニタと薄笑いを浮かべている家人一人だけであった。
凶悪な牙を剥き出して赤竜が言う。
「グルルルゥ……ドルグ殿これは一体どうしたことかっ!」
「……俺は堕とし屋だ、それ以上は言わんでも分かるだろ?」
「っ! まっまさか我をっ!」
だが、今更気付いてなんとなろうか。
赤竜の全身から噴出していた恐ろしいほどの怒気が、闘争本能が、たちまち[[rb:萎 > しぼ]]んでいくのは竜眼の効果。そして怒気に取って代わるのは性的興奮。臓腑に浸透した媚薬が正気を蝕み、狂おしいほどの肉欲を滾らせていく。
デスドラの体から汗が滝のように流れていた。
「ガアァァッ! ハァッ、ハアァッ! ハッ、ハッ、ハァァッ!」
顔を赤く上気させて乱れる呼吸はまさしく発情の証。
見ろ、布の腰巻きが力強く盛り上がっていくではないか。膨張する内包物にグ、グググッと隆起していくその何と逞しいことよ。生殖行為を激しく求めているのだ、雄としての生殖本能を剥き出しにしているのだ。海綿体を張り裂けんばかりに充血させて生殖器を鉄のように硬化させている……他人の生殖孔の奥深くに子種を植え付けんがために。
堕とし屋の目が細くなった。
「実に美味そうな野郎だぜ、お前って奴は……」
口の中に止め[[rb:処 > ど]]なく唾が湧いてくる。
ドルグは人一倍性欲が強かった。鍛えられてよく引き締まった肉体からは常に精力が溢れていた。寝ても覚めてもセックスのことしか頭にないのだから、その点では堕とし屋は天職と言えた。雄堕ちを専門としたのは、己の体で男が気持ちよくなっているのを見たいからであった。無論、無類のチンポ好きであることは言うまでもない。雌堕ち専門のレガルトを相方にしてからというもの、彼の竜眼のお陰で今まで以上に男たちを喰う数が増えた。そしてまた、今晩も極上の獲物にありつくのである。
ドルグはデスドラを掻き抱くと、そっと指先を彼の股間へと落とした。
「ウガァッ!? なっ、何をするかっ!」
体をビクンと痙攣させて赤竜が[[rb:狼狽 > うろた]]えた。
彼の食い縛った牙の間から切なげな吐息が漏れるのを堕とし屋は聞き逃さなかった。
「感度は良好のようだな?」
良好どころではない。おそらく軽く触られただけでも射精してしまいそうなほどの快感に襲われているはずだ、用いた媚薬はそれほど強力なものだった。
大きく盛り上がった腰巻きに、つつう……と指先を這わす。
「っはあぁっ!? はっ、はあああっ!!」
上擦った声色にドルグはほくそ笑んだ。
「脚をガクガク震わせてそんなに気持ちいいのか? 涎まで垂らしてやがるじゃねぇか汚ねぇ野郎だな……ったく」
そう[[rb:貶 > けな]]しながらも指の動きを止めない。
隆起の頂上に上り詰めた指先をそのまま円を描くように優しく一回転させた。さらに一回転、また一回転、そして逆回転、さらに逆回転。指のいやらしい愛撫に、
「はぐうぅっ!? ふっ、ふぐっ! うぐ、ぐううっ……」
たらり、と竜人の口吻から涎が長い糸を引いて垂れていく。
竜眼にかかって半覚醒状態の濁った意識の中で、腰が蕩けるような甘い快感に完全に思考能力を奪われたデスドラ。こうなったらもう引き返すことは不可能だ。ただでさえ男は性的快感の誘惑に弱いというのに、媚薬のもたらす極上の悦楽を味わってしまっては誰が指を跳ねのけることができるというのか、どれほどの聖人でもそれは叶うまい。
蠱惑の指先が小山を下りて向かった先は腰巻きの留め具。
「……お前のブツを拝ませてもらうぜ」
