【コミッション】 狸御殿 外伝その二

  その日翔真は疲労していた。

  所属しているテニス部は休みだったが、日頃の疲労が蓄積していたらしく、遊んだ帰りに同じ中学校で帰宅部の敦志に駅についたら起こすように頼むと、電車内ですやすやと寝息を立てて寝てしまった。

  しかし、友人の頼みを引き受けたはずの敦志も、その日の前夜に夜更かしをしていたので、うっかり居眠りをしてしまった。

  二人を乗せた電車は降りるはずの駅に止まりはしたものの、彼らを乗せたまま終点へ……存在しないはずのその先へと向かっていく。

  「ほんとごめんね。頼まれてた僕まで寝ちゃうなんて」

  「いいって、隣でぐうぐう寝てるやつがいたら眠くもなるよな」

  翔真は寝過ごしてしまったことを気にしてはいないようだが、敦志はまだ申し訳なさそうにしている。

  運動もスポーツも出来て女子にもモテる翔真は、恋愛よりも気楽に接していられる敦志を信頼していて、一緒に居るとつい気がゆるんでしまうほどだった。

  一方の敦志は小柄で、性格も翔真とは違って臆病でおとなしいのだが、彼とは妙に気が合うのだった。

  なので二人は仲が良く、今回も敦志は自身も眠いのに頼みを断れなかったのではない。

  イケメンで性格も良い翔真と、地味な自分なんかでつり合いが取れているのかと、普段から気が引けてしまっているので、友人のために少しでもいい所を見せようとしたのだが、失敗してしまったのである。

  「それよりもここどこなんだろうな?」

  当の翔真は友人のささいな失敗など気にしてはいなかった。

  それよりもただ寝過ごしただけなのに、終点のはずの駅では無い全く知らない駅にいることが彼を悩ませた。

  他の乗客どころか駅員すらおらず、小さな駅の外は漆黒の闇のように真っ暗だった。

  「乗る電車間違えて、とんでもない田舎の終点まで来ちゃったかなあ……」

  とりあえず駅の外に歩いてみたのだが、携帯電話の電波も届いていないようだ。

  わざとらしいくらい真っ暗な森の中を進んでいくと、ふつふつと不安がよぎってくる。

  敦志は落ち着かなさそうに辺りをきょろきょろしてばかりいるが、翔真は別に夜の妖しい森が怖いわけでは無い。

  彼の一年後輩の三人が忽然と姿を消してしまった時も、最後の目撃情報が電車に乗った所だったのを思い出していたからだ。

  「うおおお、すげえなあ!」

  「こんな所がまだ日本にもあるんだね」

  やけに暗すぎる森を抜けた先の丘から見えたのは、幻想的で古風な農村の光景だった。

  電気も通ってなさそうなかやぶき屋根の建物と田園風景、奥に見える大きく立派なお屋敷。

  電灯もないせいか夜空もいつもと違って見えて、明かりもないのに村自体がぼんやり光っているように見える。

  始めて来るのに懐かしい、とても不思議な場所がそこにはあった。

  翔真と敦志は村までたどり着いたが、夜中のせいかひどく静かで誰も外にはいない。せめて電話だけでも借りたいのだが、締まっている昔風の家屋の戸を深夜にノックする気にもなれない。

  「すげえ……」

  村で唯一の明かりのある奥の屋敷までやって来たのだが、建築に興味も無いのに二人はあまりの雄大さに圧倒されてしまう。

  入口にかがり火がたかれいて、暗闇の中に立派な日本家屋が佇んでいる。

  「入れそうにはないな……」

  「そうだね騒ぐの迷惑だろうしどうしようか……」

  のぼりや日除け暖簾などかけられていて、旅館みたいにも見えなくも無いが……門は固く閉ざされていて、まったく中へ入り込めそうにない気がすごくしている。

  まるでとても頑固で底意地の悪い老人に、早く帰れとでも言われているかのような、全く歓迎されていないムードがそことなく伝わってくる。

  「駅まで帰るか……」

  「そうだね」

  せっかく人がいそうなところまで来たのに、冷たく追い返されたような気分だ。

  翔真は入るのは無理そうだしと、諦めて駅まで戻ろうとした。

  「でもさあ、あの駅もなんかやばそうなんだよなあ……」

  そもそもあの真っ暗な森を正確に抜けて、また駅まで戻る自信も無い。この村でさえ本来なら入れない場所であるのに、そこへ偶然迷い込んでしまった気分だった。

  だんだんと周りが見えなくなるくらい霧が出てきていて、もう一度森に入れば迷って二度と出られないのではとさえ、普段なら思わないようなマイナス思考が浮かんできてしまう。

  あいつらももしかして変な所に入ってしまって、出られなくなかったんじゃないかと思いかけた時だった。

  「あんら、おめえさんたちこんな所でどうしちまったんだ?」

  声がした方を見ると提灯を持った太った大男が近づいてくるのが見えた。

  「あっあの……たっ、狸!?」

  場所が場所だけに明かりも提灯なんて徹底してるなあ……なんて思いながらやっと人を見つけて安心しかけた翔真は、驚いて大声を出してしまう。

  男はまるで相撲取りのようにブクブク太っていて、ふんどしと紺色の法被を羽織ったいで立ちなのだが……顔が狸そのものだったのだ。

  顔だけでない。全身から毛が生えていて尻尾もある。おまけに暗いのにふんどし越しでもよく分かるくらいに金玉が大きくて、ひざ下まで届いてしまっているありさまだ。

  まるで巨大な狸の置物が動いて、向こうから歩いてきてしまったような間抜けさがあった。

  「オラを見て驚いただか? どう見てもお客には見えねえし……人間の子供っつうことは、さてはたまたま入り込んじまったな」

  「ええと……」

  「ここはな、普段なら霧のおかげで簡単には入れねえようになってんだ。御館様の御客さんなら、霧があっても導かれるようにこれちまんだけどな。時々霧が晴れた時にこうやって迷子がきちまうんだよ」

