Day4:公共の場所

  ロータス:明日のオフ、楽しみにしてます

  エリオント:私も楽しみだよ

  ロータスはスマホのメッセージ画面を明滅させて、待ち合わせ場所で待った。

  もちろんロータスはハンドルネームだ

  彼は小柄な犬系の獣人で、すでに社会人として働いている年齢だが、周囲よりは頭一つ小柄だ。そんな外見も相まってから、ロータスには本名を隠して遊んでいる小さな趣味があった。

  「子供扱い、されたい」

  仕事のストレスも相まってか、ここ最近、その欲求は更に強くなり、イタズラ半分で出会い系サイトに自分の欲望を書き殴ったところ、なんの因果か、可愛がってくれる人とマッチングしてしまった。

  「うーん……ちょっと、早まったかな」

  ロータスは大きなウェリントン眼鏡をかけ直しながら、ポリポリと額を掻いた。

  この巨大なアイウェアのおかげで、よほど親しい知り合いでもなければ、正体を隠せそうなくらいに顔の印象を大きく変えられた。

  そのくらい、ロータスにとっては秘密にしたい趣味だったのだ。

  3日かそこらの出会い系の知り合いに、急に会おうとするのは、成り行きとはいえいささか不用心だったと、薄々思い始めていた。

  「ロータスくん? かな?」

  朗らかな声に振り向くと、長身の青年が立っていた。

  スラリと伸びた手足にゆったりとした上着を着て、体型は分かりづらいが痩せ型の整った体躯であることは間違いない。恐らくカラコンらしい赤い瞳と、同じ色の真っ赤なメッシュカラーのショートヘアが、頭の上で撥ねている。

  「えっと、エリオントさん?」

  「そ。よろしくな」

  きちんと整えられた身なりに、ブランドまでは分からないが、見るからに仕立てのいいジャケットを羽織っている。

  一方、ロータスは安っぽいゴワゴワしたネルシャツに、着古したチノパン姿だ。

  見るからに薄給の新社会人って感じの出で立ちである。

  「ロータスくん、想像以上に可愛いじゃん。眼鏡もよく似合ってる」

  「あの、このことは、くれぐれも内密にお願いします」

  「分かっているよ。僕も同じだ。なんなら、nda契約を結んでも構わない。私が秘密を反故にしたら、十分な賠償も約束する」

  「そ、そこまでは……」

  漲る自信が口から流れてきたかのような、流暢で淀みない抑揚でエリオントが話す。

  「じゃあ、名前は?」

  「えっと、ごめんなさい。本名はちょっと……」

  「いいよ。じゃあ僕もエリオントのままで良いかな?」

  「えと……は、はい」

  「じゃあ、ロータスくん。これからたっぷり可愛がってやるよ」

  クシャクシャ……

  エリオントさんが優しく髪を撫でてくる。本当にロータスのことを子供扱いするような仕草に、思わず背筋がぞわりとうずいた。

  「お、お手柔らかに、お願いします」

  子供扱いされたいロータスの願いに、付き合ってくれると快諾してくれた人が、このエリオントさんだ。

  メッセージで何度かやり取りしたところ、住んでるところも近いらしくて、流れるように今日のオフ会が決まった。

  「ここの駐車場に車停めてるから、一緒に家まで」

  「は、はい」

  エリオントに誘われるまま車に乗り、彼の家まで連れられた。

  車は市街地用の普通車だったが、シートは革張りで、エンジンの馬力も高い。見るからに高級車ってタイプとは違う、主張しないタイプながらも、かなりハイクラスな車だと見てとれた。