はらり、と足元に腰巻きが落ち、次いで下穿きを剥ぎ取るや、
「おおっ!」
ドルグのマズルから感嘆の溜息が漏れた。
抑圧から解放された肉茎が勢いよく飛び出してきたのだ。何と頼もしい強張りか。バネ仕掛けのようにベチンッ! と腹を鳴らして鋭角に屹立しているそれは紛れもなく一線級の男根であった。目測で優に25cmはある。竜人はもれなく巨根だとでもいうのか。
堕とし屋の喉仏が大きく上下した。
レガルトも大概だがデスドラもなかなかどうして。
もっわぁ……、と蒸れた汗臭さと性器の醸す何とも欲情をそそる恥臭が鼻先にまで立ち昇ってくる。肉のスリットの中に長時間収納されていたわけだから無理もないが、その雄の性臭がどうにも堪らなかった。こんな淫らな臭いを嗅がされてしまったら、もう催すしかなくなるではないか。
辛抱堪らずドルグは着衣をすべて脱ぎ捨てた。
「お前のチンポが放つエロい臭いを嗅いじまって俺もこうなっちまったぜ」
青筋を浮かべた[[rb:完全露茎 > ズルムケ]]の獣根が天を衝いてそそり[[rb:勃 > た]]っていた。
彼の均整の取れた肉体美に誰が賞賛を送らないでいられるだろう。背にかけて黒毛に変わるシェパードの薄茶色の体毛に覆われた体は、贅肉の一切がなく見事な逆三角形を描き、灯火にくっきりと浮き上がっている筋肉の起伏が実に雄々しい。大きな耳と形の整った黒いマズル、太い尻尾に堂々たる体躯、その凛々しい面立ちも相まって、素性を隠せばこの若く逞しい犬獣人は男女を問わずもてるだろうに残念かな、本人は一番堕とし屋が性に合っているらしい。
隠す気のない好色な視線をデスドラの肉体へ無遠慮に這わせながら、
「竜人の野郎ってのはなんでこうもエロいんだ」
デスドラの纏っていた着衣を[[rb:剥 > は]]いで全裸にするや惚れ惚れと言った。
さすが格闘術を得意とするだけあった。色鮮やかな赤色の鱗に覆われた肉体は全身筋肉に覆われてがっしりと分厚く、堂々たる威容はしばし見惚れるには十分過ぎた。どれほどの鍛錬を積み重ねてきたのだろうか、数年でないことは確かだ。
目の毒だ、あまりにも性的魅力に溢れている。
「……くっ!」
ドルグは苦々しく[[rb:呻 > うめ]]いた。
気付いたら手が伸び、張り裂けんばかりに発達した大胸筋を鷲掴みにしていた。
凄まじい厚さだ。それにこの筋肉の硬くも弾力に富んだ逞しい胸板の揉み心地よ……鱗の下に筋繊維が分厚い層となっているのだ。
だらだらと汗に濡れる[[rb:鮮紅 > せんく]]の裸体はあまりにも卑猥であった。
鼻を鳴らすと一段と強く雄の臭いが鼻を衝いた。デスドラの股座に視線を下げれば、スリットを引き裂かんばかりに押し広げた竜根が目に入った。分泌液にねっとりと濡れそぼった円錐状の肉柱が網膜に確かな熱をもって焼き付いていく。
[[rb:嗚呼 > ああ]]、体が疼く。
尻が求めている、この灼熱棒の塩梅を、味を。
ドルグはその場に膝を折ると、デスドラに尻を向ける格好で四つん這いになった。そして振り返ったその凛々しい顔に浮かべたのは、発情した雄の生殖本能をくすぐる[[rb:凄艶 > せいえん]]な笑み。
「お前ももう辛抱ならねぇんだろ? 俺の穴、好きなように使っていいぜ」
「グ、グウゥゥゥ……ッ!」
発狂した獣のように赤竜の口から涎がボタボタと垂れていた。