  相撲取りのように大きく肥えている二足歩行の大狸は、うんうんと納得している様子だが、翔真と敦志も驚き戸惑っている。

  「ようし、おらに任せとけ。ついて来いよ」

  ブクブク太っている巨漢の狸が、固く閉ざされていた屋敷へ向かいながら間の抜けた様子で手招きをしている。

  二人とも怯えてお互いに顔を見合わせているが、霧は増々濃くなっていて他に選択肢もなさそうなので、おどおどしながらついて行くのだった。

  「まったく……雄は不必要で、雌も今は間に合っているから追い返そうとしていたのに、お前は勝手なことをよくも」

  「へへへ……すみません御館様。でも霧が出てから子供が森で迷子になったら危ないじゃないですかぁ。オラが面倒見ますんで何卒……」

  狸の大男はヨーコといい、あの屋敷は特殊なお宿らしく、そこの番頭をしているとのことだった。

  彼がこっそり翔真たちを裏口から入れてくれたのだが……間抜けな雰囲気のままに仕事が出来るタイプでもないようで、すぐに屋敷の主にバレてしまっていた。

  今も館の主である狸にこつぴどく叱られている。

  主も二足歩行のデブ狸なのだが……ヨーコほど大きくも太ってもおらず、口調こそは穏やかで丁寧なのだが、ふてぶてしさと共に底知れぬ恐ろしさがあった。

  それはただの中学二年生の二人にも、本能的に逆らってはいけない相手だと即分からされてしまうような、危険な物の怪であった。

  これが客人や取り込みたい相手なら、その危うさを微塵も出さずにただの狸親父として振舞うのだろう……。

  「参りましたねえ……電車はしばらく来ませんし、子供を意味もなく置いておくほどこちらも暇じゃないのですよ。村の外に今すぐ追い出してもいいのですがね……」

  主の古狸は口調だけは穏やかだが、冷たい目で翔真と敦志を睨みつけ、いまいましそうな態度を節々に滲ませている。

  「御館様それはあんまりだあ。おねげえしますだそこをなんとか」

  ヨーコという大狸は二メートルを超える巨漢であるのに、親切らしく涙目になりながらこの恐ろしい古狸を説得してくれている。

  「ふむ……そうですなあ。ごく潰しならともかく人手であれば増えても困りませんし、それらならこういうのはどうでしょう」

  一目でわかるくらいにこの宿も駅も特殊だったらしく、帰ろうにもしばらくは帰れないことを説明された。

  結局は客ではなく仕事の手伝いをする条件でなら、ここにいてもいいということにヨーコさんが交渉してくれたのだった。

  「そらオラの仕事を教えるから手伝ってくれよ」

  客の出迎えや相手などはヨーコがするので、二人のすることといえば庭と部屋の掃除や、簡単な雑用ばかりだった。

  「でかいだけで間抜けそうな狸だなって思ってたけど、いい人? だな」

  「そうだね。獣臭いし変な臭いもするけどいい人……いや、いい狸さんだよねあの人」

  「結局人って呼んでるじゃん」

  「ああっ、ややこしいね」

  たまたま学校帰りでジャージがあったので、それを着て二人は雑用をこなしていた。

  消えた後輩のこともあり、得体の知れない狸たちを翔真は警戒はしているが、ヨーコの人懐っこく人の良い性格にだんだんと気を許しつつもある。

  「そろそろ休憩にすっぺ。今日は御館様がおめえたちが慣れてきたからって、疲れがとれるお茶を用意してくださったんだぞ。感謝するようにな」

  食事は客ではないのでヨーコと同じものを用意してもらっているが、あまりいい物を食べてはいないようだ。

  翔真は最初は警戒していたが、他に食べる物が無いのでいただくしかなかった。

  それにしては太っているなと考えていると「足りてっか? オラは他のもんで腹パンパンだけど、若けえのが飢えてるのは良くねえからこっそり持ってきてやっからな」と、答えていた。

  ヨーコが毎晩夜になるとコソコソと出かけるのでそれかと聞くと「子供がそんなもん堂々と聞くんじゃねえや。ケツがムズかゆくなっちまう」と、やけに恥ずかしがられてしまった。

  「どうだうめえか?」

  慣れない仕事の疲れやのどの渇きと、ヨーコの人柄から緊張感が薄れてしまい、翔真も敦志も警戒せずにお茶を飲み干してしまう。

  客室で炊かれているお香と同じ香りがお茶からしていたが、匂いや味を気にする余裕は二人にはなかった。

  実はこのお茶には陽子たちにも使われた吉郎狸が持つ小瓶の薬が入っているのだが、この場にいる誰もがそれを知らない。ヨーコですら気がついていなかった。

  「そういえば僕らみたいな中学生の三人組がここに来ませんでしたか? 男の子一人と女の子三人なんですけど」

  「うーんなんか覚えがあるような……でも思い出せねえような……そもそもオラがここで働き出したの百年くれえ前だしなあ……」

  ヨーコは質問が自分のことだと分からずに、吉郎狸の郷が人の世と空間と時の流れが捻じれていることを理解していないので、なんともいえない返事しか返せなかった。

  「そうだ、御館様がおめえたちのためにお客ようのお香までくださったんだぞ。オラの部屋でも焚いといてやっからな」

  「ははは……」

  翔真と敦志はヨーコと同じ離れの小屋に住まわせてもらっているのだが、屋敷に比べてボロボロの粗末な建物というだけでなく、ヨーコの体臭で獣臭く、こんな所でお香なんて焚いてもなあと苦笑いをするしかなかった。

  

  「体動かしていると腹減るよなあ」

  「色々慣れてきたのもあるし、家にいた時より元気かも」

  「あーそうかも。僕もなんだか疲れが取れたんだよなあ」

  翔真と敦志がここへ来て働き出してから数日が過ぎた。

  日を追うごとに二人の食事量は、ちょっとお腹が空いたレベルでないほどに明らかに増えていっている。

  「でもなんかお腹出てきちゃったなあ。太るのはさすがに困る」

  「うん僕もなんだよね……我慢してちょっと食事の量を減らしてもらおうか」

  「そうだな。頼んでみるか」

  体も順調に太り始めていたので、二人はダイエットをしようとしたのだが……。

  「なんだおめえらちゃんと食ってっか? 食わねえと働けねえぞ? オラ厨房の人らとも良くしてもらってから、量だけは用意できっからたんと食え食え!」

  食事を減らすとヨーコに心配され、純粋な好意から元よりも食事の量を増やされてしまい、余計に太る結果になった二人なのであった。

  「あーいい湯だなあ……」

  「お客じゃないから食事はあまり美味しくないけど、毎日こうして温泉に入れるのはありがたいね」

  特に娯楽も無く、のほほんと遊んでいられるような状況でもないので、温泉に入るのが楽しみになっている二人だった。

  こうして湯につかっていると一日の疲労も、嫌なこともなにもかもが吹き飛んでいくようだった。

  「こうしてると学生なのを忘れちゃいそうだなあ……」

  「本当だねえ」

  温泉で温まりリラックスしている。お腹は出てきてしまったけども、家に帰って部活を再開したら大丈夫だろうとのんきに翔真は構えていた。

  太り始めた自分の腹を見ながらふと隣を見ると、敦志の股間のものがなんだか大きくなっているように見えた。

  勃起しているとかではなく、元のサイズよりも大きくなっているという意味でだ。

  やっぱり大きくなってそうなのだが、友人の股間になど興味なんてなかったので元のサイズも正確には分からないし、アソコが大きくなったかなんて言いにくいものがある。

  変なことを言って臆病な友人を不安にさせるのもよくないので、翔真は黙っていた。

  そんな翔真のアソコも同様に少し元よりも大きくなってきているのだが。彼はまだ気がついてはいない……。[newpage]

  「俺はあっち手伝いに行くからここお願い」

  「分かった!」

  翔真は敦志に声をかけるとより人手のいる方へ向かっていった。

  太り始めた体に違和感があるが、仕事にもずいぶん慣れて一人で出来ることが増えたので、常に二人で手伝いではなくきちんと一人分の戦力として数えられているようになっていた。

  特殊な宿なので暇があるのかと思っていたのだが、予想よりも来客やすることが多く、任される仕事量も増えてきたので二人とも慌ただしく働いていた。

  「すまねえ、オラもすぐ行くからたんだぞ」

  翔真も敦志も、ヨーコに頼られるようになったことが少しばかり嬉しかったので、お互いに目で合図を送った。

  宿の従業員でも無かったので二人は手伝いだけでよかったのだが、ドタドタと忙しそうにしているヨーコを見ているうちに、自分達から『彼』の仕事の負担を分担させてもらえないかと申し出たのだ。

  ヨーコは真面目に働いているものの、あまり優秀ではないようだった。忙しそうに走り回っているが無駄が多く、細かい失敗も多い。

  けれども、そのひたむきな態度と人? 柄から周囲からの信頼はあるようで、二人も一生懸命にしているのにミスを繰り返しているのを見かねて、手伝うことにしたのである。

  「あーそれにしても働いてると腹減るよなあ」

  「自分も普段ならこんなに食べてないかも」

  翔真も敦志も仕事量に比例して間食の回数や食事量が増えてきている。この日も仕事を終えた後に夕食を囲み、もりもりと口にかき込んでいる。

  おかげで体重は減るどころかさらに増えていってしまい、大人のようにあちこちの体毛が濃くなってきていた。

  寝不足でも無いのに目にくままで出来てしまっている。

  「ありがてえ、ほんと助かるぞ。簡単なお手伝いだけしてりゃよかったのに、オラの仕事までやってくれるなんて思ってなかったから、ずいぶん楽させてもらってんぞ」

  「いやいやお世話になってるのはこっちだし、すげえ忙しそうだったからお礼もしないとだし」

  「そうそう、ここに置いてもらってるんだからその分働かないとね」

  ヨーコの仕事を引き受けるようになって三人? は、だいぶ打ち解けてきていた。

  翔真はヨーコという名前にどこか引っかかるものがあるようだが、二人とも帰るまでしかたなく居させてもらっているというよりも、ここで働かせてもらっているという気持ちが強くなってきていた。