  家は近いと言うだけあって、ものの数分で辿りついた。住宅街の一角に並びながらも、他の家とは明らかにワンランク高い、モダンなデザインハウスだった。

  ロータスの住むワンルームマンションと比べれば、何ランク上になるのか、考えも及ばない。

  「さて、どれが良いかね?」

  エリオントが家に招き入れると、玄関からつながったホールに、子供服が並べられていた 。

  「こ、こんなの……」

  そのどれもがロータスの好みにピッタリな、短パンやシャツの可愛らしいコーディネートだ。そして全て、かなり良い生地で仕立てられている。

  下手したらポロシャツ一枚だけで、今日着ている全身コーディネートより高いかも知れない。

  「それが気に入ったか? 確かに白のポロシャツは、きっとよく似合うな」

  「え、えへへ」

  はにかんだ笑顔を浮かべながらも、いきなり会った相手のスペックの高さに、内心困惑していた。

  すると家のスピーカーから、ゆったりとした音楽が流れてくる。重低音域にゆらぎがあって、心地よく体が揺れるような感覚があたまを。

  「緊張してるみたいだからな。リラッークスしていいぞ」

  エリオントがニッと白い歯を見せて微笑みかけてくる。

  「あ、うん」

  音楽に身を委ねると、ちょっとずつ心がほぐれてきた。エリオントの緩やかな抑揚の声と掛け合わさり、瞳がとろんと半開きになった。

  「今日は、ポロシャツと短パンにしようか」

  「……うん」

  「お着替えさせてやるから、ばんざいできる?」

  「ばんざーい」

  言われるがままに、スルスルとロータスの服が脱がされていく。

  ストン

  ダボダボのトランクスまで容赦なく剥ぎ取られ、気がつけばあっという間に素っ裸にされた。

  「おちんちんも小さくて可愛いじゃねえか」

  「そ、そんなジロジロ見ないでよ」

  ピンと直立したまま、もじもじと顔を赤らめる。

  はっきり小さいと言われると、なんだか恥ずかいし、男として情けなかった。

  「陰毛も整えておくぞ」

  言うと同時に、パチンと小気味いい音が鳴り、エリオントの手には折りたたみのナイフが握られていた。

  「え、ちょ、ちょっと」

  慌てて腰を引いたが、突き出した股間の先端を、きゅっと捕まれ引き戻されてしまう。

  「動くと、おちんちんも切っちゃうぜ」

  「あの……そ、その……」

  ロータスの股間にナイフの刃先がひたりとつけられる。

  おちんちんが先端を握って持ち上げられ、裏側から玉まで丸見えだ。

  「だって、お子様ちんちんに大人の毛が生えてたらおかしいだろ?」

  「あぅ……いや……」

  話がトントン拍子に進んで、さすがにやり過ぎてる気がしてきた。

  そこの毛は唯一の大人の証のように感じてて……

  「じっとしてなよ」

  ショリ……ショリ……

  ロータスの返事も待たず、器用な手付きで股間で伸びた毛が、周りと同じ高さに揃えられていく。

  「あ、やっ……やだっ」

  慌てて刃先から逃れようとするが、恐怖のせいか体が強張って動かない。

  頭では抵抗しようとしていても、体は手を横につけて股間を突き出したまま固まっていた。

  「良い子だから、もうちょっと、じっとしててな」

  「あ、あっ……」

  大人の証が綺麗サッパリなくなるまで、ロータスはじっと見守ることしかできなかった。

  「よし、きれいになった。これなら中学生どころか、背の高い小学生くらいにもみえるかもな」

  「あ……そ、そんな……」

  視線を落とすと、陰毛に生え変わる前のサラサラした短毛しかない股ぐらと、そこにピッタリなサイズのおちんちんがぷるぷると震えていた。

  普段は子供っぽいと言われれるくらいだったが、その様はどうみても幼い子供だ。

  「今日は初めてだし、そこの公園に散歩くらいにしておこうか」

  パラパラと切った陰毛をナイフから払い落として、エリオントは事もなげに言った。

  「よく似合ってるじゃねえか」

  「そ、そう……かな?」

  エリオントに連れられるまま、さっきの公園に戻った。ちょっと恥ずかしい気もするけど、彼に言われると思わず体が言うことを聞いてしまう。

  穿きなれない短パンがすーすーする。

  「おしっこは大丈夫か? そこにトイレあるぜ」

  エリオントが近くの公衆トイレを指差す。

  「い、いやっ……」

  自分で言い出したこととはいえ、今でさえ想像以上に恥ずかしい格好をさせられている。

  そのうえ、こんな公共の場所でおしっこだなんて、さすがに悪のりしすぎてる。

  「しーしー大丈夫? しーしー」

  「うっ……」

  変に意識してしまうと、急に尿意を催してしまった。

  「おトイレ、一人でできる?」

  「こ、子供扱い……しないで」

  本心で言ったつもりだったが、一層子供らしさに拍車が掛かってしまった。

  エリオントから離れて一人でトイレの中に入る。他に人影はなく、清潔に片付いたトイレはしんと静まり返っていた。

  ロータスはいそいそと手近な小便器に向かって、ズボンのチャックをおろした。

  「こらこら、ちゃんとパンツ下げないと、また汚しちゃうだろ」

  すぐ後ろからエリオントの声がする。

  それどころか、パンツ下げないとって……

  スルリッ……

  エリオントが手を伸ばすと、手早くパンツがズボンごと下ろされてしまった。

  ぷるんと股間が飛び出し、お尻まで丸出しの恰好にされる。

  「あ、ちょっと……」

  慌ててつかもうとしたが、尿意はすぐそこまで迫っていた。

  「ちゃんとたっちして、しーしーしような」

  「あうっ……そ……そんな……」

  耳元で囁かれた言葉に、無意識に体が従ってしまう。

  ズボンとパンツはまとめてくるぶしまで落とされ、下半身丸出しの格好で小便機の前に立たさた。

  「ちゃんと立ってしーしーしないと、パンツ汚しちゃうだろ」

  「あぅ……」

  恥ずかしさに足を閉じようとするも、足の間に差し込まれた腕で、いとも簡単に股を開かされてしまった。

  「ほら、しーしーしー」

  「あっあっ……」

  チョロッ……チョロロロロ……

  誰もいないトイレの中に、ロータスが放尿する水音が静かに響いた。

  「あぅ……うぅ……」

  いくら子供扱いっていっても、こんな恥ずかしい格好させられるなんて。

  今更怖気づいたところでもう遅かった。

  体はすでにエリオントの声に反応して、言われたことを無意識になぞってしまう。

  「これから、もっともっと可愛がってあげるからな」

  クシュクシュと、慈しむように頭を撫でられる。

  その優しい感触にうっとりと目を細めながらも、「この細くて大きな手からは、もう逃げられない」とロータスの本能が告げていた。