まともな会話はもう成り立たない。憐れ、狂おしいほどの肉情に囚われた彼はただ性欲の発散に[[rb:邁進 > まいしん]]するのみ。肉体に爆発的に膨れ上がっていく射精欲を満たし、精根が尽き果てるまでセックスに没頭することのみを使命とする色情魔と化していた。
赤竜の爛々と輝く紅い瞳がまっすぐ凝視するのは目の前の肉付きのいい双丘の真ん中。
肉色の小さな穴が不規則にひくついていた。
それは魔性の淫孔。
排泄器官として使った回数よりも搾精器官として使った方が遥かに多い。今まで何千本もの男性器を咥え込み、どれほどの精液を搾り取ってきたか知れない。雄堕ちを得意とする堕とし屋の商売道具はどこまでも淫らに、妖しく、煩悩塗れの男を惑乱させて止まないのだ。
汗にじっとり艶めく吸精口が一際大きくひくついた。
「さあ……お前に極楽を味わわせてやる、無上の悦楽を、な……」
「ガァッ、ガアァァァーーーッ!!」
狂暴な唸りを上げて赤竜が尻に飛びかかった。
獰猛な鼻息が肛門にかかっていた。ぞわり、とドルグは身震いした。予感がする、激しく犯される予感が。発情した雄のこの雰囲気が堪らなかった。どんな堅物な男でも、どんな高尚な御託を並べるインテリ男でも、セックス時は獣になる。[[rb:培 > つちか]]った知性をかなぐり捨てて獣のように交尾する雄が堪らなく愛しかった。そう、男は等しく獣なのだ。
ドルグは恍惚と熱い息を吐いた。
「はぁぁ……凄っげぇ」
デスドラがまるで獲物でも喰らうかのように肛門を貪っていた。
大胆に尻にかぶり付き、竜人の肉厚の舌が乱暴に舐め回している。穴の[[rb:皺 > しわ]]を引き伸ばし、音を立てて吸い、そして容赦なく括約筋を広げて中に押し入ってくる。
「ああぅっ!」
熱い軟体が腸の中でうねっていた。
これから生殖する雄膣の塩梅を確かめるかのように丹念に調べている、吟味している。着床可能かどうか、健康な母体かどうか、直腸の奥のほうまで細かくチェックされている。
執拗な[[rb:アナル舐め > アニリングス]]は三十分以上続いた。
満足したのか、ようやく舌から解放された肛門はすっかりと[[rb:解 > ほぐ]]れ、くぱぁ……と開き切った穴にすかさす剛直が押し当てられてドルグは再び熱い息をついた。
「ああっ!」
この瞬間ほど高揚するものはない。
結合するのだ、男性器と雄膣が。肉体の結合、何と淫猥な響きだろうか。肉の凸と肉の凹が合体して一つとなる。悠久の歴史の中で連綿と繰り広げられてきた肉体と肉体の結合、尊い生殖行為に今、雄と雄が挑もうとしている。子を孕ませんと、子種を送り込むために硬く勃起した雄の生殖器官が体内に差し込まれようとしている。
問答無用で竜根が侵入してきた。
「グッガァァァーーーッ!!」
「はぁぁぁーーーーーっ!!」
二人の喉が同時に嬌声を放った。
ドルグの尻たぶに深く食い込む竜の鋭い爪。がっしりと固定させられた尻にズプズプと粘った音を放ちながら巨根が沈んでいく。
落とし屋は相貌をうっとりと崩した。
何と強引なセックスだろうか。だがそれがいいのだ、猛々しい雄に一方的に犯される悦びが気分を一層盛り上げていく。もし、手荒くしないでくれ、と訴えてもその願いは聞き届けられないだろう。正気を失ったデスドラに声が届くはずもなく、またドルグも訴える気はさらさらなかった。これこそが雄堕ち専門の堕とし屋としての愉しみでもあるのだから。
生殖本能を剥き出しにした雄に犯される悦び――
雌のように扱われる悦び――