  「そもそもやけにヨーコさんの仕事が多いような気がするんだよなあ。夜もなんかしてるみたいだし」

  「ああ……そいつはちょっとな……いろいろあんだ」

  ヨーコは夜の仕事の話題になると言葉を濁らせていたが、ふと思いついたように話題を変えた。

  「ちょいと前までオラと同期のユウっていう狐がいて、そん時は今より余裕があったんだけどなあ……オラもそいつも訳ありでここに来たもんだから扱いも別でよお……んで時々雄の熊の世話もしてたんだけど、こいつがオラたちにはよく懐いていたんだが、いつの間にかどこかに行っちまったみてえでな。ただの獣だけど妙に印象に残ってて、あいつも元気でやってといいなあ……」

  「ヨーコはなんでここで働こうと思ったの?」

  翔真は聞きにくい内容だと思いつつ、まだ探るつもりでいるでそれとなく聞いてみた。

  「いやあ……オラもなんでここにいるのかはあんま思い出せねえんだけど、どうにも御館様に拾っていただいたみてえで、オラもユウもここで働けることを御館様には感謝してもしきれねえんだ。そんで、ユウはその……別の仕事が出来るやつだったから、他所のお宿に引き抜かれちまったんだ。いつか暇が出来たら会いに行きてえなあ……でも、オラ忙しくて遠くに出かけられるくらいのまとまった休みなんて、なかなかねえかんなあ。まだ当分はおあずけだろうな」

  同期のことを懐かしそうに語るヨーコから親しみが十分なほど伝わってくるので、とても仲がよかったんだろうなあと想像するのは容易かった。

  「オラなんかよりもそれはきれいで素敵な遊女でなあ……まあオラがいいって指名してくる物好きなお方もいんだけどよ。ヨーコは本当にきれいであっちも上手いって評判だったんだ。さすが御館様が直接仕込んだことはあるもんだなあ……」

  翔真はなにやら不穏な言葉が出てきているのを聞き逃していなかったが、ヨーコは遠くの良い思い出話として感傷に浸っている様子だ。

  「御館様が子供も連れて会いに良いって仰って下さるから、いつか会いに行きてえなあ……」

  翔真も敦志もヨーコの思い出話をよく聞きながら、しっかりと食事を続けていた。

  話を聞きつつ、次々に質素なおかずと大量の米を口に運んでいる。二人とも無理をしているわけでもなく、まだまだ腹に入るようで無意識に六人前の食事をすでに完食してしまっている。

  当然それに見合うほど体は大きくなりつつあり、腹もだいぶ出てきてしまっていた。体毛が濃くなるばかりで、産毛らしきものまで全体に変えかけている。

  元気はみなぎっているというのに、目のクマもひどくなっていた。

  「従業員が増えてくれたらいいだけどなあ……場所が場所だからそう簡単に増やすわけにもいかねえしなあ……」

  ヨーコは残念そうにため息を深くついた。

  翔真も敦志もヨーコの話をちゃんと聞きつつ、もりもりとたいして美味しくもないべ食べ物を口に入れ、夕食のおかわりをするのであった。

  「あっ……またやっちゃった! まいったなあ」

  「僕もなんだよね。もう何か所もやっちゃってるよ」

  二人とも制服を部屋着の代わりにしていたのだが、負荷のかかる箇所が破けてしまうようになってしまっていたのだった。

  翔真と敦志はこの所体重が増えてきていた。仕事が増えて体を動かす強度が上がったうえで、あの食事量なので当然のことである。

  体毛も所々が濃くなって動物のようになってきている。大食いのせいで増えてきた贅肉で、ジャージのファスナーが閉まらなくなってしまった。

  「でもまあ働いてるんだししょうがないよな……」

  「ここって忙しいもんね。僕らもまだまだ覚えることがいっぱいだし」

  「まっ頑張ろうぜ。ヨーコさんも他の人? らもサポートしてくれるし、ちょっとずつ役に立ってきてるしな」

  翔真が敦志を励ます。彼らはこの頃家に帰るまで待つのではなく、宿の役に立つことが目標になってきていた。

  それに自分たちが頑張ればヨーコが休みを貰えるのではないかという、恩返しをしたい気持ちもあって、それがお互いの共通認識になっている。

  「よし、これなら行けるな……敦志も大丈夫か? 無理するなよ」

  「これくらいならぜんぜん行けるって。大丈夫だよ」

  更に体重が増え、体毛が濃くなって体格が大きくなり、この辺りから二人はけっこうな力仕事をするようになった。

  薪割りをすれば大人と同じくらい量をこなし、それを大男と同じように軽々と運ぶのである。

  「あー気持ちいい……生き返る」

  「働いた後の温泉は最高だよね」

  「そうだなあ……でもなんか最近食い過ぎで太ってきたかもなあ……」

  「僕もなんだかお腹が出てきちゃったし、仕事だからしょうがないかもね」

  毎日少しづつ仕事を覚えながら、体重が増えて体格もよくなり、体毛が濃くなる……そして性器までもが大きなっていた。

  温泉に入りお互いの体だけでなく股間の変化にも気づくが、お互いに自覚しているだろうと特に指摘はしなかった。

  はたから見れば異様な変わりようだったのだが、二人はあまり気にはならなくなっていた。客室と同じお香をヨーコが彼らの部屋でも焚いておいてくれるので、いつでも頭がぼんやりとしていい気分だった。

  「はあっ……はあっ……」

  この日は制服が一際大きく裂けてしまった。それだけ体が大きくなってしまったということだろう。

  すでに二人とも幼さはまだあるが、男子中学生の体格ではなく、一般的な成人男性よりも大きな体になっていた。

  まだ十代前半の男の子であるのに、逞しい大男と呼べるほどの肉体である。しかも、贅肉までついて丸っこく、体毛も濃くてもじゃもじゃしていた。

  体毛の生え方が人間らしくないのだが、それよりも股間も大きくなってきている。竿もずいぶん成長してしまったが、なによりも睾丸が肥大化していた。

  「ううっ……」

  翔真は今日の温泉で見た敦志の肉体が脳裏にこびりついていて、それをおかずに自慰をしてしまっている。

  逞しく大きくそして肥えてきている身体……おまけに握りこぶしよりも大きな金玉に何故か妙に興奮してしまう。

  性欲旺盛な十代の少年なので、ここに来てからもオナニーはしていたのだが、火が付いたように今夜は盛ってしまっている。

  性の対象ではまったく無いはずの、少し変わってきたように思える友人の肉体に、強い劣情を催してしまっている。

  自分の体も同じような変化が起こっている不安もあるが、盛りのついた強い性欲に急に襲われ、飲み込まれて友人の少し変な裸に興奮を抑えられなかった。

  「んっ……ふう……」

  実はこの時、敦志も同じ状況になっていたのだが、お互いにそんなことを知らずにバレないように息を殺して、そっとペニスをしごいてオナニーをしてしまっていた。

  成人男性よりも大きな体と睾丸……人間らしく生えていない濃い体毛、どうしてか少年たちは性欲がそれらに燃え上がり、隠すようにペニスをこそこそとこしってしまう……。

  「うっ……!?」

  なんだかイッた後の匂いがいつもよりも鮮明に香る気がしている。

  その日から一日に行う自慰の回数が加速的に増えていくのだった。しかし、どこか後ろめたさがあり、同じ部屋で就寝しているこもあって、隠れるように厠や庭の人気のない場所で自慰を行うようになった。

  だが、匂いで分かってしまうのか、ヨーコには直接指摘はされないが「仕事もあるしほどほどにな」と、ニヤニヤとそれはいやらしい顔をしながら、釘を刺されてしまうのだった。[newpage]