堕とし屋の職に就いていなかったらドルグはきっと雌堕ちしてしまっていたに違いない。寝ても覚めてもセックスのことしか考えていない男がこうして分別をわきまえていられるのは、性豪に見合うだけの発散が適度にできているせいか、それとも強靭な精神力のせいか、その両方かもしれない。だからこそ雌堕ちしてしまった己を想像しながらセックスに耽るだけの余裕すら持てていられるのだ。
今、確かなことはどちらも色に狂っているということだ。
「グアァッアアアッ! アァッ、グアアァーッ!」
涎をだらだら垂らしながらデスドラが一心不乱に腰を振っている。
獣の交尾の体位、後背位でひたすらまぐわうその姿は獣そのものを見るようだった。いや、この一時だけ二人は獣となったのだ、ドルグは自発的に、デスドラは強制的に。
「おっふぅっお前のデカマラ凄ぇっ! おああっ、そんな奥まで抉る奴があるかよっ!」
「グルルルアアァァッ! ガアァッ、グアァッ!」
聞く耳を失った竜人の怒涛の腰遣いに床が軋みを上げる。
体力の有り余った屈強な竜人の凄まじい高速ファックに脳裏にいくつもの火花が散っていく。
「堪んねぇぜぇっ、ドラゴンチンポはよぉっ、おおっふぅっ!」
何と大きく太いのだろうか、25cm越えの肉棒が結腸の曲がりをまっすぐに矯正している、侵入者の都合のいいように形を変形させられている。竜根の形状を記憶させられてしまう、デスドラ専用の性処理穴に変えられてしまう。
「あはっ、はひぃっ! 最っ高だぜぇっ!」
十分に巨根を楽しみながらも、標的に与える快楽を意識しているところはさすが堕とし屋といったところか。
ドルグは[[rb:抽挿 > ピストン]]に合わせて括約筋を絶妙にコントロールしていた。
根元まで竜根を[[rb:挿 > い]]れられた際には、括約筋に力を込めてがっつりと咥え込んでそのまま強弱をつけて揉んでやり、引き抜かれる際にはやんわりと緩めて、竜根に纏い付かせた腸の柔肉が与える快感をメインとした。
堕とし屋の名器に誰が抵抗できるというのか。
とろっとろに蕩けた粘液塗れの襞肉が男根にぴっとりと吸い付いていた。
「ガァ……ガァァァ……ッ!」
堪らず天へと熱い息を放つデスドラ。
千本万本の微細な触手が一斉にペニスに戯れているような感覚だった。腸の襞が吸着したまま前後左右に蠢いているのだ。それは明らかに精液を催促するような動きで、種付けを本能的に呼び起こすものであり、媚薬で飛躍的に感度の高まった男が耐えうるものではない。
渾身の一突きが深々と尻を抉った次の瞬間、
「ガアア……グッ、グッガアアアアァァァァーーーーーーッッッ!!」
デスドラの絶頂の大咆哮が轟いた。
ブッッッビュウウウウウウウーーーーーーーーーーーーッッッ!!!! ブビュルルルルルウウウゥゥゥーーーッッ!!! ブビュッビビュビュビュビュウウウウウウッッッ!!! ドッッッビュウウウウウウウゥゥゥーーーーーッッビュブブッビュルルルルルルルルルルルーーーーッッッ!!!!! ビュービュブブブッ、ビュブブブッ! ドッピュッピュッ! ドックンドックンドクドクドクドックドックドクドクッドクンドックンドクドクッ!!!!
口の端に泡を噴かせた赤竜の大きく反った上体が小刻みに痙攣していた。
竜根から放たれた膨大な量のザーメンがドルグの腹の中に怒涛の勢いで流れ込んでいく。どろっどろの極めて濃厚な精液の濁流が結腸のその先の方まで満たし腹を膨満させる。レガルト同様、やはり竜人男性の精液製造能力は抜群に高いらしい。
たちまち膨れる腹部に感極まったか、