  それから家に帰らなくてはならないのに、他の目標に気を取られてずるずると仕事を続けてしまい、翔真と敦志が宿に来て結構な月日が過ぎてしまった……。

  体重は更に増えてしまってインナーシャツが破けて着れなくなった。

  現在は裸にジャージ一枚で仕事をしているが、パツパツになっていてサイズが合わずこれもいつまでもつか分からなかった。

  「おい座敷の準備はすんだのか? 時間が無いぞ」

  スケジュールを確認して翔真がピリピリしながら声を荒げた。

  「あっいけね……それオラの担当だっただ! 今すぐやりに行くど!」

  「いや、それは俺がやっといたからヨーコは今の仕事終わらせてくれよ。備品の確認も俺がしとくから」

  敦志が先回りしてヨーコのフォローをしていたらしく、ヨーコは大げさなリアクションで感謝している。

  「ありがてえ。すまねえなあ……オラがこんなばっかりに……」

  「いいって、俺たちがここに居られるのもヨーコのおかげだからな」

  「そうだぜ。俺たちには遠慮すんなよ。同僚なんだからよ」

  「すまねえ……すまねえ……」

  仕事はもちろん言動でも翔真と敦志からのフォローが入ることに、ヨーコは感極まったようで涙ぐんでいる。

  二人の方は性格や口調までもが男らしく乱暴なものになってきていた。

  元居た場所に帰るという最重要だったはずの目的はおぼろげになり、宿でしっかり働くという意識が日に日に増していっている。早くヨーコに長期休暇を取らせてやろうとさえ、毎日考えているほどだ。

  仕事はもはや手伝いではなく、完全に三人で分担してこなしていた。特にヨーコの苦手な帳簿や備品の管理までもが、二人に引き継がれている。

  「おっと、またやっちまった……」

  「おう俺も今朝でっけえのやっちまったぞ」

  仕事のミスではなく、ジャージも制服もあちこちが裂けてしまいみすぼらしい見た目になっていたのだが、数十人前の食事を平らげていると翔真のジャージがついに耐え切れなくなり、膨らんだ腹の肉で内側から破壊されて大きく破けてしまう。

  下着まで破けてしまったので、これには雄らしい二人もやや居心地が悪そうだ。

  「さすがによお、ちゃんとした作業着くらい貰ってもいいんじゃねえか……? そんくらいの仕事はしてるだろ」

  「ああ、そうだそうだ。俺らだってだいぶ仕事ができるようになったんだから、そんぐれえ要求してもバチは当たらねえだろ!」

  翔真と敦志で話しているうちに熱くなっていき、意気込んでヨーコに要求しに行くのであった。

  「あーおめえら今まで遠慮してたもんな。ええぞ、オラが伝えといてやるよ。ついで今度からそういうのをどうしたらいいかも説明しといてやっから、ついて来な!」

  翔真と敦志の決起の勢いもどこへ、ヨーコからはのほほんとした返答が返ってきたのである。しかも丁寧に説明までしてくれるようだ。

  二人は拍子抜けするのだが、自分たちが宿に受け入れられていると感じて穏やかで安らぐ気持ちに包まれていくのである。

  ヨーコの人柄でもあり、ここの管理者でもある御館様への感謝の気持ちが高まっていく……自分たちの家族や行方不明になった後輩のことなどさっぱり忘れてしまっていた。

  「狸の従業員なんてめったにいねえから在庫がねえんだ。んだで、しばらくそれで我慢してくれ」

  確かに狸はヨーコと御館様以外にはちらほらいるが、そこまで多くは無い。不満はあるが無い物はしかたがないと、二人は番頭の着る法被と褌のみで過ごすことになった。

  「はあ……うっ!」

  体毛が更に毛深くなり髭も生え始めた。金玉の大きさもどんどん増して行く。

  体重が増えて体がより大柄になって肥えて丸くなる。鼻の先が動物みたいに黒ずんで、歯が鋭くなり、耳の形状が変わる。目元も隈取りのように黒くなっていく。

  「おい仕事し始めてからだいぶいい体になってきたな」

  「ああん? 馬鹿言え、俺の方がいい体だろ?」

  肥大化してく睾丸により性欲も増強されて、オナニーで抜く回数がより増え一日に数えきれないほど抜くようになった。

  玉だけでなく竿も大きくなってゆき、翔真と敦志は温泉で対面した際に体や股間の大きさを張り合うようになっている。

  おまけにヨーコの姿を初めて見た時は、なんて恰好をしてるんだとつい笑ってしまったのに、今は自分達も同じ服装で、それがなんだかいやらしい恰好に思えてきてしまっていた。

  「はあ? 俺の方が腹体もでけえだろうが!」

  「いいや、俺の方がスケベだから玉がでけえだろ!」

  そしてついに翔真と敦志は、お互いを見ながら成人男性よりも大きく太くなったペニスをお互いの裸を見て勃起させ、その場で相手の裸でシコシコしごいて抜くようになるのだった。

  「おい、お客さんが来ちまうからさっさと出せよ!」

  「はん、そっちこそ遅漏なんじゃねえか? 俺の方が毎日すぐイクじゃねえか」

  「なんだと!」

  くだらないことではり合っている少年二人は、大柄で太っていてまるで相撲取りのようなむくつけき巨漢になっていた。

  茶色い毛皮のようなものが全体的に生え始め、爪が鋭く手足がゴツゴツした大きなものになりつつある。

  目元に黒い隈があり、耳も変形して上に移動しつつあり牙も生えてきていて、顔つきも人間の少年の面影はまだあるが、獣じみてきていてまるで狸のようだった……。[newpage]

  それからしばらくの時が過ぎた。

  相変わらず仕事は忙しく、暇などなかったが充実していた。物事を考える余裕など無く、目の前にあることだけを懸命にこなしていくだけであった。

  「お客様のご到着だ。用意はいいか?」

  なにか大切なことを忘れている気がしているが、そんなことを考えている暇なんて無い。他にするべきことがあった気もするが、今やるべきなのは仕事であった。

  自分達がしっかり仕事をこなせば恩人? であるヨーコや御館様の助けになるからであった。

  特に自分達の働き次第で、ヨーコが元同僚に会いに行ける確率が上がるのだ。二人はそれを目標に毎日仕事に励んでいる。

  「おうおう、てめえだいぶ獣じみてきたじゃねえか。お狸様みてえだぜ」

  「そっちこそかなりお狸様みてえで、いいからだしてんじゃねえか」

  この日も翔真と敦志は、露天風呂でお互いの体を見て自慰をしあっていた。

  自分たちの体が狸らしくなっていくことを認識しながら、おかしいとも思わずそのことに興奮するようになっていた。

  郷では狸が特別な存在であり、自分達もまた末端の木っ端ではあるがその領域に足を踏み入れていることに喜びを隠せないでいる。

  二匹とも御館様には好機をくれた御館様には感謝してもしきれなかった。

  握りこぶしよりも何倍も大きくなった金玉を揺らし、元のサイズよりもずいぶんと成長した逸物をしごきながら、友人の丸く肥えているあちこち茶色い毛だらけの裸を見て息を荒くする。