「ああ、ああっ凄っげぇ! そんなに[[rb:射精 > だ]]されちまったら妊婦になっちまうっ、はぐぅっ!」
短く呻いたドルグもまた[[rb:強 > したた]]かに精を放っていた。
ビュッビュッ! と水鉄砲のごとく射出する劣情が床に見る間に生臭い液溜まりを作る。
自身のそれが放つ濃密な精臭に黒鼻をクンクン鳴らしながら、
「まだまだそんなもんじゃねぇだろデスドラさんよぉ? まだ足りん、もっとだ、もっとザーメン中に注いでくれよぉ……俺、アンタの子を孕みてぇんだからよ」
欲情に蕩け切った、はしたない雌顔で子種を催促する。
「グ、グゥゥゥ……ッ!」
依然硬さを保ったままの竜根が再び抽挿を繰り返し始めた。
堕とし屋の男はニタリと喜悦に口角を吊り上げた。標的の精液が枯れ果てるまで、それこそ最後の一滴まで残らず搾り取るのが雄堕ちの堕とし屋というものだ。射精がもたらす超絶的な快感を最後の一滴まで余すことなく骨の髄にまで叩き込む、射精することこそが雄の本懐であると細胞単位にまで分からせるのだ。結果、標的は飽くなき射精欲に支配され、究極の射精感をひたすら追い求める生殖本能剥き出しの雄となる。
射精狂いの竜人がもうじき誕生しようとしていた。
薄暗い部屋に男たちの低い嬌声が染みている。
部屋に立ち込めるのは[[rb:眩暈 > めまい]]を覚えるほどの強い性臭だ。夏の夜の、窓をすべて閉め切った汗ばむ暑さの中で、四体の成熟した雄の逞しい肉体がもつれ合っていた。一組はレガルトのベッドの上で赤竜デスドラと英雄カイオスが、もう一組はドルグのベッドの上で堕とし屋コンビのドルグとレガルトがそれぞれ激しいセックスに没頭している最中であった。
カイオスが狂ったように頭を振っていた。
「ああ凄ぇっ! 凄ぇ凄ぇよぉっ、チンポッチンポォッ!!」
赤竜に種付けプレスの体位で極太ペニスをずっぽりと挿入されているのだから堪らない。これだ、これを求めていたのだ。失っていた肉体の一ピースがかっちり嵌ったような感覚だった。腸内を寸分の隙間もなく竜根が埋めている。それが抜き差しされるたびに、容赦なく襞肉を擦っていくのだ、節くれ立った竿肌がズリュッ、ズリュリュッ! と。
雌堕ちした肉体が歓喜に[[rb:戦慄 > わなな]]いていた。
好物のザーメンをたらふく飲ませてくれる肉棒に狂喜していた。
「おほっ! おおおっほぉぉっ! デスドラ殿っデスドラ殿ぉっ!」
古傷の走る筋骨逞しい体を汗だくにさせて牛獣人カイオスは愛する男の名を叫ぶ。チンポに屈した自覚があった、もうチンポなしで生きてはいかれないのだ。今、尻の奥深くにまで埋まっているものこそ極上の一本だった。想像した通りだ、レガルトの持ち物にまったく引けを取っていない。堕とし屋に依頼して心底良かったと思った、こんなに勇ましい一振りの肉刀を授けてくれたのだから。
赤竜の畏怖を覚えるほどの眼光が見下ろしていた。
狂猛な表情は、種付けることしか考えていないことを窺わせた。
「グウゥゥッ、もっと穴を引き締めろっ、極限の状態で我を絶頂へと導けっ!」
「承知したデスドラ殿ぉっ! おおふっ、おほおぉっ!」
射精狂いとチンポ狂い、利害が一致した色狂い二人の雄交尾はどこまでも激しかった。
アナル開発されてすっかり男の味を覚えた英雄の肛門が難なくドラゴンペニスを吞み込んでいく。種付けプレスに固定させられた淫孔をドスドスと串刺しにする鉄のように硬化した竜根。肉同士のぶつかり合う淫らな音が、結合部から飛び散る白く泡立った愛液が、頑健な肉体から放たれる無数の汗が、男同士の[[rb:爛 > ただ]]れた肉欲を際限なく高めていくのだ。