  今日はすでに何発か出してしまっていた。

  「あーたまらねえぜ、今日はどんぐれえ出せるかなあ」

  「いんや、俺はもう辛抱ならねえ……なあやってみねえか?」

  オナニーの見せ合いをしていた二人だが、狸親父のようにいやらしい顔つきで敦志が翔真に絡んでいく。

  彼の言うようにムラムラ沸き上がる性欲は、いくら抜いても追いつかないほど溜まっているようで、ねっとりと熱を帯びて友人を見つめるのだった。

  「やるって……なにをだよ」

  「んなもん分かってんだろ? なあしようや……」

  翔真は戸惑いを見せているが、敦志は普段とは逆に友人をリードするように迫っていく。

  といっても、最近は仕事でも敦志が積極的に翔真に指示することが、だいぶ多くなってきているのだが……。

  「いや男同士ですんのはさすがに……」

  「でも雄と雄だろ? 細かいことはいいからやっまおうぜ」

  「まあそうだな……いいぜ、やってみるか」

  翔真はなにか気になる所はあるものの、自分が雄であると言われると納得するのであった。

  翔真自身もオナニーだけでは性欲が収まらない状態だったので、いいタイミングでもあるし、敦志をフォローしてやらなければという考えがどこかにあったからだ。

  「んっ……ふう。お前やっぱ狸みたいだな」

  「そっちこそ狸みてえな顔してんぞ」

  敦志が積極的に翔真に舌を絡めていったので、男同士でぎこちなくキスをしてしまう。

  口づけをかわした後でそう言った二人とも、まだ人間らしい見た目ではあるがすっかり歳を取ったかのようになっている。

  目元の黒い模様は頬の下まで伸びているし、牙は鋭く耳もより尖って移動してしまったので、より獣らしい特徴の顔つきになってきている。

  口元が伸びて、鼻もより黒ずんで湿っていて、実に狸らしい人間の顔だ。

  体は相撲取りのように大きく太ってきていて、まだ地肌は見える物のあちこちが茶色い毛皮に包まれつつあるので、だいぶ獣に近づいてきている。

  「なあそこなんで舐めてんだ? 風呂で洗ったばっかだから汚くはねえだろうけど」

  「ああん? しっかり舐めとかねえと入らないかもしれねえだろ」

  昔から翔真が敦志をぐいぐいと引っぱっていくのが自然になっていた。なので無意識に自分が入れる方だと翔真は思っていたのだが、今は敦志がぐいぐいとリードしていのである。

  「うーん……しょうがねえなあ。されてやるよ」

  「へへへ、ケツ穴使わせてもらうぜ」

  そしてやや納得していない様子ではあるが、友人の頼みを聞いてやるかと翔真は承諾してしまうのだった。

  翔真は肛門を初めていじられているというのに、すんなりと指が入ってきている。

  若い窄まり穴をいじられるとだんだんと気持ちがよくなってきてしまい、熱を帯びた吐息を吐きながら身をよじるように、自然と四つんばいになってしまった。

  「なんかこう……変な感じ。でもなんだかいいかもしんねえ……」

  ここへ来なければ二人ともこんなことなんてしなかっただろう。

  だが、成熟した雄の狸になりかけている今の二匹は、早くしたくてしかたがなくなっている。

  人間の少年から。成熟した狸に雄になろうとしていた。

  「入れるぞ」

  すっかり大きくなった翔真の尻を片手でがっしりつかんで、敦志はもう片方の手でペニスをつかみ肛門へ押し付けた。

  アナルセックスどころかいじったことすらなかったのに、翔真の肛門は慣れたようにすんなりとふてぶてしい太さの逸物を飲み込んでしまう。

  「おっ……あっ……敦志のが俺の中に入ってきてる……くそっ、でけえなあ……」

  「ぐへへ、温かくてグニャグニャしてて悪くねえなあ……それ動くぞ」

  「ああっ! ゆっくり優しくしろよな」

  翔真は友達同士でこういった行為をしてしまうことに照れくささがあり、自分の胎内によく知る相手の性器が存在していることにも、初めての後孔の刺激にも不思議な感じがしていて落ち着かず、頭の中がよく分からなってきていた。

  してもいいけど、してはダメな少し気もするし、どうしてこんなことをしているのかも分からなくなってくる……なのに、肉体はこれを求めているようで熱く、体温が上がっていくのだった……。

  「なんだこれ、妙にしっくりきやがる……んふう。ケツが疼く……」

  「すっげ、ケツ穴気持ええ!」

  初めてのセックスなのにどこか慣れた感じがしていて、翔真はあまり苦しくなくて犯される気持ち良さを自然と受け入れることが出来た。

  敦志もまた激しく腰を突き上げ、逸物をヌルつくアナルに何度も乱暴につっこむのだった。

  「んっつ……ふう。おっ、チンポいいぞこれ……」

  「ああ俺もだ。こんなことなら早くやっちまえばよかったぜ」

  強引で独りよがりのゲイセックスであるというのに、翔真は余裕をもって大男のピストンを受け止めている。

  「なんじゃ? 儂をそんな前からすけべな目て見ておったのか?」

  「いんや、前からええ身体しとるとは思っとったけど、エロい目で見たのは今日が初めてじゃぞ……うん? 儂こんなしゃべりかたじゃったかのう?」

  口調の変化に二人は戸惑いながらセックスをやめようとはしなかった。ちょっと気になったことがあるくらいの感覚だろう。

  「おんや敦志さんや、どうしたんじゃ? 儂もお前さんも前からこんな感じじゃったろ?」

  「おおそうじゃそうじゃ、忘れておったわい。いんやこの頃昔のことが思い出せんでなあ……」

  セックスをしながら二匹の口調がずいぶん老けたものに変化していく。

  腰を動かしペニスを突き入れ、入れられながらハラハラと髪の毛が抜けていき、肉体も加齢と老化の兆候が見られていった。

  性格までもが歳を取り丸くなったように穏やかになっている。

  「翔真さんや気持ちええか?」

  「おうとも、敦志さんもちろんじゃとも。お゛っ……このまま続けておくれえ……」

  二匹は初めての交尾とは思えない様子で盛っている。

  最初の頃の激しさは鳴りを潜め、慣れた腰つきで優しくいたわるように敦志が翔真を犯し、翔真はとろけた表情でそれを穏やかで優しく受け止めている。

  「ええのう、たまらんのう……」

  「ほんまにのう、たまらんのう……」

  雄の交尾の快感が好きになり、それがそのままお互いへの好意に結びついていく。

  二匹とも髭があごの端から端まで生え揃い、その鼻と口先がより前に小型の肉食動物らしく伸びた。

  耳も頭部の上で獣の耳の形状らしくなり、尻からは尻尾らしきものが生えつつあり、全身を包みつつある毛皮の密度が上がり濃くなっていく。

  二匹は交尾をしながら老いていき、ほぼ狸の獣人のような姿になった。獣人に少しばかり人間の名残がまだあるといった所である。

  「うっ! いくぞ翔真さんや!」

  敦志がブルリと震えるとあっけなく絶頂し、翔真の中へまず薄くて少量のまるで人間の男子みたいな射精をした。

  「お゛っ……おほっ、いつでも来なされ敦志さんや。ぬふぅ……し、しっかりと受け止めてやるぞいっ……!? くるくる来るっ! いっぱい出ておる」

  翔真も同じような射精をして、床に薄くて少量のザーメンを飛ばした。だが、二匹とも射精がしばらく続き、やがて徐々に勢いと濃度が増してくのだった……。

  「おおおおおっ! 出て行くっ! 儂の中に出てて儂のも出てきよるっ! こんなはずじゃ……お゛お゛っ!!」

  本能的な危険をどこかで察知しているのか、脳に直接訴えているようだが時すでに遅く、獣らしい肉体には無駄であった。

  十数年間も人間の少年として生活してきたはずの大切ななにかまで、押し出されるように雄らしいサイズの逸物から精液と共に飛び出して行ってしまう。

  「んほっ! 出て行くっ!」

  射精の勢いが強くなり、濃厚になった獣の精液に切り替えられていき、チクリとした切ない痛みを伴いながら、尿道を『なにか』が塊となって射精の圧でヌ゛ル―っと移動していき、ペニスの先から強制的に投げ捨てられてしまう。

  「お゛っ!! ああ……出てしもうた……儂が出てしもうた……」

  翔真も敦志も同じ気持らしく、取り返しのつかない深刻さに戦慄しながらも初めての交尾の快感に震え、だらしのない顔を晒してしまっている。

  後悔に似た感情と、今まで知らなかった素晴らしい体験に二匹は全身を震えさせてしばらくの間動けないでいた……。[newpage]

  「本日はようこそおいでくださいましたですじゃ。それでは狸御殿をご案内いたしますぞ」

  それからまたしばらく経った。翔真と敦志の二匹はすっかり宿の従業員として馴染んでしまっていた。

  老人のような口調も板につき、仕事を要領よくこなしていくその振る舞いは、まるで元からここの番頭をしていたかのようである。

  周りからの評判もよく、一人前の従業員として認められていた。

  「してもよかったのう……ヨーコさんが暇を貰えて」

  「そうじゃのう、儂らも頑張ったかいがあるってもんじゃ」

  今日も一仕事を終えた後で温泉につかりながら、翔真と敦志は湯の暖かさに気をゆるませてぽつりとそう言った。

  二匹がそつなく仕事をこなせるようになったおかげで余裕が出来たので、ヨーコが念願の長期休暇を取得し、ついにユウという元同期に会いに行ったのである。

  一匹番頭が減ってしまうが、今の二匹ならしっかりと仕事を任せられると御館様からもお許しが出たのである。

  翔真は余裕が出来たらヨーコが休みを貰えるというのが、口約束ではないかと疑っていた時期もあった。

  だが、今は御館様に全幅の信頼を寄せていて、こうして二匹で風呂につかりながら自身らの健闘を称え合い、御館様の広い御心に感謝しているのである。

  「どうして儂は御館様を疑っておったんじゃろうか……?」

  翔真は最近記憶がおぼろげになり、どうしてか思い出せないことばかりが増えていた。

  自分が昔はどういった性格だったか。前はどこに住んでいてなにをしていたのか、いつからここで働き始めたのかも分からず、他にもとても大切なことがあったはずなのに、どうしても思い出せないでいるのである。

  「まあええか。そんなことよりも今夜もお楽しみじゃのう……」

  じわりと尻を撫でられたので思考はかき消え、なにもかもが今はどうでもよくなり、翔真はスケベに敦志の尻を撫で返すのであった。

  「グフフ、もう少し待つんじゃ。風呂は風呂で楽しみたいからのう……」

  人間らしい名残のある狸親父たちは、スケベそうに笑い合い愛撫を繰り返しながらねっとりとお互いを見つめ合うのだった。

  風呂から上がった二匹はさっそくお楽しみの交尾をするつもりだ。

  風呂場では時間が限られているが、今はヨーコが留守なので部屋で一晩中気にせずに盛り合うことが可能なのだ。

  毎晩二匹は気絶するまで雄交尾をしていて、今もおっぱじめようとしている。

  「どうじゃ儂のフェラは? 上手くなったろ。もう出るんじゃないか?」

  肥満しきった敦志の股間に顔をうずめ、翔真は獣臭くなってきた太長いじっくりとペニスをしゃぶっている。

  竿も睾丸も大きく、まだ毛皮の厚みと密度が足りないが全体が獣毛に覆われてしまっている。

  老けた狸親父らしくなった敦志は、半分ほど皮のかぶっている仮性包茎ペニスからさっそく射精してしまい翔真の口の中へ出した。

  「こりゃたまらん……うっ!? 出てもうたわい……ふん、じゃが儂のチンポの方が絶品じゃぞ」

  「なにおう……そこまで言うのならすぐにでも証明してもらわないとなあ」

  翔真は出された濃厚な狸汁を髭面の狸の口で飲み干し、皮かむりのふてぶてしいペニスにねっとりとしつこく舌をはわせている。

  人間の中年のようなちり毛も生えている獣毛に包まれた睾丸。そこからいくらでも出てきてしまう精液は、濃い獣のエキスの中に混ざり物がわずかに感じられ、それがアクセントになっている。

  狸らしく大きくなった睾丸に彼らの忘れてしまった最後のひとかけらがまだ、袋のそこに残っているのである。

  「おおっそこじゃぁ! はよう来ておくれぇ」

  翔真はいつもの流れで四つんばいになると、役割を入れ替えるようにして尻の穴を愛撫されている。

  「ほんと翔真さんのここはいつでもゆるゆるじゃのう。こjんな簡単に手がすっぽり入りよるぞ」

  「お゛っ!! ほじって、もっと奥までほじってくれぇ~ケツ穴広げておくれえ……」

  「儂らだけだからってやかましくなりおって……翔真さんは飛んだ変態狸じゃわい」

  二匹の手足も獣らしい形状への変化が進んでいて、すでに人間のものではなくなっている。

  その大きくなった獣の手が、翔真の肛門の奥へズルズル飲み込まれていき、厚くなってきた毛皮に包まれている腕までゆるい肉の穴へ見えなくなっていく。

  「お゛っほ゛!! い゛、いいっ! 腕が腹ん中で暴れとるっ!!!」

  もはや人間離れしているのは見た目だけではないらしく、そば打ちの生地を練るように敦志は翔真の肛門をこねくりまわしている。

  翔真はそれを肉欲に溺れ切っただらしのない顔を晒して楽しんでしまっている。

  「オンッ! はぁ……はぁ……ええとこじゃったのにもう終わりか? つまらんのう」

  「そんなわけあるめえ、ここからじゃねえか。今日だって雌狸みたいにあんあん言わせてやるぞい!」

  敦志がだらしのない雄穴から腕を抜くとポンと音がした。そしてまだ皮膚が見えている毛の薄い所もあるが、たわわに実った果実のように大きい毛むくじゃらの睾丸の上で、太くて長い狸ペニスを勃起させている。

  狸ペニスは待ちきれないといった様子で、きのこのように膨らんだ亀頭の先の鈴口から先走り汁をトロリと垂らしている。

  「はよう来てくれえ……ケツ穴がぽっかり開いたままで寂しいわい」

  「いくぞ翔真さん。お望み通りめちゃくちゃにしちゃるわい」

  熟年の雄カップルのように、敦志はまるで長年してきたかの様子でペニスを肛門にあてがうと、柔らかくて締りの無い狸の巣穴へズブブと自然に、野太い狸ペニスが飲み込まれていく……。