デスドラは己の肛門を丸出しに晒して腰をほぼ垂直に落とし続けた。
「グオオッ、オオフッ! 堪らぬっ堪らぬぞぉっ!」
括約筋まで鍛えていそうな脳筋牛男の雄膣が、ザーメンを搾り取らんと陰茎に吸い付いてくる。
「ぬふぅぅぅっ腰の奥の方から[[rb:迫 > せ]]り上がってくるっ、熱き塊がぁっ!」
射精中枢の痺れるような感覚に堪らずデスドラは唸った。
この感覚こそが至高。精嚢の中の丸々と太った睾丸が[[rb:凝 > こ]]り始め、輸精管が拡張し、雁首がさらに傘を広げていく。[[rb:来 > きた]]るべき絶頂に向かって雄のあらゆる生殖器官がざわめき出す感覚に、赤竜は異常なほどの興奮を覚えた。射精が迫っている、この世で最も尊い快楽をもたらせてくれる射精がすぐそこまで迫ってきている……。射精狂いとなった男は射精することでしか生きている実感を得られなかった。
雄膣がさらに強く締まる感覚があった。
「デッ、デスドラ殿ぉっ! 俺っ、俺の中にデスドラ殿の情けをどうかっ!」
すっかり雌の表情となった雄牛が潤んだ目で訴えていた。
「我の種汁を欲するかっ!? それほどまでに望むなら存分にくれてやろうっ!」
デスドラは牛男の両足首をがっしりと掴むと、ペニスが抜ける寸前まで引いていた腰を勢いよく垂直落下に打ち付けた。バチュンッ! ずぶりゅっと一気に埋没する巨根、えげつない一撃に白目を剥くカイオス。体を痙攣させた彼の獣根の先からチョロチョロと黄色い液体が漏れた。そして、根本までずっぽり埋まった竜根が一周り太く膨れ上がったのとほぼ同時に、
ドビュッドビュブブブブブブブゥゥゥゥゥーーーーーッッッ!!! ビュビビビッビュウルルルルルルーーーーッッッ!!! ブビュブビィビュビュルルウウウウウウーーーーッッビュッビッッビュッビュッッッ!!!! ビュブッブブブルルルルッビューービュービューーーーウウゥゥゥッッ!!!! ビュピピッ、ピッ、ビュウウゥゥゥゥーーッッ!! ドビュビュッッビュブッピュッ!! ビュウウゥゥルルルルルルルゥゥゥゥーーーッッウルルルルルルーーーーーッッッ!!!
煮え滾ったザーメンが腸内を瞬く間に白一色に染め上げていく。
脳髄が蕩けるほどの圧倒的な射精感にデスドラまでも白目を剥いた。フル稼働する射精中枢に気が遠くなる。輸精管を、尿道を、灼熱に焼かれ、怒涛の奔流にこそがれる感覚、目一杯広げ切った鈴口から勢いよく精液が迸っていく感覚、この何もかもがどうでもよくなってしまいそうな享楽に比類する感覚が他にあろうか。
射精のもたらす圧倒的な快楽に赤竜が酔い痴れるのに続いて、牛男もまた絶頂の引き金を引かれていた。
「す、凄ぇっ、腹の中でチンポがビクビク脈打ってらぁ。ああっデスドラ殿の子種っ、子種がぁっ! 置いていかないでくれっ俺もっ、俺も[[rb:射精 > い]]くぅぅっ! グッグッガアアアァァァァーーーーッッ!!」
ブビュルルルルルルゥゥーーーーーッッッ!!! ビュービュウウルルルルルッッブビュッブビュビュビュビュウウウウッッルルルルルゥゥッッ!!! ビュッビュゥウルルルルルーーーーッ!! ビュピピッッ、ドッビュウウウゥゥゥゥーーーーッッッビュビュビュウウウルルルルルゥゥゥゥーーーッッッ!!!! ビュッ、ビュビュッ! ビュッ! ドビュッビュルルルルッ!! ビュビビッビュウウゥルルルルルッ!! ドップドップドックドクドクドクッ!!
種付けプレスに犯されたまま、カイオスの顔面を直撃する大量の雄汁。セルフ顔射に男臭い顔がたちまち白濁に塗れ、粘りの強い濁流はだらだらと垂れ落ちては胸元の薄茶色の被毛に絡み付いていった。
デスドラの射精が止まらなかった。
牛男の雄膣が、括約筋を絶頂に引き締めさせて竜根をがっちり咥え込み、ザーメンを一滴残らず搾り取らんとしているのだ。魂まで抜かれそうな超絶的な快感に赤竜は声にならない声を上げて善がり狂った。雄の力強い膣筋だからこその快感だろう、雌の膣ではこうはいかない。屈強な英雄のケツマンコの中にありったけの精液を送り込みながら、デスドラは尽きない昇天にただただ開きっ放しの口から呻き声を漏らし続けていた。
猛烈なザーメン臭に包まれながらカイオスは至福に瞳を潤ませた。
「ああ……デスドラ殿、大好きだデスドラ殿ぉ」
大量の子種を植え付けられて、これ以上の幸せはない。
生殖本能を剥き出しにした雄の何と愛らしいことだろうか、子孫を残そうと懸命に勃起している男性器の何と雄々しいことだろうか。そんな猛々しい雄から[[rb:火傷 > やけど]]するほどの欲望を容赦なくぶつけられることが何よりも嬉しかった。カイオスは多幸感に浸りながら、もう何度目かの吐精に体を震わせた。
このデスドラという男は数発放った程度では満足すまい。
都合のいい性処理道具としてただ使われるだけの未来が待っていよう。
「だが、それこそが俺の望むもの……」
再び動き始めた赤い腰に両脚を絡ませながら、カイオスは柔らかな微笑を零した。
むさ苦しい雄の性宴はどこまでも続く。
片やもう一方のベッドの上ではドルグとレガルトが情熱的に睦み合っていた。
隣のベッドの情事がこれまたいい興奮材料となっていた。何せ堕とし屋の己たちが堕とした二人だ、言わば作品である。芸術的な出来栄えの雌堕ち牛獣人と雄堕ち竜人の交尾を目で楽しみ、耳で楽しみ、鼻で楽しみながら己たちも肌を淫らに重ねていく。
正常位にレガルトの剛直を迎え入れながらドルグが言う。
「あんな激しい雄交尾を見せ付けられたら俺たちも負けていられねぇよな、レガルト?」
「無論。我らも腰が立たなくなるまでまぐわおうぞっ!」
「どっちが先に[[rb:音 > ね]]を上げるか勝負といこうじゃねぇか」
不敵な笑みを浮かべた師匠に弟子もまた不敵に口角を上げるのだった。
ドルグの妖しく蕩けた淫肉がレガルトの竜根を捕食者のごとくがっつり咥え込んでいた。粘膜と粘膜の接触に互いの肉体へ甘美な快感が伝わっていく。勝負とは言ったが、おそらく勝敗はつくまい。歴戦の雄堕ち専門の堕とし屋ドルグ、[[rb:天賦 > てんぷ]]の才の雌堕ち専門の堕とし屋レガルト、その両者に優劣はないのだから結局は相打ちとなるのはいつものことであった。
深く結合しながらレガルトが降らすのは優しいキスの雨。
「……誰よりも愛しているドルグ」
真摯な光を宿した緑青色の竜眼がまっすぐに犬男の瞳を射抜いていた。
堕とし屋にとって愛の言葉ほど意味のないものはない。だが竜の青年はそれを承知で口にしたのだ。真面目に受け止められないことは百も承知。だが、どうしても口にしたかった、知ってほしかった、己の胸の中には揺るぎようのない確かな愛情があることを。
もう随分と前になる。
この国ではない、遠い辺境国にある深い森の中でドルグとは偶然出会った。
その[[rb:邂逅 > かいこう]]の場で、己の強欲が[[rb:祟 > たた]]ってその結果、強制的に主従の契りを結ばされることとなった。彼とはさらに肉体関係を結び、やがて己も同じ堕とし屋の道を歩み、今はこうして同じ屋根の下でつつがなく暮らしている。ドルグは己に新しい世界を見せてくれたのだ、男が己の肉体一つのみで男を堕とす堕とし屋の世界を……。
堕とし屋はまさに天職だった。
いつしかドルグに心惹かれていた。暗く深い森で長年過ごし、井の中の蛙であった己を広い世界に導いてくれた彼に想いを募らせていた。
堕とし屋が人を愛してはならないという掟はない。だが、堕とし屋にとって情はただ邪魔なものだけでしかない。無用でしかないのだが、どうしても言葉にして舌に乗せたかったのだ。戯れだと受け取られてもよかった、己が満足するだけでよかった。
落としたキスをドルグの口唇が自ずから受け止める。
「俺もお前を誰よりも愛してるぜ、レガルト?」
ニカッと微笑んで男は言った。
まったく、爽やかな笑顔がこれほど似合わない男もいない。それに誰が信じるというのか、堕とし屋が堕とし屋の言葉を。きっと先ほどの己の愛の告白も……。
でも――
腰の奥底から凄まじい勢いで湧き上がってくる熱い激流に、ありったけの想いを込めながら、レガルトは襲い来る快感に身を任せていった。
完