  「おおっ! これじゃこれ! 何度してもええのう……」

  「ほれほれたっぷり出してやるからの! 待っとれよ」

  顔は面影がまだあるものの、狸らしい模様がしっかり出来上がっていて、形も人間ではなく動物のものである。

  地肌の見える薄い所があるのでまだ完全では無いが、全身を毛皮ほとんど茶色い毛皮に包まれて、体は大きく非常に肥えてしまっている。

  丸々と大きな腹と睾丸をブラブラ揺らしながら、狸になりかけの二匹が交尾を始めた。

  翔真の緩い肛門がゆるゆると敦志の逸物を受け入れ、クチャクチャと音を立てている。

  逸物は太く長く、肛門はこれでもかと広げられているのに、肉棒に吸いつくように滑らかにまとわりついている。

  その結合部も二匹の見た目も、中学生だとは全く思えず……古狸になりかけの老いた成人男性でしかなかった。

  「ええ……ええわぁ……」

  ペニスで肛門を貫かれるとなんとも言えない快感が尻から発生し、意識がぼんやりとしてくる。

  ボフボフと毛の生えた尻と腰がぶつかる音がしている……翔真は雄として犯される快感で頭が真っ白になり考えることが難しくなっている。

  今日もお香が焚かれていてその匂いと、自分たちから放たれる獣臭を嗅いでいるとより興奮していく。

  「おおっ! ええのう……んーなんかひらめきそうな……思い出せそうな……なんじゃろ?」

  だがしかし……意識がはっきりとしなくなったことで、逆に翔真の頭の隅に追いやられてた消えかけの記憶が再び浮かんでくるのだった。

  「お゛ おほおっ! おんやあ……なんか儂忘れてるような……なんじゃったかのう……」

  「ヨーコさんがそろそろ帰ってくるだろうから、今のうちに思う存分交尾しとかんとな」

  「帰ってくる? 帰る……帰る! そうじゃ儂ら帰る場所があるんだった! どうしてこんな大事なこと忘れてたんだ俺たち」

  何気なく発した敦志の言葉によって、消去寸前だった記憶がよみがえったのだった。

  「お前さんなにを言っとるんじゃ……いや待てよ……そうだ! 僕たちここに迷い込んで来たんじゃないか!」

  そんな翔真の様子を見て、敦志も元の性格が戻ってきたようで表情が青ざめていく……。

  「なんでじゃ。友達相手にエッチなんかして……体も毛だらけで動物みたいじゃし、やけに太ってるし」

  「置物みたいにアソコも大きいのう……僕らこれじゃ狸じゃん!」

  今更になってようやく体の異変をはっきり異常だと認識し始めるのだが、二匹はもうどうにもならないであろう。

  「狸……そうか! そうだったんだ!」

  翔真の中で全てが繋がっていく。消えた後輩たち、謎の宿、ヨーコという狸……しかし真相が理解できたとはいえ、この状況にどうしようもない無力感と絶望が押し寄せてくる。

  「こんな間抜けな体型の狸なんかにされて、僕たちもう帰れないのかなあ……ここでずっと働かさるんだ……ううっ」

  ほとんど狸になった顔をくしゃくしゃにして敦志は泣き出してしまっている。

  「いやまだ諦めるなよ。ヨーコも他所に行ってるんだし、ここから外に出る手段はあるみたいだろ。それに元に戻る方法だって……おっと」

  恐怖で泣いてしまっている友人を落ち着かせようと、翔真は懸命に励ました。

  翔真はここから逃げる算段をしようとしていたが、敦志にしっかり抱きしめられてしまい、背中をさすってやりながら優しく友人へ声をかける。

  「大丈夫だ、きっとなんとかなるって……」

  「うん……ふー……ふうううー……ふっーーー!」

  しかし敦志は落ち着くどころか呼吸が乱れ、鼻息が荒くなっていく。そしてそのまま翔真の口へ長い舌をねじ込んでしまうのだった。

  「んんん!?」

  どうしたんだと聞き返したいが口を塞がれてしゃべることが出来ない。

  キスもさんざんしてしまっているが、意識がはっきりしている時にするのは初めてであり……間近から漂ってくる友人の獣臭い体臭や、獣の口の生臭さと長い舌の感覚が気になってきて戸惑ってしまう。

  ここでようやく自分が獣に侵されていく気分を正常な意識の中で味わってしまい、翔真は困惑するばかりだった。

  敦志は積極的に舌を絡めてきて、ついには翔真を押し倒して覆いかぶさってしまう。

  「はぁ……はぁ……俺ぇ……やっぱ我慢できねえぞ……すまねえ……」

  敦志は少しだけ申し訳なさそうにしていたが、だんだんといやらしい目つきの狸親父の顔になっていき、腰を翔真の股間に落としていく……。

  「おいやめろ! こんな時に何考えてんだよ! 俺たち男なのにセックスなんかしたくねえよ」

  「でも……毎日やりまくってんだし……それこそ今更だろぉ?」

  目の前の友人は敦志ではなく、エロ狸親父らしく話しながら翔真の膝の裏をつかんで、大股を開いた状態で持ち上げて、ぐいと自身の方へ引き寄せてしまう。

  「今んなことしてる場合じゃねえだろ、狸になりかけてるってのに……あっ! お……っ、おっほぉぉぉ!」

  「ぐへへ……んなこった言ったって、俺のマラはたまんねえだろ? てめえだってもうエロイ顔になってんぜ」

  狸同士の雄交尾に消極的な友人を敦志が積極的にリードしてやり、もう何十年も使いこんでしまったかのような緩くてトロトロの名器に、ふてぶてしいサイズの仮性包茎ペニスを突っ込んでしまうのだった。

  「あっ!! お゛俺っ! 嫌だ、帰りたいっ! うっ!!」

  「俺は帰りたくねえなあ? このままここで毎日交尾して暮らそうぜ。いい所じゃねえか」

  大きくて肥えている狸のような生物二匹が、正面からがっぷりと抱き合うように交尾している。

  入れる方の狸は乱暴で荒々しく雄々しく、ねっとりとしつこく雄狸を犯している。

  入れられる方の狸はくばらく辛く苦しそうに呻いていたが……やがて穏やかになっていき、やがで雄々しい汚い声で喘ぎ声を出すようになった。

  「おっほ! わ、儂……お゛お゛っ゛!! こんな……おほっ!」

  「すまんのう……でも儂のチンポコもええ感じじゃろ? 毎晩あんなに発情期の雌狸みたいに叫んでおるじゃからこれでええじゃなか……」

  交尾の最中、二匹は老いた口調に変わっていき、性行為は激しいままだったが性格と主に雰囲気まで優しく穏やかになっていく。

  まるで長年連れ添った熟年の中年カップルのように、イチャイチャと絡み合っている。

  「ちんぽぉ……儂のチンポがぁ……」

  丸くて大きな太鼓腹同士で向き合って交尾しているものだから、贅肉で丸い腹の肉に翔真のペニスは挟まれてしまい、一匹の番相手に犯されているのにまるで挿入しているかのように、柔らかな刺激で快感がもたらされている。

  「キュオン! すっごぉっ!? だめじゃあ、儂がおかしなるぅ……ちんぽぉ……」

  翔真は番の慣れている交尾のはずなのに、まるで初めて犯されているような気持ちになっていた。

  いつもどおり野太い狸チンポが尻穴の奥まで入ってきて、ズンと腸の壁を叩くと甘い息が漏れてしまうような快感がやってくる。

  なのに新鮮な気がして、ようやく犯されているということを正しく認識出来たのだった。

  おまけにチンポまで腹肉でボヨンボヨンと柔らかく圧迫されて、快感で悶絶してしまいそうにさせられている。

  「こんな雄同士で……狸みたいになっておるのに……儂どうしてスケベな気分になって……」

  まだ狸の雄同士で交尾するのはちょっと嫌で、受け入れがたいような抵抗もあるけれど……なんだか恥ずかしいような、照れくさくて切なくて愛おしい……番であることを、狸は一夫一妻の夫婦愛が強い動物で、番相手と一生添い遂げさせられてことを、無意識のまますり込まれてしまう。

  ゆるゆるのケツの穴にはズルズル、ドスンと快楽が与えられ、無駄に大きい逸物にはグリグリと烈しく刺激されてしまう。

  目も眩むような同時攻撃にをネチネチした交尾で与えてくる、目の前のむさい番相手に執拗に犯される。

  それが愛おしくて、嬉しくて、色んな感情が湧いてきてしまい……心に執着してくるような強力な快感に塗りつぶされていってしまう。

  「儂……狸なんかじゃ……いや狸なのか? 儂は……んほっ! ああたまらん……お゛っ!? 儂は狸ぃぃぃっ!!!」

  アナルとペニスの両方に素敵な贈り物をされて、凌辱されているのと愛されているのと同時に受け取りながら、翔真の快楽のボルテージが上がっていく。

  今日はまだ出てないほうである。

  肥えて丸い体が熱い……なにかが蓋をしている気がする……だからまだ出てないのでる。

  信楽炊きの狸みたいな大きな玉袋の底にそれが残っていた。

  ケツの穴を犯される快感にそれがゆっくり上ってきて、輸精官を通り抜けてしまう。

  「おっほ!! いかん! それが出てはならんぞ!! おっほっっっ!!! らめえ!」

  番相手の相撲取りのように大きな雄狸ががっぷりと抱いて、ねっとりと愛してくれて、獣臭い肥えた丸い体と体を密着させて逸物で何度も激しく突いてくれている。

  いやらしく翔真は喘いでしまい、頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。包茎ペニスへの圧迫感と、野太い狸のチンポで犯される快感に体がゾクゾク震える。

  エクスタシーがクライマックスを迎えながら、同時に取りかえしのつかないことを警告してくる危険信号が高まっていく。

  「あっ昔の儂が出てしもうた……」

  情けない声でぽつりと敦志はそうつぶやき、とぼけた様子であっさりとなんの感慨もなさそうに射精してしまった。

  翔真の腹が獣のザーメンと他のわずかな『なにか』で満たされ膨らみ、それが最後の一押しとなって人間としての翔真を守り続けていたダムが決壊してしまう。

  「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ!?!?!? でりゅう! 儂が出て、んほおっ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ??????」

  いつものように……または慣れているはずなのに初めて経験するように、翔真は肛門とペニスの刺激で絶頂してしまう。

  壊れたおもちゃのようにガクガクと全身を烈しく震わせ、意識が飛び視界が白く染まっていく。

  なにかが壊れて消えてドロドロした物が侵食していく……。

  「お゛っ゛!!!!」

  小さなかけらとなってしまった大事な昔の翔真の魂のようなものが、ヌ゛メーっと尿道内を豆鉄砲の豆のように射精の圧で押し出されていく。

  翔真のペニスの鈴口からまるで人間のように薄い精液が、弱々しく飛び出した。

  その薄いて情けない精液は、翔真が生涯人間だったなら射精したであろう総量と同じ分だけ、ピュー……っと、おもちゃの水鉄砲のようにしばらく射精され、翔真と敦志の腹の毛を汚した。

  そして不必要なものを出し切ってから、ゴボゴボと詰まるような水音をさせて濃厚な狸汁に完全に切り替わるのである。

  「お゛っほ!! んほお゛!!! キュオオオオンッ!!!!」

  今度こそ純度百パーセントの獣のザーメンが出るようになり、人間だったら出したはずの翔真の総生産量をあっさりと超える勢いと量で、ドピュドピュブビュルルルルッッッ! と、消火ポンプのように射精され、泥のような精液を腹の間にぶちまけ、薄くて弱い人間ザーメンを汚らしく洗い流してしまった。

  「おっ……おおっ!?」

  数百年もの間封印されていた古狸のうように射精は続き、狸らしい大きさの睾丸に見合う量と勢いでザーメンがやっと出るようになった。

  二匹は毛皮がしっかりと生え揃い、尻尾も最後まで伸び切り、頭部も完全に狸のものになった。

  腹と尻がより肥えて丸くなり、体はまた大きくなる。

  睾丸はブルンと膨らんで、ひざ下まで届くくらいの歩行に邪魔になりそうなほどの、実に狸らしい大玉の睾丸になった。

  翔真も敦志もすっかりと相撲取りのように大きく肥えているむさい狸親父に変わってしまった……。

  むさくるしい二匹の番の雄狸たちは中出しを続けたまま、いつまでも仲睦まじくじゃれついていた……。[newpage]

  偶然か吉郎狸の計らいなのか、翔真と敦志が正式に雄狸の番になってからすぐに、ヨーコは狸御殿へ帰ってきたのだった。

  彼を出迎えた二人にヨーコははしゃいだ様子で、部屋へ戻る前からさっそく休暇のことを嬉しそうに語り始めた。

  「なんかおめえら初めて会った時よりもだいぶ印象かわったなあ? オラおどろいちまったぞ」

  「儂らとしばらく会うてなかったしのう。それにここに馴染んで来た証拠じゃなかろうか」

  「そうかなあ……まいいか! そんでな、ユウのやつむこうで太夫まで上り詰めててなあ……それはきれいな遊女なんだあ。おめえらにもいつか会わせてやりてぞ」

  予想通りあちらからは御館様の近状ばかり質問されたことや「間抜けなのは相変わらずだが幾分かマシになった。気が向いたらまた来るといい……」と、ヨーコにやっとユウ太夫が興味を示してくれたことを楽しげに語った。

  「ヨーコさんが留守にしとった間、儂らも頑張っておったんじゃぞ」

  「そうじゃそうじゃ。ヨーコさんや聞いとくれや……」

  翔真も敦志もヨーコに話したいことが沢山あり、三匹の同僚は和気あいあいと話し出した。

  昔のことはなんだか思い出せないが、狸御殿での仕事は気に入っていて誇りさえ感じている。

  出来るならいつまでもここで働きたいと願う二匹なのだった……。

  「ふむ……いいでしょう。最初は興味がありませんでしたが、うちは番頭にいつまでもうだつの上がらないのがいますし、それにしかと動ける従業員なら、いくらいても困りませんからね……」

  それからも二匹は狸御殿で月日が経つのも忘れるくらい、忙しく真面目に働いていたのだが、吉郎狸にその仕事ぶりをついに認知されたのであった。

  「そうですね……これからはうちの番頭として、ショウとアツと名乗りなさい」

  ショウとアツは御館様からやっと認められ、名前までいただけたことに感激している。

  「押しかけで来たのですし、報酬は当面の間は衣食住の提供のみでいいでしょう……うむ。これからもしっかりと宿のために働くのですよ」

  吉郎狸は機嫌は良さそうではあるが、興味自体はあまり無いようでさっさとその場から離れていった。

  三匹だけになった後も、ヨーコは自分のことのように喜んでいる。

  「うーむ……押しかけじゃったかなあ。よく思い出せんのう?」

  ショウはやはりここで働き始める以前の記憶が無いようで、首をかしげている。

  聞けばヨーコも同じだと言うが、ヨーコという名前もなにかが気になってしまう。

  「なあに難しいこと考えてんだ? これからも今まで通りお宿で一生懸命働けばいいだよ」

  「今日の仕事も儂らは終わったし、ショウさんや部屋に戻ろう」

  ショウはヨーコとアツに促されて気が散ってしまい、住み慣れた離れのおんぼろ小屋の部屋へと戻るのだった。

  「おめえらいつの間にこんなこと覚えたんだ? ここんとこオラ驚いてばっかだぞ」

  御館様から名前を貰った日の夜の事だった。

  いつもどおり仲良く三匹で会話をしていたのだが、ショウとアツの番で雄交尾するタイミングが減っていたので、すっかり二匹の古狸は欲求不満気味になっていた。

  そして不意にムラっときてしまい、二匹ともその場でギンギンに逸物を勃起させてしまったのである。

  「なんだおめえら、ちょいと合わねえうちに成獣になりやがって。そんならオラがサービスしてやんぞ」

  それを見たヨーコは、巨大で歩きにくいために仕事のミスに繋がっているほどの狸の玉袋とは対照的な、小さな突起のようならっきょうチンポを反射的に勃起させた。

  親切なヨーコは純粋な好意から二匹の逸物をしゃぶってやり、玉袋を揉んでマッサージをした。

  「オラ番頭よりも按摩の方が得意だかんな」

  彼の言うとおり高い技術をうかがわせる手つきと舌技であったので、ショウとアツに二匹はすぐさま絶頂させられてしまうのだった。

  「おっほ! ヨーコさんはさすがじゃのう……」

  それから三匹はお互いのペニスを舐め合い、ショウがヨーコに犯され、ヨーコがアツに犯される形で乱交を始めてしまい、今に至る。

  「おめえらがまだ子供だったから言わねえようにしてたけど、うちは遊郭と陰間茶屋の顔もあんだよ。成獣したんなら、これからは夜の仕事もしねえとな……今夜はちょうど団体客相手だからオラについて来い。陰間見習いとして手ほどきしてやっからよ」

  肥えた雄狸たちは、その相撲取りのような体を稽古のようにぶつけ合って仕事の話をしている。

  今夜ではなかったが、元々から二匹にももちろん夜の客の相手もさせる予定だったので、吉郎狸も手間が省けたと言うだろう。

  こうしてショウとアツの初めての夜の仕事は獣の団体に決まり、二匹は雄交尾に甘い吐息を吐きながら……誇りに思っている宿の新しい仕事に意気込んで興奮し鼻息を荒くさせ、真剣に狸の雄交尾を続けるのだった。